JP2013019037A - 銅電気めっき方法及びその銅電気めっき方法を用いて成膜された銅めっき被膜を有する金属化樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 微細配線への加工性を高めた銅めっき被膜を形成する銅電気めっき法の提供とこの銅電気めっき方法を銅めっき被膜の成膜に用いた金属化樹脂フィルムの提供を目的とする。
【解決手段】 銅めっき液に通電して銅めっき被膜を形成する銅電気めっき方法において、銅めっき液への通電時の電流密度を、銅めっき被膜の厚みが2.5μmになるまでは、0.5A/dm以下として銅めっきを行うと共に、銅めっき液は構成原子に硫黄原子を有する有機化合物を8重量ppm〜30重量ppm含むことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅めっき液に通電して電解作用により銅被膜を形成する銅電気めっき方法と、その銅電気めっき方法を用いて成膜された銅めっき被膜を備える金属化樹脂フィルムに関する。
電子回路を形成してこれらの電子部品を搭載する基板は、硬い板状の「リジット配線板」と、フィルム状で柔軟性があり、自由に曲げることのできる「フレキシブル配線板」(以下、FPCと称す場合がある)がある。このなかで、FPCはその柔軟性を生かしてLCDドライバー用配線版、ハードディスクドライブ(HDD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)モジュール、携帯電話のヒンジ部のような屈曲性が要求される部分で使用できることから、その需要はますます増加してきている。
このようなフレキシブル配線板は、樹脂フィルムに金属層を設けた金属化樹脂フィルム、特に樹脂フィルムの1種であるポリイミドフィルムの表面に金属層が設けられた金属化ポリイミドフィルムを用い、この金属層をサブトラクティブ法又はセミアディティブ法により配線加工して配線を得ている。
因みに、サブトラクティブ法でフレキシブル配線板を作製する場合、まず、基材の金属層表面にレジスト層を設け、そのレジスト層の上に所定の配線パターンを有するマスクを設け、その上から紫外線を照射して露光し、現像して金属層をエッチングするためのエッチングマスクを得、次いで露出している金属部を塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液などのエッチング液でエッチングして除去し、次いで残存するレジスト層を除去し、水洗することでフレキシブル配線板を得ている。
しかし、このサブトラクティブ法は、金属層をエッチングにより配線加工するので、配線の断面形状を観察すると、配線の頂上であるトップ幅に比べて配線の底のボトム幅が広くなりポリイミドフィルム表面に裾を拡げた形状となっている。
このような、サブトラクティブ法の問題点を解決するため、セミアディティブ法が提案されている。例えば、特許文献1にはセミアディティブ法によるプリント配線板の製造方法が開示されている。
しかし、セミアディティブ方法は、導電性シード層を除去する工程などを経る必要が有り、サブトラクティブ法に比べて工程が複雑である。
ところで、この金属化ポリイミドフィルムを大別すると以下の2つの種類に分けられる。
第一に、絶縁フィルムと銅箔(導体層)を接着剤で貼り付けた金属化ポリイミドフィルム(通常「3層金属化ポリイミドフィルム」と呼ばれる)であり、第二に、絶縁フィルムと銅箔(導体層)とを接着剤を使わずに、キャスティング法、ラミネート法、メタライジング法等により直接、複合させた金属化ポリイミドフィルム(通常「2層金属化ポリイミドフィルム」と呼ばれる)である。
この3層金属化ポリイミドフィルムと2層金属化ポリイミドフィルムとを比較すると、3層金属化ポリイミドフィルムの方が絶縁フィルム、接着剤等の材料費・ハンドリング性など製造する上で容易なため製造コスト的に安価であるが、一方で、耐熱性、薄膜化、寸法安定性等の特性については、メタライジング法で得られる2層金属化ポリイミドフィルムの方が優れている。
このメタライジング法による2層金属化ポリイミドフィルムは、通常、ポリイミドフィルム表面にスパッタリング法等の乾式めっき法で直接金属層を積層させた後に、電気めっき法を用いて金属層を厚付けする方法によって作製される。
この金属層を厚付けする電気めっき法は、乾式めっき法に比べて成膜速度が速く、2層金属化ポリイミドフィルムの生産性向上に寄与している。特許文献2には、ポリイミド系フィルムにニッケル−クロム合金のスパッタ層を形成し、次いで銅めっき層を形成し、さらに電解銅厚付けめっきで厚付け銅めっき層を形成して、半導体キャリアフィルムを製造する技術が開示されている。
一方、キャスティング法は、銅箔の一方の面にポリイミド前駆体樹脂溶液を直接塗布した後、熱処理してポリイミド樹脂絶縁層を形成する金属化ポリイミドフィルムの製造方法である。特許文献3によれば、キャスティング法によって得られた銅張積層板の微細加工を可能とするため、銅箔の結晶粒径を2μm以上とする技術が開示されている。
このキャスティング法や3層金属化ポリイミドフィルムに用いる銅箔は、電解銅箔や圧延銅箔を用いられるが、特に電解銅箔は、硫酸銅水溶液の電解液を、鉛や白金族を被覆したチタン電極などの不溶性電極と、これに対向して設けられたステンレスやチタン製の陰極回転ドラムの隙間に満たしてこれら電極に通電し、陰極回転ドラムの上に銅を析出させ、これを連続的に巻取ることにより製造されていることが特許文献4に記載されており、電解銅箔は、銅電気めっき法で製造されている。
近年電子部品の軽薄短小化に伴い、配線を狭ピッチ化する要求も高まり、メタライジング法で得られる2層金属化ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムに接着剤層を介することなく金属層を形成するために、微細配線の作製に用いられているが、より微細配線が作製し易い2層金属化ポリイミドフィルムの検討も成されている。
その一つは、メタライジング法を用いて作製する2層金属化ポリイミドフィルムでは、金属層のうち膜厚のほとんどを占める銅めっき被膜の微細配線への加工性が重要であり、銅めっき被膜を加工しやすい状態で銅電気めっき法により析出させることが望まれている。
また、キャスティング法や3層金属化ポリイミドフィルムに用いる電解銅箔に対しても、メタライジング法における銅めっき被膜と同様に、微細配線への加工性が重要であり、電解銅箔を加工しやすい状態で銅電気めっき法により析出させることが望まれている。
特開2006−278950号公報 特開2002−252257号公報 特開2006−346874号公報 特開平9−143785号公報
本発明は、このような状況に鑑み、微細配線への加工性を高めた銅めっき被膜を形成する銅電気めっき法を提供するものである。さらに、この銅電気めっき方法を銅めっき被膜の成膜に用いた金属化樹脂フィルムを提供するものである。
本発明の第1の発明は、銅めっき液に通電して銅めっき被膜を形成する銅電気めっき方法において、その通電時の電流密度を、形成される銅めっき被膜の厚みが2.5μmになるまでは、0.5A/dm以下で銅めっきを行い、さらに銅めっき液が、構成原子に硫黄原子を有する有機化合物を8重量ppm〜30重量ppm含むことを特徴とする銅電気めっき方法である。
本発明の第2の発明は、第1の発明における電流密度を、銅めっき被膜の厚みが2.5μmを超えた場合には、2A/dm以上として銅めっきを行うことを特徴とする銅電気めっき方法である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における銅めっき被膜が、長尺体であることを特徴とする銅電気めっき方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明おける銅めっき被膜が、長尺の基材上に成膜されることを特徴とする銅電気めっき方法である。
本発明の第5の発明は、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介することなくNiを含む合金からなる下地金属層と、その下地金属層の表面に乾式めっき法で成膜した銅薄膜層と、その銅薄膜層の表面に電気めっき法により銅めっき被膜を形成した金属化樹脂フィルムにおいて、その銅めっき被膜が、第1から第4の発明のいずれかの銅電気めっき方法を用いて成膜されたものであることを特徴とする金属化樹脂フィルムである。
本発明の第6の発明は、銅めっき被膜であって、その被膜底部から頂部に向かって厚み2.5μmまでの領域ではグレインサイズ0.5μm〜1.5μmの(111)面に配向した結晶領域Aと、厚み2.5μmを超える領域では、その結晶領域Aと連続する結晶領域Aよりグレインサイズの大きな結晶領域Bとで構成される、硫黄原子を30重量ppm〜250重量ppm含むことを特徴とする銅めっき被膜である。
本発明の銅電気めっき方法により得られる銅めっき被膜は、サブトラクディブ法で配線加工すると配線のトップ幅とボトム幅の差が小さい断面形状の配線を形成することができ、その配線加工が行いやすいという優れた効果を有する。
したがって、本発明の銅電気めっき方法により形成された銅めっき被膜を備えた金属化樹脂フィルムなどの金属積層体に、配線断面が均一(配線のトップ幅とボトム幅の差が小さい矩形体断面)、且つ微細な配線加工が行いやすいという特徴を付加する効果を有するもので、工業上顕著な効果を奏するものである。
メタラインジング法で得られる金属化樹脂フィルムの断面を示した模式図である。 本発明の銅めっき被膜の断面構造の説明図である。 ロールツーロール方式の連続めっき装置の概要を示す模式図である。 実施例1におけるEBSP(電子後方散乱回折像)測定チャートで、結晶方位ごとに色付けされたカラーマップである。 比較例1におけるEBSP(電子後方散乱回折像)測定チャートで、結晶方位ごとに色付けされたカラーマップである。
本発明の銅電気めっき方法は、銅めっき液に通電する電流の電流密度を、形成する銅めっき被膜の厚みが2.5μmになるまでは、0.5A/dm以下とし、且つ銅めっき液中に硫黄原子を構成原子に有する有機化合物を8重量ppm〜30重量ppm含む銅めっき液を用いることを特徴とする。
以下に本発明の銅電気めっき方法を、樹脂フィルムにポリイミドフィルムを用いた金属化樹脂フィルム(以下、金属化ポリイミドフィルムと称す)の製造の中で説明する。この金属化樹脂フィルムの製造では、メタライジング法を用いている。
図1は、メタラインジング法で作製された金属化樹脂フィルム(金属化ポリイミドフィルム)の断面を示した模式図である。
樹脂フィルムにポリイミドフィルム2を用い、ポリイミドフィルム2の少なくとも一方の面には、ポリイミドフィルム側から下地金属層3、銅薄膜層4、本発明の銅めっき方法によって形成された銅めっき被膜1の順に成膜され積層されている。
使用する樹脂フィルム基材としては、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルムなどを用いることができ、これらの樹脂フィルムは市場で入手することが可能であり、機械的強度や耐熱性や電気絶縁性の観点から、ポリイミドフィルムが特に好ましい。
下地金属層は、樹脂フィルムと銅などの金属層との密着性や耐熱性などの信頼性を確保するものである。従って、下地金属層の材質は、ニッケル、クロム又はこれらの合金の中から選ばれる何れか1種とするが、密着強度や配線作製時のエッチングしやすさを考慮すると、ニッケル・クロム合金が好ましい。また、クロム濃度の異なる複数のニッケル・クロム合金の薄膜を積層して、ニッケル・クロム合金の濃度勾配を設けた下地金属層を構成しても良い。
また、上記したニッケルを含む合金からなる下地金属層を設けることによって、金属化ポリイミドフィルムの耐食性及び耐マイグレーション性が向上する。なお、下地金属層の耐食性を更に高めるために、ニッケルを含む合金には、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、コバルト等を添加しても良い。
この下地金属層は、乾式めっき法で成膜することができる。
乾式めっき法には、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、真空蒸着法、CVD法等がある。
いずれの方法を用いても良いが、生産効率が高いことから、工業的にはマグネトロンスパッタリング法を一般的に用いる。
例えば、巻取式スパッタリング装置を用いて下地金属層を成膜する場合、下地金属層の組成を有するターゲットをスパッタリング用カソードに装着し、ポリイミドフィルムをセットした装置内を真空排気した後、Arガスを導入して装置内を1.3Pa程度に保持する。巻出ロールからポリイミドフィルムを毎分3m程度の速さで搬送しながら、カソードに接続したスパッタリング用直流電源より電力を供給してスパッタリング放電を開始し、ポリイミドフィルム上に所望の膜厚の下地金属層を連続的に成膜する。
また、乾式めっきを行う前に、ポリイミドフィルムと下地金属層の密着性を改善するため、ポリイミドフィルム表面をコロナ放電やイオン照射などで表面処理した後、酸素ガス雰囲気下において紫外線照射処理を行うことが好ましい。
これらの処理条件は、特に限定されるものではなく、通常の金属化ポリイミドフィルムの製造方法に適用されている条件でよい。
下地金属層の膜厚は、3〜50nmとすることが好ましい。
下地金属層の膜厚が3nm未満では、最終的に得られた金属化ポリイミドフィルムの金属被膜層をエッチングして配線を作製したとき、エッチング液が金属薄膜を浸食してポリイミドフィルムと金属被膜層の間に染み込み、配線が浮いてしまう場合がある。一方、下地金属層の膜厚が50nmを超えると、エッチングして配線を作製する場合、金属薄膜が完全に除去されず、残渣として配線間に残るため、配線間の絶縁不良を発生させる恐れがある。
下地金属層上に積層される銅薄膜層は、下地金属層の上に銅などの金属層を電気めっき法により直接設けようとすると通電抵抗が高く、電気めっきの電流密度が不安定になるためである。下地金属層の上に銅薄膜層を設けることによって通電抵抗が下がり、電気めっき時の電流密度の安定化を図ることができる。
銅薄膜層は、乾式めっき法で形成することが好ましい。
乾式めっき法は、上記したスパッタリング法、マグネトロンスパッタ法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、真空蒸着法、CVD法等がいずれも使用でき、下地金属層と銅薄膜層の成膜は同じ方法でも又は異なる方法でも可能である。例えば下地金属層をマグネトロンスパッタリング法で成膜した後、銅薄膜層を蒸着法で設けることもできる。
好ましい銅薄膜層の成膜方法としては、銅ターゲットをスパッタリング用カソードに装着したスパッタリング装置を用いて成膜する。この時、下地金属層と銅薄膜層は、同一の真空装置内で連続して形成することが好ましい。下地金属層を成膜した後、ポリイミドフィルムを装置内から大気中に取り出し、他のスパッタリング装置を用いて銅薄膜層を形成する場合には、銅薄膜を成膜する前に水分を十分に取り除いておく必要がある。
銅薄膜の膜厚は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、20nm〜0.8μmの範囲が更に好ましい。銅薄膜の膜厚が10nmより薄いと、電気めっき時の通電抵抗を十分下げることができない。また、膜厚が1μmよりも厚くなると、成膜に時間が掛かりすぎ、生産性を悪化させ、経済性を損なうからである。
以上、示してきた下地金属層上に銅薄膜層を積層してなる金属薄膜の表面に、本発明の銅電気めっき方法を用いて銅めっき被膜を成膜する。
この銅めっき被膜の厚みは、例えばサブトラクティブ法によって配線パターンを形成する場合、数μm〜12μmが一般的である。なお、電気めっきによる銅層などの金属層の形成に先立って、予め金属薄膜の表面に銅等の金属を無電解めっき法で成膜しておくこともできる。
本発明の銅電気めっき方法は、銅めっき被膜の膜厚が2.5μmまでは、電流密度を0.5A/dm以下として銅めっき被膜の形成を行う制御と、構成原子に硫黄原子を有する有機化合物の濃度を、8重量ppm〜30重量ppmに制御した銅めっき液を用いることによって、この電流密度の制御と、硫黄原子を持つ有機化合物の濃度制御により、図2に示す断面構造を有する銅めっき被膜を形成するもので、それらは以下(1)〜(4)に示す各特徴を有するものである。
図2における結晶領域Aは、以下の特徴を有する銅めっき被膜である。
(1)銅めっき被膜の膜厚が2.5μmまでは、形成した銅めっき被膜の結晶は(111)面に配向する。
(2)双晶粒界を除くグレインサイズが0.5μm〜1.5μmの範囲である。
結晶領域Bは、
(3)結晶領域Aよりもグレインサイズの大きな結晶からなる銅めっき被膜である。
また、銅めっき被膜全体として、
(4)銅めっき被膜に含まれる硫黄原子(硫黄原子)の含有率が30重量ppm〜250重量ppmである。
さらに、この銅めっき被膜を設けた金属化樹脂フィルムをサブトラクティブ法により配線加工した場合、銅めっき被膜のうち樹脂フィルム側の膜厚2.5μmまでの部分(結晶領域A)が、配線断面のボトムの形状を決めること、および配線のボトムの幅が配線の幅であることから、この配線のボトムが裾広がりにならないようにする必要がある。
このような要求に対して、本発明による銅めっき被膜のような(111)面に配向した結晶状態で、且つ30重量ppm〜250重量ppmの硫黄原子を含有する銅めっき被膜は、サブトラクティブ法を用いて配線加工した場合に、ボトムの裾広がりを抑え、配線のトップ幅とボトム幅の差を小さくする効果を発揮する。
また銅めっき被膜の膜厚を所定の膜厚に厚くする場合、形成した銅めっき被膜の膜厚が2.5μmを越えた状態では、より高い電流密度による電気めっきを行うことで、銅めっき被膜の生産性を向上させることができる。
銅めっき被膜の膜厚が2.5μmを越えれば、電流密度を3〜5A/dmまでに上昇させても、銅めっき被膜の変色は起こりにくい。さらに、2A/dm以上に設定することが、望ましい。その上限は特に定めていないが、めっき応力が寸法変化、その他基板特性に与える影響を考えた上での時間および設備長さの点を考慮して適正な電流密度とすれば良く、電流密度を高めることで、銅めっき被膜の生産性を向上させることができる。
ところで、電流密度を高めて銅めっき被膜を形成すると、電気めっきで析出する銅の結晶のグレインサイズは大きくなり、サブトラクティブ法では、エッチングされにくくなる。
また、サブトラクティブ法におけるエッチングは、銅めっき被膜の表面(配線の頂上、トップ側)は、エッチングされ易いが、樹脂フィルム側(銅めっき被膜の底面、ボトム側)はエッチングされにくい傾向を示し、結果として配線のボトム側に裾を引く状態(台形状断面)になり易い。
したがって、本発明の銅めっき方法によって形成された銅めっき被膜は、配線のトップ側が、エッチングされにくいグレインサイズ(電流密度を高めて被膜を形成:グレインサイズが大きい)であり、ボトム側がエッチングされやすいグレインサイズの銅めっき被膜(電流密度を0.5A/dm以下で被膜を形成)となるために、配線のトップ幅とボトム幅の差が、エッチングにおいて小さくなるものである。
具体的には、結晶領域Aには(111)面に10%以上配向し、グレインサイズ0.5μm〜1.5μmである。ここで、グレインの(111)面の配向の割合は、結晶の(111)面の法線に対し±5°の範囲に配向しているグレインが測定範囲の面積に占める割合である。また、グレインサイズとは、測定した領域での各結晶のグレインの大きさと出現頻度のヒストグラムのピークにあたるグレインの大きさとしている。
このように銅めっき被膜の膜厚と電流密度の関係を制御するには、枚葉式の電気めっき装置によりめっき時間と電流密度の関係から制御しても良く、或いは、形成する銅めっき被膜が長尺の状態、或いは銅めっき被膜が図3の長尺の金属薄膜付樹脂フィルムのような長尺基材に設けられる場合であれば、図3のようなロールツーロール方式の連続めっき装置を用いることが可能である。このロールツーロール方式の連続めっき装置であれば、各アノードに供給する電流密度を制御すれば、本発明の銅電気めっき方法を実施することができる。
[本発明の銅めっき方法の適用]
本発明による銅めっき被膜の形成による金属化樹脂フィルムの製造は、例えば図3に示すようなロールツーロール方式の連続めっき装置を用いて実施される。
金属薄膜を成膜した金属薄膜付樹脂フィルムFは巻出ロール12から巻き出され、電気めっき槽11内のめっき液18への浸漬を繰り返しながら連続的に搬送される。金属薄膜付樹脂フィルムFは、めっき液18に浸漬されている間に電気めっきにより金属薄膜の表面に銅層が成膜され、所定の膜厚の銅めっき被膜が形成された後、金属化樹脂フィルム基板Sとして巻取ロール15に巻き取れられる。尚、金属薄膜付樹脂フィルムFの搬送速度は、数m〜数十m/分の範囲が好ましい。
具体的に説明すると、金属薄膜付樹脂フィルムFは巻出ロール12から巻き出され、ガイドロール17aと給電ロール16aを経て、電気めっき槽11内のめっき液18に浸漬される。電気めっき槽11内に入った金属薄膜層付樹脂フィルムFは、反転ロール13aを経て搬送方向が反転され、ガイドロール17bにより電気めっき槽11外へ引き出される。このように、金属薄膜付樹脂フィルムFがめっき液18への浸漬を複数回(図1では4回)繰り返す間に、金属薄膜付樹脂フィルムFの金属薄膜上に銅めっき被膜が形成される。
給電ロール16aと陽極14a−1および14a−2の間には電源(図示せず)が接続されている。給電ロール16a、陽極14a−1および14a−2、めっき液18、金属薄膜付樹脂フィルムおよび前記電源により電気めっき回路が構成される。また、陽極は、銅製の可溶性陽極であっても、導電性セラミックで表面をコーティングした不溶性陽極であってもよい。なお、不溶性陽極を用いる場合には、電気めっき槽11の外部に、めっき液18に銅イオンを供給する機構を備える必要がある。
陽極14a−1、14a−2、14b−1、14b−2、14c−1、14c−2、14d−1、14d−2と金属薄膜付樹脂フィルムFの搬送が進むにつれて電流密度が上昇する。このように電流密度を上昇させることで、銅めっき被膜の変色を防ぐことができる。特に銅めっき被膜の膜厚が薄い場合に電流密度が高いと銅めっき被膜の変色が起こりやすい。ただし、銅めっき皮膜に電気めっきによる変色が発生しないように各陽極の電流密度を上昇させても、各陽極の電流密度と銅めっき被膜の膜厚が本発明の銅電気めっき方法の条件を満たす必要があることに留意する。
このうち、銅めっき被膜の膜厚の2.5μm以下までは、電源から供給される電流密度が0.5A/dm以下とする制御を行い、このように制御することで、銅めっき被膜の結晶を(111)面に配向させ、且つ双晶粒界を除く銅結晶をグレインサイズ0.5μm〜1.5μmに制御することができる。
電流密度は、0.5A/dm以下であれば良く、生産効率を考えると電流密度は0.1A/dm以上が適正と言える。
金属薄膜付樹脂フィルムに銅電気めっきを行う際には、銅めっき被膜の膜厚が0.5μmのように極薄い場合には、電流密度を低く制御するのは上述の通りである。銅めっき被膜の膜厚が0.5μmまでは、本発明の銅電気めっき方法と同様な条件で成膜を行っても、膜厚0.5μmを越え2.5μmまでの範囲で本発明の銅電気めっき方法の電流密度の条件を越えると、上記結晶状態とすることはできない。
銅めっき被膜の結晶を(111)面に配向させるには、金属薄膜付樹脂フィルムの銅薄膜層の結晶を(111)面に配向させればよい。銅薄膜層の結晶を(111)面に配向させるには、スパッタリング等の乾式めっき法の成膜条件を適宜選択すればよい。また、電解銅箔を製造するならば、カソードの表面の結晶状態を公知の方法で適宜制御すれば良い。
めっき液18には、硫黄原子を構成原子に有する有機化合物を8重量ppm〜30重量ppm含まれる。
硫黄原子を持つ有機化合物としてはSPS([BiS(3−sulfopropyl)disulfidedisodium])やその誘導体を添加すればよい。例えば、SPSは、銅めっき液の光沢剤として市販されている。
硫黄原子を持つ有機化合物の含有量が8重量ppm以下では、銅めっき被膜に取り込まれる硫黄原子の量が少なくなる。一方、硫黄原子を持つ有機化合物の濃度が30重量ppmを越えても銅めっき被膜に取り込まれる硫黄原子の量は、30重量ppmの場合とかわらず経済的ではない。
なお、銅めっき被膜の結晶の配向の測定には、公知のEBSP法(電子後方散乱回折像法:Electron Backscattering Pattern)を用いることができる。
また、銅めっき被膜の硫黄原子の含有量の測定には、公知のD−SIMS(二次イオン重量分析装置:Dinamics−Secondary Ion Mass Spectroscopy)を用いることができる。
これまで、銅電気めっきを施した金属化樹脂フィルムの製造方法を例に本発明の銅電気めっき方法を説明してきたが、本発明の銅電気めっき方法は、金属化樹脂フィルムの製造方法への利用に限定されることは無く、電解銅箔の製造や、圧延銅箔の銅めっき処理などの表面加工などにも利用できる。
また、フレキシブルな樹脂フィルムを基材とした、金属化樹脂フィルムの他に、ガラスエポキシ基材等のリジット基材を枚葉式の電気めっき装置で本発明の電気めっき方法を実施すれば、配線パターンの断面形状がトップ幅とボトム幅の差が小さく、サブトラクティブ法で微細配線が形成された配線基板を得ることができる。
本発明の銅電気めっき方法を実施するとサブトラクティブ法により配線加工する際に用いる上記銅めっき被膜用のエッチング液は、特別な配合の塩化第二鉄と塩化第二銅と硫酸銅とを含む水溶液や特殊な薬液の他に、一般的な比重40°ボーメ〜45°ボーメの塩化第二鉄水溶液や比重40°ボーメ〜45°ボーメの塩化第二銅水溶液を含む市販のエッチング液も用いても配線パターンの断面形状の上記効果を得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細する。
銅めっき被膜についてEBSP法で銅結晶の配向と双晶を除くグレインサイズを、D−SIMSにて硫黄原子の含有量を測定した。測定結果を銅薄膜層側から膜厚2.5μmまでの範囲と、膜厚2.5μmを超えた範囲で分けて解析した。
実施例で用いたEBSP法(電子後方散乱回折像法:Electron Backscattering Pattern)の測定条件、D-SIMS(二次イオン重量分析装置:Dinamics−Secondary Ion Mass Spectroscopy)の測定条件は、以下の通りである。
(a)EBSP(電子後方散乱回折像法の測定条件)
回折装置として、TSL社製:MSC−2200を用い、加速電圧:15kV、測定ステップ:0.28μmの条件で測定した。また、グレインの(111)面配向の割合は、(111)面の法線方向に±5°の範囲で配向しているグレインを、測定範囲の面積の占有率で算出した。
(b)D-SIMS(二次イオン重量分析装置の測定条件)
二次イオン重量分析装置としてCAMECA製ims5f二次イオン重量分析装置を用い、一次イオン条件:Cs,14.5keV,30nA、照射領域:150μm×150μm、分析領域:φ60μm、二次イオン極性:負(注釈:一般的に、電気的陽性元素(Li、B、Mg、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Mo、In、Ta等)を分析する場合には酸素イオンを照射して正の二次イオンを検出し、電気的陰性元素(H、C、O、F、Si、S、Cl、As、Te、Au等)を分析する場合には、セシウムイオンを照射して負の二次イオンを検出すると感度よく測定できる)、試料室真空度:8.0×10−8Pa、スパッタ速度:約22Å/sec(注釈:Cu厚とスパッタ時間から、分析した深さまでの平均的なスパッタ速度を求めた。この値を用いて各試料のスパッタ時間を深さに換算)で測定した。
また、サブトラクティブ法による配線加工で用いたエッチング液は、塩化第二鉄水溶液(比重40°ボーメ、温度43℃)であった。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン製 カプトンEN 登録商標 )にスパッタリング法によりNi/20%Cr合金からなる厚み20nmの下地金属層を形成し、この下地金属層の表面に銅薄膜層を厚み100nm形成して金属薄膜層付ポリイミドフィルムを作製した。
次に、作製した金属薄膜層付ポリイミドフィルムを、図3に示すロールツーロール連続めっき装置を使用して、銅薄膜層の表面に銅めっき被膜層を厚み8.5μm成膜した。
用いる銅めっき液は、温度27℃、pH1以下の硫酸銅溶液であり、SPSを8重量ppm含有させた。
各陽極の電流密度と、各陽極が銅電気めっきで成膜する厚みを表1に示す。
銅めっき被膜の膜厚が銅薄膜層との界面から2.5μmまでは電流密度0.5A/dm以下で成膜し、その後3A/dmで、6μm形成した。
得られた金属化ポリイミドフィルムをライン幅12μm、スペース18μm(30μmピッチ)となるようにフォトレジスト膜を配してサブトラクティブ法で配線加工を行い、プリント配線基板を作製した。
配線加工を行った後、断面観察をしたところトップ幅12.1μmの時、ボトム幅は15.2μmとなり、断面観察検査をクリアする良好な結果を得た。
また、銅薄膜層側から膜厚2.5μmの銅めっき被膜の硫黄原子の含有率と結晶配向とグレインサイズを測定したところ、硫黄原子の含有率は150重量ppmで、結晶配向は(111)面配向が15%あり、グレインサイズは1.1μmであった。結果を表3に示す。
なお、銅薄膜層側から膜厚2.5μmを超える範囲では、グレインサイズ(双晶粒界を除く)は、5.7μmであった。
図4に、実施例1のEBSP(電子後方散乱回折像)測定チャートを示す。縦軸は、金属化ポリイミドフィルムの膜厚方向で下側が銅薄膜層側で、横軸は金属化ポリイミドフィルムのTD方向(幅方向)である。
表1の電流密度の条件で製造した以外は実施例1と同様と同様の方法で金属化ポリイミドフィルムを製造した。
配線加工を行った後、断面観察をしたところトップ幅12.0μmの時、ボトム幅は15.2μmとなり、断面観察検査をクリアする良好な結果を得た。
また、銅薄膜層側から膜厚2.5μmの銅めっき被膜の硫黄原子の含有率と結晶配向とグレインサイズを測定したところ、硫黄原子の含有率は160重量ppmで、結晶配向は(111)面配向が11%あり、グレインサイズは0.5μmであった。結果を表3に示す。
なお、銅薄膜層側から膜厚2.5μmを超える範囲では、グレインサイズ(双晶粒界を除く)は、6.1μmであった。
表1の電流密度の条件で製造した以外は実施例1と同様の方法で金属化ポリイミドフィルムを製造した。
配線加工を行った後、断面観察をしたところトップ幅12.0μmの時、ボトム幅は15.2μmとなり、断面観察検査をクリアする良好な結果を得た。
また、銅薄膜層側から膜厚2.5μmの銅めっき被膜の硫黄原子の含有率と結晶配向とグレインサイズを測定したところ、硫黄原子の含有率は180重量ppmで、結晶配向は111面配向が18%あり、グレインサイズは1.5μmであった。結果を表3に示す。
なお、銅薄膜層側から膜厚2.5μmを超える範囲では、グレインサイズ(双晶粒界を除く)は、5.9μmであった。
(比較例1)
銅めっき被膜の膜厚が0.5μmとなるまでは、電流密度を0.5A/dm以下とし、さらに表2に示すように銅めっき被膜の膜厚が2.5μmとなるまでの電流密度を0.8A/dmに上昇させて銅電気めっきを行った以外は実施例1と同様の方法で金属化ポリイミドフィルムを製造した。
得られた金属化ポリイミドフィルムを30μmピッチの配線加工を施した後、断面観察を行った結果を表3に示す。
トップ幅12.1μmの時にボトム幅が17.0μmとなり、実施例1の断面形状より裾広がりの様相を呈し、断面観察検査をクリアすることができなかった。
また、銅薄膜層側から膜厚2.5μmの銅めっき被膜のS濃度と結晶配向とグレインサイズを測定したところ、硫黄原子の含有率は25重量ppmで、結晶配向はランダム配向であり、グレインサイズは4.5μmであった。また、グレインの(111)面への配向は、0.2%であった。結果を表3に示す。
図5に、比較例1のEBSP(電子後方散乱回折像)測定チャートを示す。縦軸は、金属化ポリイミドフィルムの膜厚方向で下側が銅薄膜層側で、横軸は金属化ポリイミドフィルムのTD方向(幅方向)である。
(比較例2)
表2の電流密度で銅電気めっきを行った以外は実施例1と同様の方法で金属化ポリイミドフィルムを製造した。
実施例1と同様に断面観察をしたところ、トップ幅12.0μmの時、ボトム幅は17.0μmとなり、実施例1の断面形状より裾広がりの様相を呈し、断面観察検査をクリアすることができなかった。
また、銅薄膜層側から膜厚2.5μmの銅めっき被膜のS濃度と結晶配向とグレインサイズを測定したところ、硫黄原子の含有率は20重量ppmで、結晶配向はランダム配向であり、グレインサイズは5.0μmであった。結果を表3に示す。
(比較例3)
表2の電流密度で銅電気めっきを行った以外は実施例1と同様の方法で金属化ポリイミドフィルムを製造した。
実施例1と同様に断面観察をしたところ、トップ幅11.9μmの時、ボトム幅は17.0μmとなり、実施例1の断面形状より裾広がりの様相を呈し、断面観察検査をクリアすることができなかった。
また、銅薄膜層側から膜厚2.5μmの銅めっき被膜のS濃度と結晶配向とグレインサイズを測定したところ、硫黄原子の含有率は23重量ppmで、結晶配向はランダム配向であり、グレインサイズは6.0μmであった。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、実施例1の金属化ポリイミドフィルムをサブトラクティブ法で配線加工すると、配線のボトム幅が15.2μmとなるのに対し、比較例ではボトム幅が17.0μmとなる。配線間のスペースは、実施例1が14.8μmに対し、比較例1は13.0μmである。
本発明に係る銅電気めっき方法で銅めっき被膜を成膜して得られた金属化ポリイミドフィルムは、狭ピッチ化の配線加工に適していることが分かる。
ここで、エッチングファクター(EF)を評価して、その結果を表3に示す。なお、EFは下記(1)式より算出した。
表3に示す結果から、比較例1のEF(エッチングファクター)が3.3に対して、実施例1のEFは5.2であり、EFが約58%も向上している。
また、配線パターンのリード裾部分が広がりを低減して、ファインピッチ基板に適応したフレキシブル配線板として極めて信頼性の高いものが得られる。
1 銅めっき被膜
2 ポリイミドフィルム(樹脂フィルム)
3 下地金属層
4 銅薄膜層
11 電気めっき槽
12 巻出ロール
13a 反転ロール
14a−1、14a−2、14b−1、14b−2、14c−1、14c−2、14d−1、14d−2 陽極
15 巻取ロール
16a〜16d 給電ロール
17a〜17e ガイドロール
18 めっき液
F 金属薄膜付樹脂フィルム
S 金属化樹脂フィルム基板

Claims (6)

  1. 銅めっき液に通電して銅めっき被膜を形成する銅電気めっき方法において、
    前記通電時の電流密度を、前記銅めっき被膜の厚みが2.5μmになるまでは、0.5A/dm以下で銅めっきを行い、
    前記銅めっき液が、構成原子に硫黄原子を有する有機化合物を8重量ppm〜30重量ppm含むことを特徴とする銅電気めっき方法。
  2. 前記電流密度を、前記銅めっき被膜の厚みが2.5μmを超えた場合には、2A/dm以上で銅めっきを行うことを特徴とする請求項1に記載の銅電気めっき方法。
  3. 前記銅めっき被膜が、長尺体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銅電気めっき方法。
  4. 前記銅めっき被膜が、長尺の基材上に成膜されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の銅電気めっき方法。
  5. 樹脂フィルムの少なくとも一方の面に接着剤を介することなくNiを含む合金からなる下地金属層と、前記下地金属層の表面に乾式めっき法で成膜した銅薄膜層と、前記銅薄膜層の表面に電気めっき法により銅めっき被膜を形成した金属化樹脂フィルムにおいて、
    前記銅めっき被膜が、請求項1から4のいずれかに記載の銅電気めっき方法を用いて成膜されたものであることを特徴とする金属化樹脂フィルム。
  6. 銅めっき被膜であって、被膜底部から頂部に向かって厚み2.5μmまでの領域ではグレインサイズ0.5μm〜1.5μmの(111)面に配向した結晶領域Aで、厚み2.5μmを超える領域では前記結晶領域Aと連続する前記結晶領域Aよりグレインサイズの大きな結晶領域Bとで構成され、硫黄原子を30重量ppm〜250重量ppm含むことを特徴とする銅めっき被膜。
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