JP2013029732A - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色ずれ補正制御に要する時間をより短縮することを目的とする。
【解決手段】 感光体上に形成された色ずれ補正用の静電潜像がプロセス手段に対向する位置を通過するときの、プロセス手段の電源部の動作に応じた出力を検出し、その時の検出値と、静電潜像を検出したときの感光体の回転位相に対して予め記憶された基準値と、を比較し、該比較に基づき色ずれ補正制御を行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置に関し、特に静電潜像を形成可能なカラー画像形成装置に関する。
電子写真方式のカラー画像形成装置では、高速に印刷するために、各色の画像形成部を独立して有した所謂タンデム方式が知られている。このタンデム方式のカラー画像形成装置では、各色の画像形成部から順次中間転写ベルトに画像を転写し、更に中間転写ベルトから記録媒体に一括して画像を転写する構成がとられている。
この様なカラー画像形成装置では、各色の画像を重ね合わせたときに色ずれ(位置ずれ)を生じてしまう。特に、レーザスキャナ(光学走査装置)と感光ドラムを各色の画像形成部に独立して有する構成では、この問題が顕著である。即ち、レーザスキャナと感光ドラムとの位置関係が各色毎に異なっていたり、光学特性、露光及び転写における速度差等の各種要因により、各色間の位置の同期を取れず、色ずれを生じてしまう。
そして、これらの色ずれを補正するために、上記のようなカラー画像形成装置では、色ずれ補正制御が行なわれている。特許文献1では、感光ドラムから像担持体上(中間点転写ベルト等)に各色の検出用トナー像を転写し、検出用トナー像の走査方向および搬送方向の相対位置を、光学センサを用いて検出し、これにより色ずれ補正制御を行っている。
特開平7−234612号公報
しかしながら、従来から知られている色ずれ補正制御における検出用トナー像の光学センサによる検出には、以下の課題があった。即ち、色ずれ補正制御の実施に時間を要する場合には、所謂ダウンタイムが発生し、これはユーザにストレスを与えることになる。即ち、色ずれ補正制御に要する時間をなるべく短縮することが望まれる。
本発明は、このような課題、及び他の課題のうち、少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、本発明は、色ずれ補正制御に要する時間をなるべく短縮することを目的とする。尚、他の課題については明細書の全体を通して理解できよう。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
(1)回転駆動される感光体と、前記感光体の周囲に近接して配置され前記感光体に作用するプロセス手段と、光照射を行い前記感光体上に静電潜像を形成する光照射手段と、を含む画像形成部を各色に対応して備え、前記画像形成部を動作させることでベルト上にトナー像を形成するカラー画像形成装置であって、各色に対応した前記光照射手段を制御し、色ずれ補正用の静電潜像を各色の感光体上に形成する形成手段と、各色に対応した前記プロセス手段の電源手段と、前記各色の感光体上に形成された色ずれ補正用の静電潜像が前記プロセス手段に対向する位置を通過するときの前記電源手段の出力を各色について検出する検出手段と、前記感光体における複数の回転位相の夫々に対応させて基準値を保持する保持手段と、前記感光体の回転位相を検知する位相検知手段と、前記検出手段により検出した前記色ずれ補正用の静電潜像による前記電源手段の出力と、前記検出手段により検出した前記色ずれ補正用の静電潜像を形成したときの前記感光体の位相である形成時回転位相に対して前記保持手段に保持される基準値と、に基づき、基準状態へ色ずれ状態を戻すように色ずれ補正制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
本発明によれば、色ずれ補正制御に要する時間をより短縮することが可能となる。
タンデム方式(4ドラム系)のカラー画像形成装置の構成図 (a)複数の高圧電源を備えた高圧電源装置の構成図、(b)帯電高圧電源回路図、エンジン制御部のハードウェアブロック図、(c)エンジン制御部に係る機能ブロック図 基準値取得処理を示すフローチャート (a)中間転写ベルト上に形成された色ずれ検出用マーク(色ずれ補正用)の形成様子の一例を示す図、(b)色ずれ検出用(色ずれ補正用)の静電潜像が感光ドラム上(感光体上)に形成された様子を示す図 (a)感光ドラムの表面電位情報検出結果の一例を示す図、(b)静電潜像上にトナーが付着していない場合の感光ドラムの表面電位を示す模式図、(c)静電潜像上にトナーが付着している場合の感光体ドラムの表面電位を示す模式図 (a)ホームポジション検出信号とレーザ信号と静電潜像の検出信号の信号出力のタイミングチャート、(b)各位相毎に対応させて基準値を保持したテーブル 色ずれ補正制御のフローチャート レーザ照射位置の補正様子を説明する為の図 共通の電流計を備えた帯電高圧電源回路図 別の基準値取得処理を示すフローチャート 別の色ずれ補正制御のフローチャート 色ずれ補正制御のフローチャート 各位相毎に対応させて基準値を保持した別のテーブル 一次転写高圧電源回路図、及び現像高圧電源回路図
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1はタンデム方式(4ドラム系)のカラー画像形成装置10の構成図である。まず、ピックアップローラ13によって繰り出された記録媒体12は、レジストセンサ111によって先端位置が検出された後、搬送ローラ対14,15に先端が少し通過した位置で搬送を一旦停止される。一方、スキャナユニット20a〜20dは、反射ミラーやレーザダイオード(発光素子)を含み、回転駆動される感光体としての感光ドラム22a〜22dに対し、順次レーザ光21a〜21dを照射する。この時、感光ドラム22a〜22dは、帯電ローラ23a〜23dによって予め帯電されている。各帯電ローラからは例えば−1200Vの電圧が出力されており、感光ドラム表面は例えば−700Vで帯電されている。この帯電電位においてレーザ光21a〜21dの照射によって静電潜像を形成すると、静電潜像が形成された箇所の電位は例えば−100Vとなる。現像器25a〜25d(現像スリーブ24a〜24d)は例えば−350Vの電圧を出力し、感光ドラム22a〜22dの静電潜像にトナーを供給し、感光ドラム上(感光体上)にトナー像を形成する。1次転写ローラ26a〜26dは、例えば+1000Vの正電圧を出力し、感光ドラム22a〜22dのトナー像を、中間転写ベルト30(無端状ベルト)に転写する。
尚、スキャナユニット及び感光ドラムを含む、帯電ローラ、現像器及び1次転写ローラ等のトナー像を形成するのに直接的に係る部材群のことを画像形成部と称する。また、場合によってはスキャナユニット20を含めずに画像形成部と称しても良い。また、感光ドラムの周囲に近接して配置され、感光ドラムに作用する各部材(帯電ローラ、現像器及び1次転写ローラ)のことを、プロセス手段と称する。プロセス手段には、複数種類の部材を相当させることができる。
中間転写ベルト30は、ローラ31、32、33によって周回駆動され、トナー像を2次転写ローラ27の位置へ搬送する。この時、記録媒体12は、2次転写ローラ27の2次転写位置において、搬送されたトナー像とタイミングが合うよう搬送が再開される。そして、2次転写ローラ27によって中間転写ベルト30から記録材上(記録媒体12上)にトナー像が転写される。
その後、定着ローラ対16,17によって記録媒体12のトナー像を加熱定着した後、記録媒体12を機外へ出力する。ここで、2次転写ローラ27によって、中間転写ベルト30から記録媒体12へ転写されなかったトナーは、クリーニングブレード35によって廃トナー容器36に回収される。また、トナー像検出を行う色ずれ検出センサ40の動作については後述する。ここで、各符号の英文字aはイエロー、bはマゼンタ、cはシアン、dはブラックの構成およびユニットを示す。
尚、図1においては、スキャナユニットにより光照射を行う系を説明した。しかし、それに限定されることはなく、色ずれ(位置ずれ)が生じてしまうという意味では、例えば、光照射手段としてLEDアレイを備えた画像形成装置を以下の各実施例に適用することもできる。以下の説明においては、一例として、光照射手段としてスキャナユニットを備えた場合を説明していくこととする。また、上の説明においては、中間転写ベルト30を有する画像形成装置について述べたが、その他の方式の画像形成装置にも転用できる。例えば、記録材搬送ベルトを備え、各感光ドラム22に現像されたトナー像を記録材搬送ベルト(無端状ベルト)により搬送されてくる転写材(記録材)に直接転写する方式を採用した画像形成装置にも転用できる。
[高圧電源装置の構成図]
次に、図2(a)を用いて図1の画像形成装置における高圧電源装置の構成を説明する。図2(a)に示す高圧電源回路装置は、帯電高圧電源回路43a〜43d、現像高圧電源回路44a〜44d、1次転写高圧電源回路46a〜46d、2次転写高圧電源回路48を備えている。
帯電高圧電源回路43a〜43dは、帯電ローラ23a〜23dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dの表面にバックグラウンド電位を形成し、レーザ光の照射によって静電潜像を形成可能な状態にする。ここで、帯電高圧電源回路43a〜43dの夫々は、電流検出回路50a〜50d備えている。
現像高圧電源回路44a〜44dは、現像スリーブ24a〜24dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dの静電潜像にトナーを載せ、トナー像を形成する。1次転写高圧電源回路46a〜46dは、1次転写ローラ26a〜26dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dのトナー像を中間転写ベルト30に転写する。2次転写高圧電源回路48は、2次転写ローラ27に電圧を印加することで、中間転写ベルト30のトナー像を記録媒体12へ転写する。
[高圧電源の回路図]
図2(b)を用いて、図2(a)の高圧電源装置における帯電高圧電源回路43の回路構成を説明する。図2(b)で、変圧器62は、駆動回路61によって生成される交流信号の電圧を数十倍の振幅に昇圧する。ダイオード1601、1602及びコンデンサ63、66によって構成される整流回路51は、昇圧された交流信号を整流・平滑する。そして整流・平滑化された電圧信号は、出力端子53に直流電圧として出力される。比較器60は、検出抵抗67、68によって分圧された出力端子53の電圧と、制御部54(以下単に制御部54と称する)によって設定された電圧設定値55とが等しくなるよう、駆動回路61の出力電圧を制御する。そして、出力端子53の電圧に従い、及び感光ドラム22及び帯電ローラ23及びグランドを経由して電流が流れる。
ここで、電流検出回路50は、変圧器62の2次側回路500と接地点57との間に挿入されている。さらにオペアンプ70の入力端子はインピーダンスが高く、電流が殆ど流れないので、接地点57から変圧器62の2次側回路500を経て出力端子53へ流れる直流電流は、ほぼ全て抵抗71に流れるよう構成されている。また、オペアンプ70の反転入力端子は、抵抗71を介して出力端子と接続されている(負帰還されている)ので、非反転入力端子に接続されている基準電圧73に仮想接地される。従って、オペアンプ70の出力端子には、出力端子53に流れる電流量に比例した検出電圧56が現れる。言い換えれば、出力端子53に流れる電流が変化すると、オペアンプ70の反転入力端子ではなく、オペアンプ70の出力端子の検出電圧56が変化する形で、抵抗71を介して流れる電流が変化することとなる。尚、コンデンサ72は、オペアンプ70の反転入力端子を安定させるためのものである。
また検出電流量を示す検出電圧56は、コンパレータ74の負極の入力端子(反転入力端子)に入力されている。コンパレータ74の正極入力端子には閾値であるVref75が入力されており、反転入力端子の入力電圧が閾値を下回った場合に出力がHi(正)になり、二値化電圧値561(Hiになった電圧)が制御部54に入力される。閾値Vref75は、色ずれ補正用の静電潜像がプロセス手段に対向する位置を通過するときの検出電圧561の極小値と、通過する前の検出電圧561の値と、の間の値に設定され、一度の静電潜像の検出で、検出電圧561の立上がりと立下がりとが検出される。制御部54は例えば検出電圧561の立上がり検出タイミングと立下がり検出タイミングとの中点を検出位置とする。また制御部54が検出電圧561の立上がり及び立下がりの何れか一方のみを検出しても良い。
[エンジン制御部54のハードウェアブロック図]
制御部54の説明を行う。制御部54は、図1で説明した画像形成装置の動作を統括的に制御する。CPU321は、RAM323を主メモリ、ワークエリアとして利用し、EEPROM324に格納される各種制御プログラムに従い、上に説明したエンジン機構部を制御する。また、ASIC322は、CPU321の指示のもと、各種プリントシーケンスにおいて、例えば各モータの制御、現像バイアスの高圧電源制御等を行う。尚、CPU321の機能の一部或いは全てをASIC322に行わせても良く、また、逆にASIC322の機能の一部或いは全てをCPU321に代わりに行わせても良い。また制御部54の機能の一部を他の制御部54相当のハードウェアに担わせても良い。
[機能ブロック図]
次に、エンジン制御部54に係る機能ブロック図について図2(c)のブロック図を用いて説明する。アクチュエータ326、センサ325はハードウェアを示している。またパッチ形成部327、プロセス手段制御部328及び色ずれ補正制御部329の夫々は機能ブロックを示す。以下、夫々について具体的に説明する。
アクチュエータ326は、ドラムの駆動モータや現像器の離間モータなどのアクチュエータ類を総称して表すものである。センサ325は、レジストセンサ111や電流検知回路50などのセンサ類を総称して表すものである。制御部54は各種センサ325から取得した情報に基づいて、各種処理を行う。アクチュエータ326は、例えば、後述する現像スリーブ24a〜24dを感光ドラムから離隔させる為のカムを駆動する駆動源として機能する。
また、パッチ形成部327は、スキャナユニット20a〜20dを制御することで、後述する潜像マークを各ドラム22a〜22dに形成する。プロセス手段制御部328は、後述の図3等のフローチャートで説明するように、静電潜像検出時における各プロセス手段の動作・設定を制御する。色ずれ補正制御部329は、検出電圧561で検知されるタイミングから、後述される計算方法で色ずれ補正量の算出および色ずれ補正量の反映を行う。
尚、ここで説明した機能を実現するうえで、ハードウェアがどのような形態かは限定されるものではなく、CPU321や、ASIC322や、その他のハードウェアなど、どれを動作させても良く、また任意の分配で各ハードウェアに処理を分担させても良い。
[色ずれ補正制御の説明]
以下、本実施例における色ずれ補正制御について詳述する。まず、上述にて説明した画像形成装置により、中間転写ベルト30上にトナー像による色ずれ補正用のマークを形成し、色ずれ量を少なくとも小さくする。そして、色ずれ状態を少なくとも小さくしたうえで、静電潜像80が帯電ローラ23a〜23dの位置に到達する時間を、帯電電流の変化を検出することで測定し、該測定結果に基づき色ずれ補正制御の基準値を設定する。この際、静電潜像80が帯電ローラ23a〜23dの位置に到達する基準値としての時間は、感光体の複数の位相毎に管理されている。
そして、連続印刷などで装置内温度が変化した際等に行う色ずれ補正制御においては、その都度の状況に応じた感光ドラムの回転位相に着目し、再度、帯電電流の変化を検出し、静電潜像80が帯電ローラ23a〜23dの位置に到達する時間を測定する。ここで測定された到達時間の変化は、そのまま色ずれ量を反映したものである。従って、印刷時にはこれを打ち消すようスキャナユニット20aがレーザ光21aを照射するタイミングを調整し、色ずれを補正する。尚、色ずれに補正に関する画像形成条件の制御については、光照射タイミングの制御に限定されるものではない。例えば感光ドラムの速度制御や、或いはスキャナユニット20a〜20dの各々に含まれる反射ミラーのメカ的な位置調整でも良い。以下、詳細に説明を行う。
[基準値取得処理のフローチャート]
まず、図3(a)(b)を併用し、本実施例における色ずれ補正制御における基準値取得処理を示すフローチャートを説明する。尚、図3(a)はイエローについての処理を示すものであるが、ステップS301を除いては、他の色についても同様の処理が行われているものとする。
まず、ステップS301にて、制御部54は、画像形成部により中間転写ベルト30上に色ずれ補正用のトナーマークを形成させる。この色ずれ補正用のトナーマークは、色ずれ補正に用いられるトナー像なので、色ずれ補正用トナーマークと称する。ここで、色ずれ補正用のトナーマークの形成様子を図4に示す。
図4(a)において、400と401は用紙搬送方向(副走査方向)の色ずれ量を検出する為のトナーマーク(パターンとも称する)を示す。また402と403は用紙搬送方向と直交する主走査方向の色ずれ量を検出する為のトナーマークを示し、この例では45度傾いている。また、tsf1〜4、tmf1〜4、tsr1〜4、tmr1〜4、は各パターンの検出タイミングを、矢印は中間転写ベルト30の移動方向を示す。尚、色ずれ補正用のトナー像の検出においては、既に周知である、トナー像に光を照射したときの反射光を受光し該受光光量に応じた電圧を検出する光学センサを適用することができる。
まず、副走査方向に関して、中間転写ベルト30の移動速度をvmm/s、Yを基準色とし、用紙搬送方向用パターン(400、401)の各色とYパターン間の理論距離をdsM、dsC、dsBkとする。例えば、Yを基準色としたときのMの色の色ずれ量δesMは、次の式1のようになる。また、δesC、δesBkも同様でありその詳しい説明を省略する。尚、ここでdsMは、YパターンとMパターンとの理想的な間隔距離を示すものである。
δesM=v×{(tsf2−tsf1)+(tsr2−tsr1)}/2−dsM・・・式1
また、主走査方向に関して、左右各々の各色の位置ずれ量をδemf、δemrとし、例えば、δemfに関しての、Yを基準色としたときのMの色の色ずれ量δemfMは、以下の式2で表される。また、δemfC、δemfBk、δemrM、δemrC、δemrBkも同様でありその詳しい説明を省略する。
δemfM=v×(tmf2−tsf2)−v×(tmf1−tsf1)・・・式2
そして、計算結果の正負からずれ方向が判断でき、δemfから書き出し位置を、δemr−δemfから主走査幅(主走査倍率)を補正する。尚、主走査幅(主走査倍率)に誤差がある場合は、書き出し位置はδemfのみでなく、主走査幅補正に伴い変化した画像周波数(画像クロック)の変化量を加味して算出する。
そして、演算された色ずれ量を解消するように、制御部54は、画像形成条件としてのスキャナユニット20aによるレーザ光の出射タイミングを変更する。例えば、副走査方向の色ずれ量が−4ライン分の量であれば、制御部54は、ビデオコントローラ200に、レーザ光の出射タイミングを+4ライン分早めるよう指示する。
このように、ステップS301の処理により、後続の色ずれ補正用の静電潜像による制御において、色ずれ量を少なくとも小さくした状態を基本にできる。
図3(a)のフローチャートの説明に戻る。ステップS302で、制御部54は、基準位置(基準位相)として、感光ドラム22aの所謂ホームポジションHpを検知する。感光ドラムの回転軸に感光ドラム駆動ギアが設けられているような場合は、実質的に、各感光ドラムの駆動ギアの基準位置(基準位相)を検知する。
次に、ステップS303で、制御部54は、タイマーをスタートさせる。尚、このステップS303の処理は、先のステップS302の処理と略同時に実行される。
次に、制御部54は、ステップS304乃至307で、i=1〜6のループ処理を行う。そして、ループ処理におけるステップS305において、制御部54は、レーザ信号を順次出力する。スキャナユニット20aは、出力された静電潜像の信号に応じた光照射を行う。ステップS306で、制御部54は、一定時間の待機処理を行う。ここでは、感光ドラムが60°回転するのに要する時間だけの待機が行われる。このステップS304乃至307のループ処理により、ホームポジションを基準にφ〜φの位相で、静電潜像80が形成される。尚、待機時間に相当する感光ドラムの回転角度は、静電潜像をいくつ形成するかで決まるものであり、ここで説明する60°に限定されるものではない。
また、感光ドラム上に形成された静電潜像が各プロセス手段の直下を通過するまでには、静電潜像の検出が行われる各帯電ローラ23aよりも上流側に配置される現像スリーブ24a、1次転写ローラ26aは感光ドラム22aから離隔している。或いは印加電圧がオフ(ゼロ)に設定され通常のトナー画像形成時よりも感光ドラムへの作用が少なくとも小さくなるよう動作している。また、現像バイアス高圧電源回路(現像高圧電源回路44a〜44d)については、通常とは逆極性のバイアス電圧を印加することで、トナーを付着させないようにしても良い。また、現像スリーブ24a〜24dに対し、感光ドラムと現像スリーブとを非接触状態にし、直流バイアスに交流バイアスを重畳させて電圧印加を行うジャンピング現像方式を採用するときには、電圧印加をオフするのみで良い。そして、これらの離隔或いは印加電圧オフの対応は図3のフローチャートが終了するまで継続される。また、後述の図7についても同様である。
[潜像マークの形成様子]
図4(b)は、イエローの感光ドラム22aを用いて、静電潜像(位置ずれ補正用静電潜像とも称することができる)が感光ドラム上に形成された様子を示す図である。図中では静電潜像80が形成された様子が示されている。静電潜像80は、走査方向の画像領域幅において最大限幅広く描かれ、搬送方向に30ライン程度の幅を持つものである。尚、主走査方向の幅については、良好な検出結果を得る意味で、最大幅の半分以上の幅で形成するようにすることが望ましい。また、画像領域(紙への印刷画像領域)の外側の用紙領域を更に超えた幅の領域で、且つ静電潜像を形成可能な領域にまで静電潜像80の幅を広げるとなお好適である。
次に、図3(b)のフローチャートの説明を行う。尚、図3(b)においてもイエローについての処理を示すものであるが、他の色についても同様の処理が行われているものとする。制御部54は、ステップS311〜S314で、i=1〜6のループ処理を行う。制御部54は、ステップS312において、図3(a)のフローチャートにて形成された6個の静電潜像について、基準タイミングからのエッジの検出タイミングTy(i)(i=1〜6)を検出する。尚、制御部54は、二値化電圧値561の出力が変化したことをもってエッジ検出とする。ステップS313においては、検出されたタイマー値Ty(i)をRAM323に一時記憶する。
[ドラム表面電位変化の説明]
図5(a)は、静電潜像80が、プロセス手段としての帯電ローラ23aに到達した時の、電流検出回路50aからの、感光体(感光ドラム22a)の表面電位に係る出力値を示したものである。図5(a)において縦軸は検出した電流変化を示す電圧を、横軸は時間を示したものである。図5(a)の波形においては、静電潜像80が帯電ローラ23aに到達したことで、極小となり、その後復帰してゆく特性を示している。
ここで、検出される電圧値が減少する理由について説明する。図5(b)は、静電潜像上にトナー付着が有る場合と無い場合とにおける、感光ドラム22aの表面電位を示す模式図である。横軸は感光ドラム22aの搬送方向の表面位置を示し、領域93は静電潜像80が形成された位置を示している。また縦軸は電位を示し、感光ドラム22aの暗電位をVD(例えば−700V)、明電位をVL(例えば−100V)、帯電ローラ23aの帯電バイアス電位をVC(例えば−1000V)として記載した。
静電潜像80の領域93では、帯電ローラ23aと感光ドラム22aとの電位差96が、それ以外の領域における電位差95と比べ大きくなる。このため、静電潜像80が帯電ローラ23aに到達すると、帯電ローラ23aに流れる電流値は増加する。そして、この電流増加に伴い、オペアンプ70の出力端子の電圧値が下がる。以上が、検出される電圧値が減少する理由である。このように検出される電流値は感光ドラム22aの表面電位を反映したものとなっている。また、図5では、感光ドラム表面電位と帯電ローラ23aの出力電圧と、の差分を例に説明を行ったが、電流量変化については、同様のことが、感光ドラム表面電位と転写電圧又は現像電圧の間でもいえる。
尚、以上の説明では、図3のフローチャートによる色ずれ検出時に、現像スリーブ24aを感光ドラム22aから離し、静電潜像80にトナーを載せずに検出する構成を説明した。しかしこれに限定されるものでは無い。トナーを載せた状態でも色ずれを検出可能である。図5(c)は、静電潜像80にトナーを載せた時の、感光ドラム22aと帯電ローラ23aの電位差を示した模式図である。図5(b)と同じ要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。静電潜像80にトナーを載せた場合、静電潜像80の領域93では、帯電ローラ23aと感光ドラム22aとの電位差97が、トナーを載せなかった時の電位差96と比べ小さい。従って、それ以外の領域における電位差95と電位差97との差が小さくなる。しかし変化を十分に検出可能である。ここで、色ずれ検出後に感光ドラム22や中間転写ベルト30上のトナーを清掃する必要が生じてしまうが、濃度が濃くなければ、簡易なクリーニングでよく、実質問題は無い。少なくとも中間転写ベルト30等に100%濃度の色ずれ補正における検出用トナー像を転写し、それをクリーニングする場合と比べれば短い時間でクリーニングを行える。
図3(b)のフローチャートの説明に戻ると、制御部54は、ステップS315で、ステップS313で記憶されたTy1〜Ty6を、φ〜φに対応させてEEPROM324に記憶する。ここでの記憶情報が、色ずれ補正制御を行う場合に目標となる基準状態を示すものとなる。制御部54は、色ずれ補正制御の際には、この基準状態からのずれを解消するように、言い換えれば基準状態に戻すように制御を行う。尚、φ〜φについて、静電潜像80を形成したときの感光ドラムの回転位相という意味で、形成時回転位相など称することができる。
図6(a)は、ホームポジションの検出と、レーザ信号の出力と、静電潜像の検出信号の出力と、の関係を示すタイミングチャートである。図中では、まずホームポジションの検出信号が、感光ドラム1回転毎に出力されている様子が示されている。図中、Tdは、感光ドラムが1周に要する時間を意味する。そして、ホームポジションが検知されることに応じて、φ〜φに対応して、レーザ信号が順次出力されている。図中では、φ〜φの間隔は、感光ドラムの周期Tdを6等分した値になっている。そして、時間T1〜T6後の夫々において、φ〜φに対応して形成された静電潜像の検出を示す信号が出力されている。ここでT1〜T6の長さは、少なくとも概ねレーザの露光位置が、帯電ローラ対向位置に到達するまでの時間に等しい。そして、副走査方向の色ずれ発生状況に応じて、随時、T1〜T6の値は変わってくる。
図6(b)は、夫々の色のφ〜φに対応して得られたT1〜T6が、テーブルに保持されている様子を示している。これら合計24個の値は、上で説明した図3のフローチャートが各色に対応して実行されることで生成及び更新される。尚、図6(b)に示されるテーブルでは、φ〜φの6通りの位相角と、各位相角に対応した測定値とが示されるのみであるが、より細かい値をテーブルに保持するようにしても良い。例えばφ〜φとT1〜T6との対応から制御部54により近似関数を演算し、全ての位相角に対する測定値を予測演算し、テーブルに保持しても良い。こうすることで、後述の図7のフローチャートのS702の処理などを行う必要はなくなる。
[色ずれ補正制御のフローチャート]
次に、図7(a)に色ずれ補正制御のフローチャートを示す。このフローチャートは、例えば、連続印刷やその他の要因で装置内温度が変化した際や、一定枚数印字が行われた際や、一定時間経過後など、予め設定された所定条件が成立したと制御部54により判断された場合に実行される。尚、図7(a)はイエローについての処理を示すものであるが、他の色についても同様の処理が行われているものとする。
まず、ステップS701で、制御部54は、現在の感光ドラムの回転位相φynを検知し特定する。例えば、以前に感光ドラムホームポジションを検知した際からの、感光ドラムの総回転量から現在の感光ドラムの位相検知が行われる。
そして、制御部54は、ステップS702で、S701で特定された回転位相φynに基づき、φ<φyn<φi+1となるiを求める。ここでiは1乃至6の範囲の値を取り、φ〜φは、図6(b)に示されたφ〜φに対応する。
そして、ステップS703において、制御部54は、ステップS702で特定されたiに基づき、図6(b)のテーブルを参照し、ステップS704で、対応するTy値を取得する。図7(b)の灰色マーカー部分は、φi+1にφが対応し、制御部54によりφに対応したTy3が取得されている様子を示している。
そして、ステップS705で、制御部54は、感光ドラムの回転位相がφi+1になったことに応じてタイマーをスタートさせ、略同時にステップS706にて、レーザ信号を出力し、スキャナユニット20aを発光させ、感光ドラム上に静電潜像80を形成する。
その後、制御部54は、ステップS707で、ステップS706に対応して形成された静電潜像80の立上がりエッジを検出したか否かを判定し、検出したと判定した場合、そのときのタイマー値Tdを保持し、処理をステップS708へ処理を移行させる。
ステップS708で、制御部54は、(Td−Tyi+1)を演算する。そして、差分が0以上、即ち静電潜像80が検出されるまでのタイミングが基準よりも遅れている場合、制御部54は、イエロー色のレーザビーム発光タイミングを、差分値に応じただけ早める。他方、差分が0未満、即ち静電潜像80が検出されるまでのタイミングが基準よりも早い場合に、制御部54は、イエロー色のレーザビーム発光タイミングを、差分値に応じただけ遅める。これによりイエローの現在の色ずれ状態を、基準とした色ずれ状態(基準状態)に戻すことができる。
図8は、ステップS709で、レーザ照射位置(タイミング)を補正し、正しいレーザ照射位置に補正する様子を示した模式的である。基準となるホームポジションHpに対する位相φに対して、Tnが理想的な基準値を示す。そして、Tn’’(Td)は、その後、昇温により、感光ドラム22aに対してレーザ照射光21aが、レーザ照射光21a’の露光走査位置にズレた状態になった場合における実測値に相当する。Tn’=Tnであり、図中のΔtは、基準値Tnと実測値との差分を示している。
尚、図7のフローチャートは、イエロー以外の他の色についても同様に実行され、制御部54は、マゼンタ、シアン及びブラックについても、画像形成条件としてのレーザビーム発光タイミングを補正する。このようにして、図7のフローチャートにより、現在の色ずれ状態を、基準とした色ずれ状態(基準状態)に戻すことができる。
以上説明してきたように、上記実施によれば、色ずれ補正制御に要する時間をより短縮することが可能となる。また、トナーを節約した状態で、且つ感光ドラム1周未満程度の短時間で、記録媒体搬送方向(副走査方向)の色ずれを補正することができる。即ち、従来の検出用トナー像の光学センサによる検出における課題を解消し、画像形成装置にユーザビリティーを持たせることができる。また、上記実施によれば、作像ジョブを停止して、新たな色ずれ補正シーケンスを実施しなくても、例えば、作像の画像間隔の中で色ズレ補正制御が可能となる。具体的な例を示せば、感光ドラム直径が24mm、作像プロセス速度を200mm/sとした場合、感光ドラム1周に要する時間が約377msである。この時間の中で進行する装置内でのベルト移動距離が約74mmとなる。このように、上記実施によれば、作像の画像間隔において逐次補正制御を実行することにより、ダウンタイムを極力抑えたうえで、大きな色ズレを発生させることなく、安定した画像品位を維持することができる。
上述の帯電高圧電源回路では、帯電ローラの夫々に対して、個々に電流検出回路43が設けられていた。しかし、この形態には限定されない。各色の帯電ローラ23a〜23dに対して共通した電流検出回路を用いて静電潜像80の検出を行っても良い。しても良い。以下、それについて詳しく説明する。
[共通の電流計を備えた帯電高圧電源の回路図]
図9に、帯電高圧電源回路143a〜143d及び電流検出回路150の回路構成を示す。尚、図2(b)と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。図9においては、比較器60a〜60dに対して入力される設定値55a〜55dに基づいて、駆動回路61a〜61dは動作し、出力53a〜53dに所望の電圧を出力する。また、感光ドラム22a〜22d、帯電ローラ23a〜23d及び接地点57を経由し、電流が電流検出回路150を流れる点も図2(b)と同様である。そして、検出電圧56には、出力端子53a〜53dの電流を重畳した値に応じた電圧が現れる。
また図9においても、図2(b)と同様に、オペアンプ70の反転入力端子は、基準電圧73に仮想接地され一定電圧となっている。従って、他の色の帯電高圧電源回路の動作によって70の反転入力端子の電圧が変動してしまい、それが別の色の帯電高圧電源回路の動作に影響することは略ない。言い換えれば、複数の帯電高圧電源回路143a〜143dは互いに影響されず、図2の帯電高圧電源回路43と同様の動作をする。
<図3、7の変形フローチャート>
図10及び図11のフローチャートを用いて、図9で説明した電流検出回路を用いた色ずれ補正制御における基準値取得処理を示すフローチャートについて説明する。尚、図3、及び図7との差異を中心に説明を行っていく。
まず、ステップS1001では、図3のステップS301と同様の処理が行われる。次に、ステップS1002で、制御部54は、感光ドラム22a〜22dの回転速度(周面速度)に変動がある場合の影響を抑制すべく、感光ドラム22a〜22d間の回転位相関係(回転位置関係)を所定の状態に合わせる。具体的には、制御部54の制御のもと、基準色の感光ドラムの位相に対して、他の色の感光ドラムの位相を調整する。また、感光ドラムの回転軸に感光ドラム駆動ギアが設けられているような場合は、実質的には各感光ドラムの駆動ギアの位相関係を調整する。そして、ステップS1003では、ステップS302と同様に感光ドラム22aの所謂ホームポジションHpの検知を行う。
次に、図10のステップS1005〜S1008で、制御部54は、i=1〜24のループ処理を行う。また制御部54は、ステップS1006でi番目の静電潜像を形成する毎に、感光体の回転角15°分の待機を行う。より具体的には、制御部54は、まずi=1〜4においてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、レーザ信号を出力し、これを6回繰り返し、i=1〜24のループ処理を行う。これにより、各色において、感光ドラムの約6分の1の周期毎に色ずれ補正用の静電潜像が形成できる。
次に、図10(b)のフローチャートのステップS1011乃至S1014で、制御部54は、i=1〜24のループ処理に対応して、48個の静電潜像80のエッジを検出及び記憶する。
更に、図10(c)のフローチャートでは、制御部54はk=1〜6のループ処理を行う。制御部54は、ステップS1022で、立ち上がりエッジと立下りエッジとの差分との平均により、各色における1〜6番目の検出結果を演算する。そしてTy〜Ty、Tm〜Tm、Tc〜Tc、Tbk〜Tbkを形成時移動回転であるところのφ〜φに対応させ基準値として記憶し、テーブルとして保持する。尚、厳密には、イエローのφは0°(基準位相)に対応し、マゼンタ、シアン及びブラックの夫々に対応したφは15°、30°、45°に対応する。しかし、マゼンタ、シアン及びブラックの夫々の位相角は、イエローのφ(0°)に対応するものであり、φ〜φの位相角に、4色を代表してイエローの位相角を割り当てるようにしても良い。勿論、各色用のφ〜φに対して、測定値を対応させテーブルに保持させても良い。即ち、形成時回転位相角は、事故の静電潜像80を形成したときの位相角でも良いし、代表色の位相角としても良い。 次に、図11及び図12に実施例2における色ずれ補正制御のフローチャートを示す。まず図11の(a)のフローチャートの説明を行う。
ステップS1101で、制御部54は、図10のステップS1002と同様の処理を行う。また、制御部54は、ステップS1102乃至S1104で、図7のステップS701乃至S703と同様の処理を行う。
そして、ステップS1105において、基準値をTyi+1、Tmi+1、Tci+1、Tbki+1に設定する。そして、ステップS1105と略同時に、ステップS1106にて制御部54はタイマーをスタートさせ、ステップS1107乃至S1110のループ処理を開始する。
このループ処理においては、制御部54は、最初のイエローのレーザ信号を出力した後、ステップS1109で回転角15°分の待機を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順伝レーザ信号を順次出力する。ここで15°分待機するのは、最初のイエローを除くステップS1105で設定された各基準値が、図10のフローチャートにおいて、感光ドラムの回転角15°分の待機をもって形成された静電潜像に対応する値だからである。
一方、図11の(b)においては、ステップS1107乃至S1110のループ処理で形成された各静電潜像を検知する。尚、この図11(b)の処理は図11(a)の処理と並行して行われる。ここでは、立ち上がりと立下りとを区別して検出しているので、制御部54は、合計8個のエッジを検出する。
そして図12のステップS1201で、制御部54は、図11のステップS1107乃至S1110で検出された検知結果T1〜T8について、以下の式3〜式6の演算を行い、ステップS1202で演算結果をEEPROM324に記憶する。
dTy=(T(1)+T(2))/2 ・・・式3
dTm=(T(3)+T(4))/2 ・・・式4
dTc=(T(5)+T(6))/2 ・・・式5
dTbk=(T(7)+T(8))/2 ・・・式6
そして、ステップS1203で、制御部54は、ステップS1202で記憶したdTyと、図11のフローチャートのステップS1105で設定された基準値Tyi+1と、の差分を演算する。そして、差分が0以上、即ちイエロー色の検出タイミングが基準よりも遅れている場合に、制御部54は、イエロー色のレーザビーム発光タイミングを、差分値に応じただけ早める。他方、差分が0未満、即ちイエロー色の検出タイミングが基準よりも早い場合に、制御部54は、イエロー色のレーザビーム発光タイミングを、差分値に応じただけ遅める。これによりイエローの色ずれ量を抑制することができる。
また、ステップS1206乃至ステップS1214においても、制御部54は、イエロー色以外の色について、イエロー色と同様の処理を行う。このようにすることで、各色の帯電ローラ23a〜23dに対して共通した電流検出回路を用いつつ、実施例1と同様の効果を得ることができる。
上述の各実施例においては、基準値を各色毎に設定するよう説明を行ってきた。しかしながら、これには限定されず、例えば、基準値を基準色(例えばイエロー)に対する測定色の相対的な差分で設定しても良い。これについて以下、詳細に説明する。
実施例2における図10のフローチャートのステップS1002では、感光ドラム22a〜22d間の回転位相関係(回転位置関係)を所定の状態に合わせている。従って、基準色の測定色に対する相対的な回転位相差は一定/略一定であり、例えばイエローを基準色とした場合に、各測定色(M,C,Bk)の基準値をイエローに対する差分として設定できる。つまり、図7(b)で説明したテーブルを、マゼンタ、シアン及びブラックの、イエローの感光ドラムの回転位相φy(n=1〜6)のTy(n=1〜6)に対する差分として定義できる。図13に、この実施例3の定義により作成されたテーブルを示す。
そして、制御部54は、図11の(b)のフローチャートより得られる検出結果より、例えばマゼンタ色に対して、φyにおけるΔ(Ty−Tm)を演算し、測定色の基準色の検出値に対する差分を求める。また制御部54は、他の色についても同様に差分を求める。そして、制御部54は、各色について、求められたその大小により、測定色のレーザビーム発光タイミングを図12のフローチャートで説明したように制御する。このように実施することでも、実施例2と同様の効果を得ることができる。
上述の各実施例においては、電流検出を行うプロセス手段として帯電ローラ23a〜23dを例に説明を行ったが、電流検出を行うプロセス手段として1次転写ローラや、現像スリーブを適用することもできる。図14(a)に一次転写高圧電源回路を、また、図14(b)に現像高圧電源回路を夫々示す。ここで、図14(a)、或いは図14(b)に示される電流検出回路は、図2(a)で説明したように、各色で独立して設けても良いし、或いは図9で説明したように、複数色で共通して設けるようにしても良い。
[現像・転写高圧電源回路]
一次転写高圧電源回路を図14(a)に示す。図2(b)との差異は、ダイオード1601、1602のアノード、カソードの向きが逆であるが、その他は同様である。また出力端子53からは、例えば+1000Vの転写バイアス(転写電圧)が出力されている。この図14(a)に示される一次転写高圧電源回路を上述の帯電高圧電源回路に替えて、図3、図7の各フローチャートや、それらに関連した処理を実行すれば良い。また、図10、図11及び図12のフローチャートや、それに関連した処理を実行すれば良い。当然のことであるが、このとき、1次転写ローラ26aは感光ドラム22aに当接させる必要がある。
尚、図14(a)に示される一次転写高圧電源回路は、制御部54は、静電潜像の検出以外に、一次転写電圧に係る設定にも利用されている。具体的に、制御部54は、印刷開始直後の、トナー像が1次転写ローラ26aに到達する前のタイミングで、電流検出回路47の検出値56を、AD入力ポートで測定する。そして、制御部54は、検出値56が予め定めた値となるよう、電圧設定値55(一次転写条件)を設定する。これにより、周囲の温度や湿度などが変化してもトナー像の転写性能を一定に保つことが出来る。このように、一次転写高圧電源回路については、通常の画像形成時に利用される回路を流用することができる。
また、現像高圧電源回路を図14(b)に示す。出力端子53から、例えば―400Vの現像バイアス(現像電圧)が印加されている。図2(b)との違いは、逆現像バイアス出力回路が追加されており、静電潜像を検出するときには、CLK2の出力をオフし、CLK1の出力を有効とし、この逆現像バイアス出力回路を動作させる。また通常の画像形成時にはCLK1の出力がオフに設定され、CLK2の出力が有効に設定される。
尚、現像高圧電源回路44a〜44dを動作させる場合に、トナーが感光ドラムに付着しないように、その出力電圧をVLよりも電位を高くする必要がある。これに対応して、例えば、図14(b)の回路において、CLK2の出力をオフし、CLK1の出力を有効とし動作させ、逆極性の電圧(逆バイアス)を出力すれば良い。また逆現像バイアス出力回路が無くとも、例えば、VLが負電圧で−100Vの場合には、現像高圧電源回路44a〜44dの出力を、負電圧で絶対値がVLよりも小さな−50Vの電圧に設定すれば良い。そして、この現像高圧電源回路を、上述の帯電高圧電源回路に替えて、図3、図7の各フローチャートや、それらに関連した処理を実行すれば良い。また、図10、図11及び図12のフローチャートや、それに関連した処理を実行すれば良い。
[変形例]
上記各実施例においては、色ずれ状態の判断基準となる基準値取得処理をその都度行うよう説明した。しかしながら、機内昇温から通常機内温度に戻る場合に、概ね固定的な機械的状態に戻るのであれば、必ずしも基準値取得処理を行う必要はない。設計段階又は製造段階でわかっている予め定められた基準値(基準状態)をかわりに用いても良い。色ずれ状態を補正する際の目標となるこの予め定められた基準状態は、例えば図3のEEPROM324に記憶されており、制御部54により適宜参照される。そして、その参照により上に説明した各フローチャートが実行される。
尚、図9においては、4色の帯電高圧電源回路又は4色の帯電ローラ23a〜23dに対して1つの電流検出回路150が共通して設けられている例を説明したが、それに限定されない。例えば、ある1色の帯電高圧電源回路又は帯電ローラに対して電流検出回路を1つ設け、残りの3色の帯電高圧電源回路又は帯電ローラに対して共通の電流検出回路を設けるようにしても良い。即ち、2色以上の高圧電源回路(電源手段)又は帯電ローラに対して共通の電流検出回路を設けることができる。また、このことは帯電高圧電源回路に限定されるものではなく、現像高圧電源回路又は現像スリーブ、転写高圧電源回路又は転写ローラなどにおいても同様である。
以上のように、上記説明によれば、感光ドラムから像担持体(ベルト)に、色ずれ補正制御における検出用トナー像を転写しなくとも、色ずれ補正制御を実現でき、ユーザビリティーをできるだけ維持して持たせつつ色ずれ補正制御を行える。
一方、装置内温度の変化量から色ずれ量を予測演算する手法では、トナーを使用しなくても良いものの、精度の面で難点があった。上記説明によれば、この点も解決できる。
また、中間転写ベルト上に色ずれ補正用のトナーパターンを形成する場合と比べ、上記説明によれば、静電潜像の検出までの待ち時間を短くできる効果もある。
また、中間転写ベルト上に色ずれ補正用の静電潜像を転写する方式では、ベルトの時定数τを大きくする必要があり、画像不良を生じ易いというデメリットを持ってしまう。これに対して、上記説明によれば、ベルトの時定数τを小さくでき、画像不良を軽減できる。
20a〜20d スキャナユニット
22a〜22d 感光ドラム
24a〜24d 現像スリーブ
26a〜26d 1次転写ローラ
30 中間転写ベルト
46a〜46d 1次転写高圧電源回路
47a〜47d 電流検出回路
80 静電潜像

Claims (6)

  1. 回転駆動される感光体と、前記感光体の周囲に近接して配置され前記感光体に作用するプロセス手段と、光照射を行い前記感光体上に静電潜像を形成する光照射手段と、を含む画像形成部を各色に対応して備え、前記画像形成部を動作させることでベルト上にトナー像を形成するカラー画像形成装置であって、
    各色に対応した前記光照射手段を制御し、色ずれ補正用の静電潜像を各色の感光体上に形成する形成手段と、
    各色に対応した前記プロセス手段の電源手段と、
    前記各色の感光体上に形成された色ずれ補正用の静電潜像が前記プロセス手段に対向する位置を通過するときの前記電源手段の出力を各色について検出する検出手段と、
    前記感光体における複数の回転位相の夫々に対応させて基準値を保持する保持手段と、
    前記感光体の回転位相を検知する位相検知手段と、
    前記検出手段により検出した前記色ずれ補正用の静電潜像による前記電源手段の出力と、前記検出手段により検出した前記色ずれ補正用の静電潜像を形成したときの前記感光体の位相である形成時回転位相に対して前記保持手段に保持される基準値と、に基づき、基準状態へ色ずれ状態を戻すように色ずれ補正制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 前記電源手段は、2色以上の複数のプロセス手段に対して共通して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
  3. 前記電源手段は、各色毎に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
  4. 回転駆動される感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、光照射を行い前記感光体上に静電潜像を形成する光照射手段と、前記静電潜像にトナーを載せて前記感光体上にトナー像を形成する現像手段と、前記感光体上に付着したトナー像をベルト上に転写する転写手段と、を含む画像形成部を各色に対応して備えたカラー画像形成装置であって、
    各色に対応した前記光照射手段を制御し、色ずれ補正用の静電潜像を各色の感光体上に形成する形成手段と、
    各色の感光体に対して配置された前記帯電手段、前記現像手段、或いは前記転写手段の電源手段と、
    前記各色の感光体上に形成された前記色ずれ補正用の静電潜像が前記帯電手段、前記現像手段、或いは前記転写手段に対向する位置を通過するときの前記電源手段の出力を各色について検出する検出手段と、
    前記感光体における複数の回転位相の夫々に対応させて基準値を保持する保持手段と、
    前記感光体の回転位相を検知する位相検知手段と、
    前記検出手段により検出した前記色ずれ補正用の静電潜像による前記電源手段の出力と、前記検出手段により検出した前記色ずれ補正用の静電潜像を形成したときの前記感光体の位相である形成時回転位相に対して前記保持手段に保持される基準値と、に基づき、基準状態に色ずれ状態を戻すよう色ずれ補正制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. 前記電源手段は、2色以上の複数のプロセス手段に対して共通して設けられていることを特徴とする請求項4に記載のカラー画像形成装置。
  6. 前記電源手段は、各色毎に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のカラー画像形成装置。
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