JP2013020952A - 酸化スズ被覆型導電性粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化チタン、酸化アルミナ、シリカ等の基体表面に、アンチモン等の有害成分を含有せずに優れた導電性を有し、アンチモン含有導電性粉末よりも体積抵抗が優れる導電層を形成した酸化スズ被覆導電性粉末を安価で提供する。
【解決手段】酸化チタン、酸化アルミナ、シリカ等の基体表面に、SnOに対しリン元素をPとして0.1〜5重量%含有させたスズの加水分解反応物を均一に生成させ、該生成物に高分子化合物を吸着させた後、不活性ガスを流入させて雰囲気を制御しながら400〜900℃で焼成処理する。本製造法により、体積抵抗が2〜80Ω・cm、粉体帯電量が+40〜−80μc/g、粉体色調のL値が55〜80である酸化スズ被覆導電性粉末が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アンチモン等の有害成分を含まずに高い安全性と導電性を有する酸化スズ被覆型導電性粉末及びその製造方法に関するものである。
導電性粉末は、表面電荷の調整や帯電防止等の目的で、帯電防止塗料、クリーンルームの内装、プラスチック材料の帯電防止処理、繊維、プリンター、複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー、キャリア、静電ブラシ等に広く利用されている。特に、導電性粉末が樹脂コートキャリアやトナーに使用される場合、帯電が画像の濃さに大きな影響を及ぼすため粉体帯電量を一定に制御する必要があり、そのために導電性粉末の樹脂中での分散性を向上させ、安定化させることが課題となっている。
現在知られている導電性粉末には、カーボンブラック、金属粉末、アンチモンを含有した酸化スズ(ATO)粉末、スズを含有した酸化インジウム(ITO)粉末等のように均一構造からなる単一粒子型の他に、選択された無機粉末を基体粒子とし、その表面に導電層を被覆した導電層被覆型の粉末がある。導電層被覆型の導電性粉末は単一粒子型の導電性粉末に比べて、基体粒子の選択により、比重の軽量化による添加量の低減化、板状形・針状型粒子の形状を利用した導電性能の効率化を図ることができ、また、基体粒子の粒子サイズや、比重等を適宜選択することにより、樹脂中での分散性を制御することが出来るという利点がある。
導電層被覆型の導電性粉末としては、導電性を高めるために、導電層としてアンチモンを含有したアンチモンドープ酸化スズ(ATO)被覆品が主として使用され、市場の中心であった。その後、アンチモンの毒性が懸念され始めたことから、アンチモンを含有しない導電性粉末として、酸化チタン、アルミナ、シリカ等の基体表面にアンチモンの代わりにニオブをドープした酸化スズ(NbTO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)等を被覆処理した導電性粉末が市場に出た。しかしながら、ITOは主原料となるインジウムの高騰や原料の枯渇が懸念されることが問題であり、一方、NbTO、FTO等には、導電性が十分でなく用途が制限される等の問題点があった。
一方、NbTO、FTO、ITOを被覆する導電性粉末よりもコスト的に有利と考えられるリン含有酸化スズ(PTO)を導電層として応用する場合、(1)ATOに比べて、粉体の体積抵抗が大きく、樹脂膜に配合したときの表面抵抗が劣る、(2)粉体の保管期間が長くなると、酸化により粉体の体積抵抗が上昇し、かつ、吸湿により水分量が上昇して帯電量などの粉体特性が変動する等の欠点があった。これらの欠点を補うため、二酸化チタン粒子表面にスズの加水分解反応生成物を均一に沈着させ、その後にリンを被覆させ、非酸化性雰囲気にて焼成することにより導電性に優れたPTO被覆白色導電性二酸化チタン粉末を得る方法(特許文献1)、800〜1300℃の比較的高温度で焼成することによりリン成分を酸化スズ結晶内に十分固溶し導電性に関して経時安定性に優れたPTO導電性粉末を製造する方法(特許文献2)、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属元素を特定量以下に制御した二酸化チタンを用い、良好な導電層を有するPTO被覆型導電性粉末を製造する方法(特許文献3)等が検討されてきた。しかしながら、これらの方法で得られた導電性粉末は、体積抵抗がATOに比べて同等かあるいは劣っており、樹脂膜に配合したときに、良好な表面抵抗を有するものではなかった。
特開平6−207118号公報 特開平6−92636号公報 国際公開WO2005/8685号公報
本発明は、アンチモン等の有害成分を含有せず、ATOを被覆した導電性粉末に劣らない体積抵抗を有する酸化スズ被覆型導電性粉末を安価で提供することを目的とする。当該酸化スズ被覆型導電性粉末を用いることにより、良好な表面抵抗を有する樹脂膜を得ることができる。
本発明者らは、毒性が懸念されるアンチモンを使用せず、アンチモン含有酸化スズ被覆型導電性粉末と同等以上の導電性を有する酸化スズ被覆型導電性粉末を開発する為、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成したものである。すなわち、酸化チタン、アルミナ、シリカ等の基体表面にリンを含んだスズの加水分解反応物を均一に沈着させて被覆し、該被覆層上に高分子化合物を吸着させた後、特定の雰囲気制御をしながら焼成処理を行い、シランカップリング剤等の有機物による表面処理を施すこと等により、体積抵抗が2〜80Ω・cmと極めて良好な導電性を保ちつつ、+40〜−80μc/gの幅広い粉体帯電量を有し、粉体色調のL値が55〜80である導電性粉末が得られることを見出した。樹脂コートキャリアやトナー用途に使用する場合、使用される樹脂の電気陰性度に適した粉体帯電量を有する導電性粉末を選定する必要があり、従って、導電性粉末の粉体帯電量は、重要な指標の一つである。
酸化スズ被覆層に導電性を発現させるメカニズムとしては、被覆導電層である酸化スズ粒子SnO(2−x)中に酸素欠陥が生成し、この酸素欠陥を通って伝送電子が移動するために導電性粉末となることが知られている。その導電性の度合いは、酸化スズ粒子SnO(2−x)中での酸素欠陥量、及び焼成処理工程に於ける酸化スズへのドーパントの固溶に伴う半導体化の度合いによって決定される。そこで、本発明者らは当該酸化スズの導電性が最も良好となるドーパント種、量及び焼成処理の方法等の検討を行った結果、安価で導電性の高い材料としてはリンを酸化スズにドープさせたPTOが最も好ましく、工業的に有益な方法として、還元促進剤となる高分子化合物をPTOに吸着させた後、焼成処理工程に於いて、キャリアガスである不活性ガスの流量を最適値に制御し、カーボン量を最適化することにより、極めて体積抵抗の低い導電性粉末が得られることを見出した。
すなわち、本発明では、酸化チタン、アルミナ、シリカ等の基体表面に、SnOに対しリン元素をPとして0.1〜10重量%を含有させたスズの加水分解反応物を均一に生成させ、該生成物に高分子化合物を、基体とPを含有したSnOの合計重量に対して、カーボン量換算で0.03〜0.5重量%を吸着させた後、焼成処理工程に於いて不活性ガス流量の最適化による雰囲気制御を行う酸化スズ被覆型導電性粉末の製造方法が提供される。基体表面にリンを含有したスズの加水分解反応物が均一に被覆できない場合、リンを含有したスズの加水分解反応物を基体に被覆する前に、先に基体表面にリンを含有しないスズの加水分解反応生成物を均一に沈着させても良い。焼成処理は、非酸化性雰囲気にて400〜900℃で焼成処理を行う方法であり、具体的には、昇温前のパージ時及び焼成後の冷却時には不活性ガスを吹き込みながら行い、炉内の酸素濃度を低下させるとともに、昇温時及び焼成処理温度保持中においては不活性ガスの流量を制限し、又は停止することにより、添加した高分子化合物から生成する還元性ガスを焼成炉の外部に飛散させずに、還元性ガスの滞留時間を長くして導電性の発現に寄与させる方法である。この方法を適用することにより、体積抵抗が2〜80Ω・cmとなる導電性粉末が得られることを見出した。
本発明によって、有害なアンチモンを使用することなく導電性に優れた酸化スズ被覆型導電性粉末を容易に製造することができ、工業的に高い利点がある。
以下、本発明のPTOを被覆した導電性粉末及びその製造法について詳しく説明する。
(酸化スズ被覆型導電性粉末)
本発明の酸化スズ被覆型導電性粉末は、SnOに対してリン元素をPとして0.1〜10重量%含有する酸化スズの層を基体の表面に被覆してなる酸化スズ被覆型導電性粉末である。基体の種類に応じて、Pを含有する酸化スズの層と、基体表面との間に、Pを含有しない酸化スズの層をさらに備えていても良い。
(基体)
本発明の酸化スズ被覆型導電性粉末の基体としては、アルミナ、シリカ、二酸化チタン等を用いることができ、二酸化チタンのアルカリ金属化合物、例えば、チタン酸カリウムやチタン酸ナトリウムなども使用することができる。
(第三元素)
導電層にリン以外の第三元素を含有しても良い。第三元素を添加することにより導電層粒子の成長を抑制し、均一化、緻密化させ、より微細な導電層を得ることができる。第三元素としてはケイ素、アルミニウム、タングステン、ジルコニウム及び、チタンのうちの一種又は二種以上を添加することができる。
(酸化スズ被覆型導電性粉末の特性)
本発明の酸化スズ被覆型導電性粉末は、体積抵抗が2〜80Ω・cm、より好ましくは2〜15Ω・cmであり、粉体帯電量が+40〜−80μc/g、粉体色調のL値が55〜80であることを特徴とする。
(酸化スズ被覆型導電性粉末の製造方法)
本発明の酸化スズ被覆型導電性粉末の製造方法は、SnOに対してリンをPとして0.1〜10重量%含有するスズの加水分解反応物を基体に被覆する工程、リンを含有するスズの加水分解反応物の被覆された基体に、高分子化合物を、基体と加水分解反応物の合計重量に対して、カーボン量換算で0.03〜0.5重量%吸着させる工程、及び高分子化合物を吸着させた基体を、雰囲気を制御しながら400〜900℃の温度で焼成処理する工程、を含む。リンの影響により、基体の表面にリンを含有するスズの加水分解反応物が均一に被覆できない場合には、Pを含有するスズの加水分解反応物を基体に被覆する工程の前に、Pを含有しないスズの加水分解反応物を基体に被覆する工程を任意に含んでもよい。
まず、酸化チタン、アルミナ、シリカ等の基体表面に、SnOに対しリン元素をPとして0.1〜10重量%含有させたスズの加水分解反応物を均一に生成させ、被覆させる。ここで、スズの加水分解反応物は、液中で生成とほぼ同時に基体表面に被覆される。次いで、該生成被覆物に親水性高分子化合物を吸着させながら洗浄し、空気の混入による被覆物の酸化を防止するために、雰囲気を制御しながら400〜900℃で焼成処理を行い、焼成物を必要に応じて粉砕して粉末とする。雰囲気の制御方法としては、該焼成処理の際、昇温前において空気との置換のために不活性ガスを流し、炉内を酸素濃度10,000ppm以下にした後、酸素欠陥を発生させる昇温時及び焼成処理温度保持時には不活性ガスの流入を0.3リットル/分以下に制限するか、又は停止し、焼成後の冷却時には再び不活性ガスを十分に流すことが好ましい。さらに、粉末とする前に焼成品に表面処理を施しても良い。以上の工程により、本発明の酸化スズ被覆型導電性粉末を製造することができる。各処理工程を更に詳しく以下に説明する。
(被覆処理)
酸化チタン、アルミナ、シリカ等の基体の水性懸濁液に、スズ化合物およびリン化合物を含有する酸水溶液と、アルカリ水溶液とを随時又は同時に添加し、該水性懸濁液を温度50〜90℃、pH2〜10の範囲で加水分解することにより、基体表面に加水分解反応物の被覆処理を行うことができる。スズ化合物としては、塩化スズ、硫酸スズ、硝酸スズ等の酸性スズ塩や、スズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム等のアルカリ金属のスズ酸塩を使用することができる。リン化合物としては、例えば、三塩化リン、五塩化リンなどのハロゲン化物、オルトリン酸、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸若しくはそれらの塩を用いることができる。アルカリ水溶液は、水性懸濁液のpHを調整するために添加する。pHを調整するためのアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等、酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等を使用することができる。水性懸濁液のpHは、基体の種類によって分散状態を提供するゼータ電位となるpHが異なるため変動する。たとえばアルミナやシリカではpH6〜7が、酸化チタンではpH2〜3が、分散状態を提供するpH領域となる。ゼータ電位の絶対値が高ければ良好な分散状態となり、一方、ゼータ電位が等電点近傍になると粒子が凝集する。
スズ化合物は、スズ化合物中に含有されるSnOの重量が、基体の重量に対して好ましくは50〜200重量%となるように添加する。SnOの重量が、基体の重量に対して50重量%より少ないと所望の体積抵抗値が得られず、好ましくない。また、200重量%を越えると体積抵抗値がほとんど変わらないため、コスト面から好ましくない。
酸化チタン、アルミナ、シリカ等の基体表面に形成する被覆導電層に於けるリンの添加方法としては、あらかじめリンをスズ塩あるいはスズ酸塩の溶液に溶解しておき、スズの加水分解反応生成物中にリンの生成物を形成させて被覆層を被覆する方法の他に、上述の特許文献1に記載されているような、基体表面に加水分解反応によって一層目の水酸化スズの層を形成した後に、当該水酸化スズの層の上にリンの生成物を形成させた二層目の被覆層を生成させて二層構造とする方法が考えられる。この方法を用いた場合、二層構造において、リンはPとして存在し、一層目の水酸化スズ層と二層目のP層とは一部が固溶していると考えられる。しかしながら、このような、水酸化スズを生成した後にリン化合物を添加する方法では、焼成処理工程において導電層の粒成長が進行し易く、均一な被覆処理とならないため、被覆方法としては、リンをスズ塩あるいはスズ酸塩の溶液に溶解しておき、スズの加水分解反応生成物中にリンの生成物を形成させて被覆層を被覆する方法が望ましい。
リン化合物は、導電層のSnOに対して、Pの重量が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%となるように添加する。リンの添加量が0.1重量%より少ないとリンのドーパント効果が少なくなり十分な導電性が得られない。一方で、リンの添加量が5重量%を超えると粒界あるいは粒子表面に厚いP層が形成され、焼成処理時における酸素の揮発が制限されてしまうため、酸素欠陥量が少なくなり十分な導電性が得られない。
基体の種類によっては、添加されるリンの影響により、基体の表面にリンを含有したスズの加水分解反応生成物が均一に被覆できない場合がある。この場合には、先に基体表面にリンを含まないスズの加水分解反応生成物を均一に沈着させた後に、リンを含有したスズの加水分解反応生成物を被覆しても良い。具体的には、まずスズ塩又はスズ酸塩の溶液を用いてリンを含まない被覆層を形成し、その後、リン酸塩の溶液とスズ塩又はスズ酸塩の溶液とを混合ないし同時滴下して、リンの生成物を含有するスズ加水分解反応物の被覆を形成することができる。
また、前述のとおり、導電層にリン以外の第三元素を添加して導電層粒子の成長を抑制し、粒子を均一化、緻密化させて、より微細な導電層を得ることもできる。
(高分子化合物の添加)
次いで、処理懸濁液を純水で希釈し親水性高分子化合物を添加して凝集させた後、デカンテーションして洗浄を行い、乾燥させて、親水性高分子化合物を水酸化スズの凝集体上に吸着させることができる。高分子化合物は、処理懸濁液に添加する代わりに、焼成処理工程の直前、途中或いは直後のリン含有水酸化スズ被覆乾燥物に、粉末又は溶液として、あるいは噴霧により添加しても良い。
吸着した高分子化合物は、焼成処理工程において分解して生成する還元性のガスによって、リンドープ酸化スズ粒子SnO(2−x)中に酸素欠陥を生成させ、導電性の発現に寄与させることができる。ここで、吸着した高分子化合物は、ほぼ焼成時の熱によって分解し、揮発して消失するが、焼成処理の後においても若干量がカーボンとして被覆導電層に残存する。
高分子化合物は、従来公知の方法で製造することができ、また市場から入手することもできる。本発明の方法で添加することのできる親水性高分子化合物としては、カチオン化水溶性高分子、及びアニオン化水溶性高分子を挙げることができる。
カチオン化水溶性高分子の例として、ハイモ(株)のハイマックスNC−10、PC−6500などのカチオン化デンプン;三晶(株)のメイプロボンド9806などのカチオン化グアガム;荒川化学工業(株)のポリマロン351、360、ポリストロン311、619、アラフィックス251などのカチオン化アクリルアミド;ハイモ(株)のハイモロックMP−184、MP−284、MP−384、MP−484、MP−584、MP−684、MP−784、MP−984、MP−173H、MP−373H、MP−373L、MP−473H、MP−405、MP−180、MP−380、MP−558、MS−882、MS−884、MX−0120、MX−0210、MX−8170、MX−8130、MX−6170、MX−6144、MX−4173、MX−2100、MX−4054、MX−3310、MX−2050、E−305、E−315、E−195、E−395、E−775、E−555、E−950、E−513、E−515、E−510などのカチオン化ポリアクリル酸エステル;ハイモ(株)のハイモロックZP−700などのカチオン化ビニルホルムアミド;ハイモ(株)のハイモNeo−600などのカチオン化ポリアクリルアミド;ハイモ(株)のハイモロックQ−101、Q−311、Q−501(以上商品名)などのカチオン化ポリアミンが挙げられる。
アニオン化水溶性高分子の例として、ハイモ(株)のハイモロックSS−200H、SS−200、SS−300、SS−500、SS−100、SS−120、SS−130、SS−140、AP−105、AP−107、AP−115、AP−120、 V−330、V−320、V−310、OK−107、OK−307、OK−507、L−113、 Neo−200などのアニオン化ポリアクリルアミド;ハイモ(株)のハイモロックSS−190(以上商品名)などのアニオン化ポリアクリル酸ソーダが挙げられる。
また、焼成処理に際して添加する場合の高分子化合物としては、親水性でないものも用いることができ、たとえばポリビニルアルコール等の有機物を使用することもできる。ポリビニルアルコールは従来公知の方法で製造することができ、また市場から入手することもできる。ポリビニルアルコールの例としては、信越化学工業(株)のポバールC−05GP、C−10GP、C−25GP、PA−10GP、PA−15GP;(株)クラレのPVA−217、PVA−224(以上商品名)などが挙げられる。
高分子化合物の添加量は、基体及びスズ被覆物の合計重量に対してカーボン量換算で0.03〜0.5重量%が好ましく、この範囲より低い場合にはさして導電性の向上がみられず、高い場合には導電性粉末の表面をカーボン層が覆ってしまうために導電性が低下し、色調が黒くなる恐れがある。より好ましくは0.06〜0.15重量%である。体積抵抗の低下を重視する場合には添加量を0.2重量%より多めにし、色調とコストを重要視する場合はそれよりも少なめにすることが望ましい。
(焼成処理)
焼成処理は、前述のとおり、典型的には、不活性ガスによる雰囲気空気の置換、焼成温度までの昇温、焼成温度における焼成、焼成温度から室温への冷却の各工程からなる。焼成は、非酸化性雰囲気において行う必要がある。
したがって、焼成処理の際は、まず、昇温前に焼成炉に不活性ガスを十分に吹き込んで焼成炉中の空気を不活性ガスに置換して、炉内を非酸化性雰囲気とする。このとき、炉内の酸素濃度は、10,000ppm以下が好ましい。炉内の酸素濃度が10,000ppm以上になると、表面にある高分子化合物が酸化し、高分子化合物の分解により発生する還元性ガスの発生量が少なくなるため望ましくない。次に、昇温及び焼成時は不活性ガスの吹き込みを一定流量以下に制限するか、又は停止し、添加した高分子化合物から生成する導電性の発現に寄与する還元性ガスを逃がさないようにして、還元性ガスの滞留時間を長くする。焼成工程が終了し、冷却工程を行う時は再び不活性ガスを十分に流して空気の侵入を防止する。以上の方法により不活性ガスの量を制御することで、リン含有酸化スズ導電層SnO(2−x)中の酸素欠陥を最適量とすることができ、良好な導電性が得られる。
焼成する際の温度は400〜900℃が好ましく、400℃より低い場合には導電性の向上がみられず、900℃より高い場合には導電性粉末の焼結や粒成長が起こり、透明性が低下する恐れがある。
非酸化性雰囲気とするために用いる不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等が挙げられる。窒素ガスなどの不活性ガス量を調整して雰囲気を制御して焼成処理を行うことにより、導電性が安定した酸化スズ被覆型導電性粉末が得られる。不活性ガスの流量としては、炉内の酸素濃度を10,000ppm以下に保つという観点から、昇温前及び焼成後の冷却工程においては0.5〜1.5リットル/分が好ましく、また、昇温及び焼成時は還元性ガスの滞留時間を長くするため0.3リットル/分以下に制限するか、又は停止することが望ましい。
(有機物表面処理)
本発明の酸化スズ被覆型導電性粉末を樹脂中に分散させる場合、追加の処理として、樹脂への分散を良くするために導電性粉末の表面に有機物による処理を行うこともできる。また、表面に有機物処理をすることにより、体積抵抗を劣化させる要因である空気中の酸素を遮断して、体積抵抗の経時安定化をはかることもできる。有機物表面処理法としては、限定されるものではないが、例えば、酸化スズ被覆型導電性粉末にカップリング剤、多価アルコール等の有機化合物を被覆処理することができる。表面処理に用いるカップリング剤の種類は、酸化スズ被覆型導電性粉末の使用目的に応じて適宜選択することが出来るが、シラン系、チタネート系、ジルコネート系、アルミネート系及びジルコアルミネート系からなる群から選択された一種以上を使用することが出来る。シラン系のカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メタクロキシルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。また、チタネート系のカップリング剤としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートなどが挙げられ、ジルコネート系のカップリング剤としては、ジルコニウムトリブトキシステアレートなどが挙げられ、アルミネート系のカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
カップリング剤の添加量は、カップリング剤によって処理される導電性粉末の総重量に対して、好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜8重量%である。添加量が0.05重量%より少なすぎると経時安定性及び分散性を改善する効果が得られず、10重量%より多すぎると逆にカップリング剤処理層が絶縁層となって導電性の低下を引き起こし、更にコストの上昇にもつながる。また、表面処理に用いる多価アルコールもカップリング剤と同様に適宜選択することが出来るが、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、マンニトール及びソルビトールから一種以上を選択することが出来る。多価アルコールの添加量は、処理される導電性粉末の総重量に対して、好ましくは0.05〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%であり、添加量が0.05重量%より少なすぎると経時安定性及び分散性を改善する効果が得られず、20重量%より多すぎると逆に多価アルコールによって処理された層が絶縁層となって導電性の低下を引き起こし、更にコストの上昇にもつながる。
有機物による表面処理方法としては、限定されるものではないが、例えばヘンシェルミキサー等の高速撹拌混合機中で乾式処理を行う方法、あるいは当該導電性粉末を有機溶媒や水に分散させて懸濁液とし、その溶液中に有機物を添加して処理を行う方法等がある。有機物を表面に均一に処理する場合には後者の溶液中での処理が適しているが、有機溶媒系の場合には蒸留操作、粉砕等、水系の場合には固液分離、乾燥及び粉砕等の工程が必要となる。従って、製造の容易さ、コストの点ではヘンシェルミキサー等の高速撹拌混合機を用いた方法が好ましい。
(無機物表面処理)
本発明の導電性粉末を樹脂コートキャリアやトナーに用いる場合、樹脂中での分散性を向上させる目的で導電性粉末の表面を無機物によって処理しても良い。粉末の表面を被覆する無機物としてはアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン及びリン等のうちの一種又は二種以上を用いることができる。無機物の添加量は、処理される導電性粉末の総重量に対して、0.05〜2重量%が好ましく、2重量%より多いと導電性の低下を引き起こす。
無機物による表面処理方法としては、限定されるものではないが、たとえばヘンシェルミキサー等の高速撹拌混合機中で乾式処理を行う方法、あるいは導電性粉末を水や有機溶媒中に分散させた後に、無機物を添加して処理する方法等がある。当該無機物処理により、酸素が遮断されるので粉体比抵抗の経時安定化及び吸湿防止効果もある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
スズ加水分解反応生成物の被覆処理: 平均粒径0.3μmのα型酸化アルミナ粉末4,500gを水37.5リットルに分散させて水懸濁液とした。この懸濁液を70℃に加温保持した。塩化第二スズ10,469gを2N塩酸10.5リットルに溶解し、さらに塩化第二スズを溶解したこの塩酸にオルトリン酸167.4gを溶解して溶液を作成し、この溶液と、10N苛性ソーダ溶液とを、それぞれ5.3リットル/h及び7.0リットル/hで、懸濁液のpHを2〜3に保持する様に約2時間かけて同時滴下して、酸化アルミナ粉末表面にリンを含んだ酸化スズの含水物を被覆処理し、その後、pH2〜3、液温70℃に保持したまま30分間撹拌保持して熟成した。
高分子化合物吸着工程:次に、懸濁液を純水で希釈し、アニオン化水溶性化合物ハイモ(株)製SS−120の0.5g/リットル水溶液を45リットル添加して凝集させた。尚、同添加量は加水分解反応生成物に対して0.5重量%に相当する量である。凝集した沈殿スラリーを数回デカンテーションして洗浄を行い、ろ過して、得られた洗浄ケーキを110℃で乾燥し、高分子を吸着させた乾燥粉末を得た。
焼成処理:得られた乾燥粉末2.0kgを内容積15リットルのアドバンテック東洋製バッチ式ロータリーキルン炉へ仕込み、以下のA〜Dまでの各工程により焼成処理を行い、焼成物を得た。なお、表1において、以下のB及びC工程において窒素の流入を一旦停止(0リットル/分)し、A及びD工程においては1リットル/分で窒素の流入を行う条件を雰囲気条件「a」として記載する。
A工程:昇温前の窒素パージ 窒素ガス流量を1リットル/分で30分間吹き込み、炉内の酸素濃度を約2,600ppmとした。
B工程:窒素ガスの流入を停止(0リットル/分)し、6.5℃/分の速度で600℃まで昇温した。
C工程:窒素ガスの流入を停止(0リットル/分)したまま、600℃で60分間保持した。
D工程:窒素ガス流量を1リットル/分として、空冷にて5℃/分の速度で室温まで冷却した。
粉砕工程:得られた焼成物に粉砕助剤としてトリメチロールエタンを0.5重量%添加して気流式にて粉砕を行い、目的とする導電性粉末を得た。
[実施例2]
実施例1においてスズ加水分解反応生成物の被覆処理に使用するα型酸化アルミナ粉末の代わりに平均粒径0.35μmの二酸化チタン粉末を用い、塩化第二スズを5,235g、オルトリン酸を83.7gとすること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例3]
実施例1においてスズ加水分解反応生成物の被覆処理に使用するα型酸化アルミナ粉末の代わりに平均粒径0.05μmのシリカ粉末を用い、塩化第二スズを15,704g、オルトリン酸を251.1gとすること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例4]
実施例1において、塩化第二スズを8,375g、オルトリン酸を133.9gとすること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例5]
実施例1において、塩化第二スズを20,938g、オルトリン酸を334.8gとすること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例6]
実施例1において、塩化第二スズをスズ酸ナトリウム5,974g、オルトリン酸を100.4gとし、同時に滴下するpH調整溶液に12Nの塩酸を使用して懸濁液のpHを6〜7に保持すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例7]
実施例1において、塩化第二スズをスズ酸ナトリウム9,956gとし、同時に滴下するpH調整溶液に12Nの塩酸を使用して懸濁液のpHを6〜7に保持すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例8]
実施例1において、焼成処理温度を500℃とすること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例9]
実施例1において、焼成処理温度を700℃とすること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例10]
実施例1において、カチオン化水溶性化合物ハイモ(株)製MP−173Hの0.5g/リットル水溶液を22.5リットル添加すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例11]
実施例1において、水性懸濁液にアニオン化水溶性化合物ハイモ(株)製SS−120を添加する代わりに、焼成工程前に乾燥粉末に対して信越化学工業(株)のポバールC−10GPを粉末のまま2.5重量%添加し、焼成処理を行うこと以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例12]
実施例1において、スズ加水分解反応生成物の被覆処理に使用するα型アルミナ粉末の代わりに平均粒径0.35μmの二酸化チタン粉末を用い、水性懸濁液にアニオン化水溶性化合物ハイモ(株)製SS−120を添加する代わりに、焼成工程前に乾燥粉末に対して信越化学工業(株)のポバールC−10GPを粉末のまま2.5重量%添加し、その他は実施例1と同様にして焼成処理を行った。
[実施例13]
実施例1において、スズ加水分解反応生成物の被覆処理において添加する10N苛性ソーダ溶液中に、SnOに対して1.0重量%のケイ酸ナトリウムをSiとして添加すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例14]
実施例1において、焼成物にビニルエトキシシラン8重量%を被覆処理すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例15]
実施例1において、スズ加水分解反応生成物の被覆処理に使用するα型アルミナ粉末の代わりに平均粒径0.35μmの二酸化チタン粉末を用い焼成物に3−アミノプロピルトリエトキシシラン8重量%を被覆処理すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例16]
実施例1において、粉砕工程の前に焼成物に3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン8重量%を被覆処理すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例17]
実施例1において、粉砕工程の前に焼成物にメタクロキシルプロピルトリメトキシシラン8重量%を被覆処理すること以外は実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例18]
実施例1のスズ加水分解反応生成物の被覆処理工程において、アルミナ粉末の懸濁液を70℃に加温保持するまでは同様に行ったが、その後、スズ酸ナトリウム6,811gを純水26.9リットルに溶解し、この溶液と4N塩酸とを、酸化アルミナ粉末の懸濁液のpHを6〜7に保持するようにそれぞれ7リットル/hおよび3.5リットル/hで約30分かけて懸濁液に滴下して、酸化アルミナ粉末表面に酸化スズの含水物を被覆処理した。さらに、4N塩酸11リットルにオルトリン酸118.1gを溶解して溶液を作成し、この溶液と、上記スズ酸ナトリウム溶液とを、それぞれ0.6リットル/h及び12.0リットル/hで、懸濁液のpHを6〜7に保持する様に約2時間かけて同時滴下して、酸化スズの含水物が被覆された酸化アルミナ粉末表面に、リンを含んだ酸化スズの含水物をさらに被覆処理した。その後、懸濁液のpHを2〜3に調整し、液温を70℃に保持したまま30分間撹拌保持して熟成した。高分子化合物吸着工程以降は、実施例1と同様に処理して、導電性粉末を得た。
[実施例19]
実施例18において、焼成BおよびC工程の窒素ガス流量を0.3リットル/分とすること以外は同様に処理して、導電粉を得た。
[比較例1]
焼成処理時に空気を1リットル/分で常時吹き込みながら行い雰囲気を空気中とする(雰囲気条件「b」)こと以外は、実施例1と同様に処理した。
[比較例2]
焼成処理時に窒素ガスを1リットル/分で常時吹き込みながら行う(雰囲気条件「c」)こと以外は、実施例1と同様に処理した。
(実施例及び比較例の評価)
処理条件、粉末の特性を表1に示した。粉末の体積抵抗、および粉体帯電量は以下の方法によって測定した。
(体積抵抗の測定方法)
試料を230kgf/cmの加圧成形した状態(直径25.4mm)で敬誠(株)製LCRメーターAR−480D型を接続し、抵抗値を測定した。あわせてそのときの試料の厚さを測定し、体積比抵抗値を換算した。
(粉体帯電量の測定方法)
試料粉末と鉄粉キャリアを所定の条件で混合し摩擦帯電させた後、東芝ケミカル(株)製粉体帯電量測定装置TB−200にて粉体帯電量を測定した。
(粉体色調の測定方法)
試料6gを計量しステンレスリング内径40mmφ、高さ18mmのステンレスリングに試料をリング内に均一になるように入れ、押さえ金具を乗せ、成形ダイスごと小型油圧自動プレス機にセットし50kg/cmにて5秒間プレスした。次いで、日本電色工業(株)製色差計MODEL ZE−2000にてプレス機で成形した試料の明度(Hunterの色差式のL値)を測定した。
Figure 2013020952
この結果から、本発明の実施例によれば、良好な体積抵抗を有し、粉体帯電量の絶対値が大きい導電性粉末が得られることがわかる。

Claims (10)

  1. SnOに対してリンをPとして0.1〜10重量%含有するリンドープ酸化スズの層を基体表面に被覆した酸化スズ被覆型導電性粉末であって、体積抵抗が2〜80Ω・cm、粉体帯電量が+40〜−80μc/g、粉体色調のL値が55〜80であることを特徴とする酸化スズ被覆型導電性粉末。
  2. 基体が酸化チタン、アルミナ、シリカ、チタン酸カリウム、及びチタン酸ナトリウムから選択される、請求項1に記載の酸化スズ被覆型導電性粉末。
  3. リンドープ酸化スズの層と、基体表面との間に、リンを含有しない酸化スズの層をさらに備える、請求項1に記載の酸化スズ被覆型導電性粉末。
  4. SnOに対してリンをPとして0.1〜10重量%含有するスズの加水分解反応物を基体に被覆する工程、
    リンを含有するスズの加水分解反応物の被覆された基体に、高分子化合物を、基体と加水分解反応物の合計重量に対して、カーボン量換算で0.03〜0.5重量%吸着させる工程、及び
    高分子化合物を吸着させた基体を、雰囲気を制御しながら400〜900℃の温度で焼成処理する工程、
    を含む、請求項1に記載の酸化スズ被覆型導電性粉末を製造する方法。
  5. Pを含有しないスズの加水分解反応物を基体に被覆する工程、
    SnOに対してリンをPとして0.1〜10重量%含有するスズの加水分解反応物を基体にさらに被覆する工程、
    リンを含有するスズの加水分解反応物の被覆された基体に、高分子化合物を、基体と加水分解反応物の合計重量に対して、カーボン量換算で0.03〜0.5重量%吸着させる工程、及び
    高分子化合物を吸着させた基体を、雰囲気を制御しながら400〜900℃の温度で焼成処理する工程、
    を含む、請求項3に記載の酸化スズ被覆型導電性粉末を製造する方法。
  6. 焼成処理する工程が、不活性ガスを焼成炉に流入させて炉内の酸素濃度を低下させながら行われ、
    不活性ガスの流入を開始する工程、
    焼成炉を昇温する工程、
    焼成工程、及び
    焼成炉を冷却する工程、を含み、
    昇温工程及び焼成工程においては、不活性ガスの流入量を低下させ、又は流入を一旦停止することを特徴とする請求項4または5記載の製造方法。
  7. 基体が酸化チタン、アルミナ、シリカ、チタン酸カリウム、及びチタン酸ナトリウムから選択される、請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 焼成処理する工程の後、一種または二種以上の有機物及び/又は無機物を用いて導電性粉末の表面を更に処理する工程を含む、請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  9. 不活性ガスを焼成炉に流入させることにより、炉内の酸素濃度を10,000ppm以下に低下させる、請求項6に記載の製造方法。
  10. 昇温工程及び焼成工程において不活性ガスの流入量を0.3リットル/分以下に設定し、又は流入を停止する、請求項6に記載の製造方法。
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