JP2013032895A - 給湯装置の取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の取付構造では、給湯装置の上部と下部とに各々防振部材が上方から圧縮されるように使用される。ところが、実際に給湯装置を設置すると、下部の防振部材が水平方向に変形して給湯装置が前方にお辞儀するように倒れる。この倒れによって上部の防振部材の変形が増加するので上部ので防振効果が損なわれる。
【解決手段】下部に配設される防振部材は後方に向かって水平方向に圧縮されるように配設することによって下部の防振部材の変形方向を水平方向のみに限定し、その圧縮量をあらかじめ算出することによって給湯装置の倒れを防止するようにした。なお、上部に配設される防振部材は給湯装置の荷重を受けるため垂直方向に圧縮されるように配設した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、給湯装置を壁面に取り付ける際の取付構造に関する。
給湯装置は主に屋外の壁面に取り付けられ、その給湯装置から屋内の各所に配管を通して給湯される。給湯装置内には給湯するためのポンプやバーナへ燃焼用空気を送風するためのファンが設けられている。これらのポンプやファンはモータによって駆動される。これらのポンプやファンが回転すると振動が発生するが、その振動が壁面に伝播すると壁面自体が振動して騒音となる。
給湯装置から壁面への振動の伝播を防止するため、給湯装置を壁面に取り付ける取付構造にゴム製の防振部材を用い、給湯装置と壁面との間にこの防振部材を介在させることにより給湯装置から壁面への振動の伝播を遮断するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7を参照して、この防振部材UR,LRはほぼ円柱形状をしており、壁面W側に固定した固定金具U1,L1の水平部分と給湯装置1の背面に固定した器具側金具U2,L2の水平部分とで防振部材UR,LRを上下方向から挟んで、防振部材UR,LRを軸線方向に沿って上方から圧縮する構造を採用している。なお、固定金具U1,L1および器具側金具U2,L2は共に給湯装置1の上部と下部との各々に配置されており、上部および下部の取付構造U,Lにそれぞれ防振部材UR,LRを用いている。
さらに具体的には、固定金具U1,L1の水平部分の上面と器具側金具U2,L2の水平部分の下面とで防振部材UR,LRを挟んだ状態であらかじめ組み立てられており、その状態で固定金具U1,L1を壁面Wに固定すると給湯装置1の重量によって器具側金具U2,L2の水平部分が防振部材UR,LRを上方から圧縮し、固定金具U1,L1の水平部分が防振部材UR,LRを介して給湯装置1の荷重を受けることになる。
特開2006−292331号公報(段落0042、図2)
上記従来の取付構造では、給湯装置1の重心Bは上下の取付構造U,Lよりも前方に位置するため、下部の器具側金具L2が後方に移動し給湯装置1の姿勢が前方にお辞儀する方向に傾くことになる。重心Bは下部の取付構造Lよりも上方に位置しているので、給湯装置1が前方に傾くと、重心Bはさらに前方に移動することになり、上部の器具側金具U2はさらに大きなモーメントが作用して前方に移動することになる。このように器具側金具U2が前方に移動すると、上部の防振部材URが水平方向に変形され、上方からの圧縮力が十分に防振部材URにかからず防振効果が損なわれることになる。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、給湯装置の重心が取付構造よりも前方に偏位していても上部の防振部材の変形を防止して防振効果が損なわれることのない給湯装置の取付構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明による給湯装置の取付構造は、内部にモータなどの振動発生源を有する給湯装置を垂直な壁面に取り付ける取付構造であって、給湯装置と壁面との間に弾性体からなる防振部材を介在させ、振動発生源で発生する振動が壁面に伝播されることを防止する給湯装置の取付構造において、給湯装置の上部と下部とに各々防振部材を配設し、上部に配設される防振部材は垂直方向に圧縮されるように配設し、下部に配設される防振部材は後方に向かって水平方向に圧縮されるように配設したことを特徴とする。
給湯装置の前方への倒れは下部の防振部材が変形して下部の器具側金具が後方へ移動することを許容してしまうことにある。そこで、上記のように下部に配設される防振部材は後方に向かって水平方向に圧縮されるように配設した。このように防振部材を配設することにより、下部の器具側金具が後方に移動しようとする力を防振部材の軸線方向に沿って受けることができ、この器具側金具の後方への移動を防止することができ、上方の防振部材の変形を防止できる。その結果、給湯装置の前方への傾きが緩和される。
なお、上部の器具側金具が前方へ移動しようとする力は残存するが、上部の防振部材の圧縮方向は垂直のままでなければ給湯装置の荷重を受けることができない。
そこで、上部に配設される防振部材は、壁面に固定された固定板部の水平部と、給湯装置の背面に固定された器具側板部の一部であって給湯装置側から後方に向かって延びる水平部とで垂直方向に挟まれるように配設され、この器具側板部の水平部が前方に移動して防振部材に剪断方向の力が作用しないように、この器具側板部の水平部の前方への移動を規制するストッパを設けることが望ましい。
上記ストッパは器具側板部の規制位置を前後方向に調節する規制位置調節機構を備えてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明は、下部の防振部材の圧縮方向を水平方向にすることにより、上部の防振部材の変形を軽減させ上部の防振部材による防振効果が損なわれないようにすることができる。
本発明の一実施の形態の構成を示す図 上部および下部の取付構造を示す側面図 下部の取付構造を示す斜視図 上部の取付構造を示す斜視図 上部の取付構造の第2の実施形態を示す斜視図 上部の取付構造の第3の実施形態を示す側面図 従来の取付構造を示す図
図1を参照して、1は給湯装置であり、後方に位置する垂直な壁面Wに取り付けられている。この給湯装置1の後部には下部取付部2と上部取付部3とが設けられており、これら下部取付部2および上部取付部3によって壁面Wに取り付けられている。なお、図示しないが給湯装置1には温水を屋内の各所に送出するポンプや、ガスバーナに燃焼用の空気を送風するためのファンが内蔵されており、これらポンプやファンはモータによって駆動される。また、これらのポンプやファンは給湯装置1を構成する各種部品のうち、比較的重量が重いものであり、かつ給湯装置1内の下部に取り付けられているので、給湯装置1全体としての重心Bは図示のように給湯装置1の上下方向の中心位置よりも下部に偏位し、かつ下部取付部2および上部取付部3よりも前方に偏位している。
図2および図3を参照して、下部取付部2は給湯装置1側に固定されたL型の器具側金具21と壁面Wに固定された固定金具22と、これら器具側金具21および固定金具22との間に取り付けられた防振部材23とから構成されている。この防振部材23は中央がくびれたほぼ円柱状であってゴム製の防振部23cと、防振部23cの一端に取り付けられた板状のブラケット23a、および他端に取り付けられたボルト23bとから構成されている。ブラケット23aとボルト23bとは直接連結されておらず、両者は防振部23cを介して連結されている。そして、この防振部23cは軸線方向に圧縮された状態で最大の防振性能を発揮するように設計されている。この軸線方向とは、ブラケット23aとボルト23bとの距離が縮まる方向である。図示のように、本発明では防振部材23を、軸線方向が水平な前後方向になるように取り付けた。
上述のように、給湯装置1の重心Bは給湯装置1の下部に位置するが、さらに下部取付部2および上部取付部3よりも前方に位置する。そのため、図1および図2のように、下部取付部2と上部取付部3とで給湯装置1を取り付けると、上部取付部3を中心にして給湯装置1が後方に揺動し、前方に傾こうとする。そのため、下部取付部2においては、器具側金具21が壁面Wに近づく方向に移動しようとする。そこで、図示のように防振部材23の軸線方向が前後方向になるように取り付けると、器具側金具21が壁面Wに近づこうとする力が防振部材23の軸線方向に沿って作用し、防振部材23に対してその力が全て圧縮力として作用する。そのため、防振部材23の圧縮代をあらかじめ算出することができ、給湯装置1を取り付けた状態、すなわち下部の防振部材23が圧縮された状態で給湯装置1が傾かないようにすることができる。このように給湯装置1が傾かないと重心Bは傾きによる前方への移動がないので上部の器具側金具31を前方へと移動させる力が大きくなることがない。
なお、上述のように、振動発生源となるポンプやファンなどは給湯装置1の下部に内蔵されているので、発生した振動は上部取付部3よりも下部取付部2に強く作用する。しかし、下部取付部2の防振部材23の防振性能が十分に発揮されるので、給湯装置1側で発生した振動は防振部材23によって有効に遮断されることになる。
一方、上部取付部3は給湯装置1に固定された逆L型の器具側金具31と壁面Wに固定されたL型の固定金具32と、これら器具側金具31と固定金具32との間に挟まれた防振部材33とを備えている。上部取付部3では、防振部33cの両端にボルト33a,33bを取り付けたタイプの防振部材33を用いている。このタイプの防振部材33は両ボルト33a,33bを結ぶ線が軸線であり、本図に示すように軸線が垂直方向になるように防振部材33を取り付けた。
これは、給湯装置1の荷重が上部取付部3に作用し、荷重を全て3個の防振部材33で受けるためである。但し、上部取付部3は給湯装置1の重心から遠いため大きな力にはならないが、重心Bの位置が上部取付部3よりも前方に偏位しているため、給湯装置1が前方に倒れようとして、器具側金具31が前方に移動しようとする力が発生する。その力は防振部材33に対して剪断方向の力として作用するため、防振部材33の防振機能が損なわれる。
そこで、器具側金具31が前方へ移動しないようにストッパ機構4を設けた。このストッパ機構4は固定金具32に取り付けられ前方に向かって延びる水平な軸部41と、この軸部41の前端に形成されたネジ部41aに螺合するナット42とから構成されている。なお、給湯装置1側からの振動がこの軸部41を伝って壁面Wに伝播しないように、ゴム製の防振ブッシュ45をカラー43,44で挟んで取り付けた。
この構造により、器具側金具31が前方に移動しようとしても、軸部41に螺合したナット42がストッパとして機能し、器具側金具31が前方に移動することを防止することができる。また、器具側金具31まで伝わった振動はカラー44から防振ブッシュ45まで伝播するとそこで遮断され、カラー43には伝播しない。従って、給湯装置1側からの振動はこの防振ブッシュ45の他に、防振部材33によって遮断されて壁面Wに伝播することがない。
また、上部取付部3に関しては上述のものの他、図5に示すものでもよい。このものでは器具側金具31の両端に垂直な折曲部31aを設け、この折曲部31aにストッパ機構4を取り付けた。また、ストッパ機構4のナット42の締め具合により器具側金具31の前後方向の位置が調整できるので、器具側金具31の前後方向の位置を確認するための目盛部32aを固定金具32に設けた。なお、目盛部32aを左右両側に設けたので器具側金具31の姿勢が前後方向に対して斜めにならないように確認することができる。
ところで、上記の実施形態では、2個のカラー43,44と防振ブッシュ45とを用いたが、他の構造を採用してもよい。例えば図6に示すように、器具側金具31とナット42との間にコイルバネ46を縮設し、そのコイルバネ46によって器具側金具31を押すようにしてもよい。なお、コイルバネ46を介して伝播する振動は少なく、かつコイルバネ46を伝播する間に減衰するためコイルバネ46のみを縮設してもよいが、さらに振動の伝播を遮断するためにゴム製のワッシャ47をコイルバネ46とナット42との間に介在させてもよい。
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
1 給湯装置
2 下部取付部
3 上部取付部
4 ストッパ機構
23 防振部材
33 防振部材

Claims (3)

  1. 内部にモータなどの振動発生源を有する給湯装置を垂直な壁面に取り付ける取付構造であって、給湯装置と壁面との間に弾性体からなる防振部材を介在させ、振動発生源で発生する振動が壁面に伝播されることを防止する給湯装置の取付構造において、給湯装置の上部と下部とに各々防振部材を配設し、上部に配設される防振部材は垂直方向に圧縮されるように配設し、下部に配設される防振部材は後方に向かって水平方向に圧縮されるように配設したことを特徴とする給湯装置の取付構造。
  2. 上部に配設される防振部材は、壁面に固定された固定板部の水平部と、給湯装置の背面に固定された器具側板部の一部であって給湯装置側から後方に向かって延びる水平部とで垂直方向に挟まれるように配設され、この器具側板部の水平部が前方に移動して防振部材に剪断方向の力が作用しないように、この器具側板部の水平部の前方への移動を規制するストッパを設けたことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置の取付構造。
  3. 上記ストッパは器具側板部の規制位置を前後方向に調節する規制位置調節機構を備えたことを特徴とする請求項2に記載の給湯装置の取付機構。
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