JP2013023529A - マイクロカプセル化顔料分散液の製造方法、及びインクジェット用インクの製造方法 - Google Patents
マイクロカプセル化顔料分散液の製造方法、及びインクジェット用インクの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】顔料、第一の界面活性剤及び水を含む顔料分散液と、第一のモノマー、第二の界面活性剤及び水を含むモノマーエマルションとを混合した後に分散させて分散液を得る分散工程と、前記分散液に含まれる前記第一のモノマーを重合して中間原料を得る第一の重合工程と、前記中間原料に第二のモノマーを加えた後、前記第二のモノマーを重合して、マイクロカプセル化顔料を含有するマイクロカプセル化顔料分散液を得る第二の重合工程と、を有することを特徴とするマイクロカプセル化顔料分散液の製造方法。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、一部の酸性基が中和された樹脂が溶解した有機溶媒と、顔料分散液とを混合し、転相乳化することで顔料分散液を得る顔料分散液の製造方法が記載されている。
顔料分散液は、顔料、第一の界面活性剤及び水を含む。
顔料分散液は、後述するモノマーエマルションと混合する前に分散処理を施すことが好ましい。分散処理としては、公知の撹拌機、超音波照射機、ボールミル、ビーズミル及びペイントシェーカー等を用いて分散する方法が挙げられる。
顔料としては、無機顔料、及び有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が挙げられる。その他、公知の無機顔料を使用することもできる。
顔料の濃度は、顔料分散液全質量を基準として、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
第一の界面活性剤としては、親水性基のユニットと疎水性基のユニットとを有する化合物であればいずれも好適に用いることができる。また、後述する第一のモノマーと化学的に結合するものであっても、しないものであってもよい。
モノマーエマルションは、第一のモノマー、第二の界面活性剤及び水を含む。モノマーエマルションは、上記した顔料分散液と混合する前に分散処理を施すことが好ましい。分散処理としては、超音波照射機、高圧ホモジナイザー、高せん断力がかけられる乳化機等を用いて分散する方法が挙げられる。上記した分散処理を施すことで、モノマーエマルション中の第一のモノマーの平均粒子径を適宜調製することができる。第一のモノマーの平均粒子径は、1μm以下であることが好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、200nm以下であることが特に好ましい。
好適に用いることのできる第一のモノマーとしては、例えば、疎水性のアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸ベンジル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のスチレン系モノマー;イタコン酸ベンジル等のイタコン酸エステル;マレイン酸ジメチル等のマレイン酸エステル;フマール酸ジメチル等のフマール酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル;酢酸ビニルが挙げられる。第一のモノマーの量は、モノマーエマルション全質量に対して、0.1質量%以上80質量%であることが好ましい。
第二の界面活性剤の種類は、特に限定されない。具体的には、第一の界面活性剤として用いることのできるものであればいずれも好適に用いることができる。なお、第一の界面活性剤と第二の界面活性剤とは同一であっても異なっていてもよい。第二の界面活性剤の含有量は、第一のモノマーの全質量に対して、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
分散工程は、上述した顔料分散液と上述したモノマーエマルションとを混合し、分散することで分散液を得る工程である。顔料分散液とモノマーエマルションとを混合、分散する際には、公知の撹拌機や、超音波照射機が好適に用いられる。
第一の重合工程は、上記した分散工程によって得られた分散液中の第一のモノマーを重合して中間原料を得る工程である。本発明においては、重合を行う際に、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤は、製造のどの操作中でも加えることができるが、好ましくは、モノマーエマルションを製造する際に加えられる。また、安定的に重合を行うために、ハイドロホーブを加えても良い。ハイドロホーブは、製造のどの操作中でも加えることができるが、好ましくは、モノマーエマルションを製造する際に加えられる。
本発明において、有効に用いることのできる重合開始剤には、ラジカル付加重合を起こすことができる全てのものが含まれる。例えば、2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等の疎水性アゾ開始剤;ペルオキソカルボン酸及びこれらのエステル、ペルオクタネート類、ペルベンゾエート類、過酸化ジベンゾイルなどのジアシルペルオキシド類が挙げられる。また、例えば、水溶性のペルオキソ二硫酸塩のアンモニウム塩及びアルカリ金属塩;過酸化水素;tert−ブチルヒドロペルオキシド等の低分子量ヒドロペルオキシド類;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロハライド等の塩状アゾ化合物が挙げられる。その他、公知の重合開始剤を使用することもできる。
有効に用いることのできるハイドロホーブとしては、ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸が挙げられる。その他、公知のハイドロホーブを使用することができる。
ハイドロホーブの量は、第一のモノマー全質量を基準として、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
第二の重合工程は、第一の工程によって得られた中間原料に、第二のモノマーを加えて重合することにより、マイクロカプセル化顔料分散液を得る工程である。第二のモノマーを加える方法としては、中間原料に第二のモノマーを滴下混合する方法が好適に用いられる。具体的には、中間原料を撹拌しながら昇温して、この中に、第二のモノマーを、例えば重合開始剤と共に滴下することが好ましい。
有効に用いることのできる第二のモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸ベンジル等の疎水性のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル等の疎水性のメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のスチレン系モノマー;イタコン酸ベンジル等のイタコン酸エステル;マレイン酸ジメチル等のマレイン酸エステル;フマール酸ジメチル等のフマール酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニルが挙げられる。
第二のモノマーの量は、第一の重合工程後に得られる中間原料の全質量を基準として、10質量%以上200質量%以下であることが好ましい。また、重合開始剤の量は、第二のモノマー全質量を基準として、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクの製造方法は、前述のマイクロカプセル化顔料分散液の製造方法により得られたマイクロカプセル化顔料分散液を用いてインクジェット用インクを得る工程を有することを特徴とする。本発明のインクジェット用インクの製造方法においては、前述の製造方法により得られたマイクロカプセル化顔料分散液を用いること以外は、従来公知の手法を採用すればよい。特定の方法によって製造されたマイクロカプセル化顔料分散液を用いることで、吐出性に優れているとともに、耐擦過性に優れた画像を形成することが可能なインクジェット用インクを製造することができる。
[顔料分散液の調製]
ペイントシェーカー用サンプル瓶に、水104g、及びNIKKOL−BC30(日光ケミカルズ社製)6gを入れて混合した。ピグメントブルー15:3(商品名「Toner Cyan BG」、クラリアント ジャパン社製)10g、及び直径0.1mmのジルコニアビーズ240gをさらに入れ、ペイントシェーカーを使用して5時間分散させた。次いで、ペイントシェーカー用サンプル瓶から取り出した液を、ポアサイズ5μmのメンブレンフィルターで加圧濾過して顔料分散液(1)を得た。
ビーカーに、スチレン9g、オクタデシルメタクリレート1g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5g、界面活性剤(商品名「NIKKOL−BC30」、日光ケミカルズ社製)0.6g、及び水70gを入れた。氷冷下、600rpmで10分間混合した後、超音波照射機(商品名「Branson Sonifier W450」、Branson社製)を使用し、氷冷下で1時間乳化させてモノマーエマルション(1)を得た。なお、超音波照射機の振幅は10%とした。
ビーカーに、顔料分散液(1)85g、及びモノマーエマルション(1)15gを入れ、氷冷下、800rpmで20分間混合した。次いで、超音波照射機を使用し、氷冷下で2分間乳化させた。なお、超音波照射機の振幅は50%とした。ナスフラスコに内容物を移し、モーターで撹拌しながら、窒素雰囲気下、70℃で8時間加熱して中間原料(1)を得た。
ナスフラスコに中間原料(1)95gを入れ、窒素雰囲気下、モーターで撹拌しながら70℃に加熱した。次いで、ナスフラスコに、スチレン4.7g、アクリル酸0.3g、過硫酸カリウム0.05g、水酸化カリウム0.07g、及び水20gの混合液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下後、5時間加熱してマイクロカプセル化顔料分散液(1)を得た。
得られたマイクロカプセル化顔料分散液(1)と、下記の成分組成(合計100部)とを、マイクロカプセル化顔料分散液(1)の濃度が2%となるように混合して混合液を得た。得られた混合液を、ポアサイズ2.5μmのメンブレンフィルターで加圧濾過してインクジェット用インク1を得た。
・グリセリン 5部
・アセチレノールEH(商品名:川研ファインケミカル社製) 0.1部
・イオン交換水 残部
顔料分散液(1)95g、及びモノマーエマルション(1)5gを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(2)及びインクジェット用インク2を得た。
顔料分散液(1)73g、及びモノマーエマルション(1)27gを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(3)及びインクジェット用インク3を得た。
顔料分散液(1)55g、及びモノマーエマルション(1)45gを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(4)及びインクジェット用インク4を得た。
顔料分散液(1)40g、及びモノマーエマルション(1)60gを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(5)及びインクジェット用インク5を得た。
ナスフラスコに中間原料(1)88gを入れ、窒素雰囲気下、モーターで撹拌しながら70℃に加熱した。次いで、ナスフラスコに、スチレン11g、アクリル酸1g、過硫酸カリウム0.12g、水酸化カリウム0.17g、及び水48gの混合液を2時間かけて徐々に滴下した。滴下後、4時間加熱してマイクロカプセル化顔料分散液(6)を得た。そして、得られたマイクロカプセル化顔料分散液(6)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用インク6を得た。
ナスフラスコに中間原料(1)95gを入れ、窒素雰囲気下、スチレン4.7g、アクリル酸0.3g、過硫酸カリウム0.05g、水酸化カリウム0.07g、及び水20gの混合液を加えた。モーターで1時間撹拌した後、70℃で5時間加熱してマイクロカプセル化顔料分散液(7)を得た。そして、得られたマイクロカプセル化顔料分散液(7)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用インク7を得た。
ナスフラスコに中間原料(1)95gを入れ、窒素雰囲気下、モーターで撹拌しながら70℃に加熱した。次いで、ナスフラスコに、スチレン1.5g、アクリル酸3.5g、過硫酸カリウム0.05g、水酸化カリウム0.07g、及び水20gの混合液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下後、5時間加熱してマイクロカプセル化顔料分散液(8)を得た。そして、得られたマイクロカプセル化顔料分散液(8)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用インク8を得た。
ナスフラスコに中間原料(1)95gを入れ、窒素雰囲気下、モーターで撹拌しながら、70℃に加熱した。次いで、ナスフラスコに、アクリル酸5.0g、過硫酸カリウム0.05g、水酸化カリウム0.07g、及び水20gの混合液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下後、5時間加熱してマイクロカプセル化顔料分散液(9)を得た。そして、得られたマイクロカプセル化顔料分散液(9)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用インク9を得た。
ビーカーに、ブチルメタクリレート9g、オクタデシルメタクリレート1g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5g、界面活性剤(商品名「NIKKOL−BC30」、日光ケミカルズ社製)0.6g、及び水70gを入れた。氷冷下、600rpmで10分間混合した後、超音波照射機を使用し、氷冷下で1時間乳化させてモノマーエマルションを得た。なお、超音波照射機の振幅は10%とした。そして、得られたモノマーエマルションを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(10)及びインクジェット用インク10を得た。
ビーカーに、ブチルメタクリレート8g、アクリル酸1g、オクタデシルメタクリレート1g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5g、界面活性剤(商品名「NIKKOL−BC30」、日光ケミカルズ社製)0.6g、及び水70gを入れた。氷冷下、600rpmで10分間混合した後、超音波照射機を使用し、氷冷下で1時間乳化させてモノマーエマルションを得た。なお、超音波照射機の振幅は10%とした。そして、得られたモノマーエマルションを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(11)及びインクジェット用インク11を得た。
NIKKOL−BC30(日光ケミカルズ社製)に代えて、ドデシル硫酸ナトリウム6gを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして顔料分散液を得た。一方、ビーカーに、ブチルメタクリレート9g、ヘキサデカン1g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.5g、ドデシル硫酸ナトリウム0.6g、及び水70gを入れた。氷冷下、600rpmで10分間混合した後、超音波照射機を使用し、氷冷下で1時間乳化させてモノマーエマルションを得た。なお、超音波照射機の振幅は10%とした。
ビーカーに、水104g、及び界面活性剤(商品名「NIKKOL−BC30」、日光ケミカルズ社製)6gを入れて混合した。顔料カーボンブラック(商品名「FW18」、エボニック デグサ ジャパン社製)10gをさらに入れ、超音波照射機を使用して5時間分散させた。なお、超音波照射機の振幅は30%とした。次いで、ビーカーから取り出した液を、ポアサイズ5μmのメンブレンフィルターで加圧濾過して顔料分散液を得た。そして、得られた顔料分散液を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(13)及びインクジェット用インク13を得た。
ピグメントブルー15:3に代えて、ピグメントレッド122(商品名「Inkjet Magenta E02」、クラリアント ジャパン社製)10gを用いたこと以外は、前述の実施例1の場合と同様にして顔料分散液を得た。そして、得られた顔料分散液を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(14)及びインクジェット用インク14を得た。
マイクロカプセル化顔料分散液(1)に代えて、実施例4で調製した中間原料を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用インク15を得た。
マイクロカプセル化顔料分散液(1)に代えて、中間原料(1)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてインクジェット用インク16を得た。
中間原料(1)に代えて、顔料分散液(1)95gを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして、マイクロカプセル化顔料分散液(15)及びインクジェット用インク17を得た。
B/Pの値は、示差熱重量測定法によって求めた。実施例及び比較例で得られたマイクロカプセル化顔料分散液(又は中間原料)を乾燥させたものを試料とし、熱重量測定装置(商品名「TGA/SDTA851」、メトラー・トレド社製)を使用してB/Pの値を測定及び算出した。結果を表2に示す。
5%から40%の濃度勾配を有するスクロース水溶液を遠心チューブに入れ、0.1gのマイクロカプセル化顔料分散液又は中間原料を加え、41,000rpmで3時間、4℃で遠心分離した。樹脂エマルションが存在した場合、チューブのスクロース水溶液の中間に、白い帯状の層ができる。層の有無で樹脂エマルションの存在を確認した。結果を表2に示す。
インクジェット記録装置として、商品名「PIXUS Pro 9500」(キヤノン社製)を使用し、実施例及び比較例で製造したインクジェット用インクを用いて画像を形成した。インクジェット用インクの吐出性、及び形成された画像の耐擦過性の評価方法を以下に示す。また、評価結果を表2に示す。
1ドットの縦線を記録用紙(商品名「プロフェッショナルフォトペーパー PR−101」、キヤノン社製)に印字した。その後、インクカートリッジ中のインクジェット用インクをノズルから吐出することでインクジェット用インクを消費し、インクジェット用インクがなくなる直前に、再び1ドットの縦線を印字した。その後、初めに縦線を印字した記録用紙と、インクを使い終わる直前に縦線を印字した記録用紙とを並べ、25cm離れた距離から目視にて観察した。そして、以下に示す基準に従ってインクジェット用インクの吐出性を評価した。なお、評価が「A」又は「B」であれば、十分な吐出性を有すると判断した。
A:両者にほとんど差異がない。
B:使い終わり直前のカートリッジで印字した縦線の一部にドット着弾ずれが認められるものの、直線として認識できる。
C:使い終わり直前のカートリッジで印字した縦線にドット着弾ずれがはっきりと認められ、また縦線がずれて認識できる。
記録用紙(商品名「プロフェッショナルフォトペーパー PR−101」、キヤノン社製)の縁から20mmを除いた領域にベタ画像を形成した。印字1時間後、得られたベタ画像の上に、シルボン紙、及び一辺が5cm、重さ1kgの錘を順に載せた後、シルボン紙を引っ張った。シルボン紙を引っ張ったときに、記録用紙の縁(白地部)及びシルボン紙に汚れが生じるか否かを目視にて観察した。そして、以下に示す基準に従って画像の耐擦過性を評価した。なお、評価が「A」であれば十分な耐擦過性を有すると判断した。
A:白地部及びシルボン紙に汚れが認められなかった。
B:シルボン紙のみに汚れが認められた。
C:白地部及びシルボン紙の双方に汚れが認められた。
Claims (5)
- 顔料、第一の界面活性剤及び水を含む顔料分散液と、第一のモノマー、第二の界面活性剤及び水を含むモノマーエマルションとを混合した後に分散させて分散液を得る分散工程と、
前記分散液に含まれる前記第一のモノマーを重合して中間原料を得る第一の重合工程と、
前記中間原料に第二のモノマーを加えた後、前記第二のモノマーを重合して、マイクロカプセル化顔料を含有するマイクロカプセル化顔料分散液を得る第二の重合工程と、を有することを特徴とするマイクロカプセル化顔料分散液の製造方法。 - 前記第一のモノマーが、疎水性モノマーである請求項1に記載のマイクロカプセル化顔料分散液の製造方法。
- 前記第一のモノマーと前記第二のモノマーが同一である請求項1又は2に記載のマイクロカプセル化顔料分散液の製造方法。
- 前記第一の界面活性剤及び前記第二の界面活性剤が、炭素数6以上のアルキル基、芳香族環及び脂肪族環からなる群より選ばれる少なくとも一つの疎水性基と、繰り返し数が30以上のエチレンオキサイドからなる親水性基と、を有する化合物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマイクロカプセル化顔料分散液の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマイクロカプセル化顔料分散液の製造方法により得られたマイクロカプセル化顔料分散液を用いてインクジェット用インクを得る工程を有することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
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