JP2013127180A - 岩盤性状の予測方法および予測システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 実質に近い削孔エネルギーを評価でき、岩盤性状を高い精度で予測できる方法およびシステムを提供する。
【解決手段】 この方法は、削岩機を用いて岩盤を掘削し、計測装置により岩盤の掘削時における削岩機の油圧を計測し、計測された油圧の油圧データの入力に応答して、情報処理装置により油圧データから削岩機が掘削に要したエネルギーを計算し、そのエネルギーを掘削体積で除して掘削体積比エネルギーを算出する。そして、情報処理装置によりデータ記憶部に蓄積された複数の岩盤強度のデータおよび掘削体積比エネルギーを岩盤強度で除して得られた複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを用い、無次元化掘削体積比エネルギーと岩盤強度との関係を表すグラフまたは回帰式を生成し、算出された掘削体積比エネルギーと、生成されたグラフまたは回帰式とを用いて、岩盤の岩盤強度を予測する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、削岩機による削孔時に得られる油圧データに基づき、削岩機で発生するエネルギー損失量を評価し、実質の削孔に消費されるエネルギーに依拠した岩盤強度を求めることにより岩盤性状を予測する方法およびその方法を実施するために用いられるシステムに関する。
硬い岩盤や土壌を掘削するために掘削機が用いられている。この掘削機には、自由断面掘削機やTBM(Tunnel Boring Machine)等の回転破砕方式の掘削機と、削岩機等の打撃破砕方式の掘削機とがある。回転破砕方式の掘削機は、岩盤掘削に回転エネルギーが比較的ロスなく消費されるため、掘削機の仕事量から求められる掘削体積比エネルギーと岩盤強度との間には良好な関係があることが知られている。
ここで、掘削体積比エネルギーとは、岩盤性状の評価指標として用いられるもので、掘削に要したエネルギーを掘削体積で除した値である。この掘削体積比エネルギーは、同一条件下の掘削では岩盤の強度特性により変化するものとされている。
打撃破砕方式の掘削機では、ビットの岩着状況や岩盤特性等の種々の条件により、その掘削機の発生エネルギーに対する岩盤破砕に消費されるエネルギーの割合(削孔効率)が複雑に変化する。このため、削孔時の掘削体積比エネルギーから岩盤強度をより正確に見積もるためには、削孔効率と岩盤特性との関係を把握することが重要となる。
従来から掘削に際し、地質を的確に評価し、その性状を予測することが行われている。これは、施工を進める上で極めて重要なことである。その評価や予測に関し、従来から様々な手法が提案されている。
例えば、油圧式パーカッションドリルによって削孔する際の削孔速度や打撃エネルギー等が岩盤の強度や亀裂の多少によって変化することから、事前に試験削孔して岩盤等級毎の破壊エネルギーを確率・統計的手法を用いて把握し、破壊エネルギーをパラメータとして岩盤評価を行い、その破壊エネルギーの分布を解析して原位置に即した切羽前方地質を予測する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、探査すべき岩盤を油圧式削岩機によって穿孔した際に、単位体積当たりの岩盤を穿孔するのに要したエネルギー量を示す穿孔エネルギーを穿孔距離に対応して算出し、その穿孔エネルギーに基づき、地質の性状を予測する方法も提案されている(特許文献2参照)。
この方法では、穿孔時間に対応した穿孔距離と、穿孔された孔の孔断面積と、穿孔時に打撃を与える油圧シリンダ装置における打撃圧としての油圧と、その油圧シリンダ装置の受圧面積と、その油圧シリンダ装置のピストンストロークとを求め、その受圧面積と、ピストンストロークと、打撃圧とから打撃エネルギーを、打撃圧より単位時間当たりの打撃数をそれぞれ算出するとともに、穿孔距離の変化量を時間で除算することにより穿孔速度を算出し、打撃エネルギーと打撃数と穿孔速度と孔断面積とから穿孔エネルギーを算出する。
これらの方法は、ある一定量の岩盤穿孔に削岩機が必要としたエネルギー量を、削岩機の動作状況の測定を行って評価し、そのエネルギー量と地質の良し悪しの指標である岩盤物性値や岩盤等級等との相関性を見出すことにより、地質予測を実現している。
特開平4−161588号公報 特開2002−013381号公報
しかしながら、従来の上記方法では、削岩機の動作におけるエネルギー損失を考慮していない。実際、削岩機の動作状況から測定されるエネルギーの一部だけが穿孔に消費され、残りのエネルギーはエネルギー損失となっている。これまでに、削岩機の動作におけるエネルギー損失量が、削岩機の運転方法や装備に依存して変化することは知られている。ところが、エネルギー損失に関わる要素が多岐に渡り、体系的なエネルギー損失量を把握することは現実的ではないため、考慮することができないものとなっていた。
そのため、上記特許文献2に記載の方法では、ある一連の地質調査の間、削岩機の運転方法や装備を任意の値に固定することで、エネルギー損失量の変化を抑制し、エネルギー損失量を把握しなくても相対的な地質予測を可能にしている。この方法は、その有効性が市場に認められ、実施例が増加してきている。
その方法は、実施例が増加する一方で、すべての地質調査で削岩機の運転方法や装備を任意の値に固定することは不可能で、様々な実施例を統一的に理解するためにも、エネルギー損失量の評価が必要となってきている。また、運転方法や装備を任意の値に固定することができたとしても、穿孔する岩盤の地質の良し悪しの影響を受け、エネルギー損失量が変化する場合があることがわかってきた。
そこで、削岩機で発生するエネルギー損失量を適切に評価することができ、実際に削孔に消費されるエネルギー量に依拠した岩盤強度を算出することで地質予測精度を向上させることができる方法や、その方法を実施するためのシステムの提供が望まれていた。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、掘削体積比エネルギーを岩盤強度の予測のための指標として用い、その掘削体積比エネルギーを削孔岩盤の岩盤強度で正規化した無次元化掘削体積比エネルギーを算出し、その無次元化掘削体積比エネルギーと少なくとも削孔岩盤の岩盤強度との関係を求め、この関係を用いることで、測定された無次元化掘削体積比エネルギーのうちの削岩機で発生するエネルギー損失量を評価することができ、実際に削孔に消費されるエネルギー量に依拠した岩盤強度を求めることができることを見出し、その結果、岩盤性状を高い精度で予測することができることを見出した。
本発明は、上記のことを見出すことによりなされたものであり、上記課題は、本発明の岩盤性状の予測方法およびその予測システムを提供することにより解決することができる。
すなわち、この岩盤性状の予測方法は、削岩機を用いて岩盤を削孔するステップと、計測装置により岩盤の削孔時における削岩機の油圧を計測するステップと、計測された油圧の油圧データが入力されたことに応答して、情報処理装置により油圧データから削岩機が削孔に要したエネルギーを計算し、その削孔に要したエネルギーを掘削体積で除して掘削体積比エネルギーを算出するステップと、情報処理装置によりデータ記憶部に蓄積された複数の岩盤強度のデータおよび掘削体積比エネルギーを岩盤強度で除して得られた複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを用い、無次元化掘削体積比エネルギーと岩盤強度との関係を表すグラフを生成または回帰式を導出するステップと、算出するステップで算出された掘削体積比エネルギーと、生成されたグラフまたは導出された回帰式とを用いて、岩盤の岩盤強度を予測するステップとを含む。
上記のグラフまたは回帰式は、無次元化掘削体積比エネルギーが岩盤強度のべき乗に比例することを示すグラフまたは式である。したがって、この回帰式は、べき指数と、岩盤強度のべき乗に乗算される係数とを含むものとされる。
上記のデータ記憶部は、複数の無次元化掘削体積比エネルギーの各々と対応付けて削岩機が備える削孔のための各ビットの径のデータを格納することができる。このため、本発明の予測方法は、情報処理装置により、ビットの径と無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を表す第2グラフを生成または第2回帰式を導出するステップと、生成された第2グラフまたは導出された第2回帰式を用い、岩盤を削孔するステップで使用されるビットの径に基づき、データ記憶部に蓄積される複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを補正するステップとをさらに含むことができる。その結果、上記のグラフまたは回帰式を生成するステップでは、補正された無次元化掘削体積比エネルギーと岩盤強度との関係を表すグラフを生成または回帰式を導出することとなる。
上記第2グラフまたは第2回帰式は、前記無次元化掘削体積比エネルギーがビットの径のべき乗に比例することを示すグラフまたは式であり、回帰式は、べき指数と、掘削孔の径のべき乗に乗算される係数とを含むものとされる。
上記では、ビットの径を対象としたが、削岩機のその他の装備や運転方法を対象とし、それらのデータと、無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を示す第2グラフを生成または第2回帰式を導出し、それを用いて、実際に削孔するときの装備や運転方法に基づき、無次元化掘削体積比エネルギーのデータを補正し、それを用いて上記のグラフを生成または回帰式を導出することで、削岩機で発生するエネルギー損失量を評価でき、実質の削孔に消費されるエネルギーに依拠した岩盤強度を予測することができる。その他の装備や運転方法としては、ビットに連続するロッドの径、ロッドの長さ、ビットを岩盤に押し付ける力であるスラスト、打撃圧、打撃数等が挙げられる。
上記の予測するステップで、回帰式を用いて岩盤強度を予測する場合、その回帰式は、無次元化掘削体積比エネルギーが岩盤強度のべき乗に比例することを示す式であって、べき指数と、岩盤強度のべき乗に乗算される係数とを含むものとされる。
本発明は、上記の岩盤性状の予測方法のほか、その方法を実施するためのシステムを提供することができる。このシステムは、この方法の各ステップを実行するための削岩機と計測装置と情報処理装置とを含むものとされる。
本発明の岩盤性状の予測方法およびシステムを提供することにより、岩盤強度に関わるエネルギー損失量を除いた実質に近い削孔に消費されるエネルギーを評価することが可能となる。また、地質予測において、上記の実質に近い削孔エネルギーを用いることで、予測精度を向上させることができる。さらに、岩盤強度をより正確に予測することができるため、トンネル変形挙動の正確な予測等も可能となる。
また、本発明の方法およびシステムは、グラフや回帰式に与える無次元化掘削体積比エネルギーを補正することで、ビット径の影響も補正することができ、その他の装備や運転方法の相違の補正も可能である。
このように装備や運転方法の相違の補正を実施することで、様々な地質調査の結果を統一的に理解することができ、実施時の装備や運転方法の選定における制約が少なくなる。また、装備や運転方法とエネルギー損失量との関係を求めることで、そのエネルギー損失量において有利な装備や運転方法を提案することができる。
本発明の岩盤性状の予測方法を実施するためのシステムに用いられるドリルジャンボを例示した図。 そのシステムに用いられる計測装置の構成例を示した図。 そのシステムに用いられる情報処理装置の構成例を示した図。 そのシステムにより実行される処理の流れを示したフローチャート図。 削孔条件および試験結果を示した表。 掘削体積比エネルギーと岩盤強度との関係を示した図。 掘削体積比エネルギーとビット径との関係を示した図。 補正後の掘削体積比エネルギーと岩盤強度との関係を示した図。 図5に示す削孔条件および試験結果から生成した無次元化掘削体積比エネルギーと岩盤強度との関係を示した図。 削孔条件を示した図。 図10に示す削孔条件により試験を行い、得られた岩盤強度と無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を示した図。 図10に示す削孔条件により試験を行い、得られた岩盤強度と無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を示した図。
図1は、本発明の岩盤性状の予測方法を実施するためのシステムに用いられるドリルジャンボを示した図である。このシステムは、ドリルジャンボに加え、後述する計測装置と、情報処理装置とを含んで構成されるものである。
ドリルジャンボは、例えば、車輪で自走するジャンボホイール1を含む。ジャンボホイール1は、切羽への発破用のダイナマイトを設置するための孔や、トンネル側壁へのロックボルトを打設するための孔を、削孔する際に用いられる油圧式の削岩機2を搭載する。また、ジャンボホイール1は、台車3と、その台車3の前部に取り付けられるブーム4と、そのブーム4の先端に取り付けられるガイドシェル5とを備えている。ドリルジャンボは、ガイドシェル5の上を油圧式の削岩機2が前後に移動するように構成されている。
削岩機2は、周知のものであるため、詳述しないが、図示しないシャンクロッドと、そのシャンクロッドにスリーブを介して取り付けられるロッドと、そのロッドの先端部に取り付けられたビットとを備えている。シャンクロッドは、削岩機2のドリルヘッドからの回転力や打撃力を先端のビットに伝達する。
また、削岩機2は、シャンクロッドにピストンを衝突させてビットに打撃力を与える打撃用の油圧シリンダ装置を備えた打撃用の油圧系と、削孔時に岩盤から削岩機2に加えられる削孔反力を受けて吸収するための油圧シリンダ装置(フィードシリンダ)を備えたダンピング用の油圧系と、ビットを回転させるための回転用の油圧系とを備えている。
さらに、削岩機2は、ガイドシェル5内に配置されて削岩機2自体を前進および後退させるためのフィード用の油圧シリンダ装置を備えたフィード用の油圧系も備えている。
ブーム4は、ガイドシェル5を支承するとともに、そのガイドシェル5を移動、回転させて前方にある削岩機2のビットを所定の削孔位置に配置する。ガイドシェル5は、削岩機2の前進および後退を所定の方向に案内する。
ジャンボホイール1には、電源6と、計測装置を構成する各機器を収納するための装置ボックス7、油量計ボックス8、操作室9と、各油圧系と各油圧センサとを接続するための油圧配管10とが設置されている。油圧センサは、装置ボックス7内に収納される油圧センサボックス11内に配置されている。図1では、装置ボックス7がジャンボホイール1とは別に示されているが、装置ボックス7は、ジャンボホイール1の機能の妨げにならない屋根等の部分に搭載されるものである。
次に、図2を参照して、計測装置20について説明する。計測装置20は、ジャンボホイール1に搭載した削岩機2を用いて削孔した場合に、各種の油圧や油量を計測し、削孔距離を求めるための油量の積算等を行う。この計測装置20は、ジャンボホイール1の屋根等の部分に設置された装置ボックス7内に配置されたデータレコーダ21と、積算流量計22と、油圧センサボックス8とを含む。
また、計測装置20は、ジャンボホイール1のブーム4の基端部の近傍に設けられた油量計ボックス8内に配置された油量計23と、プレッシャスイッチ24とを含む。さらに、計測装置20は、ジャンボホイール1の操作室9内に配置された計測信号スイッチ25と、ストローク表示計26と、リセットスイッチ27とを含む。
また、計測装置20は、ジャンボホイール1の後部に設けられた電源6から配線を介して電力が供給され、装置ボックス7内に、計測装置20への電源供給をオンオフするための電源スイッチ28を備えている。
油圧センサボックス11内には、ダンピング用の油圧系における油圧を、削孔反力を示すダンピング圧として検知する油圧センサ29と、フィード用の油圧系における油圧をフィード圧力として検知する油圧センサ30と、回転用の油圧系の油圧を回転圧として検知する油圧センサ31と、打撃用の油圧系における油圧を打撃圧として検知する油圧センサ32とが配置されている。
各油圧センサ29〜32は、油圧式の削岩機2の上述した各油圧系に接続された油圧配管10により各油圧系に接続されており、各油圧系の作動時の油圧を自動的に計測することができるようになっている。
各油圧センサ29〜32からの信号線は、端子台33を介してデータレコーダ21に接続されており、油圧センサ29〜32からの油圧を示す信号は、時間経過に対応してデータレコーダ21に保存されるようになっている。したがって、データレコーダ21には、フィード圧、打撃圧、回転圧、削孔反力を示すダンピング圧が記録される。この削孔反力の測定は、油圧式の削岩機2のダンピング用の油圧系ではなく、媒体圧検出装置等を用いてもよい。この媒体圧検出装置としては、例えば、特開2000−038889号公報に記載された装置を用いることができる。
削孔距離は、周知の削孔距離の測定方法により測定することができる。その測定方法の一例として、削孔距離をフィードシリンダ12に出入する油量から計測することができる。この測定のための構成として、装置ボックス7内の積算流量計22と、油量計ボックス8内の油量計23およびプレッシャスイッチ24と、操作室9内のストローク表示計26およびリセットスイッチ27とを用い、フィードシリンダ12に出入する油量から時間経過に対応した削孔距離を計測することができる。
油量計23は、油圧ライン中を流れる圧力伝達媒体としての作動油の流量を双方向について測定可能な計測器である。その一例として、タービン流量計を用いることができる。この油圧計23は、正方向、逆方向の流量に対して判別可能な2種類の信号を備え、タービン流量計の内部のギアが一定回転する毎に、積算流量計22へパルス信号を出力する。この油圧計23は、フィードシリンダ12へ作動油を出入させる油圧系に接続される。
積算流量計22は、CPU、RAM、ROM、出入力インタフェース等から構成される。この積算流量計22は、油量計23から出力された2種類のパルス信号に対応する換算係数の積算から前進および後退におけるフィードシリンダ12内の油量変化を算出し、この油量変化とフィードシリンダ12の内径よりシリンダの伸縮長を算出し、その伸縮長から削孔距離を算出する。
プレッシャスイッチ24は、フィードシリンダ12の前室側の油圧を計測する油圧センサと、その油圧センサからの出力値が予め設定された値より大きくなった場合にリセット信号を積算流量計22に出力するスイッチとからなる。
プレッシャスイッチ24は、油圧計23により、フィードシリンダ12が前進した際に計測された油量や後退した際に計測された油量に誤差があり、フィードシリンダ12がワンストローク分だけ前進して後退した際のピストンの移動量が0にならなかった場合に、これをリセット信号により0にする。
操作室9内のストローク表示計26は、フィードシリンダ12の油量から計測される作動状態を表示する。リセットスイッチ27は、手動により、リセット信号を出力する。積算流量計22は、フィードシリンダ12のワンストローク中の削孔距離をデータレコーダ21に出力する。長距離の削孔は、フィードシリンダ12の伸縮を繰り返すことにより行われるため、削孔距離は、フィードシリンダ12のストローク距離の倍数に、ストローク中の油量により計測されたフィードシリンダ12の伸縮量に対応する削孔距離を加算したものとして求められる。
積算流量計22により算出されたフィードシリンダ12の伸縮量は、ストローク表示計26に出力され、表示される。積算流量計22により算出された削孔距離は、時間経過に応じてデータレコーダ21に保存される。操作室9内の計測信号スイッチ25は、計測の開始、停止等をデータレコーダ21等に指示する。
油圧センサ29で計測されるダンピング圧は、削孔時に岩盤から削岩機2に伝わる反力を示すもので、地質性状の予測のパラメータに用いられる。油圧センサ30で計測されるフィード圧は、削岩機2のビットを岩盤に押しつける圧力であり、岩盤の削孔時には、常にほぼ一定となるようにフィードシリンダ12が制御される。
油圧センサ31で計測される回転圧は、ビットを回転させるために加えられる圧力で、地質性状の予測のパラメータとして用いられる。油圧センサ32で計測される打撃圧は、ピストンをシャンクロッドへ衝突させるときに加える圧力で、打撃エネルギーを計算するために用いられる。削孔距離は、削孔している距離を示し、この変化量を時間で除することにより削孔速度を算出することができる。
データレコーダ21に格納されるデータは、後述する情報処理装置40において使用される。この際のデータの受け渡しは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、SDカード、USBメモリ等の記録媒体を用いて行うこともできるし、ケーブルにて接続し、ケーブルを介して行うことも可能である。
また、無線LANやBluetooth(登録商標)により無線でデータの受け渡しを行うことも可能であるし、有線にてネットワークを介してデータを受け渡すことも可能である。
情報処理装置40としては、図3に示すように、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムは、演算処理装置であるCPU41と、記憶装置であるROM42やRAM43と、補助記憶装置であるHDD44と、表示装置45であるディスプレイと、入力装置46であるマウスやキーボードとを含んで構成されている。また、コンピュータシステムは、必要に応じてネットワークに接続するための通信インタフェース47や、無線LANやBluetooth(登録商標)機能を実現するための送受信機や、CDドライブ、DVDドライブ、SDカードスロット等を備えることができる。これらは、互いにシステムバス48を介して接続され、互いにデータのやりとりを可能にしている。
情報処理装置40は、計測装置20により計測されたデータと、後述するその他のデータとから、削孔速度や掘削体積比エネルギー等を計算する。削孔速度は、掘削体積比エネルギーを求めるために必要とされる。掘削体積比エネルギーは、岩盤性状の評価指標として用いられるものである。計測されたデータは、時間経過に対応して保存されているが、これらの計測されたデータおよび計算されたデータは、時間経過に対応して保存された削孔距離のデータに基づき、削孔距離に対応するデータとして出力される。
情報処理装置40は、時間経過に対応して保存された削孔距離の単位時間当たりの変化量を削孔速度Pとして算出する。また、情報処理装置40は、計測装置20により計測された打撃圧Pと、打撃用の油圧シリンダ装置の既知のピストンストロークの長さLと、既知の打撃用の油圧シリンダ装置のピストン受圧面積Aとを用い、下記式1により削岩機2内のピストン運動エネルギーEを算出する。
続いて、情報処理装置40は、算出したピストン運動エネルギーEと、算出した削孔速度Pと、打撃圧Pから算出される単位時間当たりの打撃用の油圧シリンダ装置における打撃数bpmと、ビットの径または削孔現場での計測により得られる孔の孔断面積Aとを用い、下記式2により削孔による掘削体積比エネルギーSEを計算する。
ここで、削岩機2から発生したエネルギーが岩盤破砕へ至るまでのエネルギー変換、伝達の流れについて説明する。削岩機2は、内部において油圧駆動によりピストンで運動エネルギーEを発生する。発生した運動エネルギーEは、シャンクロッドへのピストンの衝突により弾性波エネルギーEへ変換される。
弾性波エネルギーEは、シャンクロッド中を弾性波として伝播し、ビットの先端へ弾性波エネルギーEとして伝播する。弾性波は、シャンクロッド中を伝播する際、ロッド継手(スリーブ)やロッドとビットの接合部通過時に減衰する。削孔条件やスリーブ形状によっても異なるが、スリーブ1箇所当たりの弾性波の減衰は、概ね1.5〜10%程度である。この減衰の程度は、エネルギー伝達効率ηで表される。
弾性波エネルギーEは、ビットから岩盤へ岩盤破砕エネルギーEとして伝えられ、岩盤破砕に消費される。弾性波エネルギーEの一部は、ビットの先端部において反射することから、すべてが岩盤破砕に消費されない。弾性波エネルギーEが岩盤破砕に消費される割合は、エネルギー受容効率ηで表される。
しかしながら、エネルギー受容効率ηの関わる物理現象は、ビット先端部における弾性波エネルギーの反射、ビットと岩盤のインピーダンス比だけでなく、未解明な多くの要素が複雑に関連すると考えられ、ηを原位置で定量的に見積もることは難しい。
このため、掘削体積比エネルギーの計算には、実際に岩盤破砕に使用された岩盤破砕エネルギーEではなく、運動エネルギーEが使用されている。よって、計算された掘削体積比エネルギーSEには、エネルギー伝達効率ηとエネルギー受容効率ηの総和である削孔効率の影響を含むものとなっている。
ビットや油圧等の諸条件をある程度一定にした場合であっても、削孔効率は、エネルギー受容効率ηの影響を受けて岩盤特性により変化し、それが掘削体積比エネルギーに影響する。これでは、算出された掘削体積比エネルギーから岩盤強度といった岩盤特性を正確に予測することはできない。
掘削体積比エネルギーを、岩盤強度σで除して無次元化した無次元化掘削体積比エネルギー(無次元化SE)と呼ばれる指標を用い、岩盤強度と削孔効率との関係について検討してみると、無次元化SEが岩盤強度の低下に伴い、増加する傾向を示し、岩盤強度のべき乗で表される関数となることを見出した。よって、本発明では、実験を行う等により得られ蓄積されたデータを用い、このような関係を表すグラフまたは回帰式を生成し、これらのグラフまたは回帰式と、上記式2により算出された掘削体積比エネルギーとを用いて、岩盤特性を予測する構成を採用する。なお、回帰式は、べき指数bと、岩盤強度σのべき乗に乗算される係数Cとを含むものとされ、具体的には、下記式3のように表すことができる。
図4は、岩盤性状を予測する処理の流れを示したフローチャートである。なお、このフローチャートは、1つの実施形態を示すものである。この処理は、ステップ400から開始し、ステップ410で、削岩機2を用いて岩盤を削孔する。ステップ420で、計測装置20により岩盤の削孔時における削岩機2の油圧を計測する。計測された油圧の油圧データが情報処理装置40へ入力されると、情報処理装置40が、ステップ430で、油圧データから削岩機2が削孔に要したエネルギーを上記式1により計算し、上記式2によりその削孔に要したエネルギーを掘削体積で除して掘削体積比エネルギーを算出する。
また、ステップ440で、情報処理装置40が、HDD44といったデータ記憶部に蓄積された複数の岩盤強度のデータおよび掘削体積比エネルギーを岩盤強度で除して得られた複数の無次元化SEのデータを用い、無次元化SEと岩盤強度との関係を表すグラフを生成または回帰式を導出する。
そして、ステップ450で、情報処理装置40が、ステップ430で算出した掘削体積比エネルギーと、生成されたグラフまたは導出された回帰式とを用いて、岩盤の岩盤強度を予測し、ステップ460でこの処理を終了する。ここでは、ステップ440で、グラフ生成または回帰式を導出しているが、このグラフの生成または回帰式の導出は、ステップ410〜440のいずれにおいて実行されてもよいものである。
グラフを生成または回帰式を導出する際に用いる岩盤強度のデータは、供試体ブロックを作り、一軸圧縮試験またはポイントロード試験を行うことにより、また、切羽岩盤についてポイントロード試験(点載荷試験)やロックシュミットハンマー試験を行うことにより、さらには、人工的に作成された岩盤について針貫入試験を行うことにより得ることができる。このため、上記システムは、これらの試験を行うための強度測定装置をさらに含むことができる。
また、岩盤強度のデータは、各種文献や公知の強度換算式から得ることも可能である。無次元化SEのデータは、削孔試験を行い、得られた各種データや文献等のデータを用い、上記式1および2により掘削体積比エネルギーを算出し、その掘削体積比エネルギーを岩盤強度で除することにより得ることができる。
情報処理装置40は、ステップ430〜ステップ450の処理を実施するために、CPU41にこれらの処理を実行させるためのプログラムをHDD44等に格納する。情報処理装置40は、HDD44からそのプログラムをRAMに読み出し、CPU41が実行することにより、掘削体積比エネルギー算出部として機能して上記ステップ430を実行し、グラフ生成または回帰式導出部として機能して上記ステップ440を実行し、岩盤強度予測部として機能して上記ステップ450を実行することができる。
上記の削孔効率は、岩盤特性により変化するが、削孔条件によっても変化する。このため、削孔効率は、ビットの仕様、ロッドの仕様、スラスト(削孔時にビットを岩盤に押し付ける力)、打撃圧、打撃数、削岩機2の機種等によっても変化する。このため、上記式2により算出された掘削体積比エネルギーを岩盤強度で除して得られる無次元化SEを、これらに応じて補正することにより、これらの変化に対しても対応可能なようにする。ここでは一例として、ビット径の相違のみについて取り上げるが、その他も同様にして対応可能であることに留意されたい。
例えば、HDD44といったデータ記憶部は、複数の無次元化SEの各々と対応付けて削岩機2が備える削孔のための各ビットの径Dのデータを格納することができる。このため、情報処理装置40は、そのデータを用いて、ビットの径Dと無次元化SEとの関係を表す第2グラフを生成または第2回帰式を導出することができる。ここでは第2グラフおよび第2回帰式という語を用いているが、これは上記グラフおよび回帰式と区別するためである。
ビット径Dと無次元化SEとの関係について検討してみると、無次元化SEがビット径Dのべき乗で表される関数となることを見出した。したがって、本発明では、データ記憶部に蓄積されたデータを用い、このような関係を表す第2グラフを生成または第2回帰式を導出し、これらの第2グラフまたは第2回帰式を用い、岩盤を削孔する際に使用されるビットの径Dに基づき、データ記憶部に蓄積される複数の無次元化SEのデータを補正する構成を採用する。なお、この第2回帰式は、下記式4で表されるように、底がビット径Dとされ、べき指数aと、ビット径Dのべき乗に乗算される係数Cとを含むものとされる。
第2グラフまたは第2回帰式を用いて補正された無次元化SEは、上記のステップ440で岩盤強度との関係を表すグラフを生成または回帰式を導出するために使用される。
データの補正は、対象岩盤の本番の計測における削孔に使用されるビットの径が64mmのものであれば、無次元化SEを64mm径に相当するエネルギーへ変換する。具体的には、ビット径が45mmのものについて補正を行う場合、第2回帰式にビットの径45mmと64mmとを代入して無次元化SEをそれぞれ求め、その比を、保存されている45mmについての無次元化SEの値に適用することにより変換する。
このことは、ビットのその他の仕様、ロッドの仕様、スラスト、打撃圧、打撃数、削岩機2の機種等においても同様であり、これらの補正が可能であることは、ビット以外の削岩機2のその他の装備や運転方法の相違も補正可能であることを意味する。このようにして装備や運転方法の相違の補正を実施することで、様々な地質調査の結果を統一的に理解することができ、実施時の装備や運転方法の選定における制約が少なくなる。また、装備や運転方法とエネルギー損失量との関係を求めることで、そのエネルギー損失量において有利な装備や運転方法を提案することができる。
なお、ビットのその他の仕様としては、ビットの形状があり、その形状に応じて、テーパビット、ボタンビット、クロスビット等がある。ロッドの仕様としては、ロッドの径、ロッドの長さ等がある。
本発明では、準備実験を行い、得られたデータ等から上記のグラフを生成または回帰式を導出することができるが、本番の計測を行う前に、予備計測として、対象岩盤を所定深さまで削孔し、油圧を計測し、計測された油圧と強度試験または強度換算式により得られた岩盤強度とを用いて少なくとも2つの掘削体積比エネルギーを算出し、その少なくとも2つの掘削体積比エネルギーと該岩盤強度とをさらに用いて回帰式のべき指数と係数とを計算することができる。そして、本番の計測を行い、予備計測で得られたデータを含む回帰式を用い、計測区間の岩盤強度を予測することができる。
また、本番の計測を行う際も、岩盤の強度試験により、または強度計算式を用いて計算することにより該岩盤の岩盤強度を収集し、その収集された岩盤強度と算出された掘削体積比エネルギーとを用いて、回帰式のべき指数と係数とを再計算することができる。こうして、一連の本番の計測の間、適宜強度試験を行い、上記式3の係数Cとべき指数bを見直すことができる。
ここで、上記のような傾向を実測データから明らかにするため、図5に示すような削孔条件で削孔実験を実施した。この実験では、比較的均質で強度が一様な岩石ブロック・塊状岩盤や脆弱層を模擬したコンクリートブロック・セメント改良土等の人工地盤に対して1〜3m程度の短尺削孔を実施し、得られた削孔データから上記式2を用いて掘削体積比エネルギーを計算した。
図6は、図5に示す削孔条件で短尺削孔実験により得られた掘削体積比エネルギーSEと、一般的な岩盤特性である岩盤強度σとの関係を示した図である。短尺削孔実験は、岩盤を所定深さまで削孔し、油圧を含む種々のデータを計測するものである。縦軸は、掘削体積比エネルギーSE(MPa)を示し、横軸は、岩盤強度σ(MPa)を示す。コンクリート供試体・セメント改良土の一軸圧縮強さを岩盤強度として扱い、図6中、四角形(□)で示される花崗岩(一軸圧縮強さが263MPa)および石灰岩(一軸圧縮強さが135MPa)の掘削体積比エネルギーについては、250MPaを超える高強度岩盤や延性的な岩盤の参考データとして、文献1(西松裕一「掘削方法とその評価法について」、日本鉱業会合同秋季大会講演集、pp.1−4、1972)から引用した。
図6を参照すると、掘削体積比エネルギーと岩盤強度との関係は、原点を通る傾き1より大きい領域(破線で示される直線の上側の領域)に分布している。図6では、ビット径が38mmから102mmと幅があり、必ずしも同一の削孔条件とはなっていない。
そこで、図5中、Case8の花崗岩に対し、ビット径のみの条件を変えて削孔実験を行った結果を、図7に示す。図7中、縦軸は、無次元化SE(SE/σ)を示し、横軸は、ビット径D(mm)を示す。図7を参照すると、ビット径が小さくなるにつれて、無次元化SEが大きくなる傾向が見られる。この傾向は、ビット径のべき乗で表される関数により表現することができる。図7に示すデータから、下記式5のような関数を導き出すことができる。
この式5を用い、図5中、Case5〜7、10および上記文献1から引用した花崗岩、石灰岩の掘削体積比エネルギーをビット径が64mmに相当する値に換算する補正を行い、図6に示したデータからビット径の影響を除去した。この結果を、図8に示す。図8中、縦軸は、掘削体積比エネルギーSE(MPa)を示し、横軸は、岩盤強度σ(MPa)を示す。補正後の分布は、傾き1に近くなっていることがわかる。また、個々の値を見てみると、岩盤強度が小さくなるほど、傾きが大きくなる傾向を示した。この傾きは、無次元化SEに相当しており、その傾向が掘削体積比エネルギーに含まれるエネルギー受容効率ηの変化を示している可能性がある。
図9は、無次元化SEと岩盤強度σとの関係を示した図である。この無次元化SEは、図5中のCase1〜11の削孔データから求めた無次元化SEである。図9を参照すると、岩盤強度の低下に伴い、無次元化SEが増加する傾向が見出された。この傾向は、岩盤強度のべき乗で表される関数として表現することができる。図9に示すデータから、下記式6のような関数を導き出すことができる。
この傾向は、打撃を主体とする削孔において削孔効率が岩盤強度により変化し、特にその強度が30MPa以下の軟岩領域でその効率が著しく低いことを示している。これは、到達した弾性波によってビット先端部の最大変位が決定されるため、一打撃当たりの削孔長さには限界があり、岩盤強度が低いと、その限界に近づくと考えられるからである。
次に、原位置岩盤に対して連続的に収集した削孔データを用い、上記と同様の検討を行った。このときの削孔条件を図10に示す。Case12〜14のいずれも、トンネル掘削時の切羽前方探査として連続的に実施された30m〜50mの長尺削孔である。この長尺削孔では、ロッド継手箇所が増加するにつれてエネルギー伝達効率ηが段階的に低下していくことになる。このため、文献2(山下雅之、福井勝則、大久保誠介「さく孔深さの影響を考慮したさく孔データと岩盤特性の関係に関する検討」、資源と素材、Vol.120、pp.508−514、2004)に記載の手法を用い、その影響を除去したものを使用した。
また、原位置岩盤の岩盤強度の収集は、Case12については、探査孔近傍の切羽においてロックシュミットハンマー試験や点載荷試験を実施し、Case13および14については、文献3(福井勝則、大久保誠介「TBMの掘削抵抗を利用した岩盤物性の把握」、トンネルと地下、Vol.28、pp.123−131、1997)に記載の式を用いてTBM掘進データから岩盤強度を算出した。
図11は、図10中、Case12の無次元化SEと岩盤強度との関係を示した図で、図12は、Case13および14の無次元化SEと岩盤強度との関係を示した図である。いずれも、縦軸は、無次元化SE(SE/σ)を示し、横軸は、岩盤強度σ(MPa)を示す。いずれの原位置長尺削孔においても、岩盤強度の低下に伴い無次元化SEが増加している。その分布は、ばらつきがあるものの、概ね実験から求められた式6から得られた短尺の近似曲線に近い傾向を示した。
ただし、岩盤強度が20MPa以下の領域については、その近似曲線より大きくなる傾向が示された。この原因は、原位置強度試験法(ポイントロード試験、ロックシュミットハンマー試験)やTBMデータからの強度換算法が、比較的硬質な岩盤を対象としているため、脆弱岩盤に対する強度換算誤差が生じたものと考えられる。
削孔時においてエネルギー損失が全くない削岩機を用いた場合、図7および図9に示す無次元化SEの値は、ビット径Dおよび岩盤強度σの値によらず、一定の値となる。しかしながら、現実にはエネルギー損失が生じることから、一定の値とはならず、図7および図9に示すような曲線を描く。
したがって、この曲線に適合する上記式6のような回帰式を導出し、実際の削孔により得られた油圧データ等から掘削体積比エネルギーを算出し、その掘削体積比エネルギーを、導出した回帰式に代入することで、エネルギー損失を考慮し、実質の削孔に消費されるエネルギー量に依拠した岩盤強度を求めることができる。
本発明の方法およびシステムは、このように実質の削孔に消費されるエネルギー量に依拠した岩盤強度を求めることができるため、岩盤強度に関わるエネルギー損失量を除いた実質に近い削孔に消費されるエネルギーを評価することが可能となる。また、地質予測において、実質に近い削孔エネルギーを用いることで、予測精度を向上させることができる。さらに、岩盤強度をより正確に予測することができるため、トンネル変形挙動の正確な予測等も可能となる。
また、本発明の方法およびシステムは、上記の第2グラフや第2回帰式を用い、グラフや回帰式に与える無次元化掘削体積比エネルギーを補正することで、ビット径の影響も補正することができ、その他の装備や運転方法の相違の補正も可能となる。
このように装備や運転方法の相違の補正を実施することで、様々な地質調査の結果を統一的に理解することができ、実施時の装備や運転方法の選定における制約が少なくなる。また、装備や運転方法とエネルギー損失量との関係を求めることで、そのエネルギー損失量において有利な装備や運転方法を提案することができる。
これまで本発明の方法およびシステムについて図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1…ジャンボホイール、2…削岩機、3…台車、4…ブーム、5…ガイドシェル、6…電源、7…装置ボックス、8…油量計ボックス、9…操作室、10…油圧配管、11…油圧センサボックス、12…フィードシリンダ、20…計測装置、21…データレコーダ、22…積算流量計、23…油量計、24…プレッシャスイッチ、25…計測信号スイッチ、26…ストローク表示計、27…リセットスイッチ、28…電源スイッチ、29〜32…油圧センサ、33…端子台、40…情報処理装置、41…CPU、42…ROM、43…RAM、44…HDD、45…表示装置、46…入力装置、47…通信インタフェース、48…システムバス

Claims (10)

  1. 岩盤性状を予測する方法であって、
    削岩機を用いて岩盤を掘削するステップと、
    計測装置により前記岩盤の掘削時における前記削岩機の油圧を計測するステップと、
    計測された前記油圧の油圧データが入力されたことに応答して、情報処理装置により前記油圧データから前記削岩機が掘削に要したエネルギーを計算し、前記掘削に要したエネルギーを掘削体積で除して掘削体積比エネルギーを算出するステップと、
    前記情報処理装置によりデータ記憶部に蓄積された複数の岩盤強度のデータおよび掘削体積比エネルギーを岩盤強度で除して得られた複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを用い、前記無次元化掘削体積比エネルギーと前記岩盤強度との関係を表すグラフを生成または回帰式を導出するステップと、
    前記情報処理装置により前記算出するステップで算出された前記掘削体積比エネルギーと、生成された前記グラフまたは導出された前記回帰式とを用いて、前記岩盤の岩盤強度を予測するステップとを含む、岩盤性状の予測方法。
  2. 前記グラフまたは前記回帰式は、前記無次元化掘削体積比エネルギーが前記岩盤強度のべき乗に比例することを示すグラフまたは式であることを特徴とする、請求項1に記載の予測方法。
  3. 前記データ記憶部は、前記複数の無次元化掘削体積比エネルギーの各々と対応付けて前記削岩機が備える削孔のための各ビットの径のデータを格納しており、
    前記予測方法は、前記情報処理装置により、前記ビットの径と前記無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を表す第2グラフを生成または第2回帰式を導出するステップと、生成された前記第2グラフまたは導出された第2回帰式を用い、前記岩盤を削孔するステップで使用されるビットの径に基づき、前記データ記憶部に蓄積される前記複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを補正するステップとをさらに含み、
    前記グラフを生成または前記回帰式を導出するステップは、補正された前記無次元化掘削体積比エネルギーと前記岩盤強度との関係を表す前記グラフを生成または前記回帰式を導出する、請求項1または2に記載の予測方法。
  4. 前記第2グラフまたは前記第2回帰式は、前記無次元化掘削体積比エネルギーが前記径のべき乗に比例することを示すグラフまたは式であることを特徴とする、請求項3に記載の予測方法。
  5. 前記データ記憶部は、前記ビットの径に代えて、前記ビットに連続するロッドの径、前記ロッドの長さ、前記ビットを岩盤に押し付ける力であるスラスト、打撃圧、打撃数から選択される削孔条件に関するデータを格納し、前記第2グラフを生成または第2回帰式を導出するステップでは、前記削孔条件と前記無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を表す前記第2グラフを生成または前記第2回帰式を導出し、前記補正するステップでは、生成された前記第2グラフまたは導出された前記第2回帰式を用い、選択された前記削孔条件に基づき、前記データ記憶部に蓄積される前記複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを補正する、請求項3に記載の予測方法。
  6. 岩盤性状を予測するためのシステムであって、
    岩盤を掘削する削岩機と、
    前記岩盤の掘削時における前記削岩機の油圧を計測する計測装置と、
    計測された前記油圧の油圧データが入力されたことに応答して、前記油圧データから前記削岩機が掘削に要したエネルギーを計算し、前記掘削に要したエネルギーを掘削体積で除して掘削体積比エネルギーを算出し、データ記憶部に蓄積された複数の岩盤強度のデータおよび掘削体積比エネルギーを岩盤強度で除して得られた複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを用い、前記無次元化掘削体積比エネルギーと前記岩盤強度との関係を表すグラフを生成または回帰式を導出し、算出した前記掘削体積比エネルギーと、生成した前記グラフまたは導出した前記回帰式とを用いて、前記岩盤の岩盤強度を予測する情報処理装置とを含む、システム。
  7. 前記グラフまたは前記回帰式は、前記無次元化掘削体積比エネルギーが前記岩盤強度のべき乗に比例することを示すグラフまたは式であることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記データ記憶部は、前記複数の無次元化掘削体積比エネルギーの各々と対応付けて前記削岩機が備える削孔のための各ビットの径のデータを格納しており、
    前記情報処理装置は、前記ビットの径と前記無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を表す第2グラフを生成または第2回帰式を導出し、生成した前記第2グラフまたは導出した前記第2回帰式を用い、前記岩盤を削孔するためのビットの径に基づき、前記データ記憶部に蓄積される前記複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを補正し、補正した前記無次元化掘削体積比エネルギーと前記岩盤強度との関係を表す前記グラフを生成または前記回帰式を導出する、請求項6または7に記載のシステム。
  9. 前記第2グラフまたは前記第2回帰式は、前記無次元化掘削体積比エネルギーが前記径のべき乗に比例することを示すグラフまたは式であることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記データ記憶部は、前記ビットの径に代えて、前記ビットに連続するロッドの径、前記ロッドの長さ、前記ビットを岩盤に押し付ける力であるスラスト、打撃圧、打撃数から選択される削孔条件に関するデータを格納し、
    前記情報処理装置は、前記削孔条件と前記無次元化掘削体積比エネルギーとの関係を表す前記第2グラフを生成または前記第2回帰式を導出し、生成された前記第2グラフまたは導出された前記第2回帰式を用い、選択された前記削孔条件に基づき、前記データ記憶部に蓄積される前記複数の無次元化掘削体積比エネルギーのデータを補正する、請求項8に記載のシステム。
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