JP2013025306A - 導光板及び導光板を備えた壁面案内板 - Google Patents

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Abstract

【課題】光が導光板の側面から入射している場合、入射していない場合にかかわらず、表示情報を表示できる表示領域と、光が導光板の側面から入射していない場合は後方を視認可能であり、光が入射している場合は後方を視認しづらくなる遮蔽領域とを有する導光板を提供すること。
【解決手段】本発明の導光板10は、遮蔽領域20と表示領域30と非加工領域40とを備えている。遮蔽領域20は、複数の四角錐型拡散ドット21が裏面側に形成されている。表示領域30は規則的に配置された複数の平面型拡散ドット33又は拡散溝と、これらの輪郭位置に設けられた輪郭溝34とが導光板10の裏面に形成されている。これにより、光が入射している状態のときは、遮蔽領域及び表示領域のいずれも後方側を視認することが困難であるが、光が入射していない状態のときは表示領域以外の部分は後方の物体を視認できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、導光板及び導光板を備えた壁面案内板に関する。
従来、表示情報を表示する壁面案内板として、透光性を有し微小な凹部からなる反射ドットを複数形成し、かつその側面に光源を配設した導光板、該導光板の背面に配設され導光板を透過する光を光電変換する太陽電池、該太陽電池の起電力を充電する二次電池、該二次電池から上記光源への通電を制御する制御手段を備えているものがある(特許文献1)。この壁面案内板によれば、反射ドットの配列が表示情報を表し、この反射ドットへ光を入射することで表示情報を表示する看板として使用することができる。
特開2002−328633号公報
しかしながら、上記の壁面案内板は、側面から光を入射した場合のみ表示機能を有し、側面からの光の導入がない場合は、表示機能を発揮させることができない。また、背面に太陽電池が配置されているため、この太陽電池によって後方側の視認性が損なわれるという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、導光板の側面から光を入射している場合、入射していない場合にかかわらず、表示情報を表示できる表示領域と、光が導光板の側面から入射していない場合は後方を視認可能であり、光が入射している場合は後方を視認しづらくなる遮蔽領域と、を有する導光板及び導光板を備えた壁面案内板を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の導光板は、側面から入射した光を主に表面から導出させることによって、後方の物体を視認しづらくする複数の第1拡散ドットを有する遮蔽領域と、表示情報を表示するために表面が粗面で形成されている複数の第2拡散ドット又は拡散溝で形成された表示領域と、を備え、
光が側面から入射していない状態で遮蔽領域は後方の物体を視認可能である一方、前記表示領域は表示情報を視認可能であることを特徴とする。
本発明の導光板は、遮蔽領域と表示領域とを主として有する。遮蔽領域は、複数の第1拡散ドットを有するため、光が側面から入射している場合に複数の第1拡散ドットが光ることによって、後方の物体を視認させづらくすることができる。すなわち、複数の拡散ドットから導出される導出光によって、導光板後方から来る光を見えづらくすることによって後方の物体の視認性を低下させたものである。従って、導光板の後方に見せたくない物体がある場合に光を側面から入射させることで、後方の物体が視認される可能性を低減させることができる。一方で、光が側面から入射していない状態の場合には、第1拡散ドットは後方からの光を表面側へ透過させることによって、後方の物体を容易に視認することが可能である。従って、視認する人や時間等の条件により、導光板の後方を視認させたい場合と後方を視認させたくない場合の両方が存在する場所に設置すれば、本発明の導光板を設置すれば、光の入射の有無によって後方の視認性を切り替えることができる。また、表示領域は、表面が粗面で形成された第2拡散ドット又は拡散溝を有するため、光が側面から入射している場合には、表示領域を明るく照らし出すことができる。一方で、光が側面から入射していない状態の場合でも第2拡散ドット又は拡散溝は表面が粗面で形成されているため、表示領域のみが曇りガラスのような状態となり、表示領域を視認することが可能である。つまり、光が入射している状態のときは、遮蔽領域及び表示領域のいずれも後方側を視認することが困難であるが、光が入射していない状態のときは、表示領域以外の部分は後方の物体を視認することができるようになる。従って、後方を視認させたい場合と視認させたくない場合とを区別させることができるようになる。ここで、本発明の「表示情報」とは、複数の第2拡散ドット又は拡散溝の組み合わせによって、文字、記号、図形、模様等を表現したものをいう。
本発明の導光板において、前記第1拡散ドットは、2.0ミリメートルから6.0ミリメートルピッチで配置されていてもよい。かかる範囲に設定することによって、第1拡散ドットの間をぼんやりと光ったように見せることができる。そのため、後方の物体をより視認しづらくすることができる。なお、本明細書又は特許請求の範囲において、拡散ドットの「ピッチ」とは、ドットの中心から隣り合う拡散ドットの中心までの距離をいい、拡散溝のピッチとは、拡散溝の中心線から隣り合う拡散溝の中心線までの距離をいう。
本発明の導光板において、前記第2拡散ドット内又は拡散溝内の表面は、レーザー加工痕で加工されていてもよい。第2拡散ドット又は拡散溝内の表面を粗面に形成する手段としてレーザー加工痕を用いることで、第2拡散ドット又は拡散溝内の表面を容易に粗面にすることができ、導光板の側面から光を入射していない状態においても第2拡散ドット又は拡散溝を表示することができ、結果として、表示領域を視認可能にすることができる。なお、レーザー加工痕は、細い溝状であってもよいし、細かいドット状であってもよい。
本発明の導光板において、前記第2拡散ドット内又は拡散溝内の表面は、0.2ミリメートルから0.5ミリメートルの幅のレーザー加工痕からなる細溝で形成されていてもよい。0.2mmから0.5mmのレーザー加工痕の細溝で第2拡散ドット又は拡散溝を作成することによって、導光板の側面から光を入射していない状態においても良好に視認可能な第2拡散ドット又は拡散溝とすることができ、結果として、光が入射していない状態でも視認容易な表示領域をとすることができる。
本発明の導光板において、前記第2拡散ドット内の表面は、超音波加工で粗面に形成されていてもよい。超音波加工によって、第2拡散ドットを形成することによって広範囲を一度に加工することができるので、導光板の成形時間を短縮させることができる。超音波加工で第2拡散ドットの表面を粗面化するには、時間や押圧時間を調整したり、第2拡散ドットを成形する際の超音波加工ホーンの先端をあらかじめ粗面に形成したりすることによって達成することができる。
本発明の導光板において、加工されていない非加工領域を含んでいてもよい。かかる構成を採用することによって、光が入射している場合及び光が入射していない状態の場合の両方の場合にも透明な領域を形成することができ、導光板のデザイン性の向上を図ることができる。
本発明の壁面案内板は、上述したいずれかの導光板と、導光板の側面から照射光を入射する複数のLED光源と、を備えた壁面案内板である。この壁面案内板によれば、上述したいずれかの導光板を備えているので、上述の導光板と同様の効果、すなわち、遮蔽領域と表示領域とを有する壁面案内板とすることができ、表示情報は常に表示させた状態にしつつ、後方の物体の視認性を良好にしたり、遮蔽したりすることができる壁面案内板を提供することができる。
図1は、第1実施形態にかかる導光板10の構成の概略を示す正面図である。 図2は、第1実施形態にかかる導光板10を構成の概略を示す斜視図である。 図3は、図2のA部の拡大図及びB−B断面図である。 図4は、第1実施形態にかかる導光板10に光を入射していない状態での後方の物体の視認性の状態を模式的に表した図である。 図5は、第1実施形態にかかる導光板10に光を入射した場合に、後方の物体の視認性の状態を模式的に表した図である。 図6は、第1実施形態にかかる導光板10の両面側に四角錐型拡散ドットを設けた別実施形態を示す模式図である。 図7は、第2実施形態にかかる壁面案内板100の正面図である。 図8は、第2実施形態にかかる壁面案内板100のC−C断面図である。
ここで、上記で簡単に説明した図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本発明の構成要素と本実施の形態の構成要素との対応関係を明らかにする。第1実施形態においては、本発明の「第1拡散ドット」として四角錐型拡散ドット21を使用し、「第2拡散ドット」として平面型拡散ドット33を使用し、「LED光源」として、LED照明具120を使用した。
(第1実施形態)
図1から図3を用いて、第1実施形態にかかる導光板10の構成を詳しく説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態である導光板10の構成の概略を示す正面図であり、図2は、導光板10の構成の概略を示す斜視図である。図3は、図2のAの部分拡大図と、その一部の断面図である。
導光板10は、図1に示すように、厚さが8.0ミリメートル、高さが2240ミリメートル、幅が470ミリメートルの略直方体の板状に形成された高透過性を有するメタクリル樹脂製の板である。導光板10は、主として遮蔽領域20と表示領域30と非加工領域40とを備えている。なお、図1中の椅子は後方の物体として表現したものである。
遮蔽領域20は、図3に示すように、複数の四角錐型拡散ドット21が裏面に形成されている。四角錐型拡散ドット21は、略四角錐形状に凹む凹部であり、四角錐の底面に相当する位置が導光板10の裏面に位置するように設けられている。第1実施形態では四角錐型拡散ドット21の各辺の長さが約0.6ミリメートル、深さが約0.4ミリメートルであり、隣り合う四角錐型拡散ドット21間のピッチが2.0ミリメートルとしている。
四角錐型拡散ドット21は、先端面に四角錐型拡散ドット21を反転させた形状を有する加工ドットが縦横それぞれ4つずつマトリクス状に配置されている超音波加工ホーンを使用して、超音波加工によって形成される。すなわち、超音波加工用ホーンに超音波振動を印加し、導光板10の裏面に対して垂直に超音波加工用ホーンを押圧して、加工ドットの形状が反映された形状の四角錐型拡散ドット21を形成する。
表示領域30は、図1に示すように、第1表示領域30aと第2表示領域30bとを有する。第1表示領域30aは、任意のマークと一定の文字を表示情報として表しており、第2表示領域30bは、階段の方向を表示情報として表している。
第1表示領域30aは、それぞれ規則的に配置された複数の平面型拡散ドット33と、この平面型拡散ドット33の輪郭位置に設けられた輪郭溝34とが導光板10の裏面に形成されている。そのため、導光板10の側面から光が入射されると、複数の平面型拡散ドット33及び輪郭溝34で光が屈折し、主に表面から光が導出され、平面型拡散ドット33及び輪郭溝34を明るく照らし出して情報が視認可能な状態になる。第一実施形態では、所定のマークと「SKG」との文字が視認されるように平面型拡散ドット33及び輪郭溝34が形成されている。
平面型拡散ドット33は、図1に示すように、円形のドットで形成され、表面が粗面で形成されている。平面型拡散ドット33の表面は四角錐型拡散ドット21のように、凹状に形成されているものではなく、粗面ではあるものの、全体として平面状に形成される。この平面型拡散ドット33は、先端面に平面型拡散ドット33を反転させた形状を有する加工ドットが縦横それぞれ4つずつマトリクス状に配置されている超音波加工ホーンを使用して、超音波加工によって形成される。この際に、超音波加工ホーンの先端はあらかじめ粗面に形成されている。そのため、超音波加工用ホーンに超音波振動を印加することによって、加工ドットの粗面形状が反映された形状の平面型拡散ドット33を形成される。平面型拡散ドット33は、直径の長さが約0.8ミリメートルである。各拡散ドット間の間隔は1.2ミリメートルピッチに設けられている。四角錐型拡散ドット21と比較して、ピッチが短く形成されている。ピッチを短くして何も加工されていないピッチ間の領域を狭くすることよって、平面型拡散ドット33に光が入射されていない状態でも視認し易くすることができる。
輪郭溝34は、平面型拡散ドット33で表示した表示情報の輪郭位置に設けられており、後述する拡散溝35と同様に、複数のレーザー加工痕によって形成される。輪郭溝34を形成することで、表示情報の輪郭を明らかにし、表示情報を認識し易くすることができる。
第2表示領域30bは、それぞれ規則的に配置された拡散溝35と、この拡散溝35の輪郭位置に設けられた輪郭溝34とが導光板10の裏面に形成されている。そのため、導光板10の側面から光が入射されると、複数の拡散溝35及び輪郭溝34で光が屈折し、主に表面から光が導出され、拡散溝35及び輪郭溝34を明るく照らし出して情報が視認可能な状態になる。第一実施形態では、階段の方向を指示する図案が視認されるように拡散溝35及び輪郭溝34が形成されている。
拡散溝35は、等間隔に規則的な平行線となるように0.5〜0.7ミリメートル幅の溝によって表示情報の輪郭の内側に形成される。輪郭溝34も拡散溝35と同様に形成される。拡散溝35及び輪郭溝34は、外周をレーザー加工した後に、溝の一端側から他端側まで直線状に複数回レーザー光を照射することにより、マイクロ単位の幅で形成される直線状の0.2ミリメートルから0.5ミリメートルのレーザー加工痕からなる細溝36を連結して形成される。例えば、はしごのような形状や作図の際に用いられるハッチング形状と似たような形状が溝内部に形成され、溝内部に複数の平行なレーザー加工痕が形成された粗面を形成することになる。最終的に溝全体が加工された幅0.5〜0.7ミリメートルの溝が形成される。なお、レーザー加工痕は、導光板10への入射光に対して、交差するように設けることが好ましい。例えば、側面から光が入射される場合には、レーザー加工痕は複数の垂直方向のハッチングか斜めのハッチングとなるように形成するとよい。光路とレーザー加工痕とが必ず交差することになり、レーザー加工痕を光の入射方向と平行に加工した場合と比較して、光がレーザー加工痕により屈折し易くなり、拡散溝35及び輪郭溝34をより明るく見せることができる。尚、図中の四角錐型拡散ドット21、平面型拡散ドット33、拡散溝35及び輪郭溝34の大きさは、作図の都合上、実際よりも大きく描いている。
非加工領域40は、導光板10の表面になんらの加工もされていない透明の領域であり、後方の物体を常に視認可能である。
以上のように作製された導光板10は、以下の効果を有する。遮蔽領域20は、導光板10に光が入射されていない状態では、後方からの光を四角錐型拡散ドット21によって多少の屈折させることはあるものの、図4に示すように四角錐型拡散ドット21及び四角錐型拡散ドット21の間の領域ともに後方側からの光を表側に通過させることができ、後方の物体(第1実施形態では椅子)を容易に視認することができる。なお、この際に後方の物体をより視認し易くするために、四角錐型拡散ドット21の表面は、滑面に形成することが好ましい。一方、導光板10の側面から光が入射されると、図5に示すように、複数の四角錐型拡散ドット21で入射光が屈折し、主に表面から光が導出され、遮蔽領域20を明るく照らし出すことになる。そのため、後方側の物体である椅子の光は、入射光からの導出された光の明るさによって認識しづらくなり、後方側の物体を視認しづらくすることができる。なお、図4及び図5は、模式的に表現したものであり、実際の見え方は光によるものであり、異なるものである。
表示領域30は、導光板10に光が入射されていない状態では、平面型拡散ドット33、拡散溝35、輪郭溝34のいずれも表面が粗面で形成されているので、平面型拡散ドット33、拡散溝35、輪郭溝34の表面は乱反射して曇りガラスのごとき、白濁した状態に視認されることになり、表示情報を視認することができる。一方、導光板10の側面から光が入射されると、平面型拡散ドット33、拡散溝35、輪郭溝34で光が屈折し、主に表面から光が導出され、表示情報を明るく照らし出すことになる。
非加工領域40は、光が入射した状態及び光が入射していない状態のいずれにおいても、透明な領域であり、常に後方の物体を視認可能とすることができる。
上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、四角錐型拡散ドット21は略四角錐形状に凹む凹部としたが、これに限定するものではなく、第1拡散ドットとしては、半球状の凹部、円錐状の凹部等種々の形態を採用することができる。これによっても上述の効果と同様の効果を得ることができる。また、必ずしも凹部である必要はなく、スクリーン印刷等によって、第1拡散ドットを盛り上がるように(凸状)に形成してもよい。
また、上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、四角錐型拡散ドット21の各辺の長さが0.6ミリメートル、深さが0.4ミリメートルであるとしたが、これに限定されるものではなく、四角錐型拡散ドット21の各辺の長さは、例えば、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルであっても良い。また、四角錐型拡散ドット21の深さは、例えば、0.4ミリメートル〜0.8ミリメートルであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う四角錐型拡散ドット21間のピッチが2.0ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約1.5ミリメートル〜約8.0ミリメートルのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。好ましくは、2.0ミリメートル〜6.0ミリメートルピッチとするとよい。かかる範囲に設定することによって、導光板10に光を入射した際に、各ピッチの間に光によってぼんやりとした状態になり、後方の物体の視認性を妨げ易くなる。
また、上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、同一形状の四角錐型拡散ドット21を設けるものとしたが、四角錐型拡散ドット21の形状及び大きさは、同一であっても良いし、異なっていても良い。例えば、光源から遠ざかるにつれて、四角錐型拡散ドット21の各辺を徐々に長くしたり、四角錐型拡散ドット21の深さを徐々に深くしたりしても良い。こうすれば、光源から近く光が強い位置では屈曲される光量が小さくなり、光源から遠ざかるにつれて屈曲される光量が大きくなるため、上述した実施形態の効果に加えて、四角錐型拡散ドット21の明るさを均等に見せることができる。
また、上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、裏面側にのみ四角錐型拡散ドット21を設けるものとしたが、図6に示すように、表面側に四角錐型拡散ドット21を設けても良い。表面側と裏面側の両面に四角錐型拡散ドット21を設けることで、導光板10の側面から光を入射した場合に、より後方の物体を見えづらくすることができる。この際に、表面側と裏面側の四角錐型拡散ドット21は、同一位置に設けても構わないが、図6に示すように、互い違いとなるように設けるとよい。互い違いに設けることによって、正面から視認した場合に非加工領域が小さくなるため、より後方の物体を見えづらくすることができる。なお、表面側と裏面側の第1拡散ドットの形状は同一であっても、異なっても良い。また、第1拡散ドットの大きさも表側と裏側で異なるものとしてもよい。
また、上述した第1実施形態では、第2拡散ドットとしての平面型拡散ドット33の直径の長さが0.8ミリメートルであるとしたが、これに限定されるものではなく、平面型拡散ドット33の直径の長さは、例えば、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルであっても良い。また、隣り合う四角錐型拡散ドット21間のピッチが1.2ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、1.0ミリメートル〜8.0ミリメートルのピッチとしてもよい。かかる範囲であれば、導光板の側面から光が入射していない状態でも表示情報を認識できる程度に視認することができる。
また、上述した第1実施形態では、拡散溝35として、垂直方向のレーザー加工痕による細溝を使用して説明したが、これに限定するものではなく、水平方向に形成した溝であってもよいし、斜めに形成した溝であってもよい。入射させる光の方向によって、適宜最適な方向の拡散溝35を選択することができる。
また、上述した第1実施形態では、拡散溝35の幅は、0.5〜0.7ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、拡散溝35の幅は、例えば、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う拡散溝35のピッチが2.0ミリメートルとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約2.0ミリメートル〜約8.0ミリメートルのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。好ましくは、2.0ミリメートル〜6.0ミリメートルピッチとするとよい。かかる範囲に設定することによって、導光板10に光を入射した際に、各ピッチの間に光によってぼんやりとした状態になり、後方の物体の視認性を妨げ易くなる。
また、上述した第1実施形態では、レーザー加工痕として0.2ミリメートルの幅のレーザー加工痕を採用したが、これに限定するものではなく、0.1〜0.8ミリメートルの範囲で適宜選択することができる。好ましくは、0.2〜0.5ミリメートルの幅のレーザー加工痕を採用するとよい。この範囲であれば、導光板10の側面から光が入射していない状態においても適度な視認性を有し、光を入射した際にも良好に明るく照らし出すことができる。
また、上述した第1実施形態では、輪郭溝34を形成するものとしているが、必ずしも輪郭溝34を形成しなくてもよい。
(第2実施形態)
次に、第1実施形態にかかる導光板10を使用した壁面案内板100について、図7、8を使用して詳細に説明する。ここで、図7は、壁面案内板100の構造の概略を示す正面図であり、図8は、図7のC−C断面図である。壁面案内板100は、図7及び図8に示すように、導光板10の表裏に配置される強化ガラス板110と、左右側面に配置される複数のLED121からなる2つのLED照明具120と、この導光板10、強化ガラス板110及びLED照明具120を左右から固定する枠体130と、導光板10を底面側で支持する支持台140とを備えている。
強化ガラス板110は、5mmの厚さを有する強化ガラス板であり、導光板10の表面が損傷するのを防止する機能を有する。
2つのLED照明具120は、複数のLED121が導光板10の側面に対応するように取り付けられていて、この2つのLED照明具120は、導光板10の左右の側面にそれぞれ対応するように配置されている。なお、2つのLED照明具120は、同一の光量を有するものとしてもよいし、異なる光量を有するものであってもよい。また、2つのLED照明具120のそれぞれの発光色を異ならせて、左右のいずれかを発光させることにより、導光板10から導出する光の色合いを変化させてもよい。
枠体130は、導光板10、強化ガラス板110及びLED照明具120を両側から固定するためのものである。枠体130で固定した後、支持台140を取り付けることによって、壁面案内板100とされる。
この壁面案内板100は、図示しない電源より供給された電力によってLED照明具120を点灯することができ、導光板10の側面から光を入射することができる。これにより、第1実施形態の導光板10と同様の効果を奏することができる。すなわち、つまり、光が入射している状態のときは、遮蔽領域20及び表示領域30のいずれも後方側を視認することが困難であるが、光が入射していない状態のときは、表示領域30以外の部分は後方の物体を視認することができる壁面案内板100とすることができる。
上述した第2実施形態では、LED照明具120を左右側面に設置するものとしたが、LED照明具120を支持台140に設けてもよい。
なお、本発明は上述した第1実施形態〜第2実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した第1実施形態〜第2実施形態では、導光板は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、透過性を有する素材であればメタクリル樹脂製に限定されるものでなく、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル樹脂以外にも、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル製樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の種々の素材を用いることができる。いずれの場合であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態で示すように、照明分野、特に照明用の導光板として利用することができる。
10…導光板、20…遮蔽領域、21…四角錐型拡散ドット、30…表示領域、30a…第1表示領域、30b…第2表示領域、33…平面型拡散ドット、34…輪郭溝、35…拡散溝、36…細溝、40…非加工領域、100…壁面案内板、110…強化ガラス板、120…LED照明具、121…LED、130…枠体、140…支持台

本発明は、導光板及び導光板を備えた壁面案内板に関する。
従来、表示情報を表示する壁面案内板として、透光性を有し微小な凹部からなる反射ドットを複数形成し、かつその側面に光源を配設した導光板、該導光板の背面に配設され導光板を透過する光を光電変換する太陽電池、該太陽電池の起電力を充電する二次電池、該二次電池から上記光源への通電を制御する制御手段を備えているものがある(特許文献1)。この壁面案内板によれば、反射ドットの配列が表示情報を表し、この反射ドットへ光を入射することで表示情報を表示する看板として使用することができる。
特開2002−328633号公報
しかしながら、上記の壁面案内板は、側面から光を入射した場合のみ表示機能を有し、側面からの光の導入がない場合は、表示機能を発揮させることができない。また、背面に太陽電池が配置されているため、この太陽電池によって後方側の視認性が損なわれるという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、導光板の側面から光を入射している場合、入射していない場合にかかわらず、表示情報を表示できる表示領域と、光が導光板の側面から入射していない場合は後方を視認可能であり、光が入射している場合は後方を視認しづらくなる遮蔽領域と、を有する導光板及び導光板を備えた壁面案内板を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の導光板は、側面から入射した光を主に表面から導出させる導光板であって、
半球状の凹部からなる複数の第1拡散ドットを有する遮蔽領域と、表示情報を表示するために表面が粗面で形成されて白濁した状態で視認される複数の拡散溝及び前記拡散溝の輪郭位置に設けられた輪郭溝を有する表示領域と、を備え、
光が側面から入射していない状態で遮蔽領域は後方の物体を視認可能である一方、前記表示領域は表示情報を視認可能であることを特徴とする。
本発明の導光板は、遮蔽領域と表示領域とを主として有する。遮蔽領域は、複数の第1拡散ドットを有するため、光が側面から入射している場合に複数の第1拡散ドットが光ることによって、後方の物体を視認させづらくすることができる。すなわち、複数の拡散ドットから導出される導出光、導光板後方から来る光を見えづらくすることによって後方の物体の視認性を低下させたものである。従って、導光板の後方に見せたくない物体がある場合に光を側面から入射させることで、後方の物体が視認される可能性を低減させることができる。一方で、光が側面から入射していない状態の場合には、第1拡散ドットは後方からの光を表面側へ透過させることによって、後方の物体を容易に視認することが可能である。従って、視認する人や時間等の条件により、導光板の後方を視認させたい場合と後方を視認させたくない場合の両方が存在する場所に本発明の導光板を設置すれば、光の入射の有無によって後方の視認性を切り替えることができる。また、表示領域は、表面が粗面で形成された第2拡散ドット又は拡散溝を有するため、光が側面から入射している場合には、表示領域を明るく照らし出すことができる。一方で、光が側面から入射していない状態の場合でも第2拡散ドット又は拡散溝は表面が粗面で形成されているため、表示領域のみが曇りガラスのような状態となり、表示領域を視認することが可能である。つまり、光が入射している状態のときは、遮蔽領域及び表示領域のいずれも後方側を視認することが困難であるが、光が入射していない状態のときは、表示領域以外の部分は後方の物体を視認することができるようになる。従って、後方を視認させたい場合と視認させたくない場合とを区別させることができるようになる。ここで、本発明の「表示情報」とは、複数の第2拡散ドット又は拡散溝の組み合わせによって、文字、記号、図形、模様等を表現したものをいう。
本発明の導光板において、前記第1拡散ドットは、2.0mm〜6.0mmピッチで配置されていてもよい。かかる範囲に設定することによって、第1拡散ドットの間をぼんやりと光ったように見せることができる。そのため、後方の物体をより視認しづらくすることができる。なお、本明細書又は特許請求の範囲において、拡散ドットの「ピッチ」とは、ドットの中心から隣り合う拡散ドットの中心までの距離をいい、拡散溝のピッチとは、拡散溝の中心線から隣り合う拡散溝の中心線までの距離をいう。
本発明の導光板において、前記第2拡散ドット内又は拡散溝内の表面は、複数の平行なレーザー加工痕で加工されていてもよい。第2拡散ドット又は拡散溝内の表面を粗面に形成する手段としてレーザー加工痕を用いることで、第2拡散ドット又は拡散溝内の表面を容易に粗面にすることができ、導光板の側面から光を入射していない状態においても第2拡散ドット又は拡散溝を表示することができ、結果として、表示領域を視認可能にすることができる。なお、レーザー加工痕は、細い溝状であってもよいし、細かいドット状であってもよい。
本発明の導光板において、前記第2拡散ドット内又は拡散溝内の表面は、0.2mm〜0.5mmの幅のレーザー加工痕からなる細溝で形成されていてもよい。0.2mm〜0.5mmのレーザー加工痕の細溝で第2拡散ドット又は拡散溝を作成することによって、導光板の側面から光を入射していない状態においても良好に視認可能な第2拡散ドット又は拡散溝とすることができ、結果として、光が入射していない状態でも視認容易な表示領域をとすることができる。
本発明の導光板において、前記第2拡散ドット内の表面は、超音波加工で粗面に形成されていてもよい。超音波加工によって、第2拡散ドットを形成することによって広範囲を一度に加工することができるので、導光板の成形時間を短縮させることができる。超音波加工で第2拡散ドットの表面を粗面化するには、時間や押圧時間を調整したり、第2拡散ドットを成形する際の超音波加工ホーンの先端をあらかじめ粗面に形成したりすることによって達成することができる。
本発明の導光板において、加工されていない非加工領域を含んでいてもよい。かかる構成を採用することによって、光が入射している場合及び光が入射していない状態の場合の両方の場合にも透明な領域を形成することができ、導光板のデザイン性の向上を図ることができる。
本発明の壁面案内板は、上述したいずれかの導光板と、導光板の側面から照射光を入射する複数のLED光源と、を備えた壁面案内板である。この壁面案内板によれば、上述したいずれかの導光板を備えているので、上述の導光板と同様の効果、すなわち、遮蔽領域と表示領域とを有する壁面案内板とすることができ、表示情報は常に表示させた状態にしつつ、後方の物体の視認性を良好にしたり、遮蔽したりすることができる壁面案内板を提
供することができる。
図1は、第1実施形態にかかる導光板10の構成の概略を示す正面図である。 図2は、第1実施形態にかかる導光板10を構成の概略を示す斜視図である。 図3は、図2のA部の拡大図及びB−B断面図である。 図4は、第1実施形態にかかる導光板10に光を入射していない状態での後方の物体の視認性の状態を模式的に表した図である。 図5は、第1実施形態にかかる導光板10に光を入射した場合に、後方の物体の視認性の状態を模式的に表した図である。 図6は、第1実施形態にかかる導光板10の両面側に四角錐型拡散ドットを設けた別実施形態を示す模式図である。 図7は、第2実施形態にかかる壁面案内板100の正面図である。 図8は、第2実施形態にかかる壁面案内板100のC−C断面図である。
ここで、上記で簡単に説明した図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本発明の構成要素と本実施の形態の構成要素との対応関係を明らかにする。第1実施形態においては、本発明の「第1拡散ドット」として四角錐型拡散ドット21を使用し、「第2拡散ドット」として平面型拡散ドット33を使用し、「LED光源」として、LED照明具120を使用した。
(第1実施形態)
図1から図3を用いて、第1実施形態にかかる導光板10の構成を詳しく説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態である導光板10の構成の概略を示す正面図であり、図2は、導光板10の構成の概略を示す斜視図である。図3は、図2のAの部分拡大図と、その一部の断面図である。
導光板10は、図1に示すように、厚さが8.0mm、高さが2240mm、幅が470mmの略直方体の板状に形成された高透過性を有するメタクリル樹脂製の板である。導光板10は、主として遮蔽領域20と表示領域30と非加工領域40とを備えている。なお、図1中の椅子は後方の物体として表現したものである。
遮蔽領域20は、図3に示すように、複数の四角錐型拡散ドット21が裏面に形成されている。四角錐型拡散ドット21は、略四角錐形状に凹む凹部であり、四角錐の底面に相当する位置が導光板10の裏面に位置するように設けられている。第1実施形態では四角錐型拡散ドット21の各辺の長さが約0.6mm、深さが約0.4mmであり、隣り合う四角錐型拡散ドット21間のピッチが2.0mmとしている。
四角錐型拡散ドット21は、先端面に四角錐型拡散ドット21を反転させた形状を有する加工ドットが縦横それぞれ4つずつマトリクス状に配置されている超音波加工ホーンを使用して、超音波加工によって形成される。すなわち、超音波加工用ホーンに超音波振動を印加し、導光板10の裏面に対して垂直に超音波加工用ホーンを押圧して、加工ドットの形状が反映された形状の四角錐型拡散ドット21を形成する。
表示領域30は、図1に示すように、第1表示領域30aと第2表示領域30bとを有する。第1表示領域30aは、任意のマークと一定の文字を表示情報として表しており、第2表示領域30bは、階段の方向を表示情報として表している。
第1表示領域30aは、それぞれ規則的に配置された複数の平面型拡散ドット33と、この平面型拡散ドット33の輪郭位置に設けられた輪郭溝34とが導光板10の裏面に形成されている。そのため、導光板10の側面から光が入射されると、複数の平面型拡散ドット33及び輪郭溝34で光が屈折し、主に表面から光が導出され、平面型拡散ドット33及び輪郭溝34を明るく照らし出して情報が視認可能な状態になる。第一実施形態では、所定のマークと「SKG」との文字が視認されるように平面型拡散ドット33及び輪郭溝34が形成されている。
平面型拡散ドット33は、図1に示すように、円形のドットで形成され、表面が粗面で形成されている。平面型拡散ドット33の表面は四角錐型拡散ドット21のように、凹状に形成されているものではなく、粗面ではあるものの、全体として平面状に形成される。この平面型拡散ドット33は、先端面に平面型拡散ドット33を反転させた形状を有する加工ドットが縦横それぞれ4つずつマトリクス状に配置されている超音波加工ホーンを使用して、超音波加工によって形成される。この際に、超音波加工ホーンの先端はあらかじめ粗面に形成されている。そのため、超音波加工用ホーンに超音波振動を印加することによって、加工ドットの粗面形状が反映された形状の平面型拡散ドット33を形成される。平面型拡散ドット33は、直径の長さが約0.8mmである。各拡散ドット間の間隔は1.2mmピッチに設けられている。四角錐型拡散ドット21と比較して、ピッチが短く形成されている。ピッチを短くして何も加工されていないピッチ間の領域を狭くすることよって、平面型拡散ドット33に光が入射されていない状態でも視認し易くすることができる。
輪郭溝34は、平面型拡散ドット33で表示した表示情報の輪郭位置に設けられており、後述する拡散溝35と同様に、複数のレーザー加工痕によって形成される。輪郭溝34を形成することで、表示情報の輪郭を明らかにし、表示情報を認識し易くすることができる。
第2表示領域30bは、それぞれ規則的に配置された拡散溝35と、この拡散溝35の輪郭位置に設けられた輪郭溝34とが導光板10の裏面に形成されている。そのため、導光板10の側面から光が入射されると、複数の拡散溝35及び輪郭溝34で光が屈折し、主に表面から光が導出され、拡散溝35及び輪郭溝34を明るく照らし出して情報が視認可能な状態になる。第一実施形態では、階段の方向を指示する図案が視認されるように拡散溝35及び輪郭溝34が形成されている。
拡散溝35は、等間隔に規則的な平行線となるように0.5mm〜0.7mm幅の溝によって表示情報の輪郭の内側に形成される。輪郭溝34も拡散溝35と同様に形成される。拡散溝35及び輪郭溝34は、外周をレーザー加工した後に、溝の一端側から他端側まで直線状に複数回レーザー光を照射することにより、マイクロ単位の幅で形成される直線状の0.2mm〜0.5mmのレーザー加工痕からなる細溝36を連結して形成される。例えば、はしごのような形状や作図の際に用いられるハッチング形状と似たような形状が溝内部に形成され、溝内部に複数の平行なレーザー加工痕が形成された粗面を形成することになる。最終的に溝全体が加工された幅0.5mm〜0.7mmの溝が形成される。なお、レーザー加工痕は、導光板10への入射光に対して、交差するように設けることが好ましい。例えば、側面から光が入射される場合には、レーザー加工痕は複数の垂直方向のハッチングか斜めのハッチングとなるように形成するとよい。光路とレーザー加工痕とが必ず交差することになり、レーザー加工痕を光の入射方向と平行に加工した場合と比較して、光がレーザー加工痕により屈折し易くなり、拡散溝35及び輪郭溝34をより明るく見せることができる。尚、図中の四角錐型拡散ドット21、平面型拡散ドット33、拡散溝35及び輪郭溝34の大きさは、作図の都合上、実際よりも大きく描いている。
非加工領域40は、導光板10の表面になんらの加工もされていない透明の領域であり、後方の物体を常に視認可能である。
以上のように作製された導光板10は、以下の効果を有する。遮蔽領域20は、導光板10に光が入射されていない状態では、後方からの光を四角錐型拡散ドット21によって多少の屈折させることはあるものの、図4に示すように四角錐型拡散ドット21及び四角錐型拡散ドット21の間の領域ともに後方側からの光を表側に通過させることができ、後方の物体(第1実施形態では椅子)を容易に視認することができる。なお、この際に後方の物体をより視認し易くするために、四角錐型拡散ドット21の表面は、滑面に形成することが好ましい。一方、導光板10の側面から光が入射されると、図5に示すように、複数の四角錐型拡散ドット21で入射光が屈折し、主に表面から光が導出され、遮蔽領域20を明るく照らし出すことになる。そのため、後方側の物体である椅子の光は、入射光からの導出された光の明るさによって認識しづらくなり、後方側の物体を視認しづらくすることができる。なお、図4及び図5は、模式的に表現したものであり、実際の見え方は光によるものであり、異なるものである。
表示領域30は、導光板10に光が入射されていない状態では、平面型拡散ドット33、拡散溝35、輪郭溝34のいずれも表面が粗面で形成されているので、平面型拡散ドット33、拡散溝35、輪郭溝34の表面は乱反射して曇りガラスのごとき、白濁した状態に視認されることになり、表示情報を視認することができる。一方、導光板10の側面から光が入射されると、平面型拡散ドット33、拡散溝35、輪郭溝34で光が屈折し、主に表面から光が導出され、表示情報を明るく照らし出すことになる。
非加工領域40は、光が入射した状態及び光が入射していない状態のいずれにおいても、透明な領域であり、常に後方の物体を視認可能とすることができる。
上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、四角錐型拡散ドット21は略四角錐形状に凹む凹部としたが、これに限定するものではなく、第1拡散ドットとしては、半球状の凹部、円錐状の凹部等種々の形態を採用することができる。これによっても上述の効果と同様の効果を得ることができる。また、必ずしも凹部である必要はなく、スクリーン印刷等によって、第1拡散ドットを盛り上がるように(凸状)に形成してもよい。
また、上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、四角錐型拡散ドット21の各辺の長さが0.6mm、深さが0.4mmであるとしたが、これに限定されるものではなく、四角錐型拡散ドット21の各辺の長さは、例えば、0.6mm〜1.5mmであっても良い。また、四角錐型拡散ドット21の深さは、例えば、0.4mm〜0.8mmであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う四角錐型拡散ドット21間のピッチが2.0mmとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約1.5mm〜約8.0mmのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。好ましくは、2.0mm〜6.0mmピッチとするとよい。かかる範囲に設定することによって、導光板10に光を入射した際に、各ピッチの間に光によってぼんやりとした状態になり、後方の物体の視認性を妨げ易くなる。
また、上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、同一形状の四角錐型拡散ドット21を設けるものとしたが、四角錐型拡散ドット21の形状及び大きさは、同一であっても良いし、異なっていても良い。例えば、光源から遠ざかるにつれて、四角錐型拡散ドット21の各辺を徐々に長くしたり、四角錐型拡散ドット21の深さを徐々に深くしたりしても良い。こうすれば、光源から近く光が強い位置では屈曲される光量が小さくなり、光源から遠ざかるにつれて屈曲される光量が大きくなるため、上述した実施形態の効果に加えて、四角錐型拡散ドット21の明るさを均等に見せることができる。
また、上述した第1実施形態では、第1拡散ドットとして、裏面側にのみ四角錐型拡散ドット21を設けるものとしたが、図6に示すように、表面側に四角錐型拡散ドット21を設けても良い。表面側と裏面側の両面に四角錐型拡散ドット21を設けることで、導光板10の側面から光を入射した場合に、より後方の物体を見えづらくすることができる。この際に、表面側と裏面側の四角錐型拡散ドット21は、同一位置に設けても構わないが、図6に示すように、互い違いとなるように設けるとよい。互い違いに設けることによって、正面から視認した場合に非加工領域が小さくなるため、より後方の物体を見えづらくすることができる。なお、表面側と裏面側の第1拡散ドットの形状は同一であっても、異なっても良い。また、第1拡散ドットの大きさも表側と裏側で異なるものとしてもよい。
また、上述した第1実施形態では、第2拡散ドットとしての平面型拡散ドット33の直径の長さが0.8mmであるとしたが、これに限定されるものではなく、平面型拡散ドット33の直径の長さは、例えば、0.6mm〜1.5mmであっても良い。また、隣り合う四角錐型拡散ドット21間のピッチが1.2mmとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、1.0mm〜8.0mmのピッチとしてもよい。かかる範囲であれば、導光板の側面から光が入射していない状態でも表示情報を認識できる程度に視認することができる。
また、上述した第1実施形態では、拡散溝35として、垂直方向のレーザー加工痕による細溝を使用して説明したが、これに限定するものではなく、水平方向に形成した溝であってもよいし、斜めに形成した溝であってもよい。入射させる光の方向によって、適宜最適な方向の拡散溝35を選択することができる。
また、上述した第1実施形態では、拡散溝35の幅は、0.5mm〜0.7mmとしたが、これに限定されるものではなく、拡散溝35の幅は、例えば、0.6mm〜1.5mmであっても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、隣り合う拡散溝35のピッチが2.0mmとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、約2.0mm〜約8.0mmのピッチとしてもよい。いずれの場合であっても、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。好ましくは、2.0mm〜6.0mmピッチとするとよい。かかる範囲に設定することによって、導光板10に光を入射した際に、各ピッチの間に光によってぼんやりとした状態になり、後方の物体の視認性を妨げ易くなる。
また、上述した第1実施形態では、レーザー加工痕として0.2mmの幅のレーザー加工痕を採用したが、これに限定するものではなく、0.1mm〜0.8mmの範囲で適宜選択することができる。好ましくは、0.2mm〜0.5mmの幅のレーザー加工痕を採用するとよい。この範囲であれば、導光板10の側面から光が入射していない状態においても適度な視認性を有し、光を入射した際にも良好に明るく照らし出すことができる。
また、上述した第1実施形態では、輪郭溝34を形成するものとしているが、必ずしも輪郭溝34を形成しなくてもよい。
(第2実施形態)
次に、第1実施形態にかかる導光板10を使用した壁面案内板100について、図7、8を使用して詳細に説明する。ここで、図7は、壁面案内板100の構造の概略を示す正面図であり、図8は、図7のC−C断面図である。壁面案内板100は、図7及び図8に示すように、導光板10の表裏に配置される強化ガラス板110と、左右側面に配置される複数のLED121からなる2つのLED照明具120と、この導光板10、強化ガラス板110及びLED照明具120を左右から固定する枠体130と、導光板10を底面側で支持する支持台140とを備えている。
強化ガラス板110は、5mmの厚さを有する強化ガラス板であり、導光板10の表面が損傷するのを防止する機能を有する。
2つのLED照明具120は、複数のLED121が導光板10の側面に対応するように取り付けられていて、この2つのLED照明具120は、導光板10の左右の側面にそれぞれ対応するように配置されている。なお、2つのLED照明具120は、同一の光量を有するものとしてもよいし、異なる光量を有するものであってもよい。また、2つのLED照明具120のそれぞれの発光色を異ならせて、左右のいずれかを発光させることにより、導光板10から導出する光の色合いを変化させてもよい。
枠体130は、導光板10、強化ガラス板110及びLED照明具120を両側から固定するためのものである。枠体130で固定した後、支持台140を取り付けることによって、壁面案内板100とされる。
この壁面案内板100は、図示しない電源より供給された電力によってLED照明具120を点灯することができ、導光板10の側面から光を入射することができる。これにより、第1実施形態の導光板10と同様の効果を奏することができる。すなわち、つまり、光が入射している状態のときは、遮蔽領域20及び表示領域30のいずれも後方側を視認することが困難であるが、光が入射していない状態のときは、表示領域30以外の部分は後方の物体を視認することができる壁面案内板100とすることができる。
上述した第2実施形態では、LED照明具120を左右側面に設置するものとしたが、LED照明具120を支持台140に設けてもよい。
なお、本発明は上述した第1実施形態〜第2実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した第1実施形態〜第2実施形態では、導光板は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、透過性を有する素材であればメタクリル樹脂製に限定されるものでなく、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル樹脂以外にも、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル製樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の種々の素材を用いることができる。いずれの場合であっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態で示すように、照明分野、特に照明用の導光板として利用することができる。
10…導光板、20…遮蔽領域、21…四角錐型拡散ドット、30…表示領域、30a…第1表示領域、30b…第2表示領域、33…平面型拡散ドット、34…輪郭溝、35…拡散溝、36…細溝、40…非加工領域、100…壁面案内板、110…強化ガラス板、120…LED照明具、121…LED、130…枠体、140…支持台

Claims (7)

  1. 側面から入射した光を主に表面から導出させることによって、後方の物体を視認しづらくする半球状の凹部からなる複数の第1拡散ドットを有する遮蔽領域と、表示情報を表示するために表面が粗面で形成されている複数の第2拡散ドット又は拡散溝を有する表示領域と、を備え、
    光が側面から入射していない状態で遮蔽領域は後方の物体を視認可能である一方、前記表示領域は表示情報を視認可能であることを特徴とする導光板。
  2. 前記第1拡散ドットは、2.0mmから6.0mmピッチで配置されていることを特徴とする請求項1記載の導光板。
  3. 前記第2拡散ドット内又は拡散溝内の表面は、レーザー加工痕で加工されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の導光板。
  4. 前記第2拡散ドット内又は拡散溝内の表面は、0.2mmから0.5mmの幅のレーザー加工痕からなる細溝で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の導光板。
  5. 前記第2拡散ドット内の表面は、超音波加工で粗面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の導光板。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の導光板において、
    加工されていない非加工領域を含むことを特徴とする導光板。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の導光板と、
    前記導光板の側面から照射光を入射する複数のLED光源と、
    を備えた壁面案内板。

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