JP2013023668A - エポキシ樹脂の変性方法及び接着剤組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂の変性方法及び接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】貯蔵安定性が良好で、かつ剥離強度を向上させた接着剤組成物及びエポキシ樹脂の変性方法を提供する。
【解決手段】本発明は、エポキシ樹脂(A)に、ジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性するエポキシ樹脂(A)の変性方法である。上記ジオール化合物(B)の数平均分子量が、70以上1300以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、貯蔵安定性が良好で、剥離強度を向上させた車両などの構造用接着剤として好適に用いることができる接着剤組成物及びエポキシ樹脂の変性方法に関する。
エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)、成形性等に優れている。そのため、従来より、エポキシ樹脂組成物は、電気・電子部品、自動車部品、電気機器、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)、スポーツ用品、構造用材料、塗料等の分野において様々な異なる基板を結合するための接着剤として広く使用されている。
このような接着剤に用いられるエポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂は固くて脆いため衝撃を受けると簡単に破壊してしまう。そのため、エポキシ樹脂の靱性を上げて破壊を抑制する方法として、例えば、第三級アミンの存在下に、アルコール類とエポキシ化合物を反応させてエポキシ樹脂を変性する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−175902号公報
しかしながら、特許文献1に記載の触媒を用いてエポキシ樹脂をジオール変性する方法で得られる変性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物を接着剤として用いた場合、貯蔵安定性が悪く剥離強度が低い、という問題があった。
本発明は、前記問題に鑑み、貯蔵安定性が良好で、かつ剥離強度を向上させた接着剤組成物及びエポキシ樹脂の変性方法を提供することを目的とする。
本発明は、次に示す(1)〜(4)である。
(1) エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性することを特徴とするエポキシ樹脂の変性方法。
(2) 前記ジオール化合物(B)の数平均分子量が、70以上1300以下であることを特徴とする上記(1)に記載のエポキシ樹脂の変性方法。
(3) エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性させた変性エポキシ樹脂を含むことを特徴とする接着剤組成物。
(4) 前記ジオール化合物(B)の数平均分子量が、70以上1300以下であることを特徴とする上記(3)に記載の接着剤組成物。
本発明によれば、変性されたエポキシ樹脂を含む接着剤組成物の貯蔵安定性が良好で、かつ剥離強度を向上させることができる。
図1は、実施例において用いた一対の試験片を示す斜視図である。 図2は、実施例において用いたT字型剥離試験片に関する、剥離強度と剥離距離との関係を示すグラフである。
以下、この発明について詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態に係る接着剤組成物(以下、「本実施形態の組成物」という。)は、エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性させた変性エポキシ樹脂を含む。
<変性エポキシ樹脂>
変性エポキシ樹脂は、錫触媒(C)の存在下で、エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を反応させて得られるものである。
[エポキシ樹脂(A)]
エポキシ樹脂(A)は、分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず使用することができる。エポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型のようなビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型のような多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;トリシクロデカン環を有するエポキシ化合物(例えば、ジシクロペンタジエンとm−クレゾールのようなクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる製造方法によって得られるエポキシ化合物)等を挙げることができる。エポキシ樹脂(A)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
構造用接着剤用途としてのエポキシ樹脂(A)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂からなる群から選ばれるのが好ましい。
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、エポキシ当量が180g/eq以上300g/eq以下の範囲内であるものが好ましい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、1種類を単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、株式会社ADEKA製、EP4100やダウ・ケミカル日本株式会社製、D.E.R331J等を使用することができる。
(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、エポキシ当量が150g/eq以上200g/eq以下の範囲内であるものが好ましい。ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、1種類を単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(ウレタン変性エポキシ樹脂)
ウレタン変性エポキシ樹脂は、分子中にウレタン結合と2個以上のエポキシ基とを有する樹脂であれば、その構造として特に限定されるものではない。ウレタン変性エポキシ樹脂は、エポキシ当量が200g/eq以上250g/eq以下の範囲内であるものが好ましい。ウレタン変性エポキシ樹脂は、1種類を単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。ウレタン変性エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、株式会社ADEKA社製、EPU78−11等を使用することができる。
(ゴム変性エポキシ樹脂)
ゴム変性エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2個以上有し、骨格がゴムであるエポキシ樹脂であれば特に制限されない。骨格を形成するゴムとしては、例えば、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、両末端にカルボキシル基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(カルボキシル基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム(carboxyl-terminated butadiene-nitrile:CTBN))、両末端にアミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(アミノ基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム(amino-terminated butadiene nitrile rubber:ATBN))、両末端にカルボキシル基およびアミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(カルボキシル末端及びアミノ基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム)などが挙げられる。ゴム変性エポキシ樹脂は、1種類を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。ゴム変性エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、CTBNゴム変性エポキシとして、DIC株式会社製、EPICLON TSR−960や株式会社ADEKA製、EPR4023等を使用することができる。
ゴム変性エポキシ樹脂は、エポキシ当量が200g/eq以上500g/eq以下の範囲内であるものが好ましい。
ゴム変性エポキシ樹脂はその製造について特に制限されない。例えば、多量のエポキシ中でゴムとエポキシとを反応させて製造することができる。ゴム変性エポキシ樹脂を製造する際に使用されるエポキシ(例えば、エポキシ樹脂)は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
なお、本実施形態において、ゴム変性エポキシ樹脂のエポキシ当量およびその添加量は製造時に用いる過剰のエポキシ樹脂が含まれるため“そのエポキシを含んだゴム変性エポキシ樹脂”としての量を示すものとする。
本実施形態においては、エポキシ樹脂(A)の他に、ゴム変性エポキシ樹脂を含むことができる。ゴム変性エポキシ樹脂は、油成分と馴染みやすい性質を有する。本実施形態に係る組成物はエポキシ樹脂(A)の他にゴム変性エポキシ樹脂を含むことで、油面を有する鋼板等に対して安定した接着性を維持することができる。
[ジオール化合物(B)]
ジオール化合物(B)としては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、アクリルジオール、ポリカーボネートジオール、その他のジオールのいずれであってもよい。また、これらのジオールは単独で使用しても複数を混合して使用してもよい。ジオール化合物(B)として、具体的には、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリエチレンエーテルジオール、ポリマーポリオール、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、シリコーンジオール等が挙げられる。また、天然系のヒマシ油を原料として得られるジオール化合物や松脂を原料とするロジン骨格のジオール(タッキファイヤー)等などを挙げることができる。ジオール化合物(B)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態のジオール化合物(B)は、ポリオール化合物に比べて、得られる組成物の貯蔵安定性に優れる。
本実施形態のジオール化合物(B)は、組成物の貯蔵安定性を良好に保ちつつ、剥離強度を向上させることができることから、数平均分子量が、70以上1300以下であることが好ましい。
ジオール化合物(B)の配合量としては、エポキシ樹脂中のグリシジル基(エポキシ基)と反応させる水酸基のモル比(グリシジル基(エポキシ基)/水酸基のモル比)が2以上50以下が好ましく、5以上20以下がさらに好ましく、7以上11以下が最も好ましい。具体的には、後述する錫触媒(C)を用いて、グリシジル基20molに対し水酸基が1mol以上4mol以下の割合で反応させると貯蔵安定性に優れ、かつ剥離強度が高い(強靭な)変性エポキシ樹脂が合成できる。
[錫触媒(C)]
本実施形態の組成物に含有する変性エポキシ樹脂を変性するために用いる錫触媒(C)(以下、「有機錫化合物」という)は、特に限定されない。本実施形態の錫触媒(C)は有機錫触媒であることが好ましい。有機錫化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ラウリン酸錫等の2価の錫のカルボン酸塩、ジブチル錫ジウラレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ベンゾエート等の4価の錫のカルボン酸塩、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ジアセチルアセトナートのようなキレート等が挙げられる。その他には、ジメチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ラウレート(DOTL)、第一錫オクテート、ジオクチル錫マレエート、ジブチル錫ジオレエート、ジフェニル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジアルキルスタノキサンジカルボキシレート、ジブチル錫ジメトキシドのようなジアルキル錫アルコラート、ジブチル錫シリケート、(ジアルキルスタノキサン)ジシリケート化合物等が挙げられる。なかでも、下記式(1)で表される2価のオクチル酸錫、下記式(2)で表される4価のジブチル錫ジラウレート、下記式(3)で表される6価のジブチル錫ジアセチルアセテートが好適に用いられる。これらの有機錫化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
Figure 2013023668
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本実施形態の組成物に含有する変性エポキシ樹脂を変性するために用いる錫触媒(C)は、組成物の貯蔵安定性を良好に保ちつつ、剥離強度を向上させることができることから、2価、4価または6価から選ばれる少なくとも一種の有機錫であるのが好ましい。
有機錫化合物の配合量は、反応するジオール化合物(B)の分子量と水酸基の反応性に大きく依存するが、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、1質量部以上3質量部以下がさらに好ましい。有機錫化合物の配合量が上記の範囲内であると、得られる変性エポキシ樹脂を含む組成物の貯蔵安定性に優れると共に接着剤組成物の硬化物の物性に優れる。
本実施形態において錫触媒(C)は、例えば、下記式(4)で表されるように、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ環を開環させ、ジオール化合物の水酸基と反応させる触媒である。また下記式(5)で表されるように、反応により得られる変性エポキシ樹脂は、ジオール化合物骨格を有するソフトセグメントが導入され、選択的に主鎖方向(直線方向)に反応が進むため、靱性を上げることができる。また錫触媒(C)により貯蔵安定性に優れる変性エポキシ樹脂を得ることができる。
Figure 2013023668
[エポキシ樹脂(A)の変性方法]
本実施形態に係るエポキシ樹脂(A)の変性方法は、エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性する方法である。具体的には上記のエポキシ樹脂(A)、ジオール化合物(B)及び錫触媒(C)を所定量入れて均一に混合し、加熱する方法である。これにより、エポキシ樹脂(A)のエポキシ環を開環させ、ジオール化合物(B)の水酸基と反応させることで、変性エポキシ樹脂が得られる。
本実施形態に係るエポキシ樹脂の変性方法で用いるジオール化合物(B)としては、数平均分子量が70以上1300以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂(A)とジオール化合物(B)とを反応させる温度としては、好ましくは60℃以上100℃以下、さらに好ましくは70℃以上90℃以下である。
エポキシ樹脂(A)とジオール化合物(B)とを反応させる時間としては、使用する錫触媒(C)と反応温度に依存するが、一般的には、好ましくは6時間以上48時間以下、さらに好ましくは12時間以上24時間以下である。
一般にアルコール性水酸基とエポキシ基との反応触媒には、例えば特開平10−175902号公報に開示される3級アミン、特に、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7)をもちいるが、これらの第三級アミンを用いた場合、エポキシ樹脂(A)とポリオール(ジオール)化合物が三次元的に架橋を起こしてしまうことがあるため、得られる変性エポキシ樹脂は固いものとなっていた。また反応するポリオールによっては粘度の上昇がおきたり、貯蔵中に硬化したりする欠点があった。これに対し、本実施形態の組成物のように触媒として錫触媒(C)を用いることで、上記式(5)で表されるように、エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)骨格(ソフトセグメント)が主鎖方向(横方向)に導入されるため、得られる変性エポキシ樹脂は、低粘度でかつ貯蔵安定性に優れ、さらに靱性を上げることができる。
本実施形態に係る組成物は、上記のエポキシ樹脂(A)の変性方法で得られた変性エポキシ樹脂と添加剤とを混合することにより得ることができる。本実施形態の組成物は、変性エポキシ樹脂の他に、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、硬化剤、可塑剤、充填剤、反応性希釈剤、硬化促進剤(触媒)、チクソトロピー性付与剤、シランカップリング剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、乾性油、接着性付与剤、分散剤、脱水剤、紫外線吸収剤、溶剤などの各種添加剤等が挙げられる。これらの中の2種類以上を含有してもよい。
硬化剤は、特に限定されず、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる公知の硬化剤を用いることができる。硬化剤としては、アミン、酸無水物、ノボラック樹脂、フェノール、メルカプタン、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾールなどが挙げられる。これらの中でも、アミン型の硬化剤が好ましい。アミン型の硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミンなど、およびそれらの異性体、変性体を用いることができる。具体的には、例えば、下記式(6)で表されるジシアンジアミド、4,4−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾールのような下記式(7)で表されるイミダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジアミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、メラミン、グアナミン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ポリチオールなどを用いることができる。これらのなかでも、自動車の製造ラインなどで用いられる構造用接着剤用途としては、作業性の観点から使用する直前に主剤と硬化剤を混合する2成分タイプや、環境面からケチミンなどの湿気にてケトンとアミンとに分解して架橋するタイプの1成分系湿気硬化型より架橋アミンを溶融して硬化させる加熱硬化タイプの1液型接着剤が好適に用いられる。溶融架橋アミンとしては、貯蔵安定性に優れるため下記式(6)で表されるジシアンジアミド(DICY)が好適に用いられる。また更にはその用途に応じては架橋アミンと促進触媒としての機能を有するイミダゾールおよびその誘導体が好適に用いられる。イミダゾールとしては、具体的には、例えば、2−ウンデシルイミダゾール(C11Z)、2−ペプタデシルイミダゾール(C17Z)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、1,2−ジメチルイミダゾール(1,2DMZ)などが挙げられる。またDICYと上記イミダゾールもしくは、その誘導体と併用することもできる。
Figure 2013023668
Figure 2013023668
(上記式(7)中、Rは鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
硬化促進剤は、本実施形態の組成物を硬化させるための縮合触媒である。硬化促進剤は、硬化剤として用いられるジシアンジアミドの硬化反応を促進する効果を有する。本実施形態の組成物に用いられる硬化促進剤は、ジシアンジアミドの硬化反応を促進する効果を有するものであれば特に限定されるものではなく、従来公知の硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤として、例えば、1,1’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)、フェニル−ジメチル尿素、メチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、下記式(8)で表される3−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素等の尿素誘導体、三級アミン、イミダゾール化合物、フェニルジメチルウレア(PDMU)等のウレア化合物、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体等のアミン錯体などが挙げられる。これらのなかでも下記式(8)で表される3−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチル尿素(DCMU)が好適に用いられる。硬化促進剤は、上記の中の1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2013023668
本実施形態の組成物中における硬化剤の含有量は特に限定されず、最適な量は硬化剤の種類によって異なる。例えば従来公知である各硬化剤ごとの最適量を好ましく用いることができる。この最適量は、例えば「総説 エポキシ樹脂 基礎編」(エポキシ樹脂技術協会、2003年発行)の第3章に記載されている。
本実施形態の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法で製造することができる。例えば、変性エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤および必要に応じてその他の成分を所定量配合し、室温で均質に混合することで得ることができる。
このように、本実施形態の組成物は、エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性させた変性エポキシ樹脂を含む接着剤組成物である。錫触媒(C)の存在下で、ジオール化合物(B)をエポキシ樹脂(A)に反応させることで得られる変性エポキシ樹脂を含むことにより本実施形態の組成物から得られる硬化物の靱性を上げることができると共に、剥離強度を向上させることができる。
本実施形態の組成物は、エポキシ樹脂(A)に、ジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性したエポキシ樹脂を含み、ジオール化合物(B)を適宜選択することにより、特に油面接着に優れる接着剤組成物を得ることができる。
本実施形態の組成物は、エポキシ樹脂(A)に、ジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性したエポキシ樹脂を含むことにより貯蔵安定性に優れる。特に、数平均分子量が小さい(数平均分子量70以上150以下)ジオール化合物を用いてエポキシ樹脂(A)を変性した場合、特開平10−175902号公報で示されるDBUなどの3級アミンを用いて変性するより貯蔵安定性に優れた接着剤組成物を得ることができる。
本実施形態の組成物は剥離強度に優れることから、本実施形態の組成物は構造用接着剤として好ましく用いることができる。ここで「構造用接着剤」とは、長時間大きな荷重がかかっても接着特性の低下が少なく、信頼性の高い接着剤(JIS K6800)である。例えば、自動車や車両(新幹線、電車)、土木、建築、エレクトロニクス、航空機、宇宙産業分野の構造部材の接着剤として用いることができる。本実施形態の組成物は、特に自動車や車両(新幹線、電車)などの自動車構造用接着剤や車両構造用接着剤として好適に用いることができる。
また、本実施形態の組成物は構造用接着剤のほかに一般事務用、医療用、炭素繊維、電子材料用などの接着剤としても用いることができる。電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、光学部品接合用接着剤、光ディスク貼り合わせ用接着剤、プリント配線板実装用接着剤、ダイボンディング接着剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
また、本実施形態の組成物は接着剤として用いる他に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般用途向けの物品にも用いることができる。例えば、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤、フラットパネルディスプレー用シール剤、繊維の結束剤等が挙げられる。
以上、本発明のエポキシ樹脂の変性方法及び接着剤組成物について詳細に説明したが、本発明は上記の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種の変更および改良を行ってもよい。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<変性エポキシ樹脂の合成>
表1に示すウレタン変性エポキシ樹脂(A1)、ジオール(B1〜B4)、錫触媒(C1)又はDBU(3級アミン)を同表に示す添加量(質量部)で配合し、これらを均一に混合した後、90℃で12時間反応させて変性エポキシ樹脂(A)−1を合成した。
表2に示すゴム変性エポキシ樹脂(A2)、ジオール(B2)、錫触媒(C2)又はDBU(3級アミン)を同表に示す添加量(質量部)で配合し、これらを均一に混合した後、70℃で24時間反応させて変性エポキシ樹脂(A)−2を合成した。
表3に示すビスフェノールA型エポキシ樹脂(A3)、ジオール(B5、B7)、ポリオール(B6)、錫触媒(C2、C3)又はDBU(3級アミン)を同表に示す添加量(質量部)で配合し、これらを均一に混合した後、70℃で12時間以上24時間以下反応させて変性エポキシ樹脂(A)−3を合成した。
<接着剤組成物の作製>
上記で合成して得られた各変性エポキシ樹脂(A)−1、(A)−2を20℃で24時間放置した後、硬化剤1、硬化促進剤(触媒)及び添加剤(カーボンブラック)を各表1、表2に示す添加量(質量部)で配合し、均一に混合して表1、表2に示される各接着剤組成物を作製した。各々の実施例、比較例における各成分の添加量(質量部)を表1、表2に示す。
また、上記で合成して得られた変性エポキシ樹脂(A)−3を20℃で24時間放置した後、硬化剤1、硬化剤2、硬化促進剤(触媒)を表3に示す添加量(質量部)で配合し、均一に混合して表3に示される各接着剤組成物を作製した。各々の実施例、比較例における各成分の添加量(質量部)を表3に示す。
<T字型剥離試験片の作製>
図1は、実施例において用いた一対の試験片を示す斜視図である。図1に示す2枚の非油面鋼板(表1、表3に示す試験体)又は油面鋼板(表2に示す試験体)(縦25mm×横200mm×厚さ10mm)の接着面に、接着剤組成物の厚さを0.01mmから0.1mmに調整する目的で、スペーサとして直径0.03mmから0.05mmの針金を複数本設けた。次いで、当該接着面に、表1に示す実施例1〜4及び比較例1〜3の接着剤組成物、表2に示す実施例5及び比較例4の接着剤組成物、表3に示す実施例6〜9及び比較例5〜9の各接着剤組成物をそれぞれ塗布し、これら非油面鋼板又は油面鋼板を同図に示すように中心線を合わせて接着面がずれないように貼り合せ、紙ばさみ(鉄製のクリップ)で圧着固定してT字型剥離試験片を作製した。さらに、T字型剥離試験片からはみ出した接着剤組成物を拭き取った後、加熱炉の中に入れ、炉内雰囲気を170℃として20分間加熱して硬化させた。
<評価>
表1〜3に示す各実施例および比較例の接着剤組成物を用いて貼り合せたT字型剥離試験片に対して、それぞれ、剥離強度を測定し、剥離試験における破壊形態を目視で観察した。また貯蔵安定性の評価を以下に示す方法で行った。
剥離強度の評価は、上記の条件で硬化させた試験片を加熱炉から取り出し、20℃、65%RHの恒温室で24時間以上放置後、紙ばさみを取り除き、強度を測定した。
剥離強度の測定方法は、T字型剥離試験片の長軸を引張試験機の中心線に揃え、その荷重が正しくその線上に通るように、当該試験片の両端が40mmとなる部分X、Y(図1参照)を引張試験機の試験片保持具で十分に固定した。次いで、引張速度5mm/分の条件下で引張試験を行った。
(剥離強度)
剥離強度の評価は、強度測定により得られた剥離強度(N/25mm)に関するチャートの読み値により当該強度を決定した。図2は、実施例において用いたT字型剥離試験片に関する、剥離強度と剥離距離との関係を示すグラフである。剥離強度は、図2に示すように、剥離距離の増大に伴い一旦最大値を示し、その直後に急激に減少し、さらに一定値を示す。本実施例における剥離強度は、上記の一定値の値を読み取って剥離強度とした。剥離強度の評価結果を「表1〜表3」に示す。
(破壊形態)
破壊形態の評価は、接着面積に対する接着剤組成物の凝集破壊(CF)面積の割合(%)により行い、CFの割合が高いほど接着性に優れると評価した。例えば、接着面の面積に対して接着剤組成物の凝集破壊の面積の割合が80%であった場合を「CF80」と表記し、凝集破壊の面積の割合が100%であった場合を「CF100」と表記した。破壊形態の評価結果を「表1〜表3」に示す。
(貯蔵安定性)
貯蔵安定性の評価は、各接着剤組成物を、40℃10%RH以下に調整されたオーブン中に14日間養生後、各接着剤組成物の状態を確認した。
接着剤が被着体に塗布可能な状態を:○、粘度上昇が激しく塗布が困難な状態を:増粘、接着剤が固まっている状態を:固化、と表記した。貯蔵安定性の評価結果を「表1〜表3」に示す。
Figure 2013023668
Figure 2013023668
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上記表1〜表3に示される各成分は、以下のとおりである。
・ウレタン変性エポキシ樹脂(A1):商品名「EPU78−11」、エポキシ当量220g/eq、株式会社ADEKA社製
・CTBNゴム変性エポキシ樹脂(A2):商品名「EPICLON TSR−960」、エポキシ当量240g/eq、DIC株式会社製
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A3):商品名「D.E.R331J」、エポキシ当量180g/eq、ダウ・ケミカル日本株式会社製
・ジオール(B1):1−4ブタンジオール、数平均分子量90
・ジオール(B2):ポリエーテルジオール(商品名「サニックスPP−200」、数平均分子量200、三洋化成工業株式会社製)
・ジオール(B3):ポリエーテルジオール(商品名「サニックスPP−400」、数平均分子量400、三洋化成工業株式会社製)
・ジオール(B4):ポリエーテルジオール(商品名「サニックスPP−600」、数平均分子量600、三洋化成工業株式会社製)
・ジオール(B5):ポリエーテルジオール(商品名「EXCENOL720」、数平均分子量700、旭硝子株式会社製)
・ポリオール(B6):4官能ポリオール(商品名「EXCENOL450ED」、数平均分子量500、旭硝子株式会社製)
・ジオール(B7):ポリブタジエンジオール(ポリブタジエン骨格末端OH)(商品名「PolyR−15」、数平均分子量1250、出光石油化学株式会社製)
・錫触媒(C1):オクチル酸錫(2価の有機錫化合物);商品名「ネオスタンU−28」、日東化成株式会社製
・錫触媒(C2):ジブチル錫ジラウレート(4価の有機錫化合物);商品名「ネオスタンU−100」、日東化学株式会社製
・錫触媒(C3):ジブチル錫ビスアセチルアセテート(6価の有機錫化合物);商品名「ネオスタンU−220H」、日東化学株式会社製
・DBU(3級アミン):1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(商品名「DBU」、サンアプロ株式会社製)
・硬化剤1:ジシアンジアミド(商品名「DICY15」、ジャパンエポキシレジン社製)
・硬化剤2:2−ペプタデシルイミダゾール(商品名「C17Z」、四国化成工業株式会社製)
・硬化促進剤:3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチルウレア(商品名「DCMU」、ジャパンエポキシレジン社製)
・カーボンブラック:商品名「MA600」、三菱化学株式会社製
表1に示す結果から明らかなように、ウレタン変性エポキシ樹脂(A1)を2価の錫触媒(C1)で変性したエポキシ樹脂を含む実施例1から4の各接着剤組成物は、引張試験において、非油面鋼板に対する剥離強度が100N/25mm以上であって、しかも破壊形態がCF100であった。また貯蔵安定性も良好であった。よって実施例1から4の接着剤組成物は、貯蔵安定性が良好で、かつ剥離強度に優れることが確認された。
これに対して、DBU(3級アミン)で変性したエポキシ樹脂を含む比較例1〜3は、破壊形態はCF100であったが、非油面鋼板に対する剥離強度が30N/25mm以下であり、実施例1〜4と比較して十分な剥離強度が得られていない。また比較例1、2は貯蔵安定性に劣っていた。
よって、これらの結果から、錫触媒(C1)で変性したエポキシ樹脂を含むことにより貯蔵安定性が良好で、かつ非油面鋼板に対する剥離強度が向上すると考えられる。実施例1〜4を比較すると、実施例4は、実施例1、2、3より非油面鋼板の被着体に対して剥離強度に優れる。これは、エポキシ樹脂(A)に導入されるポリオール骨格(ソフトセグメント)の数平均分子量が600程度であり、変性エポキシ樹脂の靱性を上げるのに寄与しているためと考えられる。その結果、剥離強度が向上したといえる。
表2に示す結果から明らかなように、ゴム変性エポキシ樹脂(A2)を4価の錫触媒(C2)で変性したエポキシ樹脂を含む実施例5は、油面鋼板に対する剥離強度が210N/25mmであって、しかも破壊形態がCF100であった。また貯蔵安定性も良好であった。よって実施例5の接着剤組成物は、貯蔵安定性が良好で、かつ剥離強度に優れることが確認された。
これに対して、DBU(3級アミン)で変性したエポキシ樹脂を含む比較例4は、油面鋼板に対する剥離強度が90N/25mmであり、実施例5と比較して十分な剥離強度が得られないことが確認された。またDBUで変性したエポキシ樹脂を含む比較例4は貯蔵安定性が悪いことが確認された。よって、これらの結果から、錫触媒(C2)で変性したエポキシ樹脂を含むことにより貯蔵安定性が良好で、かつ油面鋼板に対する剥離強度が向上すると考えられる。
表3に示す結果から明らかなように、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A3)を、4価の錫触媒(C2)および6価の錫触媒(C3)変性したエポキシ樹脂を含む実施例6から9は非油面鋼板に対する剥離強度が100N/25mm以上であって、しかも破壊形態がCF100であった。また4価の錫触媒(C2)およびで6価の錫触媒(C3)で変性した分子量が大きい1級OH基をもつポリブタジエンジオールである実施例8、実施例9は、非油面鋼板に対する剥離強度が140N/25mm以上であり十分な強度が得られた。また実施例6から9は何れも貯蔵安定性が良好であった。よって実施例6から9の接着剤組成物は、貯蔵安定性が良好で、かつ剥離強度に優れることが確認された。
これに対して、DBU(3級アミン)で変性したエポキシ樹脂を含む比較例6、7、9は、破壊形態はCF100であったが、非油面鋼板に対する剥離強度が50N/25mm以下であり、実施例6から9と比較して十分な剥離強度が得られていない。また比較例7、8は貯蔵安定性に劣っていた。ジオール(B5、B7)以外のポリオール(B6)を用いた比較例8は剥離強度においては100N/25mmと十分な強度が出ているものの貯蔵安定性が悪い。比較例5、はジオール変性をしなかったときのビスフェノールA型エポキシ樹脂(A3)の剥離強度を示し、比較例6は、DBUで変性したときの剥離強度を示している。よって、これらの結果から、ジオール変性を行わない比較例5は剥離強度が低いこと、DBU変性した比較例7は貯蔵安定性が悪いことが確認された。
以上の表1〜表3の結果から、本実施形態の組成物は貯蔵安定性に優れ、なおかつ、非油面及び油面接着に対する剥離強度の向上が見られ、接着性に優れるといえる。
よって、本発明のエポキシ樹脂(A)の変性方法で得られた変性エポキシ樹脂を含む接着剤組成物は、油面鋼板、非油面鋼板のいずれの被着体に対しても剥離強度を向上することができ、剥離強度に優れることが分かった。また貯蔵安定性も良好であることが分かった。従って、本発明のエポキシ樹脂(A)の変性方法で得られた変性エポキシ樹脂を含む接着剤組成物の硬化物は、安定して高い剥離強度を有することから、信頼性の高い接着剤、特に構造用接着剤を得ることができる。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性することを特徴とするエポキシ樹脂の変性方法。
  2. 前記ジオール化合物(B)の数平均分子量が、70以上1300以下であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂の変性方法。
  3. エポキシ樹脂(A)にジオール化合物(B)を錫触媒(C)を用いて変性させた変性エポキシ樹脂を含むことを特徴とする接着剤組成物。
  4. 前記ジオール化合物(B)の数平均分子量が、70以上1300以下であることを特徴とする請求項3に記載の接着剤組成物。
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