JP2013026046A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】照明装置は、400〜470nmの波長帯で第1のピーク波長を出射するLEDチップと、その出射光を波長変換し電球色系の500〜700nmの波長帯に第2のピーク波長を発光する蛍光体とを有する光源を備える。この照射光の分光スペクトルは、第1のピーク波長の第2のピーク波長に対する発光強度の比率が6/10以下となり、かつ、第1と第2のピーク波長間に、第2のピーク波長に対し発光強度の比率が1/10以下となるボトム波長を有する。従って、第2のピーク波長に比べ昆虫の誘引性が高く、電球色光への寄与の低い第1のピーク波長の発光強度が相対的に低下され、かつ、ボトム波長領域で誘引性のある可視光領域の光の一部を抑制できるので、照射光の電球色系の色調を損なわずに、昆虫の誘引性を低下することができる。
【選択図】図7
Description
本発明の第1の実施形態に係る照明装置について、図1乃至図4を参照して説明する。図1〜図3に示されるように、照明装置1は一面開口の矩形の筐体2と、この筐体2内に収納される光源3とを備える。光源3は、複数のLED光源4と、このLED光源4を実装した基板31とから成り、筐体2内の開口21に対向する面に取り付けられる。LED光源4は、LEDチップ41と、このLEDチップ41を封止するための透明なシリコーン樹脂などで成る封止部材42と、封止部材42内に混合されLEDチップ41から出射される光の波長を変換する蛍光体5とを備える。LEDチップ41は、紫外線の200〜380nm、又は紫青色の380〜470nmの波長帯域にそれぞれピーク波長を有する光を出射し、ここでは、このピーク波長を第1のピーク波長としている。蛍光体5は、波長変換材料であって、LEDチップ41からの光を波長変換し、500〜700nmの波長帯に第2のピーク波長を有する光を照射する。本実施形態は、光源3からの出射光の分光スペクトルが紫外線又は紫青色の波長帯に第1のピーク波長を有し、第2のピーク波長が第1のピーク波長よりも相対的に発光強度が大きくなるように構成される。
本発明の第2の実施形態に係る照明装置について、図5乃至図7を参照して説明する。図5に示されるように、本実施形態は前記実施形態において、光源3はLED光源4の封止部材42の光出射側に、所定の波長光の透過を阻止するための波長カットフィルタ6と、封止部材42の光出射側を覆う前面フィルタ7とを備える。図5では、1個のLED光源4のみを示しているが、前述と同様に複数のLED光源4が備えられる。本実施形態においては、LED光源4はLEDチップ41からの光が波長カットフィルタ6を通過することにより、少なくとも470〜500nmの波長帯に、発光強度が減衰されたボトム波長を持つ分光スペクトルとなる。
本発明の第3の実施形態に係る照明装置について、図8及び図9を参照して説明する。本実施形態においては、図8(a)(b)に示されるように、LED光源4はその光出射側に、帯域阻止型の波長カットフィルタに代えて、380nm以下の短波長域(高域)側での光透過を阻止する高域阻止型の波長カットフィルタ8を備える。本実施形態は、LED光源4からの光が波長カットフィルタ8を透過することにより、その出射光の分光スペクトルの発光強度を、380nm以下の短波長帯で実質的にゼロとするものである。
照明装置からの分光スペクトルは、瞬間マルチ測光システム(MCPD3000:大塚電子社製)を用いて測定し、各ピーク波長及びボトム波長のピーク位置及び発光強度及び略ゼロのボトム波長領域を測定した。
昆虫を誘引する誘虫性評価は、10m四方の部屋の中に3種類(ハエ、コナガ等)の虫を各400匹離し、1時間後の捕虫数により評価を行った。ここでは、比較例1における虫の総捕虫数を100とし、これを基準値として相対比較を行った。
実施例1のLED光源は、第1のピーク波長を青色光の465nmとするLEDチップを黄色系の蛍光体が配合されたシリコーン樹脂で封止し、電球色系LEDを得る構成とした。この場合の分光スペクトルは、図11に示されるように、第1のピーク波長の第2のピーク波長に対する発光強度の比率が6/10以下となる。また、第1のピーク波長と第2のピーク波長の間で、少なくとも470〜500nmの波長帯で第2のピーク波長に対し発光強度の比率が1/10以下となるボトム波長を有する。この結果、昆虫の誘虫性は85を示し基準値(100)以下となり、飛翔昆虫を誘引し難くできた。また、色調評価は、「○」で電球色系(暖色系)の色に見え、黄みが強くなく、大幅な色調変化はなかった。なお、実施例1〜7では、色調評価が全て「○」であった。
実施例2のLED光源は、第1のピーク波長を455nmとし、図12(a)(b)に示されるように、485〜490nm付近の光を阻止する帯域阻止型の波長カットフィルタを備える。この波長カットフィルタは、アクリル樹脂基板に光学多層膜(6層)を成膜して形成し、上記阻止波長帯域の発光強度をゼロとせず、一定量だけ減衰する構成とした。この分光スペクトルは、図13に示されるように、第1のピーク波長の第2のピーク波長に対する発光強度の比率が6/10以下となり、少なくとも470〜500nmの波長帯で第2のピーク波長に対し1/10以下の発光強度の比率を有するボトム波長が得られた。この結果、昆虫の誘虫性は75となり、基準値以下となった。
実施例3のLED光源は、第1のピーク波長を440nmとするLEDチップを黄色系の蛍光体を配合したシリコーン樹脂で封止し、図14(a)(b)に示されるように、8層の光学多層膜から成る帯域阻止型の波長カットフィルタを備える。この波長カットフィルタは、480〜485nmの波長帯の光を実質的にゼロとするようにシャープにカットし、それ以外の可視光領域の光を通す特性とした。この分光スペクトルは、図15に示されるように、第1のピーク波長の第2のピーク波長に対する発光強度の比率が6/10以下となり、ボトム波長の発光強度が480〜485nmの波長帯域で実質的にゼロとなる特性が得られた。この結果、昆虫の誘虫性は70となり、実施例中で最小の値を示した。
実施例4のLED光源は、第1のピーク波長を450nmとするLEDチップを複数の黄色系の蛍光体が配合されたシリコーン樹脂で封止し、上記実施例3と同様に帯域阻止型の波長カットフィルタを備える。この波長カットフィルタは、8層の光学多層膜を用い480〜485nm付近の波長帯をカットする。この分光スペクトルは、図16に示されるように、前述と同様に第1のピーク波長と第2のピーク波長との発光強度の比率、及びボトル波長と第2のピーク波長との発光強度の比率がそれぞれ目標通り得られた。この結果、昆虫の誘虫性は基準値以下となった。
実施例5のLED光源は、第1のピーク波長を青紫色の短波長側の405nmとし、390nm以下(ここでは、300〜390nm)の波長をカットする高域阻止型波長カットフィルタを備える。この波長カットフィルタはアクリル樹脂に紫外線吸収剤(チヌビン326)を含有する構成とし、出射光の紫外線領域での発光強度を低減した。この結果、昆虫の誘虫性は基準値以下となった。
実施例6のLED光源は、高域阻止型波長カットフィルタにアクリル樹脂に紫外線吸収剤(チヌビン327、チヌビン107(チバ社製))を含有し、380nm以下(ここでは300〜380nm)の波長をカットする構成とした。この結果、昆虫の誘虫性は基準値以下となった。
実施例7のLED光源は、LEDチップを覆うシリコーン樹脂に配合する黄色系の蛍光体を実施例2と異なるものとした。この分光スペクトルは、図17に示されるように、第1のピーク波長と第2のピーク波長との、及びボトム波長と第2のピーク波長との発光強度の比率が、前述と同様に、それぞれの目標を満たす特性を得た。この結果、昆虫の誘虫性は基準値以下となった。
比較例1のLED光源は、LEDチップのピーク波長を変更し、かつ、複数の蛍光体の配合を変更した。このときの分光スペクトル特性は、図18に示されるように、第1のピーク波長が475nmと長く、第1のピーク波長と第2のピーク波長との間に、第2のピーク波長に対し発光強度が1/10以下となるボトム波長が存在しない。ここでは、この場合の昆虫の捕獲数を100と規定し、これを昆虫の誘虫性の基準値とした。なお、比較例1〜5においては、全て色調評価は○であった。
比較例2のLED光源は、光学多層膜を用いた帯域阻止型の波長カットフィルタを省いた。この分光スペクトルは、図19に示されるように、第1と第2のピーク波長間で殆どボトム波長が存在しない特性となった。この結果、昆虫の誘虫性は基準値を超えた。
比較例3のLED光源は、帯域阻止型の波長カットフィルタを省き、第1のピーク波長を455nmとする構成とした。この分光スペクトルは、図20に示されるように、ボトム波長の発光強度が第2のピーク波長に対し1/10以上となっている。この結果、昆虫の誘虫性は基準値を超えた。
比較例4のLED光源は、帯域阻止型の波長カットフィルタを省いた。この分光スペクトルは、図21に示されるように、第1のピーク波長の第2のピーク波長に対する発光強度の比率が6/10より高く、また、ボトム波長の発光強度も第2のピーク波長に対しほぼ1/10より大きくなっている。この結果、昆虫の誘虫性は基準値を超えた。
比較例5のLED光源は、390nm以下をカットする高域阻止型の波長カットフィルタ8を省いた。この結果、昆虫の誘虫性は125と大きく基準値を超えた。
3 光源
4 LED光源
41 LEDチップ
Claims (5)
- LEDチップを有するLED光源を備え、
前記LED光源からの出射光の分光スペクトルは、紫外線又は紫青色の波長帯に第1のピーク波長を、500nm〜700nmの波長帯に第2のピーク波長を有し、
前記第2のピーク波長の発光強度は、前記第1のピーク波長のそれよりも相対的に大きいことを特徴とする照明装置。 - 前記分光スペクトルは、前記第1のピーク波長と第2のピーク波長との間にボトム波長を有し、前記ボトム波長の前記第2のピーク波長に対する発光強度の比率が1/10以下であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記分光スペクトルは、第1のピーク波長の前記第2のピーク波長に対する発光強度の比率が6/10以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
- 前記分光スペクトルは、前記第1のピーク波長が400nm〜470nmの波長帯にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記分光スペクトルは、380nm以下の波長帯で発光強度が実質的にゼロであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の照明装置。
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