JP2013039109A - リパーゼ活性の回復方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低下したリパーゼ活性を回復させることができる方法を提供すること。
【解決手段】リパーゼ含有組成物を湿潤気体に接触する吸湿工程を含む、リパーゼ活性の回復方法を提供する。また、活性が低下したリパーゼを準備する工程、及び当該回復方法により活性が低下したリパーゼの活性を回復する工程を含む、活性が回復されたリパーゼの製造方法を提供する。さらに、当該活性が回復されたリパーゼを用いてエステル化又はエステル交換することを特徴とする、エステル合成物の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の固定化リパーゼ又は粉末リパーゼを含有する組成物における、各種エステル化能やエステル交換能などのリパーゼ活性を回復させる方法、及び活性を回復させた固定化リパーゼ又は粉体リパーゼを含有する組成物を用いるエステル化反応並びに油脂のエステル交換方法に関するものである。
リパーゼは、脂肪酸などの各種カルボン酸とモノアルコールや多価アルコールなどのアルコール類とのエステル化反応、複数のカルボン酸エステル間のエステル交換反応などに幅広く使用されている。このうち、エステル交換反応は、動植物油脂類の改質をはじめ、各種脂肪酸のエステル、糖エステルやステロイドエステルの製造法として重要な技術である。これらの反応の触媒として、油脂加水分解酵素であるリパーゼを用いると、室温〜約90℃程度の温和な条件下でエステル交換反応を行うことができ、従来の化学反応に比べ、副反応の抑制やエネルギーコストが低減化されるだけでなく、触媒としてのリパーゼが天然物であることから安全性も高い。また、その基質特異性や位置特異性により目的物を効率良く生産することができる。
このようなリパーゼとしては、活性の維持、回収の容易性、原料への均一な分散性等を目的として、陰イオン交換樹脂(特許文献1)やフェノール吸着樹脂(特許文献2)等に固定化した固定化リパーゼ、及び、所定の細孔及び粒径を有する粉末リパーゼ(特許文献3)が使用されてきた。
しかし、酵素であるリパーゼは高価であるため、反応終了後回収して繰り返し使用し、リパーゼ活性がかなり低下した場合に初めて廃棄されることが行われてきた。さらに、低下したリパーゼ活性を回復させることも行われてきた。例えば、活性が低下したリパーゼをトリアシルグリセロールで洗浄してリパーゼ活性を回復する方法(特許文献4)、及び、水を添加することによりエステル交換反応におけるリパーゼ活性の向上を行う方法(特許文献5)が提案されている。しかしながら、これまでの回復方法では、活性の回復が不十分であったり、すべてのリパーゼの活性を均一に回復することができなかった。特に、水を添加する場合、直接に水を噴霧させることで、リパーゼと水とを接触させていたが、リパーゼに対して水が不均一に接触するため、リパーゼ活性の回復が不均一となるばかりか、リパーゼの一部に水が過剰に接触すると、当該一部分のリパーゼの活性が低下する現象もみられた。
特開昭60−98984号公報 特開昭61−202688号公報 特許第2668187号公報 特開2007−300855号公報 特開2006−325465号公報
本発明は、低下したリパーゼ活性を回復させることができる方法並びに当該活性が回復したリパーゼの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、回復したリパーゼ活性を有する固定化リパーゼ又は粉末リパーゼを用いるエステル化方法及びエステル交換方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するため、低下したリパーゼ活性を回復させることができる方法の検討を行った。その結果、リパーゼ含有組成物を一定条件下、湿潤気体に接触することにより、低下したリパーゼの活性を十分に回復することができることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、
[1]リパーゼ含有組成物を湿潤気体に接触する吸湿工程を含む、リパーゼ活性の回復方法に関する。
[2]前記湿潤気体が、相対湿度50〜90%である、[1]に記載の方法に関する。
[3]リパーゼ含有組成物中に含まれる水分量が、前記リパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分中8.5〜20質量%となるまで前記吸湿工程を行う、[1]又は[2]に記載の方法に関する。
[4]前記吸湿工程が、相対湿度50〜90%、温度30〜60℃、保持時間0.5〜36時間を満たす条件下で行われる、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法に関する。
[5]前記吸湿工程が、前記湿潤気体を前記リパーゼ含有組成物中に通気させることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の方法に関する。
[6]前記吸湿工程の前に、前記リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分の質量を、前記リパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分の質量に対して1.5倍以下に調節する油性成分調節工程を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法に関する。
[7]前記吸湿工程が、前記湿潤気体を前記リパーゼ含有組成物に通気させることにより、前記リパーゼ含有組成物に含まれる油性成分量を低下させるとともに、前記リパーゼ含有組成物に対して吸湿を行なうことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の方法に関する。
[8]前記リパーゼ含有組成物が、粉末リパーゼ及びろ過助剤を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法に関する。
[9]前記リパーゼが、リゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼである、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法に関する。
[10]前記ろ過助剤が、セルロースである、[8]に記載の方法に関する。
[11]活性が低下したリパーゼを準備する工程、及び
[1]〜[10]のいずれかに記載の方法により前記活性が低下したリパーゼの活性を回復する工程、
を含む、活性が回復されたリパーゼの製造方法に関する。
[12][11]に記載の方法により製造された活性が回復されたリパーゼを用いてエステル化又はエステル交換することを特徴とする、エステル合成物の製造方法に関する。
本発明によれば、エステル化方法及びエステル交換方法で繰り返し使用された結果、活性が低下したリパーゼの活性を優位に回復する方法を提供することができる。
特に、本発明によれば、これまでのような、液体の水をリパーゼに直接噴霧する場合と比べ、噴霧ムラがなく、確実にリパーゼの活性を向上することができる。
また、本発明によれば、活性が回復されたリパーゼの製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、活性が回復された上記リパーゼを用いてエステル化反応又はエステル交換反応を行うことによりエステル合成物を製造する方法を提供することができる。
本発明の一つの態様は、リパーゼ含有組成物を湿潤気体に接触する吸湿工程を含む、リパーゼ活性の回復方法である。この方法について、以下詳細に説明する。
<吸湿工程>
本発明は、エステル化方法及びエステル交換方法等で繰り返し使用された結果、活性が低下したリパーゼの活性を回復するための、吸湿工程を含む。吸湿工程は、リパーゼ含有組成物を湿潤気体中に保持等して、リパーゼ含有組成物を湿潤気体に接触することによって行われる。
湿潤気体は、通常の湿度を有する大気と言うよりはむしろ相対湿度若しくは水蒸気量を強制的にコントロールした気体を意図したものである。湿潤気体に用いる気体としては、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、アルゴン等が好ましく、中でも空気もしくは窒素が好ましく、特に空気が好ましい。これらの気体でも、相対湿度が、例えば、50〜90%、好ましくは60〜80%、より好ましくは60〜70%の気体が湿潤気体として好適に用いることができる。相対湿度が不足する場合は、吸湿工程の途中で水蒸気等を系内に導入して相対湿度を補ってもよい。
吸湿工程は、リパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分に含まれる水分量が、例えば、8.5〜20質量%、好ましくは10〜18.5質量%、より好ましくは、12〜18質量%、さらに好ましくは13〜18質量%となるまで行われることが適当である。ここで、油性成分とは、油脂等のリパーゼ含有組成物中に含まれる水性成分以外の油溶解性成分全般を意味し、後述の基準油脂分析試験法の油分から測定することができる。本発明のリパーゼ含有組成物に含まれる油性成分としては、例えば、グリセリド、遊離の脂肪酸、脂肪酸エステル等が挙げられる。
吸湿工程は、例えば、50〜90%、好ましくは60〜80%、より好ましくは60〜70%の相対湿度;例えば、30〜60℃、好ましくは40〜60℃、より好ましくは50〜60℃、及び、例えば、0.5〜36時間、好ましくは1〜24時間を満たす条件下で行われることが適当である。好ましい吸湿工程の条件の組み合わせは、(a)70〜90%の相対湿度、30〜60℃に1日、又は(b)50〜90%の相対湿度、40〜50℃に1日保持した場合のいずれかである。
このような本発明の吸湿工程を経ることにより、リパーゼ含有組成物中のリパーゼの活性は優位に回復もしくは活性の低下を抑えることができる。リパーゼ活性の回復もしくは活性の低下の程度は、エステル化反応又はエステル交換反応の反応途中段階における成分量を比較することで評価できる。当該成分量は、反応によって、大きく変化する成分で比較することができ、例えば、原料もしくは主反応生成物である。例えばOOO(トリオレイン)とパルミチン酸エチル/ステアリン酸エチルのエステル交換反応の場合、POS(1−ステアロイル−2−オレオイル−3−パルミトイルグリセリン又は1−パルミトイル−2−オレオイル−3−ステアロイルグリセリン)及びSOS(1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセリン)が生成するが、トリグリセリド中のPOSとSOSの合計質量を比較することでリパーゼ活性の回復もしくは活性の低下の程度を求めることができる。具体的には、本発明の場合、吸湿工程前のリパーゼ含有組成物を使用したエステル交換反応において、1時間反応させた後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合、前記吸湿工程前のリパーゼ含有組成物を本発明の吸湿工程後のリパーゼ含有組成物に変えて同様にエステル交換反応を1時間行った後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%(相対量:POS+SOS値)を求めることで、リパーゼ活性を比較することができる。吸湿工程後のリパーゼ含有組成物を使用した場合のPOS及びSOSの合計質量%の比(相対量:POS+SOS値)が100以上であることが好ましく、例えば、150以上、好ましくは200以上、より好ましくは200〜250であることが好適である。
<油性成分調節工程>
上記吸湿工程の前に、リパーゼ含有組成物に含まれる上記油性成分を低減するための油性成分調節工程を含むことが好ましい。吸湿工程に先立ってリパーゼ含有組成物中の油性成分を取り除くことにより、リパーゼの吸湿効果の向上が期待できる。具体的には、吸湿工程前、すなわち湿潤気体に接触する前に、リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分油脂の質量をリパーゼ含有組成物中の油性成分油脂を除く成分の質量に対して1.5倍以下に調節することが好ましい。より好ましくは1倍(即ち、リパーゼ含有組成物中の油性成分油脂の質量とリパーゼ含有組成物中の油性成分油脂を除く成分の質量とが等しい)以下であり、最も好ましくは0.1〜0.7倍である。
<リパーゼ>
本発明のリパーゼ含有組成物は、リパーゼ又はリパーゼと助剤を含む。
本発明において使用できるリパーゼとしては、リポプロテインリパーゼ、モノアシルグリセロリパーゼ、ジアシルグリセロリパーゼ、トリアシルグリセロリパーゼ、ガラクトリパーゼ、フォスフォリパーゼ等が挙げられる。これらのうち、トリアシルグリセロリパーゼが好ましい。
これらのリパーゼを産生する微生物としては、細菌、酵母、糸状菌、放線菌等特に限定されるものではないが、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、アスロバクター属(Arthrobacter sp.)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus sp.)、トルロプシス属(Torulopsis sp.)、エスチエリシア属(Escherichia sp.)、マイコトルラ属(Mycotorula sp.)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterum sp.)、クロモバクテリウム属(Chromobacterum sp.)、キサントモナス属(Xanthomonas sp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)、クロストリデイウム属(Clostridium sp.)、キャンデイダ属(Candida sp.)、ジオトリカム属(Geotrichum sp.)、サッカロマイコプシス属(Sacchromycopsis sp.)、ノカルデイア属(Nocardia sp.)、フザリウム属(Fuzarium sp.)、アスペルギルス属(Aspergillus sp.)、リゾムコール属(Rhizomucor sp.)、ムコール属(Mucor sp.)、サーモマイセス属(Thermomyces sp.)リゾプス属(Rhizopus sp.)、ペニシリウム属(Penicillium sp.)、フィコマイセス属(Phycomyces sp.)、プチニア属(Puccinia sp.)、バチルス属(Bacillus sp.)、ストレプトマイセス属(Streptmyces sp.)、などが挙げられる。
本発明では、これらのうち、アルカリゲネス属、シュードモナス属、リゾムコール属、ムコール属、サーモマイセス属、リゾプス属又はペニシリウム属由来のリパーゼが好ましい。中でも、アルカリゲネス属のAlcaligenes sp.由来のリパーゼ、リゾムコール属のリゾムコール ミーヘイ(Rhizomucor miehei)由来のリパーゼ、サーモマイセス属のサーモマイセス ラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)由来のリパーゼ、リゾプス属のリゾプス デレマー(Rhizopus delemar)由来のリパーゼ、及びリゾプス属のリゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼがより好ましい。リゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼが特に好ましい。
本発明のリパーゼ含有組成物で使用するリパーゼとしては、培養し、リパーゼの培地成分等を含有したリパーゼ含有水性液体を乾燥して得られたものでもよいが、これらを含有していないもの、つまり実質的にリパーゼ自体から構成されるものが好ましい。本発明のリパーゼ含有組成物としては、リパーゼの培養後、菌体を除去し、固定化したもの、もしくはさらに粉末化したものがより好ましい。
本発明で用いるリパーゼは、位置特異性を有していても有していなくてもよい。位置特異性を有している場合、1,3−特異性であるのが好ましい。
リパーゼの培養に用いられるリパーゼ培養液としては、例えば、大豆粉、ペプトン、コーン・ステープ・リカー、K2HPO4、(NH42SO4、MgSO4・7H2O等含有する水溶液があげられる。これらの濃度としては、大豆粉0.1〜20質量%、好ましくは1.0〜10質量%、ペプトン0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10質量%、コーン・ステープ・リカー0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10質量%、K2HPO4 0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。又、(NH42SO4は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%、MgSO4・7H2Oは0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。培養条件は、培養温度は10〜40℃、好ましくは20〜35℃、通気量は0.1〜2.0VVM、好ましくは0.1〜1.5VVM、攪拌回転数は100〜800rpm、好ましくは200〜400rpm、pHはNaOHやアンモニアを用いて、3.0〜10.0、好ましくは4.0〜9.5、より好ましくは7.0〜8.0に制御するのがよい。
菌体の分離は、遠心分離、膜濾過などで行うのが好ましい。また、塩類や糖等の低分子成分の除去は、UF膜処理により行うことができる。具体的には、UF膜処理を行い、リパーゼを含有する水溶液を1/2量の体積に濃縮後、濃縮液と同量のリン酸バッファーを添加するという操作を1〜5回繰り返すことにより、低分子成分を除去したリパーゼ含有水性液体を得ることができる。
遠心分離は200〜20,000×g、膜濾過はMF膜、フィルタープレスなどで圧力を3.0kg/m2以下にコントロールするのが好ましい。菌体内酵素の場合は、ホモジナイザー、ワーリングブレンダー、超音波破砕、フレンチプレス、ボールミル等で細胞破砕し、遠心分離、膜濾過などで細胞残さを除去することが好ましい。ホモジナイザーの攪拌回転数は500〜30,000rpm、好ましくは1,000〜15,000rpm、ワーリングブレンダーの回転数は500〜10,000rpm、好ましくは1,000〜5,000rpmである。攪拌時間は0.5〜10分、好ましくは1〜5分がよい。超音波破砕は1〜50KHz、好ましくは10〜20KHzの条件で行うのが良い。ボールミルは直径0.1〜0.5mm程度のガラス製小球を用いるのがよい。
本発明では、リパーゼ含有水性液体としては、固形分として5〜30質量%含むものを用いるのが好ましい。
リパーゼ含有水性液体の乾燥及び粉末化は、例えば、スプレードライ、フリーズドライ(凍結乾燥)、及び溶剤沈殿後乾燥する方法等によって行われる。
スプレードライは、例えば、ノズル向流式、ディスク向流式、ノズル並流式、ディスク並流式等の噴霧乾燥機を用いて行うのがよい。ディスク並流式がより好ましく、アトマイザー回転数は4,000〜20,000rpmとすることが好ましい。スプレードライは、リパーゼ含有水性液体の温度を10〜60℃、好ましくは20〜40℃に調整して行うことが適当である。スプレードライの際の送風(乾燥雰囲気)の温度は、入口温度80〜200℃、出口温度30〜100℃、好ましくは40℃以上70℃未満、より好ましくは40℃〜65℃、さらに好ましくは50℃〜60℃とすることが適当である。リパーゼは温度に弱く、低温にすることで酵素活性の低下を抑えられる。
フリーズドライ(凍結乾燥)は、例えば、ラボサイズの少量用凍結乾燥機、棚段式凍結乾燥により行うのが好ましい。さらに、減圧乾燥を行ってもよい。
溶剤沈殿後乾燥する方法としては、例えば、エタノール、アセトン等を使用して溶剤沈殿させた後、減圧乾燥する方法が挙げられる。
スプレードライ等の乾燥・粉末化工程の直前に、NaOHやアンモニアを用いて、リパーゼ含有水性液体のpHを6〜8.5に調整するのが好ましい。特にpHを8.0以下に、さらにpHを7.5〜8.0の範囲となるように調整するのが好ましい。pH調整は、スプレードライなどの乾燥・粉末化工程の前のいずれかの工程において行ってもよく、乾燥・粉末化工程の直前のpHが上記範囲内となるように、予めリパーゼ含有水性液体のpHを調整しておいてもよい。pH調整には、各種アルカリ剤や酸を用いることができるが、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いるのが好ましい。
又、乾燥・粉末化工程前の途中の工程において、リパーゼ含有水性液体を濃縮してもよい。濃縮方法は、特に限定されるものではないが、エバポレーター、フラッシュエバポレーター、UF膜濃縮、MF膜濃縮、無機塩類による塩析、溶剤による沈殿法、イオン交換セルロース等による吸着法、吸水性ゲルによる吸水法等が挙げられる。中でも、UF膜濃縮、エバポレーターが好ましい。UF膜濃縮用モジュールとしては、分画分子量3,000〜100,000、好ましくは6,000〜50,000の平膜または中空糸膜、材質はポリアクリルニトリル系、ポリスルフォン系などが好ましい。
<リパーゼの形態>
本発明のリパーゼは、固定化リパーゼ又は粉末リパーゼの形態であり得る。
固定化リパーゼは、上記リパーゼをシリカ、セライト、珪藻土、パーライト、ポリビニールアルコール、陰イオン交換樹脂、フェノール吸着樹脂、疎水性担体、陽イオン交換樹脂、キレート樹脂等の担体に固定化したものが好ましい。このような固定化リパーゼは、例えば、ノボザイムズA/S社からリポザイムTL−IMとして入手することができる。固定化リパーゼは、そのまま使用するか、又は該固定化リパーゼを粉砕したものを使用することができる。固定化リパーゼの粉砕品は、通常の粉砕機を用いて、1μm以上で300μm未満の平均粒子径、好ましくは平均粒子径1〜200μm、より好ましくは平均粒子径1〜100μm、特に好ましくは平均粒子径20〜100μmとなるように粉砕するのがよい。ここで、粉砕機としては、乳鉢、せん断摩擦式粉砕機、カッター式粉砕機、石臼(マイコロイダー、マスコロイダー)、コーヒーミル、パワーミル、ピンミル、衝撃式粉砕機(ハンマーミル、ボールミル)、ロール式粉砕機及び気流式粉砕機、ホモジナイザー、超音波破砕機などがあげられる。なお、平均粒子径は、例えば、株式会社堀場製作所の粒度分布測定装置(LA−500)を用いて測定することができる。
粉末リパーゼは、例えば全質量の90質量%以上が平均粒子径1〜100μm、好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜50μmである粉末状のリパーゼである。この粉末の粒子は、好ましくは球形であり、粒子の表面に、例えば直径0.5μm〜6μmの細孔を3,000〜40,000個/mm2、好ましくは3,000〜20,000個/mm2、より好ましくは3,000〜10,000個/mm2有するものが適当である。粒子表面の細孔の数は、電子顕微鏡を用いて容易に測定することができる。
粉末リパーゼは、リパーゼ粉末製剤の形で用いてもよい。
リパーゼ粉末製剤は、例えば、リパーゼと、穀物粉末及び/又は糖類粉末とを水性液体に溶解及び/又は分散させて得たリパーゼ含有水性液体を、さらに乾燥して粉末化することによって得られる。
水性液体としては、水が好ましい。リパーゼ含有水性液体中の水の量は、リパーゼの質量に対する水の質量が、2.0〜1,000倍であるのが好ましく、2.0〜500倍であるのがより好ましく、3.0〜100倍が最も好ましい。
リパーゼ含有水性液体としては、菌体を除去したリパーゼ培養液、精製培養液、これらから得たリパーゼ粉末を再度水に溶解・分散させたもの、市販のリパーゼ粉末を再度水に溶解・分散させたもの、市販の液状リパーゼ等が挙げられる。さらに、リパーゼ活性をより高めるために塩類等の低分子成分を除去したものがより好ましく、また、粉末性状をより高めるために糖等の低分子成分を除去したものがより好ましい。
リパーゼとしては、上記列挙したリパーゼの中でも、特にディー・エス・エムジャパン株式会社の商品:ピカンターゼR8000や、天野エンザイム株式会社の商品:リパーゼF−AP15等が好適に用いられる。最も適した粉末リパーゼとしては、Rhizopus oryzae由来の、天野エンザイム株式会社の商品:リパーゼDF“Amano”15−K(リパーゼDともいう)やリパーゼD “アマノ”コンクが挙げられる。なお、このリパーゼDについては、従来はRhizopus delemar由来の表記であった。
穀物粉末及び/又は糖類粉末としては、例えば、全脂大豆粉末、脱脂大豆粉末等の大豆粉末、小麦粉、米粉、デキストリンが挙げられる。穀物粉末及び/又は糖類粉末は、リパーゼに対して、例えば250〜1000質量%、好ましくは、500〜1000質量%、より好ましくは、500〜750質量%であることが適当である。
<助剤>
本発明で使用し得る助剤としては、リパーゼによるエステル化反応若しくはエステル交換反応に悪影響を与えないものを用いることができる。特に、ろ過助剤が好ましい。ろ過助剤としては、例えば、セライトなどの無機ろ過助剤及びセルロースなどの繊維やその粉砕物などの有機ろ過助剤が挙げられる。ろ過助剤としては、有機ろ過助剤、特に有機高分子ろ過助剤が好ましく、なかでもセルロースパウダーなどが好ましい。ろ過助剤は、粉状であるのが好ましい。粉状のろ過助剤の平均粒子径は、例えば、10〜90μm、より好ましくは20〜80μmであることが適当である。
上記固定化リパーゼ又は粉末リパーゼとろ過助剤との質量比は、例えば、1/10〜10/1であることが好ましく、特に1/7〜2/1であることが好ましい。
<活性が回復されたリパーゼの製造方法>
本発明の他の一つの態様は、活性が回復されたリパーゼの製造方法を提供することにある。
<活性が低下したリパーゼの準備>
まず、活性が低下したリパーゼを準備する。活性が低下したリパーゼは、エステル化反応やエステル交換反応を繰り返し行うことによって得られる。例えば、エステル交換反応の場合、原料基質に対してリパーゼ含有組成物の質量が0.05〜10質量%、好ましくは、0.1〜5質量%、より好ましくは1〜2質量%となるようにリパーゼ含有組成物を加え、20〜80℃で撹拌しながら10〜50時間エステル交換反応を行う。この反応を10〜50回、好ましくは20〜50回、より好ましくは、30〜50回繰り返すことによって、活性が低下したリパーゼを得ることができる。また、1〜10回、好ましくは1〜5回程度のエステル化反応又はエステル交換反応と、本発明のリパーゼ活性の回復方法とを交互に行って、リパーゼの良好な活性を継続的に維持してもよい。
<吸湿工程>
当該活性が低下したリパーゼは、上述したリパーゼ含有組成物を湿潤気体中に接触する吸湿工程を経ることによって活性を回復し、活性が優位に回復したリパーゼを製造することができる。具体的には、リパーゼの製造は、例えば、活性が低下したリパーゼをトレイなどの容器に静置し、上記のごとく湿潤気体雰囲気に曝すことによって行われる。このとき、容器に置かれた活性が低下したリパーゼの厚さは、例えば、厚さ5cm以下、好ましくは、3cm以下、より好ましくは0.1〜1cmであることが適当である。
また、湿潤気体をリパーゼ含有組成物中に通気させることが、効率的に活性を回復できるので好ましい。例えば、カラムやろ過器にリパーゼ含有組成物を保持し、湿潤気体をリパーゼ含有組成物中に強制的に通気させることが好ましい。この強制的通気に使用する湿潤気体は、上述した吸湿工程で使用する湿潤気体と同じ気体を使用することができる。湿潤気体の強制的通気は、例えば、10分以下、好ましくは7分以下、より好ましくは1分以上5分以下とすることが適当である。
<油性成分調節工程>
リパーゼの吸湿効果は、リパーゼ含有組成物中の油性成分量に影響を受けるため、リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分量を低減することが好ましい。その場合、吸湿工程前、すなわち湿潤気体に接触する前に、リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分の質量をリパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分の質量に対して1.5倍以下にすることが好ましい。より好ましくは1倍(即ち、リパーゼ含有組成物中の油性成分の質量とリパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分の質量とが等しい)以下であり、最も好ましくは0.1〜0.7倍である。リパーゼ含有組成物中の油性成分量を低減させるためには、カラムやろ過器中で気体をリパーゼ含有組成物に通気させてリパーゼ含有組成物中の油性成分量を低下させた後、上述した湿潤気体をリパーゼ含有組成物中に通気させてもよい。油性成分量の低減のための通気に使用する気体は、空気、窒素、炭酸ガス、アルゴン等を使用することができるが、特に乾燥窒素ガスが好ましい。通気は、例えば、10分以下、好ましくは7分以下、より好ましくは5分以下とすることが適当である。
さらに、湿潤気体をリパーゼ含有組成物に通気させることにより、リパーゼ含有組成物に含まれる油性成分量を低下させるとともに、リパーゼ含有組成物に対して吸湿を行ってもよい。この通気に使用する湿潤気体は、上述した吸湿工程で使用する湿潤気体と同じ気体を使用することができる。湿潤気体の通気は、例えば、10分以下、好ましくは7分以下、より好ましくは1分以上5分以下とすることが適当である。なお、リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分の質量は、リパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分の質量に対して1.5倍以下になるまで低下させることが好ましい。より好ましくは1倍(即ち、リパーゼ含有組成物中の油性成分の質量とリパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分の質量とが等しい)以下であり、最も好ましくは0.1〜0.7倍である。
<リパーゼを利用した反応>
本発明の他の一つの態様は、活性が回復されたリパーゼを用いてエステル化反応又はエステル交換反応することにより得られるエステル合成物(エステル化物又はエステル交換物)の製造方法にある。
本発明の活性が回復されたリパーゼを使用して行うエステル化反応は、例えば、脂肪酸の部分エステルと脂肪酸とのエステル化反応、又は一価又は多価アルコールと脂肪酸とのエステル化反応が挙げられる。好ましくは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応等が挙げられる。
また、本発明の活性が回復されたリパーゼを使用して行うエステル交換反応は、脂肪酸エステル、脂肪酸、及びアルコールから選ばれる1種以上と、油脂とのエステル交換反応である。好ましいエステル交換反応としては、例えば、常法による油脂と油脂のエステル交換反応、脂肪酸エステルと油脂とのエステル交換反応、アルコリシスやアシドリシスのエステル交換反応が挙げられる。中でも、エステル交換反応の原料基質としては、脂肪酸エステル及び油脂が好ましい。
脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数6〜30、好ましくは8〜22の、直鎖又は分枝鎖の、飽和又は不飽和の脂肪酸エステルが好適である。ここで脂肪酸には、例えば、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、及びベヘン酸などが挙げられる。特に好ましい脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸エチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸メチルが挙げられる。
油脂としては、例えば、構成脂肪酸の炭素数が8〜24のトリアシルグリセリドが好ましく、特に植物油、例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、紅花油、コーン油からなる群から選ばれる植物油が好ましい。
脂肪酸エステルと油脂とのエステル交換反応の場合、原料基質中の脂肪酸エステルと油脂の質量比は、例えば、9:1〜1:9、好ましくは、8:2〜2:8、より好ましくは、7:3〜5:5が適当である。また、原料基質に水が含まれていてもよい。原料基質に含まれる水の量は、原料基質全体の質量に対し、例えば、10〜1000ppm、好ましくは、100〜500ppm、より好ましくは200〜400ppmであることが適当である。
また、油脂と脂肪酸によるアシドリシスを使ったエステル交換反応としては、リパーゼの持つ1,3−特異性リパーゼを大いに利用した構造油脂の製造をすることができる。グリセリン骨格の2位に特定の脂肪酸を残して1,3位の脂肪酸を目的の脂肪酸に置き換えるものである。得られたものはチョコレート等に使用する油脂へ利用でき、また特定の栄養効果を持つ油脂へ利用できる。
本発明の活性が回復されたリパーゼを用いたエステル化反応やエステル交換反応の条件については、特に限定するものではなく、常法により行うことができる。
一般的には、加水分解の原因となる水分の混入を避けながら、常圧又は減圧下にて行なわれる。反応温度としては、使用する各原料基質の凝固点にもよるが、20〜80℃程度で行うことが好ましく、凝固点により限定されなければ、40〜60℃で行うことがより好ましい。
また、活性が回復されたリパーゼを含むリパーゼ含有組成物の原料基質への添加量としては、リパーゼ含有組成物と原料基質の合計質量に対し、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。最適な量は、反応温度、設定する反応時間、活性が回復されたリパーゼの活性等により決定される。反応終了後、リパーゼは濾過及び/又は遠心分離等により除かれ、製造が不可能な活性に低下するまで繰り返し使用される。活性が低下したリパーゼは、本発明の方法により再活性化することができる。
したがって、通常、高価であるリパーゼは、本発明の方法により、繰り返し活性を回復することができる。
また、得られたエステル化物又はエステル交換物は、特に限定されないが、食品分野に使用されるエステル交換油脂又はエステル化油脂としても有用である。
次に本発明を製造例及び実施例により詳細に説明する。
[リパーゼ含有組成物の作製]
粉末リパーゼとして、天野エンザイム株式会社の商品:リパーゼDF “Amano” 15−K (リパーゼDともいう)の酵素溶液(150000U/ml)を準備した。この酵素溶液中の水の量は、リパーゼDの質量に対し、15倍の量であった。また、穀物粉末として脱臭全脂大豆粉末(商品名:アルファプラスHS−600、日清オイリオグループ株式会社製)10質量%水溶液を準備した。上記脱臭全脂大豆粉末の質量は、上記リパーゼDの質量に対して500質量%であった。上記脱臭全脂大豆粉末を、上記リパーゼDの酵素溶液に、該溶液を攪拌しながら加えた。得られた混合溶液に0.5N NaOH溶液を1ml加えて混合溶液全体をpH7.8に調整後、ノズル並流型のスプレードライ(噴霧乾燥、上記混合溶液の温度30℃、送風の入口温度100℃、出口温度50℃、東京理科器械株式会社、SD−1000型)を行ってリパーゼ粉末製剤を得た。このリパーゼ粉末製剤にろ過助剤としてセルロースパウダー(平均粒子径30μm)を加えリパーゼ含有組成物を得た。平均粒子径は、株式会社堀場製作所の粒度分布測定装置(LA−500)を用いて測定した。得られたリパーゼ含有組成物に含まれる粉末リパーゼとろ過助剤との質量比は、1/1であった。
[活性が失われたリパーゼ含有組成物(リパーゼろ過ケーキ)の作製]
上述のようにして得られたリパーゼ含有組成物の活性を失わせるため、得られたエステル含有組成物を使用したエステル交換反応を繰り返し行った。
エステル交換反応は、まず、上述のようにして得られたリパーゼ含有組成物にエステル交換反応に使用する原料基質を混合した。原料基質には、ステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、株式会社井上香料製造所製)及びハイオレイックヒマワリ油(日清オイリオグループ株式会社製)を6:4の質量比で混合し、原料基質全体中の水分が質量で300ppmとなるように調整したものを用いた。
このようにして得られた原料基質に対し、リパーゼ含有組成物が1質量%となるように、リパーゼ含有組成物を原料基質に加え、50℃で撹拌しながら16時間反応を行った。反応終了後、リパーゼ含有組成物をろ過によって回収した。回収したリパーゼ含有組成物は再度反応に利用した。上記反応操作を30回繰返し行った後、ろ過・回収したリパーゼ含有組成物(リパーゼろ過ケーキA)を以下の実施例及び比較例に用いた。
[エステル交換反応の活性:POS+SOS値]
リパーゼ活性の回復もしくは活性の程度をトリグリセリド中のPOSとSOSの合計質量を比較することで評価した。具体的には、比較対照の未処理(吸湿工程前)のリパーゼ含有組成物を使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリドの質量に対する該トリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合の、処理後(吸湿工程後)のリパーゼ含有組成物サンプルを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量:(POS+SOS値)を求めた。
(POS+SOS値)=(リパーゼ含有組成物サンプルのエステル交換反応1時間後のトリグリセリドの質量に対する該トリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%)/(比較対照リパーゼ含有組成物のエステル交換反応1時間後のトリグリセリドの質量に対する該トリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%)×100
(POS+SOS値)が100より高いと、リパーゼ活性が回復したと評価でき、100より低いと、リパーゼ活性が低下したと評価できる。
なお、実施例及び比較例において、トリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量(POS+SOS値)はガスクロマトグラフィーを用いて測定した。具体的には、反応溶液7.5μlを取り、これをヘキサン1.5mlで希釈し、リパーゼ粉末製剤等を含む固形物をろ過して得たろ液をガスクロマトグラフィー(GC)で測定した。ガスクロマトグラフィーとしては、アジレント・テクノロジー株式会社製、製品番号6890Nと、カラム 65TG(株式会社島津ジーエルシー製)を用いた。ガスクロマトグラフィーの条件は、カラム温度:350℃、昇温:1℃/分、最終温度:365℃とした。
[水分量、油性成分量比]
リパーゼ含有組成物を、基準油脂分析試験法(Standard Methods for Analysys of Fat, oils and Related Materials)にかけ、同試験法の1.4.1−1996水分Moisture(加熱乾燥法Air oven)(以下a(%)とする)および1.5−1996油分(Oil content)(以下b(%)とする)を測定し、以下の算式から、リパーゼ含有組成物中に含まれる水分量と油性成分量比を算出した。

リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量(質量%)=(a/(100−b))×100
リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する油性成分量比(質量比)=b/(100−b)
[実施例1]
リパーゼろ過ケーキA10g(リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量8質量%)をガラスシャーレ上に広げ、温度60℃、相対湿度70%の湿潤気体(湿潤空気)雰囲気下に1日間保持した。保持後のリパーゼろ過ケーキの水の吸収量は、リパーゼろ過ケーキAの質量に対して10質量%(リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量18質量%)であり、リパーゼ含有組成物中の油性成分量の変化はなかった。その後、得られたリパーゼろ過ケーキを用いて前述のエステル交換反応を1回行った。また、リパーゼ活性の回復もしくは活性の程度(POS+SOS値)を調べるため、吸湿保持前のリパーゼろ過ケーキAを使用して上記同様にエステル交換反応を実施した(試行1−1〜試行1−5)。吸湿保持前のリパーゼろ過ケーキAを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合における、吸湿保持後のリパーゼろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量(POS+SOS値)を表1に示す。

表1
Figure 2013039109
[比較例1]
リパーゼろ過ケーキA10gをガラスシャーレ上に広げ、霧吹きを用いてまんべんなく水を噴霧した。水の噴霧量はリパーゼろ過ケーキ(リパーゼ含有組成物)の質量に対して10質量%(リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量18質量%)であった。噴霧後、リパーゼろ過ケーキをよく混ぜて水を馴染ませた後、1時間静置した。その後、得られたリパーゼろ過ケーキを用いて前述のエステル交換反応を1回行った。また、リパーゼ活性の回復もしくは活性の程度(POS+SOS値)を調べるため、吸湿保持前のリパーゼろ過ケーキを使用して上記同様にエステル交換反応を実施した(試行1−6〜試行1−10)。吸湿保持前のリパーゼろ過ケーキAを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合における、吸湿保持後のリパーゼろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量(POS+SOS値)を表2に示す。

表2
Figure 2013039109
表1の全ての試行1−1〜1−5においてリパーゼの活性(POS+SOS値)の上昇が見られた。比較例の試行1−7と1−10では活性化されたが、その他の試行1−6、1−8及び1−9では水を噴霧することで逆に活性が低下した。試行1−1〜1−5において反応率は、比較例の試行1−7と1−10の反応率よりも大きかった。実施例の試行1−1〜1−5の結果は、ばらつきが少なく、自然吸湿では安定的に再活性化することがわかった。
[実施例2]
リパーゼろ過ケーキA10gをガラスシャーレ上に広げ、30℃、40℃、50℃及び60℃の各温度;50%、60%及び70%の相対湿度の湿潤気体(湿潤空気)雰囲気下に1時間又は1日間保持した。リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量(質量%)を表3に示す。その後、リパーゼろ過ケーキを回収して上述したエステル交換反応を1回行った。このときの吸湿保持前のリパーゼろ過ケーキAを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合における、吸湿保持後のリパーゼろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量(POS+SOS値)を表4に示す。

表3
Figure 2013039109
*値は、リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量(質量%)

表4
Figure 2013039109
*値は、リパーゼ含有組成物のPOS+SOS値

この結果、50℃で相対湿度70%に1日放置した場合が最も効果的であった。60℃で相対湿度70%に1日放置した場合、リパーゼ含有組成物の容器内の厚さに関係なく良好な活性が得られたが、その他では厚さによる影響が観察された。1時間の放置時間で良好な効果を出すためには、60℃で相対湿度90%とすることが好ましいことがわかった。
[実施例3]
リパーゼろ過ケーキA4gを前述の反応基質(ステアリン酸エチル:ハイオレイックヒマワリ油=6:4(質量比))400gに添加し、50℃で18時間反応した。反応終了後、加圧濾過器(アドバンテック KST−142−JA)を用いて乾燥窒素ガスによって加圧ろ過し(加圧条件0.1MPa)、反応済ろ過ケーキを得た(比較対照のろ過ケーキ)。さらに、乾燥窒素ガスを通気し(最大5分)、反応済ろ過ケーキ中の油性成分を除去し、試行3−1〜3−6の通気済ろ過ケーキを得た。この通気済ろ過ケーキの油性成分量を、通気済ろ過ケーキ(リパーゼ含有組成物)中に含まれる油性成分の質量が該ろ過ケーキ中の油性成分を除く成分の質量に対して何倍であるかを基準として測定した。また、この通気済ろ過ケーキの水分量を、吸湿済ろ過ケーキ(リパーゼ含有組成物)中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分の質量(質量%)を基準として測定した。上記の方法で油性成分量の調整を行った通気済ろ過ケーキをそれぞれガラスシャーレ上に広げ、50℃、相対湿度70%(湿潤空気)の雰囲気下で1日保管した。吸湿保持前の通気済ろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合における、吸湿保持後のリパーゼろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量(POS+SOS値)を表5に示す。
表5
Figure 2013039109
*油性成分量は、比較対照及び試行3−1〜3−6のろ過ケーキ(リパーゼ含有組成物)中に含まれる油性成分の質量が該ろ過ケーキ中の油性成分を除く成分の質量に対して何倍かを示す値

リパーゼ粉末製剤含有ろ過ケーキ中の油性成分量が少ないほうが、吸湿による再活性化度合いが高かった。
[実施例4]
リパーゼろ過ケーキA6gを前述の反応基質(ステアリン酸エチル:ハイオレイックヒマワリ油=6:4(質量比))300gに添加し、50℃で16時間反応した。反応終了後、加圧濾過器(アドバンテック KST−90)を用いて乾燥窒素ガスによって加圧ろ過し(加圧条件0.1MPa)、反応済ろ過ケーキを得た(比較対照のろ過ケーキ)。得られた反応済ろ過ケーキをガラスシャーレ上に広げ、25℃、相対湿度50%(湿潤空気)の雰囲気下で1時間保管するか(試行4−1)、もしくはろ過器に真空ポンプを接続し、反応済ろ過ケーキに、25℃、相対湿度50%の湿潤空気を10分間(試行4−2)、又は30℃、相対湿度70%の湿潤空気を10分間(試行4−3)通気した。この吸湿済ろ過ケーキの油性成分量を、吸湿済ろ過ケーキ(リパーゼ含有組成物)中に含まれる油性成分の質量が該ろ過ケーキ中の油性成分を除く成分の質量に対して何倍であるかを基準として測定した。また、この吸湿済ろ過ケーキの水分量を、吸湿済ろ過ケーキ(リパーゼ含有組成物)中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分の質量(質量%)を基準として測定した。吸湿保持前の反応済ろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合における、吸湿保持後のリパーゼろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量(POS+SOS値)を表6に示す。

表6
Figure 2013039109
*油性成分量は、比較対照及び試行4−1〜4−3のろ過ケーキ(リパーゼ含有組成物)中に含まれる油性成分の質量が該ろ過ケーキ中の油性成分を除く成分の質量に対して何倍かを示す値

加湿した空気を通気することによる吸湿の効果は、放置よりも短時間で見られ、またその度合いは温度・湿度を上昇させることで更に上昇した。
[水分量、油性成分量比]
リパーゼ含有組成物を、基準油脂分析試験法(Standard Methods for Analysis of Fats, oils and Related Materials)にかけ、同試験法の1.4.1−1996水分Moisture(加熱乾燥法Air oven)(以下a(%)とする)および1.5−1996油分(Oil content)(以下b(%)とする)を測定し、以下の算式から、リパーゼ含有組成物中に含まれる水分量と油性成分量比を算出した。

リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量(質量%)=(a/(100−b))×100
リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する油性成分量比(質量比)=b/(100−b)
[実施例2]
リパーゼろ過ケーキA10gをガラスシャーレ上に広げ、30℃、40℃、50℃及び60℃の各温度;50%、0%及び0%の相対湿度の湿潤気体(湿潤空気)雰囲気下に1時間又は1日間保持した。リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量(質量%)を表3に示す。その後、リパーゼろ過ケーキを回収して上述したエステル交換反応を1回行った。このときの吸湿保持前のリパーゼろ過ケーキAを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%を100とした場合における、吸湿保持後のリパーゼろ過ケーキを使用したエステル交換反応において、1時間反応した後に得られたトリグリセリド中のPOS及びSOSの合計質量%の相対量(POS+SOS値)を表4に示す。

表3
Figure 2013039109

*値は、リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分を除く成分の質量に対する水分量(質量%)

表4
Figure 2013039109

*値は、リパーゼ含有組成物のPOS+SOS値

この結果、50℃で相対湿度70%に1日放置した場合が最も効果的であった。60℃で相対湿度70%に1日放置した場合、リパーゼ含有組成物の容器内の厚さに関係なく良好な活性が得られたが、その他では厚さによる影響が観察された。1時間の放置時間で良好な効果を出すためには、60℃で相対湿度90%とすることが好ましいことがわかった。

Claims (12)

  1. リパーゼ含有組成物を湿潤気体に接触する吸湿工程を含む、リパーゼ活性の回復方法。
  2. 前記湿潤気体が、相対湿度50〜90%である、請求項1に記載の方法。
  3. リパーゼ含有組成物中に含まれる水分量が、前記リパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分中8.5〜20質量%となるまで前記吸湿工程を行う、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記吸湿工程が、相対湿度50〜90%、温度30〜60℃、保持時間0.5〜36時間を満たす条件下で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記吸湿工程が、前記湿潤気体を前記リパーゼ含有組成物中に通気させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記吸湿工程の前に、前記リパーゼ含有組成物中に含まれる油性成分の質量を、前記リパーゼ含有組成物中の油性成分を除く成分の質量に対して1.5倍以下に調節する油性成分調節工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記吸湿工程が、前記湿潤気体を前記リパーゼ含有組成物に通気させることにより、前記リパーゼ含有組成物に含まれる油性成分量を低下させるとともに、前記リパーゼ含有組成物に対して吸湿を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記リパーゼ含有組成物が、粉末リパーゼ及びろ過助剤を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記リパーゼが、リゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae)由来のリパーゼである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ろ過助剤が、セルロースである、請求項8に記載の方法。
  11. 活性が低下したリパーゼを準備する工程、及び
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法により前記活性が低下したリパーゼの活性を回復する工程、
    を含む、活性が回復されたリパーゼの製造方法。
  12. 請求項11に記載の方法により製造された活性が回復されたリパーゼを用いてエステル化又はエステル交換することを特徴とする、エステル合成物の製造方法。
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