JP2013007586A - 表面粗さ測定装置、及び、その測定待ち時間設定方法、並びに、測定待ち時間設定プログラム - Google Patents

表面粗さ測定装置、及び、その測定待ち時間設定方法、並びに、測定待ち時間設定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】測定開始時間を短縮化するとともに、測定範囲が狭い部位も測定可能とする表面粗さ測定装置を提供する。
【解決手段】まず、ピックアップ16で所定の試験片80を走査し変位の測定データを取得する。測定はピックアップ16の移動開始直後から実施する。次に測定により得られた変位の測定データを解析し、測定値が安定し始める点を測定値安定開始点として検出する。次に、ピックアップ16が測定値安定開始点に到達するまでに要する移動時間を求める。そして、求めた移動時間を測定待ち時間に設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、表面粗さ測定装置において、測定待ち時間を最適化する技術に関する。
被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定装置は、ピックアップの先端に備えられた触針で被測定物の表面を走査し、その変位を測定することにより、被測定物の表面粗さを測定する(たとえば、特許文献1、2等)。
ところで、触針による走査は、ピックアップを駆動手段によって移動させることにより行われる。
ピックアップの駆動手段は、一般にモータを駆動源とし、このモータの回転を直進運動に変換して、ピックアップを往復移動させている。そして、この運動方向の変換や動力の伝達は、一般にギアや送りネジを用いて行われる。
しかし、ピックアップの駆動にギアや送りネジを用いると、バックラッシュの存在により、走査初期の測定値が安定しないという問題がある。また、モータも立ち上がりは速度が不安定なため、走査初期は測定が不安定になりやすいという問題がある。
このため、実際の測定では、一定の待ち時間(測定待ち時間)を設定し、走査開始から待ち時間経過後に測定を開始することとしている。すなわち、一定の距離空送した後に測定(変位データの取り込み)を開始することとしている。
また、別の方法として、装置にスケールを組み込み、スケールで示された間隔で測定を行う構成としている(いわゆるスケールサンプリング)。
特開平10−104025号公報 特開平10−104027号公報
従来、測定待ち時間は、信頼性の高い測定を確実に実施できるようにするため、大幅にマージンをとって設定していた。この結果、空送距離が無駄に大きくなるという問題があった。このような空送距離は、測定範囲が広い場合は、あまり問題とならないが、微小範囲を測定する場合のように、測定範囲が狭い場合には、有効な測定ができなくなるという問題がある。
装置にスケールを組み込むことにより、バックラッシュ等の問題は解消できるが、装置にスケールを組み込むと、装置が複雑かつ大型化するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、測定開始時間を短縮化できるとともに、測定範囲が狭い部位も測定可能な表面粗さ測定装置、及び、その測定待ち時間設定方法、並びに、測定待ち時間設定プログラムを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段は、次のとおりである。
[1]表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法の第1の態様は、ピックアップに備えられた触針を被測定物に当接させて、前記ピックアップを駆動手段によって所定の測定方向に所定の移動速度で移動させる一方、前記ピックアップの移動開始から所定の測定待ち時間経過後、測定手段によって前記触針の変位を所定の測定周期で測定し、前記被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法において、前記触針を所定の試験片に当接させて、前記ピックアップを前記測定方向に前記移動速度で移動させる一方、前記ピックアップの移動開始から前記触針の変位を前記測定周期で測定するステップと、前記変位の測定結果を解析し、測定値が安定し始める点を測定値安定開始点として検出するステップと、前記ピックアップの移動開始から前記測定値安定開始点に到達するまでに要する前記ピックアップの移動時間を算出するステップと、算出された前記移動時間を前記測定待ち時間に設定するステップと、を含むことを特徴とする。
本態様によれば、測定待ち時間の設定は、次のように行われる。まず、ピックアップに備えられた触針を所定の試験片に当接させて、所定の測定方向(実際の測定時のピックアップの移動方向と同じ方向)に所定の移動速度(実際の測定時のピックアップの移動速度と同じ速度)で移動させる。そして、そのピックアップの移動開始直後から触針の変位を所定の測定周期(実際の測定時の測定周期と周期)で測定する。次に、測定により得られた変位の測定結果(測定データ)を解析し、測定値が安定し始める点を検出する。そして、その点を測定値安定開始点とする。次に、ピックアップの移動開始直後から測定値安定開始点に到達するまでに要するピックアップの移動時間を算出する。この時間は変位の測定周期から算出する。そして、算出された移動時間を測定待ち時間に設定する。このようにして測定待ち時間を設定することにより、測定待ち時間を最適化することができ、迅速に測定を開始することができる。また、空送距離も最短にすることができ、測定範囲が狭い場合にも有効に測定することができる。なお、ピックアップの移動速度(走査速度)を複数選択できる場合には、選択可能な移動速度ごとに測定待ち時間の設定を行う。これにより、いかなる移動速度を選択した場合であっても、最短の測定待ち時間で測定を行うことができる。
[2]表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法の第2の態様は、上記第1の態様の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法において、前記ピックアップを前記測定方向に移動させる前に前記ピックアップを前記測定方向と逆方向に所定量移動させるステップを更に含むことを特徴とする。
本態様によれば、触針で試験片を走査して、変位を測定する際、まず、ピックアップを測定方向とは逆方向に所定量移動させ、その後、測定方向に移動させて、変位の測定を実施する。これにより、たとえば、ピックアップをギア等で駆動する場合であっても、より適切に測定待ち時間を設定することができる。すなわち、このようにして測定を開始することにより、バックラッシュを最大の状態にして測定を開始することができ、より適切に測定待ち時間を設定することができる。
[3]表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法の第3の態様は、上記第1又は2の態様の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法において、前記試験片には、表面に所定の凹凸が一定ピッチで繰り返し形成され、前記測定値安定開始点を検出するステップでは、前記試験片の凹凸に対応して現れる前記測定値の極値点を検出し、隣り合う極値点の間の距離を算出し、算出された距離が、あらかじめ設定された基準を満たす最初の極値点を検出し、該極値点を測定値安定開始点とすることを特徴とする。
本態様によれば、測定値安定開始点の検出は、次のように行われる。まず、前提として、表面に所定の凹凸が一定ピッチで繰り返し形成された試験片を用いて変位の測定が行われる。次いで、その測定によって得られるデータから試験片の凹凸に対応して現れる測定値の極値点を検出する。次に、検出された極値点に対して、隣り合う極値点同士の間の距離を算出する。次に、算出された距離が、あらかじめ設定された基準を満たす最初の極値点を検出する。そして、検出された極値点を測定値安定開始点とする。すなわち、凹凸の間隔が、正確に検出されるようになれば、駆動が安定したとみなせるので、凹凸の間隔に対応して検出される極値点の間の距離が一定の基準を満たした最初の極値点を検出し、これを測定安定開始点としている。判定の基準は、たとえば、試験片に形成する隣り合う凹凸の間隔(ピークとピークの間の距離)の±5%程度である。
[4]表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法の第4の態様は、上記第3の態様の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法において、前記試験片には、表面に前記凹凸として所定の波形を有するサイン波面が形成されることを特徴とする。
本態様によれば、試験片には、表面に凹凸として所定の波形を有するサイン波面が形成される。これにより、正確な試験片を簡単に用意でき、また、測定も簡単に行うことができる。試験片に形成する凹凸は、この他、たとえば、三角形状、矩形状とすることもできる。
[5]表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法の第5の態様は、上記第1から4のいずれか1の態様の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法において、前記ピックアップの移動速度を複数選択できる場合において、基準となる一の移動速度で前記ピックアップを移動させて、前記測定を実施し、前記測定値安定開始点を検出して、前記移動時間を算出し、前記一の移動速度で測定する場合の前記測定待ち時間を求め、他の移動速度で測定する場合の前記測定待ち時間については、あらかじめ移動速度ごとに設定された係数を前記一の移動速度で求めた前記移動時間に乗じて、移動速度ごとに移動時間を求め、各移動速度で測定する場合の前記測定待ち時間に設定することを特徴とする。
本態様は、ピックアップの移動速度(走査速度)を複数選択できる場合の特別の処理である。まず、基準となる一の移動速度でピックアップを移動させて、測定を実施し、測定待ち時間を求める。求めた測定待ち時間は、一の移動速度で走査する場合にのみ適用できる。他の移動速度で走査する場合についても、同様に測定を実施して、測定待ち時間を設定することができるが、個別に実施すると時間がかかる。そこで、他の移動速度で測定する場合の測定待ち時間については、あらかじめ移動速度ごとに設定された係数を上記一の移動速度で求めた移動時間に乗じて、測定待ち時間を設定する。これにより、ピックアップの移動速度を複数選択できる場合であっても、簡単に移動速度ごとに測定待ち時間を設定することができる。なお、係数については、たとえば、多数のデータを取得して、移動速度ごとの測定待ち時間の関係性を求めて設定する。
[6]表面粗さ測定装置の第1の態様は、ピックアップに備えられた触針を被測定物に当接させて、駆動手段によって前記ピックアップを所定の測定方向に所定の移動速度で移動させる一方、前記ピックアップの移動開始から所定の測定待ち時間経過後、測定手段によって前記触針の変位を所定の測定周期で測定し、前記被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定装置において、前記測定待ち時間の設定を指示する指示手段と、前記指示手段の指示に応じて、前記駆動手段を制御し、前記触針を所定の試験片に当接させて、前記測定方向に前記移動速度で移動させる一方、前記測定手段を制御し、前記ピックアップの移動開始から前記触針の変位を前記測定周期で測定させる制御手段と、前記指示手段の指示に応じて行われた前記変位の測定結果を解析し、該測定値が安定し始める点を測定値安定開始点として検出する測定値安定開始点検出手段と、前記ピックアップの移動開始から前記測定値安定開始点に到達するまでに要する前記ピックアップの移動時間を算出する移動時間算出手段と、算出された前記移動時間を前記測定待ち時間に設定してメモリに記録する記録手段と、を備えたことを特徴とする。
本態様によれば、測定待ち時間の設定は、次のように行われる。まず、ピックアップに備えられた触針を所定の試験片に当接させて、所定の測定方向(実際の測定時のピックアップの移動方向と同じ方向)に所定の移動速度(実際の測定時のピックアップの移動速度と同じ速度)で移動させる。そして、そのピックアップの移動開始直後から触針の変位を所定の測定周期(実際の測定時の測定周期と同じ周期)で測定する。次に、測定により得られた変位の測定結果(測定データ)を解析し、測定値が安定し始める点を検出する。そして、その点を測定値安定開始点とする。次に、ピックアップの移動開始直後から測定値安定開始点に到達するまでに要するピックアップの移動時間を算出する。この時間は変位の測定周期から算出する。そして、算出された移動時間を測定待ち時間に設定し、メモリに記録する。実際の測定時は、このメモリに記録された測定待ち時間の情報を読み出して、測定を実施する。すなわち、ピックアップの移動開始後、読み出した測定待ち時間の経過を待って測定を開始する。以上のようにして測定待ち時間を設定することにより、測定待ち時間を最適化することができ、迅速に測定を開始することができるようになる。また、空送距離も最短にすることができ、測定範囲が狭い場合にも有効に測定することができるようになる。なお、ピックアップの移動速度(走査速度)を複数選択できる場合には、選択可能な移動速度ごとに測定待ち時間の設定を行い、個別にメモリに記録する(移動速度ごとに測定待ち時間を関連づけて記録する。)。これにより、いかなる移動速度を選択した場合であっても、最短の測定待ち時間で測定を行うことができるようになる。
[7]表面粗さ測定装置の第2の態様は、上記第1の態様の表面粗さ測定装置において、前記制御手段は、前記ピックアップを前記測定方向に移動させる前に前記ピックアップを前記測定方向と逆方向に所定量移動させることを特徴とする。
本態様によれば、触針で試験片を走査して、変位を測定する際、まず、ピックアップを測定方向とは逆方向に所定量移動させ、その後、測定方向に移動させて、変位の測定を実施する。これにより、たとえば、ピックアップをギア等で駆動する場合であっても、より適切に測定待ち時間を設定することができる。すなわち、このようにして測定を開始することにより、バックラッシュを最大の状態にして測定を開始することができ、より適切に測定待ち時間を設定することができる。
[8]表面粗さ測定装置の第3の態様は、上記第1又は2の態様の表面粗さ測定装置において、前記試験片には、表面に所定の凹凸が一定ピッチで繰り返し形成され、前記測定値安定開始点検出手段は、前記試験片の凹凸に対応して現れる前記測定値の極値点を検出し、隣り合う極値点の間の距離を算出し、算出された距離が、あらかじめ設定された基準を満たす最初の極値点を検出し、該極値点を測定値安定開始点とすることを特徴とする。
本態様によれば、測定値安定開始点の検出は、次のように行われる。まず、前提として、表面に所定の凹凸が一定ピッチで繰り返し形成された試験片を用いて変位の測定が行われる。次いで、その測定によって得られるデータから試験片の凹凸に対応して現れる測定値の極値点を検出する。次に、検出された極値点に対して、隣り合う極値点同士の間の距離を算出する。次に、算出された距離が、あらかじめ設定された基準を満たす最初の極値点を検出する。そして、検出された極値点を測定値安定開始点とする。すなわち、凹凸の間隔が、正確に検出されるようになれば、駆動が安定したとみなせるので、凹凸の間隔に対応して検出される極値点の間の距離が一定の基準を満たした最初の極値点を検出し、これを測定安定開始点としている。判定の基準は、たとえば、試験片に形成する隣り合う凹凸の間隔(ピークとピークの間の距離)の±5%程度である。
[9]表面粗さ測定装置の第4の態様は、上記第3の態様の表面粗さ測定装置において、前記試験片には、表面に前記凹凸として所定の波形を有するサイン波面が形成されることを特徴とする。
本態様によれば、試験片には、表面に凹凸として所定の波形を有するサイン波面が形成される。これにより、正確な試験片を簡単に用意でき、また、測定も簡単に行うことができる。試験片に形成する凹凸は、この他、たとえば、三角形状、矩形状とすることもできる。
[10]表面粗さ測定装置の第5の態様は、上記第1から4のいずれか一の態様の表面粗さ測定装置において、前記ピックアップの移動速度を複数選択できる場合において、あらかじめ移動速度ごとに設定された係数を前記移動速度算出手段で算出された移動時間に乗じて、移動速度ごとの移動時間を算出する第2の移動時間算出手段を更に備え、前記記録手段は、算出された前記移動速度ごとの前記移動時間を前記移動速度ごとの前記測定待ち時間に設定して前記メモリに記録することを特徴とする。
本態様は、ピックアップの移動速度(走査速度)が複数選択できる場合において、一回の測定で全ての移動速度ごとの測定待ち時間を設定できるようにしたものである。基準となる一の移動速度で測定待ち時間を設定し、他の移動速度の測定待ち時間については、その基準となる一の移動速度で求めた移動時間に所定の係数を乗じて求めるように構成する。短時間で移動速度ごとの測定待ち時間を設定することができる。なお、係数については、たとえば、多数のデータを取得して、移動速度ごとの測定待ち時間の関係性を求めて設定する。
[11]表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定プログラムの態様は、上記1から5のいずれか1の態様の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法をコンピュータに実現させることを特徴とする。
本態様によれば、上記1から5のいずれか1の態様の測定待ち時間設定方法をコンピュータに実現させることができる。
本発明によれば、測定開始時間を短縮化できるとともに、測定範囲が狭い部位も測定することが可能になる。
表面粗さ測定装置の全体構成を示す正面図 表面粗さ測定装置の全体構成を示す斜視図 測定部の構成を示す斜視図 データ処理部の電気的構成を示すブロック図 被測定物測定中の状態を示す斜視図 試験片測定中の状態を示す斜視図 試験片の測定データの一例を示すグラフ 試験片に形成される凹凸の他の一例を示す拡大図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1、図2は、それぞれ本発明が適用された表面粗さ測定装置の全体構成を示す正面図と斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態の表面粗さ測定装置10は、主として、測定部12とデータ処理部14とで構成される。
測定部12は、被測定物の表面粗さを測定するピックアップ16と、このピックアップ16を移動させるための駆動装置18とで構成される。
ピックアップ16は、図3に示すように、円柱状に形成される。ピックアップ16の先端には、触針16Aが備えられる。ピックアップ16は、この触針16Aの変位量を内蔵する差動インダクタンス(不図示)で検出し、電気信号として出力する。
駆動装置18は、図3に示すように、四角い筒状のハウジング20を備える。ハウジング20の先端には、ピックアップ16の外周形状に対応した形状のピックアップ装着穴22が形成される。ピックアップ16は、後端部をピックアップ装着穴に挿入して、駆動装置18に装着する。
ここで、ピックアップ16の後端部には、図示しない接続部(ピン)が備えられている。ピックアップ16の後端部をハウジング20の長手方向に沿ってピックアップ装着穴22に挿入すると、この接続部がハウジング20に内蔵されたピックアップ接続部(不図示)に接続される。これにより、ピックアップ16が駆動装置18に装着されるとともに、電気的に接続される。なお、ピックアップ16は、駆動装置18のハウジング20と平行に装着される。
駆動装置18のハウジング20には、ピックアップ接続部を移動させるための駆動機構(不図示)が備えられる。駆動機構は、駆動源としてのモータ(不図示)と、そのモータの回転を直進運動に変換して、ピックアップ接続部に伝達する動力伝達機構(不図示)とで構成される。動力伝達機構は、たとえば、ギア列と送りネジ機構とで構成される。
駆動機構を駆動すると、ピックアップ接続部がハウジング20の軸方向(長手方向)に沿って往復移動する。この結果、ピックアップ接続部に接続されたピックアップ16が軸方向に往復移動する。
なお、ピックアップ16は、所定の可動範囲で往復移動可能に設けられる。すなわち、所定の「原点位置」と所定の「終端位置」の間で往復移動する。
駆動装置18のハウジング20の後端には、データ処理部14と電気的に接続するためのコネクタ24が形成される。駆動装置18は、このコネクタ24に接続ケーブル26を接続して、データ処理部14と電気的に接続される。
また、ハウジング20の先端部外周には、左右一対の調整台取付溝28Aが形成される。調整台取付溝28Aは、所定の溝幅をもって形成され、ハウジング20の長手方向と直交して形成される。
同様に、ハウジング20の後端部外周には、左右一対の調整台取付溝28Bが形成される。調整台取付溝28Bは、所定の溝幅をもって形成され、ハウジング20の長手方向と直交して形成される。
この調整台取付溝28A、28Bには、図5に示すように、必要に応じて調整台70が取り付けられる。
調整台70は、一対のレール部72を備え、このレール部72を調整台取付溝28A、28Bに嵌合させることにより、駆動装置18のハウジング20に取り付けられる。一対のレール部72は、互いに対向して配置され、その上端部において連結部74で連結される。この調整台70は、水平面上に設置した際、レール部72が垂直な状態で自立するように形成される。
駆動装置18のハウジング20に取り付けられた調整台70は、調整台取付溝28A、28Bとレール部72との間の摩擦力でハウジング20を保持する。ハウジング20の前後に調整台70を取り付け、レール部72に沿ってスライドさせることにより、駆動装置18の高さ及び傾きを調整することができる。
データ処理部14は、扁平な四角い箱状のデータ処理部本体30を備える。データ処理部本体30は、上部にコネクタ32を備え、このコネクタ32に接続ケーブル26を接続して、駆動装置18と電気的に接続される。
データ処理部本体30の正面部には、各種情報を表示するためのディスプレイ34や、各種操作を行うための操作パネル36等が備えられる。
また、データ処理部本体30の一方の側面には、電源スイッチ38やコネクタ部40が備えられる。
コネクタ部40には、外部機器(たとえば、パソコンなど)と接続するための通信コネクタ40Aと、外部記憶媒体(ストレージ、たとえば、メモリカードやUSBメモリ)と接続するためのメモリコネクタ40Bとが備えられる。
データ処理部14は、通信コネクタ40Aを利用して、外部機器とケーブル(不図示)で接続することにより、たとえば、外部機器に測定データを送信することができる。また、外部機器から所要のデータを受信することができる。この通信コネクタ40Aは、たとえば、USBコネクタで構成することができ、USB規格に従った通信が行われる。通信コネクタ40Aは、この他、IEEEコネクタなどで構成することもできる。
なお、本例では、有線による通信形式を採用しているが、無線通信手段を内蔵して、無線で外部機器と通信する構成とすることもできる。
また、データ処理部14は、メモリコネクタ40Bに外部記憶媒体を接続することにより、たとえば、測定したデータをその外部記憶媒体に記録することができる。メモリコネクタ40Bは、たとえば、USBコネクタで構成することができ、USBメモリを外部記憶媒体として使用することができる。
なお、本例では、メモリコネクタ40Bは、USBコネクタで構成され、USBメモリが外部記憶媒体として使用される。メモリコネクタ40Bは、この他、たとえば、各種メモリカードのスロットで構成することもできる。
更に、データ処理部本体30の上面部には、測定結果をプリントした用紙が排紙される排紙口42が備えられる。
図4は、データ処理部の電気的構成を示すブロック図である。
同図に示すように、データ処理部14は、マイコン50、駆動装置制御回路52、信号変換回路54、表示制御回路56、ディスプレイ34、操作パネル36、通信制御回路58A、USBコントローラ58B、プリント制御回路60、プリンタ62、メモリコントローラ64、EEPROM66等を備えて構成される。
マイコン50は、表面粗さ測定装置10の全体を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種演算処理を実行する演算処理手段として機能する。マイコン50は、CPU、RAM、ROM等を備え、ROMに格納された制御プログラムをRAMに展開し、CPUで逐次実行することにより、所定の処理を実行する。ROMには、制御プログラムの他、その制御に必要な各種データが格納される。
駆動装置制御回路52は、マイコン50からの指令に応じて、駆動装置18の駆動を制御する。すなわち、駆動装置18に内蔵された駆動機構(モータ)に駆動信号を出力する。駆動装置18の駆動機構は、この駆動装置制御回路52から出力される駆動信号に従って動作し、ピックアップ16を移動させる。
信号変換回路54は、A/D変換器を含み、ピックアップ16から出力される電気信号をデジタルの電気信号に変換して、マイコン50に出力する。マイコン50は、所定の制御プログラムに従って入力された信号を処理し、粗さの検出処理等を実行する。
表示制御回路56は、マイコン50からの指令に応じて、ディスプレイ34への表示を制御する。
操作パネル36は、入力された操作情報をマイコン50に出力する。マイコン50は、この操作パネル36から入力される操作情報に基づいて各種処理を実行する。
通信制御回路58Aは、マイコン50からの指令に応じて、通信コネクタ40Aを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
USBコントローラ58Bは、マイコン50からの指令に応じて、メモリコネクタ40Bを介して接続された外部機器(本例ではUSBメモリ)に対してデータの読み書きを行う。
プリント制御回路60は、マイコン50からの指令に応じて、データ処理部本体30に内蔵されたプリンタ62の駆動を制御し、プリント処理を実行する。上述したように、プリンタ62でプリントされた用紙は、データ処理部本体30の上部に備えられた排紙口42から排紙される。
メモリコントローラ64は、マイコン50からの指令に応じて、EEPROM66にデータを読み書きする。EEPROM66には、たとえば、ユーザが設定した各種設定情報等が格納される。なお、本例ではEEPROMを使用しているが、ここで使用するメモリは、いわゆる不揮発性メモリであれば、その構成は特に限定されない。
本実施の形態の表面粗さ測定装置10は、以上のように構成される。
[測定方法]
次に、本実施の形態の表面粗さ測定装置10を用いた表面粗さの測定方法について概説する。
まず、測定条件の設定を行う。たとえば、評価長さや測定速度(ピックアップの移動速度)等の設定を行う。この設定は、データ処理部14の操作パネル36を利用して行う。設定された情報は、ディスプレイ34に表示される。
次に、ピックアップ16のセッティングを行う。すなわち、ピックアップ16の先端に備えられた触針16Aを被測定物の表面に当接させる。この際、図5に示すように、必要に応じて駆動装置18に調整台70を取り付け、ピックアップ16の傾きや高さ調整を行う。
次に、データ処理部14の操作パネル36を介して測定の実行を指示する。
測定の実行が指示されると、マイコン50は、駆動装置制御回路52を介して駆動装置18の駆動を制御し、ピックアップ16を一定の移動速度で一方向(ここではピックアップ16が駆動装置18のハウジング20側に退避する方向)に一定距離移動させる。その一方でピックアップ16から触針16Aの変位データを取得する。
触針16Aの変位データは、アナログの電気信号としてデータ処理部14に取り込まれる。データ処理部14は、ピックアップ16から取り込んだ電気信号を信号変換回路54において一定のサンプリング周期(測定周期)でデジタルの電気信号に変換する。そして、このデジタル信号を所定の制御プログラムに従ってマイコン50で信号処理することにより、表面粗さの測定を行う。
測定結果は、ディスプレイ34に出力される。この測定結果は、数値データとして出力されるとともに、必要に応じてグラフ表示される。
[測定待ち時間の設定方法]
上記のように、表面粗さの測定は、ピックアップ16を被測定物の表面に沿って移動させた時の触針の変位を検出することにより行われる。
ピックアップ16は、駆動装置18に駆動されて移動するが、駆動装置18は、バックラッシュの存在等により、駆動初期の状態が安定しない。このため、初期の測定データが不安定になる。
そこで、実際の測定では、一定の待ち時間(測定待ち時間)を設定し、駆動開始から待ち時間経過後に変位の測定データの取り込みを行うこととしている。
しかし、この測定待ち時間を適切に設定しないと、ピックアップ16の空送距離が長くなり、有効な測定ができなくなる。
そこで、本実施の形態の表面粗さ測定装置10では、以下の方法で測定待ち時間を設定することにより、測定待ち時間を適切に設定する。
測定待ち時間の設定に際して、まず、所定の試験片80を用意する。この試験片80は、図6に示すように、矩形の板状に形成され、表面に所定の測定領域82が形成される。測定領域82には、所定の凹凸が一定ピッチで繰り返し形成される。ここで、所定の波形(所定の波高、周期)を有するサイン波面が形成される。なお、凹凸は、試験片80の長手方向に沿って一定ピッチで形成され、その波高値、周期は既知である。
この試験片80を用いて、次の測定を行う。
まず、ピックアップ16のセッティングを行う。セッティングは、ピックアップ16が、試験片80の表面と平行、かつ、測定領域82に形成された波面の波に対して直交する方向に移動するように設定する。また、触針16Aが測定領域82の上を移動(走査)するように設定する。この際、図6に示すように、必要に応じて駆動装置18に調整台70を取り付け、ピックアップ16の傾きや高さ調整を行う。
次に、データ処理部14の操作パネル36を介して測定待ち時間の設定の実行を指示する。
測定待ち時間の設定の実行が指示されると、マイコン50は、所定の制御プログラムに従って測定待ち時間の設定処理を実行する。
まず、駆動装置制御回路52を介して駆動装置18の駆動を制御し、ピックアップ16を一定の移動速度で一方向(測定方向)に一定距離移動させる。その後、ピックアップ16を一定の移動速度で他方向(測定方向と逆方向)に一定距離移動させる。すなわち、一度測定方向に移動させたのち、逆方向に移動させて、元の位置(原点位置)に戻す。これにより、バックラッシュが最大の状態となる。
このように本工程は、バックラッシュを最大の状態にすることを目的とするものであるから、ピックアップ16を移動させる量は、バックラッシュを最大の状態にできる量とし、その必要最小限の値に設定することが好ましい。これにより、迅速に準備することができる。
次に、マイコン50は、駆動装置制御回路52を介して駆動装置18の駆動を制御し、ピックアップ16を一定の移動速度(測定時の移動速度)で一方向(測定方向)に一定距離移動させる。その一方でピックアップ16の移動直後から触針16Aの変位データを取得する。
触針16Aの変位データは、アナログの電気信号としてデータ処理部14に取り込まれる。データ処理部14は、ピックアップ16から取り込んだ電気信号を信号変換回路54において一定のサンプリング周期(測定周期)でデジタルの電気信号に変換する。マイコン50は、この変位のデータを所定のプログラムに従って解析処理することにより、測定待ち時間を設定する。解析は、次の手順によって行われる。
上記のように、測定は、試験片80を用いて行われている。試験片80には、所定の波形を有するサイン波面が形成されている。したがって、上記の測定を実施することにより、このサイン波面に対応したサイン波形が検出されるはずである。
図7は、試験片の測定データのグラフである。
マイコン50は、まず、試験片80の波の凹凸に対応して現れる測定値の極値点を検出する。この極値点は、波の山部と谷部で検出される。山部側の極値点をP1、P2、…とし、谷部側の極値点をV1、V2、…とする。
なお、変位の測定データから山部の極値点と谷部の極値点とを検出する方法については、公知の技術であるので、その具体的な手法については、説明を省略する。
次に、検出された山部と谷部における極値点(P1、P2、…、V1、V2、…)のうち最初に検出された極値点を測定待ち時間の設定に使用する極値点に設定する。すなわち、山部側の極値点(P1、P2、…)が最初に検出された場合は、山部側の極値点(P1、P2、…)を測定待ち時間の設定に使用する極値点に設定する。逆に、谷部側の極値点(V1、V2、…)が最初に検出された場合は、谷部側の極値点(V1、V2、…)を測定待ち時間の設定に使用する極値点に設定する。
なお、極値点の検出は、測定値の入力の時系列に沿って行われる。したがって、最初に検出された極値点とは、測定開始から最初に検出される極値点(本測定ではピックアップ16の移動開始から最初に検出される極値点)を意味する。山部側では極値点P1が最初に検出される極値点であり、谷部側では極値点V1が最初に検出される極値点である。
図7に示す例では、山部側の極値点P1が谷部側の極値点V1よりも先に検出されているので、山部側の極値点P1、P2、…が、測定待ち時間の設定に使用する極値点である。
次に、測定待ち時間の設定に使用する各極値点(ここでは、山部側の極値点)に対して、隣り合う極値点の間の距離を算出する。すなわち、P1−P2間、P2−P3間、…、P(n−1)−P(n)間の距離を算出する。
次に、算出された各極値点間の距離を評価する。この評価は、算出された各極値点間の距離と、試験片に形成されたサイン波の山部と山部との間の距離(=谷部と谷部との間の距離)Xとを比較することにより行われる。具体的には、距離Xに対する百分率を求め、基準を満たしているか否かを判定することにより行われる。基準は、たとえば、±5%である。したがって、距離Xに対して、95%〜105%の範囲内であれば、基準を満たしていると判定される。
次に、評価した結果に基づいて、基準を満たした最初の極値点を検出する。たとえば、最初に基準を満たした極値点間がP(n−1)−P(n)の場合、P(n−1)が基準を満たした最初の極値点となる。そして、この最初に基準を満たした極地点を測定値安定開始点とする。すなわち、隣り合う極値点の間の距離が正確に検出できれば、駆動が安定しているとみなせるので、最初に基準を満たした極地点を検出し、その点を測定値安定開始点としている。
次に、求めた測定安定開始点の位置と、測定値のサンプリング周期に基づいて、ピックアップ16が移動開始から測定値安定開始点に到達するまでに要した時間Sを算出する。そして、この時間S(ピックアップ16の測定開始からの移動時間)を測定待ち時間に設定する。
以上一連の工程で測定待ち時間の設定が終了する。測定待ち時間が求められると、マイコン50は、得られた測定待ち時間の情報をEEPROM66に記録する。
実際の測定時は、このEEPROM66に記録された測定待ち時間の情報を読み出して測定を実行する。すなわち、測定開始(ピックアップ16の移動開始)から測定待ち時間の経過を待って測定データの取り込みを行う。
このように、本実施の形態の表面粗さ測定装置10によれば、測定待ち時間を適切に設定することができる。これにより、空送距離を最短化することができ、微小範囲を測定する場合であっても、有効に測定することができる。また、測定待ち時間を最小にして、迅速に測定を行うことができる。
[測定速度を複数選択できる場合の測定待ち時間の設定方法]
測定速度(ピックアップ16の移動速度)を切り換えることができる場合(複数選択できる場合)には、設定可能な測定速度ごとに上記の測定待ち時間の設定操作を行う。これにより、測定速度ごとに適切に測定待ち時間を設定することができる。なお、設定された測定待ち時間の情報は、測定速度ごとにEEPROM66に記録する。そして、実際の測定時は、設定された測定速度に応じて測定待ち時間の情報を読み出して、測定を実施する。
しかし、測定速度を多数選択できるような場合において、選択可能な速度ごとに測定待ち時間の設定を行うのは手間がかかる。そこで、測定速度を複数選択できる場合は、次の方法で各測定速度に対応した測定待ち時間の設定を行うこともできる。
まず、上記手順で一の測定速度の測定待ち時間(ピックアップ16が移動開始から測定値安定開始点に到達するまでに要する時間(移動時間))を求める。測定待ち時間を求める測定速度は、基準となる測定速度であり、実際の測定時に選択可能なものを使用する。したがって、たとえば、測定速度を3段階(たとえば、A、B、C)で選択可能な場合は、そのうちの一つ(たとえば、速度A)を選択し、上記手順で測定待ち時間を求める。
次に、求めた測定待ち時間(移動時間)に所定の係数を乗算し、他の測定速度(速度B、C)について、測定待ち時間を求める。
ここで、上記係数は選択可能な測定速度ごとに用意され、選択可能な測定速度ごとに測定待ち時間が算出される。
この係数は、事前に選択可能な測定速度ごとに測定を行って、測定待ち時間を算出し、基準となる測定速度の測定待ち時間との関係性を求めることにより設定される。したがって、高精度に設定するためには、多数の測定データから、その関係性を求めることが好ましい。なお、データの統計的手法については、公知の技術を用いることができる。
このように、複数の測定速度を選択可能な場合は、基準となる一の測定速度についてのみ試験片での測定を行って測定待ち時間を設定し、他の測定速度については、あらかじめ用意した係数を乗じて求めるようにすることもできる。
これにより、複数の測定速度を選択可能な場合であっても、簡便に測定待ち時間の設定を行うことができる。
なお、求めた測定速度ごとの測定待ち時間は、上記同様に測定速度ごとにEEPROM66に格納する。
なお、上記の例では、実際の測定で選択可能な測定速度の一つを基準の測定速度として用いているが、基準とする測定速度は、必ずしも実際の測定速度で選択可能な速度である必要はない。すなわち、この基準となる測定速度で求められる測定待ち時間との間で係数が求められていれば、基準となる測定速度は、必ずしも実際の測定で選択可能な測定速度である必要はない。
また、実際の測定において、測定速度が無段階で調整可能な場合は、関数により測定待ち時間を求める構成とすることもできる。
[その他の実施の形態]
表面粗さ測定装置では、ピックアップと駆動装置とを種々組み合わせられるようにしているものがある。すなわち、複数種類のピックアップと、複数種類の駆動装置とを用意し、それぞれ用途に応じて組み合わせて使用できるようにしているものがある。この場合は、駆動装置ごとに測定待ち時間を設定する(測定速度を更に選択できる場合は、更に測定速度ごとに測定待ち時間を設定する。)。設定した駆動装置ごとの測定待ち時間は、データ処理部のEEPROMに格納しておき、逐次読み出して使用する。この場合、接続された駆動装置の種類を自動的に検出し、対応する測定待ち時間を自動的に読み出して設定することが好ましい。
また、上記の実施の形態では、試験片80を測定するに際して、まず、ピックアップを測定方向に一定距離移動させたのち、逆方向に移動させて原点位置に復帰させる構成としているが、この処理はバックラッシュを最大にすることを目的とするので、ピックアップ16にて測定する段階で既にバックラッシュが最大の状態になっていれば、この処理は不要である。すなわち、既に測定方向と逆方向にピックアップ16を移動させている場合は、この処理は不要である。
更に、上記実施の形態では、試験片80の測定領域82に形成する凹凸の形状をサイン波形状としているが、他の形状を採用することもできる。たとえば、図8に示すように、断面台形の波形状(同図(A))、断面三角形の波形状(同図(B))、断面矩形の波形状にすることもできる。これらの凹凸の形状は、使用するピックアップに備えられる触針の大きさ、形状等に応じて選択される。
また、測定待ち時間の設定処理を行うプログラムは、所定の記録媒体に格納して提供することもできる。
10…表面粗さ測定装置、12…測定部、14…データ処理部、16…ピックアップ、16A…触針、18…駆動装置、20…ハウジング、22…ピックアップ装着穴、24…コネクタ、26…接続ケーブル、28A、28B…調整台取付溝、30…データ処理部本体、32…コネクタ、34…ディスプレイ、36…操作パネル、38…電源スイッチ、40…コネクタ部、40A…通信コネクタ、40B…メモリコネクタ、42…排紙口、50…マイコン、52…駆動装置制御回路、54…信号変換回路、56…表示制御回路、58A…通信制御回路、58B…USBコントローラ、60…プリント制御回路、62…プリンタ、64…メモリコントローラ、66…EEPROM、70…調整台、72…レール部、74…連結部、80…試験片、82…測定領域

Claims (11)

  1. ピックアップに備えられた触針を被測定物に当接させて、前記ピックアップを駆動手段によって所定の測定方向に所定の移動速度で移動させる一方、前記ピックアップの移動開始から所定の測定待ち時間経過後、測定手段によって前記触針の変位を所定の測定周期で測定し、前記被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法において、
    前記触針を所定の試験片に当接させて、前記ピックアップを前記測定方向に前記移動速度で移動させる一方、前記ピックアップの移動開始から前記触針の変位を前記測定周期で測定するステップと、
    前記変位の測定結果を解析し、測定値が安定し始める点を測定値安定開始点として検出するステップと、
    前記ピックアップの移動開始から前記測定値安定開始点に到達するまでに要する前記ピックアップの移動時間を算出するステップと、
    算出された前記移動時間を前記測定待ち時間に設定するステップと、
    を含むことを特徴とする表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法。
  2. 前記ピックアップを前記測定方向に移動させる前に前記ピックアップを前記測定方向と逆方向に所定量移動させるステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法。
  3. 前記試験片には、表面に所定の凹凸が一定ピッチで繰り返し形成され、
    前記測定値安定開始点を検出するステップでは、前記試験片の凹凸に対応して現れる前記測定値の極値点を検出し、隣り合う極値点の間の距離を算出し、算出された距離が、あらかじめ設定された基準を満たす最初の極値点を検出し、該極値点を測定値安定開始点とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法。
  4. 前記試験片には、表面に前記凹凸として所定の波形を有するサイン波面が形成されることを特徴とする請求項3に記載の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法。
  5. 前記ピックアップの移動速度を複数選択できる場合において、
    基準となる一の移動速度で前記ピックアップを移動させて、前記測定を実施し、前記測定値安定開始点を検出して、前記移動時間を算出し、前記一の移動速度で測定する場合の前記測定待ち時間を求め、
    他の移動速度で測定する場合の前記測定待ち時間については、あらかじめ移動速度ごとに設定された係数を前記一の移動速度で求めた前記移動時間に乗じて、移動速度ごとに移動時間を求め、各移動速度で測定する場合の前記測定待ち時間に設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法。
  6. ピックアップに備えられた触針を被測定物に当接させて、駆動手段によって前記ピックアップを所定の測定方向に所定の移動速度で移動させる一方、前記ピックアップの移動開始から所定の測定待ち時間経過後、測定手段によって前記触針の変位を所定の測定周期で測定し、前記被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定装置において、
    前記測定待ち時間の設定を指示する指示手段と、
    前記指示手段の指示に応じて、前記駆動手段を制御し、前記触針を所定の試験片に当接させて、前記測定方向に前記移動速度で移動させる一方、前記測定手段を制御し、前記ピックアップの移動開始から前記触針の変位を前記測定周期で測定させる制御手段と、
    前記指示手段の指示に応じて行われた前記変位の測定結果を解析し、該測定値が安定し始める点を測定値安定開始点として検出する測定値安定開始点検出手段と、
    前記ピックアップの移動開始から前記測定値安定開始点に到達するまでに要する前記ピックアップの移動時間を算出する移動時間算出手段と、
    算出された前記移動時間を前記測定待ち時間に設定してメモリに記録する記録手段と、
    を備えたことを特徴とする表面粗さ測定装置。
  7. 前記制御手段は、前記ピックアップを前記測定方向に移動させる前に前記ピックアップを前記測定方向と逆方向に所定量移動させることを特徴とする請求項6に記載の表面粗さ測定装置。
  8. 前記試験片には、表面に所定の凹凸が一定ピッチで繰り返し形成され、
    前記測定値安定開始点検出手段は、前記試験片の凹凸に対応して現れる前記測定値の極値点を検出し、隣り合う極値点の間の距離を算出し、算出された距離が、あらかじめ設定された基準を満たす最初の極値点を検出し、該極値点を測定値安定開始点とすることを特徴とする請求項6又は7に記載の表面粗さ測定装置。
  9. 前記試験片には、表面に前記凹凸として所定の波形を有するサイン波面が形成されることを特徴とする請求項8に記載の表面粗さ測定装置。
  10. 前記ピックアップの移動速度を複数選択できる場合において、
    あらかじめ移動速度ごとに設定された係数を前記移動速度算出手段で算出された移動時間に乗じて、移動速度ごとの移動時間を算出する第2の移動時間算出手段を更に備え、
    前記記録手段は、算出された前記移動速度ごとの前記移動時間を前記移動速度ごとの前記測定待ち時間に設定して前記メモリに記録することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の表面粗さ測定装置。
  11. 請求項1から5のいずれか1項に記載の表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定方法をコンピュータに実現させることを特徴とする表面粗さ測定装置の測定待ち時間設定プログラム。
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