JP2013034541A - シューズ用シート状物 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾燥時とウエット時の両方の場面において、高くかつ変化の少ないグリップ性能を有するシューズ用シート状物を提供すること。
【解決手段】基体上に高分子弾性体を主とする最表面層が存在するシューズ用シート状物であって、最表面層中にゲル法シリカを含有しているシューズ用シート状物。さらには、高分子弾性体がポリウレタン樹脂であることや、表面層中にロジン系樹脂またはテルペン系樹脂が含有されていること、ゲル法シリカの二次粒子径が0.01μm〜10μmの範囲であること、最表面層の厚さが5〜30μmであることが好ましい。また、このシューズ用シート状物を用いたシューズであることや、さらにはシューズ用シート状物がロゴ、文字、記号、マークのいずれかの形状であるシューズであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明はシューズ用シート状物に関し、さらに詳しくはウェット時の滑り止め効果の高いシューズ用シート状物に関する。
従来より、ボールをシューズでコントロールする必要のあるスポーツ用のシューズにおいては、ボールとシューズとのグリップ性能が特に重要視されている。中でも特にサッカー競技は、足を使ってシュート、ドリブル、パスなどの動作を行うスポーツであるため、シューズがボールをコントロールする上でのプレーヤーの能力を引き出す最も重要な道具とされている。シューズのボールに対するグリップ力が、サッカー選手のシュートやドリブル、パスの正確性や有効性に大きく影響を与えるのである。
ところで、サッカーは雨天であっても試合は通常中止されない競技の一つである。すなわち、晴れの時などの乾燥時だけではなく、雨天時のウエット時においても、高いグリップ性能が要求される。しかもシュートやドリブル時には、ボールは地面に近い位置に有り濡れやすいため、シューズ表面とボールの間には水の層ができて滑りやすく、ボールコントロールの正確性がより失われやすいという問題があった。
このようなウエット時のグリップ低下を防ぐため、過去からいくつもの技術が提案されている。例えば、シューズの表面材料となるシート状物に凸凹のシボ柄をつけたり、表面にラバーなどの高分子材料で突起をつけて水の流れを良くする事により、ウエット時のグリップ力を上げることなどが行われてきた(特許文献1など)。しかしながらウエット時のグリップ性能は、これらのシボ柄変更等のみでは限界があり、十分に満足が得られるものではなかった。さらに表面のシボを変更したり突起を取り付けたりすることは他の部分との外観に差が発生し、そのシューズの意匠デザインに制限がかかり商業的にも不利であるという問題があった。
加えて逆に晴天時等においては、グリップ性能が極端に高すぎる場合、走行時に右足シューズと左足シューズが触れた瞬間に引っかかり、転倒につながることさえ発生するという問題もあった。すなわちスポーツシューズ用シート状物においては晴天時のようなドライの場合にも、適度な高すぎないグリップ性能が要求されるのである。つまり理想的なシューズ用シート状物としては、乾燥時とウエット時の両方の場面において、高いグリップ性能と共に、変化の少ない性能が求められていたのである。
特開平9−140402号公報
乾燥時とウエット時の両方の場面において、高くかつ変化の少ないグリップ性能を有するシューズ用シート状物を得ることにある。
本発明のシューズ用シート状物は、基体上に高分子弾性体を主とする最表面層が存在するシューズ用シート状物であって、最表面層中にゲル法シリカを含有していることを特徴とする。
さらには、高分子弾性体がポリウレタン樹脂であることや、表面層中にロジン系樹脂またはテルペン系樹脂が含有されていること、ゲル法シリカの二次粒子径が0.01μm〜10μmの範囲であること、最表面層の厚さが5〜30μmであることが好ましい。
また、もう一つの本発明のシューズは、上記の本発明のシューズ用シート状物を用いたものであり、さらにはシューズ用シート状物がロゴ、文字、記号、マークのいずれかの形状であるシューズであることが好ましい。
本発明によれば、乾燥時とウエット時の両方の場面において、高くかつ変化の少ないグリップ性能を有するシューズ用シート状物が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のシューズ用シート状物は、基体上に高分子弾性体を主とする最表面層が存在するシューズ用シート状物であって、最表面層中にゲル法シリカを含有しているものである。高分子弾性体を主とするとは、最表皮層を構成する成分として最も多い成分であることを意味し、さらには50重量%以上であることが好ましい。
ここで本発明に用いることのできる基体としては、人工皮革等に広く用いられている繊維と高分子弾性体からなるものであることが好ましい。さらにはこの基体が繊維と高分子弾性体からなる繊維質基体とその表面に高分子弾性体を主とする表皮層からなるものであることが好ましい。表面の高分子弾性体からなる表皮層は、風合いを重視する面からは多孔層であることが好ましく、より強固な物性を確保するためには、充実層であることが好ましい。特には繊維質基体層に接する部分に多孔層を、その多孔層の表面にさらに充実層を配置し、充実層の上に最表面層を配置したシート状物であることが最も好ましい。
さらに具体的に述べると、好ましく用いられる繊維質基体としては、繊維集合体、あるいはこの繊維集合体に高分子弾性体を含浸させた複合繊維集合体を挙げることができる。繊維としては風合いと物性の両立の面からは細いことが好ましく、繊維径としては0.001〜0.2dtexの極細繊維であることが特に好ましい。基体の厚さとしては0.2〜5mm、さらには0.4〜2mmであることが好ましい。繊維集合体としては、不織布や織編物が挙げられ、これらを構成する繊維としては、例えばポリエステル、ポリアミドなどの合成繊維、または綿、麻、羊毛などの天然繊維、またはレーヨンなどの半合成繊維が挙げられ、また、これらの2種以上の混合であってもよい。
繊維質基体が、繊維集合体と高分子弾性体からなる複合繊維集合体である場合の具体例としては、繊維集合体に高分子弾性体を含浸、凝固、乾燥させたものを挙げることができる。ここで高分子弾性体としては、例えばポリウレタン、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、あるいはポリブタジエン、ポリイソプレンなどの合成ゴムなどを挙げることができる。この中では、耐摩耗性、弾性回復性、柔軟性等の面からポリウレタンが好ましく用いられる。これらの高分子弾性体はその製造工程においては、有機溶剤で溶解、あるいは分散された溶液、あるいは分散液として含浸に供される。好ましくは、これらの高分子は地球環境保護、および作業環境保護のためにも水溶液、あるいは水分散として含浸に供されることが好ましい。
また好ましい形態として基体が繊維と高分子弾性体からなる繊維質基体とその表面に高分子弾性体を主とする表皮層からなるものである場合には、この高分子弾性体からなる表皮層は無孔質でも良いが、好ましくは多孔質層であり、特には基体層が、繊維質基体表面に高分子多孔質層が存在する、いわゆる皮革様シート状物であることが好ましい。この層を形成する高分子弾性体としては特にはポリウレタンを主成分とするものであることが好ましい。さらに、繊維質基体を構成する高分子弾性体もまた、表面層の高分子弾性体と同じく、多孔質であることが好ましい。
このような多孔質に用いることができるポリウレタンとしては、人工皮革用として使用されるものを使用でき、有機ジイソシアネート、高分子ジオールおよび鎖伸長剤の重合反応で得られる従来公知の熱可塑性ポリウレタンを挙げることができる。有機ジイソシアネートとしては分子中にイソシアネート基を2個含有する脂肪族、脂環族または芳香族ジイソシアネート、特に4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、P−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。高分子ジオールとしては例えばグリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮合重合で得られたポリエステルグリコール、ラクトンの開環重合で得られたポリラクトングリコール、脂肪族または芳香族ポリカーボネートグリコール、あるいはポリエーテルグリコールの少なくとも1種から選ばれた平均分子量が500〜4000のポリマーグリコールなどが挙げられる。そして鎖伸長剤としてはイソシアネートと反応しうる水素原子を2個含有する分子量500以下のジオール、例えばエチレングリコール、1,4ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
このような高分子弾性体を用いて多孔質層を得る方法としては、従来から知られている方法が採用できる。例えば、ポリウレタンの良溶剤でありかつ水と相溶性の有機溶剤にポリウレタンを溶解させ、このポリウレタン溶液を任意の厚みで支持体上にコーティングし、水浴中に浸漬して多孔凝固させるいわゆる湿式凝固法、またはポリウレタンを水と相溶性はないがポリウレタンを溶解あるいは分散できる有機溶剤に溶解、あるいは分散させた溶液、あるいは分散液を任意の厚みで支持体上にコーティングし、水の蒸発を妨げながら有機溶剤を選択的に蒸発させる乾式多孔成形法、またはポリウレタンの水溶液、あるいは水分散液中に熱膨張性微粒子カプセルを分散させ任意の厚みで支持体上にコーティングし、乾燥しながら熱膨張性カプセルを膨張させる方法、またはポリウレタンの分子末端にアルコール性水素を有するプレポリマーとポリイソシアネート、および水を混合し、直後に任意の厚みで支持体上にコーティングする方法、または溶融ポリウレタン中に不活性ガスを分散させて任意の厚みで支持体上にコーティング、発泡させる方法、または、ケミカル発泡剤を混合したポリウレタン溶液あるいは分散液を任意の厚みで支持体上にコーティングする方法などが挙げられる。中でも、湿式凝固法が孔の形状を制御し易く多孔質を得るのに好ましい。
高分子重合体からなる表皮層は、上記のように繊維質基体上に直接、コーティング法などにより形成することができ、また別の方法としては剥離性支持体上で作成されたポリウレタン等のフィルム層を繊維質基体上に接着剤により貼り合わせても良い。さらには、繊維質基体上に湿式凝固法等によって第1の表皮層を形成し、その上にラミネート法等により第2の表皮層を形成しても良い。この場合には一般に湿式凝固層が多孔質層となり、ラミネート層が充実層となり、本発明の基体は、繊維質層とその表面に順に多孔質層(湿式凝固層)と充実層(ラミネート層)を有する物となる。
本発明のシューズ用シート状物は、上記のような基体の上にゲル法シリカを含有する最表面層を有するものである。好ましくは、基体上の高分子弾性体を主成分とした最表面の層が5〜30μmの厚さであることが好ましい。最表面の層の厚さについては、薄ければ摩耗により効果の発現する時間が短くなり、厚すぎれば添加しているゲル法シリカによって透明度が落ち、特に着色をする場合には鮮明な外観が出しにくくなる傾向にある。
一般に合成シリカは、乾式法シリカと湿式法シリカに大別され、湿式法シリカは沈降法(沈殿法)シリカとゲル法シリカに二分される。本発明で用いられるシリカは、このような合成シリカのうち、ゲル法シリカであることが必要である。本発明で用いられるゲル法シリカは、珪酸ナトリウムと鉱酸(通常は硫酸)の中和反応を酸性のpH領域で進行させ、一次粒子の成長を抑えた状態で凝集を起こし、この凝集体が形成する三次元網目構造のゲル状態を経て製造されるものである。
本発明で用いられるゲル法シリカは一般に二次粒子が硬く、最表面層に存在するシリカ粒子はその凹凸により湿潤状態、乾燥状態の何れの状態においてもその特性を発揮することが可能となる。またゲル法シリカは添加剤としても硬く効果的であり、通常のシリカを使用する場合よりも含有量を多くすることが可能である。二次粒子径としては0.01〜10μm、さらには2〜8μmの範囲であることが好ましい。また一次粒子としては1〜20nmの範囲が好ましい。また最表面層におけるゲル法シリカの含有量としては、10〜50重量%の範囲であることが好ましく、特には20〜40重量%の範囲であることが好ましい。このように通常よりも含有量を大きくすることにより、表面の微小凹凸の効果をより発揮することが可能となった。
また最表面層に用いられる高分子弾性体としては、上記の基体中で用いたものと同様の物を使用することが可能であるが、物性の面からはポリウレタン樹脂であることが最も好ましい。さらには、この最表面層のポリウレタン樹脂はポリオキシエチレン鎖を含有することが好ましく、ポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレン鎖の含有量としては、2〜20重量%であることが特に好ましい。このようなポリオキシエチレン鎖を含有する事により表面は親水性になり、濡れたときに短時間で水の移動が可能となり、シート状物表面の水膜を薄くする事ができる。ポリオキシエチレン鎖としては親水性の高いポリエチレングリコール(PEG)である事が好ましく、さらには分子量が400〜4000のポリエチレングリコールをポリウレタン樹脂の原料として用いられたPEG変性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。ただしポリオキシエチレン鎖の含有量については多すぎるとポリウレタン樹脂の強度が低下する傾向にある。
さらにはこの最表面層中には、添加剤として粘着性付与剤であるロジン系樹脂またはテルペン系樹脂が含有されていることが好ましい。含有量としてはロジン系樹脂またはテルペン系樹脂の含有量が10〜50重量%の範囲であることが好ましい。ロジン系樹脂としてはガムロジン、重合ロジンなどが挙げられる。テルペン系樹脂としてはテルペンフェノール樹脂、テルペンスチレン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。これらの粘着付与性を有する材料を添加する事により、グリップ性を向上させることができる。これらの粘着性付与剤の含有量が少ないと、グリップ性向上効果が少ない傾向に有り、逆に多すぎる場合には最表面層の強度が下がり、特にシューズとしての使用時には、摩耗耐久性が下がる傾向にある。
この最表面層は、基体上に公知のグラビア塗布するなどの方法により形成することができる。
さらに本発明のシューズ用シート状物は、エンボス処理等により表面に凸を有するものであることが好ましい。特に凸部が、ロゴ、文字、記号、マークのいずれかを形成していることが好ましく、機能面ばかりでなく意匠的にも優れた物となる。大きな凸部が存在することにより雨や泥などの異物が付着した際にも脱落しやすくなり、性能を高いレベルで維持することが可能となる。
以上のような本発明のシューズ用シート状物は、ドライ状態ばかりかウエット時にも十分なグリップ性があり、シューズ、特にはサッカーシューズなどに適している。またこのシューズ用シート状物は、シューズ本体に用いる以外にも、シューズ正面部や側面部などのロゴ、文字、記号、マークの凸部のみに使用することもでき、使用面積を少なくしコストを低減することが可能になる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中の各測定値は次の方法により測定した。
(1)Wet時のグリップ感
得られたシート状物における湿潤状態(Wet時)のグリップ性を官能評価した。もっともグリップ性の優れているものから、優、良、可、不可の4段階評価を行った。
(2)Wet時及びDry時の動的摩擦係数
得られたシート状物を用い、湿潤状態(Wet時)と乾燥状態(Dry時)のそれぞれの場合において、1000g荷重時の動的摩擦係数を測定した。
[実施例1]
<多孔質層を表面に有する繊維質基体の作成>
ナイロンと低密度ポリエチレンを混合紡糸し、交絡処理を行い、厚さ1.6mm、見掛け密度0.28g/cmの繊維集合体(不織布)を得た。その繊維集合体にポリウレタン樹脂を含浸、コートし、湿式凝固を行い、さらに熱トルエン中にて混合紡糸繊維中のポリエチレン成分を抽出除去することにより、極細繊維とポリウレタンからなる繊維質基体を作成した。極細繊維の繊維径は0.003dtexであった。またこの繊維質基体表面には、ポリウレタンからなる湿式多孔層が形成されており、単位面積あたりの重さ(目付け)は460g/m、厚さ1.3mm、見掛け密度0.35g/cm、繊維質基体中の高分子弾性体と繊維の比率(R/F)は48%であった。
<基体の作成>
転写貼り合わせラインにて、ラインスピード10m/minで、離型紙上に、レザミンLU−2109HV(ポリウレタン濃度22%、大日精化株式会社製、融点150℃)100部、DMF15部、イソプロピルアルコール15部を混合した溶液を、目付け120g/mで塗布した。110℃で2分間乾燥して厚さ0.01mmの高分子弾性体からなるフィルム層を形成した。さらにそのフィルム層上に、ポリウレタン系接着剤100部にレザミンNE架橋剤10部、DMF10部、MEK10部の調合液を目付け180g/mでコートし、接着層とした。次いで、フィルム層と接着層の高分子弾性体が塗布された離型紙を温度90℃で2分間乾燥後、離型紙の高分子弾性体の上に、上記の多孔質層を表面に有する繊維質基体と重ね合わせ、温度110℃の加熱シリンダー表面上で0.6mmの間隙のロールに通過させ圧着した。その後、温度70℃の雰囲気下で2日間放置した後、離型紙を剥ぎ取り、シート状物用の基体とした。
<最表面層を有するシューズ用シート状物の作成>
この基体の上にグラビアにてPEG変性ポリウレタン樹脂(大日本インキ株式会社製、クリスボンS517、固形分濃度30重量%)100部、DMF75部、メチルエチルケトン(MEK)160部、およびゲル法合成シリカ(平均粒径6.6μmの二酸化ケイ素)15部を混合した溶液を、#110メッシュのグラビアロールを用い、目付け25g/mの塗布を、4回繰り返し最表面層とし、シューズ用シート状物を得た。この時の最表面層の固形分比率はポリウレタン:シリカ比率が67:33となる。このものはWet時のグリップ感に優れ、Dry時とWet時の摩擦係数の差が少なく、晴雨何れにおいてもボールコントロール性に優れるものであった。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
最表面層をグラビアにて形成する際の溶液として、添加剤としてテルペン樹脂を含有するように変更した以外は実施例1と同様にして、シューズ用シート状物を得た。具体的にはグラビア用の溶液として、ポリウレタン樹脂(大日本インキ株式会社製、クリスボンS517)100部、DMF75部、メチルエチルケトン(MEK)160部、ゲル法合成シリカ(平均粒径6.6μmの二酸化ケイ素)15部、およびテルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製、YSレジンCP)10部を混合した溶液を用いた。この時の最表面層の固形分比率はポリウレタン:シリカ:テルペン樹脂比率が55:27:18となる。このものもWet時のグリップ感に優れ、特にDry時とWet時の摩擦係数の差が少なく、晴雨何れにおいてもボールコントロール性に優れるものであった。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
最表面層をグラビアにて形成する際の溶液として、添加剤としてロジン変性樹脂を含有するように変更した以外は実施例1と同様にして、シューズ用シート状物を得た。具体的にはグラビア用の溶液として、ポリウレタン樹脂(大日本インキ株式会社製、クリスボンS517)100部、DMF75部、メチルエチルケトン(MEK)160部、ゲル法合成シリカ(平均粒径6.6μmの二酸化ケイ素)15部、およびロジン系樹脂(ハリマ化成株式会社製、ロジン変性樹脂「ハリエスター」)10部を混合した溶液を用いた。この時の最表面層の固形分比率はポリウレタン:シリカ:ロジンエステル比率が55:27:18となる。このものもWet時のグリップ感に優れ、晴雨何れにおいてもボールコントロール性に優れるものであった。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
最表面層中にゲル法シリカを用いなかった以外は実施例1と同様にして、シート状物を得た。このものの最表面層はポリウレタン樹脂のみから構成されたものであり、Dry時にタック感はあるものの、グリップ効果は感じられなかった。また、Wet時にはグリップ効果が少なく滑りやすいものであった。また数値的にも、Dry時の動摩擦係数が高すぎ、Wet時の動摩擦係数が低いものであった。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
最表面層中にゲル法シリカを用いなかった以外は実施例2と同様にして、シート状物を得た。このものの最表面層はポリウレタン樹脂とテルペン樹脂から構成されたものであり、Dry時にタック感はあり、若干のグリップ効果はあるものの、Wet時にはグリップ効果が少なく滑りやすいものであった。数値的にも、Dry時の動摩擦係数が高すぎ、Wet時の動摩擦係数が低いものであった。評価結果を表1に併せて示す。
[比較例3]
最表面層中のゲル法シリカの代わりに乾式シリカ(日本アエロジル社製、フュームドシリカ、一次粒子径16nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、シート状物を得た。Dry時にはグリップ効果を感じられないものであった。またWet時には多少の滑り止め効果は感じるものの実施例よりグリップ力が劣り、若干滑りやすい結果であった。数値的にも、Wet時の動摩擦係数が低いものであった。評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2013034541

Claims (7)

  1. 基体上に高分子弾性体を主とする最表面層が存在するシューズ用シート状物であって、最表面層中にゲル法シリカを含有していることを特徴とするシューズ用シート状物。
  2. 高分子弾性体がポリウレタン樹脂である請求項1記載のシューズ用シート状物。
  3. 最表面層中にロジン系樹脂またはテルペン系樹脂が含有されている請求項1または2記載のシューズ用シート状物。
  4. ゲル法シリカの二次粒子径が0.01μm〜10μmの範囲である請求項1〜3のいずれか1項記載のシューズ用シート状物。
  5. 最表面層の厚さが5〜30μmである請求項1〜4のいずれか1項記載のシューズ用シート状物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のシューズ用シート状物を用いたシューズ。
  7. シューズ用シート状物が、ロゴ、文字、記号、マークのいずれかの形状である請求項6記載のシューズ。
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