JP2013018670A - 光ファイバの線引装置および線引方法 - Google Patents

光ファイバの線引装置および線引方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炉心管下端の接合部近傍の隙間炉筐体内のガスを炉心管内に流入させても、内径方向にススが堆積しない光ファイバの線引装置と線引方法を提供する。
【解決手段】炉心管13内に流し込まれ下向きに流れる不活性ガスの体積流量をQ、炉筐体14内から炉心管内に漏出する不活性ガスの体積流量をQ、炉心管下端の内径を2D、炉心管13と延長管17との接合部のガス漏出口19の出口部分の間隙幅をHとし、体積流量QとQとが交わる壁面でのQとQとのせん断力の比をRとしたとき、
「R=(3D)/(4H)≦3」
を満足するように前記接合部のガス漏出口の出口部分の間隙幅Hが設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ用のガラス母材を加熱溶融して、光ファイバを線引きする光ファイバの線引装置および線引方法に関する。
光ファイバは、専用の線引炉を用いて光ファイバ用のガラス母材(以下、光ファイバ母材という)を加熱溶融してガラスファイバを線引きし、その外面に保護被覆を施して製造される。ガラスファイバの線引きに際しては、光ファイバ母材が挿入される炉心管に耐熱性のあるカーボンが用いられるが、炉心管の酸化を防ぐ、等のために炉心管内には不活性ガスが送り込まれる。また、炉心管を加熱するヒータを収納した炉筐体内にも、カーボンで形成されるヒータや断熱材の酸化を防ぐためや、加熱状態を監視する窓部の曇りを抑制する、等のために、不活性ガスが送り込まれている。上記の不活性ガスとしては、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などのガスが用いられる。
また、光ファイバ母材の下端から垂下して線引きされた軟化状態にあるガラスファイバが、線引炉の外に出るまでにある程度温度を下げて硬化された状態とするために、例えば、特許文献1に、炉心管の下端に円筒状の隔壁(下煙突または延長管とも言う)を設けることが開示されている。また、特許文献2には、光ファイバ母材の下端の軟化形状(ネックダウン形状)に沿うように、炉心管の形状をテーパ状に縮径して、ガラス母材の下端部の不活性ガスの流れを安定させ、ガラスファイバの外径変動をより抑制すると共に、縮径された炉心管の下方に延長筒(下煙突または延長管とも言う)を設けることが開示されている。
特許第2787983号公報 特開平8−91862号公報
線引炉に用いる不活性ガスは製造コストに影響するため、できるだけその使用を抑制することが要望されている。このため、炉筐体内に送り込まれた不活性ガスを、そのまま排出せずに炉心管内に送り込み、炉心管内の不活性ガスの使用量を少なくすることが提案されている。また、特許文献1,2に開示の炉心管と延長管等との接合部には隙間が存在するため、この隙間部分から炉筐体側のガスが炉心管内に漏出する場合がある。
炉心管と延長管等との接合部は、ヒータ位置から離れた下方位置にあるので、ある程度温度が低下している。また、炉心管の上方から不活性ガスを流すため、接合部から下方の管内壁には溶融した光ファイバ用母材から生成されたSiO等の滓であるススが付着しやすい状態となっている。この状態で、炉心管の上方から流れてくる炉心管内のガス流と、炉筐体側から水平方向に流れ込んでくるガス流とが衝突すると、ススが管内壁に一様に付着するのではなく、内径方向にススが堆積して突き出してくることがある。この場合、ガラスファイバにこの堆積したススが接触してガラスファイバの強度が低下し、断線するなど、光ファイバの特性低下の一因となる虞がある。
本発明は、上述した実状に鑑みてなされたもので、炉心管下端の接合部近傍の隙間から炉筐体内のガスを炉心管内に流入させても、内径方向にススが堆積しない光ファイバの線引装置と線引方法を提供することを目的とする。
本発明による光ファイバ線引装置および線引方法は、光ファイバ用ガラス母材が挿入される炉心管内と、炉心管外であり炉心管を外側から加熱するヒータとヒータの外側に配設される断熱材とを収納する炉筐体内とに、不活性ガスを個別に流し込み、炉心管下端の接合部の間隙から炉筐体内に流し込まれた不活性ガスが炉心管内に漏出する光ファイバの線引装置と線引方法である。
そして、炉心管内に流し込まれ下向きに流れる不活性ガスの体積流量をQ、炉筐体内から炉心管内に漏出する不活性ガスの体積流量をQ、炉心管の内径を2D、炉心管下端の接合部のガス漏出口の出口部分の間隙幅をHとし、体積流量QとQとが交わる壁面でのQとQとのせん断力の比をRとしたとき、
「R=(3D)/(4H)≦3」
を満足するように前記接合部のガス漏出口の出口部分の間隙幅Hが設定されている。
なお、炉心管下端の内径が、炉心管の上部内径より小さい径で形成されていることが好ましい。また、ガス漏出口の間隙幅が径方向途中から広げられており、さらには、径方向途中から広げられた位置から出口部分までの径方向の距離Lが、出口部分の間隙幅Hの1/2以上で形成されていることが好ましい。また、炉心管下端の接合部では、炉心管と石英またはカーボンからなる環状部材とが接合するようにしてもよい。
上記の本発明によれば、炉心管下端の接合部近傍の間隙から炉筐体内のガスを炉心管内に送り込んでも、漏出口に内径方向に突き出るようにしてススが堆積するのを抑制することができる。この結果、ガラスファイバに堆積したススが付着せず、光ファイバの特性低下が生じない。
本発明で用いる光ファイバ線引炉の概略を説明する図である。 不活性ガスの流れについて説明する図である。 図2の間隙幅Hを変えたときのせん断力比R、ススの堆積状態などを示す図である。 図3Aのケース1,2のガス流をシミュレーションした図である。 図3Aのケース3〜5のガス流をシミュレーションした図である。 本発明におけるガス漏出口の間隙幅Hと径方向距離Lによるガスの流れを説明する図である。 本発明における炉心管下部の接合部の実施形態を説明する図である。 本発明における炉心管下部の接合部の他の実施形態を説明する図である。
図1,2により本発明の光ファイバ線引装置の概略と不活性ガスの流れを説明する。図において、10は光ファイバ線引炉、11は光ファイバ母材、11aは光ファイバ母材の下端部、12はガラスファイバ、13は炉心管、13aは縮径部、13bは縮径管部、13cは炉心管下端、14は炉筐体、15はヒータ、16は断熱材、17は延長管、18は環状部材、19はガス漏出口を示す。
光ファイバの線引は、図1に示すように、吊下げ支持される光ファイバ母材11の下部を加熱し、加熱溶融によりネックダウン形状となった下端部11aからガラスファイバ12を溶融垂下させて所定の外径となるように線引きして行われる。このための光ファイバ線引炉10は、光ファイバ母材11が挿入供給される炉心管13を囲むようにして、加熱用のヒータ15を配し、このヒータ15の熱が外部に放散されないように断熱材16で囲い、その外側全体を炉筐体14で囲って構成される。
光ファイバ母材11は、母材吊り機構(図示省略)により吊り下げ支持され、光ファイバの線引き進行にしたがって下方に順次移動制御される。炉筐体14は、ステンレス等の耐食性に優れた金属で形成され、中心部に高純度のカーボンで形成された後述する円筒状の炉心管13が配される。炉心管13の酸化・劣化を防ぐために、炉心管13内には窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが流し込まれ、この不活性ガスは、光ファイバ母材と炉心管13の隙間を通って、その大部分は炉心管13の下方から延長管17を介して外部に放出される。
また、炉筐体14にも、カーボン製のヒータ15や断熱材16の酸化・劣化を防ぐために、同様に窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが流し込まれる。炉筐体14に流し込まれるガスは、炉心管13内に流し込まれるガスと別に制御されるが、通常、同じガスが用いられる。なお、炉筐体14の下方には、下煙突とも言われている延長管17が、炉心管13の下端に連結される。
延長管17は、加熱軟化しているガラスファイバ12の急冷を緩和すると同時にある程度冷却硬化させて外径変動を抑える機能を有している。なお、延長管17の下端にシャッター等が設けられる場合もある。この延長管17は、製造コスト等の面から炉心管13とは分割可能に形成され、炉心管の下端に接合するようにして連結される。炉心管13と延長管17との接合部は、耐熱性のある石英、カーボン等の環状部材18を用いており、特に電気絶縁性のある石英を用いると、炉心管13と炉筐体14とを電気的に絶縁することができるので、大きな短絡事故に至らなくすることが可能である。しかし、環状部材18を用いることなく、炉心管と延長管とを直接接合する場合もある。
いずれの場合においても、その接合部にはカーボンパッキン等を用いたりしているが、その接合部には多少の隙間が存在する。
上述した炉筐体14に流し込まれる不活性ガスは、そのまま排出口を設けて排出する場合もあるが、不活性ガスは高価であるため、その使用量を少しでも少なくすることが好ましい。このため、炉筐体14内の不活性ガスをそのまま排出するのではなく、炉心管内のガスとして使用したり、できるだけ炉筐体14を密閉して外部に漏れるのを防いだりすることが考えられている。本発明においては、炉心管13の下端に連結接合される延長管17との上記の隙間から、炉心管13内に不活性ガスが漏出する形態のものを対象とする。
なお、炉心管13は、光ファイバ母材11の下端部11aのネックダウン形状に沿うように縮径部13aを設けることで、下方に流れてくる不活性ガスの流れを安定にする以外に、ヒータ15による加熱効率を高めることができる。すなわち、光ファイバ母材11の下端部11aより下方の炉心管を縮径することで、下方に放射される熱を遮断して省エネ化を図ることができる。
また、縮径部13aの下方を炉心管13の上方部の径より細くした縮径管部13bとすることで、不活性ガスの流れを安定にすることができる。しかし、縮径管部13bおよびこれと同径の延長管17として温度を下げることにより、その内壁には光ファイバ用母材から生成されたSiO等の滓であるススが付着しやすい状態となる。このススが縮径管部13bおよび延長管17の内壁に、均一な厚さで一様に付着する場合は特に問題はないが、炉心管13の上方から下向きに流れる不活性ガス(流量Q)と、炉心管と延長管との接合部のガス漏出口19から流れ込んでくる炉筐体14内の不活性ガス(流量Q)との関係によっては、ガス漏出口19の近傍でススSが、管の内壁から内径方向に突き出るように堆積する現象が生じることが判明した。
図2(A)は、縮径管部13bと延長管17の内壁面と接合部のガス漏出口19の壁面を模擬した図で、図2(B)は、ガス流体の流れを模擬した図である。
図において、炉心管の上方からのガス流体を本流とし、その粘度をη,体積流量をQ、接合部のガス漏出口19から流れ込んでくるガス流体を支流とし、その粘度をη,体積流量をQとする。そして本流の体積流量Qによるせん断力をτ,圧力損失(圧損)をP、支流の体積流量Qによるせん断力をτ,圧力損失(圧損)をPとし、体積流量Qが流れる本流の管の内径を2D、体積流量Qが流れる支流の環状のガス漏出口19の間隙幅をHとする。
本流の体積流量Qと支流の体積流量Qとによる流れ方向のそれぞれの圧損P 、Pは、粘性流体における圧力損失に関する理論式から、
=(8ηQ)/(πD
=(6ηQ)/(πDH
で表すことができる。
そして、本流と支流が接する壁面におけるそれぞれのせん断力τとτは、圧力損失とせん断力との釣り合いの式から、
τ=(DP)/2=(4ηQ)/(πD
τ=(HP)/2=(3ηQ)/(πDH
となり、支流と本流のせん断力比をRとすると、
R=τ/τ=(3D)/(4H
が得られる。
図2(B)は、上記の本流の体積流量Qと支流の体積流量Qの流れが合流する部分のガス流の状態の一例を示したものである。それぞれのガス流が接する壁面におけるせん断力τとτによりガス流の状態は変化し、上記の式で、R<1であれば、支流のせん断力τより、本流のせん断力τ の方が強くなり、このため合流地点でのガスの流れは、本流の方が支配的となる。一方、支流のせん断力τの方が強ければ、図2(B)の円内に示すように支流側のガスの流れが上方に盛り上がった状態となる場合がある。このように盛り上がった状態になると、この部分で流れが停滞するため、この部分の近傍の壁面にススが堆積しやすくなる。
実際は、R=1の本流と支流のせん断力が釣合った状態で合流部の流れは下向き45度となること、また、本流、すなわち、炉心管の上方から流れてくるガス温度が高く、さらに支流の炉筐体側から流れてくるガスは十分発達していない場合もあることから、R>1であっても、合流部分(炉心管と延長管との接合部)において支流側のガスの流れが上方に盛り上がった状態にはならない。つまり、Rの値には、ススが堆積するか否か閾値が存在し、Rの値を調整することにより、ススの堆積を抑制することが可能である。
なお、上記のせん断力比Rは、本流の体積流量Qと支流の体積流量Qによっても変えることができるが、これらの値は、線引の設備仕様により決定され、また、炉心管の内径(2D)も光ファイバ母材の径、ネックダウンの形状などによって決定される。したがって、せん断力比Rは、環状のガス漏出口の間隙幅Hを変えて設定するのが望ましい。
図3A〜図3Cは、せん断力比R、ススの堆積状態とガスの流れ等を検証した結果を示したもので、ケース1〜ケース5の5例について検証した。
いずれのケースも、図2で説明した炉心管の内半径Dを45mm、炉心管内に流す不活性ガスの体積流量Qを20(リットル/分)、炉筐体から炉心管内に流入する体積流量Qを4(リットル/分)とし、体積流量Qが流れこむガス漏出口19の間隙幅Hを1mm〜26mmまで変化させてせん断力比Rを変化させ、ススの堆積状態と、ガス流の状態をシミュレーションした。
ケース1は、ガス漏出口19の間隙幅Hを1mmとした場合で、せん断力比Rが304となり、図3Bのケース1で示すように、支流側の体積流量Qの流れが、上方に盛り上がる流れとなっている。この結果、ススの内径方向への堆積が生じ、スス堆積状態は×であった。
ケース2は、ガス漏出口19の間隙幅Hを7mmとした場合で、せん断力比Rが6.2となり、図3Bのケース2で示すように、ケース1と比べて支流側の体積流量Qによる流れが弱くなるが、依然として支流側の体積流量Qの流れが、上方に盛り上がる流れとなっている。この結果、ススの内径方向への堆積が生じ、スス堆積状態は×であった。
ケース3は、ガス漏出口19の間隙幅Hを10mmとした場合で、せん断力比Rが3.0となり、図3Cのケース3で示すように、支流側の体積流量Qによる流れがさらに弱くなり、本流側の体積流量Qによる流れが支配的となり、支流側の体積流量Qの合流点では上方に盛り上がる流れが無くなっている。この結果、ススの内径方向への堆積がなくなり、スス堆積状態は○であった。
ケース4は、ガス漏出口19の間隙幅Hを12mmとした場合で、せん断力比Rが2.1となり、図3Cのケース4で示すように、支流側の体積流量Qによる流れがケース3よりさらに弱くなり、本流側の体積流量Qによる流れが支配的となり、支流側の体積流量Qの合流点では上方に盛り上がる流れが無くなっている。また、ケース5は、ガス漏出口の間隙幅Hを26mmとした場合で、せん断力比Rが0.45となり、図3Cのケース5で示すように、支流側の体積流量Qによる流れがかなり弱くなり、本流側の体積流量Qによる流れが圧倒的となり、支流側の体積流量Qの合流点における上方への盛り上がる流れが全く無くなっている。この結果、ケース4,5とも、ススの内径方向への堆積がなくなり、スス堆積状態は○であった。
以上の検証結果から、実際は、せん断力の釣合い条件から多少支流が強くても良いこと、また炉心管の上方から下向きに流れる本流側のガス温度が高いこと、さらに炉筐体から漏出される支流側のガスが十分加熱されていない場合もあることから、せん断力比R≦3であっても、体積流量Qと体積流量Qの合流点となるガス漏出口近傍での内径方向へのススの堆積を抑制することが可能であると考えられる。
なお、図3A〜図3Cでは、ガス漏出口19の径方向距離を無限長としたが、図4に示すように、ガス漏出口19の出口におけるガス流体の流れは、ある程度の距離Lを経て平行な層流となる。したがって、ガス漏出口19の出口部分19aの間隙幅Hは、この距離Lが確保されることが望ましい。図4に示すガス流体の流れは、シミュレーションによるものであるが、距離Lは間隙幅Hの1/2以上あれば、十分であることが判明した。
図5及び図6は、上記のガス漏出口の間隙幅Hを確保するための具体例を示す図である。図5は、図1で説明した石英又はカーボン等の耐熱性の環状部材18を用いて接合する場合に対応する例である。この場合、ガス漏出口19は、環状部材18と延長管上端17aとの間に形成されるとする。図6は、炉心管と延長管を直接接合する場合で、その接合面にガス漏出口19が形成されるとする。
図5(A)は、環状部材18の内径を炉心管下端13cと延長管上端17aの内径より大きくした例であり、ガスの出口部分19aを、径方向距離Lで、間隙幅Hが径方向に均一で広く形成した例である。
図5(B)は、環状部材18の内径側下面を傾斜面とした例であり、ガスの出口部分19aを、径方向距離Lで、間隙幅Hがガスの出口側に向けて徐々に拡大するように形成した例である。
図5(C)は、延長管上端17aの内径側上面を傾斜面とした例であり、ガスの出口部分19aを、径方向距離Lで、間隙幅Hがガスの出口側に向けて徐々に拡大するように形成した例である。
図5(D)は、環状部材18と延長管上端17aの向き合う面の双方の内径側を削り落した例であり、ガスの出口部分19aを、径方向距離Lで、間隙幅Hが径方向に均一で広く形成した例である。
図6(A)は、炉心管下端13cと延長管上端17aの接合面の間隔を均一に広げた例であり、ガスの出口部分19aを、接合面のフランジ幅と同じ径方向距離Lで、間隙幅Hが径方向に均一で広く形成した例である。
図6(B)は、炉心管下端13cと延長管上端17aの向き合う面の双方の内径側を、平坦に削り落した例であり、ガスの出口部分19aを、径方向距離Lで、間隙幅Hが径方向に均一で広く形成した例である。
図6(C)は、炉心管下端13cの延長管上端17aに向き合う面の内径側を、平坦に削り落し、延長管上端17aの炉心管下端13cに向き合う内径面を傾斜面とした例であり、ガスの出口部分19aを、径方向距離Lで、間隙幅Hがガスの出口側に向けて徐々に拡大するように形成した例である。
図6(D)は、炉心管下端13cと延長管上端17aの向き合う面の双方の内径側を、傾斜面とした例であり、径方向距離Lで、ガスの出口側に向けて徐々に拡大された形状の間隙幅Hとした例である。
10…光ファイバ線引炉、11…光ファイバ母材、11a…下端部、12…ガラスファイバ、13…炉心管、13a…縮径部、13b…縮径管部、13c…炉心管下端、14…炉筐体、15…ヒータ、16…断熱材、17…延長管、17a…延長管上端、18…環状部材、19…ガス漏出口、19a…出口部分。

Claims (6)

  1. 光ファイバ用ガラス母材が挿入される炉心管内と、前記炉心管外であり前記炉心管を外側から加熱するヒータと前記ヒータの外側に配設される断熱材とを収納する炉筐体内とに、不活性ガスを個別に流し込み、前記炉心管下端の接合部の間隙から前記炉筐体内に流し込まれた不活性ガスが前記炉心管内に漏出する光ファイバの線引装置であって、
    前記炉心管内に流し込まれ下向きに流れる不活性ガスの体積流量をQ、前記炉筐体内から前記炉心管内に漏出する不活性ガスの体積流量をQ、前記炉心管の内径を2D、前記炉心管下端の接合部のガス漏出口の出口部分の間隙幅をHとし、前記体積流量QとQとが交わる壁面でのQとQとのせん断力の比をRとしたとき、
    R=(3D)/(4H)≦3
    を満足するように前記ガス漏出口の出口部分の間隙幅Hが設定されていることを特徴とする光ファイバの線引装置。
  2. 前記炉心管下端の内径が、前記炉心管の上部内径より小さい径で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの線引装置。
  3. 前記ガス漏出口の間隙幅が径方向途中から広げられていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバの線引装置。
  4. 前記ガス漏出口の間隙幅が径方向途中から広げられており、広げられた位置から出口部分までの径方向の距離Lが、前記出口部分の間隙幅Hの1/2以上で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバの線引装置。
  5. 前記炉心管下端の接合部では、前記炉心管と石英またはカーボンからなる環状部材とが接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバの線引装置。
  6. 光ファイバ用ガラス母材が挿入される炉心管内と、前記炉心管外であり前記炉心管を外側から加熱するヒータと前記ヒータの外側に配設される断熱材とを収納する炉筐体内とに、不活性ガスを個別に流し込み、前記炉心管下端の接合部の間隙から前記炉筐体内に流し込まれた不活性ガスが前記炉心管内に漏出する光ファイバの線引方法であって、
    前記炉心管内に流し込まれ下向きに流れる不活性ガスの体積流量をQ、前記炉筐体内から前記炉心管内に漏出する不活性ガスの体積流量をQ、前記炉心管の内径を2D、前記炉心管下端の接合部のガス漏出口の出口部分の間隙幅をHとし、前記体積流量QとQとが交わる壁面でのQとQとのせん断力の比をRとしたとき、
    R=(3D)/(4H)≦3
    を満足するように前記ガス漏出口の出口部分の間隙幅Hを設定して、光ファイバを線引することを特徴とする光ファイバの線引方法。
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