JP5807739B2 - 筐体の取り付け構造 - Google Patents
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Description
そして、家庭用熱源機は、床に据え付けられたり、家の壁面に取り付けられたりして設置されている。例えば、家の壁面に設置する場合、壁面に家庭用熱源機の筐体と一体となった壁掛け金具を取り付けて、ボルトによって固定されている。なお、壁掛け金具は、溶接やビス締結等の剛的な手段で家庭用熱源機の筐体と一体的に取り付けられている。しかし、この取り付け方法では、稼働時において、振動源の振動が壁面に伝わり、振動により騒音が発生する。
従来技術の構成では、上辺側の取り付け金具の一部が溶接等によって直接筐体に固定されている。また、上辺側の取り付け金具の他の部分が壁面に面し、ネジ等で固定されている。そして、上辺側の取り付け金具と壁面との間に前記した防振ゴムがある。
そこで、壁に取り付けるタイプの熱源機は、一般に極力厚さが薄くなるように設計され、壁からの出っ張り量が小さくなるように配慮されている。
そのため、十分な防振効果を発揮させるためには、防振ゴムの厚さを厚くしなければならない。
しかし、その一方で、熱源機の壁からの出っ張り量を小さくするためには、防振ゴムの厚さを薄くしなければならない。
即ち、モーターとポンプが筐体の下部に設置されているレイアウトの熱源機や、モーターの回転軸が水平方向に設置されているレイアウトの熱源機では、従来技術の位置に設けられた防振ゴムでは制振効果を発揮しにくく、防振ゴムの厚さをさらに厚くしなければならない。
また、モーターやポンプは、回転軸の軸線に対して垂直方向に振動が発生する。即ち、モーターやポンプは、回転軸の軸線方向には振動が生じない。そのため、モーターの回転軸が水平方向に設置されているレイアウトの熱源機では、振動は上下方向と左右方向に発生し、壁に対して遠近方向には振動が小さい。
しかしながら、従来技術の防振構造では、筐体と壁面との間に防振ゴムが介在しているため、壁面に対して遠近方向の振動を防ぐ機能が高いが、上下方向に対する防振効果は低い。
そのため、上記したレイアウトの熱源機に従来技術の防振構造を適用する場合には、防振ゴムの厚さをさらに厚くしなければならず、壁からの出っ張り量がさらに増えてしまう不具合があった。
しかし、ポンプユニットにおいても、家庭用熱源機同様、床に据え付けられたり、壁に取り付けられたりしていた。即ち、家庭用熱源機同様の課題を有していた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、モーター及びモーターによって駆動されるポンプを有する筐体を、取り付け金具を介して垂直壁又は垂直支持部材に縦姿勢で取り付ける場合の筐体の取り付け構造であって、前記筐体は、略直方体又は立方体であって底板を有し、モーター及びポンプは筐体の中心よりも下の高さの位置にあって回転軸が水平方向に向く姿勢で設置された筐体の取り付け構造において、取り付け金具は筐体の底板側に面する底面対向部と垂直壁又は垂直支持部材側に面する被固定部材側部を有し、取り付け金具の底面対向部は軸を有する締結部材を介して筐体の底板側に固定され、筐体の底板と取り付け金具の底面対向部との間に振動伝播阻害部材が介在され、前記振動伝播阻害部材の一方の面は筐体の底板の一部又は全部と接し、前記振動伝播阻害部材の他方の面は取り付け金具の底面対向部の一部又は全部と接し、取り付け金具の被固定部材側部は直接的に垂直壁又は垂直支持部材側と接していることを特徴とする。
ここでいう「垂直支持部材」とは、筐体を取り付けた際に筐体の姿勢が天地方向に対して直交する方向となる支持部材を表し、垂直支持部材の設置方向は問わない。
また、筐体と垂直壁又は垂直支持部材との距離が振動伝播阻害部材の存在により大きくならないため、従来の防振ゴムの設置位置に比べて、垂直壁又は垂直支持部材にかかるモーメントが小さい。そのため、筐体を取り付ける垂直壁又は垂直支持部材は、表面に補強桟等を設ける必要がない。
また、かかる構成によれば、モーター及びポンプは筐体の中心よりも下の高さの位置にあって回転軸が水平方向に向く姿勢で設置されている。即ち、モーターの回転軸を基準として、回転軸の軸方向以外の方向(天地方向及び軸方向と交差する方向)に主に振動する。即ち、従来の防振ゴムの設置位置を採用すると、天地方向の振動に対してあまり防振効果が発揮されない。しかしながら、本発明の構成によると、筐体の底板と取り付け金具の底面対向部との間に振動伝播阻害部材が介在されているので、従来の防振ゴムの設置位置に比べて、特に天地方向の振動の防振効果が高い。
請求項6に記載の発明は、前記筐体は、内側に折れ曲がった屈曲部に前記底板が載置されて組み立てられており、前記底板は、前記締結部材によって前記屈曲部に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の筐体の取り付け構造である。
また、筐体と垂直壁又は垂直支持部材との距離が振動伝播阻害部材の存在により大きくならないため、従来の防振ゴムの設置位置に比べて、垂直壁又は垂直支持部材にかかるモーメントが小さい。そのため、筐体を取り付ける垂直壁又は垂直支持部材は、表面に補強桟等を設ける必要がない。
そこで、本実施形態では、具体例として、主に商業施設等で業務用として用いられる給湯システムに本発明の取り付け構造を用いた場合について説明する。
以下、本発明の特徴たる取り付け構造に先だって、給湯システムについて説明する。
ポンプユニット用筐体106は、図1〜3のように底板部123と背面部113と天面部114と左側面部115及び右側面部116によって収納空間132が形成されており、収納空間132は前方(図1の連結架台127に対して対向方向)に延びている。そして、収納空間132内には、循環ポンプ110、予備用循環ポンプ111、膨張タンク117等が主要な構成部材が収納されている。
また、背面部113と左側面部115と右側面部116は、図3のように下端部が内側(収納空間132側)に折れ曲がっており、その折れ曲がった屈曲部133に底板部123が載置されている。底板部123には、図4のように組み立て完成時に背面部113の屈曲部133aと重なった位置に固定受け孔135が複数(本実施形態では3つ)設けられている。また、背面部113の屈曲部133aには、前記固定受け孔135に対応する位置に貫通孔136が設けられている。
一方、背面部113の上部位置には、公知の締結要素と係合可能な締結受け孔138が複数(本実施形態では3つ)設けられている。
また、循環ポンプ110と予備用循環ポンプ111のモーター及びポンプは、ポンプユニット用筐体106の中心よりも下の高さの位置にあり、回転軸が水平方向(図2の紙面に対して手前奥方向)に向く姿勢で設置されている。即ち、回転軸の軸線方向には振動が生じにくく、主に回転軸の軸方向以外の方向(天地方向及び軸方向と交差する方向)に振動する。
なお、この予備用循環ポンプ111は臨時用のポンプとして使用するだけでなく、給湯システム100の通常の動作時において、循環ポンプ110と交互に使用してもよい。即ち、本実施形態の給湯システム100では、循環ポンプ110と予備用循環ポンプ111とを交互に使用するローテーション運転が実施可能となっている。
連結架台127は、図6のように複数の架台単体120を連結(本実施形態では3台が連結)したものである。なお、ここで言う「連結」とは、複数の架台単体120を実際に連結したことと、複数の架台単体120を連結したものと実質的に同一の大きさに形成したことの両方を意味する。
また、立設部122の上端部及び中間部に位置する連結部129a、129bには、図6のように、それぞれ公知の締結要素と係合可能な締結受け孔137が複数設けられている。
当該給湯システム100に、従来の防振構造と同様の手法をもって、連結架台127と取り付け金具との間に防振ゴムを取り付けると、ポンプユニット用筐体106の前面(蓋部)が熱源用筐体105の前面(蓋部)に対して、突出するという不具合があった。即ち、統一感が得られず、意匠性が損なわれる恐れがあった。
そこで、発明者らは、熱源用筐体105及び/又はポンプユニット用筐体106と連結架台127との取り付け構造を開発した。
本実施形態の筐体の取り付け構造1は、図7のようにポンプユニット用筐体106の下部に用いられている。また、当該取り付け構造1は、図8のように振動伝播阻害部材2と、取り付け金具3と、締結部材5と、を用いて、ポンプユニット用筐体106と連結架台127を接続している。そして、当該取り付け構造1は、図9のように、ポンプユニット用筐体106を、取り付け金具3を介して連結架台127の連結部129bにポンプユニット用筐体106が縦姿勢になるように取り付けられている。
なお、ポンプユニット用筐体106の上部と連結架台127は、公知の取り付け金具(以下、上部取り付け金具30ともいう)を用いて取り付けられる。
以下、各構成部材について説明する。
振動伝播阻害部材2は、図10のように、図面の上方から順に、筐体側張出部7と、本体部6と、固定側張出部8とを有している。そして、振動伝播阻害部材2は、中央に振動伝播阻害部材2全体を上下方向に貫通した貫通孔18を有している。貫通孔18の開口形状は、円形となっている。
本体部6は、円筒状の部位であり、本体部6の内径(貫通孔18の開口径)は、後述する締結部材5の大径部27(図12参照)の外径とほぼ等しい。本体部6の高さ(上下方向の長さ)は、取り付け金具3の底面対向部10(図11参照)の厚みよりもやや大きい。
筐体側張出部7は、円筒状の部位である。そして、筐体側張出部7の外径は本体部6の外径よりも大きい。即ち、筐体側張出部7は、本体部6から外側方向に張り出している。
固定側張出部8は、円筒状の部位である。また、固定側張出部8の外径は、本体部6の外径よりも大きく、筐体側張出部7の外径よりも小さい。即ち、固定側張出部8は、本体部6から外側方向に張り出している。
底面対向部10は、図8のように略長方形状の部位であり、長手方向に等間隔に複数(本実施形態では3つ)の底面側貫通孔12を有している。底面側貫通孔12は、円形の開口を有しており、その内部に振動伝播阻害部材2の本体部6を挿入可能となっている。底面対向部10の厚みは、振動伝播阻害部材2の本体部6の高さ(筐体側張出部7と固定側張出部8間の距離)よりやや薄い。
被固定部材側部11は、図11のように略長方形状の部位であり、長手方向に等間隔に複数(本実施形態では2つ)の固定側貫通孔13を有している。本実施形態では、被固定部材側部11の両端部に固定側貫通孔13が配されており、その内側に位置調整孔20が長手方向に複数(本実施形態では4つ)配されている。位置調整孔20は、長手方向に直交する方向に長径を有した楕円形の長孔となっている。
頭部21は、図12の上方から順に頭部本体25と、フランジ部26によって形成されている。
頭部本体25は、円板状となっており、頭部本体25の天面には、ドライバー等に係合可能な締結穴が形成されている。
フランジ部26は、円板状の部位である。フランジ部26の外径は、振動伝播阻害部材2の固定側張出部8の外径にほぼ等しい。即ち、図9のように組み立てた際に、フランジ部26は、振動伝播阻害部材2の固定側張出部8(図10参照)に当接する。また、頭部本体25とフランジ部26の側面は、壁部を介して段状に連続している。即ち、フランジ部26は、頭部本体25の基端(図12の下端)から外側方向に張り出している。
軸部22に目を移すと、軸部22は、図12のように図面上方から順に大径部27と小径部28を有している。
大径部27は、円柱状の部位であり、その外径は、取り付け金具3の底面側貫通孔12の開口径とほぼ等しい。
小径部28は、円柱状の部位であり、その外径は、取り付け金具3の底面側貫通孔12の開口径よりも小さい。また、端部付近には、ネジ溝(図示しない)が設けられており、ポンプユニット用筐体106の底板部123の固定受け孔135(図3参照)と係合可能となっている。そして、大径部27と小径部28の側面は壁部を介して段状に連続している。
また、フランジ部26の外径は、大径部27の外径に比べて大きく、フランジ部26と大径部27の側面は、壁部を介して段状に連続している。
本実施形態に用いる上部取り付け金具30は、図13のように一枚の鋼板を折り曲げ加工によって形成されている。上部取り付け金具30は、筐体側固定部31と壁側固定部32とを有する。
筐体側固定部31は、図13のように略長方形状の部位であり、長手方向に複数(本実施形態では5つ)の筐体側貫通孔35を有している。筐体側貫通孔35は、円形の開口を有しており、その内部にネジ等の公知の締結要素を挿入可能となっている。
壁側固定部32は、図13のように略長方形状の部位であり、長手方向に等間隔に複数(本実施形態では4つ)の固定側貫通孔36を有している。固定側貫通孔36は、円形の開口を有しており、その内部にネジ等の公知の締結要素を挿入可能となっている。
筐体側固定部31と壁側固定部32は、壁部33を介して段状に連続している。
以上が各部材の構成の説明である。
締結部材5のフランジ部26は、振動伝播阻害部材2の固定側張出部8の下面と当接している。即ち、締結部材5と底板部123の固定受け孔135の締結力によって、振動伝播阻害部材2は押しつけられている。
また、振動伝播阻害部材2の本体部6が、取り付け金具3の底面側貫通孔12内に嵌っている。そして、振動伝播阻害部材2の筐体側張出部7と固定側張出部8によって、取り付け金具3の上下方向の動きを規制している。
そして、振動伝播阻害部材2は、ポンプユニット用筐体106の内部に配された循環ポンプ110及び予備用循環ポンプ111(図2参照)の近傍に配されている。
ここでいう「近傍」とは、振動伝播阻害部材2の底板部123との接触面から循環ポンプ110又は予備用循環ポンプ111内に配されたモーターの回転軸までの距離(天地方向の長さ)が、ポンプユニット用筐体106の上下方向(天地方向)の長さの1/3以下の位置であることをいい、ポンプユニット用筐体106の上下方向(天地方向)の長さの1/4以下の位置であることが好ましい。振動伝播阻害部材2は、底板部123を介して対向する位置に予備用循環ポンプ111のモーターが設置されていることが特に好ましい。
ポンプユニット用筐体106の上部は、直接、背面部113及び連結部129aに接触する上部取り付け金具30を使用するため、ポンプユニット用筐体106と連結架台127との接合強度が大きく、ポンプユニット用筐体106の姿勢が安定しやすい。
2 振動伝播阻害部材
3 取り付け金具
5 締結部材
10 底面対向部
11 被固定部材側部
18 貫通孔
22 軸部
30 上部取り付け金具
106 ポンプユニット用筐体
110 循環ポンプ
111 予備用循環ポンプ
123 底板部(底板)
129 連結部(垂直支持部材)
Claims (6)
- モーター及びモーターによって駆動されるポンプを有する筐体を、取り付け金具を介して垂直壁又は垂直支持部材に縦姿勢で取り付ける場合の筐体の取り付け構造であって、
前記筐体は、略直方体又は立方体であって、その底面を構成する底板を有し、モーター及びポンプは筐体の中心よりも下の高さの位置にあって回転軸が水平方向に向く姿勢で設置された筐体の取り付け構造において、
取り付け金具は筐体の底板側に面する底面対向部と垂直壁又は垂直支持部材側に面する被固定部材側部を有し、
取り付け金具の底面対向部は軸を有する締結部材を介して筐体の底板に対して固定され、
筐体の底板と取り付け金具の底面対向部との間に振動伝播阻害部材が介在され、前記振動伝播阻害部材の一方の面は筐体の底板の一部又は全部と接し、前記振動伝播阻害部材の他方の面は取り付け金具の底面対向部の一部又は全部と接し、
取り付け金具の被固定部材側部は前記振動伝播阻害部材を介さずに直接的に垂直壁又は垂直支持部材側と接していることを特徴とする筐体の取り付け構造。 - 振動伝播阻害部材は、取り付け金具内に嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載の筐体の取り付け構造。
- 筐体の上部に固定される上部取り付け金具を有し、
筐体と上部取り付け金具は、締結部材によって直接取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の筐体の取り付け構造。 - 振動伝播阻害部材は、貫通孔を有しており、
前記貫通孔内に締結部材を挿入可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の筐体の取り付け構造。 - 振動伝播阻害部材は、モーター及びポンプの近傍に配されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の筐体の取り付け構造。
- 前記筐体は、内側に折れ曲がった屈曲部に前記底板が載置されて組み立てられており、
前記底板は、前記締結部材によって前記屈曲部に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の筐体の取り付け構造。
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