JP2013001765A - 分解油製造方法及び分解油回収装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物のうち前記不純物を含む化合物を前記熱分解槽に設けられた付着部に付着させ、前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させた後、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させることを特徴とする分解油製造方法を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図4
Description
第1の実施の形態における分解油回収装置について、図2に基づき説明する。本実施の形態における分解油回収装置は、熱分解槽110、加熱部120、第1の配管140、冷却槽150、第2の配管160、回収槽170を有しており、熱分解槽110内の上部には金属等により形成された付着部130が設けられている。付着部130は、コイル状、板状、フィン状の形状で形成されており、付着部130を冷却するための冷却機構132が接続されている。また、冷却機構132を介し付着部130の温度を所定の温度とするための制御部190が冷却機構132に接続されている。
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における分離油回収装置は、図3に示されるように、第1の実施の形態における分離油回収装置に、付着部130に電圧を印加するための電源が設けられているものである。
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における分解油回収装置を用いた分解油製造方法である。図4に基づき、本実施の形態について説明する。
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における分解油回収装置を用いた分解油製造方法である。図5に基づき、本実施の形態について説明する。本実施の形態は、分解油の回収を始める前に、付着部130に分解油180となる成分を付着させ、付着部130に付着している付着している臭素を含む化合物138等を洗い流すものである。
比較例1について説明する。ABS−FR(17)と識別表示されている廃プラスチックは、臭素系難燃剤を含むABS樹脂であり、一般には、臭素系難燃剤が含まれている。この廃プラスチックと金属材料等を含む筐体材料(ABS−FR樹脂:450g、金属:50g)を図1に示される熱分解槽10に投入し、密閉した後、熱分解槽10、第1の配管40、冷却槽50、第2の配管60及び分解油回収槽70の内部を窒素置換する。この後、加熱部20により、熱分解槽10が500℃になるまで約5℃/分で加熱し、500℃に到達した後は、500℃で2時間維持する。これにより、廃プラスチックは油化し、気化したガス状の生成物が発生し、気化したガス状の生成物は、第1の配管40、冷却槽50、第2の配管60を介し分解油回収槽70の内部に分解油80として溜まる。
次に、実施例1について説明する。ABS−FR(17)と識別表示されている廃プラスチックと金属材料等を含む筐体材料(ABS−FR樹脂:450g、金属:50g)を図3に示される熱分解槽110に投入し密閉する。この後、熱分解槽110、第1の配管140、冷却槽150、第2の配管160及び分解油回収槽170の内部を窒素置換する。尚、付着部130は、電極間距離30mmの導線コイルにより形成されており熱分解槽110の内部であって、第1の配管140との接続部分近傍に配置されている。この後、加熱部120により、熱分解槽110が500℃になるまで約5℃/分で加熱し、500℃に到達した後は、500℃で2時間維持する。これにより、廃プラスチックは油化し、気化したガス状の生成物が発生し、気化したガス状の生成物は、第1の配管140、冷却槽150、第2の配管160を介し分解油回収槽170の内部に分解油180として溜まる。500℃の温度で2時間維持した後は、付着部130に冷媒容器133より冷媒として水をポンプ134により循環させ、付着部130の温度を120℃以下とする。これにより、気化したガス状の生成物のうち分解油180となる成分を付着部130に付着させ、分解油180となる成分により付着部130に付着している臭素を含む化合物を洗い流し熱分解槽110の底部に落下させる。
(付記1)
不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
前記ガス状の生成物のうち前記不純物を含む化合物を前記熱分解槽に設けられた付着部に付着させ、
前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させた後、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させることを特徴とする分解油製造方法。
(付記2)
不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
前記熱分解槽に設けられた付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、不純物を含む化合物が付着している前記付着部に前記分解油となる成分を付着させ、
前記付着部に前記分解油となる成分を付着させた後、前記ガス状の生成物のうち不純物を含む化合物を前記付着部に付着させることを特徴とする分解油製造方法。
(付記3)
前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させる際の前記付着部の温度は、前記分解油の沸点を超える温度であって、前記不純物を含む化合物の沸点以下の温度であることを特徴とする付記1または2に記載の分解油製造方法。
(付記4)
前記付着部は導電性材料により形成されており、
前記付着部への前記不純物を含む化合物の付着は、前記付着部に電圧を印加することにより行なわれるものであることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記5)
前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることは、前記分解油の回収が終了する間際において行なうことを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記6)
前記分解油の沸点は、300℃以下であることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記7)
前記不純物は臭素であることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記8)
不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却して分解油を回収する分解油回収槽と、
前記熱分解槽と前記分解油回収槽とを接続する配管と、
前記熱分解槽に設けられた付着部と、
前記付着部を冷却する冷却機構と、
前記冷却機構により前記付着部に前記分解油となる成分を付着させるため、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下に制御する制御部と、
を有していることを特徴とする分解油回収装置。
(付記9)
前記付着部は導電性材料により形成されており、
前記付着部に電圧を印加する電源を有しており、
前記プラスチックが熱分解される際には、前記電源により前記付着部に電圧を印加することを特徴とする付記8に記載の分解油回収装置。
(付記10)
前記分解油の回収が終了する間際に、前記冷却機構により前記付着部の温度が前記分解油の沸点以下の温度となるように、前記制御部により制御されるものであることを特徴とする付記8または9に記載の分解油回収装置。
(付記11)
不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却して分解油を回収する分解油回収槽と、
前記熱分解槽と前記分解油回収槽とを接続する配管と、
前記熱分解槽の内部に設けられた導電性材料により形成された付着部と、
前記付着部に電圧を印加する電源と、
を有していることを特徴とする分解油回収装置。
(付記12)
前記プラスチックが熱分解されて前記分解油が回収される際には、前記電源により前記付着部に電圧を印加するものであることを特徴とする付記11に記載の分解油回収装置。
(付記13)
前記プラスチックが熱分解されて前記分解油が回収される際には、前記冷却機構により前記付着部の温度が前記分解油の沸点を超える温度であって、前記不純物を含む化合物の沸点以下の温度となるように、前記制御部により制御されるものであることを特徴とする付記8から12のいずれかに記載の分解油回収装置。
(付記14)
前記不純物は臭素であることを特徴とする付記8から13のいずれかに記載の分解油回収装置。
(付記15)
前記熱分解槽と前記分解油回収槽との間には冷却槽が設けられており、
前記熱分解槽と前記冷却槽とは第1の配管により接続されており、
前記冷却槽と前記分解油回収槽とは第2の配管により接続されていることを特徴とする付記8から14のいずれかに記載の分解油回収装置。
120 加熱部
130 付着部
132 冷却機構
133 冷媒容器
134 ポンプ
135 電源
140 第1の配管
150 冷却槽
160 第2の配管
170 分解油回収槽
180 分解油
190 制御部
Claims (7)
- 不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
前記ガス状の生成物のうち前記不純物を含む化合物を前記熱分解槽に設けられた付着部に付着させ、
前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させた後、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させることを特徴とする分解油製造方法。 - 不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
前記熱分解槽に設けられた付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、不純物を含む化合物が付着している前記付着部に前記分解油となる成分を付着させ、
前記付着部に前記分解油となる成分を付着させた後、前記ガス状の生成物のうち不純物を含む化合物を前記付着部に付着させることを特徴とする分解油製造方法。 - 前記付着部は導電性材料により形成されており、
前記付着部への前記不純物を含む化合物の付着は、前記付着部に電圧を印加することにより行なわれるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の分解油製造方法。 - 前記不純物は臭素であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の分解油製造方法。
- 不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却して分解油を回収する分解油回収槽と、
前記熱分解槽と前記分解油回収槽とを接続する配管と、
前記熱分解槽に設けられた付着部と、
前記付着部を冷却する冷却機構と、
前記冷却機構により前記付着部に前記分解油となる成分を付着させるため、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下に制御する制御部と、
を有していることを特徴とする分解油回収装置。 - 前記付着部は導電性材料により形成されており、
前記付着部に電圧を印加する電源を有しており、
前記プラスチックが熱分解される際には、前記電源により前記付着部に電圧を印加することを特徴とする請求項5に記載の分解油回収装置。 - 前記不純物は臭素であることを特徴とする請求項5又は6に記載の分解油回収装置。
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---|---|---|---|---|
JPH0641546A (ja) * | 1992-07-23 | 1994-02-15 | Toyo Dainamu Kk | スチレン樹脂廃棄物の油化方法 |
JPH06145670A (ja) * | 1992-11-12 | 1994-05-27 | Toyo Dainamu Kk | スチレン樹脂の熱分解油の精製方法 |
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2011
- 2011-06-14 JP JP2011132481A patent/JP5678810B2/ja active Active
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JPH06145670A (ja) * | 1992-11-12 | 1994-05-27 | Toyo Dainamu Kk | スチレン樹脂の熱分解油の精製方法 |
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