JP3549465B2 - 表面上の対象物の位置を決定する装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置検出装置に関し、特に、被走査中の対象物の表面に対するスキャナの位置を決定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
位置センサは、各種の用途において表面に対する対象物の位置を測定するために使用される。たとえば、走査装置(本明細書中では単に「スキャナ」ということもある)の中には、位置センサを用いて、被走査中の文書に対するスキャナの位置を決定するものもある。別の例では、位置センサを利用して、用紙に実際にプリントを行うプリンタ内の装置、たとえばプリントキャリッジに対して、プリント中の用紙の位置を決定するプリンタもある。
【0003】
スキャナは、たとえば、テキストなどのページ上のイメージを、機械読み取り可能なイメージデータ(本明細書中で単に「イメージデータ」ということもある)に変換する装置である。スキャナの中には、走査対象のイメージの細い走査線をイメージデータに変換するものもある。走査対象全体のイメージを表すイメージデータを生成するために、スキャナを走査対象に対して移動する。スキャナが走査対象に対して移動すると、スキャナが走査対象のイメージの連続する走査線の集まりを表すイメージデータを生成する。このため、走査対象のイメージは、走査対象の映像表示と同様に、この走査対象の連続した走査線の集まりとして表される。
【0004】
イメージデータは、通常、走査対象のイメージを再生または修正するために利用し得るコンピュータにより処理され、これに記憶される。たとえば、イメージデータは、走査対象のイメージを再生する別のコンピュータまたはファクシミリ機器にデータ線を介して送信される場合もある。走査対象がテキストのページである場合、テキストのイメージはコンピュータに入力され、文書処理プログラムにより編集され得る。
【0005】
イメージデータを正確に処理するために、走査対象の表面に対してどこで走査線を生成したかをコンピュータが把握することは重要である。走査線が生成された位置から走査対象上の位置を検出することは、イメージデータを生成していく際に、走査対象に対するスキャナの位置または速度を測定することにより実現され得る。走査線を表すイメージデータには、表面に対する走査線の位置または走査線の相互の位置を電子的に標識付けしてもよい。処理工程において、コンピュータは、走査線同士を互いに正しく配置して走査対象のイメージを再生することができる。
【0006】
走査対象の表面に対する走査線の位置を利用して、コンピュータが走査対象のイメージを再生する。走査対象のイメージを再生するための一態様には、走査対象の表面に対するスキャナの動きにより規定される寸法において対象物のサイズを決定することがある。たとえば、スキャナが1秒あたり1000本の走査線を生成し、スキャナと走査対象との相対速度が1秒あたり2.54cm(1インチ)である場合、コンピュータは、それぞれが走査対象のイメージの0.025mm(1/1000インチ)を表す走査線に基づいてイメージデータを処理する。しかしながら、相対速度が低下し、この低下した速度がコンピュータに正確に伝達されなければ、コンピュータは、各走査線があたかも走査対象のイメージの0.025mm(1/1000インチ)を表すようにイメージデータの処理を続行する。この結果、イメージデータが表す走査対象のイメージは圧縮され、走査対象は正確に表現されないことになる。一方、相対速度が増大し、この増大した速度がコンピュータに正確に伝達されなければ、イメージデータが、走査対象の拡大されたイメージを表すこととなり同様に正確ではない。
【0007】
スキャナの中には、ローラ機構を利用して被走査中の走査対象の表面に対するスキャナの位置に関する情報を生成するものもある。この位置情報を処理することで、走査対象の表面に対し、走査線がどこで生成されたかを決定する。ローラ機構は、スキャナが走査対象に対して移動する際、走査対象と接触して回転する。スキャナは、ローラ機構の回転を測定し、走査対象に対するスキャナの位置を決定する。しかしながら、ローラ機構は、走査対象に対するスキャナの位置を直接測定することができない。むしろ、位置測定値は、ローラ機構の回転から導出されるため、位置測定値は不正確性なものとなる可能性がある。さらに、ローラ機構は、ローラ機構と走査対象の間の摩擦に依存して回転を維持する。この摩擦が何らかの理由により低下すると、ローラ機構は、回転せずに滑ってしまうため、位置測定、ひいてはイメージデータにより表されるイメージが正確でなくなる。
【0008】
さらに、光学系を利用して走査対象に対するスキャナの位置を決定するスキャナもある。一例として、スキャナに取り付けられた光検出器は、走査対象の二次元の小さな領域を連続してイメージングし、これらの領域を表すイメージデータをコンピュータに送信する。コンピュータは、これらのイメージングされた領域内にある走査対象の識別可能な特徴を認識し、これらの光検出器に対する識別可能な特徴の位置を記憶する。これらの識別可能な特徴は、一例として、製紙工程に用いられるパルプ材によりもたらされる用紙面の変化であってもよい。スキャナが走査対象に対して移動すると、これらの識別可能な特徴は光検出器に対して移動する。コンピュータは、光検出器に対するこれらの識別可能な特徴の移動方向および移動量を特定して、走査対象に対するスキャナの位置、移動方向および速度を決定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの光検出器を使用したスキャナでは、走査対象上の識別可能な特徴を特定し、かつ光検出器に対する識別可能な特徴の移動を決定するために相当な処理能力が必要となる。このような処理能力は、スキャナをコスト高にするとともに、より複雑にする。これらの光検出器が有する別の課題は、走査対象上の識別可能な特徴を検出するために、イメージングする走査対象の領域に光をあてる必要があることである。このさらなる光の照射により、スキャナが必要とする電力は走査対象を走査するのに通常必要な量より大きくなる。このような消費電力の増加は、携帯用電源に依存するハンドヘルドスキャナにとって不利である。さらに、光検出器を用いると、たとえば、レンズ等の光学部品をスキャナに追加して使用しなければならないことから、スキャナをコスト高にするとともにより複雑にする。
【0010】
したがって、ある対象物の、走査対象の表面に対する位置または速度を直接的に精度よく測定し、かつ電力および処理の各要件を最小限に抑えた位置センサが必要とされる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ある対象物がある表面に対して移動する際に、この表面に対する対象物の速度および位置を決定し得る位置検出装置が開示される。この位置検出装置は、2つの深さ測定装置(プロフィルメータ(粗面計:profilometer)と称することが多い)からなり、これらの深さ測定装置は、対象物と表面の間の移動方向と実質的に平行な軸上にあるように該対象物に取り付けることができる。深さ測定装置は、互いに所定の間隔をあけて配置される。深さ測定装置は、対象物が表面に対して移動する際の表面の形状(contour)を測定し、表面形状を表すデータをプロセッサに出力する。したがって、プロセッサは、位相がずれている2つのデータ信号を受信し、この位相ずれは、対象物と表面の間の相対速度に比例する。次にプロセッサは、データ信号を分析し、表面に対する対象物の速度を決定することができる。同様に、プロセッサは、所定の時間間隔における表面に対する対象物の変位も決定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の位置を決定する位置検出装置200を示す。位置検出装置200は、対象物100に取り付けられた第1のプロフィルメータ210と、第1のプロフィルメータ210から所定の間隔236をあけて配置された、対象物100に取り付けられた第2のプロフィルメータ204とを備え、第1のプロフィルメータ210と第2のプロフィルメータ204は第2軸に沿って配置されるとともに、第1軸350は第2軸と実質的に平行であるよう構成される。
【0013】
また、図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の位置を決定する位置検出装置200も示す。位置検出装置200は、対象物100に取り付けられた第1の針(stylus)252と連動する第1の変換器250と、対象物100に取り付けられた第2の針212と連動する第2の変換器206と、を備え、第1の針252は、第2の針212から所定の間隔をあけて配置されるとともに、第1の針252と第2の針212が第2軸に沿って配置され、さらに第1軸350は第2軸と実質的に平行であるよう構成される。
【0014】
また、図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の位置を決定する位置検出装置200も示す。位置検出装置200は、対象物100に取り付けられた第1の光学プロフィルメータと、対象物100に取り付けられた第2の光学プロフィルメータとを備え、第1の光学プロフィルメータは第2の光学プロフィルメータから所定の間隔236をあけて配置されるとともに、第1の光学プロフィルメータと第2の光学プロフィルメータは第2軸に沿って配置され、さらに第1軸350は第2軸と実質的に平行であるよう構成される。
【0015】
また、図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の速度を決定する方法も示す。この方法は、対象物100に取り付けられた第1の深さ測定装置210を設け、対象物100に取り付けられた第2の深さ測定装置204を設け、第2の深さ測定装置204は、第1の深さ測定装置210から第2軸に沿って所定間隔236をあけて配置され、第1軸350は、第2軸と実質的に平行であり、対象物100と表面310の間で第1軸350に沿って相対移動を引き起こし、第1の深さ測定装置210および第2の深さ測定装置204により表面310の深さを測定し、第1の深さ測定装置210および第2の深さ測定装置204により測定される表面310の深さについて分析を行って表面310に対する対象物100の速度を決定するものである。
【0016】
位置センサ200について概説してきたので、ここでは手短に説明する。位置センサ200を組み込むイメージング装置100のさらに詳細な説明については、本概要の記載に準ずる。イメージング装置100は、本明細書では単にスキャナということもある。以下の説明において、スキャナ100に内蔵される位置センサ200は単に例示の目的にすぎず、表面に対する対象物の位置を決定するために位置センサ200を他の装置に使用してもよいことが理解されるはずである。
【0017】
図1は、テキスト360がプリントされている用紙300の表面310を走査するスキャナ100の上部断面図である。特に、図1は、スキャナ100の形跡およびスキャナ100内の2個の位置センサ200の位置を示す。スキャナ100は、図1において用紙300の表面310である走査対象の、機械読み取り可能なイメージデータ(本明細書中では、単にイメージデータということもある)を生成する。走査対象のイメージを表すイメージデータを生成することを、走査対象を「イメージングする」または「走査する」という場合もある。本明細書に記載のスキャナ100はハンドヘルド式スキャナであり、ユーザは走査対象を走査する際に、スキャナ100を走査対象の表面に対して移動させる。
【0018】
スキャナ100は、表面310の細い走査線362を表すイメージデータを生成することができる。走査線362は、スキャナ100に対して固定位置にあってもよく、図1では、参照線C−Cに沿って位置合わせをする。スキャナ100は、図1において、イメージデータを生成していくのにともない表面310に対する方向350に移動するとして示される。方向350は、走査線362に実質的に直角である。スキャナ100が移動すると、スキャナ100は、表面310の走査線362のイメージを表すイメージデータを繰り返し生成する。これらの走査線362を表すイメージデータは、スキャナ100により従来のデータ記憶装置に格納される。スキャナ100が表面310上の移動を完了すると、スキャナ100は、表面310の走査線362を複数表すイメージデータを生成し、このイメージデータをデータ記憶装置に格納する。
【0019】
表面310のイメージを正確に再生する際、スキャナ100は、イメージデータが表すこれらの走査線を配列することでイメージデータが表面310のイメージを再生する。したがって、スキャナ100は、表面310に対してどこに表面310の走査線362が生成されたかを把握する必要がある。
【0020】
表面310に対する走査線の位置を決定することは、表面310に対するスキャナ100の移動がユーザが手動で行う移動により制御されることから、特に困難である。スキャナ100と表面310との相対移動は、人間が介在することから一般に不安定である。このため、スキャナ100は、表面310に対するスキャナ100の移動が不安定な状態で走査線362が生成されていくと、表面310に対するその位置を決定する手段を有する必要がある。位置情報が決定されると、個々の走査線362を表すイメージデータには、この走査線が生成開始された位置を電子的に標識付けすることができる。次に、スキャナ100により、周知の処理技術によって表面310のイメージを再生することができる。
【0021】
本明細書中で開示されるスキャナ100は、スキャナ100が表面に対して移動すると、異なる位置から表面の形状を測定することにより、表面に対するその位置を決定する。さらに詳細を後述するように、形状の情報は、位相がずれている少なくとも2つの実質的に同一の信号形式である。位相ずれの大きさは、表面に対するスキャナ100の速度に正比例する。スキャナ100は、信号間の位相ずれを利用して、表面に対するスキャナ100の速度、ひいては位置を決定する。
【0022】
要するに、スキャナ100は、スキャナ100に取り付けられた位置センサ200を用いて、スキャナ100が表面に対して移動するときに2カ所の固定位置から表面の形状を測定する。位置センサ200は、それぞれ2カ所の測定箇所から位置センサ200に対する表面の深さを測定する。したがって、各位置センサ200は、2つの表面の形状プロフィールを生成し、プロセッサ140に出力する。測定箇所において生成された形状プロフィールは、互いに位相がずれている、すなわち一方の形状プロフィールが他方に時間的に遅れている場合を除いて実質的に同一である。この時間ずれをプロセッサが利用することで、表面に対する位置センサ200の速度、移動方向、加速度および位置が決定される。
【0023】
図2は、スキャナ100に内蔵される単一位置センサ200を有するスキャナ100の側面図を示す。位置センサ200は、2個の深さ測定装置、すなわちセンサ、第1のセンサ210と第2のセンサ204を有してもよい。深さ測定装置およびセンサは、プロフィルメータとしてもよい。これらのセンサ210、204は、対象物がセンサ210、204に対して移動すると、ページ300の表面310の形状を測定するよう構成される。各センサ210、204は、所定の時間における信号の値がそのときのセンサ210、204により測定される深さと比例する、時間依存信号を生成することができる。この信号は、互いに位相がずれている場合を除いて実質的に同一である。このとき、信号間の位相ずれは、センサ210、204の間隔236およびセンサ210、204と対象物との相対速度に依存している。センサ210、204の間隔236が一定であれば、位相ずれは、センサ210、204と表面310との相対速度という単一の変数に依存する。プロセッサ140は、これらの信号を分析して位相ずれを決定し、これにより表面310に対するセンサ210、204の速度および移動方向を決定することができる。速度をある時間間隔にわたって積分することで、その時間間隔における表面310に対するセンサ210、204の変位を得ることができる。また、速度を微分することで、表面310に対するセンサ210、204の加速度も得られる。
【0024】
スキャナ100および位置センサ200について概説してきたが、ここでさらに詳細を説明する。図2を参照して、本明細書中に記載する位置センサ200は、本明細書においてハンドヘルド式スキャナとして描かれるスキャナ100に使用されるように図示される。例示の目的において、図2は、スキャナ100の一部の側部の断面図を示しているにすぎない。図2に示すスキャナ100は、用紙であるページ300の表面310を走査する。しかしながら、スキャナ100は、他の走査対象を走査するように適応されてもよいことが理解されるはずである。また、位置センサ200をスキャナ100以外の装置に使用して表面に対するこの装置の位置を決定することができることも理解されるはずである。
【0025】
走査プロセスにおいて、スキャナ100は、表面310に接触する。用紙の表面、たとえば、表面310は、本来山谷(凸凹)が散在した形状を形成している。これらの山谷(凸部)が散在している1つの理由は、紙製品の製造時に用いられるパルプ材に起因する。山部の例として、図2には第1の山部340と第2の山部344が2つ示されている。谷部の例として、図2には第1の谷部(凹部)346および第2の谷部348が示される。後述するように、山谷により生成される表面310の識別可能な特徴は、位置センサ200により利用されてページ300の表面310に対するスキャナ100の速度、移動方向および位置を決定する。
【0026】
スキャナ100は、グライド部110と取り付け部112とを有してもよい。グライド部110は、ページ300の表面310に接触するようにしてもよい。グライド部110は、一例として、スキャナ筐体の一部としてもよく、さらに低摩擦面としてもよい。取り付け部112は、グライド部110から所定の深さ116だけスキャナ100の中に窪ませてもよい。取り付け部112は、上面118がスキャナ100の内部に面していてもよい。センサユニット202は、取り付け部112の上面118に付属されてもよい。後述するように、センサユニット202は、位置センサ200の一要素であり、スキャナ100が表面310に対して移動する際、ページ300の表面310の深さを測定するために使用される。
【0027】
センサユニット202は、第1のセンサ210および第2のセンサ204を有する単一要素としてもよい。第1のセンサ210は、第1の針252と連動する第1の変換器250を有してもよい。第1の針252は、グライド部110と取り付け部112の間の深さ116の最小長だけスキャナ100の取り付け部112を貫通してもよい。この第1の針252の長さにより、第1の針252は、ページ300の表面310と接触できる。図2において、参照線B−Bは、第1の針252の中心にあるように図示される。第1の変換器250は、第1の電気端子260と第2の電気端子262とを有してもよい。端子260、262は、第1の変換器250内にあって第1の針252の位置が第1の変換器250に対して変化するのにともなって変化する、図示されない抵抗負荷と電気的に接続されてもよい。
【0028】
第2のセンサ204は、第1のセンサ210と実質的に同一であり、第2の変換器206と、第2の針212と、第1の端子220と、第2の端子222とを有してもよい。図2において、参照線A−Aは、第2の針212の中心にあるように図示される。第2の針212は、距離236、たとえば、0.1ミリメートル第1の針252から離してもよい。特に、参照線A−Aは、参照線B−Bと距離236だけ離れてもよい。変換器と連動する針の例が、Creweらの米国特許第5,818,605号「彫刻用針の移動の高解像度検出の方法および装置(METHOD AND APPARATUS FOR HIGH RESOLUTION SENSING OF ENGRAVING STYLUS MOVEMENT)」に記載されている(この特許に開示されるすべてを引用することで本明細書の一部をなすものとする)。
【0029】
第1の変換器250に対向する第1の針252の端部は、先端部216を形成してもよい。図2の参照線B−Bは、先端部216を貫通してもよい。先端部216は、従来方式により表面310と接触し、かつこれに沿って移動する構成としてもよい。図1に示す例において、針252は、ページ300の表面310上の形状を測定するために使用されており、ここで、この形状は用紙の表面の山谷に起因する。半径が約0.005ミリメートルの点となる先端部216を有することは、本用途の最適な先端形状であることがわかっている。先端部216は、ページ300の表面310を切開するほど先鋭ではなく、また表面310の谷部に嵌合するほど丸みを帯びていない。第2の針212は、同様の先端部214を有してもよく、ここで図2の参照線A−Aが先端部214を貫通している。
【0030】
位置センサ200は、プロセッサ140と、第1の検出器126と、第2の検出器124と、第1の電源122と、第2の電源120と、をさらに備えてもよい。第1の電源122および第2の電源120は、例示の目的において別個のユニットに分離されているが、これらを単一ユニットとしてもよいことが理解されるはずである。電源120、122は、一例として、当該技術において周知の直流電源としてもよい。検出器124、126は、一例として、当該技術において周知の電流計としてもよい。
【0031】
第1の電源122は、線187により第1の変換器250の第2端子262と電気的に接続されてもよい。また、第1の電源122を、線186により第1の検出器126とも電気的に接続してもよい。第1の検出器126は、線185により第1の変換器250の第1端子260と電気的に接続されてもよく、これにより第1の変換器250、第1の検出器126および第1の電源122を経由する回路を形成している。第1の検出器126は、端子260、262を通る電流を表すデータを、データ線132を介してプロセッサ140に出力してもよい。
【0032】
第2の検出器124および第2の電源120は、第1の電源122および第1の検出器126が第1の変換器250およびプロセッサ140と連動するのと同様に、第2の変換器206およびプロセッサ140と連動されてもよい。第2の電源120は、線180により第2の変換器206の第2端子222と電気的に接続されてもよい。また、第2の電源120を、線181により第2の検出器124とも電気的に接続してもよい。第2の検出器124は、線182により第2の変換器206の第1端子220と電気的に接続されてもよい。第2の検出器124は、端子220、222を通る電流を表すデータを、データ線130を介してプロセッサ140に出力してもよい。
【0033】
位置センサ200をスキャナ100に一体化する構成を説明してきたが、次に位置センサ200の動作について説明する。以下の説明は、図3のフローチャートにより要約される。要するに、センサ204および210は、ページ300の表面310に対するそれぞれの針212および252の深さを表すデータを生成する。深さデータは、位相がずれている実質的に同一の2つのアナログ信号形式である。プロセッサ140は、これらの2つの深さ信号を受信し、信号間の位相ずれを決定し、これより時間遅延を計算する。この時間遅延は、2つの深さ信号間の時差を表す。プロセッサ140は、針212と252の距離236をこの時差で除算して、時間ずれ時におけるページ300の表面310に対するスキャナ100の平均速度が得られる。速度を所定の時間間隔にわたって積分して、この時間間隔におけるページ300に対するスキャナ100の変位が得られる。
【0034】
位置センサ200の動作を概説してきたが、次にスキャナ100内部の動作をさらに詳細に説明する。位置センサ200を組み込むスキャナ100の動作は、ページ300に対する方向350に移動するとして、本明細書中で説明される。スキャナ100は、グライド部110が表面310に接触するようにページ300の表面310に載置される。方向352の力が針212、252に僅かに作用して表面310を押圧することができる。針212および252は、グライド部110を越えて十分に延在することが可能であるため、ページ300の表面310の谷部に接触し得る。針212、252がどの谷部にも接触できるように十分に延在することは重要ではないが、位置センサ200の精度は、針212、252が接触し得ない谷部の数と比例して低下する。この精度の低下は、変換器206、250が、これらの接触し得ない谷部の深さについての不正確なデータを出力することに起因する。
【0035】
図2に示す例において、第1の針252は、ページ300の表面310と点314で交差する距離240だけ延在し、第2の針212は、表面310と点312で交差する距離230だけ延在する。第1の針252は、山部340を越え、谷部346を経由して、山部344を越え、谷部348に向かっている。したがって、第1の針252は、第1の変換器250から表面310に向かって延在して谷部348に接触しようとするところである。第2の針212は、山部340を越え、谷部346を経由して、山部344に向かっている。したがって、第2の針212は、表面310から第2の変換器206に向かって後退して山部344に接触しようとするところである。変換器206、250に対する針212、252の位置は、後述するが、位置センサ200により利用され、ページ300の表面310に対するスキャナ100の速度および位置を決定する。
【0036】
針212、252が表面310の形状を辿っていくと、変換器206、250は、変換器206、250に対する針212、252の位置を測定する。前述したように、本明細書に記載される変換器206、250は、変換器206、250に対する針212、252の位置に比例して変化する抵抗負荷を有する。第1の変換器250を参照して、第1の電源122は、線185、186および187を介して端子260から262まで電位を供給する。第1の検出器126は、本明細書では電流計として図示され、そこには大幅な電圧降下はない。端子260、262を介して第1の変換器250を流れる電流は、第1の変換器250内にある抵抗負荷の値に依存し、第1の変換器250に対する第1の針252の位置に依存する。第1の検出器126は、第1の変換器250を流れる電流を測定し、この電流を表すデータをデータ線132を介してプロセッサ140に出力する。したがって、第1の変換器250に対する表面310の深さは、第1の変換器250を流れる電流量により測定される。
【0037】
第2の変換器206を参照して、第2の電源120は、線180、181および182を介して端子220から222まで電位を供給する。第2の検出器124は、本明細書では電流計として図示され、そこには大幅な電圧降下はない。端子220、222を介して第2の変換器206を流れる電流は、第2の変換器206内にある抵抗負荷の値に依存し、第2の変換器206に対する第2の針212の位置に依存する。第2の検出器124は、第2の変換器206を流れる電流を測定し、この電流を表すデータをデータ線130を介してプロセッサ140に出力する。したがって、第1の変換器250に対する表面310の深さは、第1の変換器250を流れる電流量により測定される。
【0038】
検出器124、126からプロセッサ140に出力されたデータは、アナログ信号またはアナログ信号のディジタル表現形式とすることができる。さらに詳細を後述するように、検出器124、126により出力される信号の振幅は実質的に同一であるが、第2の検出器124により出力される信号は、第1の検出器126により出力される信号と位相ずれしている。スキャナ100が表面310に対して方向350に移動していることから、第1の検出器126からの出力は、第2の検出器124からの出力を導くが、これは、第1の針252が第2の針212をページ300の表面310の形状に沿って導くことによる。この位相ずれは、第2の検出器124により出力される信号が第1の検出器126により出力される信号に対する遅延という信号間の時差を表す。スキャナ100が方向350と反対方向に移動しようとすれば、第2の検出器124により出力される信号が、第1の検出器126により出力される信号を導く。
【0039】
図4は、図2の変換器206、250を流れる電流を時間関数として示すグラフである。波形450は、第1の変換器250を介して流れる電流を表す。波形450の実線部分は、第1の針252が通過した後の、図2の表面310の形状を表す。波形450の点線部分は、スキャナ100が表面310に対する方向350に移動し続けたときの第1の針252が通過する予定の、図2の表面310の形状を表す。実線部分と点線部分との接合点456は、図2において、表面310の点314における第1の針252の現行位置を表す。波形450は、図2において、ページ300の表面310上の山部340を表す山452を有する。波形450は、図2の表面310上の谷部346を表す谷454を有する。また、波形450は、図2の表面310上の山部344を表す別の山460も有する。
【0040】
図4は、第2の変換器206を流れる電流を時間関数として表す波形410を示す。波形410の実線部分は、第2の針212が点312と接触する前に接触した、図2のページ300の表面310の形状を表す。波形410の点線部分は、スキャナ100が方向350に移動し続けたときに第2の変換器206により測定される、図2の表面310の形状を表す。実線部分と点線部分とが接合する点416は、図2の第2の針212が表面310の点312にある状態を表す。波形410は、図2の第2の針212がページ300の表面310の山部340を通過したときに、第2の変換器206を流れる電流を表す山412を有する。波形410は、図2の第2の針212が谷部346を通過したときに、第2の変換器206を流れる電流を表す谷414を有する。
【0041】
波形410の振幅は、波形450の振幅と実質的に同一であるが、互いに位相がずれている。この位相ずれは、波形410が波形450に遅れるという、図4の時間領域図における時間遅延を表す。この遅延は、図2において、表面310の形状を測定する際に第2の針212が第1の針252に遅れることに起因する。波形410の山412および波形450の山452は、本例において、時間遅延を示すための参照として使用される。山412および452は、図2の表面310の山部340を表す。山452は時間t1で測定されたものであり、山412は時間t2で測定されたものである。t1とt2との時差はΔtである。時差Δtは、従来の方法で測定可能である。Δtを測定する際に相関を使用する例を以下に示す。時間間隔t1とt2におけるページ300の表面310に対するスキャナ100の平均速度は、以下の式を適用することにより測定可能である。
【0042】
【数1】
(式中、V(Δt)は、図2において、時間間隔Δtにわたる表面310に対するスキャナ100の平均速度であり、Dは、図2の第1の針252と第2の針212の間の距離236であり、Δtは、t1とt2との時差である)
【0043】
図2のプロセッサ140は、ページ300の表面310に対するスキャナ100の平均速度を連続的に決定し得る。経時的に算出されるこれらの平均速度は、表面310に対するスキャナ100の速度を時間関数として与える。時間関数としての速度は、所定の時間間隔にわたって積分されて、その時間間隔にわたる表面310に対するスキャナ100の変位を求める。また、選択された点における瞬間的速度および変位も周知の技術によりデータから容易に計算できる。同様に、加速度も、速度の一次の導関数を計算することにより得られる。
【0044】
図2を簡単に参照して、表面310に対するスキャナ100の移動方向は、第1の検出器126と第2の検出器124の出力間の位相ずれを分析することにより決定できる。第1の検出器126の出力が第2の検出器124の出力を導いていれば、スキャナ100は、表面310に対する方向350に移動している。第2の検出器126の出力が第2の検出器124の出力に遅れるのであれば、スキャナは、表面310に対する方向350と反対に移動している。
【0045】
再び図4を参照して、波形410、450間の位相ずれおよび対応する時間遅延を決定する多数の異なる方法が利用できる。1つの方法は、波形410、450をサンプリングし、これらをディジタル信号に変換し、該ディジタル信号を図2のプロセッサ140により処理することによる。プロセッサ140は、一例として、相関関数をディジタル信号に当てはめることで波形410、450間の時差を決定することができる。図4に示す例において、波形410、450を期間tsでサンプリングしてもよい。したがって、サンプリング頻度fsは1/tsに等しい。以下の相関関数を波形410、450に当てはめて相関関数係数Cを導く。
【0046】
【数2】
(式中、Cは相関関数係数であり、mはサンプリング回数であり、nは最大サンプリング回数であり、SAは波形450であり、SSは波形410である)
【0047】
この時点で、Cの最小値を算出するmの値である、mminの値が計算される。時間遅延(Δtまたはt2−t1)がmmintSと等しいことが、相関関数式から得られる。時間遅延が計算されると、t2とt1間の平均速度が以下のように計算される。
【0048】
【数3】
(式中、Dは、図2の距離236であり、mminはCの最小値を導き、tSはサンプリング期間である)
【0049】
再び図2を参照して、スキャナが所定の時間間隔にわたって表面310に対して移動した距離を、この所定の時間間隔にわたって表面310に対するスキャナ100の速度を積分することにより計算することができる。同様に、表面に対するスキャナ100の加速度は、この速度の導関数を計算することにより計算可能である。
【0050】
位置センサ200に関する式を説明してきたが、次にこの式を利用する例を説明する。位置センサ200が使用されると予測される用途によって、変数nが選ばれる。たとえば、高加速度または高速を要する用途では、誤差を最小限に抑えるために変数nを最小にすることが必要とされる。ハンドヘルドスキャナの場合、スキャナの最大加速度は、通常、約38.0cm(96.5インチ)/秒2である。スキャナの予測最大速度が4.7cm(12インチ)/秒であり、かつ許容誤差が期間ntsにわたって2.54cm(1インチ)の1/300であれば、0.1ミリ秒のサンプリング期間tsおよびnの値は許容誤差を満たすのに十分となることがわかっている。
【0051】
本明細書に記載の位置センサ200は、たとえばスキャナ100といった対象物の速度および1つの軸に沿った変位を決定する機能を果たす。後述するように、スキャナ100の移動がこの軸を外れると、スキャナの予め計算された速度および変位に対して修正を行う必要がある場合もある。図5は、図示しない先端部214、216に対する図示しないスキャナの方向350を示す概略図である。先端部214、216は、図5の参照線A−Aにより図示される軸上にある。理想的な状態では、方向350が参照線A−Aと平行であり、計算された速度および変位には修正を行う必要がない。
【0052】
図5に示すように方向350が参照線A−Aと平行でない場合、スキャナ100の予め計算された位置および速度に修正を加えなければならないこともある。これらに修正を加える必要があり得ることは、予め計算された速度が、図2の先端部214、216間の距離236を表面310に対する走査装置100の移動350と同一軸上で測定していることに基づいていることによる。図5において、参照線A−Aは、方向350に対する、380の符号で示される角θである。角(θ)380が増大すると、速度を計算する際の誤差がコサインθの関数として増大する。たとえば、角380が15度であると、スキャナの方向350に沿った実際の速度は、予め計算された速度の97%(100×cos(15))に等しくなる。
【0053】
製造時に上記の誤差を補正することが可能である。たとえば、図2および図5を参照して、位置センサ200が付属されたスキャナ100または他の装置が所定の距離にわたって方向350で表面上を移動しているとき、位置センサ200は、移動した距離を決定することができる。位置センサ200により測定される距離を、上記所定の距離と比較することで、位置センサ200の誤差を求めることができる。次にスケーリング係数をプロセッサ140に入力することで、測定された距離を増減させて上記の位置決定誤差を修正することができる。位置センサ200により測定される距離をスケーリング係数で乗算することで、位置センサ200が移動した距離を求めることができる。
【0054】
位置センサ200を使用する実施形態は、複数軸に沿った対象の位置および速度が要求される場合に存在し得る。図6は、参照線B−Bおよび参照線C−Cに沿ってスキャナの位置および速度を決定する際に使用される2つの位置センサ200および500を有するスキャナの上部断面図を示す。図6の位置センサ200、500は、図2の位置センサ200と同一機能を奏する。位置センサ200は、参照線B−Bに沿って速度を決定するために使用され、位置センサ500は、参照線C−Cに沿って速度を決定するために使用される。位置センサ200では、2個の針先端部214および216が参照線B−Bに沿って配設されている。位置センサ500では、2個の針先端部510および512が参照線C−Cに沿った配設されている。したがって、位置センサ200を用いて、参照線B−Bに沿った速度および位置を決定し、位置センサ500を用いて、参照線C−Cに沿った速度を決定する。任意の数の位置センサを対象物に付属させて、任意の数の方向で対象物の速度および位置を決定し得ることが理解されるはずである。
【0055】
図1を参照して、スキャナ100にいくつかの位置センサ200を付属させることで、スキャナ100の回転運動を決定することができる。図1において、スキャナ100には、2個の同一位置センサ200が取り付けられた。位置センサ200は、互いに平行な参照線D−DおよびE−Eに沿って位置決めされる。スキャナが方向354に回転する場合、位置センサ200の速度は異なり、スキャナ100が回転経路を辿ることを示す。スキャナ100は、位置センサ200の速度の相違に基づいて回転量および回転方向を容易に決定し得る。
【0056】
図2を参照して、先端部214、216の距離236は、ナイキスト基準(Nyquist criteria)を満たす必要がある場合もある。たとえば、表面310の形状が反復され、反復ごとに所定距離を有する場合、距離236は、この所定距離の1/2を下回らねばならない。そうしなければ、エイリアシング(aliasing)が発生し、プロセッサ140により測定される、第1の検出器126により出力される信号と第2の検出器124により出力される信号間に引き起こされる時差が実際の時差を下回る可能性がある。これは、次に、表面310に対するスキャナ100の移動が実際の移動より高速であることをプロセッサに表示させる。
【0057】
たとえば、位置センサ200がスキャナ100に使用されて用紙上のテキストをイメージングする場合、用紙は、さらに一例として、1ミリメートルあたり2ないし4個の山を有する場合がある。この場合、距離236が0.1ミリメートルに等しいければ、位置センサ200はプロセッサ140がエイリアシングの問題に直面することなく表面のプロフィールを精度よく決定することができる。
【0058】
位置センサ200の他の実施形態を様々な用途に適用し得る。たとえば、再び図2を参照して、位置センサ204、210を変換器206、250と連動する針212、252として本明細書中で説明してきた。位置センサ204、210には、適当な深さ測定機構(プロフィルメータということが多い)のいずれかを使用してもよい。たとえば、位置センサ204、210は、当該技術において周知の光学プロフィルメータとしてもよい。
【0059】
別の実施形態において、位置センサ200は、複数の測定装置を所定の軸に沿って取り付けたものを使用してもよい。位置センサ200により使用される深さ測定装置の数が増えるほど、深さ測定にともなう誤差が減少する。
【0060】
上述した位置センサ200は、スキャナ100に内蔵されていた。しかしながら、位置センサ200を他の装置に内蔵してもよいことが理解されるはずである。たとえば、位置センサ200は、プリントキャリッジ等を有するプリンタに使用することで、プリント中の用紙に対するプリントキャリッジの速度を決定することもできる。
【0061】
本明細書では、本発明の例示的かつ現行で好ましい実施形態を詳細に説明してきたが、発明の概念を別の形態で様々に具体化して採用してもよく、また、特許請求の範囲は、従来技術により制限されない限りかかる変形を包含すると解釈されることを意図していることが理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【図1】文書と連携されるスキャナの上部断面略図である。
【図2】文書と連携される位置センサを示す、図1のスキャナの側部断面図である。
【図3】図1の文書に対する位置センサの位置および速度を決定する方法を示すフローチャートである。
【図4】図1の位置センサの測定を示すグラフである。
【図5】位置センサの位置に対する、図1のスキャナの移動を示す概略図である。
【図6】対象物に付属可能な複数の位置センサの位置を示す概略図である。
【符号の説明】
100 対象物/スキャナ
204 第2のプロフィルメータ/第2の深さ測定装置/第2のセンサ
206 第2の変換器
210 第1のプロフィルメータ/第1の深さ測定装置/第1のセンサ
212 第2の針
214 先端部
216 先端部
236 間隔
250 第1の変換器
252 第1の針
310 表面
350 第1軸
410 第2の信号(波形)
450 第1の信号(波形)
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置検出装置に関し、特に、被走査中の対象物の表面に対するスキャナの位置を決定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
位置センサは、各種の用途において表面に対する対象物の位置を測定するために使用される。たとえば、走査装置(本明細書中では単に「スキャナ」ということもある)の中には、位置センサを用いて、被走査中の文書に対するスキャナの位置を決定するものもある。別の例では、位置センサを利用して、用紙に実際にプリントを行うプリンタ内の装置、たとえばプリントキャリッジに対して、プリント中の用紙の位置を決定するプリンタもある。
【0003】
スキャナは、たとえば、テキストなどのページ上のイメージを、機械読み取り可能なイメージデータ(本明細書中で単に「イメージデータ」ということもある)に変換する装置である。スキャナの中には、走査対象のイメージの細い走査線をイメージデータに変換するものもある。走査対象全体のイメージを表すイメージデータを生成するために、スキャナを走査対象に対して移動する。スキャナが走査対象に対して移動すると、スキャナが走査対象のイメージの連続する走査線の集まりを表すイメージデータを生成する。このため、走査対象のイメージは、走査対象の映像表示と同様に、この走査対象の連続した走査線の集まりとして表される。
【0004】
イメージデータは、通常、走査対象のイメージを再生または修正するために利用し得るコンピュータにより処理され、これに記憶される。たとえば、イメージデータは、走査対象のイメージを再生する別のコンピュータまたはファクシミリ機器にデータ線を介して送信される場合もある。走査対象がテキストのページである場合、テキストのイメージはコンピュータに入力され、文書処理プログラムにより編集され得る。
【0005】
イメージデータを正確に処理するために、走査対象の表面に対してどこで走査線を生成したかをコンピュータが把握することは重要である。走査線が生成された位置から走査対象上の位置を検出することは、イメージデータを生成していく際に、走査対象に対するスキャナの位置または速度を測定することにより実現され得る。走査線を表すイメージデータには、表面に対する走査線の位置または走査線の相互の位置を電子的に標識付けしてもよい。処理工程において、コンピュータは、走査線同士を互いに正しく配置して走査対象のイメージを再生することができる。
【0006】
走査対象の表面に対する走査線の位置を利用して、コンピュータが走査対象のイメージを再生する。走査対象のイメージを再生するための一態様には、走査対象の表面に対するスキャナの動きにより規定される寸法において対象物のサイズを決定することがある。たとえば、スキャナが1秒あたり1000本の走査線を生成し、スキャナと走査対象との相対速度が1秒あたり2.54cm(1インチ)である場合、コンピュータは、それぞれが走査対象のイメージの0.025mm(1/1000インチ)を表す走査線に基づいてイメージデータを処理する。しかしながら、相対速度が低下し、この低下した速度がコンピュータに正確に伝達されなければ、コンピュータは、各走査線があたかも走査対象のイメージの0.025mm(1/1000インチ)を表すようにイメージデータの処理を続行する。この結果、イメージデータが表す走査対象のイメージは圧縮され、走査対象は正確に表現されないことになる。一方、相対速度が増大し、この増大した速度がコンピュータに正確に伝達されなければ、イメージデータが、走査対象の拡大されたイメージを表すこととなり同様に正確ではない。
【0007】
スキャナの中には、ローラ機構を利用して被走査中の走査対象の表面に対するスキャナの位置に関する情報を生成するものもある。この位置情報を処理することで、走査対象の表面に対し、走査線がどこで生成されたかを決定する。ローラ機構は、スキャナが走査対象に対して移動する際、走査対象と接触して回転する。スキャナは、ローラ機構の回転を測定し、走査対象に対するスキャナの位置を決定する。しかしながら、ローラ機構は、走査対象に対するスキャナの位置を直接測定することができない。むしろ、位置測定値は、ローラ機構の回転から導出されるため、位置測定値は不正確性なものとなる可能性がある。さらに、ローラ機構は、ローラ機構と走査対象の間の摩擦に依存して回転を維持する。この摩擦が何らかの理由により低下すると、ローラ機構は、回転せずに滑ってしまうため、位置測定、ひいてはイメージデータにより表されるイメージが正確でなくなる。
【0008】
さらに、光学系を利用して走査対象に対するスキャナの位置を決定するスキャナもある。一例として、スキャナに取り付けられた光検出器は、走査対象の二次元の小さな領域を連続してイメージングし、これらの領域を表すイメージデータをコンピュータに送信する。コンピュータは、これらのイメージングされた領域内にある走査対象の識別可能な特徴を認識し、これらの光検出器に対する識別可能な特徴の位置を記憶する。これらの識別可能な特徴は、一例として、製紙工程に用いられるパルプ材によりもたらされる用紙面の変化であってもよい。スキャナが走査対象に対して移動すると、これらの識別可能な特徴は光検出器に対して移動する。コンピュータは、光検出器に対するこれらの識別可能な特徴の移動方向および移動量を特定して、走査対象に対するスキャナの位置、移動方向および速度を決定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの光検出器を使用したスキャナでは、走査対象上の識別可能な特徴を特定し、かつ光検出器に対する識別可能な特徴の移動を決定するために相当な処理能力が必要となる。このような処理能力は、スキャナをコスト高にするとともに、より複雑にする。これらの光検出器が有する別の課題は、走査対象上の識別可能な特徴を検出するために、イメージングする走査対象の領域に光をあてる必要があることである。このさらなる光の照射により、スキャナが必要とする電力は走査対象を走査するのに通常必要な量より大きくなる。このような消費電力の増加は、携帯用電源に依存するハンドヘルドスキャナにとって不利である。さらに、光検出器を用いると、たとえば、レンズ等の光学部品をスキャナに追加して使用しなければならないことから、スキャナをコスト高にするとともにより複雑にする。
【0010】
したがって、ある対象物の、走査対象の表面に対する位置または速度を直接的に精度よく測定し、かつ電力および処理の各要件を最小限に抑えた位置センサが必要とされる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ある対象物がある表面に対して移動する際に、この表面に対する対象物の速度および位置を決定し得る位置検出装置が開示される。この位置検出装置は、2つの深さ測定装置(プロフィルメータ(粗面計:profilometer)と称することが多い)からなり、これらの深さ測定装置は、対象物と表面の間の移動方向と実質的に平行な軸上にあるように該対象物に取り付けることができる。深さ測定装置は、互いに所定の間隔をあけて配置される。深さ測定装置は、対象物が表面に対して移動する際の表面の形状(contour)を測定し、表面形状を表すデータをプロセッサに出力する。したがって、プロセッサは、位相がずれている2つのデータ信号を受信し、この位相ずれは、対象物と表面の間の相対速度に比例する。次にプロセッサは、データ信号を分析し、表面に対する対象物の速度を決定することができる。同様に、プロセッサは、所定の時間間隔における表面に対する対象物の変位も決定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の位置を決定する位置検出装置200を示す。位置検出装置200は、対象物100に取り付けられた第1のプロフィルメータ210と、第1のプロフィルメータ210から所定の間隔236をあけて配置された、対象物100に取り付けられた第2のプロフィルメータ204とを備え、第1のプロフィルメータ210と第2のプロフィルメータ204は第2軸に沿って配置されるとともに、第1軸350は第2軸と実質的に平行であるよう構成される。
【0013】
また、図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の位置を決定する位置検出装置200も示す。位置検出装置200は、対象物100に取り付けられた第1の針(stylus)252と連動する第1の変換器250と、対象物100に取り付けられた第2の針212と連動する第2の変換器206と、を備え、第1の針252は、第2の針212から所定の間隔をあけて配置されるとともに、第1の針252と第2の針212が第2軸に沿って配置され、さらに第1軸350は第2軸と実質的に平行であるよう構成される。
【0014】
また、図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の位置を決定する位置検出装置200も示す。位置検出装置200は、対象物100に取り付けられた第1の光学プロフィルメータと、対象物100に取り付けられた第2の光学プロフィルメータとを備え、第1の光学プロフィルメータは第2の光学プロフィルメータから所定の間隔236をあけて配置されるとともに、第1の光学プロフィルメータと第2の光学プロフィルメータは第2軸に沿って配置され、さらに第1軸350は第2軸と実質的に平行であるよう構成される。
【0015】
また、図1〜図6は、全体として、第1軸350が表面310上にあるときの、第1軸350に対する対象物100の速度を決定する方法も示す。この方法は、対象物100に取り付けられた第1の深さ測定装置210を設け、対象物100に取り付けられた第2の深さ測定装置204を設け、第2の深さ測定装置204は、第1の深さ測定装置210から第2軸に沿って所定間隔236をあけて配置され、第1軸350は、第2軸と実質的に平行であり、対象物100と表面310の間で第1軸350に沿って相対移動を引き起こし、第1の深さ測定装置210および第2の深さ測定装置204により表面310の深さを測定し、第1の深さ測定装置210および第2の深さ測定装置204により測定される表面310の深さについて分析を行って表面310に対する対象物100の速度を決定するものである。
【0016】
位置センサ200について概説してきたので、ここでは手短に説明する。位置センサ200を組み込むイメージング装置100のさらに詳細な説明については、本概要の記載に準ずる。イメージング装置100は、本明細書では単にスキャナということもある。以下の説明において、スキャナ100に内蔵される位置センサ200は単に例示の目的にすぎず、表面に対する対象物の位置を決定するために位置センサ200を他の装置に使用してもよいことが理解されるはずである。
【0017】
図1は、テキスト360がプリントされている用紙300の表面310を走査するスキャナ100の上部断面図である。特に、図1は、スキャナ100の形跡およびスキャナ100内の2個の位置センサ200の位置を示す。スキャナ100は、図1において用紙300の表面310である走査対象の、機械読み取り可能なイメージデータ(本明細書中では、単にイメージデータということもある)を生成する。走査対象のイメージを表すイメージデータを生成することを、走査対象を「イメージングする」または「走査する」という場合もある。本明細書に記載のスキャナ100はハンドヘルド式スキャナであり、ユーザは走査対象を走査する際に、スキャナ100を走査対象の表面に対して移動させる。
【0018】
スキャナ100は、表面310の細い走査線362を表すイメージデータを生成することができる。走査線362は、スキャナ100に対して固定位置にあってもよく、図1では、参照線C−Cに沿って位置合わせをする。スキャナ100は、図1において、イメージデータを生成していくのにともない表面310に対する方向350に移動するとして示される。方向350は、走査線362に実質的に直角である。スキャナ100が移動すると、スキャナ100は、表面310の走査線362のイメージを表すイメージデータを繰り返し生成する。これらの走査線362を表すイメージデータは、スキャナ100により従来のデータ記憶装置に格納される。スキャナ100が表面310上の移動を完了すると、スキャナ100は、表面310の走査線362を複数表すイメージデータを生成し、このイメージデータをデータ記憶装置に格納する。
【0019】
表面310のイメージを正確に再生する際、スキャナ100は、イメージデータが表すこれらの走査線を配列することでイメージデータが表面310のイメージを再生する。したがって、スキャナ100は、表面310に対してどこに表面310の走査線362が生成されたかを把握する必要がある。
【0020】
表面310に対する走査線の位置を決定することは、表面310に対するスキャナ100の移動がユーザが手動で行う移動により制御されることから、特に困難である。スキャナ100と表面310との相対移動は、人間が介在することから一般に不安定である。このため、スキャナ100は、表面310に対するスキャナ100の移動が不安定な状態で走査線362が生成されていくと、表面310に対するその位置を決定する手段を有する必要がある。位置情報が決定されると、個々の走査線362を表すイメージデータには、この走査線が生成開始された位置を電子的に標識付けすることができる。次に、スキャナ100により、周知の処理技術によって表面310のイメージを再生することができる。
【0021】
本明細書中で開示されるスキャナ100は、スキャナ100が表面に対して移動すると、異なる位置から表面の形状を測定することにより、表面に対するその位置を決定する。さらに詳細を後述するように、形状の情報は、位相がずれている少なくとも2つの実質的に同一の信号形式である。位相ずれの大きさは、表面に対するスキャナ100の速度に正比例する。スキャナ100は、信号間の位相ずれを利用して、表面に対するスキャナ100の速度、ひいては位置を決定する。
【0022】
要するに、スキャナ100は、スキャナ100に取り付けられた位置センサ200を用いて、スキャナ100が表面に対して移動するときに2カ所の固定位置から表面の形状を測定する。位置センサ200は、それぞれ2カ所の測定箇所から位置センサ200に対する表面の深さを測定する。したがって、各位置センサ200は、2つの表面の形状プロフィールを生成し、プロセッサ140に出力する。測定箇所において生成された形状プロフィールは、互いに位相がずれている、すなわち一方の形状プロフィールが他方に時間的に遅れている場合を除いて実質的に同一である。この時間ずれをプロセッサが利用することで、表面に対する位置センサ200の速度、移動方向、加速度および位置が決定される。
【0023】
図2は、スキャナ100に内蔵される単一位置センサ200を有するスキャナ100の側面図を示す。位置センサ200は、2個の深さ測定装置、すなわちセンサ、第1のセンサ210と第2のセンサ204を有してもよい。深さ測定装置およびセンサは、プロフィルメータとしてもよい。これらのセンサ210、204は、対象物がセンサ210、204に対して移動すると、ページ300の表面310の形状を測定するよう構成される。各センサ210、204は、所定の時間における信号の値がそのときのセンサ210、204により測定される深さと比例する、時間依存信号を生成することができる。この信号は、互いに位相がずれている場合を除いて実質的に同一である。このとき、信号間の位相ずれは、センサ210、204の間隔236およびセンサ210、204と対象物との相対速度に依存している。センサ210、204の間隔236が一定であれば、位相ずれは、センサ210、204と表面310との相対速度という単一の変数に依存する。プロセッサ140は、これらの信号を分析して位相ずれを決定し、これにより表面310に対するセンサ210、204の速度および移動方向を決定することができる。速度をある時間間隔にわたって積分することで、その時間間隔における表面310に対するセンサ210、204の変位を得ることができる。また、速度を微分することで、表面310に対するセンサ210、204の加速度も得られる。
【0024】
スキャナ100および位置センサ200について概説してきたが、ここでさらに詳細を説明する。図2を参照して、本明細書中に記載する位置センサ200は、本明細書においてハンドヘルド式スキャナとして描かれるスキャナ100に使用されるように図示される。例示の目的において、図2は、スキャナ100の一部の側部の断面図を示しているにすぎない。図2に示すスキャナ100は、用紙であるページ300の表面310を走査する。しかしながら、スキャナ100は、他の走査対象を走査するように適応されてもよいことが理解されるはずである。また、位置センサ200をスキャナ100以外の装置に使用して表面に対するこの装置の位置を決定することができることも理解されるはずである。
【0025】
走査プロセスにおいて、スキャナ100は、表面310に接触する。用紙の表面、たとえば、表面310は、本来山谷(凸凹)が散在した形状を形成している。これらの山谷(凸部)が散在している1つの理由は、紙製品の製造時に用いられるパルプ材に起因する。山部の例として、図2には第1の山部340と第2の山部344が2つ示されている。谷部の例として、図2には第1の谷部(凹部)346および第2の谷部348が示される。後述するように、山谷により生成される表面310の識別可能な特徴は、位置センサ200により利用されてページ300の表面310に対するスキャナ100の速度、移動方向および位置を決定する。
【0026】
スキャナ100は、グライド部110と取り付け部112とを有してもよい。グライド部110は、ページ300の表面310に接触するようにしてもよい。グライド部110は、一例として、スキャナ筐体の一部としてもよく、さらに低摩擦面としてもよい。取り付け部112は、グライド部110から所定の深さ116だけスキャナ100の中に窪ませてもよい。取り付け部112は、上面118がスキャナ100の内部に面していてもよい。センサユニット202は、取り付け部112の上面118に付属されてもよい。後述するように、センサユニット202は、位置センサ200の一要素であり、スキャナ100が表面310に対して移動する際、ページ300の表面310の深さを測定するために使用される。
【0027】
センサユニット202は、第1のセンサ210および第2のセンサ204を有する単一要素としてもよい。第1のセンサ210は、第1の針252と連動する第1の変換器250を有してもよい。第1の針252は、グライド部110と取り付け部112の間の深さ116の最小長だけスキャナ100の取り付け部112を貫通してもよい。この第1の針252の長さにより、第1の針252は、ページ300の表面310と接触できる。図2において、参照線B−Bは、第1の針252の中心にあるように図示される。第1の変換器250は、第1の電気端子260と第2の電気端子262とを有してもよい。端子260、262は、第1の変換器250内にあって第1の針252の位置が第1の変換器250に対して変化するのにともなって変化する、図示されない抵抗負荷と電気的に接続されてもよい。
【0028】
第2のセンサ204は、第1のセンサ210と実質的に同一であり、第2の変換器206と、第2の針212と、第1の端子220と、第2の端子222とを有してもよい。図2において、参照線A−Aは、第2の針212の中心にあるように図示される。第2の針212は、距離236、たとえば、0.1ミリメートル第1の針252から離してもよい。特に、参照線A−Aは、参照線B−Bと距離236だけ離れてもよい。変換器と連動する針の例が、Creweらの米国特許第5,818,605号「彫刻用針の移動の高解像度検出の方法および装置(METHOD AND APPARATUS FOR HIGH RESOLUTION SENSING OF ENGRAVING STYLUS MOVEMENT)」に記載されている(この特許に開示されるすべてを引用することで本明細書の一部をなすものとする)。
【0029】
第1の変換器250に対向する第1の針252の端部は、先端部216を形成してもよい。図2の参照線B−Bは、先端部216を貫通してもよい。先端部216は、従来方式により表面310と接触し、かつこれに沿って移動する構成としてもよい。図1に示す例において、針252は、ページ300の表面310上の形状を測定するために使用されており、ここで、この形状は用紙の表面の山谷に起因する。半径が約0.005ミリメートルの点となる先端部216を有することは、本用途の最適な先端形状であることがわかっている。先端部216は、ページ300の表面310を切開するほど先鋭ではなく、また表面310の谷部に嵌合するほど丸みを帯びていない。第2の針212は、同様の先端部214を有してもよく、ここで図2の参照線A−Aが先端部214を貫通している。
【0030】
位置センサ200は、プロセッサ140と、第1の検出器126と、第2の検出器124と、第1の電源122と、第2の電源120と、をさらに備えてもよい。第1の電源122および第2の電源120は、例示の目的において別個のユニットに分離されているが、これらを単一ユニットとしてもよいことが理解されるはずである。電源120、122は、一例として、当該技術において周知の直流電源としてもよい。検出器124、126は、一例として、当該技術において周知の電流計としてもよい。
【0031】
第1の電源122は、線187により第1の変換器250の第2端子262と電気的に接続されてもよい。また、第1の電源122を、線186により第1の検出器126とも電気的に接続してもよい。第1の検出器126は、線185により第1の変換器250の第1端子260と電気的に接続されてもよく、これにより第1の変換器250、第1の検出器126および第1の電源122を経由する回路を形成している。第1の検出器126は、端子260、262を通る電流を表すデータを、データ線132を介してプロセッサ140に出力してもよい。
【0032】
第2の検出器124および第2の電源120は、第1の電源122および第1の検出器126が第1の変換器250およびプロセッサ140と連動するのと同様に、第2の変換器206およびプロセッサ140と連動されてもよい。第2の電源120は、線180により第2の変換器206の第2端子222と電気的に接続されてもよい。また、第2の電源120を、線181により第2の検出器124とも電気的に接続してもよい。第2の検出器124は、線182により第2の変換器206の第1端子220と電気的に接続されてもよい。第2の検出器124は、端子220、222を通る電流を表すデータを、データ線130を介してプロセッサ140に出力してもよい。
【0033】
位置センサ200をスキャナ100に一体化する構成を説明してきたが、次に位置センサ200の動作について説明する。以下の説明は、図3のフローチャートにより要約される。要するに、センサ204および210は、ページ300の表面310に対するそれぞれの針212および252の深さを表すデータを生成する。深さデータは、位相がずれている実質的に同一の2つのアナログ信号形式である。プロセッサ140は、これらの2つの深さ信号を受信し、信号間の位相ずれを決定し、これより時間遅延を計算する。この時間遅延は、2つの深さ信号間の時差を表す。プロセッサ140は、針212と252の距離236をこの時差で除算して、時間ずれ時におけるページ300の表面310に対するスキャナ100の平均速度が得られる。速度を所定の時間間隔にわたって積分して、この時間間隔におけるページ300に対するスキャナ100の変位が得られる。
【0034】
位置センサ200の動作を概説してきたが、次にスキャナ100内部の動作をさらに詳細に説明する。位置センサ200を組み込むスキャナ100の動作は、ページ300に対する方向350に移動するとして、本明細書中で説明される。スキャナ100は、グライド部110が表面310に接触するようにページ300の表面310に載置される。方向352の力が針212、252に僅かに作用して表面310を押圧することができる。針212および252は、グライド部110を越えて十分に延在することが可能であるため、ページ300の表面310の谷部に接触し得る。針212、252がどの谷部にも接触できるように十分に延在することは重要ではないが、位置センサ200の精度は、針212、252が接触し得ない谷部の数と比例して低下する。この精度の低下は、変換器206、250が、これらの接触し得ない谷部の深さについての不正確なデータを出力することに起因する。
【0035】
図2に示す例において、第1の針252は、ページ300の表面310と点314で交差する距離240だけ延在し、第2の針212は、表面310と点312で交差する距離230だけ延在する。第1の針252は、山部340を越え、谷部346を経由して、山部344を越え、谷部348に向かっている。したがって、第1の針252は、第1の変換器250から表面310に向かって延在して谷部348に接触しようとするところである。第2の針212は、山部340を越え、谷部346を経由して、山部344に向かっている。したがって、第2の針212は、表面310から第2の変換器206に向かって後退して山部344に接触しようとするところである。変換器206、250に対する針212、252の位置は、後述するが、位置センサ200により利用され、ページ300の表面310に対するスキャナ100の速度および位置を決定する。
【0036】
針212、252が表面310の形状を辿っていくと、変換器206、250は、変換器206、250に対する針212、252の位置を測定する。前述したように、本明細書に記載される変換器206、250は、変換器206、250に対する針212、252の位置に比例して変化する抵抗負荷を有する。第1の変換器250を参照して、第1の電源122は、線185、186および187を介して端子260から262まで電位を供給する。第1の検出器126は、本明細書では電流計として図示され、そこには大幅な電圧降下はない。端子260、262を介して第1の変換器250を流れる電流は、第1の変換器250内にある抵抗負荷の値に依存し、第1の変換器250に対する第1の針252の位置に依存する。第1の検出器126は、第1の変換器250を流れる電流を測定し、この電流を表すデータをデータ線132を介してプロセッサ140に出力する。したがって、第1の変換器250に対する表面310の深さは、第1の変換器250を流れる電流量により測定される。
【0037】
第2の変換器206を参照して、第2の電源120は、線180、181および182を介して端子220から222まで電位を供給する。第2の検出器124は、本明細書では電流計として図示され、そこには大幅な電圧降下はない。端子220、222を介して第2の変換器206を流れる電流は、第2の変換器206内にある抵抗負荷の値に依存し、第2の変換器206に対する第2の針212の位置に依存する。第2の検出器124は、第2の変換器206を流れる電流を測定し、この電流を表すデータをデータ線130を介してプロセッサ140に出力する。したがって、第1の変換器250に対する表面310の深さは、第1の変換器250を流れる電流量により測定される。
【0038】
検出器124、126からプロセッサ140に出力されたデータは、アナログ信号またはアナログ信号のディジタル表現形式とすることができる。さらに詳細を後述するように、検出器124、126により出力される信号の振幅は実質的に同一であるが、第2の検出器124により出力される信号は、第1の検出器126により出力される信号と位相ずれしている。スキャナ100が表面310に対して方向350に移動していることから、第1の検出器126からの出力は、第2の検出器124からの出力を導くが、これは、第1の針252が第2の針212をページ300の表面310の形状に沿って導くことによる。この位相ずれは、第2の検出器124により出力される信号が第1の検出器126により出力される信号に対する遅延という信号間の時差を表す。スキャナ100が方向350と反対方向に移動しようとすれば、第2の検出器124により出力される信号が、第1の検出器126により出力される信号を導く。
【0039】
図4は、図2の変換器206、250を流れる電流を時間関数として示すグラフである。波形450は、第1の変換器250を介して流れる電流を表す。波形450の実線部分は、第1の針252が通過した後の、図2の表面310の形状を表す。波形450の点線部分は、スキャナ100が表面310に対する方向350に移動し続けたときの第1の針252が通過する予定の、図2の表面310の形状を表す。実線部分と点線部分との接合点456は、図2において、表面310の点314における第1の針252の現行位置を表す。波形450は、図2において、ページ300の表面310上の山部340を表す山452を有する。波形450は、図2の表面310上の谷部346を表す谷454を有する。また、波形450は、図2の表面310上の山部344を表す別の山460も有する。
【0040】
図4は、第2の変換器206を流れる電流を時間関数として表す波形410を示す。波形410の実線部分は、第2の針212が点312と接触する前に接触した、図2のページ300の表面310の形状を表す。波形410の点線部分は、スキャナ100が方向350に移動し続けたときに第2の変換器206により測定される、図2の表面310の形状を表す。実線部分と点線部分とが接合する点416は、図2の第2の針212が表面310の点312にある状態を表す。波形410は、図2の第2の針212がページ300の表面310の山部340を通過したときに、第2の変換器206を流れる電流を表す山412を有する。波形410は、図2の第2の針212が谷部346を通過したときに、第2の変換器206を流れる電流を表す谷414を有する。
【0041】
波形410の振幅は、波形450の振幅と実質的に同一であるが、互いに位相がずれている。この位相ずれは、波形410が波形450に遅れるという、図4の時間領域図における時間遅延を表す。この遅延は、図2において、表面310の形状を測定する際に第2の針212が第1の針252に遅れることに起因する。波形410の山412および波形450の山452は、本例において、時間遅延を示すための参照として使用される。山412および452は、図2の表面310の山部340を表す。山452は時間t1で測定されたものであり、山412は時間t2で測定されたものである。t1とt2との時差はΔtである。時差Δtは、従来の方法で測定可能である。Δtを測定する際に相関を使用する例を以下に示す。時間間隔t1とt2におけるページ300の表面310に対するスキャナ100の平均速度は、以下の式を適用することにより測定可能である。
【0042】
【数1】
(式中、V(Δt)は、図2において、時間間隔Δtにわたる表面310に対するスキャナ100の平均速度であり、Dは、図2の第1の針252と第2の針212の間の距離236であり、Δtは、t1とt2との時差である)
【0043】
図2のプロセッサ140は、ページ300の表面310に対するスキャナ100の平均速度を連続的に決定し得る。経時的に算出されるこれらの平均速度は、表面310に対するスキャナ100の速度を時間関数として与える。時間関数としての速度は、所定の時間間隔にわたって積分されて、その時間間隔にわたる表面310に対するスキャナ100の変位を求める。また、選択された点における瞬間的速度および変位も周知の技術によりデータから容易に計算できる。同様に、加速度も、速度の一次の導関数を計算することにより得られる。
【0044】
図2を簡単に参照して、表面310に対するスキャナ100の移動方向は、第1の検出器126と第2の検出器124の出力間の位相ずれを分析することにより決定できる。第1の検出器126の出力が第2の検出器124の出力を導いていれば、スキャナ100は、表面310に対する方向350に移動している。第2の検出器126の出力が第2の検出器124の出力に遅れるのであれば、スキャナは、表面310に対する方向350と反対に移動している。
【0045】
再び図4を参照して、波形410、450間の位相ずれおよび対応する時間遅延を決定する多数の異なる方法が利用できる。1つの方法は、波形410、450をサンプリングし、これらをディジタル信号に変換し、該ディジタル信号を図2のプロセッサ140により処理することによる。プロセッサ140は、一例として、相関関数をディジタル信号に当てはめることで波形410、450間の時差を決定することができる。図4に示す例において、波形410、450を期間tsでサンプリングしてもよい。したがって、サンプリング頻度fsは1/tsに等しい。以下の相関関数を波形410、450に当てはめて相関関数係数Cを導く。
【0046】
【数2】
(式中、Cは相関関数係数であり、mはサンプリング回数であり、nは最大サンプリング回数であり、SAは波形450であり、SSは波形410である)
【0047】
この時点で、Cの最小値を算出するmの値である、mminの値が計算される。時間遅延(Δtまたはt2−t1)がmmintSと等しいことが、相関関数式から得られる。時間遅延が計算されると、t2とt1間の平均速度が以下のように計算される。
【0048】
【数3】
(式中、Dは、図2の距離236であり、mminはCの最小値を導き、tSはサンプリング期間である)
【0049】
再び図2を参照して、スキャナが所定の時間間隔にわたって表面310に対して移動した距離を、この所定の時間間隔にわたって表面310に対するスキャナ100の速度を積分することにより計算することができる。同様に、表面に対するスキャナ100の加速度は、この速度の導関数を計算することにより計算可能である。
【0050】
位置センサ200に関する式を説明してきたが、次にこの式を利用する例を説明する。位置センサ200が使用されると予測される用途によって、変数nが選ばれる。たとえば、高加速度または高速を要する用途では、誤差を最小限に抑えるために変数nを最小にすることが必要とされる。ハンドヘルドスキャナの場合、スキャナの最大加速度は、通常、約38.0cm(96.5インチ)/秒2である。スキャナの予測最大速度が4.7cm(12インチ)/秒であり、かつ許容誤差が期間ntsにわたって2.54cm(1インチ)の1/300であれば、0.1ミリ秒のサンプリング期間tsおよびnの値は許容誤差を満たすのに十分となることがわかっている。
【0051】
本明細書に記載の位置センサ200は、たとえばスキャナ100といった対象物の速度および1つの軸に沿った変位を決定する機能を果たす。後述するように、スキャナ100の移動がこの軸を外れると、スキャナの予め計算された速度および変位に対して修正を行う必要がある場合もある。図5は、図示しない先端部214、216に対する図示しないスキャナの方向350を示す概略図である。先端部214、216は、図5の参照線A−Aにより図示される軸上にある。理想的な状態では、方向350が参照線A−Aと平行であり、計算された速度および変位には修正を行う必要がない。
【0052】
図5に示すように方向350が参照線A−Aと平行でない場合、スキャナ100の予め計算された位置および速度に修正を加えなければならないこともある。これらに修正を加える必要があり得ることは、予め計算された速度が、図2の先端部214、216間の距離236を表面310に対する走査装置100の移動350と同一軸上で測定していることに基づいていることによる。図5において、参照線A−Aは、方向350に対する、380の符号で示される角θである。角(θ)380が増大すると、速度を計算する際の誤差がコサインθの関数として増大する。たとえば、角380が15度であると、スキャナの方向350に沿った実際の速度は、予め計算された速度の97%(100×cos(15))に等しくなる。
【0053】
製造時に上記の誤差を補正することが可能である。たとえば、図2および図5を参照して、位置センサ200が付属されたスキャナ100または他の装置が所定の距離にわたって方向350で表面上を移動しているとき、位置センサ200は、移動した距離を決定することができる。位置センサ200により測定される距離を、上記所定の距離と比較することで、位置センサ200の誤差を求めることができる。次にスケーリング係数をプロセッサ140に入力することで、測定された距離を増減させて上記の位置決定誤差を修正することができる。位置センサ200により測定される距離をスケーリング係数で乗算することで、位置センサ200が移動した距離を求めることができる。
【0054】
位置センサ200を使用する実施形態は、複数軸に沿った対象の位置および速度が要求される場合に存在し得る。図6は、参照線B−Bおよび参照線C−Cに沿ってスキャナの位置および速度を決定する際に使用される2つの位置センサ200および500を有するスキャナの上部断面図を示す。図6の位置センサ200、500は、図2の位置センサ200と同一機能を奏する。位置センサ200は、参照線B−Bに沿って速度を決定するために使用され、位置センサ500は、参照線C−Cに沿って速度を決定するために使用される。位置センサ200では、2個の針先端部214および216が参照線B−Bに沿って配設されている。位置センサ500では、2個の針先端部510および512が参照線C−Cに沿った配設されている。したがって、位置センサ200を用いて、参照線B−Bに沿った速度および位置を決定し、位置センサ500を用いて、参照線C−Cに沿った速度を決定する。任意の数の位置センサを対象物に付属させて、任意の数の方向で対象物の速度および位置を決定し得ることが理解されるはずである。
【0055】
図1を参照して、スキャナ100にいくつかの位置センサ200を付属させることで、スキャナ100の回転運動を決定することができる。図1において、スキャナ100には、2個の同一位置センサ200が取り付けられた。位置センサ200は、互いに平行な参照線D−DおよびE−Eに沿って位置決めされる。スキャナが方向354に回転する場合、位置センサ200の速度は異なり、スキャナ100が回転経路を辿ることを示す。スキャナ100は、位置センサ200の速度の相違に基づいて回転量および回転方向を容易に決定し得る。
【0056】
図2を参照して、先端部214、216の距離236は、ナイキスト基準(Nyquist criteria)を満たす必要がある場合もある。たとえば、表面310の形状が反復され、反復ごとに所定距離を有する場合、距離236は、この所定距離の1/2を下回らねばならない。そうしなければ、エイリアシング(aliasing)が発生し、プロセッサ140により測定される、第1の検出器126により出力される信号と第2の検出器124により出力される信号間に引き起こされる時差が実際の時差を下回る可能性がある。これは、次に、表面310に対するスキャナ100の移動が実際の移動より高速であることをプロセッサに表示させる。
【0057】
たとえば、位置センサ200がスキャナ100に使用されて用紙上のテキストをイメージングする場合、用紙は、さらに一例として、1ミリメートルあたり2ないし4個の山を有する場合がある。この場合、距離236が0.1ミリメートルに等しいければ、位置センサ200はプロセッサ140がエイリアシングの問題に直面することなく表面のプロフィールを精度よく決定することができる。
【0058】
位置センサ200の他の実施形態を様々な用途に適用し得る。たとえば、再び図2を参照して、位置センサ204、210を変換器206、250と連動する針212、252として本明細書中で説明してきた。位置センサ204、210には、適当な深さ測定機構(プロフィルメータということが多い)のいずれかを使用してもよい。たとえば、位置センサ204、210は、当該技術において周知の光学プロフィルメータとしてもよい。
【0059】
別の実施形態において、位置センサ200は、複数の測定装置を所定の軸に沿って取り付けたものを使用してもよい。位置センサ200により使用される深さ測定装置の数が増えるほど、深さ測定にともなう誤差が減少する。
【0060】
上述した位置センサ200は、スキャナ100に内蔵されていた。しかしながら、位置センサ200を他の装置に内蔵してもよいことが理解されるはずである。たとえば、位置センサ200は、プリントキャリッジ等を有するプリンタに使用することで、プリント中の用紙に対するプリントキャリッジの速度を決定することもできる。
【0061】
本明細書では、本発明の例示的かつ現行で好ましい実施形態を詳細に説明してきたが、発明の概念を別の形態で様々に具体化して採用してもよく、また、特許請求の範囲は、従来技術により制限されない限りかかる変形を包含すると解釈されることを意図していることが理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【図1】文書と連携されるスキャナの上部断面略図である。
【図2】文書と連携される位置センサを示す、図1のスキャナの側部断面図である。
【図3】図1の文書に対する位置センサの位置および速度を決定する方法を示すフローチャートである。
【図4】図1の位置センサの測定を示すグラフである。
【図5】位置センサの位置に対する、図1のスキャナの移動を示す概略図である。
【図6】対象物に付属可能な複数の位置センサの位置を示す概略図である。
【符号の説明】
100 対象物/スキャナ
204 第2のプロフィルメータ/第2の深さ測定装置/第2のセンサ
206 第2の変換器
210 第1のプロフィルメータ/第1の深さ測定装置/第1のセンサ
212 第2の針
214 先端部
216 先端部
236 間隔
250 第1の変換器
252 第1の針
310 表面
350 第1軸
410 第2の信号(波形)
450 第1の信号(波形)
Claims (10)
- 表面にある第1軸および該第1軸に垂直な軸に沿った対象物の位置を決定する位置検出装置であって、
前記対象物に取り付けられた第1のプロフィルメータと、前記対象物に前記第1のプロフィルメータから所定の間隔で取り付けられた第2のプロフィルメータと、前記対象物に取り付けられた第3のプロフィルメータと、前記対象物に前記第3のプロフィルメータから所定の間隔で取り付けられた第4のプロフィルメータとを備えてなり、
前記第1のプロフィルメータおよび前記第2のプロフィルメータが第2軸に沿った位置に配置され、前記第3のプロフィルメータおよび前記第4のプロフィルメータが第2軸に垂直な軸に沿った位置に配置され、前記第1軸が前記第2軸に実質的に平行であり、
前記第1のプロファイルメータおよび前記第2のプロファイルメータによって前記第1軸についての前記対象物の第1の速度を定め、
前記第3のプロファイルメータおよび前記第4のプロファイルメータによって前記第1軸に垂直な軸についての前記対象物の第2の速度を定めるものである、位置検出装置。 - 表面に対する対象物の回転運動を決定する位置検出装置であって、
前記対象物に取り付けられた第1のプロフィルメータと、前記対象物に前記第1のプロフィルメータから所定の間隔で取り付けられた第2のプロフィルメータと、前記対象物に取り付けられた第3のプロフィルメータと、前記対象物に前記第3のプロフィルメータから所定の間隔で取り付けられた第4のプロフィルメータとを備えてなり、
前記第1のプロフィルメータおよび前記第2のプロフィルメータがある軸に沿った位置に配置され、前記第3のプロフィルメータおよび前記第4のプロフィルメータが該軸に平行な別の軸に沿った位置に配置され、
前記第1のプロファイルメータおよび前記第2のプロファイルメータによって前記対象物の第1の速度を定め、
前記第3のプロファイルメータおよび前記第4のプロファイルメータによって前記対象物の第2の速度を定め、
該第1の速度と該第2の速度の相異に基づいて回転速度および回転方向を決定するものである、位置検出装置。 - 前記プロフィルメータの少なくとも1個は、変換器と連動する針を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
- 前記プロフィルメータの少なくとも1個は光学プロフィルメータであることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
- 前記第2軸に沿って配置されるプロフィルメータを3個以上備えることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
- 表面にある第1軸および該第1軸に垂直な軸に対する対象物の位置を決定する位置検出装置であって、
前記対象物に取り付けられた第1の針と連動する第1の変換器と、
前記対象物に取り付けられた第2の針と連動する第2の変換器であって、前記第1の針が前記第2の針から所定の距離を離れて配置される第2の変換器と、
前記対象物に取り付けられた第3の針と連動する第3の変換器と、
前記対象物に取り付けられた第4の針と連動する第4の変換器であって、前記第3の針が前記第4の針から所定の距離を離れて配置される第4の変換器と
を備えてなり、
前記第1の針および前記第2の針が第2軸に沿って配置されて前記表面についての第1の速度を定めるために用いられ、前記第3の針および前記第4の針が第2軸に垂直な軸に沿って配置されて前記表面についての第2の速度を定めるために用いられ、前記第1軸が前記第2軸に実質的に平行である、位置検出装置。 - 表面に対する対象物の回転運動を決定する位置検出装置であって、
前記対象物に取り付けられた第1の針と連動する第1の変換器と、
前記対象物に取り付けられた第2の針と連動する第2の変換器であって、前記第1の針が前記第2の針から所定の距離を離れて配置される第2の変換器と、
前記対象物に取り付けられた第3の針と連動する第3の変換器と、
前記対象物に取り付けられた第4の針と連動する第4の変換器であって、前記第3の針が前記第4の針から所定の距離を離れて配置される第4の変換器と
を備えてなり、
前記第1の針および前記第2の針がある軸に沿って配置されて前記表面についての第1の速度を定めるために用いられ、前記第3の針および前記第4の針が該軸に平行な他の軸に沿って配置されて前記表面についての第2の速度を定めるために用いられ、該第1の速度と該第2の速度の相異に基づいて回転速度および回転方向を決定するものである、位置検出装置。 - 前記第1の針は、第1部分および第2部分を有する細長い部材であり、前記第1部分が前記第1の変換器と連動され、前記第2部分が先端部を形成することを特徴とする請求項6または7に記載の位置検出装置。
- 前記第1の変換器および前記第2の変換器と連動し、前記第3の変換器および前記第4の変換器と連動するプロセッサをさらに備えることを特徴とする請求項6または7に記載の位置検出装置。
- 前記プロセッサが、前記第1の変換器から第1の信号を受信し、前記第2の変換器から前記第1の信号に対して時間がずれた第2の信号を受信して、第1の時間ずれを得るようになっており、前記第3の変換器から第3の信号を受信し、前記第4の変換器から前記第3の信号に対して時間がずれた第4の信号を受信して、第2の時間ずれを得るようになっており、前記第1の信号および前記第2の信号間の前記第1の時間ずれと、前記第3の信号および前記第4の信号間の前記第2の時間ずれとを決定するようになっており、前記第1の針と前記第2の針との前記所定の距離を前記第1の時間ずれで計算して、前記表面に対する前記対象物の前記第1の速度を決定し、前記第3の針と前記第4の針との前記所定の距離を前記第2の時間ずれで計算して、前記表面に対する前記対象物の前記第2の速度を決定するようになっていることを特徴とする請求項9記載の位置検出装置。
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