JP2013004135A - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ Download PDF

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Abstract

【課題】外部接続基板と容易かつ確実に接合することができるサスペンション用基板を提供する。
【解決手段】サスペンション用基板は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた金属支持層20と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線層30と、を備えている。このうち配線層30は、複数の配線31と、各配線31に接続され、外部接続基板の外部端子に接合可能な接続端子33と、を有している。金属支持層20は、テール部3に設けられ、金属開口部21を含む金属枠体部22を有し、接続端子33は、金属開口部21上で並列配置されて、金属開口部21に露出している。金属枠体部22において、接続端子33の並列方向の延長線上の少なくとも一方の側に、金属切欠部23が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブに係り、とりわけ、外部接続基板と容易かつ確実に接合することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブに関する。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み取りを行う磁気ヘッドスライダが実装されたサスペンション用基板を備えている。このようなサスペンション用基板は、磁気ヘッドスライダが実装されるヘッド部から、外部接続基板(FPC基板、フレキシブルプリント基板)が接合されるテール部に延びるように形成されており、金属支持層と、金属支持層に絶縁層を介して積層された複数の配線を有する配線層と、を備えている。各配線に電気信号を流すことにより、ディスクに対してデータの書き込みまたは読み取りが行われるようになっている。
サスペンション用基板のテール部には、上述したように、FPC基板が接合されるようになっている。すなわち、サスペンション用基板のテール部には、各配線に接続された接続端子(フライングリード)が設けられており、各フライングリードが、金属支持層および絶縁層に形成された開口部に露出し、この開口部を介して、各フライングリードが、FPC基板のFPC端子に超音波接合または半田接合されるようになっている(例えば、特許文献1乃至5参照)。
特開2007−173362号公報 特開2007−173363号公報 特開2007−172697号公報 特開2006−049751号公報 特開2010−272178号公報
しかしながら、特許文献1においては、フライングリードをFPC端子に超音波接合させる際、ボンディングツールを、フライングリードを横切る方向に移動させている。このことにより、フライングリードとFPC端子との接合作業の効率を向上させることが困難になっている。
また、特許文献2、4および5においては、フライングリードが露出している開口部の周囲に、金属支持層が形成されていない。このことにより、フライングリードの周囲構造の強度が低下し、サスペンション用基板の製造時に変形が生じて、フライングリードとFPC基板のFPC端子との接合が困難になるという問題がある。
また、特許文献3においては、FPC端子に突部を設けているが、この場合、FPC端子の形成が困難になるという問題がある。
さらに、特許文献5には、フライングリードが露出している開口部の周囲に、金属薄板が形成されている例が示されている。しかしながら、この場合、フライングリードが露出している開口部が、金属薄板によって囲まれるため、FPC端子との接合時に、ボンディングツールと金属薄板とが干渉し、フライングリードとFPC端子との接合が困難になるという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、外部接続基板と容易かつ確実に接合することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブを提供することを目的とする。
本発明は、ヘッドスライダが実装されるヘッド部から、外部接続基板が接合されるテール部に延びるサスペンション用基板において、絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層であって、複数の配線と、前記配線の各々に接続され、前記外部接続基板の外部端子に接合可能な接続端子と、を有する前記配線層と、を備え、前記金属支持層は、前記テール部に設けられ、金属開口部を含む金属枠体部を有し、前記接続端子は、前記金属開口部上で並列配置されて、前記金属開口部に露出しており、前記金属枠体部において、前記接続端子の並列方向の延長線上の少なくとも一方の側に、金属切欠部が設けられていることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
上述した本発明によれば、金属枠体部において、接続端子の並列方向の延長線上の少なくとも一方の側に、金属切欠部が設けられている。このことにより、サスペンション用基板のテール部を外部接続基板に接合する際、接続端子を外部接続基板の外部端子に接合するためのボンディングツールが、外部端子に対して多少位置ずれした場合であっても、金属枠体部に干渉することを防止できる。また、金属枠体部によって、テール部の構造強度を確保することができ、テール部が変形することを防止できる。このため、接続端子を外部接続基板の外部端子に容易かつ確実に接合することができる。
なお、上述したサスペンション用基板においては、前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向に沿って並列しており、前記金属切欠部は、前記接続端子に対して前記ヘッド部とは反対側に配置されている、ことが好ましい。このことにより、複数のサスペンション用基板がフレームに連結された状態で作製されて、このフレームから断裁して個々のサスペンション用基板が得られる場合には、サスペンション用基板がフレームに連結された状態において、金属切欠部の周囲領域を、フレームによって支持することができる。このため、金属切欠部によってボンディングツールが金属枠体部に干渉することを防止できると共に、製造時におけるテール部の構造強度を確保することができる。
また、上述したサスペンション用基板においては、前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向に沿って並列しており、前記金属切欠部は、前記接続端子に対して前記ヘッド部の側に配置されている、ことが好ましい。この場合、前記絶縁層は、前記接続端子の前記ヘッド部の側に配置された前記金属切欠部を覆う絶縁覆部を有している、ことが更に好ましい。このことにより、金属切欠部によってボンディングツールが金属枠体部に干渉することを防止できると共に、絶縁覆部によって、金属切欠部の周囲領域を補強することができ、テール部の構造強度を確保することができる。
また、上述したサスペンション用基板においては、前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向に沿って並列しており、前記金属切欠部は、前記接続端子の両側に配置されている、ことが好ましい。この場合、前記絶縁層は、前記接続端子の前記ヘッド部の側に配置された前記金属切欠部を覆う絶縁覆部を有している、ことが更に好ましい。このことにより、接続端子の両側に金属切欠部が配置されるため、ボンディングツールが金属枠体部に干渉することをより一層防止できる。また、絶縁覆部によって、金属切欠部の周囲領域を補強することができ、テール部の構造強度を確保することができる。
また、上述したサスペンション用基板においては、前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向とは直交する方向に沿って並列しており、前記金属切欠部は、前記接続端子の少なくとも一方の側に配置されている、ことが好ましい。このことにより、接続端子が、サスペンション用基板の延びる方向に直交する方向に沿って並列されている場合においても、ボンディングツールが金属枠体部に干渉することを防止すると共に、テール部の構造強度を確保することができる。
また、上述したサスペンション用基板においては、前記金属切欠部は、平面視で、前記金属枠体部を貫通するように形成されている、ことが好ましい。このことにより、ボンディングツールが金属枠体部に干渉することをより一層防止できる。
また、上述したサスペンション用基板においては、前記金属開口部は、前記接続端子の並列方向に沿って矩形状に形成されており、前記接続端子の並列方向に直交する方向における前記金属切欠部の切欠寸法は、当該方向における前記金属開口部の幅寸法と同一である、ことが好ましい。このことにより、ボンディングツールが金属枠体部に干渉することをより一層防止できる。
また、上述したサスペンション用基板においては、前記金属開口部は、前記接続端子の並列方向に沿って矩形状に形成されており、前記接続端子の並列方向に直交する方向における前記金属切欠部の切欠寸法は、当該方向における前記金属開口部の幅寸法より小さい、ことが好ましい。このことにより、ボンディングツールが金属枠体部に干渉することをより一層防止できる。また、金属切欠部の切欠寸法が、金属開口部の幅寸法より小さいことから、テール部の構造強度をより一層確保することができる。
また、上述したサスペンション用基板においては、前記金属切欠部は、平面視で、前記金属開口部に向かって開口するように凹状に形成されている、ことが好ましい。このことにより、ボンディングツールが金属枠体部に干渉することを防止できる。また、金属切欠部が凹状に形成されていることから、テール部の構造強度をより一層確保することができる。
本発明は、ベースプレートと、前記ベースプレートに、ロードビームを介して取り付けられた上述のサスペンション用基板と、を備えたことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明は、上述のサスペンションと、サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンションを提供する。
本発明は、上述のヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、外部接続基板と容易かつ確実に接合することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板の一例を示す平面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板において、テール部を示す平面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板において、金属枠体部を示す平面図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンションの一例を示す平面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクドライブの一例を示す斜視図である。 図7(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板において、フライングリードをFPC基板のFPC端子に接合する方法を説明する図であって、フライングリードの並列方向に沿った断面構造を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板において、フライングリードをFPC基板のFPC端子に接合する方法を説明する平面図である。 図9(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板において、金属枠体部の変形例を示す平面図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板において、テール部を示す平面図である。 図11は、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板において、テール部を示す平面図である。 図12は、本発明の第4の実施の形態におけるサスペンション用基板において、テール部を示す平面図である。
第1の実施の形態
図1乃至図9を用いて、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1に示すように、サスペンション用基板1は、後述するヘッドスライダ(図5参照)112が実装されるヘッド部2から、FPC基板(外部接続基板、フレキシブルプリント基板)131が実装されるテール部3に延びるように形成されている。なお、本実施の形態におけるヘッド部2は、実装されるヘッドスライダ112に接続されるヘッド端子32に近接した領域を意味し、テール部3は、FPC基板131に接続される後述するフライングリード33に近接した領域を意味している。
図1および図7に示すように、サスペンション用基板1は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた金属支持層20と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線層30と、を備えている。このうち配線層30は、読取配線および書込配線を含む複数の配線31と、各配線31に接続され、FPC基板131(図7参照)のFPC端子(外部端子)133に接合可能な矩形状のフライングリード(接続端子)33と、を有している。なお、各フライングリード33には、さらに試験線34が接続されており、サスペンション用基板1の製造時に、各配線31の導通検査などを行うことができるようになっている。
図1乃至図3に示すように、金属支持層20は、テール部3に設けられ、金属開口部21を含む金属枠体部22を有している。また、絶縁層10には、金属開口部21に対応するように絶縁開口部11が設けられている。金属開口部21および絶縁開口部11上で、フライングリード33は、サスペンション用基板1の延びる方向に沿って並列配置され(縦並列タイプ)、金属開口部21および絶縁開口部11に露出している。すなわち、本実施の形態においては、テール部3は、図1および図2に示すように、サスペンション用基板1の延びる方向に沿って細長状に延びるように矩形状に形成されており、金属開口部21および絶縁開口部11が、テール部3の長手方向に沿って矩形状に形成され、これら金属開口部21および絶縁開口部11上で、フライングリード33が、テール部3の長手方向に沿って並列配置されている。
金属枠体部22において、フライングリード33の並列方向の延長線上の少なくとも一方の側に、金属切欠部23が設けられている。図2および図3に示すように、金属切欠部23は、フライングリード33に対してヘッド部4とは反対側に配置されており、平面視で、金属枠体部22を貫通するように形成されている。フライングリード33の長手方向(並列方向に直交する方向)における金属切欠部23の切欠寸法(図3に示すA寸法)は、当該長手方向における金属開口部21の幅寸法(図3に示すB寸法)と同一となっており、結果として、本実施の形態における金属枠体部22は、U字状に形成されている。なお、同一とは、当然のことながら、厳密な意味での同一という意味ではなく、金属枠体部22の形状がU字状とみなすことができる程度に金属切欠部23が形成されている場合を含む概念として用いている。また、絶縁層10には、金属切欠部23に対応するように形成された絶縁切欠部12が設けられており、絶縁層10は、テール部3において、金属枠体部22と同様にしてU字状に形成されている。
ところで、図1に示すサスペンション用基板1は、複数のサスペンション用基板1がフレーム50(図2において、その一部のみを示す)に連結された状態で作製されて、このフレーム50から断裁して得られるようになっている。そして、図2に示すように、サスペンション用基板1とフレーム50との間の断裁領域においては、断裁カッター(図示せず)の摩耗を低減するために、金属支持層20が切り欠かれて形成された断裁溝51が設けられている。本実施の形態における金属切欠部23は、この断裁溝51に連通している。
また、絶縁層10上には、図1および図2に示す配線層30の配線31および試験線34を覆い、配線31および試験線34の腐食を防止するための保護層40(図7参照)が設けられている。なお、図1および図2においては、図面を明瞭にするために、保護層40は省略している。
次に、各構成部材について詳細に述べる。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ8μm〜10μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層20と各配線31との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
配線31は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、配線31の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、配線31の厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ9μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、配線31の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、試験線34は、配線31と同一の材料および同一の厚みからなっている。
ヘッド端子32およびフライングリード33は、配線31と同一の材料および同一の厚みからなっており、それぞれの露出された部分に金めっきが施されている。
金属支持層20の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、好ましくはステンレスを用いることが好適である。金属支持層20の厚さは、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜20μmとすることができる。このことにより、金属支持層20の導電性、剛性、および弾力性を確保することができる。
保護層40の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層40の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。
次に、図4により、本実施の形態におけるサスペンション101について説明する。図4に示すサスペンション101は、ベースプレート102と、ベースプレート102上に取り付けられ、サスペンション用基板1の金属支持層20を保持するロードビーム103と、ロードビーム103に取り付けられたサスペンション用基板1と、を備えている。
続いて、図5により、本実施の形態におけるヘッド付サスペンション111について説明する。図5に示すヘッド付サスペンション111は、上述したサスペンション101と、サスペンション用基板1のヘッド部2に実装されたヘッドスライダ112と、を備えている。
次に、図6により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ121について説明する。図6に示すハードディスクドライブ121は、ケース122と、このケース122に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク123と、このディスク123を回転させるスピンドルモータ124と、ディスク123に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク123に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うヘッドスライダ112を含むヘッド付サスペンション111と、を備えている。このうちヘッド付サスペンション111は、ケース122に対して移動自在に取り付けられており、ケース122にはヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112をディスク123上に沿って移動させるボイスコイルモータ125が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション111は、ボイスコイルモータ125にアーム126を介して取り付けられると共に、ハードディスクドライブ121を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板131(図7参照)に接合されている。すなわち、サスペンション用基板1のフライングリード33に、FPC基板131の絶縁板133上に設けられたFPC端子132が接合されて、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、制御部とヘッドスライダ112との間で伝送されるようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態におけるサスペンション用基板1をサブトラクティブ法により製造する場合、まず、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた金属支持層20と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線層30と、を有する積層体(図示せず)を準備する。続いて、配線層30が、所望の形状にエッチングされて、配線31、ヘッド端子32、フライングリード33および試験線34が形成される。次に、絶縁層10上に、各配線31および試験線34を覆う保護層40が形成されて、絶縁層10が所望の形状にエッチングされる。この際、テール部3において、絶縁層10が切り欠かれて絶縁開口部11および絶縁切欠部12が形成される。その後、金属支持層20がエッチングされて、金属開口部21を含む金属枠体部22および金属切欠部23が形成される。このようにして、本実施の形態におけるサスペンション用基板1が得られる。なお、サスペンション用基板1は、アディティブ法により製造してもよい。
得られたサスペンション用基板1に、ベースプレート102およびロードビーム103が溶接により取り付けられて本実施の形態によるサスペンション101が得られる。このサスペンション101のヘッド部2に、ヘッドスライダ112が実装されて、図5に示すヘッド付きサスペンション111が得られる。
図5に示すヘッド付きサスペンション111がアーム126に取り付けられると共に、サスペンション用基板1のテール部3にFPC基板131が接合されて、図6に示すハードディスクドライブ121が得られる。
サスペンション用基板1にFPC基板131を接合する場合、まず、サスペンション用基板1のフライングリード33に対向するように、FPC基板131のFPC端子132が位置合わせされる。続いて、図7(a)に示すように、ボンディングツール60が超音波振動しながらフライングリード33の上面に当接し、フライングリード33を下方(FPC端子132の側)へ押圧する。この際、フライングリード33は、柔軟性を有しているため、ボンディングツール60からの押圧力を受けて変形する。また、ボンディングツール60は、図8に示すように、複数のフライングリード33を一度に超音波接合可能な矩形状の断面を有しており、その長手方向が、フライングリード33の並列方向に沿うようにフライングリード33に押し当てられる。次に、ボンディングツール60がフライングリード33を押圧することにより、図7(b)に示すように、フライングリード33がFPC端子132に当接する。その後、フライングリード33とFPC端子132との界面に超音波振動が伝播し、フライングリード33とFPC端子132とが超音波接合される。このようにして、サスペンション用基板1のテール部3に、FPC基板131が接合される。
図6に示すハードディスクドライブ121においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、ボイスコイルモータ125によりヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112がディスク123上に沿って移動し、スピンドルモータ124により回転しているディスク123に所望のフライングハイトを保って近接する。このことにより、ヘッドスライダ112とディスク123との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、制御部とヘッドスライダ112との間で電気信号が伝送される。このうち、サスペンション用基板1においては、ヘッド端子32とフライングリード33とに接続された各配線31により電気信号が伝送される。
このように本実施の形態によれば、金属枠体部22において、フライングリード33の並列方向の延長線上の少なくとも一方の側に、金属切欠部23が設けられている。このことにより、フライングリード33をFPC基板131のFPC端子132に接合する際、ボンディングツール60が金属切欠部23の方向に位置ずれした場合であっても、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することを防止できる。また、金属枠体部22によって、テール部3の構造強度を確保することができる。このため、フライングリード33をFPC端子132に容易かつ確実に接合することができる。また、金属切欠部23が設けられることにより、より大きなサイズのボンディングツール60を用いることもでき、フライングリード33の個数によらずにボンディングツール60を兼用することも可能となる。
また、本実施の形態によれば、金属切欠部23は、フライングリード33に対して、ヘッド部2とは反対側に配置されている。このことにより、サスペンション用基板1を製造する際、サスペンション用基板1がフレーム50に連結された状態においては、金属切欠部23の周囲領域を、断裁溝51を介して配置されたフレーム50によって支持することができる。このため、製造時におけるテール部3の構造強度を確保することができ、テール部3が変形することを防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、金属切欠部23は、平面視で、金属枠体部22を貫通するように形成されて、金属枠体部22がU字状に形成されている。このことにより、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することをより一層防止できる。また、金属切欠部23に対応するように絶縁切欠部12が設けられていることにより、ボンディングツール60が絶縁層10に干渉することをも防止できる。このため、フライングリード33をFPC端子132に容易かつ確実に接合することができる。
なお、本実施の形態においては、金属切欠部23の切欠寸法が、金属開口部21の幅寸法と同一である例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、図9(a)に示すように、金属切欠部23の切欠寸法(図9(a)におけるA寸法)が、金属開口部21の幅寸法(図9(b)におけるB寸法)より小さくなるようにしてもよい。この場合、テール部3の構造強度を増大させることができる。また、図9(b)に示すように、金属切欠部23が、平面視で、金属開口部21に向かって開口するように、凹状かつ円弧状に形成されていてもよい。この場合、金属切欠部23が、金属枠体部22を貫通することがないため、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することを防止しながら、テール部3の構造強度を増大させることができる。
第2の実施の形態
次に、図10により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。
図10に示す第2の実施の形態においては、金属切欠部が、接続端子に対してヘッド部側に配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図10において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態においては、金属切欠部23は、フライングリード33に対してヘッド部2側に配置されており、金属枠体部22は、U字状に形成されている。
また、絶縁層10は、フライングリード33のヘッド部2側に配置された金属切欠部23を覆う絶縁覆部13を有している。すなわち、金属切欠部23上に、絶縁覆部13が設けられている。なお、絶縁層10には、図2に示すような絶縁切欠部12は設けられておらず、絶縁層10は、テール部3において、矩形状に形成されている。なお、図示しないが、絶縁覆部13上において、ボンディングツール60との干渉を回避可能な位置に、フライングリード33からヘッド端子32に延びる配線31を配置させてもよい。
このように本実施の形態によれば、フライングリード33をFPC基板131のFPC端子132に接合する際、ボンディングツール60が金属切欠部23の方向に位置ずれした場合であっても、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することを防止できる。また、金属枠体部22によって、テール部3の構造強度を確保することができる。このため、フライングリード33をFPC端子132に容易かつ確実に接合することができる。
また、本実施の形態によれば、金属切欠部23が絶縁覆部13によって覆われているため、金属切欠部23によって分断された金属枠体部22の部分を、絶縁覆部13によって連結させることができる。このことにより、金属切欠部23の周囲領域を補強することができ、テール部3の構造強度を増大させることができる。なお、ボンディングツール60が絶縁層10に干渉した場合であっても、絶縁層10を撓ませることにより、フライングリード33をFPC端子132に容易かつ確実に接合することができる。
第3の実施の形態
次に、図11により、本発明の第3の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。
図11に示す第3の実施の形態においては、金属切欠部が、接続端子の両側に配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図11において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示すように、本実施の形態においては、金属切欠部23が、フライングリード33の両側に配置されている。この結果として、本実施の形態における金属切欠部23は、フライングリード33の長手方向の両側に設けられた一対の金属枠体部分22aからなっている。
また、絶縁層10は、フライングリード33のヘッド部2側に配置された金属切欠部23を覆う絶縁覆部13を有している。すなわち、ヘッド部2側の金属切欠部23上に、絶縁覆部13が設けられている。また、絶縁層10には、ヘッド部2とは反対側の金属切欠部23に対応するように形成された絶縁切欠部12が設けられており、絶縁層10は、テール部3において、U字状に形成されている。
このように本実施の形態によれば、フライングリード33をFPC基板131のFPC端子132に接合する際、ボンディングツール60がフライングリード33の並列方向のいずれかに位置ずれした場合であっても、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することをより一層防止できる。また、フライングリード33の長手方向の両側に配置された一対の金属枠体部分22aからなる金属枠体部22によって、テール部3の構造強度を確保することができる。このため、フライングリード33をFPC端子132に容易かつ確実に接合することができる。
また、本実施の形態によれば、ヘッド部2側の金属切欠部23が絶縁覆部13によって覆われているため、ヘッド部2側の金属切欠部23によって分断された金属枠体部22の部分を、絶縁覆部13によって連結させることができる。このことにより、ヘッド部2側の金属切欠部23の周囲領域を補強することができ、テール部3の構造強度を増大させることができる。なお、ボンディングツール60が絶縁層10に干渉した場合であっても、絶縁層10を撓ませることにより、フライングリード33をFPC端子132に確実に接合することができる。
第4の実施の形態
次に、図12により、本発明の第4の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。
図12に示す第4の実施の形態においては、接続端子が、サスペンション用基板の延びる方向とは直交する方向に沿って並列している点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図12において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、本実施の形態においては、フライングリード33は、サスペンション用基板1の延びる方向とは直交する方向に沿って並列配置されている(横並列タイプ)。すなわち、本実施の形態においては、テール部3は、サスペンション用基板1の延びる方向に沿って細長状に延びるように矩形状に形成されており、フライングリード33は、テール部3の長手方向に直交する方向に沿って並列配置されている。
金属切欠部23は、フライングリード33の一方の側(図12においてはフライングリード33の左側)に配置されており、平面視で、金属枠体部22を貫通するように形成されている。この金属切欠部23の切欠寸法(図12に示すA寸法)は、金属開口部21の幅寸法(図12に示すB寸法)より小さくなっており、結果として、本実施の形態における金属枠体部22は、C字状に形成されている。また、絶縁層10は、テール部3に設けられ、互いに分断されたヘッド部側の絶縁層部分14およびテール部側の絶縁層部分15を有しており、これらの絶縁層部分14、15の間に、絶縁開口部11が形成されると共に、金属切欠部23に対応するように絶縁切欠部12が形成されている。
このように本実施の形態によれば、フライングリード33をFPC基板131のFPC端子132に接合する際、ボンディングツール60が金属切欠部23の方向に位置ずれした場合であっても、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することを防止できる。また、金属枠体部22によって、テール部3の構造強度を確保することができる。このため、フライングリード33をFPC端子132に容易かつ確実に接合することができる。
なお、本実施の形態においては、金属切欠部23が、図12において、フライングリード33の左側に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、金属切欠部23は、フライングリード33の右側に配置されていてもよい。この場合においても、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することを防止できると共に、テール部3の構造強度を確保することができる。さらには、金属切欠部23が、フライングリード33の両側に配置されていてもよい。この場合には、ボンディングツール60が金属枠体部22に干渉することをより一層防止できる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
1 サスペンション用基板
2 ヘッド部
3 テール部
10 絶縁層
11 絶縁開口部
12 絶縁切欠部
13 絶縁覆部
14 ヘッド部側の絶縁層部分
15 テール部側の絶縁層部分
20 金属支持層
21 金属開口部
22 金属枠体部
22a 金属枠体部分
23 金属切欠部
30 配線層
31 配線
32 ヘッド端子
33 フライングリード
34 試験線
40 保護層
50 フレーム
51 断裁溝
60 ボンディングツール
101 サスペンション
102 ベースプレート
103 ロードビーム
111 ヘッド付サスペンション
112 ヘッドスライダ
121 ハードディスクドライブ
122 ケース
123 ディスク
124 スピンドルモータ
125 ボイスコイルモータ
126 アーム
131 FPC基板
132 FPC端子
133 絶縁板

Claims (13)

  1. ヘッドスライダが実装されるヘッド部から、外部接続基板が接合されるテール部に延びるサスペンション用基板において、
    絶縁層と、
    前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、
    前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層であって、複数の配線と、前記配線の各々に接続され、前記外部接続基板の外部端子に接合可能な接続端子と、を有する前記配線層と、を備え、
    前記金属支持層は、前記テール部に設けられ、金属開口部を含む金属枠体部を有し、
    前記接続端子は、前記金属開口部上で並列配置されて、前記金属開口部に露出しており、
    前記金属枠体部において、前記接続端子の並列方向の延長線上の少なくとも一方の側に、金属切欠部が設けられていることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向に沿って並列しており、
    前記金属切欠部は、前記接続端子に対して前記ヘッド部とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向に沿って並列しており、
    前記金属切欠部は、前記接続端子に対して前記ヘッド部の側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向に沿って並列しており、
    前記金属切欠部は、前記接続端子の両側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  5. 前記絶縁層は、前記接続端子の前記ヘッド部の側に配置された前記金属切欠部を覆う絶縁覆部を有していることを特徴とする請求項3または4に記載のサスペンション用基板。
  6. 前記接続端子は、当該サスペンション用基板の延びる方向とは直交する方向に沿って並列しており、
    前記金属切欠部は、前記接続端子の少なくとも一方の側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  7. 前記金属切欠部は、平面視で、前記金属枠体部を貫通するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  8. 前記金属開口部は、前記接続端子の並列方向に沿って矩形状に形成されており、
    前記接続端子の並列方向に直交する方向における前記金属切欠部の切欠寸法は、当該方向における前記金属開口部の幅寸法と同一であることを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用基板。
  9. 前記金属開口部は、前記接続端子の並列方向に沿って矩形状に形成されており、
    前記接続端子の並列方向に直交する方向における前記金属切欠部の切欠寸法は、当該方向における前記金属開口部の幅寸法より小さいことを特徴とする請求項7に記載のサスペンション用基板。
  10. 前記金属切欠部は、平面視で、前記金属開口部に向かって開口するように凹状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  11. ベースプレートと、
    前記ベースプレートに、ロードビームを介して取り付けられた請求項1乃至10のいずれかに記載の前記サスペンション用基板と、を備えたことを特徴とするサスペンション。
  12. 請求項11に記載の前記サスペンションと、
    前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンション。
  13. 請求項12に記載の前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブ。
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