JP5384417B2 - ルーズフランジ式フレア管継手、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管の製造方法及び鋼管の接合方法 - Google Patents

ルーズフランジ式フレア管継手、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管の製造方法及び鋼管の接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、フランジをボルトで締結して配管類を接合する管継手に関し、より詳細には、鋼管の端部に設けたフレア部にルーズフランジを係合した機械式継手に関する。
水、空気、蒸気等の流体を移送する屋内配管の接合には、フランジをボルトで締結する機械式継手が用いられる。このような機械式継手のフランジは、鋼管の端部に溶接するか、又は、鋼管の端部に設けたフレア部をルーズフランジに係合させる、などの方法により、鋼管の端部に設けられる。
近年では、溶接の必要がなく、施工現場にて簡便にフレア加工ができ、施工時間も短縮できるルーズフランジ式フレア管継手の需要が高まっている。また、屋内配管では、通常、鋼管に軸力や曲げを伴わない配管設計が行われ、ルーズフランジ式管継手によって配管が接合される(例えば、特許文献1、2)。
このルーズフランジ式フレア管継手は火気を必要としないことから、例えば、船舶内配管における需要も高まっている。この場合、船舶のエンジン振動、波動による振動により継手部には繰り返しの引張応力が負荷される。したがって、繰り返し荷重下においてもシール性が維持できるルーズフランジ式フレア管継手が要求されるようになってきた。
これに対して、繰り返し荷重が負荷された際に、移送流体のシール性が維持できるような継手は、これまでには開発されていない。なお、内圧が高くなるほど密封力を増すルーズフランジ式管継手は提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、この技術でも、繰り返し応力が負荷された際には、シール性を確保することはできない。
また、フレア加工部の強度や疲労特性を向上させる方法は提案されている(例えば、特許文献4、5)。しかし、これらは、成形加工されたフレア部の特性を向上させたものであり、ルーズフランジ式フレア管継手のシール性については考慮されていない。
一方、フランジ部に応力が加わった際の耐破壊特性の向上を目的とした管継手として、フレア部のフランジとの接触面をテーパー状に加工したルーズフランジ式フレア管継手が提案されている(例えば、特許文献6)。しかし、このようなテーパー形状を有するフレア部を形成するためには、加工途中で工具を変更する必要があり、フレア部のつば出し加工の工程が複雑になる。
特開2007−211811号公報 特開2000−55239号公報 登録実用新案第3136954号公報 特開2005−351383号公報 特開平5−329557号公報 実開平7−22193号公報
本発明は、鋼管の端部にフレア部を設け、鋼管の接合部においてフレア部の端面を衝合してルーズフランジによって挟持するルーズフランジ式フレア管継手に、特に、繰り返し応力が負荷された際のシール性の改善を課題とするものである。
本発明は、フレア部の端面の角度とフレア部コーナーの曲率半径との関係を制御し、繰り返し応力が負荷された際のシール性を改善したルーズフランジ式フレア管継手に関し、その要旨は以下のとおりである。
(1)本発明のある観点によれば、2本の鋼管の端部にそれぞれつば出し加工によって形成されたフレア部を、ガスケットを介在させて衝合し、当該両フレア部をルーズフランジで挟持するルーズフランジ式フレア管継手であって、前記鋼管の一方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記鋼管の他方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記ルーズフランジは円環状フランジであり、前記ルーズフランジ式フレア管継手の非締結時の、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、下記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されており、前記ガスケットは非石綿ジョイントシールからなることを特徴とする、ルーズフランジ式フレア管継手が提供される。
(2)また、本発明の別の観点によれば、上記(1)に記載のルーズフランジ式フレア管継手に用いられ、端部につば出し加工によって形成されたフレア部を有する鋼管であって、前記鋼管は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、下記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されていることを特徴とする、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管が提供される。
(3)また、本発明の別の観点によれば、上記(2)に記載のルーズフランジ式フレア管継手用鋼管の製造方法であって、前記鋼管は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記鋼管の端部につば出し加工によってフレア部を形成するに際し、自転する円錐ローラを前記鋼管に対して相対的に公転させながら前記鋼管の端部に接触させ、前記円錐ローラの中心軸と前記鋼管の中心軸との角度を漸次大きくすることにより、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、下記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御することを特徴とする、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管の製造方法が提供される。
Figure 0005384417
(4)本発明の別の観点によれば、ルーズフランジ式フレア管継手を用いた鋼管の接合方法であって、鋼管の端部をつば出し加工することで、前記鋼管の中心軸に対するフレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、上記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されている前記フレア部を形成する工程と、2本の前記鋼管の端部にそれぞれ形成された前記フレア部を、非石綿ジョイントシールからなるガスケットを介在させて衝合する工程と、前記衝合されたフレア部をルーズフランジで挟持して、機械的に締結する工程と、を含み、前記鋼管の一方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記鋼管の他方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記ルーズフランジは円環状フランジであることを特徴とする、鋼管の接合方法が提供される。
本発明によれば、配管の接合部におけるルーズフランジ式フレア管継手に繰り返し応力が負荷された場合においても、配管内の移送流体をシールすることが可能になり、産業上の貢献が極めて顕著である。
本発明の一実施形態にかかるルーズフランジ式フレア管継手の一例の模式図である。 繰り返し曲げ負荷試験の模式図である。 フレア部端面角度θとコーナーRとを示した図である。 コーナー部の表面応力とフレア部端面角度θの関係を示す図である。 シール性に及ぼすフレア部端面角度θとコーナーRの影響を示す図である。 フレア加工の模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1に、本発明の一実施形態にかかるルーズフランジ式フレア管継手の一部を模式的に例示する。本実施形態にかかるルーズフランジ式フレア管継手は、2つの鋼管1a、1bの接合部において、各鋼管1a、1bの端部を拡開して成形されたつば状のフレア部2a、2bを、ガスケット3を介して衝合させ、当該衝合された両フレア部2a、2bをその両側からルーズフランジ4a、4bで挟持して、ボルト5とナット6により機械的に締結する構造である。
より詳細に説明すると、鋼管1a、1bは、それぞれの端部につば出し加工によって形成されたフレア部2a、2bを有する。フレア部2a、2bは、2本の鋼管1a、1bを相互に接合するために、鋼管1a、1bの端部をその外側に折り曲げるように拡開する成形加工(つまり、フレア加工)された部分である。
このフレア部2a、2bには、それぞれ、ルーズフランジ4a、4bが係合している。このルーズフランジ4a、4b(以下「フランジ4a、4b」という。)は、鋼管1a、1bの外径よりも大きな内経を有する円環状フランジである。かかるフランジ4a、4b内に鋼管1a、1bが挿通され、非締結時には、フランジ4a、4bの内周面は鋼管1a、1bの外周面に沿って摺動可能である。
鋼管1a、1bのフレア部2a、2bの端面9(図3参照。)同士は、必要に応じてガスケット3を介在させて衝合される。ガスケット3は、例えば、フレア部2a、2bの外径と同程度の外径を有する円環状の封止部材であり、衝合された2つのフレア部2a、2bの端面9の間をシールする機能を有する。フレア部2a、2bの衝合部は、その両側から上記フランジ4a、4bで挟持され、フランジ4a、4bは、ボルト5とナット6で締結されている。
かかるルーズフランジ式フレア管継手を用いて、鋼管1a、1bを接合する手順について説明する。まず、対向配置された鋼管1aのフレア部2aと鋼管1bのフレア部2bとの間に、ガスケット3を介在させ、その状態でフレア部2aの端面9とフレア部2bの端面9とを衝合させる。次いで、当該衝合されたフレア部2a、2bを、その外側からフランジ4a、4bにより挟持する。その後、フランジ4a、4bに挿通したボルト5とナット6により、フランジ4a、4bを機械的に締結・固定することで、フレア部2a、2bを両側から押圧する。これにより、当該継手を用いて2本の鋼管1a、1bを好適に接合できる。なお、フランジ4a、4bを固定する手段としては、上記ボルト5とナット6の例に限定されず、フランジ4a、4bを機械的に締結・固定するものであれば、任意の固定部材を使用できる。
また、水、空気、蒸気などを移送する配管にはSTPG(JIS G 3454)やSGP(JIS G 3452)等の配管材料が使用され、その外径は50A〜350Aであり、100A前後の鋼管が主流となっている。そこで、発明者らは100AのSGP配管を用いて、繰り返し荷重負荷下でのルーズフランジ式フレア管継手のシール性能を評価した。
繰り返し応力を負荷した際のルーズフランジ式フレア管継手のシール性の評価は、以下のようにして行った。まず、100A(外径114.3mm、肉厚4.5mm)のSGP鋼管の端部をフレア加工し、フレア部2を形成した。このフレア部2にフランジ4を係合し、両フレア部2を衝合してフランジ4をボルト5で締結し、ルーズフランジ式フレア管継手とした。なお、フレア部2の端面9同士の衝合部にはガスケット3を介在させた。
次に、図2に例示したように、ルーズフランジ式フレア管継手を、鋼管1a、1bの接合部に曲げ応力が加わるように、4点曲げ試験機10に設置した。その後、ルーズフランジ式フレア管継手に1MPaの空気を充填し、繰り返し曲げ荷重を負荷した。繰り返し曲げ荷重を負荷しながら空気圧を測定し、急激に空気圧が低下した際にリークが生じたと判断して、試験を終了した。
曲げ荷重は、次式(2)及び(3)で表される曲げ応力σBが50MPaとなるように制御した。ただし、M:曲げモーメント、Z:断面係数、W:曲げ荷重、L:短スパン、L:長スパン、である。
Figure 0005384417
急激な内圧低下が見られた継手を調査したところ、フレア部2と鋼管1との間のコーナー部(図3のRの近傍)より亀裂が発生し、鋼管1の外面から内面に向けて貫通していることがわかった。そこで、ルーズフランジ式フレア管継手の疲労強度を向上させるため、コーナー部に発生する応力を低下させる方法について検討した。なお、フレア部2と鋼管1との間のコーナー部は、図3に示すように、フレア部2と鋼管1との連結箇所外側で内側に湾曲した部分を指し、このコーナー部での曲率半径Rを、コーナー曲率半径Rと称する。
本発明者らが着目したのは、図3に示した鋼管1の中心軸8に対するフレア部2の端面9の角度θ(以下「フレア部端面角度θ」という。)と、フレア部2と鋼管1との間のコーナー曲率半径R(以下「コーナーR」という。)との関係である。有限要素法解析(FEA)により、継手を締結する際に、コーナー部に発生する表面応力とフレア部端面角度θとの関係を求めた。
結果を図4に示す。これよりフレア部端面角度θが90゜より小さくなると、継手締結時の応力が圧縮側になり、その後の引張応力負荷時にも疲労強度に対して有利に働くことが推測できる。また、フレア部端面角度θが91゜を超えた付近から降伏現象が現れることも、フレア部端面角度θとコーナー部に発生する表面応力との関係が線形性を失われることから判断できる。
さらにコーナー部の応力を低下させる手段として、コーナーRを大きくすることが考えられる。そこでFEAにより50MPaに相当する曲げ負荷時に、コーナー部で発生する応力振幅と平均応力を評価した。その結果、疲労破壊を防止するためには、フレア部端面角度θとコーナーRとの関係を次式(1)に示す特定の関係に保つことが重要であると推定された。
Figure 0005384417
そこで、100A(外径114.3mm、肉厚4.5mm)のSGP鋼管を用いて、フレア部端面角度θとコーナーRとを変化させたルーズフランジ式フレア管継手を製造し、図2に示した試験機10を用いて、上述の方法と同様の曲げ疲労試験を行った。この試験では、100万回の曲げ荷重繰り返し負荷に対しても内圧が急激に低下しなかった鋼管を合格とした。
曲げ疲労試験結果を図5に示す。図5の○はリークが発生しないこと、×はリークが発生したことを意味する。これより式(1)を満たす継手に対しては100万回の繰り返し荷重を負荷してもリークは発生しないことがわかる。一方、式(1)を満たさない継手は、100万回未満の繰り返し荷重の負荷によってリークを起こし、検査の結果、コーナー部より亀裂が貫通していることがわかった。
また、フレア部端面角度θは、小さいほどコーナーRの許容度は大きくなる。しかし、フレア部端面角度θが小さすぎると、継手を締結した際に局所的にガスケット3に過大な面圧が発生する。特に、フレア部端面角度θが87°未満になると、ガスケットが破断することがあるため、θの下限を87°以上とする。一方、フレア部端面角度θが91°を超えると、コーナー部に降伏が生じることがあるため、上限を91°以下とすることが好ましい。
なお、本実施形態にかかる鋼管1の端部にフレア部2を形成する加工法については、これを限定するものではないが、例えば、図6に示すように鋼管1及びコーン7(円錐ローラ)を回転させ、相対的に自転と公転を繰り返して接触させる方法を採用することが好ましい。この方法によって、コーン7の軸と鋼管1の軸との角度を漸次大きくすれば、フレア部端面角度θを徐々に大きくすることが可能であり、フレア部端面角度θを精度良く制御することができる。
次に、本発明の実施例として、種々の鋼管1において、フレア部端面角度θとコーナーRを変化させたときの、リークまでのサイクル回数を評価した実験について説明する。
本実験では、まず、種々のSGP鋼管の端部を図5に示した方法でつば出し加工し、フレア部端面角度θ及びコーナーR(図3)を測定した。更に、フレア部2にルーズフランジ4を係合させ、ガスケット3を介在させてフレア部2の端面9同士を衝合し、ボルト5で締結して、ルーズフランジ式フレア管継手を製造した。表1に示したように、試験に供したSGP鋼管は、サイズ65A〜200Aの、鍛接鋼管、電縫鋼管である。
なお、本実験では、ガスケット3として、ニチアス株式会社製“汎用NAジョイントシール TOMBO No.1995”を使用した。このガスケット3は、無機繊維とアラミド繊維に無機充填剤を加え、バインダーとして耐油性合成ゴムを配合した非石綿ジョイントシールである。このガスケット3の寸法は以下の通りである。また、該当規格は、JIS F0602HJ、ASTM104F712100−B5E12M5である。なお、かかるガスケット3は本実験で使用した例であり、本発明のガスケット3がかかる例に限定されるものではない。
サイズ 65Aの鋼管:ガスケット3の外径124mm、内径77mm、厚み3mm
サイズ100Aの鋼管:ガスケット3の外径159mm、内径115mm、厚み3mm
サイズ200Aの鋼管:ガスケット3の外径270mm、内径218mm、厚み3mm
ルーズフランジ式フレア管継手で接合された鋼管1a、1bを図2に示したように4点曲げ試験機10に設置し、内部には1MPaの空気を封入し、継手の接合部に繰り返し応力を負荷した。なお、下記式(2)及び(3)から計算される曲げ応力σBが50MPaになる曲げ荷重の負荷、除荷を最高100万回繰り返し、圧力が急激に低下したときをリークまでの繰り返しサイクル数とした。
Figure 0005384417
ただし、M:曲げモーメント、Z:断面係数、W:曲げ荷重、L:短スパン、L:長スパン、である。かかる実験結果を表1に示す。
Figure 0005384417
実施例1〜19ではフレア部端面角度θとコーナーRとの関係が適正であり(上記式(1)を満たす関係)、100万回の繰り返し曲げ負荷に対しても継手からリークが生じることはなかった。これに対して比較例1〜18では、フレア部端面角度θが、コーナーRとの関係で式(1)により定められる上限値よりも大きいため、曲げ繰り返し数が100万回に達する以前にリークを生じた。比較例19〜22は、フレア部端面角度θが87°よりも小さいため、継手締結時にガスケット3が破断した。また、フレア部端面角度θが91°より大きい比較例3、5、11、13、16、17、18では、コーナー部に降伏が生じたが、フレア部端面角度θが91°以下である場合には、コーナー部の降伏は観察されなかった。
従って、かかる実験結果によれば、フレア部端面角度θが、コーナーRとの関係式(1)の右辺を満たさない場合、繰り返し荷重に対する所望の耐リーク性能が得られず、一方、θが87°未満であると、ガスケット3が破損してしまうため、好適でないといえる。これに対して、フレア部端面角度θが87°以上であり、かつ、コーナーRとの関係式(1)の右辺を満たす場合、リークまでの繰り返しサイクル数が100万回を超え、継手に繰り返し応力が負荷された際でも好適なシール性を発揮でき、かつ、ガスケット3も破損しないことが実証されたといえる。さらに、フレア部端面角度θを91°以下とすることで、継手組立時に、鋼管1とフレア部2との連結箇所にあるコーナー部が降伏することを防止できる。
以上、本実施形態にかかるルーズフランジ式フレア管継手について詳細に説明した。本実施形態によれば、鋼管1のフレア部端面角度θとコーナーRを、上記式(1)を満たす適切な値に調整することで、繰り返し荷重に対する耐リーク性能を高めることができる。従って、例えば、舶内配管において船舶のエンジン振動、波動による振動によって継手に繰り返し応力が負荷された場合においても、継手のシール性を確保して、配管内の移送流体の漏れを防止できる。
また、本実施形態にかかるルーズフランジ式フレア管継手では、鋼管1の接合部のシール性を向上させるためには、フレア部2をつば出し加工する際にフレア部端面角度θを調整するだけでよい。従って、上記特許文献6のように、テーパー形状を有するフレア部を形成するために、成形加工途中で工具を変更する必要がない。よって、フレア部2のつば出し加工の工程を簡便にすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:鋼管
2:フレア部
3:ガスケット
4:ルーズフランジ
5:ボルト
6:ナット
7:コーン
8:鋼管の中心軸
9:フレア部の端面
10:4点曲げ試験機

Claims (10)

  1. 2本の鋼管の端部にそれぞれつば出し加工によって形成されたフレア部を、ガスケットを介在させて衝合し、当該両フレア部をルーズフランジで挟持するルーズフランジ式フレア管継手であって、
    前記鋼管の一方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記鋼管の他方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、
    前記ルーズフランジは円環状フランジであり、
    前記ルーズフランジ式フレア管継手の非締結時の、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、下記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されており、
    前記ガスケットは非石綿ジョイントシールからなることを特徴とする、ルーズフランジ式フレア管継手。
    Figure 0005384417
  2. 前記ルーズフランジ式フレア管継手に対して繰り返し荷重が負荷されたときに、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー部に発生する表面応力を低下させるように、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、前記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されたことを特徴とする、請求項1に記載のルーズフランジ式フレア管継手。
  3. 自転する円錐ローラを前記鋼管に対して相対的に公転させながら前記鋼管の端部に接触させ、前記円錐ローラの中心軸と前記鋼管の中心軸との角度を漸次大きくすることにより、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、前記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のルーズフランジ式フレア管継手。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のルーズフランジ式フレア管継手に用いられ、端部につば出し加工によって形成されたフレア部を有する鋼管であって、
    前記鋼管は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、
    前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、下記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されていることを特徴とする、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管。
    Figure 0005384417
  5. 前記ルーズフランジ式フレア管継手に対して繰り返し荷重が負荷されたときに、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー部に発生する表面応力を低下させるように、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、前記式1を満足するように制御されたことを特徴とする、請求項4に記載のルーズフランジ式フレア管継手用鋼管。
  6. 自転する円錐ローラを前記鋼管に対して相対的に公転させながら前記鋼管の端部に接触させ、前記円錐ローラの中心軸と前記鋼管の中心軸との角度を漸次大きくすることにより、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、前記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されたことを特徴とする、請求項4又は5に記載のルーズフランジ式フレア管継手用鋼管。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載のルーズフランジ式フレア管継手用鋼管の製造方法であって、
    前記鋼管は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、
    前記鋼管の端部につば出し加工によってフレア部を形成するに際し、自転する円錐ローラを前記鋼管に対して相対的に公転させながら前記鋼管の端部に接触させ、前記円錐ローラの中心軸と前記鋼管の中心軸との角度を漸次大きくすることにより、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、下記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御することを特徴とする、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管の製造方法。
    Figure 0005384417
  8. ルーズフランジ式フレア管継手を用いた鋼管の接合方法であって、
    鋼管の端部をつば出し加工することで、前記鋼管の中心軸に対するフレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、下記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されている前記フレア部を形成する工程と、
    Figure 0005384417
    2本の前記鋼管の端部にそれぞれ形成された前記フレア部を、非石綿ジョイントシールからなるガスケットを介在させて衝合する工程と、
    前記衝合されたフレア部をルーズフランジで挟持して、機械的に締結する工程と、
    を含み、
    前記鋼管の一方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、前記鋼管の他方は配管用炭素鋼鋼管又は圧力配管用炭素鋼鋼管であり、
    前記ルーズフランジは円環状フランジであることを特徴とする、鋼管の接合方法。
  9. 前記フレア部を形成する工程では、前記ルーズフランジ式フレア管継手に対して繰り返し荷重が負荷されたときに、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー部に発生する表面応力を低下させるように、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、前記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御されている前記フレア部を形成することを特徴とする、請求項8に記載の鋼管の接合方法。
  10. 自転する円錐ローラを前記鋼管に対して相対的に公転させながら前記鋼管の端部に接触させ、前記円錐ローラの中心軸と前記鋼管の中心軸との角度を漸次大きくすることにより、前記鋼管の中心軸に対する前記フレア部の端面の角度θと、前記フレア部と前記鋼管との間のコーナー曲率半径R[mm]とが、前記式1を満足し、前記角度θが91°以下となるように制御することを特徴とする、請求項8又は9に記載の鋼管の接合方法。
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