JP4755134B2 - エポキシ樹脂用硬化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、反応性が十分高いエポキシ樹脂用硬化剤に関し、詳しくは、硬化促進剤を併用することがなく、低温でも反応が可能なため、着色の少ない硬化物を得ることができるエポキシ樹脂用硬化剤に関する。
従来、ポリオキシアルキレンポリアミンを硬化剤として得られたエポキシ樹脂は、可撓性、耐水性、耐薬品性等に優れるため、電着塗料をはじめとする塗装材、接着剤、シーリング材等、広い工業分野において利用されている。
ポリオキシアルキレンポリアミンを硬化剤として用いた場合は、一般に反応性が低いため、エポキシ化反応温度を100℃以上にする必要がある。(例えば特許文献1、2)。しかしながら、100℃以上で反応させた場合、得られたエポキシ樹脂は着色するという問題がある。
100℃以下の低温でも十分反応性を高くするため、硬化剤に、さらに2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリアルキレンポリアミン等の硬化促進剤を併用する方法がある(例えば特許文献3、4)。
しかしながら、硬化促進剤を用いた場合も、着色の問題が残っている。
特開平10−120759号公報 特開2006−199863号公報 特開昭62−215624号公報 特開2001−151862号公報
そこで、硬化促進剤を用いることがなく、低温であっても十分反応性が高いため可撓性、耐水性、密着性に優れ、その一方、着色のない硬化物を得ることができるポリオキシアルキレンポリアミン系のエポキシ樹脂用硬化剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、特定の化学構造のポリオキシアルキレンポリアミンを用いることにより、硬化促進剤を併用しなくとも低温でも優れた物性のエポキシ樹脂を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレントリアミン(A)、および下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレントリアミン(B)を必須成分とし、(A)/(B)のモル比が97/3〜60/40であって、該ポリオキシアルキレントリアミン(A)および(B)のオキシアルキレン鎖中のオキシプロピレン基/オキシエチレン基のモル比が70/30〜100/0であることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤(C);エポキシ樹脂用硬化剤(C)と、エポキシ樹脂(D)からなることを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物(E);並びにこの熱硬化性エポキシ樹脂組成物からなる塗膜である。
[式(1)と(2)中、R1、R2は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキレン基を表わし、AOはオキシアルキレン基を表す。m、n、kはアルキレンオキシドの平均付加モル数を表し、それぞれ1〜100の数である。]
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を用いることにより、低温であっても可撓性、耐水性、密着性に優れ、着色のないエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明は、上記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレントリアミン(A)と上記一般式(2)で表わされるポリオキシアルキレントリアミン(B)を必須成分とするエポキシ樹脂用硬化剤である。そして、上記の(A)/(B)のモル比が97/3〜60/40であり、さらに、ポリオキシアルキレントリアミン(A)の分子中のオキシアルキレン鎖中のオキシプロピレン基/オキシエチレン基のモル比は70/30〜100/0であることを特徴としている。同様に、ポリオキシアルキレントリアミン(B)のオキシアルキレン鎖中のオキシプロピレン基/オキシエチレン基のモル比も70/30〜100/0である。
上記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレントリアミン(A)は、従来のポリオキシアルキレンポリアミンに比べ、ポリグリシジルエーテルのエポキシ基との反応性が高い。よって、ポリオキシアルキレントリアミン(A)をエポキシ樹脂用硬化剤として用いると、低温にてエポキシ樹脂硬化物を製造できる。
しかし、ポリオキシアルキレントリアミン(A)は反応性が高いために、(A)を単独でエポキシ樹脂用硬化剤として硬化させて塗膜にすると、塗膜にヒビが発生してしまうため、塗料としての利用は難しい。これは、一級アミノ基とエポキシ基との反応性が極端に高いため、分子末端に一級アミノ基を2つ有しているポリオキシアルキレントリアミン(A)単独では、局所的に高分子量化が起こり、その部分の凝集力が周囲に比べて大きくなり、塗膜にヒビが発生したと考えられる。
本発明のポリオキシアルキレントリアミン(A)にポリオキシアルキレントリアミン(B)を適量併用することにより、塗膜にした時にヒビが発生しなくなり、エポキシ樹脂用硬化剤として使用した際に有用である。
しかし、ポリオキシアルキレントリアミン(A)とポリオキシアルキレントリアミン(B)とのモル比が60/40〜0/100であると、ポリオキシアルキレントリアミン(B)の反応性が低いため、硬化物を得るのに長時間を要してしまい、実用的ではない。
したがって、ポリオキシアルキレントリアミン(A)とポリオキシアルキレントリアミン(B)とのモル比は97/3〜60/40、好ましくは96/4〜70/30、さらに好ましくは95/5〜75/25である。(A)/(B)のモル比を97/3〜60/40にすることにより、低温でエポキシ樹脂と反応させた際に良好な塗膜となるエポキシ樹脂硬化剤が得られる。
一般式(1)と(2)中、AOはオキシアルキレン基を表し、本発明のオキシアルキレン基とはオキシプロピレン基またはオキシエチレン基である。
式(1)で表される、ポリオキシアルキレントリアミン(A)のオキシアルキレン鎖中のオキシプロピレン基/オキシエチレン基のモル比は、通常70/30〜100/0、好ましくは90/10〜100/0、さらに好ましくは100/0(オキシプロピレン基単独)である。
オキシプロピレン基/オキシエチレン基のモル比が0/100〜70/30の範囲では、ポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂と反応させて塗膜とした場合に耐水性が悪くなるため好ましくない。
ポリオキシアルキレントリアミン(A)の製造方法については特に限定されないが、本発明のポリオキシアルキレントリアミン(A)は、後述するように、原料のトリアミン(a)を予め、過剰量のケトンの存在下、加熱、脱水を行い1級アミノ基をケチミン基にすることによりケチミンブロックしておき、これにプロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドを併用して付加反応する。その後過剰量の水を加えて加熱、攪拌しながら加水分解し、生成するケトンと過剰量の水を除去することにより得ることができる。
プロピレンオキシドとエチレンオキシドを併用する場合、その付加様式としては、ブロック付加でも、ランダム付加でも、プロピレンオキシド付加後にプロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム付加を行う等のブロック付加とランダム付加の混合系でもよい。
式(1)におけるmは、ケチミンブロックしたトリアミン(a)の2級アミノ基へのプロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの合計の平均付加モル数であり、通常1〜70、好ましくは4〜50である。
平均付加モル数が高すぎるとエポキシ樹脂用硬化剤の粘度が上昇し、低温での扱いが困難になり好ましくない。
式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキレン基を表わす。炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基があげられる。好ましくはエチレン基、1,3−プロピレン基である。さらに好ましくはエチレン基である。
式(2)で表される、ポリオキシアルキレントリアミン(B)のオキシアルキレン鎖中のオキシプロピレン基/オキシエチレン基のモル比もポリオキシアルキレントリアミン(A)の場合と同じく、通常70/30〜100/0、好ましくは90/10〜100/0、さらに好ましくは100/0(オキシプロピレン基単独)である。
式(2)におけるnは、ケチミンブロックしたトリアミン(a)の2級アミノ基へのプロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの合計の平均付加モル数であり、通常1〜70、好ましくは4〜50である。
また、kは、ケチミンブロックしたトリアミン(a)の1級アミノ基へのプロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの合計の平均付加モル数であり、通常1〜70、好ましくは4〜50である。
これらの平均付加モル数が高すぎるとエポキシ樹脂用硬化剤の粘度が非常に高くなり、低温での扱いが困難になり好ましくない。
式(2)中、R1、R2は、式(1)で説明したものと同様である
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤の全アミン価は、通常30〜600であり、好ましくは50〜500、さらに好ましくは65〜400の数である。全アミン価が30未満であるとエポキシ樹脂用硬化剤の粘度が非常に高すぎるため、低温での扱いが困難になり好ましくない。また、全アミン価が600を超えると、得られる塗膜の可撓性(耐屈曲性)が悪くなるため好ましくない。
なお、全アミン価とは、試料1g中のアミンを中和するのに要する過塩素酸と等量の水酸化カリウムのmg数であり、試料中に含まれるアミンの含有量を表す。全アミン価はJIS K 7237(1995)に準拠して測定する。
ポリオキシアルキレントリアミン(A)と(B)とのモル比については、エポキシ樹脂用硬化剤(C)の全アミン価と3級アミン価を測定することにより、以下の計算式により求めることができる。
(A)/(B)=[2Ta−3T3]/[3T3−Ta
ただし、T3=3級アミン価、Ta=全アミン価とする。
なお、3級アミン価とは、試料1g中の3級アミンを中和するのに要する過塩素酸と等量の水酸化カリウムのmg数であり、試料中に含まれる3級アミンの含有量を表す。3級アミン価(第3アミノ基窒素含有量)はJIS K 7245(2000)に準拠して測定する。
ポリオキシアルキレントリアミン(A)および(B)の製造方法については特に限定
されないが、下記の(i)〜(iii)の工程を経て製造する方法が挙げられる(例えば、特開平1−249748号公報)。
(i)原料のトリアミン(a)中には、1級アミノ基が2個、2級アミノ基が1個含まれ
る。ケトン化合物の存在下、加熱、脱水を行うことにより、1級アミノ基のみをケチミン基にする。
(ii)アルキレンオキシドを反応することにより、2級アミノ基にオキシアルキレン基を
付加させる。
(iii)水と反応させることにより、ポリオキシアルキレントリアミン化合物の保護されているケチミン基の部分の脱保護を行い、1級アミノ基にする。
ポリオキシアルキレントリアミン(A)のみを製造する場合は、上記の製造工程(i)
において、トリアミンの2個の1級アミノ基に対して大過剰のケトン化合物を投入し、2個すべての1級アミノ基が保護されるようにしてから、工程(ii)、(iii)を行えばよい
また、以下の方法にて、ポリオキシアルキレントリアミン(B)を製造することができる。
上記のポリオキシアルキレントリアミンの製造工程(i)において、ケトン化合物の投
入量を少なくすることにより、原料のトリアミン(a)の2つの1級アミノ基のうち、1つのみをケチミン基にて保護させた化合物を製造する。この化合物にアルキレンオキシドを反応させる。その後、水と反応させることにより、ポリオキシアルキレントリアミン化合物の保護されているケチミン基の部分の脱保護を行い、ポリオキシアルキレントリアミン(B)を製造する。
また、上記のポリオキシアルキレントリアミンの製造工程(i)において、ケトン化合
物の投入量を調整することにより、ポリオキシアルキレントリアミン(A)およびポリオキシアルキレントリアミン(B)を任意の割合にて、同時に製造することが可能となる。
この方法はポリオキシアルキレントリアミン(A)およびポリオキシアルキレントリアミン(B)をそれぞれ別々に製造した後、所定の割合で混合し、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を製造する方法に比べ、経済的に優れている。
エポキシ樹脂(D)としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシド(D1)、グリシジルエステル型エポキシド(D2)、グリシジルアミン型エポキシド(D3)及び脂環式エポキシド(D4)等があげられる。
グリシジルエーテル型エポキシド(D1)としては、二価フェノールのグリシジルエーテル、多価フェノールのグリシジルエーテル、二価アルコールのグリシジルエーテル及び多価アルコールのグリシジルエーテル等が挙げられる。
二価フェノールのグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びビスフェノールSジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価フェノールのグリシジルエーテルとしては、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル及びジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル等が挙げられる。
二価アルコールのグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール[重量平均分子量(以下、Mw):150〜4,000]ジグリシジルエーテル及びポリプロピレングリコール(Mw:180〜5,000)ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールのグリシジルエーテルとしては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル及びポリ(重合度2〜5)グリセリンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシド(D2)としては、カルボン酸のグリシジルエステル及びグリシジルエステル型ポリエポキシド等が用いられる。
カルボン酸のグリシジルエステルとしては、グリシジルメタクリレート、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル及びトリメリット酸トリグリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシド(D3)としては、グリシジル芳香族アミン、グリシジル脂環式アミン及びグリシジル複素環式アミン等が用いられる。
グリシジル芳香族アミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタン等が挙げられる。
グリシジル脂環式アミンとしては、ビス(N,N−ジグリシジルアミノシクロヘキシル)メタン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの水添化合物)及びN,N,N’,N’−テトラグリシジル ジメチルシクロヘキシレンジアミン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミンの水添化合物)等が挙げられる。
グリシジル複素環式アミンとしては、トリスグリシジルメラミン及びN−グリシジル−4−グリシジルオキシピロリドン等が挙げられる。
脂環式エポキシド(D4)としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル及び3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂のうち、価格及び耐熱性等の観点からグリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルエステル型エポキシド及びグリシジルアミン型エポキシドが好ましく、より好ましくはグリシジルエーテル型エポキシド及びグリシジルエステル型エポキシドである。これらのエポキシ樹脂としては、これらを単独で使用してもよいし、これらから選ばれる二種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂用硬化剤(C)の使用量は特に限定されないが、エポキシ樹脂(D)のエポキシ基のモル数と、ポリオキシアルキレントリアミン(A)および(B)の窒素原子上の活性水素を合計したモル数との比が、70/30〜30/70であることが好ましい。 ちなみに、1級アミノ基1モルは、窒素原子上の活性水素を2個有する。
上記のモル比(A)/(B)が100/0〜70/30であると、塗膜にする際に、塗膜にヒビが発生するため好ましくない。
上記のモル比が30/70〜0/100であると、硬化後もポリオキシアルキレントリアミン由来の低分子化合物が残るため、塗膜にした時に、塗膜がはがれやすくなり好ましくない。
このモル比は、例えばエポキシ樹脂用硬化剤(C)の全アミン価と3級アミン価の測定値および仕込量と、エポキシ樹脂(D)のエポキシ当量および仕込量から計算することができる。
反応温度は特に限定されないが、高温にすると着色するため、0℃〜100℃の範囲が好ましい。
また、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物(E)には、その特性を損なわない範囲で、本発明のポリオキシアルキレントリアミン(A)、ポリオキシアルキレントリアミン(B)、およびエポキシ樹脂(D)以外に必要に応じて、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調整剤、可塑剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、着色防止剤、酸化防止剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物(E)を製造する方法としては、用いられる材料を混合、分散できる方法であれば特に限定されず、例えば、以下の方法等が例示される。
(i)ガラスビーカー、缶、プラスチックカップ等の適当な容器中にて、攪拌棒、へら等により手で混練する。
(ii)ダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(iii)プラネタリーミキサーにより混練する。
(iv)ビーズミルにより混練する。
(v)3本ロールにより混練する。
(vi)エクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物(E)は、重防食塗料、防食コーティング剤、塗り床用コーティング剤、外装用塗料、自動車用(電着)塗料、粉体塗料、プライマー等の塗料・コーティング剤;構造用接着剤、弾性接着剤、溶剤型反応性接着剤、粘接着剤、感圧接着剤等の接着剤;シーリング剤;コンクリート用補修注入剤;繊維強化積層物等の積層物用マトリクス樹脂;注型絶縁材、半導体用封止剤、層間絶縁材、エッチングレジスト材、メッキレジスト、ソルダーレジスト等のエレクトロニクス用材料;補修用パテ;その他含浸、注入、成型等に使用される樹脂等として用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を用いると、低温であっても可撓性、耐水性、密着性に優れ、その一方、着色のない塗膜を得ることができる。特に電着塗料をはじめとする塗装材、接着剤、シーリング材等、広い工業分野において好適に用いることができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1
温度計、撹拌機、環流冷却器および窒素導入口を備えた耐圧反応容器に、ジエチレントリアミン103g(1.00モル)およびメチルイソブチルケトン196g(1.96モル)を仕込み、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、反応温度115℃で5時間加熱し、脱水およびケチミン化反応させた。ケチミン化反応後60℃まで冷却した。
これにアルキレンオキシド付加触媒として水酸化カリウム3.0gを加え、窒素ガス置換した後容器を密閉状態にし、100℃まで加熱、プロピレンオキシド319g(5.5モル)を、反応温度100〜120℃にて滴下し、反応させた。
反応終了後60℃まで冷却した後、反応生成溶液に吸着剤としてキョーワード600(協和化学工業株式会社製)20gおよび水10gを投入し、付加触媒を吸着させ、濾過することにより、触媒を除去した。さらに水200gを加え温度90℃で3時間加水分解反応させた。最後に常圧下で110℃まで昇温しながら余分な水を留去し、110℃になった時点で減圧に切り替え、2000Paに到達後1.5時間、溶剤およびケトンの留去を行い、室温まで冷却して本発明のエポキシ樹脂用硬化剤(C−1)を得た。
製造例2
製造例1のメチルイソブチルケトンの投入量を170g(1.70モル)に、プロピレンオキシドの投入量を435g(7.5モル)に代えた以外は同様にして、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤(C−2)を得た。
製造例3
製造例1のプロピレンオキシドを、プロピレンオキシド255g(4.4モル)とエチレンオキシド48g(1.1モル)を混合したものに代えた以外は同様にして、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤(C−3)を得た。
製造例4
製造例1のジエチレントリアミンの投入量を34.3g(0.33モル)、メチルイソブチルケトンの投入量を65.3g(0.65モル)、プロピレンオキシドの投入量を638g(11モル)に代えた以外は同様にして、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤(C−4)を得た。
比較製造例1
製造例1のメチルイソブチルケトンの投入量を130g(1.3モル)、プロピレンオキシドの投入量を580g(10モル)に代えた以外同様にして、比較のためのエポキシ樹脂用硬化剤(C‘−1)を得た。
比較製造例2
製造例1のプロピレンオキシドを、プロピレンオキシド160g(2.8モル)とエチレンオキシド121g(2.8モル)を混合したものに代えた以外は同様にして、比較のためのエポキシ樹脂用硬化剤( C‘−2)を得た。
得られたエポキシ樹脂用硬化剤( C−1)〜( C−4)および( C‘−1)〜( C‘−2)の全アミン価および3級アミン価の測定をした。
全アミン価および3級アミン価の測定の結果より、それぞれのエポキシ樹脂用硬化剤のポリオキシアルキレンポリアミン(A)と(B)の組成比(モル比)を得た。その結果を表1に示す。
<全アミン価の測定条件>
全アミン価はJIS K 7237(1995)に準拠して測定した。
<3級アミン価(第3アミノ基窒素含有量)の測定条件>
3級アミン価(第3アミノ基窒素含有量)はJIS K 7245(2000)に準拠して測定した。3級アミン価とは、試料1グラム中の3級アミンを中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数を計算した値を表す。
実施例1
製造例1で得られた本発明のエポキシ樹脂用硬化剤(C−1)45gにポリグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製 エピコート834、Mn=470)100gを加えてよく配合し、本発明のエポキシ樹脂組成物(E−1)を得た。
実施例2
製造例2で得られたエポキシ樹脂用硬化剤を(C−2)60gに代えた以外は実施例1と同様にして、本発明のエポキシ樹脂組成物(E−2)を得た。
実施例3
製造例3で得られたエポキシ樹脂用硬化剤を(C−3)45gに代えた以外は実施例1と同様にして、本発明のエポキシ樹脂組成物(E−3)を得た。
実施例4
製造例4で得られたエポキシ樹脂用硬化剤を(C−4)200gに代えた以外は実施例1と同様にして、本発明のエポキシ樹脂組成物(E−4)を得た。
比較例1
比較製造例1で得られたエポキシ樹脂用硬化剤を(C‘−1)90gに代えた以外は実施例1と同様にして、比較のためのエポキシ樹脂組成物(E’−1)を得た。
比較例2
比較製造例2で得られたエポキシ樹脂用硬化剤を(C‘−2)45gに代えた以外は実施例1と同様にして、比較のためのエポキシ樹脂組成物(E’−2)を得た。
比較例3
エポキシ樹脂用硬化剤を、ポリオキシプロピレンジアミン(三石テキサコケミカル社製 「ジェファーミンD−400」、Mn=400)40gに代えた以外は実施例1と同様にして、比較のためのエポキシ樹脂組成物(E’−3)を得た。
配合したエポキシ樹脂組成物(E−1)〜(E−4)および(E’−1)〜(E’−3)を熱硬化させた後に、以下の方法で、付着性、耐屈曲性および耐水性を評価した。
その結果を表1に表す。
<碁盤目テープ法による付着性>
配合したエポキシ樹脂組成物(E−1)〜(E−4)および(E’−1)〜(E’−3)を、十分洗浄した鋼板上に50μmの厚さに塗布し、60℃で6時間加熱して硬化させ、評価試験用の塗膜を得た。
その後、JIS K 5600−5−6(1999)「付着性(クロスカット法)」に準拠して付着性試験を行った。
付着性の判定としては、5×5のます目25個のうち、テープ剥離操作後に、塗膜が損傷を受けずに剥離せず残ったます目の数を示した。
<耐屈曲性>
付着性試験の場合と同様にして評価試験用の硬化塗膜を作成し、その耐屈曲性をJIS K 5600−5−1(1999)「耐屈曲性(円筒形マンドレル法)」に準拠して行った。なお、心棒は2mmのものを用いた。
評価判定は、JISに従い、試験板の端から10mm以内の塗膜表面は無視して、目視で塗膜の割れ及び素地からの塗膜はがれを検分し、下記の判定をした。
○:割れや剥がれが認められない
×:割れや剥がれの発生が認められる
<耐水性>
付着性試験の場合と同様にして評価試験用の硬化塗膜を作成し、その耐水性をJIS K 5600−6−2(1999)「耐液体性(水浸せき法)」に準拠して行った。
試験片は40±1℃の温水中に240時間浸せきした。その後、試験片を取り出し、室温にて24時間置いた時の塗膜の状態をJIS K 5600−8−2「膨れの等級」に従って膨れの等級を判定した。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤をエポキシ樹脂と配合して硬化させた実施例1〜4の塗膜は、従来のエポキシ樹脂硬化剤(比較例3)や、(A)/(B)比率が不適合(比較例1)やオキシプロピレン含量が高い(比較例3)硬化剤をエポキシ樹脂に配合し硬化させて塗膜にしたものに比べ、付着性、耐屈曲性、耐水性のいずれにも優れた塗膜を得られることがわかる。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を用いると、低温であっても可撓性、耐水性、密着性に優れ、その一方、着色のない塗膜を得ることができる。特に電着塗料をはじめとする塗装材、接着剤、シーリング材等、広い工業分野において好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンポリアミン(A)、および下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンポリアミン(B)を必須成分とし、(A)/(B)のモル比が97/3〜60/40であって、該ポリオキシアルキレンポリアミン(A)および(B)のオキシアルキレン鎖中のオキシプロピレン基/オキシエチレン基のモル比が70/30〜100/0であることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤(C)。
    [式(1)と(2)中、R1、R2は、それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキレン基を表わす。AOはオキシアルキレン基を表す。m、n、kはアルキレンオキシドの平均付加モル数を表し、それぞれ独立に1〜70の数である。]
  2. 全アミン価が、30〜600である請求項1記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
  3. 請求項1または2記載のエポキシ樹脂用硬化剤(C)と、エポキシ樹脂(D)からなることを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物(E)。
  4. 請求項3に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる塗膜。
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