以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図12は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を適用した画像形成装置1のブロック構成図である。
図1において、画像形成装置1は、コントローラ2、コントローラ2に接続されているオペレーションパネル3、コントローラ2にPCI(Peripheral Component Interconnect)バス4を介して接続されているネットワークI/F5、USB I/F6、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394 I/F7及びエンジン部8等を備えている。
コントローラ2は、CPU(Central Processing Unit )11、システムメモリ(MEM−P)12、ノースブリッジ(NB)13、サウスブリッジ(SB)14、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)15、ローカルメモリ(MEM−C)16及びハードディスク(HDD)17等を備えており、システムメモリ12は、ROM(Read Only Memory)12a及びRAM(Random Access Memory)12b等を備えている。
オペレーションパネル3は、コントローラ2のASIC15に接続されており、ネットワーク I/F5、USB I/F6、IEEE1394 I/F7及びエンジン部8の接続されているPCIeバス4は、ASIC15に接続されている。
コントローラ2は、ASIC15にローカルメモリ16、ハードディスク17等が接続されるとともに、CPU11とASIC15とがCPUチップセットのノースブリッジ(NB)13を介して接続されており、ノースブリッジ(NB)13とASIC15との間が、PCIバスではなく、AGP(Accelerated Graphics Port)バスで接続されている。
システムメモリ12のROM12aには、画像形成装置1としての基本プログラム及び本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラム及び必要なデータが格納されており、CPU11は、ノースブリッジ(NB)13、システムメモリ12及びサウスブリッジ(SB)14からなるチップセットを有していて、このチップセットを介して他の機器と接続される。CPU11は、システムメモリ12のROM12aのプログラムに基づいてRAM12bをワークメモリとして利用して、画像形成装置1の各部を制御して画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、本発明の画像形成制御処理を実行する。RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、画像情報処理時の画像描画メモリ等として用いられ、書き込み及び読み出し可能なメモリである。
すなわち、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−RW(Compact Disc Rewritable)、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでROM12aやハードディスク17に導入することで、後述する画像データに埋め込まれている関連情報を効率的にかつ高速に識別する画像形成制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して、または、ネットワークを介して頒布することができる。
この画像形成制御プログラムは、後述する画像形成装置1の各部、すなわち、色補正部、墨生成部、UCR部、Dk・Lk分版部、スキャナγ補正部、入力マスキング部、フィルタ処理部、セレクタ、蓄積部、プリンタγ補正部、中間調処理部及び出力エンジン等を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、CPU11がROM12aから画像形成制御プログラムを読み出して実行することにより、上記各部がRAM12b上にロードされて、色補正部、墨生成部、UCR部、Dk・Lk分版部、スキャナγ補正部、入力マスキング部、フィルタ処理部、セレクタ、蓄積部、プリンタγ補正部、中間調処理部及び出力エンジン等をRAM12bに生成する。
ノースブリッジ(NB)13は、CPU11、システムメモリ12、サウスブリッジ(SB)14及びASIC15を接続するためのブリッジであり、システムメモリ12に対する読み書き等を制御するメモリコントローラ、PCIマスタ及びAGPターゲットを有している。
サウスブリッジ(SB)14は、ノースブリッジ(NB)13とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジであり、ローカルメモリ16は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いられるメモリである。
ASIC15は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit:集積回路)であって、後述する画像処理ユニット50(図7参照)を搭載しており、AGP、PCIバス、ハードディスク(HDD)17及びローカルメモリ16をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
ASIC15は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC15の中核をなすアービタ(ARB)、ローカルメモリ16を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller :DMAコントローラ)、エンジン部8との間でPCIバスを介して、ネットワーク I/F5、USB I/F6、IEEE1394 I/F7が接続される。
ローカルメモリ16は、送信用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、ハードディスク(HDD)17は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGPは、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、システムメモリ12に高スループットで直接アクセスして、グラフィクスアクセラレータカードを高速化する。
ハードディスク17は、画像データの蓄積、文書データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積等を行うためのストレージである。
また、オペレーションパネル3は、各種操作キーやディスプレイ等を備え、オペレータによる各種操作キーからの入力操作を受け付けるとともに、オペレータに対してディスプレイに各種情報の表示を行う。
ネットワーク I/F5には、他の複合装置1及びコンピュータ等のホスト装置等のネットワーク端末の接続されているネットワークが接続され、ネットワーク I/F5は、該ネットワークを介して他の複合装置やホスト装置等のネットワーク端末と通信を行う。
USB I/F6には、USBメモリ等のUSBデバイスが着脱可能に接続され、USB I/F6は、該USBデバイスと通信するための物理的・電気的I/Fを制御する機能及びUSBプロトコルを制御する機能を有して、USBデバイスと通信する。
IEEE1394 I/F7は、有線により、ホスト装置等と通信する。
エンジン部8は、原稿を主走査及び副走査して該原稿の画像データを読み取るスキャナ8a及び図2に示すコントローラ2からの画像データに基づいて用紙(被記録媒体)Pにカラー画像を形成するプリントエンジン20等である。
プリントエンジン20は、図2に示すように、一対のローラ21、22間に所定長さにわたって張り渡されている搬送ベルト23に沿って、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、S(特殊色)及びLk(淡ブラック)とDk(濃ブラック)の各色の画像を形成する6つの画像形成部24Y、24M、24C、24S、24Lk、24Dkが等間隔に配設されており、搬送ベルト23には、用紙Pが、図示しない給紙部からレジストローラでタイミング調整された後に給紙される。
各画像形成部24Y、24M、24C、24S、24Lk、24Dkは、それぞれ同一径で時計方向に回転駆動される感光体25Y、25M、25C、25S、25Lk、25Dkを中心として、その周囲に、電子写真プロセスに従って画像形成するためのプロセス部材として、帯電チャージャ26Y、26M、26C、26S、26Lk、26Dk、光走査装置27a、27b、現像部28Y、28M、28C、28S、28Lk、28Dk、転写チャージャ29Y、29M、29C、29S、29Lk、29Dk、クリーニング部30Y、30M、30C、30S、30Lk、30Dk等が順に配設されている。
光走査装置27aは、Y、M、C、S用の半導体レーザ31Y、31M、31C、31S、1つのポリゴンモータに2段に取り付けられたポリゴンミラー32u、32lを有する1つのポリゴン部32及び図示しないミラー等の光学系を備えており、各半導体レーザ31Y、31M、31C、31Sが、Y、M、C、Sの各色の画像データに基づいて変調したレーザ光をポリゴンミラー32u、32lに出射して、ポリゴンミラー32u、32lで反射されたレーザ光を、光学系を通して感光体25Y、25M、25C、25S上に走査する。このとき、光走査装置27aは、半導体レーザ31Mと半導体レーザ31Cが、上側のポリゴンミラー32uにレーザ光を出射し、半導体レーザ31Yと半導体レーザ31Sが、下側のポリゴンミラー32lにレーザ光を出射する。
光走査装置(分割走査手段)27bは、1つの半導体レーザ33と1つのポリゴンモータに2段に取り付けられたポリゴンミラー34u、34lを有する1つのポリゴン部34及び図示しない光学系を備えており、半導体レーザ(光源)33が、濃い濃度の濃ブラック画像データdkと淡い濃度の淡ブラック画像データlkで変調された1本のレーザ光(書き込み光)をポリゴン部34に向かって出射して、後述するように、この1本のレーザ光を分割して分割した分割レーザ光(分割書き込み光)Lku、Lklをポリゴンミラー34u、34lで反射して光学系を通して感光体25Lk、25Dk上に走査する。光走査装置27bについては、後で詳細に説明する。
プリントエンジン20は、搬送ベルト23の回転方向下流側に、定着部35が配設されており、定着部35は、画像形成部24Y、24M、24C、24S、24Lk、24Dkでトナー画像の転写された用紙Pを加熱・加圧しつつ搬送してトナー画像を用紙Pに定着させて、図示しない排紙トレイやステープル処理等の後処理を行う後処理装置等の後段に送り出す。
プリントエンジン20は、帯電チャージャ26Y、26M、26C、26S、26Lk、26Dkで一様に帯電した各感光体25Y、25M、25C、25S、25Lk、25Dkに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、特殊色(S)、淡ブラック(Lk)、濃ブラック(Dk)用の各色の画像信号に基づいて各々の光走査装置27a、27bによるレーザ光の光走査を行って静電潜像を形成し、それぞれの現像部28Y、28M、28C、28S、28Lk、28Dkで静電潜像を各色のトナーで現像してトナー像を形成する。プリントエンジン20は、感光体25Y、25M、25C、25S、25Lk、25Dk上のトナー画像を、転写チャージャ29Y、29M、29C、29S、29Lk、29Dkで、搬送ベルト21上に静電的に吸着させて搬送される用紙P上に順次転写させることで重ね合わせ、カラーのトナー画像を用紙P上に転写する。プリントエンジン20は、転写の完了した用紙Pを定着部35で加熱・加圧しつつ搬送して、カラートナー画像を用紙Pに定着させ、カラートナー画像の定着の完了した用紙Pを後段に送り出す。また、プリントエンジン20は、単色モードまたは2色、3色等のいくつかの色の画像を形成するときには、使用する色の画像形成部24Y、24M、24C、24S、24Lk、24Dkのみを動作させて、画像形成する。
そして、光走査装置27bは、図3に示すように、タイミング調整部41、半導体レーザ33、コリメートレンズ42、光束分割光学素子43、アパーチャ44、1対のシリンドリカルレンズ45u、45l及びポリゴンミラー34uとポリゴンミラー34lを備えているポリゴン部34等を備えている。
タイミング調整部41には、後述する画像処理ユニット50から淡ブラック画像データlkと濃ブラック画像データdkが入力され、タイミング調整部41は、淡ブラック画像データlkと濃ブラック画像データdkのタイミング調整を行って、半導体レーザ33に出力する。
半導体レーザ33は、淡ブラック画像データlkと濃ブラック画像データdkに基づいて変調した1本のレーザ光Lkをコリメートレンズ42に出射し、コリメートレンズ42は、以後の光学系に適した光束形態(平行光束または弱い発散性あるいは弱い収束性の光束)に変換して、光束分割光学素子43に射出する。なお、本実施例の光走査装置27bでは、コリメートレンズ42は、半導体レーザ33から入射されるレーザ光Lkを平行光束に変換して光束分割光学素子43に射出する。
光束分割光学素子43は、例えば、後述するように、ハーフミラープリズムが用いられており、コリメートレンズ42から入射されるレーザ光Lkを、図3の上下方向に2本のレーザ光Lku、Lklに分割して、アパーチャ44に出力する。
アパーチャ44は、レーザ光の幅を規制する開口部を有し、該開口部をレーザ光Lku、Lklが通過することで、ビーム整形してシリンドリカルレンズ45u、45lに入射する。
シリンドリカルレンズ45u、45lは、アパーチャ44で成形されたレーザ光Lku、Lklを副走査方向に集光し、ポリゴン部34のポリゴンミラー34uとポリゴンミラー34lの偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像させる。
ポリゴン部34は、回転軸34jに上側のポリゴンミラー34uと下側のポリゴンミラー34lが、図3の上下に分かれて平行に取り付けられ、ポリゴンミラー34uとポリゴンミラー34lを、1体として1つのポリゴンモータによって回転駆動する。
ポリゴンミラー34u及びポリゴンミラー34lは、いずれも4面の偏向反射面を有した同一形状の多面鏡であり、上側のポリゴンミラー34uの偏向反射面に対して、下側のポリゴンミラー34lの偏向反射面が、回転方向へ所定角:θ(=45度)ずれた状態で形成されている。
ポリゴン部34は、シリンドリカルレンズ45u、45lから回転駆動するポリゴンミラー34u及びポリゴンミラー34lにそれぞれ入射されるレーザ光Lku、Lklを主走査方向に偏光して感光体25Dk及び感光体25Lk上に走査するとともに、ポリゴンミラー34uとポリゴンミラー34lの偏向反射面が45度ずれて形成されているため、感光体25Dk及び感光体25Lk上に走査するレーザ光Lku、Lklを、主走査方向においても、走査タイミングを分離させて走査し、各感光体25Dk、25Lkを光走査する2本のレーザ光Lku、Lklを個別的に検出して光走査開始の同期をレーザ光Lku、Lkl毎に取ることができる。
すなわち、ポリゴン部34の上側のポリゴンミラー34uと下側のポリゴンミラー34lの偏向反射面が相互に回転方向に45度ずれているため、図4に示すように、ポリゴンミラー34uによる偏向レーザ光Lkuが感光体25Dkの光走査(有効画素走査)を行うとき、ポリゴンミラー34lによる偏向レーザ光Lklは、感光体25Lkには導光されずにブランクとなり、ポリゴンミラー34lによる偏向レーザ光Lklが感光体25Lkの光走査(有効画素走査)を行うとき、ポリゴンミラー34uによる偏向レーザ光Lkuは、感光体25Dkには導光されず、ブランクとなる。すなわち、ポリゴン部34は、偏向反射面が相互に回転方向に45度ずれたポリゴンミラー34uとポリゴンミラー34lによって、レーザ光Lkuとレーザ光Lklを、それぞれ感光体25Dkと感光体25Lk上に、時間的にずらして交互に走査させる。なお、図4は、それぞれのレーザ光Lku、Lklと有効走査領域(感光体25Dk、25Lk上を走査している期間)のそれぞれのレーザ光Lku、Lklをそれぞれの時間軸上に並べたものであり、各レーザ光Lku、Lklは、時間的にずれて交互に感光体25Dk、25Lkを走査する。
そして、上記光束分割素子43は、図5に示すように、図5の上下方向である副走査方向に並行して、半透鏡43aと反射面43bを有しており、半導体レーザ33からコリメートレンズ42を介して入射される。光束分割素子43は、コリメートレンズ42を介して入射されるレーザ光Lkを、半透鏡43aに入射して、一部を半透鏡43aを直進的に透過させてレーザ光Lkuとしてアパーチャ44に出射し、残りを半透鏡43aで反射して反射面43bに入射する。光束分割素子43の反射面43bは、半透鏡43aから入射されるレーザ光を全反射して、レーザ光Lklとしてアパーチャ44に出力する。
光束分割素子43は、半透鏡43aと反射面43bが相互に平行であり、相互に並行であるレーザ光Lkuとレーザ光Lklをアパーチャ44に出力する。
そして、光束分割素子43は、半導体レーザ33から出射されたレーザ光Lkを、2つの平行なレーザ光Lkuとレーザ光Lklに副走査方向に分割するが、レーザ光Lkuが透過光、レーザ光Lklが2段反射光であり、図6に示すように、透過率と反射率のばらつきがあるため、レーザ光Lkuとレーザ光Lklは、それぞれの光量が異なる。すなわち、図6に示すように、1つの光源である半導体レーザ33から出射されたレーザ光Lkを、平行な反射面43a、43bを有する光束分割素子43でレーザ光Lkuとレーザ光Lklに分割して感光体25Dkと感光体25Lkに画像を書き込む際に、感光体25Dkにレーザ光Lkuによって画像を書き込む時間領域と感光体25Lkにレーザ光Lklによって画像を書き込む時間領域における光源である半導体レーザ33の発光強度を同じに設定すると、半導体レーザ33は1つであるから、半導体レーザ33から感光体25Dk、25Lkに至る各光路(分割走査光路)において、光学素子の透過率や反射率の相対的な差異によって、各感光体25Dkと感光体25Lkに到達するレーザ光Lkuとレーザ光Lklの光量が異なる結果となる。
そして、画像形成装置1は、コントローラ2のASIC15に、図7に示すような画像処理ユニット50を備えており、画像処理ユニット50は、スキャナγ補正部51、入力マスキング部52、フィルタ処理部53、セレクタ54、ホストI/F55、画像展開部56、蓄積部57、色変換ユニット58、プリンタγ補正部59及び中間調処理部60等を備えている。
スキャナ8aは、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したイメージスキャナ等が利用されており、一般に、ADF(自動原稿送り装置)を備えている。ADFには、複数枚の原稿がセットされ、ADFは、セットされた原稿を1枚ずつスキャナ5の原稿読取位置に送給する。スキャナ8aは、ADFから搬送されてきた原稿を走査し、原稿の画像を所定の解像度で読み取って、デジタルのr、g、bの画像データをスキャナγ補正部51に出力する。
スキャナγ補正部51は、スキャナ8aから入力されるデジタルのr、g、bの画像データを反射率リニアな信号から濃度リニアな信号へと変換して、入力マスキング部52に出力し、入力マスキング部52は、スキャナγ補正部51から入力される入力デバイスに依存した信号からデバイスに依存しないsRGB等の標準信号に変換してフィルタ処理部53に出力する。
フィルタ処理部53は、入力マスキング部52から入力される画像データに対して、空間周波数特性の補正を施す。プリンタ処理部53は、具体的には、文字等の鮮鋭性の求められる画像に対しては、エッジ強調フィルタにより画像をシャープに補正し、写真のような滑らかさが求められる画像に対しては、スムージングフィルタにより画像をソフトに補正する処理を行って、セレクタ54に出力する。
一方、ホストI/F55は、セントロニクスI/F、ネットワーク I/F5、USB I/F6等のインターフェースであり、セントロニクスケーブル、ネットワーク、USBケーブル等によって接続されるコンピュータ等のホスト装置と通信を行って、画像データ及び画像データに対するプリントアウトに関するコマンド等のページ記述言語(PDL(Page Description Language)を受信する。ホストI/F55は、ホスト装置から受け取ったページ記述言語を画像展開部56に出力する。
画像展開部56は、ページ記述言語を解析して画像データに展開するが、このページ記述言語では特殊色(本実施例では、透明であるとする。)も指定されるため、特殊色S及びRGBの画像データをセレクタ56に出力する。なお、透明トナーは、プリントエンジン20で出力する画像の光沢を制御するのに利用され、芸術的効果等を与える。
セレクタ54は、フィルタ処理部53からのRGBの画像データと画像展開部56からのSRGBの画像データのいずれかを選択して蓄積部57に蓄積する。蓄積部57は、ローカルメモリ16やハードディスク17等が用いられ、画像データを一時蓄積する。
色変換ユニット58は、蓄積部57のRGBまたはSRGBの画像データを、プリントエンジン20でs、c、m、y、dk、lkのトナーで画像形成するために、S、C、M、Y、Dk、Lkの6色への色分解を行って、プリンタγ補正部59に出力する。
プリンタγ補正部59は、図示しないγ補正テーブルを用いて色変換ユニット58から入力されるS、C、M、Y、Dk、Lkの画像データに対してγ特性の変換を行い、中間調処理部60に出力する。
中間調処理部60は、プリンタγ補正部59でγ補正されたS、C、M、Y、Dk、Lkの画像データに対して、所定のディザ処理を施して、s、c、m、y、dk、lkの画像データとして、プリントエンジン20の光走査装置27a、27bに出力する。
そして、上記色変換ユニット58は、図8に示すように、色補正部71、UCR部72、墨生成部73、分版部74及びバッファ75a、75b等を備えている。
色補正部71には、蓄積部57からのSRGBの画像データが入力され、色補正部71は、RGBについては、デバイスであるプリントエンジン20に依存するCMY画像データに変換してUCR部72及び墨生成部73に出力する。また、色補正部71は、特殊色Sについては、そのまま出力するとともに、UCR部72に出力する。具体的には、色補正部71は、RGB画像データに対して、次式(1)に示すマスキング演算を行なって、CMY画像データに変換する。
C=α11×R+α12×G+α13×B+α14×S+β1
M=α21×R+α22×G+α23×B+α24×S+β2
Y=α31×R+α32×G+α33×B+α34×S+β3・・・(1)
ここで、α11〜α34及びβ1〜β3は、予め定められた色補正係数であり、RGBS各8bit(0〜255)の画像信号に対して、CMYSも8bitの信号を出力するための色補正係数である。
墨生成部73は、色補正部71から入力されるCMY画像データに対して、次式(2)の演算を行ってK信号を生成して、UCR部72及び分版部74に出力する。
K=Min(C、M、Y)・・・(2)
UCR部72は、画像データの色再現性を向上させるためのものであり、色補正部71から入力されるCMYデータと墨生成部73から入力されるKデータに基づいて、次式(3)によりCMYKから墨成分を差し引いて、すなわち、UCR(下色除去:Under Color Removal)処理して、C’M’Y’データをプリンタγ補正武59に出力する。
C’=C−K
M’=M−K
Y’=Y−K・・・(3)
分版部(データ分割手段、画像調整手段)74は、墨生成部73の生成したKデータを、所定の分版テーブル(配分パラメータ)に基づいて、濃ブラック画像データ(分割画像データ)Dkと淡ブラック画像データ(分割画像データ)Lkに分版して、それぞれバッファ75aとバッファ75bに一時保管した後、プリンタγ補正部59に出力する。
分版部74は、分版処理において用いる分版テーブルとして、通常、図9に示すような分版テーブルBT1を用いる。この分版テーブルTB1は、Kの値が「0」〜「128」の範囲において、淡ブラック画像データLkのみが徐々に増加して、「128」において、淡ブラック画像データLkが飽和し、Kの値が「128」〜「255」の範囲において、濃ブラック画像データDkが徐々に増加して、K=255において、Lk=Dk=255を出力するテーブルとなっている。
そして、分版テーブルとしては、レーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が低いため、本実施例の画像形成装置1では、図9に示した分版テーブルTB1ではなく、例えば、図10に示すように、濃ブラック画像データDkが増加し始める画像データKの値が、図9に示した分版テーブルBT1の「128」よりも小さい値(階調値)から徐々に濃ブラック画像データDkの値が増加する濃ブラック画像データDk2となる分版テーブルTB2を用いる。
また、分版テーブルとしては、図11に示すように、レーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が低いため、図9に示したようにレーザ光Lkuの感光体25Dkへの露光光量が「128」〜「255」で徐々に増加する分版テーブルTB1ではなく、濃ブラック画像データDkが増加し始める値を、「128」よりも小さい値から徐々に増加する濃ブラック画像データDk2とするとともに、淡ブラック画像データLkが「0」〜「255」で徐々に増加する状態Lkから、増加し終わる点(飽和点)が、「128」よりも小さい値になる淡ブラック画像データLk2である分版テーブルTB3を用いてもよい。
さらに、分版テーブルとしては、レーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が低いため、図12に示すように、Kの値が「0」〜「128」の範囲において、淡ブラック画像データLk2のみが徐々に曲線的に増加して、「128」において、淡ブラック画像データLk2が飽和し、Kの値が「128」よりも小さい値から「255」の範囲において、濃ブラック画像データDkが徐々に曲線的に増加して、K=255において、Lk=Dk=255を出力する濃ブラック画像データDk2である分版テーブルTB4を用いてもよい。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、1つの半導体レーザ33から出射したレーザ光Lkを2つのレーザ光Lku、Lklに分割して2つの感光体25Dk、25Lkに照射して画像形成する場合にも、画像品質を向上させる。
すなわち、画像形成装置1は、スキャナ8aやホスト装置から送られてきたRGB画像データまたはSRGB画像データに必要な画像処理を施して、s、c、m、y、dk、lkの画像データとして、プリントエンジン20の光走査装置27a、27bに出力し、プリントエンジン20の光走査装置27aが、s、c、m、yの画像データに基づいて対応する半導体レーザ31Y、31M、31C、31Sから対応する画像形成部24Y、24M、24C、24Sの感光体25Y、25M、25C、25Sに照射して静電潜像を形成するとともに、光走査装置27bが、dk、lkの画像データに基づいて変調した1本のレーザ光Lkを1つの半導体レーザ33から出射させてこのレーザ光Lkを途中で2つのレーザ光Lku、Lklに分割して対応する画像形成部24Lk、24Dkの感光体25Lk、25Dkに照射して静電潜像を形成する。そして、各画像形成部24Y、24M、24C、24Sは、感光体25Y、25M、25C、25S上の静電潜像を対応する色のトナーで現像してトナー画像を生成し、感光体25Y、25M、25C、25S上のトナー画像を、搬送ベルト23上を搬送される用紙Pに順次重ねあわせて転写して、画像形成部24Lkに送り出す。
画像形成部24Lk及び画像形成部24Dkは、光走査装置27bから照射されるレーザ光Lk及びレーザ光Dkによって感光体25Lk及び感光体25Dk上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像してトナー画像を生成し、画像形成部24Sから送られてくる既にトナー画像の転写されている用紙Pに重ね合わせて順次トナー画像を転写する。
そして、上述のように、光走査装置27bは、濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに基づいて1つの半導体レーザ33が変調した1本のレーザ光Lkを、光束分割光学素子43で濃ブラック画像データDkによるレーザ光Lkuと淡ブラック画像データLkによるレーザ光Lklに分割して、アパーチャ44でレーザ光Lku、Lklのビーム幅を整形してシリンドリカルレンズ45u、45lに入射し、シリンドリカルレンズ45u、45lで、レーザ光Lku、Lklを副走査方向に集光して、ポリゴン部34の回転軸34jに並行に取り付けられているポリゴンミラー34uとポリゴンミラー34lの偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像させる。
このポリゴン部34のポリゴンミラー34uとポリゴンミラー34lは、4面の偏向反射面を有した同一形状の多面鏡であって、ポリゴンミラー34uの偏向反射面に対して、ポリゴンミラー34lの偏向反射面が、回転方向へ45角ずれた状態で形成されているため、図4に示したように、ポリゴンミラー34uによる偏向レーザ光Lkuが感光体25Dkの光走査(有効画素走査)を行うとき、ポリゴンミラー34lによる偏向レーザ光Lklが、感光体25Lkには導光されずにブランクとなって、ポリゴンミラー34lによる偏向レーザ光Lklが感光体25Lkの光走査(有効画素走査)を行うとき、ポリゴンミラー34uによる偏向レーザ光Lkuが、感光体25Dkには導光されず、ブランクとなる。
ところが、光束分割素子43は、上述のように、半導体レーザ33から出射されたレーザ光Lkを、2つの平行なレーザ光Lkuとレーザ光Lklに副走査方向に分割するが、レーザ光Lkuが透過光、レーザ光Lklが2段反射光であり、図6に示したように、透過率と反射率のばらつきがあるため、レーザ光Lkuとレーザ光Lklは、それぞれの光量が異なる。すなわち、図6に示したように、1つの光源である半導体レーザ33から出射されたレーザ光Lkを、平行な反射面43a、43bを有する光束分割素子43でレーザ光Lkuとレーザ光Lklに分割して感光体25Dkと感光体25Lkに静電潜像を書き込む際に、感光体25Dkにレーザ光Lkuによって静電潜像を書き込む時間領域と感光体25Lkにレーザ光Lklによって静電潜像を書き込む時間領域における光源である半導体レーザ33の発光強度を同じに設定すると、半導体レーザ33は1つであるため、半導体レーザ33から感光体25Dk、25Lkに至る各光路(分割走査光路)において、光学素子の透過率や反射率の相対的な差異によって、感光体25Dkと感光体25Lkに到達するレーザ光Lkuとレーザ光Lklの光量が異なる結果となる。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、画像処理ユニット50の色変換ユニット58において、RGB画像データまたはSRGB画像データを、プリントエンジン20でs、c、m、y、dk、lkのトナーで画像形成するために、S、C、M、Y、Dk、Lkの6色への色分解を行うとともに、上記光量の相違を考慮して、濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkのデータ値を、調整する。
具体的には、色変換ユニット58は、図8に示した色補正部71が、SRGBの画像データに対して、上記式(1)のマスキング演算を行って、プリントエンジン20に依存するCMY画像データに変換し、墨生成部73が、色補正部71の生成したCMY画像データに対して、上記式(2)の演算を行ってKデータ(K信号)を生成して、UCR部72が、画像データの色再現性を向上させるために、色補正部71の生成したCMYデータと墨生成部73の生成したKデータに基づいて、上記式(3)によりCMYKから墨成分を差し引くUCR処理を施して、C’M’Y’データを出力する。
そして、色変換ユニット58は、その分版部74が、墨生成部73の生成したKデータを、所定の分版テーブルに基づいて、濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分版して、それぞれバッファ75aとバッファ75bに一時保管する。
この分版部74は、分版処理において用いる分版テーブルとして、図9に示した通常の分版テーブルBT1に変えて、図10から図12に示したような分版テーブルTB2〜TB4を用いる。
すなわち、図9に示した通常の分版テーブルBT1は、Kの値が「0」〜「128」の範囲において、淡ブラック画像データLkのみが徐々に増加して、「128」において、淡ブラック画像データLkが飽和し、Kの値が「128」〜「255」の範囲において、濃ブラック画像データDkが徐々に増加して、K=255において、Lk=Dk=255を出力するテーブルとなっている。
これに対して、分版部74は、いま、レーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が低いため、図10に示したように、濃ブラック画像データDkが増加し始める画像データKの値が、図9に示した分版テーブルBT1の濃ブラック画像データDkが徐々に増加する値である「128」よりも小さい値から直線的に徐々に濃ブラック画像データDkの値が増加する濃ブラック画像データDk1となる分版テーブルTB2を用いて、Kデータを、濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分版する。
このような分版テーブルBT2を用いて画像データKを濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分版すると、濃ブラック画像データDkを利用する率が高くなるため、淡ブラック画像データLkによるレーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が、濃ブラック画像データDkによるレーザ光Lkuの感光体25Dkへの露光光量より低い場合にも、画像品質を向上させることができる。
また、分版部74は、図11に示したように、レーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が低いため、図11に示したように、図9に示した分版テーブルBT1の濃ブラック画像データDkが「128」〜「255」で徐々に増加して、淡ブラック画像データLkが「0」から徐々に増加して「128」で飽和する分版テーブルTB1ではなく、濃ブラック画像データが増加し始める値を、「128」よりも小さい値から徐々に増加する濃ブラック画像データDk1とするとともに、淡ブラック画像データが「0」から増加を開始して「128」よりも小さい値で飽和する淡ブラック画像データLk1である分版テーブルTB3を用いて、Kデータを濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分版してもよい。
このような分版テーブルBT3を用いて画像データKを濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分版すると、淡ブラック画像データLkによるレーザ光Lklの感光体25Lkの露光光量が低いときに、その分、Kの値が小さい段階から、濃ブラック画像データDkによるレーザ光Lkuの感光体25Dkへの露光光量を増加させることができるとともに、淡ブラック画像データLkによるレーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量を早く飽和させることができ、画像品質を向上させることができる。
さらに、分版部74は、レーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が低いため、図12に示したように、図9に示した分版テーブルBT1の濃ブラック画像データDkが「128」〜「255」で徐々に増加して、淡ブラック画像データLkが「0」から徐々に増加して「128」で飽和する分版テーブルTB1ではなく、濃ブラック画像データが増加し始める値を、「128」よりも小さい値から徐々に曲線的に増加する濃ブラック画像データDk1とするとともに、淡ブラック画像データが「0」から徐々に曲線的に増加を開始して「128」で飽和する淡ブラック画像データLk2である分版テーブルTB4を用いて、Kデータを濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分版してもよい。なお、淡ブラック画像データLk2は、「128」で飽和するのではなく、もっと小さい値で飽和してもよい。
このような分版テーブルBT4を用いて画像データKを濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分版すると、淡ブラック画像データLkによるレーザ光Lklの感光体25Lkへの露光光量が低くても、その分早い段階から、濃ブラック画像データDkによるレーザ光Lkuの感光体25Dkへの露光光量を増加させることができ、画像品質を向上させることができる。
そして、色変換ユニット58は、分版部74の分版した濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkを一旦バッファ75a、75bに保管した後、プリンタγ補正部59に出力し、プリンタγ補正部59が、γ補正テーブルを用いて色変換ユニット58から入力されるS、C、M、Y、Dk、Lkの画像データに対してγ特性の変換を行い、中間調処理部60に出力する。中間調処理部60は、プリンタγ補正部59でγ補正されたS、C、M、Y、Dk、Lkの画像データに対して、所定のディザ処理を施して、s、c、m、y、dk、lkの画像データとして、プリントエンジン20の光走査装置27a、27bに出力し、光走査装置27aが半導体レーザ31Y、31M、31C、31SによってYMCSの画像データで変調したレーザ光を画像形成部24Y、24M、24C、24Sの感光体25Y、25M、25C、25Sに照射して静電潜像を形成する。
このように、本実施例の画像形成装置1は、画像処理ユニット50の色変換ユニット58の分版部(データ分割手段)74で、所定色(本実施例では、墨生成部73の生成したK色)の画像データKを濃淡の異なる複数(本実施例では、2つ)の分割画像データである濃ブラック画像データDkと淡ブラック画像データLkに分割して、光走査装置(分割走査手段)27bが、1つの半導体レーザ(光源部)33から濃淡の異なる2つの画像データDk、Lkに基づいて変調されて出射された1本のレーザ光(書き込み光)Lkを該画像データDk、Lk毎のレーザ光(分割書き込み光)Lku、Lklに分割してそれぞれのレーザ光Lku、Lklを分割走査光路上を通過させてそれぞれ対応する感光体25Dk、25Lk上に所定時間ずらせて走査させ、分版部(画像調整手段)74が、光走査装置27の分割走査光路の光透過効率に基づいて決定される分版テーブル(配分パラメータ)TB2、TB3、TB4を用いて、半導体レーザ33に入力する濃淡の画像データDk、Lkのデータ値を調整している。
したがって、所定色(本実施例では、K色)の画像データを濃淡の異なる2つの分割画像データDk、Lkに分割して1つの半導体レーザ33から出射した1本のレーザ光を光走査装置27bで2つのレーザ光Lku、Lklに分割して対応する感光体25Dk、25Lkに照射して画像形成する場合に、分割したレーザ光Lku、Lklが通過する分割走査光路の光透過効率に応じた分版テーブルTB2〜TB4に基づいて分割画像データDk、Lkのデータ値を調整することができ、1つの光源である半導体レーザ33から出射される1本の書き込み光であるレーザ光Lkを複数(2つ)の分割書き込み光であるレーザ光Lku、Lklに分割して2つの感光体25Dk、Lk上を走査させて形成する画像の画像品質を向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、所定色(本実施例では、K色)の画像データKを濃淡の異なる2つの分割画像データDk、Lkに分割するデータ分割処理ステップと、1つの光源部である半導体レーザ33から濃淡の異なる2つの分割画像データDk、Lkに基づいて変調されて出力された1本の書き込み光であるレーザ光Lkを該分割画像データDk、Lk毎の分割書き込み光であるレーザ光Lku、Lklに分割してそれぞれのレーザ光Lku、Lklを分割走査光路上を通過させてそれぞれ対応している感光体25Dk、25Lk上に所定時間ずらせて走査させる分割走査処理ステップと、分割走査光路の光透過効率に基づいて決定される分版テーブル(配分パラメータ)TB2〜TB4を用いて、半導体レーザ33に入力する2つの分割画像データDk、Lkのデータ値を調整する画像調整処理ステップと、を有する画像形成制御方法を実行している。
したがって、K色の画像データを濃淡の異なる2つの分割画像データDk、Lkに分割して1つの半導体レーザ33から出射した1本のレーザ光を光走査装置27bで2つのレーザ光Lku、Lklに分割して対応する感光体25Dk、25Lkに照射して画像形成する場合に、分割したレーザ光Lku、Lklが通過する分割走査光路の光透過効率に応じた分版テーブルTB2〜TB4に基づいて分割画像データDk、Lkのデータ値を調整することができ、1つの光源である半導体レーザ33から出射される1本の書き込み光であるレーザ光Lkを2つの分割書き込み光であるレーザ光Lku、Lklに分割して2つの感光体25Dk、Lk上を走査させて形成する画像の画像品質を向上させることができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、コンピュータであるCPU11に、K色の画像データKを濃淡の異なる2つの分割画像データDk、Lkに分割するデータ分割処理と、1つの光源部である半導体レーザ33から濃淡の異なる2つの分割画像データDk、Lkに基づいて変調されて出力された1本の書き込み光であるレーザ光Lkを該分割画像データDk、Lk毎の分割書き込み光であるレーザ光Lku、Lklに分割してそれぞれのレーザ光Lku、Lklを分割走査光路上を通過させてそれぞれ対応している感光体25Dk、25Lk上に所定時間ずらせて走査させる分割走査処理と、分割走査光路の光透過効率に基づいて決定される分版テーブルTB2〜TB4を用いて、半導体レーザ33に入力する2つの分割画像データDk、Lkのデータ値を調整する画像調整処理と、を実行させる画像形成制御プログラムを搭載している。
したがって、K色の画像データを濃淡の異なる2つの分割画像データDk、Lkに分割して1つの半導体レーザ33から出射した1本のレーザ光を光走査装置27bで2つのレーザ光Lku、Lklに分割して対応する感光体25Dk、25Lkに照射して画像形成する場合に、分割したレーザ光Lku、Lklが通過する分割走査光路の光透過効率に応じた分版テーブルTB2〜TB4に基づいて分割画像データDk、Lkのデータ値を調整することができ、1つの光源である半導体レーザ33から出射される1本の書き込み光であるレーザ光Lkを2つの分割書き込み光であるレーザ光Lku、Lklに分割して2つの感光体25Dk、Lk上を走査させて形成する画像の画像品質を向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、光走査装置(分割走査手段)27bが、光透過効率の高い分割走査光路に対して、2つの分割画像データDk、Lkのうち、濃度の濃い分割画像データDkによる分割書き込み光Lkuを通過させ、分版部74が、該光透過効率の高い分割走査光路を通過させるレーザ光Lkuに対応する画像データDkほどデータ値が高くなる分版テーブルTB2〜TB4である。
したがって、光透過効率の高い分割走査光路を通過させる濃度の濃い分割書き込み光Lkuに対応する分割画像データDkほどデータ値を高くすることができ、ベタ画像の濃度を適切に維持して、画像品質を向上させることができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、分版部74が、2つの分割走査光路間の光透過効率の差が大きいほど、濃淡の異なる2つの画像データDk、Lkのうち濃度の濃い画像データDkの出力を開始する階調値が小さい分版テーブルBT2〜BT4を用いている。
したがって、淡い濃度のトナーのベタ濃度を維持することができない場合にも、濃い濃度のトナーで補償することができ、画像品質を向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、分版部74が、濃度の淡い分割画像データLkの出力が飽和する階調値が、濃度の濃い分割画像データDkの出力を開始する階調値程度の小さい階調値である分版テーブルBT2〜BT4を用いている。
したがって、淡い濃度の画像をこい濃度の画像で適切に補償することができ、画像品質を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。