JP2013029178A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁弁の作動に伴う異音の発生を抑制するための消音機構を低コストに実現するとともに、その消音機能を安定に維持する。
【解決手段】ある態様の制御弁101は、スリーブ132のコア130とは反対側に設けられた縮径部からなる係止部148と、プランジャ134の側面に嵌着される可撓性を有する環状体からなり、ソレノイド104が非通電となりプランジャ134がコア130から離間する方向に変位したときに係止部148に係止されることにより、プランジャ134の軸線方向の変位を規制するOリング152と、を含む。Oリング152が係止部148から受ける反力がプランジャ134の軸線と直角方向の成分を有するよう係止部148とOリング152との当接位置が設定されることにより、Oリング152が係止部148に係止される際にプランジャ134の軸線方向のみならず半径方向内向きにも変形するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁弁に関し、特に静粛性の高い車両への搭載に好適な制御弁に関する。
近年、内燃機関を搭載した車両においてはエンジンの燃焼効率が向上したこともあり、熱源として利用してきた冷却水が暖房に必要な温度にまで上昇し難くなっている。一方、内燃機関と電動機を併用したハイブリッド車両においては内燃機関の稼働率が低いため、そのような冷却水の利用がさらに難しい。電気自動車に至っては内燃機関による熱源そのものがない。このため、冷房のみならず暖房にも冷媒を用いたサイクル運転を行い、車室内を除湿暖房可能なヒートポンプ式の車両用冷暖房装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
このような車両用冷暖房装置は、圧縮機、室外熱交換器、蒸発器、室内熱交換器等を含む冷凍サイクルを有し、暖房運転時と冷房運転時とで室外熱交換器の機能が切り替えられる。暖房運転時においては室外熱交換器が蒸発器として機能する。このような冷暖房機能の切り替えのために冷凍サイクルには複数の冷媒循環通路が設けられ、各冷媒循環通路の冷媒の流れを制御するための種々の制御弁が設けられる。このような制御弁として、外部から電気的に開度を調整できるよう電磁弁が用いられることが多い。
特開平9−240266号公報
ところで、ハイブリッド車両や電気自動車などは走行駆動源として電動機を用いるため静粛性が高く、内燃機関のみを駆動源とする車両に比べて車両搭載機器の作動音が目立つといった問題がある。例えば、電磁弁はその弁体がソレノイドにより駆動されることで弁部を開閉するが、ソレノイドの可動部と固定部との衝突音が聴感できるレベルの大きさとなるため、ドライバに不快感を与える可能性がある。なお、このような問題はハイブリッド車両や電気自動車などの電動車両において顕著となるものの、内燃機関のみを駆動源とする車両においても程度の差こそあれ生じうる。また、車両に限らず電磁弁を搭載する装置においては同様に発生しうる。
本発明の目的は、電磁弁の作動に伴う異音の発生を抑制するための消音機構を低コストに実現するとともに、その消音機能を安定に維持することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電磁弁は、弁本体とソレノイドとを組み付けて構成される電磁弁において、ソレノイドは、弁本体に対して固定されるスリーブと、スリーブに対して固定されるコアと、スリーブに収容されてコアと軸線方向に対向配置されるプランジャと、スリーブの周囲に巻回されてプランジャおよびコアとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、プランジャに対してコアから離間する方向の付勢力を付与する付勢部材と、スリーブのコアとは反対側に設けられた縮径部からなる係止部と、プランジャの側面に嵌着される可撓性を有する環状体からなり、ソレノイドが非通電となりプランジャがコアから離間する方向に変位したときに係止部に係止されることにより、プランジャの軸線方向の変位を規制する緩衝部材と、を含む。緩衝部材が係止部から受ける反力がプランジャの軸線と直角方向の成分を有するよう係止部と緩衝部材との当接位置が設定されることにより、緩衝部材が係止部に係止される際にプランジャの軸線方向のみならず半径方向内向きにも変形するように構成されている。
この態様によると、ソレノイドがオフにされることでプランジャがコアから離間する方向に変位すると、プランジャに嵌着された緩衝部材が係止部に係止される。この緩衝部材が係止部に係止される際に変形して衝撃を吸収することで衝突音の発生が抑制される。また、緩衝部材が軸線方向に変位して係止部に突き当たった際に受ける反力がその軸線方向と直角方向の成分を有するように構成したため、緩衝部材がその半径方向内向きにも変形することができる。すなわち、仮に緩衝部材に作用する反力が軸線方向の成分のみであるとすると、繰り返しの圧縮応力によりその緩衝部材に永久歪みが発生しやすくなる。これに対し、この態様では緩衝部材に作用する反力に半径方向内向きの成分をもたせて部分的に内側に逃がせる構成とすることで、永久歪みを発生し難くし、その寿命を長く維持することができる。すなわち、この態様によれば、環状の緩衝部材をプランジャに嵌着するという簡易な構成にて消音機構を実現できるとともに、その緩衝部材の寿命を長くして消音機能を安定に維持できるようになる。
本発明によれば、電磁弁の作動に伴う異音の発生を抑制するための消音機構を低コストに実現するとともに、その消音機能を安定に維持することができる。
実施形態に係る制御弁の具体的構成および動作を表す断面図である。 実施形態に係る制御弁の具体的構成および動作を表す断面図である。 制御弁の第1の消音機構の詳細を表す部分拡大断面図である。 制御弁の第2の消音機構の詳細を表す部分拡大断面図である。 変形例に係る制御弁の消音機構の構成を表す部分拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態は、本発明の電磁弁を電気自動車の冷暖房装置に適用する制御弁として具体化したものである。この車両用冷暖房装置は、圧縮機、室内凝縮器、室外熱交換器、蒸発器およびアキュムレータを配管にて接続した冷凍サイクルを備える。車両用冷暖房装置は、作動流体としての冷媒が冷凍サイクルを状態変化しながら循環する過程で、その冷媒の熱を利用して車室内の空調を行うヒートポンプ式の冷暖房装置として構成されている。
車両用冷暖房装置は、冷房運転時と暖房運転時とで複数の冷媒循環通路を切り替えるように運転される。そして、この冷凍サイクルは、室内凝縮器と室外熱交換器とが凝縮器として並列に動作可能に構成され、また、蒸発器と室外熱交換器とが蒸発器として並列に動作可能に構成されている。圧縮機は、ハウジング内にモータと圧縮機構を収容する電動圧縮機として構成される。室内凝縮器は、車室内に設けられ、室外熱交換器とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器として機能する。室外熱交換器は、車室外に配置され、冷房運転時に内部を通過する冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には内部を通過する冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する。蒸発器は、車室内に配置され、内部を通過する冷媒を蒸発させる室内蒸発器として機能する。アキュムレータは、蒸発器から送出された冷媒を気液分離して溜めておく装置であり、液相部と気相部とを有し、気相部の冷媒を圧縮機に導出する。
そして、本実施形態の制御弁は、蒸発器の下流側に設けられ、その蒸発器における冷媒の蒸発圧力を制御する蒸発圧力制御弁として機能する。すなわち、本実施形態の制御弁は、室内蒸発器の下流側と室外蒸発器の下流側にそれぞれ設けられ、電流供給によって弁部の開度を調整することにより蒸発器の下流側通路の開度を調整し、それにより蒸発器の蒸発圧力を調整する。なお、本実施形態では、その制御弁として通電有無によって開閉する開閉弁(オン/オフ弁)が用いられ、その一定時間あたりの開弁時間を調整することにより開度を調整する。変形例においては、弁部の開口面積そのものを調整可能な比例弁や差圧弁として構成してもよい。
次に、本実施形態の制御弁の具体的構成について説明する。図1および図2は、実施形態に係る制御弁の具体的構成および動作を表す断面図である。
図1に示すように、制御弁101は、内部に弁機構を収容した弁本体102と、その弁機構を駆動するソレノイド104とを組み付けて構成される。弁本体102におけるボディ105の一方の側部には上流側通路につながる導入ポート110が設けられ、他方の側部には下流側通路につながる導出ポート112が設けられている。導入ポート110と導出ポート112とをつなぐ内部通路には弁孔114が設けられ、その下流側開口端部に弁座116が形成されている。
弁孔114の下流側の圧力室117には、有底円筒状の弁体118が配設されている。ソレノイド104からは圧力室117に向けて円ボス状のガイド部119が下方に延設されており、弁体118がガイド部119に摺動可能に外挿されている。すなわち、弁体118は、ガイド部119にガイドされつつ安定に支持されている。弁体118とボディ105との間には、弁体118を開弁方向に付勢するスプリング120が介装されている。
一方、ソレノイド104は、ボディ105の上端開口部を封止するように取り付けられている。ソレノイド104は、ボディ105を封止するように連結されたコア130と、コア130の上部を固定するように収容する有底円筒状のスリーブ132と、スリーブ132内でコア130に軸線方向に対向配置されたプランジャ134と、スリーブ132およびコア130に外挿嵌合されたボビン136と、ボビン136に巻回された電磁コイル138とを含む。そして、電磁コイル138を外部から覆うように樹脂モールドがなされている。ボビン136の上面には磁性体からなる環状プレート139が設けられている。環状プレート139は、ソレノイド104への通電時に磁気回路を構成するヨークとして機能する。
コア130にはその軸線に沿って貫通孔131が設けられ、その貫通孔131を長尺状の作動ロッド142が貫通している。作動ロッド142は、その上端がプランジャ134の下面に当接し、下端が弁体118の底部に当接している。すなわち、作動ロッド142は、プランジャ134と弁体118との間に固定されることなく挟まれるように配設され、それらと一体に動作する。スリーブ132の底部とプランジャ134との間には背圧室146が形成される。プランジャ134は段付円柱状をなし、その外周面の所定箇所には軸線に平行な連通溝143が形成され、さらに上半部にはその連通溝143と背圧室146とを連通させる連通路144が形成されている。このような構成により、コア130とプランジャ134との間の空間と背圧室146との連通状態が維持される。
スリーブ132の上端部はその内径が縮径されており、その縮径部に形成された段部により係止部148が構成されている。係止部148は、プランジャ134の軸線方向上方への変位を規制する。一方、プランジャ134の上端部はその外径が縮径されており、その縮径部には凹状の嵌合溝150が周設されている。そして、その嵌合溝150にOリング152(「緩衝部材」として機能する)が嵌着されている。ソレノイド104の非通電時には、このOリング152と係止部148とにより消音機構が構成されるが、その詳細については後述する。嵌合溝150は、ソレノイド104への通電時にプランジャ134がコア130に最も近接した状態において環状プレート139よりも上方に位置するようプランジャ134に形成されている(図2参照)。その結果、ソレノイド104の通電時においてもOリング152がヨークの外側(環状プレート139よりも上方)に位置し、磁気特性にロスが生じにくい構成となっている。なお、変形例においては、磁気特性のロスが予め定める基準値以下となる範囲でOリング152とヨークとが部分的にオーバラップする構成としてもよい。例えば、プランジャ134がコア130に最も近接した状態において、Oリング152と環状プレート139とが半径方向に部分的にオーバラップするものの、環状プレート139とプランジャ134との間にOリング152を介することのない磁路を確保可能な構成としてもよい。
また、コア130の下面中央から上述のガイド部119が下方に延設されており、弁体118がガイド部119に摺動可能に外挿されている。このような構成により、弁体118とコア130との間に背圧室154が区画形成される。背圧室154は、コア130と作動ロッド142との間のクリアランス、コア130とプランジャ134との間の空間、連通溝143、連通路144を介して背圧室146と連通している。弁体118の底部には、背圧室154と上流側の圧力室とを連通させる連通孔122(「リーク通路」として機能する)が形成されている。このため、図2に示すような制御弁101の制御時には背圧室154に上流側圧力Pinが満たされるようになる。
以上のように構成された制御弁101は、図1に示すようにソレノイド104がオフにされた状態(非通電状態)では、コア130とプランジャ134との間に吸引力が作用しないため、弁体118がスプリング120により開弁方向に付勢されて全開状態となる。一方、図2に示すようにソレノイド104がオンにされた状態(通電状態)では、コア130とプランジャ134との間に吸引力が作用するため、そのソレノイド力が作動ロッド142を介して弁体118に伝達される。その結果、弁体118が閉弁方向に動作する。
本実施形態では、連通孔122を介して背圧室154に上流側圧力Pinを導入することにより、弁体118において上流側圧力Pinと下流側圧力Poutとの差圧(Pin−Pout)が開弁方向に作用する面積(A−B)を、弁孔114の断面積Aよりも小さくしている。それにより、弁体118に作用する冷媒の圧力の影響が大きくキャンセルされ、比較的小さなソレノイド力で弁体118を閉弁方向に駆動することが可能となっている。また、本実施形態では連通孔122を十分に小さくすることにより、連通孔122を介した背圧室154への冷媒の導入出によって弁体118の動作を緩和するダンパ機能が発揮されるようになる。本実施形態においては、制御弁101のソレノイド104の通電状態(オン)と非通電状態(オフ)との時間の比率、つまりオン・オフのデューティ比を調整することにより、その前後差圧の平均値である平均差圧を適切な値に制御することができる。
次に、本実施形態の主要部の構成および動作の詳細について説明する。
図3は、制御弁の第1の消音機構の詳細を表す部分拡大断面図である。(A)はソレノイド104をオフにしたときにOリング152に作用する反力を示し、(B)はOリング152の形状および配置構成の詳細を示している。
ソレノイド104を通電状態から非通電状態(オンからオフ)に切り替えると、プランジャ134が軸線方向上方に変位するが、係止部148がOリング152を係止することによりその変位を規制する。このOリング152が緩衝部材として機能し、係止部148に係止される際に変形して衝撃を吸収することで、プランジャ134が係止部148に直接係止される場合よりも衝突音の発生が抑制される。
ここで、仮にOリング152が軸線方向にのみ圧縮される構成を想定すると、ソレノイド104のオン・オフによりOリング152に一定方向の圧縮応力が繰り返し作用するようになる。その結果、Oリング152に早期に永久歪みが発生しやすくなり、衝撃の吸収効果が薄れてしまう。そこで本実施形態では、Oリング152と係止部148との位置関係およびOリング152の形状を工夫することで、そうした永久歪みが生じ難い構成を実現している。
すなわち、図3(A)に示すように、スリーブ132の上端部が縮径されており、その縮径部のテーパ面にてOリング152に当接するように構成されている。その結果、Oリング152が係止部148に係止されたときには、Oリング152に係止部148からの反力として斜め下方の垂直抗力(太い矢印参照)が作用するようになる。すなわち、Oリング152は反力としてプランジャ134の軸線方向の成分のみならず、軸線と直角方向の成分を受けるようになる(細い矢印参照)。しかも、その直角方向の成分が半径方向内向きに作用することから、Oリング152を内側に逃がすことができ、軸線方向への偏った変形を防止または抑制できるようになる。
このような反力を作用させるために、図3(B)に示すように、Oリング152の内周面とプランジャ134の外周面とのクリアランスをa、係止部148とOリング152との当接点PとOリング152の断面中心Oとの半径方向の距離をb、Oリング152の断面の半径をrとした場合に、a<bかつa<r−bの関係が成立するように構成している。なお、ここでいうクリアランスaは、嵌合溝150の底面とOリング152の内周面との最短距離の平均値とする。
すなわち、a<bとすることで、仮にOリング152が半径方向にずれたとしても、当接点Pを断面中心Oの外側に位置させることができ、その結果、Oリング152に対して半径方向内向きの力を作用させることができる。また、a<r−bとすることで、Oリング152の全周にわたって係止部148との当接状態を維持することができる。すなわち、Oリング152を部分的に内側に逃がすことで永久歪みを発生し難くすることができ、その消音機能を長期にわたって安定に維持できるようになる。
図4は、制御弁の第2の消音機構の詳細を表す断面図である。(A)〜(C)はコア130とプランジャ134との対向部の構成および動作を示し、(D)はその動作による消音作用を示している。なお、説明の便宜上、図4(A)〜(C)における対向部の構成は、図1および図2に示したものをやや誇張したものとなっている。図4(A)はソレノイド104がオフにされたときのプランジャ134の位置(「閉弁位置」ともいう)を示し、図4(C)はソレノイド104がオンにされたときのプランジャ134の位置(「全開位置」ともいう)を示している。図4(B)は閉弁過程においてプランジャ134が磁気吸引力の変曲点(g点)に差し掛かった状態を示している。図4(D)の横軸はコア130とプランジャ134との磁気ギャップG(mm)を例示し、縦軸はソレノイド104の吸引力およびスプリング120の付勢力(荷重:kg重)を示している。図中点線は消音対策前の吸引力およびばね荷重を示し、図中実線は消音対策後の吸引力およびばね荷重を示している。
本実施形態では、プランジャ134とコア130との対向部に、磁気ギャップGが設定値以下となったときにソレノイド力の増加を緩和する吸引力調整構造を設けている。それにより、弁体118が閉弁位置となるときの閉弁方向のソレノイド力とスプリング120による開弁方向の付勢力との荷重差を小さくし、弁体118が弁座116に着座する際の衝突エネルギーを低減し、衝突音を軽減している。
すなわち図4(A)に示すように、プランジャ134の下部は下方に向かって外径が小径化するテーパ形状となっており、その下端部中央に断面一定の凸部160が形成されている。一方、コア130の上部は、そのプランジャ134の下部と概ね相補形状となっている。すなわち、コア130の上部は上方に向かって内径が大径化するテーパ形状となっており、その基端部中央に断面一定の凹部162が形成されている。凸部160は凹部162に挿通可能となっており、この両者により「吸引力調整構造」が実現されている。図4(B)は凸部160の先端が凹部162の入口に差し掛かった状態を示し、図4(C)は凸部160が凹部162に挿通された状態を示している。
すなわち、ソレノイド104の吸引力はコア130とプランジャ134の対向面の間隔である磁気ギャップGに応じて変化し、その磁気ギャップGが小さくなるほど大きくなるところ、図4(C)に示すように凸部160が凹部162に挿通されると、そのオーバラップ部において磁力線が半径方向に漏れて吸引力が上昇し難い状態となる。本実施形態では、このような性質を利用してソレノイド104の吸引力とスプリング120の付勢力との荷重差を調整することにより、閉弁時に弁体118が弁座116に着座するときの衝突音を低減する。
具体的には、図4(D)に示すように、消音対策前は凸部160と凹部162による挿通構造(スプール構造)を設けておらず、その結果、通電により磁気ギャップGが小さくなるにつれて吸引力が急峻に増加する吸引力特性となる。一方、スプリング120のばね定数がそれほど大きくないため、閉弁位置における吸引力と付勢力との荷重差が約1kg重と比較的大きくなっている。その結果、その大きな荷重差が弁体118を弁座116に着座する際の衝突エネルギーとなり、大きな衝突音を発生させる。
そこで本実施形態では、閉弁時における吸引力と付勢力との荷重差が小さくなるよう調整する。まず、スプリング120としてばね定数を大きくしたものを採用する。すなわち、閉弁位置にて想定される磁気吸引力を超えない範囲でばね荷重を大きくできるようばね定数を設定する(c点)。そして、ソレノイド104がオフからオンに切り替えられたときの全開位置における起磁力を維持しつつ(e点)、閉弁位置にてばね荷重を下回らない程度に吸引力を小さくするために(a点→b点)、凸部160の長さを調整する。
具体的には、スプリング120の閉弁位置におけるばね荷重(c点)と等価な吸引力が得られる磁気ギャップG0を取得し、その磁気ギャップG0にて凸部160の先端がg点に差し掛かるように凸部160の長さを設定する。すなわち、図4(B)に示すように設定する。なお、所定の誤差(例えば±0.5mm)を許容するようにしてもよい。これにより、凸部160がg点を超えて凹部162に挿通される間、つまり磁気ギャップGがG0よりも小さくなる間は磁気吸引力の上昇が緩やかとなり、その結果、閉弁位置における吸引力(b点)をばね荷重(c点)に近づけることができる。すなわち、磁気吸引力とばね荷重との荷重差を小さくすることで衝突エネルギーを小さくすることができ、閉弁時の衝突音を低減することが可能になる。本実施形態では、閉弁位置におけるばね荷重(c点)が磁気吸引力(b点)の少なくとも50%以上(好ましくは80%以上)となるように設定することで良好な消音効果が得られるようにしている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
図5は、変形例に係る制御弁の消音機構の構成を表す部分拡大断面図である。(A)はソレノイド104をオフにしたときにOリング152に作用する反力を示し、(B)はOリング152と係止部248との配置構成の詳細を示している。
本変形例では係止部148をテーパ面ではなく、スリーブ232の本体と小径部との間のエッジ部にて構成している。すなわち、図5(A)に示すように、スリーブ232の上端部が凸状に縮径されており、その縮径部の基端部内周面に形成されるエッジ部にてOリング152に当接するように構成されている。本変形例においても図5(B)に示すように、Oリング152の内周面とプランジャ134の外周面とのクリアランスをa、係止部248とOリング152との当接点PとOリング152の断面中心Oとの半径方向の距離をb、Oリング152の断面の半径をrとした場合に、a<bかつa<r−bの関係が成立する。これにより、Oリング152の全周にわたって係止部148との当接状態を維持することができるとともに、Oリング152に対して半径方向内向きの力を作用させることができる。それにより、Oリング152を部分的に内側に逃がせるようにしてOリング152に永久歪みが発生し難くすることで、その消音機能を比較的長期にわたって安定に維持できるようにしている。
上記実施形態では、プランジャ134に嵌着する緩衝部材としてOリングを採用する例を示した。変形例においては、断面円形状の弾性部材(例えばゴム)からなる環状体を採用してもよい。また、緩衝部材の断面形状として真円ではなく楕円形のものを採用してもよいし、多角形状のものを採用してもよい。ただし、その場合も緩衝部材の内周面とプランジャの外周面とのクリアランスをa、係止部と緩衝部材との当接点と緩衝部材の断面中心とのプランジャの半径方向の距離をb、緩衝部材の断面の半径をrとした場合に、a<bかつa<r−bの関係が成立するようにする。
上記実施形態では、有底筒状のスリーブ132の底部近傍に係止部148を一体成形した構成を例示した。変形例においては、スリーブ132の底部を別部材にて封止する構成とし、その別部材に係止部を設けるようにしてもよい。すなわち、スリーブのコアとは反対側に非磁性の別部材(例えば樹脂部材等)にて縮径部を構成し、その縮径部を係止部としてもよい。
上記実施形態では、プランジャ134の衝突音を軽減する第1の消音機構(図3参照)と、弁体118の衝突音を軽減する第2の消音機構(図4参照)の双方を設ける構成を示した。変形例においては、そのいずれか一方の消音機構を設けるようにしてもよい。
上記実施形態では、制御弁101を室内蒸発器および室外蒸発器の双方の下流側にそれぞれ設ける例を示したが、いずれかの蒸発器の下流側にのみ設けるようにしてもよい。例えば、室内蒸発器の下流側に制御弁101を設け、室外熱交換器(室外蒸発器として作用するとき)の下流側には制御弁101を設けない構成としてもよい。
上記実施形態では、本発明の電磁弁を電気自動車の冷暖房装置に適用する例を示したが、内燃機関を搭載した自動車や、内燃機関と電動機を同載したハイブリッド式の自動車の冷暖房装置にも適用可能であることは言うまでもない。上記実施形態では、圧縮機として電動圧縮機を採用する例を示したが、エンジンの回転を利用して容量可変を行う可変容量圧縮機を採用することもできる。さらに、車両に限らず電磁弁を搭載する装置に適用可能であることはもちろんである。
101 制御弁、 102 弁本体、 104 ソレノイド、 105 ボディ、 110 導入ポート、 112 導出ポート、 114 弁孔、 116 弁座、 118 弁体、 120 スプリング、 122 連通孔、 130 コア、 132 スリーブ、 134 プランジャ、 138 電磁コイル、 142 作動ロッド、 148 係止部、 152 Oリング、 154 背圧室、 160 凸部、 162 凹部、 232 スリーブ、 248 係止部。

Claims (8)

  1. 弁本体とソレノイドとを組み付けて構成される電磁弁において、
    前記ソレノイドは、
    前記弁本体に対して固定されるスリーブと、
    前記スリーブに対して固定されるコアと、
    前記スリーブに収容されて前記コアと軸線方向に対向配置されるプランジャと、
    前記スリーブの周囲に巻回されて前記プランジャおよび前記コアとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、
    前記プランジャに対して前記コアから離間する方向の付勢力を付与する付勢部材と、
    前記スリーブの前記コアとは反対側に設けられた縮径部からなる係止部と、
    前記プランジャの側面に嵌着される可撓性を有する環状体からなり、前記ソレノイドが非通電となり前記プランジャが前記コアから離間する方向に変位したときに前記係止部に係止されることにより、前記プランジャの軸線方向の変位を規制する緩衝部材と、
    を含み、
    前記緩衝部材が前記係止部から受ける反力が前記プランジャの軸線と直角方向の成分を有するよう前記係止部と前記緩衝部材との当接位置が設定されることにより、前記緩衝部材が前記係止部に係止される際に前記プランジャの軸線方向のみならず半径方向内向きにも変形するように構成されていることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記緩衝部材が断面円形状の環状体からなり、
    前記緩衝部材の内周面と前記プランジャの外周面とのクリアランスをa、前記係止部と前記緩衝部材との当接点と前記緩衝部材の断面中心との前記半径方向の距離をb、前記緩衝部材の断面の半径をrとした場合に、a<bかつa<r−bの関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記緩衝部材がOリングからなることを特徴とする請求項2に記載の電磁弁。
  4. 前記緩衝部材が前記プランジャにおける前記コアとは反対側の端部に嵌着され、前記ソレノイドの通電時に前記磁気回路を構成するヨークの外側に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電磁弁。
  5. 前記弁本体は、作動流体の導入ポートおよび導出ポートが設けられたボディと、前記導入ポートと前記導出ポートとをつなぐ通路に設けられた弁孔に接離して弁部を開閉する弁体とを含み、
    前記プランジャは、前記コアに対して前記弁体とは反対側に設けられ、前記コアを貫通する作動ロッドを介して前記弁体に閉弁方向のソレノイド力を伝達し、
    前記付勢部材は、前記ボディと前記弁体との間に介装されたスプリングからなり、前記弁体を開弁方向に付勢することにより、前記作動ロッドを介して前記プランジャに前記コアから離間する方向の付勢力を付与し、
    前記作動ロッドがその一端側にて前記プランジャに当接し、他端側にて前記弁体に当接することにより、前記弁体、前記作動ロッドおよび前記プランジャが一体変位可能に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電磁弁。
  6. 前記プランジャと前記コアとの対向部に、磁気ギャップが予め定める設定値以下となったときに前記ソレノイド力の増加を緩和する吸引力調整構造を有し、
    前記弁体が閉弁位置となるときの閉弁方向のソレノイド力と前記スプリングによる開弁方向の付勢力との荷重差を前記吸引力調整構造がない場合と比較して小さくなるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の電磁弁。
  7. 前記スプリングは、前記ソレノイドへの通電により前記弁体が閉弁位置となるときに、そのソレノイド力の50%以上の付勢力を発生するばね特性を有することを特徴とする請求項6に記載の電磁弁。
  8. 前記弁体は、前記ボディまたは前記コアに軸線方向に摺動可能に支持されるとともに、前記コアとの間に背圧室を形成する一方、前記弁孔と前記背圧室とを連通させるリーク通路を有し、
    前記リーク通路を介した前記背圧室への作動流体の導入出により、前記弁体に作用する作動流体の圧力の影響の少なくとも一部がキャンセルされるとともに、前記弁体の動作を緩和するダンパ機能を発揮するように構成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電磁弁。
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