JP2013001765A - 分解油製造方法及び分解油回収装置 - Google Patents

分解油製造方法及び分解油回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】不純物を含む廃プラスチックを熱分解した分解油における不純物成分を減らし、メンテナンスを容易にする。
【解決手段】不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物のうち前記不純物を含む化合物を前記熱分解槽に設けられた付着部に付着させ、前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させた後、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させることを特徴とする分解油製造方法を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、分解油製造方法及び分解油回収装置に関するものである。
近年、パソコンや携帯電話等の筐体や部品に用いられている廃プラスチックを熱分解により油化し、分解油として回収する廃プラスチックのリサイクル技術が着目されている。このように回収された分解油は燃料等として再利用されるが、廃プラスチックの中には、難燃剤として臭素系難燃剤を含んでいるものがあり、臭素系難燃剤が含まれる廃プラスチックから回収された分解油には、臭素(Br)が多く含まれている。このような臭素が含まれている分解油を燃料として燃焼させた場合には、臭素ダイオキシン等が発生し、環境に悪影響を与えるため、燃料としては好ましくない。
具体的に、図1に基づき廃プラスチックより分解油を回収する分解油回収装置について説明する。廃プラスチックの熱分解による油化技術は、通常、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン等を対象とする場合が多い。この分解油回収装置では、熱分解槽10内に廃プラスチックを投入し、熱分解槽10の内部を窒素置換して酸素を含まない雰囲気とし、加熱部20により熱分解槽10の温度を300℃〜600℃に加熱する。加熱部20において加熱することにより、熱分解槽10内に投入された廃プラスチックは、融点以上の温度となり、溶融した廃プラスチックとなる。このような溶融した廃プラスチックは熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
気化したガス状の生成物は、第1の配管40を介し冷却槽50に導かれ冷却された後、第2の配管60を介し分解油回収槽70内に不純物81とともに分解油80として溜まる。このようにして分解油80を回収することができる。
特開2001−254083号公報 特開2002−226625号公報
ところで、前述したように、図1に示す分解油回収装置において、廃プラスチックに不純物となるもの、例えば臭素系難燃剤が含まれている場合、分解油回収槽70に溜まった分解油80には、臭素を含む化合物が多く含まれる。よって、この分解油80を燃料等として燃焼させると、臭素ダイオキシン等が発生してしまう。このため、特許文献1及び2に記載されている分解油回収装置では、第1の配管40等に臭素成分を吸着する部材が設けられており、これにより回収される分解油に含まれる臭素成分を減らすことができる。
しかしながら、熱分解槽10において発生したガス生成物のうち臭素を含む化合物は分解油に比べ沸点等が高いため、図1に示すものと同様に、熱分解槽10よりも低温となる第1の配管40の内部に付着し、第1の配管40を閉塞してしまう。
また、臭素成分を吸着する部材を設けた場合には、臭素成分を吸着させる部材に吸着している臭素成分を頻繁に除去することが求められるため、費用と時間を要し、また、メンテナンスも容易ではない。
更に、熱分解槽10においては残渣39として、筐体等に廃プラスチックとともに含まれる金属やセラミックが底に堆積するが、これらとともにカーボン残渣が発生し、熱分解槽10の底に固着する。メンテナンスの際には、カーボン残渣を除去するが、固着したカーボン残渣を熱分解槽10の底より除去するためには、熱分解槽10を解体し薬品等により洗浄を行なうため、メンテナンスの作業に時間を要し、洗浄のための薬品等も要する。このため、コストアップの要因となっていた。
よって、臭素等の不純物を含む廃プラスチックより分解油を回収する分解油製造方法及び分解油回収装置において、回収される分解油に混入する臭素化合物等を低減することができ、メンテナンスが容易な分解油製造方法及び分解油回収装置が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物のうち前記不純物を含む化合物を前記熱分解槽に設けられた付着部に付着させ、前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させた後、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記熱分解槽に設けられた付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、不純物を含む化合物が付着している前記付着部に前記分解油となる成分を付着させ、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させた後、前記ガス状の生成物のうち不純物を含む化合物を前記付着部に付着させることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却して分解油を回収する分解油回収槽と、前記熱分解槽と前記分解油回収槽とを接続する配管と、前記熱分解槽に設けられた付着部と、前記付着部を冷却する冷却機構と、前記冷却機構により前記付着部に前記分解油となる成分を付着させるため、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下に制御する制御部と、を有していることを特徴とする。
開示の分解油製造方法及び分解油回収装置によれば、回収される分解油に混入する臭素化合物等の不純物を低減することができ、分解油回収装置のメンテナンスが容易となる。
従来の分解油回収装置の構造図 第1の実施の形態における分解油回収装置の構造図 第2の実施の形態における分解油回収装置の構造図 第3の実施の形態における分解油製造方法の説明図 第4の実施の形態における分解油製造方法の説明図
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態における分解油回収装置について、図2に基づき説明する。本実施の形態における分解油回収装置は、熱分解槽110、加熱部120、第1の配管140、冷却槽150、第2の配管160、回収槽170を有しており、熱分解槽110内の上部には金属等により形成された付着部130が設けられている。付着部130は、コイル状、板状、フィン状の形状で形成されており、付着部130を冷却するための冷却機構132が接続されている。また、冷却機構132を介し付着部130の温度を所定の温度とするための制御部190が冷却機構132に接続されている。
本実施の形態における分解油回収装置では、熱分解槽110内に不純物となる臭素成分等を含む廃プラスチックを投入し、熱分解槽110の内部を窒素置換して酸素を含まない雰囲気とし、加熱部120により熱分解槽110の温度を300〜600℃に加熱する。加熱部120はバーナー等であり、熱分解槽110の外側下部から熱分解槽110を加熱することにより、投入された廃プラスチックは、融点以上の温度となり、溶融した廃プラスチックとなる。このように溶融した廃プラスチックは熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
付着部130は金属等により形成されているが、熱分解槽110の内部で加熱部120から離れた位置に中空状態に設置されているため、熱分解した廃プラスチック等の温度よりも低温となっている。付着部130の温度は、設置方法や設置場所等により変わるが、熱分解槽110内に設置されているため、廃プラスチックが熱分解した温度に対し極端に低温となることはないものの若干低い温度となっている。
従って、この状態では、付着部130には気化したガス状の生成物のうち、比較的沸点の低い分解油となる成分は付着することはなく、それよりも沸点の高い不純物となる臭素を含む化合物138等を付着させることができる。言い換えるならば、付着部130の温度が、廃プラスチックが熱分解した温度に対し若干低い温度、即ち、臭素を含む化合物138の沸点以下、分解油180の沸点を超える温度となっているため、臭素を含む化合物138等を付着部130に付着させることができる。この際、付着部130の温度は、分解油180の沸点を超える温度であるため、分解油180となる成分は付着しない。このようにして、従来においては第1の配管140の内部等に付着していた臭素を含む化合物を付着部130に付着させることがでる。
尚、上記における説明では、付着部130が、熱分解槽110内における温度勾配により相対的に低温となる場合であるが、冷却機構132を用いて付着部130の温度が臭素を含む化合物138の沸点以下、分解油180の沸点を超える温度となるようにしてもよい。本実施の形態では、冷却機構132は、水等の冷媒が収納されている冷媒容器133と、この冷媒を循環させるためのポンプ134とを有しており、水等の冷媒を循環させることにより付着部130を所定の温度まで冷却し保つことができる。
これにより、気化したガス状の生成物のうち分解油180の成分は、気化した状態で第1の配管140を介し冷却槽150に導かれ、冷却槽150で冷却された後、第2の配管160を介し回収槽170において分解油180として溜まる。本実施の形態では、付着部130において臭素を含む化合物138等が付着し除去されるため、回収槽170において回収される分解油180に含まれる臭素成分を減らすことができる。
また、臭素を含む化合物138等は、熱分解槽110の内部に設けられた付着部130に付着するため、臭素を含む化合物138等が第1の配管140の内部に殆ど付着することはない。よって、第1の配管140のメンテナンスが不要またはメンテナンスの頻度を減らすことができる。
更に、本実施の形態では、分解油180の回収が終了する直前において、付着部130の温度を分解油180の沸点以下の温度にすることにより、熱分解槽110における気化したガス状の生成物のうち分解油180となる成分を付着させる。これにより付着部130に付着した分解油180となる成分は液体状態であるため、この分解油180となる成分により付着部130に付着している臭素を含む化合物138等を洗い流すことができる。このようにして、付着部130に付着していた臭素を含む化合物138等を分解油180となる成分により除去することができるため、付着部130におけるメンテナンスが不要またはメンテナンスの頻度を減らすことができる。尚、本実施の形態では、分解油180の沸点以下の温度とは、具体的には、300℃以下の温度である。
この際、分解油180となる成分は臭素を含む化合物138等とともに、熱分解槽110の底部に落下する。熱分解槽110の底部には、残渣139として金属等の他に加熱部120による加熱によりカーボン残渣等が固着しているが、この熱分解槽110の底部に固着しているカーボン残渣は、熱分解槽110の底部に落下した分解油180となる成分により急冷される。このようにカーボン残渣を急冷することにより、熱分解槽110との熱膨張差等により熱分解槽110の底部に固着していたカーボン残渣を剥離させ、浮き上がらせることができる。これにより、熱分解槽110の底部には、固着していない状態のカーボン残渣等を含む残渣139が残るが、このような残渣139は熱分解槽110の底部に固着しているものではないため、容易に除去することができ、メンテナンスも容易となる。
本実施の形態における分離油回収装置では、付着部130に付着していた臭素を含む化合物138等を容易に除去することができ、更には、カーボン残渣等を含む残渣139を容易に除去することができる。よって、熱分解槽110の洗浄等のメンテナンスの時間と費用を減らすことができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における分離油回収装置は、図3に示されるように、第1の実施の形態における分離油回収装置に、付着部130に電圧を印加するための電源が設けられているものである。
本実施の形態における分解油回収装置は、熱分解槽110、加熱部120、第1の配管140、冷却槽150、第2の配管160、回収槽170を有している。熱分解槽110内の上部には金属等の導電性材料により形成された付着部130が設けられており、付着部130には、冷却機構132が接続されている。また、付着部130に電圧を印加するための電源135が接続されている。尚、冷却機構132及び電源135は制御部191と接続されており、制御部191の制御により、冷却機構132を介し付着部130を所定の温度とすることができ、また、電源135を介し付着部130に電圧を印加することができる。
本実施の形態における分解油回収装置では、熱分解槽110内に不純物となる臭素成分等を含む廃プラスチックを投入し、熱分解槽110の内部を窒素置換して酸素を含まない雰囲気とし、加熱部120により熱分解槽110の温度を300〜600℃に加熱する。加熱部120はバーナー等であり、熱分解槽110の外側下部から熱分解槽110を加熱することにより、投入された廃プラスチックは、融点以上の温度となり、溶融した廃プラスチックとなる。このような溶融した廃プラスチックは熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
付着部130は金属等により形成されているが、熱分解槽110の内部で加熱部120から離れた位置に中空状態に設置されているため、熱分解した廃プラスチックの温度よりも低温となっている。付着部130の温度は、設置方法や設置場所等により変わるが、熱分解槽110内に設置されているため、廃プラスチックが熱分解した温度に対し極端に低温となることはないものの若干低い温度となっている。
また、本実施の形態においては、付着部130には電源135により電圧が印加されており、付着部130に電圧を印加することにより不純物となる臭素を含む化合物138等をより効率よく付着させることができる。具体的には、熱分解した廃プラスチックからは、気化したガス状の生成物が発生するが、このガス状の生成物は、気化した後、徐々に周囲に熱を奪われるため、次第に温度が低下する。従って、気化したガス状の生成物に含まれるもののうち、沸点の高い臭素を含む化合物は凝固し塵状となる。このように塵状となった臭素を含む化合物は通常の塵等と同様に帯電するため、付着部130に電圧を印加することにより、帯電した塵状となった臭素を含む化合物を効率よく付着させることができる。
従って、付着部130には気化したガス状の生成物のうち、比較的沸点の低い分解油となる成分は付着することなく、それよりも沸点の高い臭素を含む化合物138が凝固し塵状となっているものを効率よく付着させることができる。
これにより、気化したガス状の生成物のうち分解油180の成分は、気化した状態で第1の配管140を介し冷却槽150に導かれ、冷却槽150で冷却された後、第2の配管160を介し回収槽170において分解油180として溜まる。本実施の形態では、付着部130において臭素を含む化合物138等が付着し除去されるため、回収槽170において回収される分解油180に含まれる臭素成分を減らすことができる。
また、臭素を含む化合物138等は、熱分解槽110の内部に設けられた付着部130に付着するため、臭素を含む化合物138等が第1の配管140の内部に殆ど付着することはない。従って、第1の配管140の内部におけるメンテナンスが不要またはメンテナンスの頻度を減らすことができる。
更に、本実施の形態では、分解油180の回収が終了する直前において、付着部130の温度を分解油180の沸点以下の温度にすることにより、熱分解槽110における気化したガス状の生成物のうち分解油180となる成分を付着させる。付着部130に付着した分解油180となる成分は液体状態であるため、この分解油180となる成分により付着部130に付着している臭素を含む化合物138等を洗い流すことができる。このようにして、付着部130に付着していた臭素を含む化合物138等を除去することができるため、付着部130におけるメンテナンスが不要またはメンテナンスの頻度を減らすことができる。尚、本実施の形態では、分解油180の沸点以下の温度とは、具体的には、300℃以下の温度である。
また、分解油180となる成分は臭素を含む化合物138等とともに、熱分解槽110の底部に落下する。熱分解槽110の底部には、残渣139として金属等の他に加熱部120による加熱によりカーボン残渣等が固着しているが、この熱分解槽110の底部に固着しているカーボン残渣は、熱分解槽110の底部に落下した分解油180となる成分により急冷される。このようにカーボン残渣を急冷することにより、熱分解槽110との熱膨張差等により熱分解槽110の底部よりカーボン残渣を剥離することができ、熱分解槽110の底部に固着していたカーボン残渣を浮き上がらせることができる。このようにして、熱分解槽110の底部には、固着していない状態のカーボン残渣等を含む残渣139が残る。このような残渣139は熱分解槽110の底部に固着しているものではないため、容易に除去することができ、メンテナンスも容易となる。
本実施の形態における分離油回収装置では、付着部130に付着していた臭素を含む化合物138等を容易に除去することができ、更には、カーボン残渣等を含む残渣139を容易に除去することができる。これにより熱分解槽110の洗浄等のメンテナンスの時間と費用を減らすことができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における分解油回収装置を用いた分解油製造方法である。図4に基づき、本実施の形態について説明する。
最初に、ステップ102(S102)において、熱分解槽110に廃プラスチックを投入し、300℃〜600℃に加熱する。これにより、廃プラスチックは熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
次に、ステップ104(S104)において、分解油180を回収しつつ、臭素を含む化合物を付着部130に付着させる。具体的には、付着部130は熱分解槽110内における温度勾配により熱分解した廃プラスチックよりも低温となっているため、これにより付着部130に臭素を含む化合物138等が付着する。尚、冷却機構132により付着部130の温度が臭素を含む化合物の沸点以下であって、分解油180の沸点を超える温度となるように設定し、付着部130に臭素を含む化合物138等を付着させてもよい。
次に、ステップ106(106)において、分解油180の回収が終了する間際において、付着部130の温度を分解油180の沸点以下にすることにより、気化したガス状の生成物のうち分解油180となる成分を付着部130に付着させる。付着部130に付着した分解油180となる成分は液体状態であるため、この分解油180となる成分により、付着部130に付着している臭素を含む化合物138等を洗い流し、熱分解槽110の底部に落下させる。この際、熱分解槽110の底部に落ちた液体状態の分解油180となる成分により、熱分解槽110の底部に固着しているカーボン残渣等を剥離することができる。分解油180の回収が終了する間際とは、分解油180の回収が終了する直前の状態であり、回収される分解油180の量が少なくなることにより、この状態であることを知ることができる。
尚、本実施の形態は、第2の実施の形態における分解油回収装置に適用することも可能である。この場合、ステップ104において、電源135により付着部130に所定の電圧を印加することにより、臭素を含む化合物を付着させる。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における分解油回収装置を用いた分解油製造方法である。図5に基づき、本実施の形態について説明する。本実施の形態は、分解油の回収を始める前に、付着部130に分解油180となる成分を付着させ、付着部130に付着している付着している臭素を含む化合物138等を洗い流すものである。
最初に、ステップ202(S202)において、熱分解槽110に廃プラスチックを投入し、300℃〜600℃に加熱する。これにより、廃プラスチックは熱分解し、気化したガス状の生成物が発生する。
次に、ステップ204(S204)において、付着部130の温度を分解油180の沸点以下にすることにより、気化したガス状の生成物のうち分解油180となる成分を付着部130に付着させる。付着部130に付着した分解油180となる成分は液体状態であるため、この分解油180となる成分により、付着部130に付着している臭素を含む化合物138等を洗い流し、熱分解槽110の底部に落下させる。
次に、ステップ206(S206)において、分解油180の回収を行なう。具体的には、付着部130の冷却を停止し、付着部130の温度を分解油180の沸点を超える温度であって、臭素を含む化合物の沸点以下の温度とする。これにより、分解油180を回収しつつ、付着部130に臭素を含む化合物138等を付着させる。分解油180の回収が終了したら、熱分解槽110における加熱を停止する。
尚、付着部130には臭素を含む化合物138等は付着したままであるが、次の分解油の回収を行う際に、ステップ204において、分解油180となる成分を付着させることにより、付着部130に付着している臭素を含む化合物138等を除去することができる。また、上記説明では、熱分解槽110を加熱した後、付着部130の温度を分解油180の沸点以下とした場合について説明したが、最初から付着部130の温度を分解油180の沸点以下にしておいた後、熱分解槽110を加熱してもよい。また、上記以外の内容については、第3の実施の形態と同様である。
(比較例1)
比較例1について説明する。ABS−FR(17)と識別表示されている廃プラスチックは、臭素系難燃剤を含むABS樹脂であり、一般には、臭素系難燃剤が含まれている。この廃プラスチックと金属材料等を含む筐体材料(ABS−FR樹脂:450g、金属:50g)を図1に示される熱分解槽10に投入し、密閉した後、熱分解槽10、第1の配管40、冷却槽50、第2の配管60及び分解油回収槽70の内部を窒素置換する。この後、加熱部20により、熱分解槽10が500℃になるまで約5℃/分で加熱し、500℃に到達した後は、500℃で2時間維持する。これにより、廃プラスチックは油化し、気化したガス状の生成物が発生し、気化したガス状の生成物は、第1の配管40、冷却槽50、第2の配管60を介し分解油回収槽70の内部に分解油80として溜まる。
このようにして、分解油回収槽70には、分解油80が430g、臭素を含む化合物が含まれる不純物81が15g回収され、熱分解槽10には、残渣39として金属50gとカーボン残渣5gが回収される。尚、カーボン残渣は熱分解槽10の内部に固着しており、熱分解槽10よりカーボン残渣を除去するためには、熱分解槽10を分解し、加熱洗浄及び有機溶剤を用いた洗浄が行なわれる。
(実施例1)
次に、実施例1について説明する。ABS−FR(17)と識別表示されている廃プラスチックと金属材料等を含む筐体材料(ABS−FR樹脂:450g、金属:50g)を図3に示される熱分解槽110に投入し密閉する。この後、熱分解槽110、第1の配管140、冷却槽150、第2の配管160及び分解油回収槽170の内部を窒素置換する。尚、付着部130は、電極間距離30mmの導線コイルにより形成されており熱分解槽110の内部であって、第1の配管140との接続部分近傍に配置されている。この後、加熱部120により、熱分解槽110が500℃になるまで約5℃/分で加熱し、500℃に到達した後は、500℃で2時間維持する。これにより、廃プラスチックは油化し、気化したガス状の生成物が発生し、気化したガス状の生成物は、第1の配管140、冷却槽150、第2の配管160を介し分解油回収槽170の内部に分解油180として溜まる。500℃の温度で2時間維持した後は、付着部130に冷媒容器133より冷媒として水をポンプ134により循環させ、付着部130の温度を120℃以下とする。これにより、気化したガス状の生成物のうち分解油180となる成分を付着部130に付着させ、分解油180となる成分により付着部130に付着している臭素を含む化合物を洗い流し熱分解槽110の底部に落下させる。
このようにして、分解油回収槽170には、分解油180が430g回収され、熱分解槽10には、残渣139として金属50gとタール状の残渣20gが回収される。尚、熱分解槽10の内部にはカーボン残渣は殆ど固着しておらず、熱分解槽110の内部の洗浄には、洗剤と金ダワシ等を用いた簡易な洗浄でよい。
実施例1は、比較例1と比較すると、分解油回収槽170において回収される分解油180には臭素成分は殆ど含まれておらず、また、熱分解槽110、付着部130の洗浄等のメンテナンスも容易である。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
前記ガス状の生成物のうち前記不純物を含む化合物を前記熱分解槽に設けられた付着部に付着させ、
前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させた後、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させることを特徴とする分解油製造方法。
(付記2)
不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
前記熱分解槽に設けられた付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、不純物を含む化合物が付着している前記付着部に前記分解油となる成分を付着させ、
前記付着部に前記分解油となる成分を付着させた後、前記ガス状の生成物のうち不純物を含む化合物を前記付着部に付着させることを特徴とする分解油製造方法。
(付記3)
前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させる際の前記付着部の温度は、前記分解油の沸点を超える温度であって、前記不純物を含む化合物の沸点以下の温度であることを特徴とする付記1または2に記載の分解油製造方法。
(付記4)
前記付着部は導電性材料により形成されており、
前記付着部への前記不純物を含む化合物の付着は、前記付着部に電圧を印加することにより行なわれるものであることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記5)
前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることは、前記分解油の回収が終了する間際において行なうことを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記6)
前記分解油の沸点は、300℃以下であることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記7)
前記不純物は臭素であることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の分解油製造方法。
(付記8)
不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却して分解油を回収する分解油回収槽と、
前記熱分解槽と前記分解油回収槽とを接続する配管と、
前記熱分解槽に設けられた付着部と、
前記付着部を冷却する冷却機構と、
前記冷却機構により前記付着部に前記分解油となる成分を付着させるため、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下に制御する制御部と、
を有していることを特徴とする分解油回収装置。
(付記9)
前記付着部は導電性材料により形成されており、
前記付着部に電圧を印加する電源を有しており、
前記プラスチックが熱分解される際には、前記電源により前記付着部に電圧を印加することを特徴とする付記8に記載の分解油回収装置。
(付記10)
前記分解油の回収が終了する間際に、前記冷却機構により前記付着部の温度が前記分解油の沸点以下の温度となるように、前記制御部により制御されるものであることを特徴とする付記8または9に記載の分解油回収装置。
(付記11)
不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却して分解油を回収する分解油回収槽と、
前記熱分解槽と前記分解油回収槽とを接続する配管と、
前記熱分解槽の内部に設けられた導電性材料により形成された付着部と、
前記付着部に電圧を印加する電源と、
を有していることを特徴とする分解油回収装置。
(付記12)
前記プラスチックが熱分解されて前記分解油が回収される際には、前記電源により前記付着部に電圧を印加するものであることを特徴とする付記11に記載の分解油回収装置。
(付記13)
前記プラスチックが熱分解されて前記分解油が回収される際には、前記冷却機構により前記付着部の温度が前記分解油の沸点を超える温度であって、前記不純物を含む化合物の沸点以下の温度となるように、前記制御部により制御されるものであることを特徴とする付記8から12のいずれかに記載の分解油回収装置。
(付記14)
前記不純物は臭素であることを特徴とする付記8から13のいずれかに記載の分解油回収装置。
(付記15)
前記熱分解槽と前記分解油回収槽との間には冷却槽が設けられており、
前記熱分解槽と前記冷却槽とは第1の配管により接続されており、
前記冷却槽と前記分解油回収槽とは第2の配管により接続されていることを特徴とする付記8から14のいずれかに記載の分解油回収装置。
110 熱分解槽
120 加熱部
130 付着部
132 冷却機構
133 冷媒容器
134 ポンプ
135 電源
140 第1の配管
150 冷却槽
160 第2の配管
170 分解油回収槽
180 分解油
190 制御部

Claims (7)

  1. 不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
    熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
    前記ガス状の生成物のうち前記不純物を含む化合物を前記熱分解槽に設けられた付着部に付着させ、
    前記付着部に前記不純物を含む化合物を付着させた後、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、前記付着部に前記分解油となる成分を付着させることを特徴とする分解油製造方法。
  2. 不純物を含むプラスチックを熱分解してガス状の生成物を発生させ、前記ガス状の生成物を冷却することにより分解油を製造する分解油製造方法において、
    熱分解槽内における前記不純物を含むプラスチックを加熱し、熱分解してガス状の生成物を発生させ、
    前記熱分解槽に設けられた付着部の温度を前記分解油の沸点以下にすることにより、不純物を含む化合物が付着している前記付着部に前記分解油となる成分を付着させ、
    前記付着部に前記分解油となる成分を付着させた後、前記ガス状の生成物のうち不純物を含む化合物を前記付着部に付着させることを特徴とする分解油製造方法。
  3. 前記付着部は導電性材料により形成されており、
    前記付着部への前記不純物を含む化合物の付着は、前記付着部に電圧を印加することにより行なわれるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の分解油製造方法。
  4. 前記不純物は臭素であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の分解油製造方法。
  5. 不純物を含むプラスチックを熱分解する熱分解槽と、
    前記熱分解で発生するガス状の生成物を冷却して分解油を回収する分解油回収槽と、
    前記熱分解槽と前記分解油回収槽とを接続する配管と、
    前記熱分解槽に設けられた付着部と、
    前記付着部を冷却する冷却機構と、
    前記冷却機構により前記付着部に前記分解油となる成分を付着させるため、前記付着部の温度を前記分解油の沸点以下に制御する制御部と、
    を有していることを特徴とする分解油回収装置。
  6. 前記付着部は導電性材料により形成されており、
    前記付着部に電圧を印加する電源を有しており、
    前記プラスチックが熱分解される際には、前記電源により前記付着部に電圧を印加することを特徴とする請求項5に記載の分解油回収装置。
  7. 前記不純物は臭素であることを特徴とする請求項5又は6に記載の分解油回収装置。
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JPH0641546A (ja) * 1992-07-23 1994-02-15 Toyo Dainamu Kk スチレン樹脂廃棄物の油化方法
JPH06145670A (ja) * 1992-11-12 1994-05-27 Toyo Dainamu Kk スチレン樹脂の熱分解油の精製方法

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