JP2013039252A - 消臭カーペットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、パイル糸と基布とバッキング層からなるカーペットにおいて、基布を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーがグラフト重合処理され、消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを提供する。
【解決手段】パイル糸と基布とバッキング層からなるカーペットにおいて、基布を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーがグラフト重合され消臭機能が付与されていることを特徴とする消臭カーペットの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、室内における空気中のアンモニア、酢酸等の悪臭を効率よく吸着除去することができる消臭機能を有するカ−ペット、詳しくはカーペットを構成する基布にグラフト重合処理を施し、消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットの製造方法に関する。
近年建設される住宅は、気密性が向上しており、そのため室内に臭いがこもり易く不快感を与えるなど、生活臭の問題は大きな関心事となっている。このような生活臭の原因になる成分としては、例えばアンモニア、酢酸、硫化水素、メチルメルカプタン、ホルムアルデヒド等が挙げられるが、中でもアンモニア、酢酸は、汗臭、加齢臭、排泄臭、生ゴミ臭等の不快臭に含まれる臭気成分であり、代表的な悪臭として挙げられる。
従来より室内における空気中の悪臭を効率よく吸着除去することができる消臭機能をカーペットに付与するために、カーペットのバッキング樹脂層やパイル糸に消臭剤を付与することにより、機能付与されたカーペットが提供されている。
出願人は、特許文献1において、カーペットの風合に影響を与えずに、空気の悪臭成分を効率よく長期にわたって吸着除去することのできるカ−ペットとして、基布の縦糸および/又は横糸に少なくともテープヤーンを用いることにより、消臭組成物を大量にしかもカーペットの風合を損ねることなく固着できるようになり、消臭能力の向上が図れ、かつ耐久性のある消臭カ−ペットを提案している。
特開2007−143803号公報
しかしながら、パイル糸の風合を損ねることなく十分な消臭効果がえられ、洗濯にも耐えられ、持続して消臭効果のある消臭カ−ペットとすることができるが、さらに消臭性能の耐久性の向上が求められていた。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、パイル糸と基布とバッキング層からなるカーペットにおいて、基布を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーがグラフト重合処理され、消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]パイル糸と基布とバッキング層からなるカーペットにおいて、基布を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーがグラフト重合され消臭機能が付与されていることを特徴とする消臭カーペットの製造方法。
[2]前記ラジカル重合性モノマーがグラフト重合される糸が、ポリプロピレン糸である前項1に記載の消臭カーペットの製造方法。
[3]ポリプロピレン糸に電子線を照射する電子線照射工程と、前記ポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーを接触させる接触工程と、前記接触工程後の前記ポリプロピレン糸を50℃〜120℃の範囲の温度で加熱することで、前記ラジカル重合性モノマーを前記ポリプロピレン糸に重合させるグラフト重合工程と、を含み、前記電子線照射工程、前記接触工程及び前記グラフト重合工程を不活性雰囲気で連続で製造されたポリプロピレン糸を少なくとも一部に含む織基布を用いることを特徴とする消臭カーペットの製造方法。
[4]前記ラジカル重合性モノマーが、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の官能基を有するラジカル重合性モノマーを少なくとも用いる前項1〜3のいずれか1項に記載の消臭カーペットの製造方法。
[5]前記ポリプロピレン糸がポリプロピレン製フラットヤーンである前項2〜4のいずれか1項に記載の消臭カーペットの製造方法。
[6]前項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られた消臭カーペット。
[1]の発明では、基布を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーがグラフト重合され消臭機能が付与されているのでパイル糸の風合を損ねることなく、消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを製造できる。
[2]の発明では、前記ラジカル重合性モノマーがグラフト重合される糸が、ポリプロピレン糸であるので、電子線照射によってラジカルが生成し易く、消臭機能が付与され、さらに消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを製造できる。
[3]の発明では、ポリプロピレン糸に電子線を照射することでラジカルを形成し、該電子線照射後のポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーを接触させて50℃〜120℃の範囲の温度で加熱することでラジカル重合性モノマーをポリプロピレン糸に十分にグラフト重合させることができる。また、電子線照射工程、接触工程及びグラフト重合工程を不活性雰囲気で連続で行うことで、電子線照射によって生成したラジカルの失活が抑制されるので、高いグラフト率のポリプロピレン糸と製造することができる。さらに、グラフト重合工程においてポリプロピレン糸を50℃〜120℃の範囲の温度で加熱するので、ラジカルを十分に反応させてポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーをグラフト重合させることができる。こうして製造されたポリプロピレン糸を少なくとも一部に含む織基布を用いるので消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを生産することができる。
[4]の発明では、前記ラジカル重合性モノマーが、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の官能基を有するラジカル重合性モノマーを少なくとも用いるので、カルボキシル基、スルホン酸基は塩基性のアンモニア臭やアミン臭を除去し、また、アミノ基は酸性の酢酸臭やイソ吉草酸臭等を除去することができるとともに、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基は繊維と共有結合しているため耐洗濯性に優れた消臭カーペットを製造できる。
[5]の発明では、前記ポリプロピレン糸がポリプロピレン製フラットヤーンであるので、前記ポリプロピレン製フラットヤーンの表面に前記ラジカル重合性モノマーを均一にグラフト重合することができるので、効果的に消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを製造できる。
[6]の発明では、基布を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーがグラフト重合されてなる十分に消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットが提供される。
第1発明に係る消臭カーペットの製造方法は、パイル糸と基布とバッキング層からなるカーペットにおいて、基布を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーがグラフト重合され消臭機能が付与されていることを特徴とする消臭カーペットの製造方法。
第1発明に係る消臭カーペットの製造方法によれば、基布を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーがグラフト重合され消臭機能が付与されているのでパイル糸の風合を損ねることなく、消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを製造できる。
第2発明に係る消臭カーペットの製造方法は、ポリプロピレン糸に電子線を照射する電子線照射工程と、前記ポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーを接触させる接触工程と、前記接触工程後の前記ポリプロピレン糸を50℃〜120℃の範囲の温度で加熱することで、前記ラジカル重合性モノマーを前記ポリプロピレン糸に重合させるグラフト重合工程と、を含み、前記電子線照射工程、前記接触工程及び前記グラフト重合工程を不活性雰囲気で連続で製造されたポリプロピレン糸を少なくとも一部に含む織基布を用いることを特徴とする。
第2発明に係る消臭カーペットの製造方法によれば、ポリプロピレン糸に電子線を照射することでラジカルを形成し、該電子線照射後のポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーを接触させて50℃〜120℃の範囲の温度で加熱することでラジカル重合性モノマーをポリプロピレン糸に十分にグラフト重合させることができる。また、電子線照射工程、接触工程及びグラフト重合工程を不活性雰囲気で連続で行うことで、電子線照射によって生成したラジカルの失活が抑制されるので、高いグラフト率のポリプロピレン糸を製造することができる。さらに、グラフト重合工程においてポリプロピレン糸を50℃〜120℃の範囲の温度で加熱するので、ラジカルを十分に反応させてポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーをグラフト重合させることができる。こうして製造されたポリプロピレン糸を少なくとも一部に含む織基布を用いるので消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れた消臭カーペットを生産することができる。
本発明において、パイル糸の素材としては特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ループパイルであってもよい。パイル糸の目付は200〜2000g/mに設定するのが好ましい。200g/m未満ではカ−ペットとしての機能の劣ったものとなり、好ましくない。2000g/mを超えると通気性が十分に得られなくなり消臭性能上好ましくない。
本発明における基布としては、織基布が好ましく、縦糸および/又は横糸に少なくともフラットヤーンが用いられていることが好ましい。素材としては、どのような素材のものでもよいが、ポリプロピレン繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等の熱可塑性樹脂のフラットヤーンが好ましく、フラットヤーンに加工し易いものであればよい。なかでも、ポリプロピレン繊維が電子線照射によってラジカルを生成し易いので好ましい。また、ラジカル重合性モノマーがグラフト重合され消臭機能が付与されている糸の基布に占める面積比率は、5%〜90%の範囲が好ましい。5%を下回ると消臭性能が低くなり好ましくない。90%を超えても徒にコストアップになり好ましくない。中でも10%〜80%の範囲が好ましい。
フラットヤーンは熱可塑性樹脂を押出機にて溶融押出し、Tダイ法またはインフレーション法にてフィルムを形成し、スリットした後に加熱延伸し、次いで熱処理して製造する。加熱延伸は、熱可塑性樹脂の融点以下、軟化点以上の温度で行い、延伸倍率は3〜10倍がよい。フラットヤーンの繊度は、300〜1500dtex、厚み25〜100μmがよい。こうして得られたフラットヤーンを縦糸および/又は横糸に用いることが好ましい。基布の目付は70〜200g/mに設定するのが好ましい。70g/m未満ではパイル糸を安定的に保持するのが困難となるので好ましくない。200g/mを超えると徒にコストを増大することになり好ましくない。
バッキング層としては、パイル糸と基布とを固定できる樹脂組成物やゴム組成物であればよく特に限定されない。例えば樹脂組成物の樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、MBR(メチルメタクリレ−ト−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられる。バッキング層の塗布方法としてはロ−ルコ−ティング法、スプレ−コ−ティング法等で前記樹脂組成物またはゴム組成物を塗布し乾燥すればよい。また、消臭組成物をバッキング層の処理液中に練り込み、基布の下面に塗布し、さらに消臭機能のあるバッキング層としてもよい。
バッキング層の下側にクッション性とバッキング層の保護カバー性を付与すべく、セカンド基布として不織布層を設けてもよい。不織布層としては、特に限定されず、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボンド不織布等を例示できる。不織布層の目付は20〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。不織布層の目付が、50g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると徒にコスト増大となるだけで好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されないが、リサイクル性からみればポリエステル繊維に統一するのが望ましい。また、不織布層の最下部表面に、樹脂組成物やゴム組成物で滑り止め層を形成してもよいし、不織布層に消臭組成物をバインダー樹脂で固着し、さらに消臭機能のある不織布層としてもよい。
前記ラジカル重合性モノマーとしては、ラジカル重合可能なモノマーであれば特に限定されないが、前記ラジカル重合性モノマーが、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の官能基を有するラジカル重合性モノマーを少なくとも用いるのが好ましい。前記ラジカル重合性モノマーは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。前記ラジカル重合性モノマーによって、消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れたものとすることができる。
糸にラジカル重合性モノマーをグラフト重合させるには、ガンマ線、イオンビーム、電子線等を糸に照射することで生成したラジカルと、ラジカル重合性モノマーとを接触させ、糸を加熱することによってグラフト重合させる。
(電子線照射工程)
照射する電子線の量は、10kGy〜300kGyの範囲に設定するのが好ましい。照射量が10kGy以上であることでグラフト重合に必要な量のラジカルが得られる。300kGy以下であることでポリプロピレン糸を構成する繊維の主鎖の切断を防止でき、糸の物性の低下を抑制することができる。電子線照射で生成されたラジカルが失活しないように不活性雰囲気で行う。具体例としては、密閉状態の空間内の酸素濃度を可能な限り低くした状態や、空気を窒素によって置換した雰囲気等を挙げることができる。
(接触工程)
接触工程では、ポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーを接触させる。ポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーを接触させる方法としては、公知の方法を用いれば良く、例えばディップ法、コーティング法、スプレー法を挙げることができる。ラジカル重合性モノマーを水と低級アルコール等の溶媒に希釈した希釈溶液を、ディップ法、コーティング法、スプレー法などでポリプロピレン糸に接触させる。前記希釈溶液中のラジカル重合性モノマーの濃度は、1〜70質量%とするのが良い。ポリプロピレン糸に対する前記ラジカル重合性モノマーの付着量は、ポリプロピレン糸100質量部に対し、0.5〜50質量部に設定するのが好ましい。
(グラフト重合工程)
グラフト重合工程では、ポリプロピレン糸を加熱することによってラジカル重合性モノマーをポリプロピレン糸にグラフト重合させる。加熱温度は、50℃〜120℃の範囲に設定するのが好ましい。50℃以上とすることで重合速度が大きくなり十分なグラフト率を得ることができるとともに、120℃以下とすることでグラフト鎖同士の結合により重合の停止反応が起こることを抑制することができる。中でも、グラフト重合工程では糸を50℃〜120℃の範囲に加熱するのが好ましい。
本発明において、各工程での不活性雰囲気としては、酸素濃度が5000ppm以下の不活性雰囲気にするのが好ましい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。一例として使用したカ−ペットの構成および消臭試験の評価方法は次の通りである。
(アンモニア消臭性能)
試験カ−ペット片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(酢酸消臭性能)
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が200ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
そして、除去率が95%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上95%未満であるものを「○」、除去率が70%以上80%未満であるものを「△」、除去率が70%未満であるものを「×」と評価し表1のような結果を得た。
(洗濯耐久性試験)
JIS 0217 103法に準じる方法を10回行なった。
<実施例1>
1050dtex、厚み55μmのポリプロピレン製フラットヤーンに100kGyの電子線を照射した(電子線照射工程)。次に、ポリプロピレン製フラットヤーンをディップ法でラジカル重合性モノマー(5質量%のアクリル酸水溶液)に接触させ、ポリプロピレン製フラットヤーン表面にラジカル重合性モノマーを付着させた(接触工程)。続いて、60℃で加熱しラジカル重合性モノマーをポリプロピレン製フラットヤーンにグラフト重合させた(グラフト重合工程)。上述の電子線照射工程、接触工程、グラフト重合工程を窒素雰囲気(酸素濃度400ppm)のもと連続で実施した。次に、前記グラフト工程を経て得られたポリプロピレン製フラットヤーンを80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥した。このようにして得られたポリプロピレン製フラットヤーンを横糸に、未加工のポリプロピレン製フラットヤーン(1050dtex、厚み55μm)を経糸に使用して平織りの織基布(縦糸密度18本/インチ、横糸密度13本/インチ、目付95g/m)を用意した。次に、パイル糸としてポリエステル繊維からなるパイル糸(2050dtex)をタフティング機で前記基布に植え込み表皮層(パイル長7mm、パイル目付700g/m)を作成した。次に、バッキング層としてSBRラテックス(SBR含有量50重量%)をローラーコ−ティングで塗布し(塗布量500g/m)し、5dtexのポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布(目付300g/m、厚さ6mm)を貼り合わせ乾燥して消臭カーペットを得た。各種消臭性能の測定を実施し、表1に記した。
<実施例2>
次に、実施例1において、1050dtex、厚み55μmのポリプロピレン製フラットヤーンの代えて、1000dtexのポリエステル糸(マルチフィラメント、124f)を用いた以外は実施例1と同様にして消臭カーペットを得た。
<実施例3>
次に、実施例1において、電子線を別工程で実施し100kGyの電子線を照射した以外は実施例1と同様にして消臭カーペットを得た。
<実施例4>
次に、実施例1において、ラジカル重合性モノマー(5質量%のアクリル酸水溶液)に代えて、5質量%の、スルホン酸基を持つATBS(Acrylamido Tertiary Butyl Sulfonic Acid)の水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして消臭カーペットを得た。
<実施例5>
次に、実施例1において、60℃で加熱する代わりに30℃で加熱をした以外は実施例1と同様にして消臭カーペットを得た。
<実施例6>
次に、実施例1において、ラジカル重合性モノマー(5質量%のアクリル酸水溶液)に代えて、5質量%のクロロメチルスチレン乳化液を用いクロロメチルスチレンを重合させた後、10質量%のトリメチレンアミンDMF(dimethyl formamide)溶液を用い4級アンモニウム化を施したポリプロピレン製フラットヤーンを横糸に用いた以外は実施例1と同様にして消臭カーペットを得た。
<実施例7>
次に、実施例1において、未加工のポリプロピレン製フラットヤーン(1050dtex、厚み55μm)に代えて、実施例6で得られたポリプロピレン製フラットヤーンを経糸に用い平織りの織基布とした以外は実施例1と同様にして消臭カーペットを得た。
<比較例1>
1050dtex、厚み55μmのポリプロピレン製フラットヤーンを電子線照射工程、接触工程、グラフト重合工程を窒素雰囲気(酸素濃度400ppm)のもと連続で実施することで得られたポリプロピレン製フラットヤーンに代えて、5%のポリアクリル酸(数平均分子量5000)と5%のポリウレタンバインダーとの水溶液を、ディップ法で塗布し、120℃で乾燥した1000dtexのポリエステル糸(マルチフィラメント、124f)を横糸に用い平織りの織基布とした以外は実施例1と同様にして消臭カーペットを得た。
<比較例2>
次に、比較例1において、1000dtexのポリエステル糸(マルチフィラメント、124f)に代えて、1050dtex、厚み55μmのポリプロピレン製フラットヤーンを横糸に用い平織りの織基布とした以外は比較例1と同様にして消臭カーペットを得た。
Figure 2013039252
本発明の製造方法で得られた消臭カーペットは、基布を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーがグラフト重合処理され、消臭機能が付与され消臭性能の耐久性に優れているので、従来からカーペットを利用している建物や家庭で消臭性能のあるカーペットとして用いられる。

Claims (6)

  1. パイル糸と基布とバッキング層からなるカーペットにおいて、基布を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーがグラフト重合され消臭機能が付与されていることを特徴とする消臭カーペットの製造方法。
  2. 前記ラジカル重合性モノマーがグラフト重合される糸が、ポリプロピレン糸である請求項1に記載の消臭カーペットの製造方法。
  3. ポリプロピレン糸に電子線を照射する電子線照射工程と、前記ポリプロピレン糸にラジカル重合性モノマーを接触させる接触工程と、前記接触工程後の前記ポリプロピレン糸を50℃〜120℃の範囲の温度で加熱することで、前記ラジカル重合性モノマーを前記ポリプロピレン糸に重合させるグラフト重合工程と、を含み、前記電子線照射工程、前記接触工程及び前記グラフト重合工程を不活性雰囲気で連続で製造されたポリプロピレン糸を少なくとも一部に含む織基布を用いることを特徴とする消臭カーペットの製造方法。
  4. 前記ラジカル重合性モノマーが、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の官能基を有するラジカル重合性モノマーを少なくとも用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭カーペットの製造方法。
  5. 前記ポリプロピレン糸がポリプロピレン製フラットヤーンである請求項2〜4のいずれか1項に記載の消臭カーペットの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られた消臭カーペット。
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