JP2013010846A - エポキシ樹脂硬化物微粒子、その分散液及びそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐光性及び耐熱性に優れたエポキシ樹脂硬化物微粒子、その分散体及び工業的に有利な製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】脂環式エポキシ樹脂(A)を脂環式アミン系硬化剤(B)で硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物の微粒子であり、ガラス転移温度Tgが60℃以上であるエポキシ樹脂硬化物微粒子である。この微粒子は、脂環式エポキシ樹脂(A)が滴状に分散したエマルションに脂環式アミン系硬化剤(B)を加えて、(A)を粒子状に硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化物微粒子分散液から、エポキシ樹脂硬化物微粒子を分離して製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐光性、耐熱性に優れたエポキシ樹脂硬化物微粒子、その分散液及びそれらの製造方法に関する。
樹脂微粒子とは、樹脂からなる微粒子のことであり、一般的にその直径は、数十nmから、数百μmの大きさまでの多岐にわたる微粒子のことである。樹脂微粒子は、フィルム、繊維、射出成形品、押出成形品などの樹脂成形品とは異なり、比表面積が大きい点や、微粒子の構造を利用することで各種材料の改質、改良に用いられている。主要用途としては、化粧品の改質剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への添加剤などが挙げられる。また、樹脂微粒子の微粒子構造を活かし、レーザー加工技術と組み合わせてオーダーメードの成形品を作る手法であるラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリングの原料として用いられるようにもなってきている。特に、近年では電子情報材料の部材としての利用に注目が集まっている。かかる部材の使用条件下では、冷陰極管、青色LEDや白色LEDなどの光源から照射される紫外もしくは近紫外領域の光に曝露されるため、かかる用途に使用する微粒子材料にも他の部材と同様に、紫外線着色による液晶ディスプレイの色調悪化を起こさないように耐紫外線特性に優れることが求められている。更に、これら光源による発熱が起こるため、かかる用途の微粒子材料には耐熱性が要求される。
一方、エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性、機械的強度及び電気特性等になどの優れた特性を持ち、工業分野において広く利用されている。
エポキシ樹脂の中でも汎用なビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、透明な硬化物が得られるが、芳香環を含むため耐紫外線特性が悪いという問題を抱えている。
耐紫外線特性の良好なエポキシ樹脂として、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルが提案され、このものは耐光性に優れることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来、エポキシ樹脂硬化物からなる微粒子としては、エポキシ樹脂の特徴である硬化後の高い硬度、耐熱性及び耐薬品性という特徴を活かし、開発がなされてきた。このようなエポキシ樹脂硬化物微粒子の製造方法としては、(1)エポキシ樹脂エマルションにアミン系エポキシ硬化剤を加えて微粒子状に硬化させる方法(例えば、特許文献2及び3参照)、(2)硬化反応後の樹脂をボールミル、ジェットミル等を用いて機械的に粉砕後、界面活性剤水溶液に分散させる方法(例えば、特許文献4参照)等が知られている。
しかし、これらのエポキシ樹脂硬化物微粒子は、上記汎用エポキシ樹脂の性質と同様に耐光性に劣るため、電子情報材料部材用の微粒子材料として信頼性の高い製品を得るためには、耐光性及び耐熱性に優れたエポキシ樹脂硬化物微粒子が求められている。
特開平6−136092号公報 特開昭61−87721号公報 特開平6−279570号公報 特開2009−235120号公報
本発明は、耐光性及び耐熱性に優れたエポキシ樹脂硬化物微粒子、その分散体及び工業的に有利な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、脂環式エポキシ樹脂と特定の脂環式アミン系硬化剤を組み合わせることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
[1]脂環式エポキシ樹脂(A)を脂環式アミン系硬化剤(B)で硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物の微粒子であり、ガラス転移温度Tgが60℃以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物微粒子、
[2]脂環式アミン系硬化剤(B)が分子内にシクロヘキサン骨格を有する脂環式アミン化合物であることを特徴とする[1]記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子、
[3]脂環式アミン系硬化剤(B)が下記一般式(1)または(2)のいずれかで表される脂環式アミン化合物であることを特徴とする[1]又は[2]記載のエポキシ硬化物微粒子、
Figure 2013010846
Figure 2013010846
(式中、R及びRはそれぞれ独立にアミノ基又は炭素原子数1〜4のアミノアルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖又は非直鎖のアルキル基であり、Rは炭素原子数1〜4の直鎖又は非直鎖のアルキル基である。)
[4]脂環式アミン系硬化剤(B)が1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルアミン)及び4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)からなる群からえらばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[3]いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子、
[5]脂環式エポキシ樹脂(A)が水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする[1]〜[4]いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子、
[6]平均粒子径が、0.1〜500μmであることを特徴とする[1]〜[5]いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子、
[7]真球度が、80以上であることを特徴とする[1]〜[6]いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子、
[8]色調をL表色系(CIE 1976)で評価した時にa値が絶対値で5以下、b値が絶対値で20以下であることを特徴とする[1]〜[7]いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子、
[9][1]〜[8]いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子を分散媒に分散させたエポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液、
[10][9]記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子分散液の製造方法であって、脂環式エポキシ樹脂(A)が滴状に分散したエマルションに脂環式アミン系硬化剤(B)を加えて、(A)を粒子状に硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物微粒子分散液の製造方法、
[11][10]記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子分散液の製造方法により得られたエポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液から、エポキシ樹脂硬化物微粒子を分離することを特徴とするエポキシ樹脂硬化物微粒子の製造方法、
である。
本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子は、従来のエポキシ樹脂系微粒子よりも色調面での耐光性・耐熱性に優れており、高い真球度を有する。以上の結果、本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子の粉体又は水性分散液は、各種スペーサー、塗料用艶消し剤、研磨剤、複合樹脂の有機フィラー、顔料固着剤、固体潤滑剤、滑剤、剥離剤等の各種産業用途に有用である。
実施例1により得られたエポキシ樹脂硬化物微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明における脂環式エポキシ樹脂(A)とは、分子内に飽和脂環式炭化水素構造を有し、かつ芳香族環構造を有しない2官能以上の熱硬化性樹脂が好ましく例示される。このような脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、無水フタル酸型エポキシ樹脂、トリスフェノールアルカン型エポキシ樹脂等の芳香核部を水素化したエポキシ樹脂が挙げられ、特に一般式(3)で表される脂環式エポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2013010846
式(3)中、R及びRは、水素原子、メチル基、エチル基又はシクロヘキシル基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0〜10の整数を表す。
上記一般式(3)で示されるエポキシ樹脂は水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂であり、ビスフェノールを水素化した後エポキシ化したものでも、また、エポキシ化した後に水素化したものでも良い。これらの中で透明性、耐熱性の点からR及びRがメチル基である水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましく、例えば“jER”(登録商標) YX8000(三菱化学製)、“デナコール”(登録商標)EX−252(ナガセケムテックス製)、“リカレジン”(登録商標)HBE−100(新日本理化製)、“サントート”(登録商標)ST−3000(新日鐵化学製)、“アデカレジン”(登録商標)EP−4080(旭電化工業製)、SR−HBA(阪本薬品工業製)等が市販されている。
本発明に係る(A)成分(脂環式エポキシ樹脂(A)のことを(A)成分ということがある。)の脂環式エポキシ樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂を混合して使用できる。混合して使用できるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートやビニルシクロヘキセンジエポキサイド等の脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロ無水フタル酸のジグリシジルエステル等の多塩基酸のポリグリシジルエステル、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル等のエポキシ基を1個もったグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの化合物は単独で又は2種以上を適宜混合して使用することができる。
これらの中でも、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−シクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロ無水フタル酸ジグリシジルエステル等の飽和多塩基酸のポリグリシジルエステル、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル等の二重結合を有しないエポキシ樹脂が耐紫外線特性を損なうことがない為より好ましい。
本発明における脂環式アミン系硬化剤(B)とは、分子内に飽和脂環式炭化水素構造を有し、かつ芳香族環構造を有しない2官能以上の脂環式アミン化合物が好ましく例示される。
具体的には、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、4,4’−ビピペラジン、4,4’−エチレンジピペラジン、4,4’−トリメチレンジピペラジン、4−(アミノメチル)ピペリジン、3−(4−アミノブチル)ピペラジン又は4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。中でも、前記一般式(1)または(2)のいずれかで表される、分子中にシクロヘキサン骨格を有するものが好ましい。具体的には、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)、又は1,4−シクロヘキサンジアミンであり、穏和な条件で硬化を行う観点から、特に好ましくは、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。また、前記一般式(1)または(2)においてシクロヘキサン骨格に直接結合している水素原子は、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜4の直鎖又は非直鎖のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン基等で置換されていても良い。
本発明に係る(B)成分(脂環式アミン系硬化剤(B)のことを(B)成分ということがある。)の脂環式アミン系硬化剤には、本発明の効果を損なわない範囲で他の硬化剤を混合して使用できる。混合して使用できる硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ポリアミドアミン、カルボン酸無水物及びルイス酸錯体、酸系硬化触媒、塩基系硬化触媒などが挙げられる。
脂肪族アミンの具体的な例としては、ヒドラジン、ヘキサンニ酸ジヒドラジド、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロプレンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミドアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、オレイルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミンなどが挙げられる。また、芳香族アミンの具体的な例としては、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルメタンなどが用いられる。
さらに、これらの硬化剤は、本発明の効果を損なわない範囲で硬化活性を高めるために適当な硬化助剤を組み合わせて用いることができる。エポキシ樹脂に硬化助剤を組み合わせる場合の好ましい例としては、ジシアンジアミドに、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1、1−ジメチル尿素(DCMU)などの尿素誘導体を硬化助剤として組み合わせる例、芳香族アミンに三フッ化ホウ素エチルアミン錯体を硬化助剤として組み合わせる例、及びカルボン酸無水物やノボラック樹脂に3級アミンを硬化助剤として組み合わせる例などが挙げられる。
本発明でいう、エポキシ樹脂硬化物微粒子とは、上記脂環式エポキシ樹脂(A)と上記硬化剤(B)とを反応させたエポキシ樹脂硬化物の微粒子であり、ガラス転移温度Tg(以下単にTgということがある。)が60℃以上であり、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上である。エポキシ樹脂硬化物微粒子のTgが60℃未満であると、耐熱性の面で好ましくない。上限としては、250℃であり、好ましくは200℃、より好ましくは180℃、さらに好ましくは160℃である。
ここでいうTgとは、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、30℃から、予測されるTgよりも30℃高い温度以上まで、20℃/分の速度で昇温し、1分間保持した後、40℃/分の速度で30℃まで一旦冷却し、1分間保持した後、再度20℃/分の昇温速度で測定した際に観察されるTgを指す。
本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子は、その平均粒子径が0.1〜500μm、好ましくは0.3〜300μm、より好ましくは0.5〜200μm、特に好ましくは1〜100μmの微粒子である。エポキシ樹脂硬化物微粒子の粒子径が0.1μm未満であると、効率的に生産することが困難である。また、エポキシ樹脂硬化物微粒子の粒子径が500μmを超えると、分散液にした際に沈殿が生じやすくなる傾向がある。
ここでいう平均粒子径とは、いわゆるミーの散乱・回折理論に基づくレーザー回折式粒度分布計で測定される体積粒度分布における平均値を指す。
本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子は、その形状が真球状に近いものの方が電子情報材料分野におけるスペーサーとしての性能の観点から、好ましい。本発明における樹脂微粒子の真球度は、好ましくは、80以上であり、より好ましくは85以上、さらに好ましくは90以上、特に好ましくは95以上である。真球度が80未満であると、微粒子の充填部への充填性が悪化するため好ましくない。上限としては100である。
ここで、真球度とは、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM−6301NF)にて、粒子を観察し、短径と長径を測長し、任意粒子30個の平均より下記数式(式1)に従い、算出したものである。
Figure 2013010846
本発明において、色調を規定したL表色系(CIE 1976)とは、1976年にCIE(国際照明委員会)により定められた「CIE1976 L色空間」で定義される。この色空間は次式(式2)(式3)(式4)で定める量L、a、bを直交座標系に持つ色空間である。
Figure 2013010846
(ただし、X/X、Y/Y、Z/Z>0.008856、X、Y、Zは試料のXYZ表色系(CIE 1931)における三刺激値、X、Y、Zは完全拡散反射面の三刺激値である。ここで、XYZ表色系(CIE 1931)とは、1931年にCIE(国際照明委員会)により定められた「CIE1931 XYZ色空間」で定義される。)
その測定は、分光式色彩計(SE−2000:日本電色工業株式会社製)を用いて行う。
本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子は、前記L表色系(CIE 1976)で粒子の色調を規定した場合に、a値及びb値の絶対値が低いものの方が電子情報材料分野におけるスペーサーとしての性能の観点から、好ましい。本発明における樹脂微粒子の色調は、好ましくは、a値が絶対値で5以下、b値が絶対値で20以下であり、より好ましくはa値が絶対値で4.5以下、b値が絶対値で18以下、さらに好ましくはa値が絶対値で4以下、b値が絶対値で15以下である。a値が絶対値で5、b値が絶対値で20を超えると、粒子が添加された材料の色調を悪化させるため好ましくない。下限としては0である。
エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液とは、上記エポキシ樹脂微粒子硬化物が分散媒に分散した分散液を指す。分散媒としての溶剤は、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、極性溶剤、エーテル系溶剤及び水からなる群から選ばれる少なくとも一種であると良い。好ましい溶剤としては、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、極性溶媒、水が挙げられる。最も好ましい分散媒は水である。
脂肪族炭化水素系溶剤としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン等が例示される。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等が例示される。エステル系溶媒としては、例えば酢酸エチル、酢酸メチル等が例示される。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、例えばクロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン等が例示される。ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン等が例示される。アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が例示される。エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジグライム、ジメトキシエタン等が例示される。また、本発明において極性溶媒とは、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トリメチルリン酸、N−メチルピロリドンから選ばれる少なくとも1種の溶媒であるものとする。
本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液は、界面活性剤成分を含んでいても良い。界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤が挙げられ、アニオン系界面活性剤としては、例えば脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルナトリウム、脂肪酸エステルスルホン酸ナトリウム、脂肪酸エステル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アルキロースアミド硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アミドスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば塩化アルキルメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルピリジニウムなどが挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、例えばアルキルアミノカルボン酸塩、カルボキシベタイン、アルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタインなどが挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールモノ脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸トリエタノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、イソプロパノールアミド、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル及びこれらの誘導体などが挙げられる。
なお、ここでいうアルキルとは、例示するならば炭素数1から30までの直鎖型飽和炭化水素基又は分岐型飽和炭化水素基が挙げられる。またアルキルの部分が水素原子、直鎖型不飽和炭化水素基、分岐型不飽和炭化水素基であっても良い。特に、本発明で使用する界面活性剤としては、好ましくは上記に含まれるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル及びそれらの誘導体である。前記アルキル基の好ましい範囲としては、炭素数1から20までの直鎖型飽和炭化水素基又は分岐型飽和炭化水素基が挙げられる。またアルキルの部分が水素原子、直鎖型不飽和炭化水素基、分岐型不飽和炭化水素基であっても良い。
特に好ましい界面活性剤としては、下記構造のものが挙げられる。
Figure 2013010846
式中、mは1〜3の整数、また、nは5〜100、好ましくは10〜40の整数である。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル及びそれらの誘導体は、エポキシ樹脂硬化物の微粒子に対し適当なHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値を有しているため、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散媒への分散性を向上すると共に、得られた分散液が長期的に安定な分散性を維持することができる。
次に本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子及びその分散液を得る方法について説明する。
本発明のエポキシ樹脂硬化物微粒子は、脂環式エポキシ樹脂(A)成分が滴状に分散したエマルションに硬化剤(B)を加えて、(A)成分を粒子状に硬化させることで得ることができる。エポキシ樹脂エマルションの製造方法としては、次に代表的な方法を挙げるが、本発明ではこれらの方法について特に限定するものではない。
(1)空中あるいは液中で振動するノズルからエポキシ樹脂又はその溶液を連続吐出させることによって液滴状に切断し、それを液中に捕集する方法。
(2)空中あるいは液中のノズルからエポキシ樹脂又はその溶液をパルス状に吐出させ、それを液中に捕集する方法。
(3)エポキシ樹脂又はその溶液を、界面活性剤を用いて乳化する方法。
(4)エポキシ樹脂又はその溶液を、粉体乳化剤を用いて乳化する方法。
(5)保護コロイド性物質を含む水でエポキシ樹脂又はその溶液を乳化する方法。
上記方法のうち、生産性の点から(3)〜(5)の方法が本発明に好ましく用いられるが、(1)〜(5)の 方法を組合せることも本発明では好ましく用いられる。
上記方法における分散媒としては、前述の分散媒を用いることができる。このなかでも、本発明の具体化の容易性、ハンドリングしやすさ、使用する有機溶媒からの分離性及び経済的理由から、水性の媒体であることが好ましい。
また、上記方法における界面活性剤としては、特に限定するものではないが、前述のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤を用いることができる。このなかでも、エマルションの安定性の観点から非イオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、単独で用いることもできるし、2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。これらの界面活性剤はエポキシ樹脂及び硬化剤の混合物又はそれらの溶液に対して0.5〜30質量%程度加えられる。
また、粉体乳化剤としては、微粉末結晶性セルロースや硫酸バリウム粉末などがあり、0.5〜20質量%程度使用される。
また、保護コロイド性物質としては、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、アルギン酸ソーダなどあり、水性の分散媒に0.1〜20質量%程度溶解して使用されるのが一般的である。
次にエポキシ樹脂又はその溶液を乳化しエマルションを得る方法の代表例を説明する。
界面活性剤又は粉体乳化剤はエポキシ樹脂に加えられ、保護コロイド性物質を添加する場合には分散媒に溶解しておくのが一般的であるが、エポキシ樹脂と界面活性剤、粉体乳化剤又は保護コロイド性物質の相溶性によっては、界面活性剤又は粉体乳化剤を分散媒に溶解して添加しても、保護コロイド性物質をエポキシ樹脂に加えても良い。
エポキシ樹脂を分散媒に乳化分散する方法として、強く撹拌されているエポキシ樹脂又はその溶液に分散媒を徐々に加えるか、逆に強く撹拌されている分散媒に上記エポキシ樹脂又はその溶液を徐々に加える方法が一般的である。エポキシ樹脂又はその溶液の粘度が低い時には特にどちらかの方法であっても乳化は可能であるが、粘度が高い場合には、前者の方法、つまり強く撹拌されているエポキシ樹脂又はその溶液に分散媒を徐々に加える方法が推奨される。
エポキシ樹脂は、一般に粘度が1ポイズ以上あるため、前者の方法をとるのが好ましい。
この工程における混合装置は、上記エマルションが得られる混合であればよく、高粘度のエポキシ樹脂を主成分とする分散相を効率よく水相中に分散することを考慮すると、例えば、ホモミキサー、ディスパーなどの剪断力の強い装置を併用することが好ましい。
上記工程における混合温度は、特に制限されるものではなく、適宜選定することができるが、好ましくは、10〜90℃、より好ましくは、25〜60℃とすると好適である。混合温度が10℃未満であると、分散相の粘度が高すぎて均一に分散されず1000μmを越える粗大粒子が多く生成される場合があり、また、90℃を超えて高すぎると、硬化の際に液滴同士の合一が起こり、小粒径の粒子が得られない。
硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部〜100質量部、より好ましくは1質量部〜60質量部、さらに好ましくは1質量部〜30質量部である。硬化剤は、そのまま加えても良く、また、乳化前にあらかじめエポキシ樹脂に溶解又は分散させておいても良いが、溶液状態で加えるのが均一な硬化を行うために好ましい。この際の溶媒としては、硬化剤が溶けるものであればいずれでも良く、特に好ましいものは、エポキシ樹脂の分散媒と同じものであり、極めて好ましいものは水である。
エポキシ樹脂を硬化反応させる加熱温度は好ましくは20℃〜200℃、より好ましくは20℃〜100℃、さらに好ましくは40℃〜80℃にするとよい。また、硬化反応を行う時間は、好ましくは10分〜100時間、より好ましくは30分〜10時間、さらに好ましくは1時間〜5時間の範囲である。また、反応雰囲気は、空気下、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気下のいずれでも良いが、好ましくは窒素雰囲気下である。
エポキシ樹脂を硬化反応させて微粒子を形成するときの攪拌速度としては、好ましくは100〜1600rpmであり、より好ましくは200〜900rpmであり、更に好ましくは300〜600rpmである。
これらの温度、時間、攪拌条件で操作することにより、凝集・融着をさせることなく、目的のエポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得ることができる。
上述したエポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液の製造方法により得られた分散液から、エポキシ樹脂硬化物微粒子を分離することにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子を得ることができる。エポキシ樹脂硬化物微粒子を分離する方法は、特に制限されるものではなく、遠心分離法、濾過分離法、スプレードライ、遠心沈殿等通常行われる方法を用いることができる。
本発明では、その他の添加物を含むことができる。最も代表的な添加剤は、光酸化防止剤類と紫外線吸収剤類である。これらは、上記混合物が懸濁、又は乳化される前に加えられるのが普通である。またシリカゾルやアルミナゾルなどの超微細な粒子を混合あるいは吸着させて、粒子のブロッキング防止や帯電防止を行なうこともできる。
このように本発明の方法で作製された微粒子は、色調面での耐光性及び耐熱性に優れているため、従来のエポキシ樹脂硬化物微粒子よりも紫外もしくは近紫外領域の光に曝露される環境下での利用に有利であり、さらにエポキシ樹脂硬化物微粒子が本来有する高い硬度、耐熱性及び耐薬品性及び高い真球度を兼ね備えていることから、各種スペーサーとして特に好適である。
また、化粧品の改質剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への機械特性改良剤などが挙げられる。さらに熱可塑性樹脂の機械物性向上が期待できることから、樹脂成形体、フィルム、繊維などの機械特性改良材として期待できる。
上記の樹脂成形体、フィルム、繊維などの具体的用途としては、例えば、電気機器のハウジング、OA機器のハウジング、各種カバー、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジ良いント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター及び点火装置ケースなどが挙げられる。また、透明性、耐熱性に優れている点から、映像機器関連部品として、カメラ、VTR、プロジェクションTVなどの撮影用レンズ、ファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなど、光記録・光通信関連部品として各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LDなど)基板、各種ディスク基板保護フィルム、光ディスクプレイヤーピックアップレンズ、光ファイバー、光スイッチ、光コネクターなど、情報機器関連部品として、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、ピックアップレンズ、タッチパネル用導光フィルム、カバーなど、自動車などの輸送機器関連部品として、テールランプレンズ、ヘッドランプレンズ、インナーレンズ、アンバーキャップ、リフレクター、エクステンション、サイドミラー、ルームミラー、サイドバイザー、計器針、計器カバー、窓ガラスに代表されるグレージングなど、医療機器関連部品として、眼鏡レンズ、眼鏡フレーム、コンタクトレンズ、内視鏡、分析用光学セルなど、建材関連部品として、採光窓、道路透光板、照明カバー、看板、透光性遮音壁、バスタブ用材料などにも適用することができ、これら各種の用途にとって極めて有用である。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)平均粒子径及び真球度の測定方法
エポキシ樹脂硬化物微粒子の平均粒子径は、該微粒子のスラリーをイオン交換水中0.1%にて調整後、超音波処理したものを測定用試料とし、レーザー回折式粒度分布計(SALD―2100:株式会社島津製作所製)を用いて測定した。なお、平均粒子径とは、体積平均粒子径を元にした粒子径分布における平均値を意味するものである。
尚、真球度とは、走査型電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡JSM−6301NF:日本電子株式会社製)にて、粒子を観察し、短径と長径を測長し、前述の数式(式4)に従い、算出したものである。
(2)色彩計測定
乾燥粒子を粉体測定用セルの9分目まで充填し、分光式色彩計(SE−2000:日本電色工業株式会社製)を用いてaの数値及びbの数値を測定した。
(3)耐光性評価
乾燥粒子10gをガラス製シャーレに入れ、蓋をした。そのシャーレを耐候性試験機(メタリングウェザーメーターM6T:スガ試験機器株式会社製)にセットし、波長300−400nmの紫外線照度が155mW/cm、室温、湿度50%の条件で24時間紫外線照射を行った。紫外線照射後に着色したサンプル表面のみを採取し、上記(2)色彩計測定に従い、a及びbの値を測定し、|a|≦5、|b|≦20を満たすものを○、|a|≦5、|b|≦20を満たさないものを×とした。
(4)耐熱性評価
示差走査熱量測定法(DSC法)により測定されたエポキシ樹脂硬化物微粒子のガラス転移温度(Tg)が、60℃以上のものを○、60℃未満のものを×とした。
ここでいうTgとは、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下、30℃から、予測されるTgよりも30℃高い温度以上まで、20℃/分の速度で昇温し、1分間保持した後、40℃/分の速度で30℃まで一旦冷却し、1分間保持した後、再度20℃/分の昇温速度で測定した際に観察されるTgを指す。
(5)総合評価
耐光性及び耐熱性評価の結果、両者を満足するものを○、それ以外のものを×とした。
実施例1
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン微粒子の製造方法(1)>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)0.9質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、3質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と57質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、1,3−BAC)17質量部を83質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は51μm、真球度は98、a=−0.61、b=1.84、Tg=84℃であった。得られたエポキシ樹脂硬化物の微粒子を走査型電子顕微鏡で観察した写真を図1に示した。
実施例2
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン微粒子の製造方法(2)>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)1.5質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、3質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と57質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、1,3−BAC)17質量部を83質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は20μm、真球度は98、a=−0.57、b=1.78、Tg=85℃であった。
実施例3
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン微粒子の製造方法(3)>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)16質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、硬化剤(B)として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、1,3−BAC)17質量部を83質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を20000Gで10分間遠心分離を行い、上澄みを除去し、固形分を得た。固形分を真空乾燥し、得られた微粒子の平均粒子径は0.21μm、真球度は99、a=−0.33、b=1.38、Tg=88℃であった。
実施例4
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン微粒子の製造方法(4)>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学株式会社製“jER”(登録商標) YX8000)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−167)10質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、硬化剤(B)として1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、1,3−BAC)17質量部を83質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を20000Gで10分間遠心分離を行い、上澄みを除去し、固形分を得た。固形分を真空乾燥し、得られた微粒子の平均粒子径は0.52μm、真球度は99、a=−0.45、b=1.71、Tg=87℃であった。
実施例5
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)0.9質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、3質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と57質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)として1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(東京化成工業株式会社製)17質量部を83質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は58μm、真球度は97、a=−0.66、b=1.44、Tg=90℃であった。
実施例6
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/4,4’−メチレンビス(シクロへキシルアミン)微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部、硬化剤(B)として4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(新日本理化株式会社製;“ワンダミン”(登録商標)HM)30質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)5質量部を加え、30℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで120分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として200質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、1質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と81質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた後、80℃に加熱し、そのままの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は5μm、真球度は98、a=−0.38、b=1.02、Tg=95℃であった。
実施例7
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部、硬化剤(B)として4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)(エアープロダクツ ジャパン株式会社製;“アンカミン”(登録商標)2049)30質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)1質量部を加え、30℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで120分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として200質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、1質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と81質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた後、80℃に加熱し、そのままの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は32μm、真球度は96、a=−0.49、b=1.63、Tg=96℃であった。
実施例8
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/ピペラジン微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)0.9質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、5質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と75質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)としてピペラジン6水和物(東京化成工業株式会社製、特級)30質量部を70質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、3.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で24時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は45μm、真球度は88、a=−1.18、b=6.77、Tg=61℃であった。
実施例9〜16
上記実施例1〜8で製造したエポキシ樹脂硬化物微粒子を用い、耐光性、耐熱性評価及び総合評価を行った。結果を、表1に示す。
実施例17
上記実施例1で製造したエポキシ樹脂硬化物微粒子を、空気下、100℃で100時間加熱した後、粒子のa値及びb値を測定したところ、a=−1.09、b=4.25であった。
比較例1
<ビスフェノールAジグリシジルエーテル/ピペラジン微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、非脂環式エポキシ樹脂(A)としてビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学製株式会社製“jER”(登録商標)828)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)0.8質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、5質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と75質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)としてピペラジン6水和物(東京化成工業株式会社製、特級)30質量部を70質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、3.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で24時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は65μm、真球度は97、a=−0.81、b=5.19、Tg=95℃であった。
比較例2
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/エチレンジアミン微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)0.9質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、3質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と57質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)としてエチレンジアミン(東京化成工業株式会社製)15質量部を85質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は41μm、真球度は94、a=−0.78、b=1.66、Tg=56℃であった。
比較例3
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/ジエチレントリアミン微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)0.9質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、3質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と57質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)としてジエチレントリアミン(東京化成工業株式会社製)15質量部を85質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は38μm、真球度は96、a=−0.98、b=1.86、Tg=53℃であった。
比較例4
<水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル/トリエチレンテトラミン微粒子の製造方法>
300mLのセパラブルフラスコに、脂環式エポキシ樹脂(A)として水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製“デナコールEX”(登録商標)EX−252)100質量部及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル(第一工業製薬株式会社製、“ノイゲン”(登録商標)EA−177)0.9質量部を加え、40℃に加熱し、4枚傾斜パドル翼1個を用いて333rpmで20分間撹拌した。333rpmで撹拌しながら、分散媒として80質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下し、W/O型のエマルションの形成を経て、O/W型のエマルションを作製した。その後、3質量部のカルボキシメチルセルロース(シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社製、低粘度品)と57質量部のイオン交換水から構成される水溶液を加え、333rpmのまま10分間撹拌を続けた。引き続き、硬化剤(B)としてトリエチレンテトラミン(東京化成工業株式会社製)15質量部を85質量部のイオン交換水に溶解させた硬化剤水溶液を、送液ポンプを経由して、2.5質量部/分のスピードで滴下した後、40℃、333rpmの撹拌速度で15時間硬化反応を行うことにより、エポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液を得た。その分散液を濾過し、真空乾燥した。得られた微粒子の平均粒子径は53μm、真球度は95、a=−0.96、b=1.55、Tg=52℃であった。
比較例5〜8
上記、比較例1〜4で製造したエポキシ樹脂硬化物微粒子を用い、耐光性、耐熱性評価及び総合評価を行った。結果を、表1に示す。
比較例9
上記比較例1で製造したエポキシ樹脂硬化物微粒子を、空気下、100℃で100時間加熱した後、粒子のa値及びb値を測定したところ、a=−1.41、b=12.63であった。
Figure 2013010846

Claims (11)

  1. 脂環式エポキシ樹脂(A)を脂環式アミン系硬化剤(B)で硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物の微粒子であり、ガラス転移温度Tgが60℃以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物微粒子。
  2. 脂環式アミン系硬化剤(B)が分子内にシクロヘキサン骨格を有する脂環式アミン化合物であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子。
  3. 脂環式アミン系硬化剤(B)が下記一般式(1)または(2)のいずれかで表される脂環式アミン化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ硬化物微粒子。
    Figure 2013010846
    Figure 2013010846
    (式中、R及びRはそれぞれ独立にアミノ基又は炭素原子数1〜4のアミノアルキル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖又は非直鎖のアルキル基であり、Rは炭素原子数1〜4の直鎖又は非直鎖のアルキル基である。)
  4. 脂環式アミン系硬化剤(B)が1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルアミン)及び4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロへキシルアミン)からなる群からえらばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子。
  5. 脂環式エポキシ樹脂(A)が水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子。
  6. 平均粒子径が、0.1〜500μmであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子。
  7. 真球度が、80以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子。
  8. 色調をL表色系(CIE 1976)で評価した時にa値が絶対値で5以下、b値が絶対値で20以下であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子。
  9. 請求項1〜8いずれか記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子を分散媒に分散させたエポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液。
  10. 請求項9記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子分散液の製造方法であって、脂環式エポキシ樹脂(A)が滴状に分散したエマルションに脂環式アミン系硬化剤(B)を加えて、(A)を粒子状に硬化させることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物微粒子分散液の製造方法。
  11. 請求項10記載のエポキシ樹脂硬化物微粒子分散液の製造方法により得られたエポキシ樹脂硬化物微粒子の分散液から、エポキシ樹脂硬化物微粒子を分離することを特徴とするエポキシ樹脂硬化物微粒子の製造方法。
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