JP2013023507A - シートガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】さらなる材料工夫等により、非石綿系シートガスケットを、高温域でも安定して使えるように耐熱性(耐熱シール性)を有するものとして提供する。
【解決手段】シートガスケットにおいて、金属板4A製の補強シート4の両面それぞれに、脆性又は可塑性を高温域で有するシート材5が圧着されるとともに、補強シート4の一方の面4a及び他方の面4bのそれぞれに、金属板4Aの一部を隆起形成して成る爪tを複数形成する。一方の面4aの第1の爪6(t)と他方の面4bの第2の爪7(t)とが互いに隣り合う状態に交互配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、産業用配管などのシール手段として、高温域においても十分に使用可能なシートガスケットに関するものである。
従来、この種のシートガスケットは、例えば、特許文献1にて開示されたものが知られている。特許文献1のシートガスケットは、石綿ジョイントシートに取って代わるものとして開発されたものであり、アラミド繊維、鉱物繊維、無機充填材(カオリン、セピオライト、炭酸カルシウム、黒鉛等)、ゴム質結合材を複合した材料で成る、言わば非石綿系のシートガスケットである。このようなものとしては、PTFE樹脂にシリカ鉱物・硫酸バリウムを配合したPTFE系シートガスケットもあった。
前記のシートガスケットは、石綿系シートガスケットに取って代わるものとして開発されたものである。即ち、その昔は、白石綿とゴムラテックスバインダーを主成分とし、その他に加硫剤を配合してなるアスベストビータシートと、石綿を主成分とし、これに石綿の粘結剤としてのゴム及び加硫剤等のゴム薬品を配合して成る石綿シートガスケットが市場を席巻していた。ところが、石綿系シートガスケットは人体に対して有害であり、また環境汚染の問題もあることからその使用が制限され、石綿を使用しないシートガスケットの開発が急務とされたことに起因している。
しかしながら、前記特許文献1等に示される非石綿系シートガスケットは、高温域での使用状態が不安定であり、石綿シートガスケット程の高温特性がなかなか出せない点で改善の余地が残されていた。
特許公報第2538509号
本発明の目的は、さらなる材料工夫等により、非石綿系シートガスケットを、高温域でも安定して使えるように耐熱性(耐熱シール性)を有するものとして提供する点にある。
請求項1に係る発明は、シートガスケットにおいて、金属板4A製の補強シート4の両面それぞれに、脆性又は可塑性を高温域で有するシート材5が圧着されるとともに、前記補強シート4の一方の面4a及び他方の面4bのそれぞれに、前記金属板4Aの一部を隆起形成して成る爪tが複数形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシートガスケットにおいて、前記面4a,4bに直交する方向視において前記一方の面4aの第1の爪6(t)と前記他方の面4bの第2の爪7(t)とが互いに隣り合う状態に交互配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のシートガスケットにおいて、前記第1の爪6(t)の高さが、前記一方の面4aに圧着される第1シート材5の厚みと同一又はほぼ同一に設定される第1構造と、前記第2の爪7(t)の高さが、前記他方の面4bに圧着される第2シート材5の厚みと同一又はほぼ同一に設定される第2構造との少なくとも一方の構造が採られていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のシートガスケットにおいて、前記爪tが、前記金属板4Aに開口する爪孔8の周縁における互いに異なる位置から立ち上がる4箇所の部分爪6a,6b,6c,6dを有して構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のシートガスケットにおいて、高温域で前記脆性を有するシート材5が、アラミド繊維及び/又は鉱物繊維に無機充填材とゴム質結合材とを配合してなる材料で形成されていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のシートガスケットにおいて、高温域で前記可塑性を有するシート材5が、PTFE樹脂を主成分とする材料で形成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の段落にて述べるが、内装されている補強シートが耐力層(耐力部材)として機能し、これがない場合に比べて明らかな強度アップが図られている。補強シートから隆起形成される爪がシート材に食い込んでいて引っ掛かるので、シート材の変形(伸び、圧縮)が強度のある補強シートに依存されるものとなって強固に一体化されている。つまり、シート材の強度や温度特性を、補強シート即ち金属板の特性に依存する状態に近づけることが可能になる。その結果、非石綿系のシートガスケットを、高温域でも安定して使えるように耐熱性(耐熱シール性)を有するものとして提供することができる。
請求項2の発明によれば、第1の爪と第2の爪とが互いに隣り合う状態に交互配置されているから、一方の面に圧着されて積層されるシート材と他方の面に圧着されて積層されるシート材とが同じ条件の構造となる。従って、実質的に表裏の無いシートガスケットになり、表裏を気にせず組付けることができて(誤組付けが生じない)実用上で大変便利であるとともに、製造時や部品管理の点においても扱い易く便利である。
請求項3の発明によれば、爪の高さとシート材の厚みとが同一又はほぼ同一に設定されているので、補強シートによる強度向上作用がシート材の厚み方向の全域又はほぼ全域に行き渡るようになり、より安定した補強効果を得ることができる。
請求項4の発明によれば、金属板に開口する爪孔の周縁における互いに異なる位置からから立ち上がる4箇所の部分爪で爪を構成してあるから、補強シートの面に沿うどの方向に対してもシート材に十分引っ掛かることができて強度向上を図ることができる。従って、方向によっては引張り強度が大きく異なることがないから、360度の方向に内圧が作用するガスケットに好適なシートガスケットを提供することができる。
シート材としては、請求項5のように、アラミド繊維及び/又は鉱物繊維に無機充填材とゴム質結合材とを配合してなる材料や、請求項6のように、PTFE樹脂を主成分とする材料を採ることができる。
なお、爪は、金属板の一部を隆起させる加工によって形成することができ、爪の加工法として、切り起し加工又は下孔なしバーリング加工を採用することができる。そのようにして爪を形成すれば、他の材料を用いることなく金属板そのものを材料として爪を形成できるので、補強シートを生産性良く作製することが可能になる。
シートガスケットの使用例を示す一部切欠きの側面図 補強シート付シートガスケットの構造を示す概略の断面図 補強シートを示し、(a)平面図、(b)断面図 (a)四つ割構造の爪を示す斜視図、(b)下孔なしバーリング加工に使用するバーリングパンチの要部側面図と底面図 シートガスケットの試験装置及び試験手順の要部を示す模式図 各種シートガスケットの構造及び試験結果を示す図表 比較例1,2のガスケットの試験における不具合例を示し、(a)は破断、(b)は食み出し 補強シートの爪の別形態を示す要部の斜視図
以下に、本発明によるシートガスケット及びそれを用いたガスケットの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
シートガスケットAの使用例は、例えば、図1に示されるように、対向配置されるフランジ配管1,2それぞれのフランジ1A,2Aの間に配備されての締付固定されるシール手段としてのガスケットGである。このガスケットGは、矩形シート状のシートガスケットA(図2参照)からの切り出しにより円環状に形成されたものである。この例では、中空パイプ状の配管1Bに円環状のフランジ1Aを外嵌溶着して成る第1フランジ配管1と、同構造(配管2B、フランジ2A)の第2フランジ配管2との間へ同心状にガスケットGが挟まれ、複数のボルト・ナット3を用いて規定トルクで締付固定されている。
シートガスケットAは、図2に示すように、金属板(ステンレス鋼板など)製の補強シート4の両面それぞれに、脆性又は可塑性を所定の高温域で有するシート材(非石綿系のシート)5が圧着されて成る三層構造のものである。一例として、図2において上側に描かれる第1シート材5及び下側に描かれる第2シート材5と補強シート4とが、接着剤を用いることなく(接着剤を用いても良い)加圧接着により一体化されている。
補強シート4は、図2,図3に示すように、表面(一方の面の一例)4a及び裏面(他方の面の一例)4bのそれぞれに、材料である金属板4Aの一部を隆起形成して成る爪tが、縦横に規則正しく多数(複数の一例)形成された両面爪付の金属板である。つまり、補強シート4の面に直交する方向視、即ち、図3(a)に示す上下方向視において、表面4aの第1の爪6(t)と裏面4bの第2の爪7(t)とが互いに隣り合う状態で、かつ、碁盤の目のように交互に配置されている。
各爪6,7は、互いに同じものであって、金属板4Aに対する切り起し加工によって形成されている。第1の爪6で説明すると、図3(a),(b)に示すように、金属板4Aに開口する爪孔8の周縁における互いに異なる位置からから立ち上がる4箇所の部分爪6a〜6dの集合体により、第1の爪6が構成されている。第1の爪6は、先が尖った三角形状を呈する4つの部分爪6a〜6dが下孔なしバーリング加工によって一挙に形成されており、従ってそれら部分爪6a〜6dの内側には爪孔8が形成されている。爪孔8の中心を基準点とすれば、各部分爪6a〜6dは、表面4aに開口する爪孔8の周囲において互いに異なる4箇所の各位置にそれぞれ形成されている。なお、第2の爪7の部分爪7a,7b,7c,7dも同様にして形成されている。
詳しくは、図4(b)に示すように、四角錐状に尖った先端部9a、及びそれに続く円柱部9bとを備えるバーリングパンチ9を用いての下孔なしバーリング加工により、部分爪6a〜6dが一挙に形成されている。第2の爪7の部分爪7a〜7dついても同様にして形成されている。つまり、バーリングパンチ9を金属板4Aを突き刺して貫通する1工程の作業により、図4(a)に示すように、4箇所の部分爪6a〜6dが、即ち、第1の爪6が形成されるのである。このバーリングパンチ9が前後左右に多数配列された成形型を用いて金属板4Aにプレス成形すれば、多数の第1の爪6を一挙に形成することが可能である。そして、その作業を金属板4Aの表面4aと裏面4bとの双方に行うことにより、図3に示す補強シート4を作成することができる。
図2,3に示す補強シート4の詳細について説明する。補強シート4は、機械的強度の高い金属材料からなり、耐食性をも考慮すると、SUS304などのステンレス鋼材が好ましい。金属板4Aの厚さは、完成品であるシートガスケットAのサイズに応じて適宜に調整されるが、機械的強度を考慮すると、0.2mm以上であることが好ましい。金属板4Aに設けられる爪孔8の径は、1〜2mm程度に設定され、互いに隣合う爪孔8,8のピッチ(爪孔8,8の中心どうしの間隔)は、3〜4mm程度に設定される。その結果、金属板4A全体の面積に対して、爪孔8による孔が開いている部分の面積が占める割合は、およそ5〜25%程度である。
第1の爪6(t)及び第2の爪7(t)の高さは、理想的には、両面に貼り合わされるシート材5の厚さと同一に設定される。これにより、図1において、シートガスケットAをガスケットGとして用いてボルト・ナット3を締め付けたときに、第1の爪6(t)及び第2の爪7(t)それぞれの先端が、対向するフランジ1A,2Aの面に当接して、フランジ面とガスケットGとの間の摩擦係数を高くすることができる。この点は、表面が比較的滑りやすいシート材5(例えば、PTFE系シートや膨張黒鉛系シート材)を用いてシートガスケットAを構成した場合により効果的である。但し、第1の爪6(t)及び第2の爪7(t)の高さと、シート材5の厚さとは完全に一致していなくても良く、例えば、両者の間に±0.2mm程度の範囲内の差があっても、機能的に大きな問題は生じない。
よって、第1の爪6(t)の高さは、一方の面4aに圧着される第1シート材5の厚さと同一又はほぼ同一(第1構造)となり、第2の爪7(t)の高さは、他方の面4bに圧着される第2シート材5の厚さと同一又はほぼ同一(第2構造)となる。基本的には、第1構造及び第2構造の双方の構造(少なくとも一方の構造の一例の構造)が採られていることが好ましい。
各部分爪6a〜6dは、バ−リングパンチ9の加工による板厚減少が先端に向かうほど大きくなっている。また、各部分爪6a〜6dのそれぞれの基端側は、切れ目なく周方向に連続する部分を有しており、よって、爪孔8は、金属板4Aを貫通する部分はものより、一方の面4a側においても筒孔状の部分を有している。第2の爪(7t)の各部分爪7a〜7dについても同様である。
図2に示すシート材5について説明する。シート材5としては、例えば、非石綿系ジョイントシート、PTFE系シート、又は膨張黒鉛系シートのいずれかを用いると良い。非石綿系ジョイントシートは、アラミド繊維、鉱物繊維、無機充填材(カオリン、セピオライト、炭酸カルシウム、黒鉛等)、及びゴム質結合材などを複合してなる材料を用いてシート状に成形されたものであり、所定の高温域(およそ200℃以上)で脆性を有することのあるシート材である。PTFE系シートは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂に、シリカ鉱物及び硫酸バリウムなどを配合してなる材料を用いてシート状に成形されたものであり、所定の高温域(およそ250℃以上)で可塑性を有することのあるシート材である。膨張黒鉛系シートは、膨張黒鉛を主成分とする材料を用いてシート状に成形されたシート材である。
シート材5の厚さは、完成品であるシートガスケットAのサイズに応じて適宜に調整され、例えば、0.5,0.8,1.0,1.5,2.0,3.0mmに設定される。第1シート材5及び第2シート材5(シート材5)は、所定の温度下で所定の圧力負荷が掛けられることにより、それぞれ一方の面4a及び他方の面4b(金属板4A)に、接着剤を介することなく、直接に圧着される。例えば、シート材5として非石綿系ジョイントシートを用いる場合は、常温又は120℃前後の温度下で40N/mm2程度の圧力負荷を掛けて、シート材5を金属板4Aに圧着させる。また、シート材5としてPTFE系シートを用いる場合は、200℃前後の温度下で40N/mm2程度の圧力負荷を掛けて、シート材5を金属板4Aに圧着させる。なお、例として、図2においては、シート材5の厚さが0.8mmで、爪(t)の高さが0.75mmとして描いてあるが、それら両者5,tが共に0.8mmでも良い。
次に、実施例1,2のシートガスケットA1(G1),A2(G2)、及び比較例1,2のシートガスケットAh1(Gh1),Ah2(Gh2)の構成及び試験結果について説明する。これらの構成及び試験結果は、図6の図表中に示されるとおりである。
〔実施例1〕
図6の図表中に示す実施例1のシートガスケットA1は、前述の実施形態が適用されたシートガスケットであり、シート材5として非石綿系ジョイントシートが用いられている。実施例1のシートガスケットA1において、金属板4Aの厚さは0.2mm、爪孔8の径は1mm、隣合う爪孔8,8のピッチは3mm、第1の爪6(t)及び第2の爪7(t)の高さは0.75mm、シート材5の厚さは0.7mmにそれぞれ設定されている。
〔実施例2〕
図6の図表中に示す実施例2のシートガスケットA2は、前述の実施形態が適用されたシートガスケットであり、シート材5としてPTFE系シートが用いられている。実施例2のシートガスケットA2において、金属板4Aの厚さ、爪孔8の径、隣合う爪孔8,8のピッチ、第1の爪6(t)及び第2の爪7(t)の高さは、それぞれは実施例1のシートガスケットA1のものと同一に設定されている。但し、シート材5の厚さは1.0mmに設定されている。
〔比較例1〕
図6の図表中に示す比較例1のシートガスケットAh1は、実施例1のシートガスケットA1に使用される非石綿系ジョイントシート単体からなるガスケットであって、厚さ1.5mmのものが採択されている。補強シート4は使われていない。
〔比較例2〕
図6の図表中に示す比較例2のシートガスケットAh2は、実施例2のシートガスケットA2に使用されるPTFE系シート単体からなるガスケットであって、厚さ1mmのものが採択されている。補強シート4は使われていない。
上述の実施例1,2のシートガスケットA1,A2、比較例1,2のシートガスケットAh1,Ah2で成る円環状のガスケットG(G1,G2,Gh1,Gh2)について、図5に示す試験装置Bを用いて試験を行った結果を、図6の図表における最下段に記す。さて、図5に示す試験装置Bは、配管利用の容器部10を有する下部フランジ11と、上部フランジ12と、複数のボルト・ナット13とを備えて構成されている。容器部10は水を溜めておく箇所であり、試料となるガスケットGは、上下のフランジ11、12の上下間に介装されるようになっている。
試験の手順について説明する。まず、容器部10に水を満タンになるまで入れる(225グラム程度)。次に、各シートガスケットA1,A2,Ah1,Ah2から、所定形状、寸法(例:外径104mm、内径61mmの円環状)に加工して作製されている各ガスケット(試料ガスケット)G1,G2,Gh1,Gh2のうちのいずれかを選択し、上下のフランジ11、12間に装填する。それから、ガスケットの締付面圧が40N/mm2に相当する締付トルク120N・mで複数のボルト・ナット13を締付ける。
以上が試験準備であり、試験は次のように行う。即ち、実施例1,2、比較例1,2のうちのいずれか一つの試料ガスケットが装填された試験装置Bを丸ごと電気炉14に投入し、「300℃で36時間加熱した後2時間冷却」のサイクルを5回(5サイクル)繰り返す、というものである。実施例1,2、及び比較例1,2の各ガスケットG1,G2,Gh1,Gh2の試験結果を図6に示す。試験条件の条件設定については次のとおりである。
即ち、非石綿系シートガスケットの高温域における耐熱シール性を、石綿ジョイントシート製ガスケットと同等の優れたものとするためには400℃の蒸気での使用に耐える必要がある。これは理想的な性能であり、現実には300℃に耐える性能があれば十分実用に耐えるものと考えられる。例えば、図1に示すガスケットの使用状態において、配管1B,2Bに300℃の蒸気が流されると、その飽和蒸気圧8.59MPaがガスケットGの内側に負荷される。従って、このような飽和蒸気圧に長時間晒されても、亀裂、破断、食み出しなどのガスケット損傷なく十分に封止できる性能が求められる。
さて、実施例1,2のガスケットG1,G2においては、図6に示す試験結果に示されるように、300℃蒸気に長時間晒されても封止可能であった。非石綿系ジョイントシートを用いた実施例1のガスケットG1では、内圧に対して内部補強金属である補強シート4が耐えて形状を保持している。PTFE系シートを用いた実施例2のガスケットG2では、補強シート4の爪6,7(t)がシート材5の食み出しを有効に防止している。いずれのガスケットG1,G2においても、300℃蒸気に長時間晒されても封止可能である。つまり、実施例1,2のガスケットG1,G2においては、内装されている補強シート4が耐力層(耐力部材)として有効に機能し、これがない場合に比べて明らかな強度アップが図られている。
しかも、隆起形成される爪tが各シート材5,5に食い込んでいて引っ掛かるので、シート材5の変形(伸び、圧縮)が強度のある補強シート4に依存されるようになる。故に、単に金属板を挟む場合に比べて、より一層強固に一体化されており、シート材5自体の強度も大きく向上する利点がある。また、爪孔8の周りにて90度の均等角度ごとに形成される4つの部分爪6a〜6d(7a〜7d)の集合で爪tとされる構成により、補強シート4の面に沿うどの方向に対してもシート材5に対する十分な引っ掛かりによる強度向上が図られており、方向によっては引張り強度が大きく異なることがない点も好ましい。加えて、爪tは補強シート4の表裏の両面に形成されているので、前述した種々の利点がいずれのシート材5,5にも適用されており、高強度で耐久性にもより優れている。
なお、試験用の各ガスケットG1,G2,Gh1,Gh2は、FRタイプ(ガスケットがボルト・ナット13の径内側に入るタイプ)であるが、FFタイプ(ガスケット外径がフランジ外径に等しく、かつ、ボルト・ナット13用の孔を有するタイプ)を採ることも可能である。
一方、比較例1,2の試験結果は次のようになった。即ち、従来の非石綿系ジョイントシートを用いた比較例1のガスケットGh1においては、図7(a)に示すように破裂(破断)15が生じ、300℃蒸気を封止できなかった。また、PTFE系シートを用いた比較例2のガスケットGh2においては、図7(b)に示すように、フランジの座面からの食み出し16が生じ、やはり300℃蒸気を封止することができなかった。つまり、非石綿系ジョイントシートガスケット(Gh1)は200℃以上の蒸気に晒されると脆くなる傾向があり、使用することは困難である。また、PTFE系シートガスケット(Gh2)も200℃以上の蒸気に晒されると熱による軟化により、シール不良が出易いので使用は困難である。
〔別実施形態〕
補強シート4の爪tは、切り起し(切り曲げ)により、金属板4Aの一部を用いて隆起させて成るものでも良く、三角形状や台形形状など種々の形状の切り起し爪が可能である。また、その対向配置される2個の切り起し爪や、3個或いは5個以上の爪の集合体で爪tとする構造も可能である。
補強シート4は、図8に示すように、金属板4Aの切り起しにより、互いに背を向ける状態に一対の部分爪6,6で成る爪tが形成されている構造のものでも良い。上面4aから爪孔8を伴って隆起形成される部分爪6は、図示のように、上面4aに沿う特定方向に並んで配置される横爪であるが、その方向に交差(直交)する方向に配置される縦爪でも良い。
4 補強シート
4A 金属板
4a 一方の面
4b 他方の面
5 シート材
6(t) 第1の爪
6a〜6d 部分爪
7(t) 第2の爪
A シートガスケット
t 爪

Claims (6)

  1. 金属板製の補強シートの両面それぞれに、脆性又は可塑性を高温域で有するシート材が圧着されるとともに、前記補強シートの一方の面及び他方の面のそれぞれに、前記金属板の一部を隆起形成して成る爪が複数形成されているシートガスケット。
  2. 前記面に直交する方向視において前記一方の面の第1の爪と前記他方の面の第2の爪とが互いに隣り合う状態に交互配置されている請求項1に記載のシートガスケット。
  3. 前記第1の爪の高さが、前記一方の面に圧着される第1シート材の厚みと同一又はほぼ同一に設定される第1構造と、前記第2の爪の高さが、前記他方の面に圧着される第2シート材の厚みと同一又はほぼ同一に設定される第2構造との少なくとも一方の構造が採られている請求項1又は2に記載のシートガスケット。
  4. 前記爪が、前記金属板に開口する爪孔の周縁における互いに異なる位置から立ち上がる4箇所の部分爪を有して構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のシートガスケット。
  5. 高温域で前記脆性を有するシート材が、アラミド繊維及び/又は鉱物繊維に無機充填材とゴム質結合材とを配合してなる材料で形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載のシートガスケット。
  6. 高温域で前記可塑性を有するシート材が、PTFE樹脂を主成分とする材料で形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載のシートガスケット。
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