JP2013019587A - 調理器 - Google Patents

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Hiroyasu Fujikawa
弘康 藤川
Hisato Takeuchi
久人 竹内
Katsuya Kamitsukuri
克也 神作
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Narumi China Corp
Rinnai Corp
Nissho Corp
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Narumi China Corp
Rinnai Corp
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Abstract

【課題】ガス赤外線バーナから輻射される赤外線を有効に利用して、効率的に調理ができるとともに、高い耐久性を有する調理器を提供する。
【解決手段】ケーシング2内に、バーナ本体31の開口部32に設けられた面状の加熱プレート33を有するガス赤外線バーナ3と、加熱プレート33を覆う断面円弧状の耐熱性石英ガラス材5とが配設されており、耐熱性石英ガラス材5を透過してガス赤外線バーナ3から輻射される赤外線で被調理物を調理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性ガラス材を介してガス赤外線バーナから輻射される赤外線で被調理物の調理を行う調理器に関する。
従来、ガス赤外線バーナから輻射される赤外線により、被調理物を調理する調理器が知られている。この種の調理器としては、例えば、バーナ本体上に金属またはセラミックの加熱プレートを設け、さらに該加熱プレートを断面円弧状の耐熱性結晶化ガラス材で覆うことにより、火炎から発生する燃焼ガスを加熱プレートと耐熱性結晶化ガラス材との間に滞留させ、加熱プレートをさらに加熱するとともに、耐熱性結晶化ガラス材により被調理物からの調理汁が加熱プレートに落下するのを防いで、赤外線の良好な輻射を確保するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
実公昭49−28230号公報
ところで、加熱プレートとして多孔質のセラミックプレートを備えたガス赤外線バーナであるシュバンクバーナから輻射される赤外線の波長のピークは、図4に示すように約3μm近傍の赤外領域にある。従って、この波長範囲の赤外線が最も高い熱量を有しており、また水に吸収されやすいので、被調理物を効率的に加熱することができ、しかも被調理物の内部から加熱調理できるため、食材をふっくらと焼き上げることができる。
しかしながら、一般にガラスは赤外線の吸収度が高く、それゆえ上記従来の調理器で利用されている耐熱性結晶化ガラス材では赤外線が吸収されてしまい、ガス赤外線バーナから輻射される赤外線の利用率が低いという問題がある。
また、上記のような耐熱性結晶化ガラス材を用いた調理器で、調味料に醤油タレを使用する蒲焼や焼き鳥などを調理する場合、耐熱性結晶化ガラス材が損傷しやすいという問題もある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ガス赤外線バーナから輻射される赤外線を有効に利用して、効率的に調理ができるとともに、高い耐久性を有する調理器を提供することにある。
本発明は、ケーシング内に、バーナ本体の開口部に設けられた面状の加熱プレートを有するガス赤外線バーナと、前記加熱プレートを覆う断面円弧状の耐熱性石英ガラス材とが配設されており、前記耐熱性石英ガラス材を透過して前記ガス赤外線バーナから輻射される赤外線で被調理物を調理する調理器である。
石英ガラスは、結晶化ガラスに比べて上記したガス赤外線バーナで高い熱量が得られる波長範囲の赤外線の透過率に優れており、それゆえガス赤外線バーナの加熱プレート上を耐熱性石英ガラス材で覆うことにより、赤外線を有効に利用することができる。また、石英ガラスは、結晶化ガラスと異なり、醤油タレに含まれるグルタミン酸ナトリウムなどの有機酸塩に起因する変質が起こり難く、それゆえ高い耐久性を得ることができる。
上記調理器において、
前記耐熱性石英ガラス材としては、厚さ3mmにおいて、2.5〜3.5μmの波長範囲の赤外線に対して60%以上の透過率を有するものを好ましく用いることができる。上記のような特定範囲の波長の赤外線に対して高い透過率を有する耐熱性石英ガラス材を使用することにより、より効率的に調理を行うことができる。
以上のように、本発明によれば、ガス赤外線バーナから輻射される赤外線を有効に利用して、効率的に調理ができるとともに、高い耐久性を有する調理器を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る調理器の一例を示す概略斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る調理器に使用されるガス赤外線バーナ及び耐熱性石英ガラス材の一例を示す概略部分断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る調理器に使用される耐熱性石英ガラス材と耐熱性結晶化ガラス材の各赤外線透過率を示すグラフである。 図4は、本発明の実施の形態に係る調理器に使用されるガス赤外線バーナの波長特性を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本実施の形態の調理器を具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る調理器の一例を示す概略斜視図である。本実施の形態の調理器1は、上方に開放するケーシング2内に、シュバンクバーナであるガス赤外線バーナ3が複数配設されている。
ケーシング2は、上方に開放する矩形箱体であり、調理器1の前後方向に短く、左右方向に長い形状を有している。
図2に示すように、本実施の形態において、ケーシング2内に配設されるガス赤外線バーナ3は、バーナ本体31と、バーナ本体31の開口部32に設けられた面状の加熱プレート33とから構成されている。バーナ本体31は、根部にガス管と接続されるスロートが形成された混合管部34を備えており、上方に開放する開口部32は、ケーシング2の左右壁となる一対の対向側壁に沿って前後方向に延びている。
バーナ本体31の上方内壁には多孔のセラミックプレートからなる加熱プレート33を載置する枠部35が設けられており、上方に開放する開口部32の周縁には耐熱性石英ガラス材5を枠止めするためのブラケット4を係止するフランジ部36が設けられている。このブラケット4は、バーナ本体31のフランジ部36に係止される係止部41と、係止部41から上方に垂設された垂壁部42と、垂壁部42からバーナ本体31の開口部32の内方側に水平に延在し、耐熱性石英ガラス材5を載置する水平部43とを備えている。なお、図1では、図面の煩雑化を避けるためブラケット4などは表わされていない。
各ガス赤外線バーナ3には、4枚の加熱プレート33が加熱プレート33の表層部が開口部32から突出するようにバーナ本体31の枠部35上に載置され、固定されている。
図1及び図2に示すように、加熱プレート33上には、加熱プレート33を覆うように断面円弧状の耐熱性石英ガラス材5が調理器1の前後方向に架設されている。この耐熱性石英ガラス材5は、前後方向で、バーナ本体31のフランジ部36に係止されたブラケット4の水平部43に載置され、水平部43の端部を上方に折り曲げることにより枠止めされている。また、加熱プレート33の表層部と耐熱性石英ガラス材5の下端との間は、ブラケット4の垂壁部42により燃焼用の空気が供給されるよう隙間が形成されている。これにより、火炎から発生する燃焼ガスが加熱プレート33と耐熱性石英ガラス材5との間に滞留するため、加熱プレート33をさらに加熱できるとともに、耐熱性石英ガラス材5により被調理物からの調理汁が加熱プレート33に落下するのを防いで、赤外線の良好な輻射を確保することができる。
図3は、本実施の形態の耐熱性石英ガラス材5の赤外線の透過率(実線(a))及び従来汎用されている耐熱性結晶化ガラス材(日本電気硝子株式会社製,ネオセラム)の赤外線の透過率(破線(b))を示すグラフである。なお、図3は、測定機器にFT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計,測定波長:0〜5μm)を用いて、厚さ3mmの試料を測定した結果である。
図3に示すように、耐熱性石英ガラス材5は、最も被調理物の加熱に適している2.5〜3.5μmの波長範囲における透過率が耐熱性結晶化ガラス材よりも高く、且つ上記波長範囲で60%以上の透過率を有している。このため、ガス赤外線バーナ3から輻射される赤外線で効率よく被調理物を加熱することができる。そして、上記高透過率が得られる波長範囲は、既述したガス赤外線バーナ3から輻射される赤外線で最も高エネルギーが得られる波長を含んでおり、しかも被調理物に含まれている水に吸収されやすい波長範囲とも重複するため、被調理物の内側と外側とが調和して程よく加熱されるとともに、調理時間も短縮することができる。
さらに、耐熱性石英ガラス材5を使用することにより、醤油タレなどの調味料に対しても高い耐性を確保することができる。この理由は必ずしも明らかではないが、次のように考えられる。
一般に、醤油タレなどの調味料にはグルタミン酸ナトリウムなどのアルカリ元素を含む有機酸塩が含まれており、このような有機酸塩を含む調味料が調理時に耐熱性ガラス材に被着する。一方、調理時の耐熱性ガラス材の表面温度は450℃程度であることが確認されており、それゆえ、例えば、融点が195℃のグルタミン酸ナトリウムなどの有機酸塩は耐熱性ガラス材の表面で溶融分解する。このとき、有機酸塩を構成するナトリウムなどアルカリ元素はアルカリイオンとなり、それゆえ結晶化ガラス材に含まれるリチウムやカリウムなどのアルカリ元素とイオン交換する可能性がある。その結果、有機酸塩由来のアルカリイオンが耐熱性結晶化ガラス材の表面を変質させ、耐久性を劣化させると考えられる。
これに対して、石英ガラス材は結晶化ガラス材に比べてアルカリ元素の濃度が低いため、上記のような表面での変質が起こり難く、高い耐久性を得ることができる。
本実施の形態において、耐熱性石英ガラス材5は、所望の断面円弧状を有する成形金型を用いて製造してもよいし、円筒状の成形品を成形し、これを円弧状に切断することにより製造してもよい。後者の場合、切断面に起因する耐久性の低下を防ぐため、ファイアポリッシュ処理を行うことが好ましい。このような後処理を行うことにより、円弧状部における微細な傷や凹凸も低減させることができ、さらに高い透過率及び耐久性を得ることができる。市場で入手可能な耐熱性石英ガラス材5としては、例えば、鳴海製陶株式会社や日硝株式会社の石英ガラス材などが挙げられる。
なお、上記実施の形態では、加熱プレート33としてセラミックプレートを有するシュバンクバーナを例に挙げて説明したが、金属プレートを有するガス赤外線バーナを用いてもよい。
また、上記実施の形態では、ガス赤外線バーナ3の上方で被調理物を調理するタイプの調理器を例に挙げて説明したが、ガス赤外線バーナ3の下方で被調理物を調理するタイプの調理器であってもよいし、2つのガス赤外線バーナ3を上下に離間して設け、両ガス赤外線バーナ3の間で被調理物を調理するタイプの調理器であってもよい。
1 調理器
2 ケーシング
3 ガス赤外線バーナ
31 バーナ本体
33 加熱プレート
5 耐熱性石英ガラス材

Claims (2)

  1. ケーシング内に、バーナ本体の開口部に設けられた面状の加熱プレートを有するガス赤外線バーナと、前記加熱プレートを覆う断面円弧状の耐熱性石英ガラス材とが配設されており、前記耐熱性石英ガラス材を透過して前記ガス赤外線バーナから輻射される赤外線で被調理物を調理する調理器。
  2. 請求項1に記載の調理器であって、
    前記耐熱性石英ガラス材は、厚さ3mmにおいて、2.5〜3.5μmの波長範囲の赤外線に対して60%以上の透過率を有する調理器。


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