JP2014156668A - スエード調シート - Google Patents
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Abstract
【課題】遅燃性に優れたスエード調シートを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも一面が起毛または立毛された極細繊維の繊維絡合体と、繊維絡合体に含浸付与されたシリコーンエラストマーを主成分とする弾性樹脂成分とを含有することを特徴とするスエード調シートである。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも一面が起毛または立毛された極細繊維の繊維絡合体と、繊維絡合体に含浸付与されたシリコーンエラストマーを主成分とする弾性樹脂成分とを含有することを特徴とするスエード調シートである。
【選択図】図1
Description
本発明は、しなやかな風合いを有する、遅燃性に優れたスエード調シートに関する。
従来から、ポリウレタン樹脂等を含浸付与させた繊維絡合体の表面を起毛または立毛させて形成された、スエード調シートが知られている。スエード調シートは、車両、船舶、航空機等の内装材をはじめとする各種インテリア素材として広く用いられている。このような、車両、船舶、航空機等に用いられるインテリア素材には、高い安全性を確保するために難燃性が求められる。
従来、スエード調シートに難燃性を付与する方法として、例えば、下記特許文献1は、熱可塑性合成繊維と水性ポリウレタン樹脂を用い、表層、中間層及び裏層の3層構造からなる人工皮革において、該中間層として織編物を用い、該表層が極細熱可塑性合成繊維からなり、該中間層及び/又は該裏層がリン共重合熱可塑性合成繊維から形成されている難燃性人工皮革を開示する。
しかしながら、リン系化合物を熱可塑性合成繊維に共重合させたリン共重合熱可塑性合成繊維は通常の繊維に比べて繊維強度が低下するために、車両、船舶、航空機等に用いられるインテリア素材に求められる機械的特性や耐摩耗性を充分に満足させることが難しかった。また、リン系化合物は高価であり、難燃性を充分に付与するためにリン系化合物の共重合割合を高めた場合には繊維が高価になるために、高い難燃性とコスト性との両立をとることが難しかった。
また、スエード調シートに難燃性を付与するための別の方法として、下記特許文献2は、ポリエステル系繊維構造物を形成する繊維自身に高温の浴中で難燃剤を吸尽させる方法を開示する。しかしながら、このような方法によれば、ポリエステル系繊維自身を熱水中で処理する必要があり、難燃剤や難燃剤を分散させている界面活性剤などが熱水中で分解または変質することにより染色装置内部が汚染され易く、それにより生産性が低くなるという問題があった。
このような点から、従来から、スエード調シートに難燃性を付与する方法としては、繊維絡合体の起毛または立毛させた面に対する裏面側に、難燃性の層を裏打ち加工またはバックコートする方法が広く用いられている。
このような方法として、例えば、下記特許文献3は、起毛された極細繊維絡合体の裏面に一体化された基布に難燃剤をアクリル樹脂等のバインダで固着させることによりスエード調シートを難燃化させる技術を開示する。また、下記特許文献4は、ポリウレタンを含浸させた熱可塑性合成繊維布帛からなる人工スエード状構造物の主として裏面に、特定の難燃剤が含有されている布帛を裏張りした人工スエード状構造物を開示する。しかしながら、これらの方法により得られるスエード調シートは、裏面側に設けられた、剛直な布帛や多量の難燃剤を含む硬い樹脂層の影響により、裏面側が硬くなることにより伸び性が低下してシート全体として高級感に優れたしなやかさが得られなくなり、複雑な変形に追従するようなシートが得られなかった。
また、スエード調シートに難燃性を付与する別の方法として、起毛または立毛させた面を有する繊維絡合体の層内部に含浸付与させたポリウレタンで難燃剤を固定する方法も知られている。例えば、下記特許文献5は、表面を起毛または立毛させた熱可塑性合成繊維布帛にポリウレタン樹脂が含浸されてなる人工スエード状構造物において、ポリウレタン樹脂の層中に特定の水難溶性かつ常温で固形状の難燃剤を含ませて、難燃剤をポリウレタン樹脂で固定した難燃性人工スエード状構造物を開示する。しかしながら、このような方法により得られるスエード調シートは、充分な難燃性能を発揮させるためには多量の難燃剤を付着させる場合があり、このような場合には表面にベタツキ感が生じたり、風合を低下させたりすることがあった。また、難燃剤の種類や量によってはポリウレタン樹脂の耐光性が低下して色あせを生じるために、高い耐光性能が要求される車両、船舶、航空機等の内装材としての使用には充分に適したものではなかった。
素材の難燃性は、狭義には、継続して燃焼しない不燃性、炎にさらされる間は燃えるが炎から離されれば消火する自己消火性、燃焼する速さは遅いがある程度の時間は燃え続ける難燃性、自己消火性は無いが、燃焼する速さが遅い遅燃性などの特性に分類される。
スエード調シートに難燃性を付与するための難燃剤には臭素や塩素を含むハロゲン化合物がその難燃効果の高さから広く用いられてきたが、その発生ガスの毒性や焼却時の有害物質の発生などの点が指摘されて、世界的にその使用が制限される傾向にある。従って、スエード調シートとしては、難燃剤を多量に配合するような手段は好ましくなく、できるだけ難燃剤以外の材料の難燃性を向上させるような手段が好ましい。
スエード調シートの用途である、自動車内装部材などに用いられる素材には、車両火災等において、燃焼が広がる前に乗客が脱出して避難するための時間を確保するために遅燃性が重要とされている。例えば、米国自動車安全基準(FederalMotor Vehicle Safety Standard)のFMVSS No.302やJIS−D1201等の遅燃性評価試験が規格化されており、遅燃性は実用上、重要な要素とされている。ここにいう「遅燃性」とは、無風の大気中でいったん着火した資材から着火源を取り去った後、ゆっくりと燃え続ける性質をいう。
本発明は、遅燃性に優れたスエード調シートを提供することを目的とする。
本発明に係るスエード調シートは、少なくとも一面が起毛または立毛された繊維絡合体と、前記繊維絡合体に含浸付与されたシリコーンエラストマーを主成分とする弾性樹脂成分とを含有する。このようなスエード調シートは遅燃性に優れているとともに、しなやかな風合いを有する。
また、スエード調シートは、極細繊維がポリエステル系繊維であり、分散染料で染色されていることが、染色堅牢度に優れる点から好ましい。
また、スエード調シートは、FMVSS No.302に定める燃焼試験において、102mm/分以下の遅燃性を示すことが好ましい。
本発明によれば、遅燃性に優れているとともにしなやかな風合いを有するスエード調シートが得られる。
本発明に係るスエード調シートの一実施形態を以下に説明する。
図1は、本実施形態のスエード調シート10の模式断面図を示す。図1中、1は表面が起毛処理または立毛処理された極細繊維の繊維絡合体であり、2は繊維絡合体1に含浸付与されたシリコーンエラストマーを主成分とする弾性樹脂成分である。以下、各要素について説明する。
図1は、本実施形態のスエード調シート10の模式断面図を示す。図1中、1は表面が起毛処理または立毛処理された極細繊維の繊維絡合体であり、2は繊維絡合体1に含浸付与されたシリコーンエラストマーを主成分とする弾性樹脂成分である。以下、各要素について説明する。
極細繊維の繊維絡合体1としては、従来から、スエード調シートの製造に用いられている、表面が起毛処理または立毛処理された極細繊維の繊維絡合体であれば、特に限定なく用いられる。
極細繊維の繊維絡合体は、例えば、海島型複合繊維のような極細繊維発生型繊維を絡合処理して繊維絡合体を形成し、繊維絡合体中の海島型複合繊維を極細繊維化することにより得られる。なお、本実施形態においては、極細繊維発生型繊維として海島型複合繊維を用いる場合について詳しく説明するが、海島型複合繊維以外の極細繊維発生型繊維を用いても、また、極細繊維発生型繊維を用いずに、直接極細繊維を紡糸してもよい。なお、海島型複合繊維以外の極細繊維発生型繊維の具体例としては、紡糸直後に複数の極細繊維が軽く接着されて形成され、機械的操作により解きほぐされることにより複数の極細繊維が形成されるような剥離分割型繊維や、溶融紡糸工程において花弁状に複数の樹脂を交互に集合させてなる花弁型繊維等が挙げられ、極細繊維を形成しうる繊維であれば特に限定されずに用いられる。
海島型複合繊維の島成分を構成する樹脂であり、極細繊維を形成する樹脂成分の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),イソフタル酸変性PET,スルホイソフタル酸変性PET,ポリブチレンテレフタレート,ポリヘキサメチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリ乳酸,ポリエチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネートアジペート,ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル;ポリアミド6,ポリアミド66,ポリアミド10,ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6−12等のポリアミド;ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリブテン,ポリメチルペンテン,塩素系ポリオレフィンなどのポリオレフィン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、極細繊維を形成する樹脂成分は、本発明の効果を損なわない範囲で難燃化処理されていてもよい。このような難燃化処理の具体例としては、極細繊維を形成するための樹脂成分にリン系難燃剤やハロゲン系難燃剤を練りこむ方法や、極細繊維を形成する樹脂成分中に、例えば、難燃性のリン含有共重合成分を共重合させる方法等が挙げられる。
一方、海島型複合繊維の海成分を構成する樹脂としては、島成分を構成する樹脂とは溶剤に対する溶解性または分解剤に対する分解性を異にする熱可塑性樹脂が選ばれる。海成分を構成する熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、エチレン変性ポリビニルアルコール系樹脂のような水溶性ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、スチレンアクリル共重合体、などが挙げられる。これらの中では、湿熱や熱水で収縮し易い点からポリビニルアルコール系樹脂、特にエチレン変性ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。
極細繊維の繊維絡合体の製造方法としては、例えば、海島型複合繊維などの極細繊維発生型繊維を溶融紡糸して繊維ウェブを製造し、繊維ウェブを絡合処理した後、海島型複合繊維から海成分を選択的に除去して極細繊維を形成するような方法が挙げられる。繊維ウェブを製造する方法としては、スパンボンド法などにより紡糸した海島型複合長繊維等の極細繊維発生型長繊維をカットせずにネット上に捕集して長繊維ウェブを形成する方法や、長繊維をステープルにカットして短繊維ウェブを形成する方法等が挙げられる。また、形成された繊維ウェブには形態安定性を付与するために融着処理を施してもよい。
通常、海島型複合繊維からなる繊維ウェブの海成分を除去して極細繊維を形成するまでの何れかの工程において、絡合処理、水蒸気による熱収縮処理等の繊維収縮処理を施すことにより緻密化処理が施される。絡合処理としては、例えば、得られた繊維ウェブを5〜100枚程度重ね、ニードルパンチや高圧水流処理等の公知の不織布製造方法を用いて長繊維ウェブに絡合処理を行うような方法が用いられる。
海島型複合繊維の海成分は、繊維ウェブを形成させた後の適当な段階で抽出または分解して除去すればよい。このような分解除去または抽出除去により海島型複合繊維が極細繊維化されて極細繊維が形成される。
極細繊維の平均繊度は特に限定されないが、0.001〜0.5デシテックス、さらには、0.005〜0.2デシテックス程度であることが好ましい。また、繊維絡合体の目付も特に限定されないが、140〜3000g/m2、さらには、200〜1000g/m2程度であることが好ましい。
極細繊維の繊維絡合体には、遅燃性及び形態安定性を付与するために、シリコーンエラストマーを主成分とする弾性樹脂成分(以下、単にシリコーン弾性樹脂とも称する)が含浸付与されている。
シリコーン弾性樹脂成分は、シリコーンエラストマーを主成分とし、必要に応じて、少量の他の樹脂成分を含んでもよい。シリコーン弾性樹脂成分中のシリコーンエラストマーの割合としては、60〜100%、さらには80〜100%、とくには90〜100%、ことには100%であることが好ましい。
シリコーンエラストマーの具体例としては、例えば、a)ジメチルシロキサンを基本構造として両末端に水酸基を有するシリコーン化合物をその水酸基の縮合反応で縮重合させたり、b)片方の末端にビニル基を有するシロキサン化合物と片方の末端に水素原子を有するシロキサン化合物のビニル基と水素原子の付加反応で重合させたり、c)片方の末端に水酸基を有するシロキサン化合物と片方の末端に水素原子を有するシロキサン化合物によって水酸基と水素原子の硬化反応させたりして形成される、シリコーンエラストマーが挙げられる。また、シリコーンエラストマーは必要に応じて架橋性の官能基を有しており、架橋剤や架橋促進剤を配合することにより、架橋密度が適宜調整されてもよい。
このようなシリコーンエラストマーは、市販品として、例えば、ダウ・コーニング社、信越化学工業(株)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、等から入手することができる。
シリコーンエラストマーはエマルジョンまたは溶液として調製されているが、シリコーンエマルジョン、とくには固形分10〜30%のシリコーンエマルジョンが繊維絡合体に均一に含浸し易い点から好ましい。
また、シリコーン弾性樹脂成分は、その伸び率が100〜800%、さらには200〜700%であることが好ましい。伸び率が高すぎる場合には耐摩耗性や耐汚染性が低下する傾向があり、伸び率が低すぎる場合には弾性が失われてしなやかな風合いが低下する傾向がある。なお、伸び率は、JISK6301に準拠して、測定された値である。
また、シリコーン弾性樹脂成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、シリコーンエラストマー以外の樹脂成分、具体的には、例えば、シリコーンエラストマー以外のシリコーン成分や、ポリウレタン樹脂やアクリル系樹脂のような樹脂成分や、難燃剤,着色剤,滑剤,防汚剤,蛍光増白剤,艶消剤,光沢改良剤,制電剤,芳香剤,消臭剤,抗菌剤,防ダニ剤等を必要に応じて含有してもよい。
極細繊維の繊維絡合体に含浸付与されるシリコーン弾性樹脂成分の割合としては、シリコーン弾性樹脂成分/極細繊維の繊維絡合体の質量比が5/95〜40/60、さらには、5/95〜30/70程度であることが好ましく、5/95〜20/80であることが最も好ましい。シリコーン弾性樹脂成分の比率が高すぎる場合には、得られるスエード調シートがゴム感あるいは樹脂感を持った風合いとなり、高級感のあるしなやかな風合いが得られにくくなる傾向があり、少なすぎる場合には遅燃性が低下する傾向がある。
極細繊維の繊維絡合体にシリコーン弾性樹脂成分を含浸付与させる方法は特に限定されないが、例えば、海島型複合繊維のような極細繊維発生型繊維を絡合処理して得られた繊維絡合体にシリコーン弾性樹脂成分のエマルジョンまたは溶液を含浸付与し、シリコーン弾性樹脂成分を乾式凝固または湿式凝固させた後、繊維絡合体を形成する海島型複合繊維から海成分を選択的に除去する極細繊維化処理を行う方法が挙げられる。また、別の方法としては、予め、海島型複合繊維のような極細繊維発生型繊維を絡合処理して得られた繊維絡合体の極細繊維化処理を行った後、シリコーン弾性樹脂成分のエマルジョンまたは溶液を含浸付与し、シリコーン弾性樹脂成分を乾式凝固または湿式凝固させるような方法であってもよい。
このようにして得られたシリコーン弾性樹脂成分を含浸付与させた極細繊維の繊維絡合体は、必要に応じてスライス処理またはバフィング処理することにより厚み調整された後、その表層をサンドペーパーなどを用いてバフィング処理して起毛処理または立毛処理することにより、スエード調シートが得られる。また、揉み柔軟化処理、逆シールのブラッシング処理、防汚処理、親水化処理、滑剤処理、柔軟剤処理、酸化防止剤処理、紫外線吸収剤処理、蛍光剤処理、難燃剤処理等の仕上げ処理が施されてもよい。
スエード調シートの厚みは、特に限定されないが、0.3〜1.5mm、さらには、0.5〜1.0mmであることが好ましい。また、目付は100〜900g/m2、さらには200〜500g/m2程度であることが好ましい。
なお、スエード調シートは必要に応じて染色される。染色は、分散染料、反応染料、酸性染料、金属錯塩染料、硫化染料、硫化建染染料などを主体とした染料を繊維の種類に応じて適宜選択し、パッダー、ジッガー、サーキュラー、ウィンスなどの従来の人工皮革の染色に通常用いられる公知の染色機を使用して行われる。
例えば、極細繊維がポリエステル系極細繊維の場合には、分散染料を用いて高温高圧染色により染色することが好ましい。この場合、極細繊維の繊維絡合体に含浸付与させる高分子弾性体として従来広く用いられていたポリウレタンを用いた場合には、ポリウレタン自身が染色工程において染料を多量に吸着してしまい、そのまま用いた場合には、ポリウレタンの堅牢性が低いために分散染料が色落ちしたり使用時に他の基材に移行したりするという問題があった。このような問題を解決するために、通常、染色後に化学的還元剤を用いてポリエステル系極細繊維中の分散染料をなるべく落とさないようにしながら、揉み処理すること等によりポリウレタンが吸着した分散染料を脱色・洗浄して染色堅牢性を向上させる処理等を行っていた。一方、本発明に係るスエード調シートを用いた場合、シリコーン弾性樹脂成分は染料を極めて吸着しにくいために、上述したような、染色後に脱色・洗浄して染色堅牢性を向上させる処理を省略または簡略化することができる。
このようにして得られたスエード調シートは、難燃剤を用いて難燃処理しなくとも、高い遅燃性を示す。具体的には、例えば、FMVSS No.302の自動車内装材燃焼試験規格により、水平燃焼速度を測定した場合、102mm/分以下、さらには50mm/分以下のような燃焼速度を示すことが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
変性度10モル%のエチレン変性PVAを海成分に用い、変性度6モル%のイソフタル酸変性PETを島成分に用い、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型複合繊維のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表層の繊維が仮融着した目付31g/m2のウェブを得た。
変性度10モル%のエチレン変性PVAを海成分に用い、変性度6モル%のイソフタル酸変性PETを島成分に用い、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型複合繊維のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表層の繊維が仮融着した目付31g/m2のウェブを得た。
そして、得られたウェブに油剤及び帯電防止剤を付与し、クロスラッピングすることにより目付が250g/m2の長繊維ウェブを作成した。そして、さらに、針折れ防止油剤をスプレーした。
そして、針先端から第1バーブまでの距離が3.2mmの6バーブ針を用い、針深度8mmで両面から交互に3300パンチ/cm2のパンチ密度でニードルパンチングすることにより、目付320g/m2の海島型複合長繊維の繊維絡合体を得た。
そして、海島型複合長繊維の繊維絡合体を水蒸気により熱収縮させた。水蒸気による熱収縮処理は、はじめに、絡合された長繊維ウェブ中の海成分の量に対して10質量%の水を付与し、次いで、相対湿度が95%、70℃の雰囲気下で熱処理することにより緻密化して、見掛け密度0.52g/m3の熱収縮処理繊維絡合体を得た。
次に、熱収縮処理繊維絡合体に、ポリジメチルシロキサンであるシリコーンエラストマーのエマルジョンを含浸させ、90℃から190℃の範囲の温度の熱風で乾燥及びキュアリングを行った。そして、シリコーンエラストマーを含浸させた熱収縮処理繊維絡合体を95℃の熱水中で処理することにより、海成分を除去して繊度0.08dtexの極細繊維を形成させた後、120℃の温度で10分間乾燥することにより、中間体シートが得られた。中間体シートのシリコーンエラストマー/極細繊維の質量比は15/85であった。
得られた中間体シートの裏面をサンドペーパーにて研削して厚み0.80mmに調整し、表面側を400番手のサンドペーパーで起毛処理を行って、スエード調皮革様シートを得た。そして、得られたスエード調皮革様シートを黒色の分散染料を用い130℃で、1時間液流染色し、還元、中和処理を行った。染色時の繊維の脱落やほつれは良好で、発色も良好であった。そして、得られたスエード調シートを以下のようにして評価した。結果を下記表1に示す。
〈燃焼速度〉
FMVSS No.302の自動車内装材燃焼試験規格により、水平燃焼速度を測定した。具体的には、スエード調シートを10cm×35cmに切断して試験片を作成した。そして、得られた試験片を燃焼試験装置の試料ホルダーに水平に固定した。バーナー口を試験片の下端真下に持っていき、15秒間接炎させた後、試験片の点火端から38mmの標線からの燃焼速度、ドリップ性を計測した。なお、評価はN=3の平均を算出して行った。
FMVSS No.302の自動車内装材燃焼試験規格により、水平燃焼速度を測定した。具体的には、スエード調シートを10cm×35cmに切断して試験片を作成した。そして、得られた試験片を燃焼試験装置の試料ホルダーに水平に固定した。バーナー口を試験片の下端真下に持っていき、15秒間接炎させた後、試験片の点火端から38mmの標線からの燃焼速度、ドリップ性を計測した。なお、評価はN=3の平均を算出して行った。
〈風合い〉
得られたスエード調シートを手で触り、以下の基準に従い、触感により風合いを判定した。
A:風合いがソフトである。
B:風合いがやや硬い。
C:風合いが硬い。
得られたスエード調シートを手で触り、以下の基準に従い、触感により風合いを判定した。
A:風合いがソフトである。
B:風合いがやや硬い。
C:風合いが硬い。
〈洗濯堅牢度〉
スエード調シートの洗濯堅牢度(汚染性)を、JIS L−0844−1973 A−1に従って評価した。
スエード調シートの洗濯堅牢度(汚染性)を、JIS L−0844−1973 A−1に従って評価した。
[実施例2]
変性度10モル%のエチレン変性PVAを海成分に用い、変性度6モル%のイソフタル酸変性PETを島成分に用い、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型複合繊維のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表層の繊維が仮融着した目付31g/m2のウェブを得た。
変性度10モル%のエチレン変性PVAを海成分に用い、変性度6モル%のイソフタル酸変性PETを島成分に用い、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型複合繊維のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表層の繊維が仮融着した目付31g/m2のウェブを得た。
そして、得られたウェブに油剤及び帯電防止剤を付与し、クロスラッピングすることにより、目付が250g/m2の長繊維ウェブを作成した。そして、さらに、針折れ防止油剤をスプレーした。
そして、針先端から第1バーブまでの距離が3.2mmの6バーブ針を用い、針深度8mmで両面から交互に3300パンチ/cm2のパンチ密度でニードルパンチングすることにより、目付320g/m2の海島型複合長繊維の繊維絡合体を得た。
そして、海島型複合長繊維の繊維絡合体を水蒸気により熱収縮させた。水蒸気による熱収縮処理は、はじめに、絡合された長繊維ウェブ中の海成分の量に対して10質量%の水を付与し、次いで、相対湿度が95%、70℃の雰囲気下で熱処理することにより緻密化して、見掛け密度0.52g/m3の熱収縮処理繊維絡合体を得た。
次に、熱収縮処理繊維絡合体を95℃の熱水中で処理することにより、海成分を除去して極細繊維を形成させた後、120℃の温度で10分間乾燥した。次に、熱収縮処理繊維絡合体に、ポリジメチルシロキサンであるシリコーンエラストマーのエマルジョンを含浸させ、90℃から190℃の範囲の温度の熱風で乾燥及びキュアリングを行った。中間体シートのシリコーンエラストマー/極細繊維の質量比は15/85であった。以下、実施例1と同様にして、バフィング、染色を行って、得られたスエード調シートの難燃性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
変性度10モル%のエチレン変性PVAを海成分に用い、変性度6モル%のイソフタル酸変性PETを島成分に用い、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型複合繊維のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表層の繊維が仮融着した目付31g/m2のウェブを得た。
変性度10モル%のエチレン変性PVAを海成分に用い、変性度6モル%のイソフタル酸変性PETを島成分に用い、繊維1本あたりの島数が25島で、海成分/島成分が25/75(重量比)となるような溶融複合紡糸用口金を用い、260℃で海島型複合繊維のフィラメントを口金より吐出した。そして、紡糸速度が3700m/minとなるようにエジェクター圧力を調整し、平均繊度2.1デシテックスの海島型複合長繊維をネット上に捕集した。そしてネット上に捕集された海島型複合長繊維を表面温度42℃の金属ロールで軽く押さえることにより表面の毛羽立ちを抑えてネットから剥離し、さらに、表面温度75℃の金属ロールとバックロールとの間を通過させて熱プレスすることにより、表層の繊維が仮融着した目付31g/m2のウェブを得た。
そして、得られたウェブに油剤及び帯電防止剤を付与し、クロスラッピングすることにより、目付が250g/m2の長繊維ウェブを作成した。そして、さらに、針折れ防止油剤をスプレーした。
そして、針先端から第1バーブまでの距離が3.2mmの6バーブ針を用い、針深度8mmで両面から交互に3300パンチ/cm2のパンチ密度でニードルパンチングすることにより、目付320g/m2の海島型複合長繊維の繊維絡合体を得た。
そして、海島型複合長繊維の繊維絡合体を水蒸気により熱収縮させた。水蒸気による熱収縮処理は、はじめに、絡合された長繊維ウェブ中の海成分の量に対して10質量%の水を付与し、次いで、相対湿度が95%、70℃の雰囲気下で熱処理することにより緻密化して、見掛け密度0.52g/m3の熱収縮処理繊維絡合体を得た。
次に、熱収縮処理繊維絡合体を95℃の熱水中で処理することにより、海成分を除去して極細繊維を形成させた後、120℃の温度で10分間乾燥した。
以下、熱収縮処理繊維絡合体にシリコーンエラストマーのエマルジョンを含浸付与させる工程を省略した以外は、実施例1と同様にして、バフィング、染色を行って、得られたスエード調シートの難燃性を評価した。
以下、熱収縮処理繊維絡合体にシリコーンエラストマーのエマルジョンを含浸付与させる工程を省略した以外は、実施例1と同様にして、バフィング、染色を行って、得られたスエード調シートの難燃性を評価した。
[比較例2]
実施例1において、熱収縮処理繊維絡合体に、シリコーンエラストマーのエマルジョンを含浸させ、90℃から190℃の範囲の温度の熱風で乾燥及びキュアリングする代わりに、熱収縮処理繊維絡合体に凝固後の固形分で同量になるように水性ポリウレタン分散液を含浸させ、120℃で乾燥させた以外は同様にしてスエード調シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、熱収縮処理繊維絡合体に、シリコーンエラストマーのエマルジョンを含浸させ、90℃から190℃の範囲の温度の熱風で乾燥及びキュアリングする代わりに、熱収縮処理繊維絡合体に凝固後の固形分で同量になるように水性ポリウレタン分散液を含浸させ、120℃で乾燥させた以外は同様にしてスエード調シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
表1から、本発明に係るシリコーンエラストマーを含浸付与させた実施例1及び実施例2のスエード調シートは、遅燃性、風合い、洗濯堅牢度のいずれにおいても優れていた。一方、樹脂成分を含浸付与しなかった比較例1のスエード調シートは、燃焼速度が著しく速かった。また、ポリウレタンを含浸付与させた比較例2のスエード調シートも燃焼速度が速く、また、洗濯堅牢度が著しく悪かった。
本発明のスエード調シートは、遅燃性に優れ、風合いもしなやかであるために、航空機、自動車、鉄道車両等の車輌や船舶の内装のインテリア素材等として好適に用いられる。
1 繊維絡合体
2 シリコーン弾性樹脂成分
10 スエード調シート
2 シリコーン弾性樹脂成分
10 スエード調シート
Claims (4)
- 少なくとも一面が起毛または立毛された極細繊維の繊維絡合体と、前記繊維絡合体に含浸付与されたシリコーンエラストマーを主成分とする弾性樹脂成分とを含有することを特徴とするスエード調シート。
- 前記弾性樹脂成分がシリコーンエラストマーからなる請求項1に記載のスエード調シート。
- 前記極細繊維がポリエステル系繊維であり、分散染料で染色されている請求項1または2に記載のスエード調シート。
- FMVSS No.302に定める燃焼試験において、102mm/分以下の遅燃性を示す請求項1〜3の何れか1項に記載のスエード調シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013027658A JP2014156668A (ja) | 2013-02-15 | 2013-02-15 | スエード調シート |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106906670A (zh) * | 2017-03-30 | 2017-06-30 | 武汉纺织大学 | 一种聚苯硫醚超细纤维/聚氨酯合成革贝斯及其制备方法 |
JP2020059965A (ja) * | 2018-10-10 | 2020-04-16 | セーレン株式会社 | 合成皮革およびその製造方法 |
WO2023233909A1 (ja) * | 2022-06-01 | 2023-12-07 | セーレン株式会社 | 立毛調皮革様シート状物 |
-
2013
- 2013-02-15 JP JP2013027658A patent/JP2014156668A/ja active Pending
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