JP2013002092A - 削孔速度の距離減衰評価方法及びそれを用いたトンネル切羽の前方探査方法 - Google Patents

削孔速度の距離減衰評価方法及びそれを用いたトンネル切羽の前方探査方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 掘削深度が大きい場合であっても、地山の良否を適切に判定する。
【解決手段】本発明に係る削孔速度の距離減衰評価方法においては、まず、第1の削孔現場においてノンコア先進ボーリングマシン等の削孔機22をトンネル21内に配置し、該削孔機を用いて切羽23の前方地山24に対するノンコア削孔を行うとともに、そのときの削孔速度Vを計測する(ステップ101)。ノンコア削孔が完了したならば、その経路に沿ったトンネル21の掘進を行いながら、その掘進の進行に伴ってトンネル21内に順次露出してくる切羽23′を適当な間隔ごとに逐次観察する(ステップ102)。次に、切羽23′の観察結果に基づいて地山の性状が一定であるとみなし得るトンネル区間を距離減衰算出区間として決定し(ステップ103)、次いで、その区間における単位距離あたりの削孔速度Vの低下量を距離減衰比として評価する(ステップ104)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として山岳トンネルの地山を掘削する際に採用される削孔速度の距離減衰評価方法及びそれを用いたトンネル切羽の前方探査方法に関する。
山岳トンネルを掘削するにあたり、切羽前方に拡がる地山の性状を適切かつ高い精度で把握することは、支保工及び補助工を含めた掘削工事全体を効率よくかつ安全に進めていく上で非常に重要である。
トンネル切羽前方探査を行う技術として、ドリルジャンボ(パーカッション型削孔機)やノンコア先進ボーリングマシン(ロータリー・パーカッション型削孔機)を利用したノンコア削孔による穿孔探査が知られている。
これらの削孔機は、打撃ピストンで発生させた打撃エネルギーをロッドを介して先端の掘削ビットに伝達し、該掘削ビットで岩盤を削孔するようになっているが、削孔の際、削孔速度(掘進速度)、フィード圧(給進力)、打撃数、打撃エネルギーといった削孔パラメータを計測できるようになっており、これらのうち、削孔速度の大小、あるいは削孔速度、打撃数、打撃エネルギーなどから算出される削孔エネルギーの大小から前方地山の良否を判断することができる。
ここで、上述の方法においては、削孔速度は、フィード圧、すなわち削孔機のロッドを地山に押し付ける圧力に左右されるため、地山を客観的に評価するには、フィード圧を一定にする必要があるところ、地山によっては、フィード圧を一定に維持することが難しい。
この場合、フィード圧の変動の影響が削孔速度に含まれてしまうため、地山の良否を適切に判定できなくなる懸念があるが、本出願人は、フィード圧Fの変動量ΔFと削孔速度Vの変動量ΔVとの間には相関関係があることに着眼し、この相関関係から回帰分析を行って相関曲線を作成するとともに、該相関曲線にフィード圧の変動量ΔFを適用して削孔速度Vの変動量ΔVを算出することにより、フィード圧の変動を考慮した形で削孔速度を修正することに成功した(特許文献1)。
特開2008−156824号公報
「長尺さく孔におけるさく孔深さの影響」(「資源と素材」、vol.120,p146-151(2004)) 「さく孔深さの影響を考慮した長尺さく孔データと岩盤特性の関係に関する検討」(「資源と素材」、vol.120,p508-514(2004))
上述した手法によれば、フィード圧の変動を考慮した形で削孔速度を求めることができるので、前方地山の良否判定における信頼性を高めることが可能となり、50m程度を掘進する油圧ジャンボでは、実際のトンネル探査においてもその有用性が確認されている。
一方、ノンコア削孔による穿孔探査では、長さ数mのロッド部材を継ぎ足して全体のロッドを構成するようになっているため、例えばノンコア先進ボーリングマシンを用いて150〜200m先を前方探査するときには、継ぎ足されるロッド部材の本数が多くなる。
そのため、ロッド部材同士の連結箇所で消費される打撃エネルギーのロスやロッドと孔壁との摩擦が大きくなり、削孔速度の低下、いわゆる距離減衰が無視できなくなる。
すなわち、掘削深度が大きくなると、計測される削孔速度に距離減衰による変動要因が含まれることとなり、例えば削孔機側で削孔速度が小さく計測された場合、地山が良好であるのか、それとも本来は地山が良好ではないのに、距離減衰のために小さくなっているだけなのかを明確に区別することができないという問題を生じていた。ちなみに、距離減衰による削孔速度変動の問題を確率論的手法に基づいて処理する試みがなされているが、実用性には問題が残る。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、掘削深度が大きい場合であっても、地山の良否を適切に判定することが可能な削孔速度の距離減衰評価方法及びそれを用いたトンネル切羽の前方探査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る削孔速度の距離減衰評価方法は請求項1に記載したように、第1の削孔現場において前方地山に対しノンコア削孔を行いつつそのときの削孔速度Vを計測するとともに、該ノンコア削孔が行われた経路に沿うトンネル掘削を行いながら切羽の観察を行い、掘削完了後、前記切羽の観察結果に基づいて地山の性状が一定であるとみなし得るトンネル区間を距離減衰算出区間として決定し、該距離減衰算出区間における単位距離あたりの前記削孔速度の低下量を距離減衰比Δkとして評価するものである。
また、本発明に係るトンネル切羽の前方探査方法は、第2の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときの削孔速度Vを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
V′=V+L・Δk
V ;ノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度Vが得られたときの掘削深度
V′;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′を算出するものである。
また、本発明に係るトンネル切羽の前方探査方法は、第3の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F1と削孔速度V1とを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
V′1=V1+L・Δk
1 ;ノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度V1が得られたときの掘削深度
V′1;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′1を算出し、前記フィード圧F1の変動量ΔF1と該変動量に対応する前記削孔速度V′1の変動量ΔV′1とを回帰分析して相関曲線を作成するものである。
また、本発明に係るトンネル切羽の前方探査方法は、第4の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F2と削孔速度V2とを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
V′2=V2+L・Δk
2 ;ノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度V2が得られたときの掘削深度
V′2;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′2を算出し、前記フィード圧F2の基準フィード圧からの差分ΔF2を算出して該差分ΔF2を請求項3記載の相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′2を算出し、該変動量を前記削孔速度V′2に加算又は減算して修正削孔速度V′2Rを算出するものである。
また、本発明に係るトンネル切羽の前方探査方法は、請求項4記載の修正削孔速度V′2Rを、それらの値が0から1となるように正規化して正規化削孔速度比V′2Nを算出し、前記正規化削孔速度比V′2N及びそのばらつきを前記第4の削孔現場の地山区分に対応付けることで地山区分評価テーブルを作成するものである。
また、本発明に係るトンネル切羽の前方探査方法は、第5の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F3と削孔速度V3とを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
V′3=V3+L・Δk
3 ;ノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度V3が得られたときの掘削深度
V′3;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′3を算出し、前記フィード圧F3の基準フィード圧からの差分ΔF3を算出し、前記差分ΔF3を、請求項3記載の相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′3を算出し、該変動量を前記削孔速度V′3に加算又は減算して修正削孔速度V′3Rを算出し、前記修正削孔速度V′3Rを、それらの値が0から1となるように正規化して正規化削孔速度比V′3Nを算出し、該正規化削孔速度比及びそのばらつきを、請求項5記載の地山区分評価テーブルに適用することで、前記第5の削孔現場における地山区分を推測するものである。
前方地山が遠くなるにつれて削孔速度が低下する問題は上述したように、ロッド部材の連結箇所におけるエネルギー消費やロッドと孔壁との摩擦が原因となっているが、本出願人は、そのような原因状況をシュミレーションしたり確率論的手法で処理するのではなく、ノンコア削孔で得られた削孔速度がそもそも地山の良否を示す指標であることに立ち戻り、トンネル切羽の観察結果とその切羽の前方地山に対して行われたノンコア削孔時の削孔速度とを互いに関連付けることに着眼したものである。
すなわち、本発明に係る削孔速度の距離減衰評価方法においては、まず、第1の削孔現場において前方地山に対しノンコア削孔を行いつつそのときの削孔速度を計測するとともに、該ノンコア削孔が行われた経路に沿うトンネル掘削を行いながら切羽の観察を行う。
トンネル掘削は、基本的にはノンコア削孔完了後に行われるが、例えば削孔機の据付位置を定位置のまま維持することで、切羽が前進してもノンコア掘削深度に影響がないのであれば、必ずしもノンコア削孔の作業完了を待たずに、ノンコア削孔を追いかけるように行ってもかまわない。
切羽を観察する手法としては、ハンマー打撃による圧縮強度の推定、風化変質、割れ目の状態や頻度あるいは方向性、湧水、水による劣化などを評価項目とし、必要に応じてそれらの評価項目に重み付けを行った後、総合的な評価点を付けるといった方法が考えられる。
トンネル掘削及びそれに伴う切羽の観察が完了したならば、次に、切羽の観察結果に基づいて地山の性状が一定であるとみなし得るトンネル区間を距離減衰算出区間として決定する。
削孔速度は言うまでもなく地山の良否を示す指標であって、それゆえ距離減衰という変動要因が仮にないとすれば、地山性状が一定である限り、掘削深度が大きくなってもその値に変化はないはずである。逆に言えば、地山の性状が一定であるのに削孔速度が変化したということであれば、その変化は、距離減衰に起因するものであると考えることができる。
上述した距離減衰算出区間の決定プロセスはかかる考え方を実践するための前作業であって、地山の性状が一定である範囲を見つけ出し、その範囲における削孔速度の低下割合を評価することによって、距離減衰を定量的に把握することが可能となる。
距離減衰算出区間の決定は、切羽の観察を例えば上述した評価点方式で行った場合であれば、横軸に距離(掘削深度)を、縦軸に評価点をとってプロットしたグラフを用いることで、適切に行うことができる。
距離減衰算出区間が決定されたならば、次に、その区間における単位距離あたりの削孔速度の低下量を距離減衰比として評価する。すなわち、距離減衰算出区間が定まれば、計測された削孔速度データと照合することにより、その区間内における削孔速度の変化がわかるので、その変化の度合いから単位距離あたりの削孔速度の低下量を算出すればよい。
例えば距離減衰算出区間の区間長が200m、その区間にわたる削孔速度の低下量が0.5m/minであれば、上述した距離減衰比Δkは、
Δk=0.0025m/min・m
となる。
ここで、距離減衰比Δkは、ロッド部材同士の連結箇所におけるエネルギーロス、ロッドと孔壁との摩擦その他ロッドに起因した削孔速度の単位低下量であって、地山の良否の影響は除外されている。
そのため、第2の削孔現場においてノンコア削孔を行う際、そのロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッドの仕様に合わせるようにすれば、該距離減衰比を第2の削孔現場における地山にも適用することが可能となり、次式、
V′=V+L・Δk
V ;第2の削孔現場で得られたノンコア削孔の削孔速度
L ;削孔速度Vが得られたときの掘削深度
V′;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することで、距離減衰で補正された削孔速度V′を算出することができる。
ロッドの仕様には、継ぎ足されるロッド部材の長さなどのロッド長に関連した仕様や、ロッドの外径などの孔壁との摩擦に関連した仕様が含まれる。
ここで、距離減衰比Δkは上述したように地山に依存しない値であるため、あらたに削孔速度の補正が行われる削孔現場が、距離減衰比Δkを算出した削孔現場と異なるかどうかは問わないが、説明の便宜のため、以下、距離減衰比Δkが算出された削孔現場を第1の削孔現場、あらたに削孔速度の距離減衰補正を行いたい削孔現場を第2の削孔現場と呼ぶことにする。
距離減衰比Δkは、ノンコア削孔で計測された削孔速度を距離減衰補正するものであるとともに、削孔速度そのものは、従来から地山の良否を判定する指標として知られているため、距離減衰比Δkを用いた削孔速度補正をトンネル切羽の前方探査手法としてそのまま採用することが可能であるが、フィード圧の変動による削孔速度への影響を考慮すべく、フィード圧の変動量と該変動量に対応する削孔速度の変動量とを関連付けた相関曲線を作成し、その相関曲線を用いて削孔速度を修正し、その修正削孔速度を用いて地山区分評価テーブルを作成し、あるいはそれらから地山区分を推測する場合には、それぞれ上述した距離減衰補正を行うことができる。
すなわち、上述した相関曲線を作成するには、まず、第3の削孔現場でノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F1と削孔速度V1とを計測し、そのときの削孔速度V1を上述した距離減衰比Δkを用いて補正し、これを削孔速度V′1とした後、フィード圧F1の変動量ΔF1と該変動量に対応する削孔速度V′1の変動量ΔV′1とを回帰分析して相関曲線を作成すればよい。
このようにすれば、削孔速度が距離減衰で補正された上、相関曲線が作成されるため、フィード圧の変動による削孔速度への影響をさらに適切に評価することが可能となる。
相関曲線が作成される削孔現場についても、第1の削孔現場や第2の削孔現場との異同は不問であるが、説明の便宜上、以下、第3の削孔現場と呼ぶことにする。
また、上述の相関曲線を用いて削孔速度を修正するには、まず、ノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F2と削孔速度V2とを計測し、そのときの削孔速度V2を上述した距離減衰比Δkを用いて補正し、これを削孔速度V′2とするとともに、フィード圧F2の基準フィード圧からの差分ΔF2を算出して該差分ΔF2を、第3の削孔現場で作成された相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′2を算出した後、該変動量を削孔速度V′2に加算又は減算して修正削孔速度V′2Rを算出する。
このようにすれば、距離減衰で補正された削孔速度に相関曲線で得られた変動量が加算あるいは減算されるため、修正削孔速度の信頼性が格段に向上する。
修正削孔速度V′2Rが算出される削孔現場についても、第1乃至第3の削孔現場との異同は不問であるが、説明の便宜上、以下、第4の削孔現場と呼ぶことにする。
ここで、修正削孔速度V′2Rを、それらの値が0から1となるように正規化して正規化削孔速度比V′2Nを算出し、該正規化削孔速度比V′2N及びそのばらつきを第4の削孔現場の地山区分に対応付けることで地山区分評価テーブルを作成しておけば、距離減衰で補正された削孔速度に基づいて正規化削孔速度比V′2Nが算出されるため、地山区分評価テーブルの信頼性が向上するとともに、後述する第5の削孔現場で地山区分を適切に予測することが可能となる。
また、第5の削孔現場で地山区分を予測するには、まず、ノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F3と削孔速度V3とを計測し、そのときの削孔速度V3を上述した距離減衰比Δkを用いて補正し、これを削孔速度V′3とするとともに、フィード圧F3の基準フィード圧からの差分ΔF3を算出して該差分ΔF3を、第3の削孔現場で作成された相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′3を算出する。
次に、変動量ΔV′3を削孔速度V′3に加算又は減算して修正削孔速度V′3Rを算出する。
次に、修正削孔速度V′3Rを、それらの値が0から1となるように正規化して正規化削孔速度比V′3Nを算出し、該正規化削孔速度比及びそのばらつきを、第4の削孔現場で作成された地山区分評価テーブルに適用することで、第5の削孔現場における地山区分を推測する。
このようにすれば、距離減衰で補正された削孔速度に基づいて正規化削孔速度比V′3Nが作成されるため、地山区分評価テーブルに適用する際の精度が高くなり、その結果、地山区分の推測結果に対する信頼性が格段に向上する。
なお、地山区分が推測される削孔現場についても、第1乃至第4の削孔現場との異同は不問であるが、説明の便宜上、第5の削孔現場と呼ぶことにする。
第1実施形態に係る削孔速度の距離減衰評価方法の実施手順を示したフローチャート。 同じくそれが適用される地山での作業を示した側面図。 ノンコア削孔で得られた削孔速度を示したグラフであり、(a)は補正前の削孔速度Vを切羽の観察結果とともに示したグラフ、(b)は補正後の削孔速度V′を補正前の削孔速度Vとともに示したグラフ。 第2実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャート。 第3実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャート。 フィード圧の変動量とそれに対応する削孔速度の変動量との相関関係を示したグラフ。 第4実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャート。 第5実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャート。
以下、本発明に係る削孔速度の距離減衰評価方法及びそれを用いたトンネル切羽の前方探査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る削孔速度の距離減衰評価方法の実施手順を示したフローチャート、図2はそれが適用される第1の削孔現場での作業を示した側面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る削孔速度の距離減衰評価方法においては、まず、第1の削孔現場においてノンコア先進ボーリングマシン等の削孔機22をトンネル21内に配置し、該削孔機を用いて切羽23の前方地山24に対するノンコア削孔を行うとともに、そのときの削孔速度Vを計測する(ステップ101)。
削孔機22は、ロッド25の基端側に衝撃力を加えることで、該ロッドの先端に設けられた掘削ビットで地山を掘削するようになっている。
ノンコア削孔を行うにあたっては、例えば150〜200m先までの前方地山を対象とし、削孔機22に備えられたセンサーから削孔速度Vを取得するとともに、該削孔速度を、それが得られたときのロッド25の先端における基準位置からの距離LS(掘削深度)とともに、図示しないパソコン等の演算処理装置にデータ保存しておく。
ノンコア削孔が完了したならば、その経路に沿ったトンネル21の掘進を行いながら、その掘進の進行に伴ってトンネル21内に順次露出してくる切羽23′を適当な間隔ごとに逐次観察する(ステップ102)。
切羽23′の観察は、ハンマー打撃による圧縮強度の推定、風化変質、割れ目の状態や頻度あるいは方向性、湧水、水による劣化などを評価項目として行うとともに、それらの評価項目に重み付けを行った後、総合的な評価点を付ける形で行う。切羽23′の観察結果は、それが得られたときの基準位置からの切羽の距離LKとともに、演算処理装置にデータ保存しておく。
トンネル掘削及びそれに伴う切羽の観察が完了したならば、次に、切羽23′の観察結果に基づいて地山の性状が一定であるとみなし得るトンネル区間を距離減衰算出区間として決定する(ステップ103)。
図3(a)は、ノンコア削孔で得られた削孔速度Vを切羽23′の観察結果とともに示したグラフであり、基準位置からの距離を横軸にとってある。
距離減衰算出区間を決定するにあたっては、切羽23′ごとに得られた評価点(右側縦軸)が概ね同等の値である範囲として行う。同図の例においては、90mから190mの範囲で切羽評価点が概ね同等であると考え、この区間を上述の距離減衰算出区間とする。
距離減衰算出区間が決定されたならば、次に、その区間における単位距離あたりの削孔速度Vの低下量を距離減衰比として評価する(ステップ104)。
削孔速度Vの低下量は、例えば距離減衰算出区間における削孔速度Vの実測データを最小二乗法等で直線近似し、その直線近似データの低下量として算出することが可能であり、図3(a)の例では、距離減衰算出区間における削孔速度Vの低下量が、0.25m/minと算出することができるので、単位距離あたりの削孔速度Vの低下量、すなわち距離減衰比Δkは、
距離減衰比Δk=0.25m/min/100m
=0.0025m/min・m
となる。
図3(b)は、補正後の削孔速度V′を補正前の削孔速度Vとともに示したグラフである。ここで、補正前の削孔速度Vは、例えば150m以遠で値がかなり小さくなっているものの、その理由が距離減衰によるものなのか、それとも実際に地山が良好であるのか不明であり、あるいは85mあたりの地山と95mあたりの地山とでは、性状にどの程度差があるのか不明であるが、補正後の削孔速度V′においては距離減衰の影響が除かれているため、150m以遠においても、150m手前の地山と概ね同等の性状であることや、85mあたりの地山と95mあたりの地山とでは概ね同等の性状であることがわかる。
以上説明したように、本実施形態に係る削孔速度の距離減衰評価方法によれば、地山の性状が一定である範囲を定めてこれを距離減衰算出区間とし、その範囲における単位距離あたりの削孔速度Vの低下量を距離減衰比Δkとして把握することが可能となる。すなわち、削孔速度Vに距離減衰という変動要因がないと仮定した場合、地山性状が一定である限り、掘削深度が大きくなってもその値に変化はないはずであり、それゆえ、地山の性状が一定である範囲において削孔速度Vの変化量を調べれば、削孔深度Vにおける距離減衰を定量的に把握することができる。
また、本実施形態に係る削孔速度の距離減衰評価方法によれば、地山の性状が一定であるとみなし得るトンネル区間を切羽の観察結果に基づいて定めるようにしたので、実用性に優れた有用な手法となり得る。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャートである。同図に示すように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法においては、まず、第2の削孔現場においてノンコア先進ボーリングマシン等の削孔機22をトンネル21内に配置し、該削孔機を用いて切羽23の前方地山24に対するノンコア削孔を行うとともに、そのときの削孔速度Vを計測する(ステップ111)。計測を行う様子については、第2の削孔現場で行う点を除き、第1実施形態で説明した図2と同様であるので、ここでは図面を省略する。
ノンコア削孔を行うにあたっては、削孔機22のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせる。
次に、削孔速度V及び距離減衰比Δkを、次式、
V′=V+L・Δk
V ;第2の削孔現場で得られたノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度Vが得られたときの掘削深度
V′;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′を算出する(ステップ112)。
以上説明したように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法によれば、ノンコア削孔を行う際のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせることにより、第1の削孔現場とは異なる第2の削孔現場において、距離減衰比Δkを用いた削孔速度Vの距離減衰補正が可能となる。
すなわち、第1実施形態に係る削孔速度の距離減衰評価方法で算出された距離減衰比Δkは、ロッド25の連結箇所におけるエネルギーロス、ロッド25と孔壁との摩擦その他ロッド25に起因するものであって、地山の良否の影響は除外されている。
そのため、距離減衰補正をあらたに行おうとする第2の削孔現場における削孔機22のロッドの仕様を、第1の削孔現場において距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせるようにすれば、第2の削孔現場で得られた削孔速度に対する距離減衰補正が可能となり、かくして従来不可能であった削孔速度の距離減衰補正を定量的かつ汎用的に行うことが可能となる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャートである。同図に示すように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法においては、まず、第3の削孔現場においてノンコア先進ボーリングマシン等の削孔機22をトンネル21内に配置し、該削孔機を用いて切羽23の前方地山24に対するノンコア削孔を行うとともに、そのときの削孔速度V1とフィード圧F1を計測する(ステップ121)。計測を行う様子については、第3の削孔現場で行う点を除き、第1実施形態で説明した図2と同様であるので、ここでは図面を省略する。
ノンコア削孔を行うにあたっては、削孔機22のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせる。
次に、削孔速度V1及び距離減衰比Δkを、次式、
V′1=V1+L・Δk
1 ;第3の削孔現場で得られたノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度V1が得られたときの掘削深度
V′1;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′1を算出する(ステップ122)。
次に、フィード圧F1の変動量ΔF1と該変動量に対応する削孔速度V′1の変動量ΔV′1とを回帰分析して相関曲線を作成する(ステップ123)。
図6は、得られた相関曲線の一例を示したものであって、該相関曲線に示されたフィード圧F1の変動量ΔF1と該変動量に対応する削孔速度V′1の変動量ΔV′1との関係は、任意の地山に適用することができるため、別の削孔現場でノンコア削孔を行う際、削孔速度及びフィード圧を計測し、該フィード圧の基準フィード圧からの差分ΔFを本実施形態の相関曲線に適用することで削孔速度の変動量ΔVを求め、該変動量を、計測された削孔速度に加算又は減算することで、フィード圧の変動が考慮された修正削孔速度を算出するとともに、該修正削孔速度で切羽前方の地山性状を推定することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法によれば、ノンコア削孔を行う際のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせることにより、第1の削孔現場とは異なる第3の削孔現場において、距離減衰比Δkで補正された削孔速度Vで相関曲線を作成することが可能となる。
そのため、削孔速度に関し、距離減衰補正に加えて、フィード圧の変動による修正を行うことが可能となり、切羽前方の地山性状をより的確に予測することが可能となる。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャートである。同図に示すように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法においては、まず、第4の削孔現場においてノンコア先進ボーリングマシン等の削孔機22をトンネル21内に配置し、該削孔機を用いて切羽23の前方地山24に対するノンコア削孔を行うとともに、そのときの削孔速度V2とフィード圧F2を計測する(ステップ131)。計測を行う様子については、第4の削孔現場で行う点を除き、第1実施形態で説明した図2と同様であるので、ここでは図面を省略する。
ノンコア削孔を行うにあたっては、削孔機22のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせる。
次に、削孔速度V2及び距離減衰比Δkを、次式、
V′2=V2+L・Δk
2 ;第4の削孔現場で得られたノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度V2が得られたときの掘削深度
V′2;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′2を算出する(ステップ132)。
次に、フィード圧F2の基準フィード圧からの差分ΔF2を算出して該差分ΔF2を第3実施形態の相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′2を算出した後、該変動量を削孔速度V′2に加算又は減算して修正削孔速度V′2Rを算出する(ステップ133)。
ここで、計測されたフィード圧F2が基準フィード圧よりも大きい場合には、削孔速度V′2は、基準フィード圧の下では減少すると考えて、削孔速度の変動量ΔV′2を削孔速度V′2から減じ、計測されたフィード圧F2が基準フィード圧よりも小さい場合には、削孔速度V′2は、基準フィード圧の下では増加すると考えて、削孔速度の変動量ΔV′2を削孔速度V′2に加えることで、それぞれ修正削孔速度V′2Rを求めればよい。
また、以下のステップをさらに実施することで、地山区分評価テーブルを作成することができる。すなわち、修正削孔速度V′2Rから最大値及び最小値を抽出し、これらの値を参考に上限閾値および下限閾値を設定する(ステップ134)。
次に、設定した閾値の範囲内に収まっている修正削孔速度V′2Rを対象とし、次式に定義される正規化削孔速度比V′2Nを求める(ステップ135)。
V′2N=(修正削孔速度V′2R―下限閾値)/(上限閾値―下限閾値)
例えば、上限閾値を2,000cm/min、下限閾値を−1,000cm/minとすれば、
V′2N=(修正削孔速度V′2R+1000)/3000
となる。ちなみに、上述した手順で正規化を行えば、正規化削孔速度比V′2Nは、各値が0から1の範囲に入ることとなる。
次に、正規化削孔速度比V′2N及びそのばらつき(ノイズの大小。ばらつきが少ない場合には岩盤の性状が比較的均質であり、ばらつきが多い場合には比較的不均質である)を、第4の削孔現場の地山区分に対応付けることで、地山区分評価テーブルを作成する(ステップ136)。
正規化削孔速度比V′2Nのばらつきは、例えば所定区間ごとの値が0.05の変動幅に収まっている場合には小さく(Noiseless)、収まっていない場合には大きい(Noisey)と判断することができる。
Figure 2013002092
作成された地山区分評価テーブルを表1に示す。
以上説明したように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法によれば、ノンコア削孔を行う際のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせることにより、第1の削孔現場とは異なる第4の削孔現場において、距離減衰比Δkで補正された削孔速度Vでフィード圧変動が考慮された修正削孔速度V′2Rを算出するとともに、該修正削孔速度を用いて地山区分評価テーブルを作成することができる。
すなわち、削孔速度に関し、距離減衰補正に加えて、フィード圧の変動による修正がなされたものを得ることができるとともに、距離減衰補正及びフィード圧変動修正がなされた地山区分評価テーブルを作成することが可能となり、切羽前方の地山性状をより的確に予測することが可能となる。
(第5実施形態)
図8は、第5実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法の実施手順を示したフローチャートである。同図に示すように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法においては、まず、第5の削孔現場においてノンコア先進ボーリングマシン等の削孔機22をトンネル21内に配置し、該削孔機を用いて切羽23の前方地山24に対するノンコア削孔を行うとともに、そのときの削孔速度V3とフィード圧F3を計測する(ステップ141)。計測を行う様子については、第5の削孔現場で行う点を除き、第1実施形態で説明した図2と同様であるので、ここでは図面を省略する。
ノンコア削孔を行うにあたっては、削孔機22のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせる。
次に、削孔速度V3及び距離減衰比Δkを、次式、
V′3=V3+L・Δk
3 ;第5の削孔現場で得られたノンコア削孔における削孔速度
L ;削孔速度V3が得られたときの掘削深度
V′3;距離減衰で補正された削孔速度
に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′3を算出する(ステップ142)。
次に、フィード圧F3の基準フィード圧からの差分ΔF3を算出して該差分ΔF3を第3実施形態の相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′3を算出した後、該変動量を削孔速度V′3に加算又は減算して修正削孔速度V′3Rを算出する(ステップ143)。
次に、修正削孔速度V′3Rから最大値及び最小値を抽出し、これらの値を参考に上限閾値および下限閾値を設定する(ステップ144)。
次に、設定した閾値の範囲内に収まっている修正削孔速度V′3Rを対象とし、以下に定義される正規化削孔速度比V′3Nを求める(ステップ145)。
3N=(修正削孔速度V′3R―下限閾値)/(上限閾値―下限閾値)
例えば、上限閾値を2,000cm/min、下限閾値を−1,000cm/minとすれば、
V′3N=(修正削孔速度V′3R+1000)/3000
となる。ちなみに、上述した手順で正規化を行えば、正規化削孔速度比V′3Nは、各値が0から1の範囲に入ることとなる。
次に、正規化削孔速度比V′3Nのばらつきが小さいか(Noiseless)、大きいか(Noisey)を第4実施形態と同様に判別する(ステップ146)。
次に、得られた正規化削孔速度比V′3Nのばらつきを、第4実施形態の手順で作成された地山区分評価テーブルに照合し、第5の削孔現場における地山区分を評価する(ステップ147)。
以上説明したように、本実施形態に係るトンネル切羽の前方探査方法によれば、ノンコア削孔を行う際のロッドの仕様を、距離減衰比Δkが算出されたときのロッド25の仕様に合わせることにより、第1の削孔現場とは異なる第5の削孔現場において、距離減衰比Δkで補正された削孔速度Vでフィード圧変動が考慮された修正削孔速度V′3Rを算出するとともに、該修正削孔速度を用いて地山区分評価テーブルへの照合を行うことができる。
すなわち、削孔速度に関し、距離減衰補正に加えて、フィード圧の変動による修正がなされたものを得ることができるとともに、かかる削孔速度で算出された修正削孔速度V′3Rで地山区分評価テーブルとの照合を行うことが可能となり、切羽前方の地山性状をより的確に予測することが可能となる。

Claims (6)

  1. 第1の削孔現場において前方地山に対しノンコア削孔を行いつつそのときの削孔速度Vを計測するとともに、該ノンコア削孔が行われた経路に沿うトンネル掘削を行いながら切羽の観察を行い、掘削完了後、前記切羽の観察結果に基づいて地山の性状が一定であるとみなし得るトンネル区間を距離減衰算出区間として決定し、該距離減衰算出区間における単位距離あたりの前記削孔速度の低下量を距離減衰比Δkとして評価することを特徴とするノンコア削孔における削孔速度の距離減衰評価方法。
  2. 第2の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときの削孔速度Vを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
    V′=V+L・Δk
    V ;ノンコア削孔における削孔速度
    L ;削孔速度Vが得られたときの掘削深度
    V′;距離減衰で補正された削孔速度
    に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′を算出することを特徴とするトンネル切羽の前方探査方法。
  3. 第3の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F1と削孔速度V1とを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
    V′1=V1+L・Δk
    1 ;ノンコア削孔における削孔速度
    L ;削孔速度V1が得られたときの掘削深度
    V′1;距離減衰で補正された削孔速度
    に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′1を算出し、前記フィード圧F1の変動量ΔF1と該変動量に対応する前記削孔速度V′1の変動量ΔV′1とを回帰分析して相関曲線を作成することを特徴とするトンネル切羽の前方探査方法。
  4. 第4の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F2と削孔速度V2とを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
    V′2=V2+L・Δk
    2 ;ノンコア削孔における削孔速度
    L ;削孔速度V2が得られたときの掘削深度
    V′2;距離減衰で補正された削孔速度
    に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′2を算出し、前記フィード圧F2の基準フィード圧からの差分ΔF2を算出して該差分ΔF2を請求項3記載の相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′2を算出し、該変動量を前記削孔速度V′2に加算又は減算して修正削孔速度V′2Rを算出することを特徴とするトンネル切羽の前方探査方法。
  5. 請求項4記載の修正削孔速度V′2Rを、それらの値が0から1となるように正規化して正規化削孔速度比V′2Nを算出し、前記正規化削孔速度比V′2N及びそのばらつきを前記第4の削孔現場の地山区分に対応付けることで地山区分評価テーブルを作成することを特徴とするトンネル切羽の前方探査方法。
  6. 第5の削孔現場においてノンコア削孔を行いつつそのときのフィード圧F3と削孔速度V3とを計測し、該削孔速度及び請求項1記載の距離減衰比Δkを、次式、
    V′3=V3+L・Δk
    3 ;ノンコア削孔における削孔速度
    L ;削孔速度V3が得られたときの掘削深度
    V′3;距離減衰で補正された削孔速度
    に代入することにより、距離減衰で補正された削孔速度V′3を算出し、前記フィード圧F3の基準フィード圧からの差分ΔF3を算出し、前記差分ΔF3を、請求項3記載の相関曲線に適用することにより、削孔速度の変動量ΔV′3を算出し、該変動量を前記削孔速度V′3に加算又は減算して修正削孔速度V′3Rを算出し、前記修正削孔速度V′3Rを、それらの値が0から1となるように正規化して正規化削孔速度比V′3Nを算出し、該正規化削孔速度比及びそのばらつきを、請求項5記載の地山区分評価テーブルに適用することで、前記第5の削孔現場における地山区分を推測することを特徴とするトンネル切羽の前方探査方法。
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