JP2013001694A - カリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体およびその製造方法並びにレジスト材料 - Google Patents

カリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体およびその製造方法並びにレジスト材料 Download PDF

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Abstract

【課題】アダマンタン化合物に由来の基が導入されてなる新規なカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体およびその製造方法並びに当該カリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を用いたレジスト材料を提供する。
【解決手段】カリックスレゾルシンアレーントリマー化合物に下記化学式(a)で表わされる基を導入する。

【選択図】なし

Description

本発明は、カリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体およびその製造方法、並びにレジスト材料に関する。
従来、半導体素子などの集積回路素子の製造には、フォトリソグラフィー技術が広く用いられており、このフォトリソグラフィー技術においては、近年、集積回路素子の更なる高集積化の要請があることから、露光光として、短波長の光である極端紫外線(EUV:Extreme Ultra−Violet)を用いることによって形成すべき回路パターンの微細化に対応することが検討されており、また、フォトリソグラフィープロセスにおいて露光光として極端紫外線を用いるに際しては、非晶性、成膜性、耐熱性、剛直性および極端紫外線に対する感応性を有すると共に、低LER(Line Edge Roughness)、すなわち膜面荒れの程度が少なく、微細なパターンを高精度に、かつ安定して形成することのできるレジスト材料の開発が求められている。
而して、発明者らは、極端紫外線を露光光とするフォトリソグラフィー用のレジスト材料としては低分子量の化合物が有用であることに基づいて研究を重ね、分子内に大きな空孔を有する「noria」と称されるラダー型環状オリゴマー(非特許文献1参照)に光脱保護基または光架橋反応基が導入された化合物を提案し(非特許文献2参照)、更に鋭意研究を重ねた結果、「noria」と称されるラダー型環状オリゴマーよりも大きな空孔を有するカリックスレゾルシンアレーントリマーに対して、優れたエッチング耐性を有し高沸点であるアダマンタン化合物に由来の基を光脱保護基として導入することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
Angewandte Chemie Int.Ed.45,7948−7952(2006). Journal of Materials Chemistry,20(21),4445−4450(2010).
本発明の目的は、アダマンタン化合物に由来の基が導入されてなる新規なカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体およびその製造方法並びに当該カリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を用いたレジスト材料を提供することにある。
本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体は、下記化学式(1)で表されることを特徴とする。
〔式中、Rは水素原子または下記化学式(a)で表わされる基を示し、複数のRのうちの少なくとも1つは下記化学式(a)で表わされる基である。〕
本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体の製造方法は、下記化学式(2)で表わされる化合物と、下記化学式(3)で表わされる化合物とを炭酸カリウムの存在下に反応させることにより、上記のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を得ることを特徴とする。
本発明のレジスト材料は、上記のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を含有することを特徴とする。
本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体は、優れた耐熱性が得られると共に、容易に成膜することができ、しかも酸の作用による光脱保護反応によってアルカリ可溶性となるため、フォトレジスト材料として有用である。
本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体の製造方法によれば、本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を容易に得ることができる。
本発明のレジスト材料は、本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を含有するものであり、ポジ型レジスト材料として用いられるものである。
実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体のIRスペクトルである。 実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体の 1H−NMRスペクトルである。 実施例1で得られカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体のGPCデータである。 実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体のIRスペクトルである。 実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体の 1H−NMRスペクトルである 実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体のGPCデータである。 実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体および実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体のTGAデータである。 実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体と光酸発生剤とがテトラヒドロフラン(THF)に溶解されてなる溶液を用いて形成した薄膜に係るIRスペクトルの経時変化を示す図であり、a)は加熱処理前のIRスペクトルであり、b)は加熱処理を5分間行った後のIRスペクトルであり、c)は加熱処理を60分間行った後のIRスペクトルである。 実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体と光酸発生剤とがテトラヒドロフラン(THF)に溶解されてなる溶液を用いて形成した薄膜および実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体と光酸発生剤とがテトラヒドロフラン(THF)に溶解されてなる溶液を用いて形成した薄膜に係る光脱保護反応における転化率(脱保護率)と加熱時間との関係を示す図である。 実施例1で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体と光酸発生剤とがジグライムに溶解されてなる溶液を用いて形成した薄膜および実施例2で得られたカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体と光酸発生剤とがジグライムに溶解されてなる溶液を用いて形成した薄膜の感度曲線を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体は、上記化学式(1)で表わされる化合物であり、アダマンタン化合物に由来の基、具体的にはアダマンチルエステル残基を有することを特徴とするものである。
本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体に係る化学式(1)において、Rは、水素原子または上記化学式(a)で表わされるアダマンタン化合物に由来の基(以下、「特定アダマンチル基」ともいう。)であり、複数のRのうちの少なくとも1つは、特定アダマンチル基である。
このような構成の本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体は、上記化学式(2)で表わされるカリックスレゾルシンアレーントリマー化合物(以下、「原料化合物(1)」ともいう。)と、上記化学式(3)で表わされるα−ブロモ酢酸アダマンチルエステル化合物(以下、「原料化合物(2)」ともいう。)とを炭酸カリウムの存在下に反応させることにより、得ることができる。
原料化合物(1)と、原料化合物(2)との使用量は、合成目的生成物である本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体の構造、具体的には合成目的生成物である本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体における特定アダマンチル基の導入率などに応じて適宜に定められる。
具体的には、特定アダマンチル基の導入率が30%のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を合成目的生成物する場合においては、例えば原料化合物(1)中の水酸基に対して原料化合物(2)が0.3等量とされ、また、特定アダマンチル基の導入率が60%のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を合成目的生成物する場合においては、例えば原料化合物(1)中の水酸基に対して原料化合物(2)が0.6等量とされる。
炭酸カリウムの使用量は、例えば特定アダマンチル基の導入率が30%のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を合成目的生成物とし、原料化合物(1)と原料化合物(2)との使用量が、原料化合物(1)が0.98mmol、原料化合物(2)が7.1mmolである場合には、23mmolであり、また、例えば特定アダマンチル基の導入率が60%のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を合成目的生成物とし、原料化合物(1)と原料化合物(2)との使用量が、原料化合物(1)が0.88mmol、原料化合物(2)が12mmolである場合には、20mmolである。
炭酸カリウムの存在下における原料化合物(1)と原料化合物(2)との反応は、適宜の溶媒中において、適宜の触媒を用いることによって行うことができる。
溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを用いることができる。
また、触媒としては、例えばテトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)などを用いることができる。
触媒の使用量は、例えば原料化合物(1)中の水酸基に対して10mol%である。
また、反応条件としては、例えば反応温度が20〜120℃が好ましく、より好ましくは100℃であり、反応時間が48時間である。
本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体の合成プロセスの一例を、下記反応式(1)に示す。
〔式中、Rは水素原子または上記化学式(a)で表わされる基を示し、複数のRのうちの少なくとも1つは上記化学式(a)で表わされる基である。〕
以上のような本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体は、優れた耐熱性が得られると共に、容易に成膜することができ、しかも酸の作用による光脱保護反応によってアルカリ可溶性となるため、フォトレジスト材料として有用である。特に、本発明のカリックスレゾルシンアレーン誘導体は、低分子量の化合物であることから、極端紫外線(EUV)を露光光として用いるレジスト材料として有用である。
本発明のレジスト材料は、本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を含有することを特徴とするものである。
具体的には、例えば本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体と共に、任意成分として、フェノール性水酸基の一部が酸解離性基で保護されたヒドロキシスチレン系重合体、フェノール性水酸基またはカルボキシ基の一部が酸解離性基で保護されたヒドロキシスチレン/(メタ)アクリレート系共重合体、カルボキシ基の一部が酸解離性基で保護された(メタ)アクリル酸系重合体などの重合体、オニウム塩、ジアゾメタン化合物、およびスルホンイミド化合物などの光酸発生剤、溶剤を有することができる。例えば上記光酸発生剤として、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート(TPS−TF)などのオニウム塩系光酸発生剤(Photo Acid Generator:PAG)と、ジグライムなどの溶剤とを含有するものである。
このような構成の本発明のレジスト材料は、本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を含有するものであり、ポジ型レジスト材料として用いられ、特に本発明のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体と共に光酸発生剤を含有するものは、極端紫外線を露光光として用いる化学増幅ポジ型フォトレジスト材料として有用である。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例において用いた化合物および測定機器は以下の通りである。
(化合物)
化学式(2)で表わされる化合物(以下、「Laddaer−C7 」ともいう。)、炭酸カリウム、下記化学式(A)で表わされる化合物であるトリフェニルスルフォニウムトリフロオロメタンスルフォネート(以下、「TPS−TF」ともいう。)、トリオクチルアミン、エタノール、ジエチルエーテル(エチルエーテル)、n−ヘキサン、乳酸エチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう。)およびメタノールは市販品をそのまま使用した。また、テトラブチルアンモニウムブロマイド(以下、「TBAB」ともいう。)は再結晶したものを用いた。
(測定機器)
(1)赤外分光光度計(IR):
島津製作所(株)「NICORET 380 FT−IR」
(2)核磁気共鳴装置(NMR):
1H NMR;日本電子(株)「JNM−ECA−500型」(500MHz)
(3)熱天秤−示差熱分析(TG/DTA):
セイコーインスツルメンツ(株)「Seiko Instruments EXSTAR 6000/TG/DTA 620」(測定条件:窒素気流下、昇温速度10℃/min、開放型アルミニウムパン)
(4)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
東ソー(株)「HLC−8220システム」
・検出器;HLC−8200 内蔵RI・UV−8200(280nm)
・カラムオーブン;温度40℃
・サンプルポンプ;流速0.600mL/min
・リファレンスポンプ;流速0.600mL
・カラム;昭和電工 Shodex Asahipak GF−510 HQ+GF−310×2
・ガードカラム;昭和電工 Shodex Asahipak GF−1G 7B
・標準; ポリスチレン
・溶媒;DMF(20mM 無水LiBr、20mM H3 PO4 含有)
〔実施例1〕
容積50mLナスフラスコにLaddaer−C7 2g(0.98 mmol(官能基当量23.5 mmol))、相間移動触媒としてTBAB0.75g(水酸基に対して10 mol%)、炭酸カリウム3.2g(23mmol)、NMP25mlを仕込み20分間室温で撹拌した。その後、NMP2 mlに化学式(3)で表わされる化合物であるブロモ酢酸−2−メチル−2−アダマンチル(以下、「BA−Ad」ともいう。)2.0 g(7.1 mmol,Laddaer−C7 中の水酸基に対して0.3等量)を溶解させた溶液を滴下し温度60℃、48時間の条件で反応を行った。
反応が終了した後、反応母液をクロロホルムで希釈し、3%シュウ酸水溶液で2回、蒸留水2回洗浄し、有機層を乾燥剤として無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。乾燥剤をろ別し、減圧留去した後、メタノールで再沈殿を行い、24時間減圧乾燥した後、反応生成物として白色粉末1.86gを収率54%で得た。
得られた反応生成物は、IR分析および 1H−NMR分析の結果から、下記化学式(1−1)で表される化合物(以下、「Laddaer−C7 −Ad」ともいう。)であって、1H−NMRスペクトルに基づいて下記の数式(1)によって算出される特定アダマンチル基の導入率(以下、「Laddaer−C7 −Ad」の導入率ともいう。)が48%であるカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)」ともいう。)であることが確認された。
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示すと共に、IRスペクトルを図1および 1H−NMRスペクトルを図2に示す。
○IR(film,cm-1):
3477(νOH),
2923(νC−H),
1747(νC=O),
1615(νC=Caromatic),
1212,1100(νC−O−C)
1H NMR(600MHz,CDCl3 −TMS)δ:(ppm)
1.19 〜 2.34 (m,385H, Ha ,Hb ,Hg ,Hh ,Hi ,Hj ,Hk ,Hl ,Hm ,Hn ,Ho ,Hp
4.39〜4.55(m,35H,Hc ,Hf
6.06〜6.48(m,12H,He
6.93〜7.48(m,23H,Hd
図1のIRスペクトルにおいては、2923cm-1にアルキル基に基づく伸縮振動が確認され、また1747cm-1にエステルに基づくC=O伸縮振動が確認され、また1212cm-1および1100cm-1にエーテルに基づく伸縮振動が確認された。
図2の1H−NMRスペクトルにおいては、6.93〜7.48ppmおよび6.06〜6.48ppmに芳香族に起因するシグナルが確認され、ブロモメチルに基因するシグナルが消失し、4.39〜4.55ppmにメチンおよびメチレンに起因するシグナルが確認された。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)について、GPC測定を行った。結果を図3に示す。
図3のGPCデータからは、以下のことが確認された。
・Mn=6500 Mw/Mn=1.08,面積比:24%(高分子量側)
・Mn=3200 Mw/Mn=1.01,面積比:76%(Laddaer−C7 −Ad)
〔実施例2〕
容積50mLナスフラスコにLaddaer−C7 1.7g(0.83mmol(水酸基官能基当量19.92mmol))、相間移動触媒としてTBAB0.64g(水酸基に対して10 mol%)、炭酸カリウム2.7g(20mmol)、NMP15mlを仕込み20分間室温で撹拌した。その後、NMP5mlにBA−Ad3.4g(12mmol,Laddaer−C7 中の水酸基に対して0.3等量)を溶解させた溶液を滴下し温度60℃、48時間の条件で反応を行った。
反応が終了した後、反応母液をクロロホルムで希釈し、3%シュウ酸水溶液で2回、蒸留水2回洗浄し、有機層を乾燥剤として無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。乾燥剤をろ別し、減圧留去した後、メタノールで再沈殿を行い、24時間減圧乾燥した後、反応生成物として白色粉末3.45gを収率82%で得た。
得られた反応生成物は、IR分析および1H−NMR分析の結果から、上記化学式(1−1)で表される化合物(Laddaer−C7 −Ad)であって、1H−NMRスペクトルに基づいて上記の数式(1)によって算出される特定アダマンチル基の導入率(Laddaer−C7 −Adの導入率)が68%であるカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体(以下、「カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)」ともいう。)であることが確認された。
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)のIR分析および 1H−NMR分析の結果を下記に示すと共に、IRスペクトルを図4および 1H−NMRスペクトルを図5に示す。
○IR(film,cm-1):
3481(νOH),
2921,2859(νC−H),
1751,1724(νC=O),
1615(νC=Caromatic),
1207,1102(νC−O−C)
1H NMR(600MHz,CDCl3 −TMS)δ:(ppm)
0.88 〜 2.39 (m,439H, Ha ,Hb ,Hg ,Hh ,Hi ,Hj ,Hk ,Hl ,Hm ,Hn ,Ho ,Hp
4.37〜4.84(m,45H,Hc ,Hf
6.08〜6.32(m,12H,He
6.87〜7.28(m,23H,Hd
図4のIRスペクトルにおいては、2859cm-1にアルキル基に基づく伸縮振動が確認され、また1751cm-1および1724cm-1にエステルに基づくC=O伸縮振動が確認され、また1207cm-1および1102cm-1にエーテルに基づく伸縮振動が確認された。
図5の1H−NMRスペクトルにおいては、6.87〜7.28ppmおよび6.08〜6.32ppmに芳香族に起因するシグナルが確認され、ブロモメチルに基因するシグナルが消失し、4.37〜4.84ppmにメチンおよびメチレンに起因するシグナルが確認された。
また、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)について、GPC測定を行った。結果を図6に示す。
・Mn=7000 Mw/Mn=1.16,面積比:25%(高分子量側)
・Mn=3400 Mw/Mn=1.02,面積比:75%(Laddaer−C7 −Ad)
〔カリックスレゾルシンアレーン誘導体の特性〕
得られたカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)について、物理的特性(溶解性、成膜性、耐熱性)、光反応性およびレジスト特性について確認を行った。
(溶解性)
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)およびLaddaer−C72mgに対して、種々の溶媒を2mlずつ加えることにより溶解性を確認する溶解性試験を行った。この溶解性試験においては、室温条件下で溶解しないサンプルにおいては加熱して溶解性を確認した。結果を下記表1に示す。
また、レジスト塗布溶媒に対する溶解性および成膜性についての確認を行った。このレジスト塗布溶媒に対する溶解性および成膜性を確認するに際しては、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)がジグライムに対して溶解性を有することが確認されたことから、成膜性に関しては、ジグライムをレジスト塗布溶媒として用いた場合についての成膜性についての確認を行った。結果を下記表2に示す。
表1においては、室温条件下において溶解した場合を「A」、加熱することによって溶解した場合を「B」、一部が溶解した場合を「C」、溶解しなかった場合を「D」と示す。
また、表1および表2において、「DMSO」はジメチルスルホキシドを示し、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを示し、「PGME」はプロピレングリコールモノメチルエーテルを示し、「PGMEA」はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを示し、「2.38wt% TMAHaq」は濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウム水溶液を示す。
表1の結果から、導入率の増加によって溶解性が向上することが確認された。
また、表2の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)は、レジスト塗布溶剤として用いられるジグライムに溶解し、そのカリックスレゾルシンアレーン誘導体が溶解したジグラム溶液によって薄膜を形成することができ、しかもレジストの現像溶液である濃度2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液に不溶であることから、レジスト材料への応用が可能であると考えられる。
(熱的特性)
TG/DTAを用い、窒素気流下、昇温速度10℃/min(昇温設定:100〜600℃)の条件によってカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)の分解開始温度(Tdi )および5%重量減少温度(Td5%)を確認した。結果を下記表3に示し、熱重量分析(TGA)TGAデータを図7に示す。
表3および図7の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)では145℃で側鎖のアダマンチル基の分解の開始が確認され、390℃でカリックスアレーン骨格(LadderC7 骨格)の分解が確認された。一方、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)では163℃で側鎖のアダマンチル基の分解の開始が確認され、その後、402℃でカリックスアレーン骨格(LadderC7 骨格)の分解が確認された。アダマンチル基の分解とカリックスアレーン骨格(LadderC7 骨格)の分解の間にある緩やかな重量減少は、カルボキシル基による脱炭酸が起こっていることに起因すると考えられる。導入率が高くなるにつれてアダマンチル基の分解開始温度が高くなった。これは、アダマンチル基に保護されていないフェノール性水酸基により生じる酸によるものと考えられる。
(光脱保護反応)
カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)100mg(カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)0.022mmol,カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)0.018mmol)と、光酸発生剤としてのTPS−TF1g(0.0024mmol(カリックスレゾルシンアレーン誘導体に対して10w/w%))とを、脱水THF3mlに溶解させた。得られた溶液をKBr板に塗布し、室温で30分間乾燥後、減圧して30分間室温で乾燥することによって薄膜を形成した。
形成した薄膜に対して、光源として250W超高圧水銀灯(6mW/cm2 (254nm))を用いて光(紫外線)を30分間照射した後、100℃で1時間加熱し、光脱保護反応を行った。温度100℃での加熱処理中においては、FT−IRにより時間変化を追跡した。結果を図8および図9に示す。
ここに、図8は、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)に係るIRスペクトルの経時変化を示す図であり、また図9は、光脱保護反応における転化率(脱保護率)を、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)については四角プロット(■)、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)については菱形プロット(◆)で示した結果であり、この転化率はFT−IRを用いてベンゼン環に起因する1615cm-1付近の吸収ピークを基準として、エーテル結合に起因する1102cm-1付近の吸収ピークの減少から算出した。
また、光脱保護反応のプロセスを、下記反応式(2)に示す。
図8のIRスペクトルにおいては、エーテル結合に基づく1102cm-1のピークが減少し、3000〜3500cm-1にカルボン酸に由来するピークが確認された。エーテル結合の強度の減少から光脱保護反応が加熱時間の経過と共に進行していることが示唆された。
また、加熱時間30分後の脱保護率は、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)は31%、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)は53%を示した。このことから、導入率が高いほど脱保護率が高くなるという傾向を示した。これは、導入率の増加に伴い分子量が増加し、カリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体(Laddaer−C7 −Ad)1molあたりのPGA(光酸発生剤)の割合が増加するためである。さらに光照射後のフィルムが現像溶液(2.38wt%TMAHaq)に溶解したことから、ポジ型レジストへの応用が可能であることが示唆された。
(感度評価)
サンプル瓶にベースレジンとしてのカリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)100mgと、光酸発生剤としてのTPS−TF10mgと、トリオクチルアミン(クエンチャー)1mgとを、ジグライム5mlに溶解させた。得られた溶液をスピンコーター(3000 rpm, 60 sec)でシリコンウェハー上に塗布し、得られた薄膜を100℃で60秒間加熱(プリベーク)し、UV露光(250W超高圧水銀等:254 nm(0〜70 mJ/cm2 ))を行った後、酸を拡散させるために再度100℃で60秒間秒加熱(PEB:Post Exposure Bake)した。その後、濃度2.38wt%のTMAH水溶液で現像を60秒間行い、イオン交換水で60秒間洗浄を行い、オーブンで加熱し、ウェハーを乾燥させ、エリプソメーターにより膜厚を測定した。結果を図10に示す。
図10の結果から、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)はD0 =15mJ/cm2 の感度、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)はD0 =9mJ/cm2 の感度を示すことが判明した。導入率の上昇と共に感度の向上が確認された。これは導入率が上昇すると対応する分子の分子量が増加するためにカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体(Laddaer−C7 −Ad)の1molあたりに対するPGA(光酸発生剤)の当量が増加し、このことから、反応が促進し、酸の拡散効率が上昇したと考えられる。
このような結果から、アルカリ水溶液に不溶であり、ジグライムを用いることで良好な薄膜を形成することが判明した。さらに、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)の分解開始温度がそれぞれ145℃、163℃であり、既存のレジストプロセスに対応する耐熱性を有していることが判明した。また、光反応後にアルカリ水溶液に可溶になり、カリックスレゾルシンアレーン誘導体(1)およびカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)の感度はそれぞれD0 =15mJ/cm2 、D0 =9mJ/cm2 であることが判明した。以上のことから、ポジ型レジスト材料への応用が可能であることが示唆された。特に良好な感度を有したカリックスレゾルシンアレーン誘導体(2)は優れたレジスト特性が期待される。

Claims (3)

  1. 下記化学式(1)で表されることを特徴とするカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体。

    〔式中、Rは水素原子または下記化学式(a)で表わされる基を示し、複数のRのうちの少なくとも1つは下記化学式(a)で表わされる基である。〕
  2. 下記化学式(2)で表わされる化合物と、下記化学式(3)で表わされる化合物とを炭酸カリウムの存在下に反応させることにより、請求項1に記載のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を得ることを特徴とするカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体の製造方法。

  3. 請求項1に記載のカリックスレゾルシンアレーントリマー誘導体を含有することを特徴とするレジスト材料。
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