以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技システム及び遊技方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、各台計数機能付きの台間カード処理機を用いた場合を示すこととする。
まず、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの概念について説明する。図1は、本実施例に係る遊技媒体貸出システムの概念を説明するための説明図である。ここでは説明の便宜上、有価価値であるプリペイド価値「x」及び持玉数「y」が台間カード処理機10に関連付けられていることとする。ここで、かかるプリペイド価値「x」及び持玉数「y」は、台間カード処理機10の記憶部に記憶されており、所定のカード排出操作が行われたならば、最上位のカードのカードIDとプリペイド価値「x」及び持玉数「y」をカード管理装置に送信してこれらを関連付けた後に、該カードが排出される。
同図に示すように、かかる状況において、台間カード処理機10に紙幣(例えば1000円札)が挿入されると、台間カード処理機10は、遊技客の変更があったか否かを判定する。つまり、前遊技客が紙幣を投入したのか、他の遊技客が紙幣を投入したのかを判定する。有価価値であるプリペイド価値及び持玉数が存在する状況下で、他の遊技客が紙幣を投入すると、プリペイド価値が混在してしまい、トラブルの原因となるためである。
具体的には、台間カード処理機10は、装置内部に設けられたタイマを用いて、前回紙幣を投入された時点から今回紙幣を投入されるまでの経過時間若しくは遊技操作等によってリセットされてから今回紙幣を投入されるまでの経過時間を取得し、この経過時間が所定の時間(例えば10分)以上であるか否かを調べる。そして、経過時間が所定時間以上である場合には、遊技客の変更がなされたと判定し、経過時間が所定時間未満である場合には、遊技客の変更なしと判定する。
そして、遊技客の変更なしと判定された場合には、前遊技客が紙幣を投入したものとみなして、投入された紙幣分のプリペイド価値を記憶部に記憶したプリペイド価値に加算する。例えば、プリペイド価値が1円単位に設定されている場合には、1000円札が投入された時点でそのプリペイド価値が「x+1000」となる。なお、プリペイド価値が度数(100円=1度数)に設定されている場合には、1000円札が投入された時点でそのプリペイド価値が「x+10」となる。
これに対して、遊技客の変更がなされたと判定した場合には、前遊技客が有価価値を取り忘れた状態で他の遊技客が紙幣を投入したものとみなし、遊技客変更の報知を行って係員を呼び出す。有価価値を取り忘れた前遊技客が席に戻ってきた場合等のトラブルを防止するためである。
また、遊技客の変更がなされたと判定した場合には、記憶部に記憶したプリペイド価値及び持玉数を前有価価値データにバックアップした後に、投入された紙幣分のプリペイド価値を記憶部に記憶したプリペイド価値に記憶する。例えば、プリペイド価値が1円単位に設定されている場合には、1000円札が投入された時点でそのプリペイド価値が「1000」となり、持玉数は「0」となる。一方、前有価価値データに含まれる前プリペイド価値は「x」となり、前持玉数は「y」となる。
なお、店員により所定の係員操作がなされたならば、前有価価値データに含まれる前プリペイド価値「x」及び前持玉数「y」を最上位のカードに対応付けて排出するとともに、記憶部に記憶したプリペイド価値は「1000」となり、持玉数は「0」となる。
上記一連の処理を行うことにより、有価価値であるプリペイド価値及び持玉数を取り忘れられた状況下で、他の遊技客が紙幣を投入した場合であっても、プリペイド価値の混合を未然に防止することができ、トラブルを回避することが可能となる。なお、ここではプリペイド価値の混合防止について説明したが、同様にタイマを利用することによって、持玉数の混合を防止することもできる。
次に、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、この遊技媒体貸出システムは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、島端計数機80と、精算機90とが通信回線100を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線100に接続されて遊技島を形成する。また、景品管理装置60にはリーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されて景品交換カウンタに設置される。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
この台間カード処理機10には、遊技客が獲得した玉数を計数する各台計数機が設けられている。この各台計数機で計数された玉数は、持玉数として台間カード処理機10内部の記憶部に記憶される。遊技客が所定の持玉払出操作を行うと、この持玉数から所定数が減算処理されるとともに、所定数の玉がノズルを介して遊技機20の上皿に投出される。
また、遊技客が、所定のカード返却操作を行うと、台間カード処理機10内部の記憶部に記憶した持玉数がカードに記憶されるとともに、該カードのカードID、プリペイド価値及び持玉数がカード管理装置40に通知され、併せて該カードの記憶部にプリペイド価値及び持玉数を記憶させた後にカードを排出する。このため、遊技客は、このカードを他の遊技機20に併設された台間カード処理機10に挿入して持玉払出操作を行うことで、他の遊技機で遊技を行うことができる。また、現金の紙幣で遊技を開始する遊技客のために、台間カード処理機10のカード収納部には予め複数枚の一般カードが収納されており、遊技客が所定のカード返却操作を行うと、このカード収納部に収納された最上位の位置に所在する一般カードにプリペイド価値及び持玉数が関連付けられる。
台間カード処理機10は、所定以上のプリペイド価値又は持玉数が存在する状態で紙幣を受け付けた場合に、タイマによる経過時間を参照して遊技客の変更があったか否かを判定する。その結果、遊技客の変更なしと判定された場合には、通常通りに受け付けた紙幣分のプリペイド価値を加算し、遊技客の変更があったと判定された場合には、遊技客の変更があった旨の報知を行うとともに、プリペイド価値及び持玉数を前有価価値データにバックアップした後に、投入された紙幣分のプリペイド価値を記憶部に記憶したプリペイド価値に記憶する。そして、所定の係員操作が行われた場合には、前有価価値データ内の前プリペイド価値及び前持玉数を最上位のカードに関連付けて排出する。これにより、遊技客が変更された場合に生ずるプリペイド価値及び持玉数の混合を防止し、トラブルを未然に回避することができる。
なお、台間カード処理機10は、遊技客による所定のカード排出操作を受け付けた際に、カード収納部に収納された最上位の位置に所在するカードが一般カードである場合には、プリペイド価値及び持玉数を一般カードに格納し、カード管理装置40に一般カードのプリペイド価値及び持玉数の更新指示を行った後に、一般カードを排出する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカード情報として管理する管理装置である。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を受信したならばカード情報を更新し、台間カード処理機10からカードIDを受信したならば、該カードIDに対応する持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機90からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応するプリペイド価値を精算機90に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、計数玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置60には、リーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されている。リーダライタ70は、カードの挿入を受け付けた際に、該カードのカードIDを読み取る装置である。特殊景品払出装置75は、景品管理装置60からの指示に応答して、特殊景品を払い出す装置である。
ここで、この景品管理装置60は、リーダライタ70が一般カード又は会員カードを受け付けた場合には、リーダライタ70で読み出した一般カード又は会員カードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該一般カード又は会員カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
島端計数機80は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得した玉数を計数し、計数値をカードに関連付けるか、レシートへ印字して発行し、会員カードを受け付けて貯玉処理を行う。精算機90は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカードを受け付けるカードユニット部15と、店員が所持するリモコンのコマンドを受信する受信部16とが設けられている。表示操作部13には、遊技客の保有する有価価値(プリペイド価値、持玉数、貯玉数等)を表示し、所定時間操作されなければスクリーンセーバー動作になり、表示していた内容は見えなくなる。
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する計数部17と、獲得玉を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下した遊技媒体は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。この持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉数表示部18aと、持玉を払い出す持玉払出ボタン18bとが設けられている。この持玉数表示部18aは、7セグメント(7SEG)のLCD等で構成され、後述する台間カード処理機10の制御部10dにより表示制御される。
なお、遊技機20には、パチンコ玉を貯留する上皿21及び該上皿21の貯留量を超えたパチンコ玉を貯留する下皿22が設けられている。この上皿21には、カードを返却するカード返却ボタン21aが設けられている。
次に、図3に示した台間カード処理機10のカードユニット部15について、さらに詳細に説明する。図4は、図3に示したカードユニット部15の概略図である。同図(a)には、カードユニット部15を前面側(同図のZ軸の負方向)からみた概略前面図を示し、同図(b)には、カードユニット部15を側面側(同図のYZ平面で切断しX軸の正方向)からみた概略側断面図を示している。
同図(b)に示したように、カードユニット部15は、カード搬送部15aと、リーダライタ部15bと、カード収納部15dとを備えている。また、リーダライタ部15bは、アンテナ部15cを有する。カードユニット部15が取り扱うカードは、ICチップを内蔵するいわゆるICカードであり、あらかじめカードIDが記録されるとともに、プリペイド価値及び持玉数が記録されている。なお、カード内にプリペイド価値及び持玉数を記憶する理由は、台間カード処理機10がカード管理装置40と通信できない場合に対応するためであり、通常はカード管理装置40に記憶されたプリペイド価値及び持玉数が正とされる。
カード搬送部15aは、遊技店の会員に対して発行される会員カードや一般カードが挿入された場合に、カードを同図のZ軸の正方向へと搬送する。また、カードを排出する場合には、カードを同図のZ軸の負方向へと搬送する。リーダライタ部15bは、カードとのデータ送受信を行うアンテナ部15cを有している。また、リーダライタ部15bは、かかるデータ送受信に際して、カードをアンテナ部15c上に保持する。
カード収納部15dは、所定枚数の一般カードを最大10枚程度スタック式で収納でき、開店前には5枚程度収納される。また、持玉データが関連付けられた一般カード又は会員カードが挿入口から挿入された場合には、リーダライタ部15bにてカードIDを読み取り、このカードIDに対応するプリペイド価値及び持玉数をカード管理装置40から受け取り台間カード処理機10内の記憶部に記憶する。この時点で、会員カード又は一般カードと持玉数との関連付けを解消し、関連付けが解消された会員カード又は一般カードは、カード収納部15dの最上位の位置に収納される。
また、カード返却ボタン21aが押下操作されたならば、カード収納部15dの最上位の位置に所在するカードがリーダライタ部15bの位置に搬送され、台間カード処理機10内の記憶部に記憶されたプリペイド価値及び持玉数を関連付けた後に、装置外部に排出される。
次に、図2に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成について説明する。図5は、図2に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成を示す機能ブロック図である。なお、本発明に係る部位以外の説明については図示省略している。
同図に示すように、台間カード処理機10は、通信I/F部10aと、タイマ10bと、記憶部10cと、制御部10dとを有する。なお、この制御部10dには、計数部17並びに図示しない表示操作部13及び持玉数表示部18a等が接続されており、台間カード処理機10には紙幣処理部12aが設けられている。
通信I/F部10aは、カード管理装置40等とのデータ通信を行うためのインタフェース部である。タイマ10bは、計時指示を受けた時点からの経過時間を計時する。記憶部10cは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カードID10c1、タイマしきい値10c2、プリペイド価値10c3、持玉数10c4及び前有価価値データ10c5を記憶する。前有価価値データ10c5は、前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7からなる。なお、カードID10c1は、カード収納部15dの最上位の位置に収納されるカードのカードIDである。
制御部10dは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、データ管理部10d1、遊技客変更判定処理部10d2、払出処理部10d3及びカード返却処理部10d4を有する。データ管理部10d1は、記憶部10cに記憶したプリペイド価値10c3及び持玉数10c4を用いて、カードID10c1に対応するプリペイド価値及び持玉数を管理する。
具体的には、紙幣処理部12aが紙幣を受け付けた際に、遊技客変更判定処理部10d2により遊技客の変更なしと判定された場合には、この紙幣に対応するプリペイド価値をプリペイド価値10c3に加算処理する。一方、遊技客変更判定処理部10d2により遊技客の変更ありと判定された場合には、記憶部10cに記憶したプリペイド価値10c3及び持玉数10c4を前有価価値データ10c5の前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7に移行し、プリペイド価値10c3及び持玉数10c4を零に初期化した後に、紙幣に対応するプリペイド価値をプリペイド価値10c3に加算処理する。なお、元の遊技客によって予め設定された暗証番号の入力等が行われた場合には、遊技客の変更がなかったものと判定し直して前プリペイド価値10c6をプリペイド価値10c3に加算し、前持玉数10c7を持玉数10c4に加算した後に、前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7を零に初期化することで、プリペイド価値及び持玉数を合算する処理を行うようにしてもよい。
また、玉貸し操作がなされたならば、貸出玉数分のプリペイド価値をプリペイド価値10c3から減算処理する。新たな持玉が計数された場合には計数値を持玉数10c4に加算処理し、持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を持玉数10c4から減算処理する。
遊技客変更判定処理部10d2は、タイマ10bを用いて遊技客が変更したか否かを判定する処理部である。記憶部10cに記憶されるプリペイド価値10c3及び持玉数10c4が存在する状態で、紙幣挿入口12から紙幣を受け付けたならば、紙幣を受け付けた時点での経過時間をタイマ10bから取得し、この経過時間を記憶部10cに記憶したタイマしきい値10c2と比較して遊技客が変更されたか否かを判定する。具体的には、経過時間がタイマしきい値10c2を超える場合には遊技客が変更したものと判定し、経過時間がタイマしきい値10c2以下である場合には遊技客の変更なしと判定する。
この遊技客変更判定処理部10d2は、タイマ10bの計時開始指示及びリセット指示を行っており、所定以上の有価価値が存在する状態で紙幣挿入口12から紙幣を受け付けた時点でタイマ10bから経過時間を取得するとともに、該タイマ10bをリセットして計時開始を指示する。また、持玉数10c4が新たに発生した場合や、玉貸し操作、ハンドル操作及び貯玉・再プレイ操作等の遊技操作がなされた場合にも、該タイマ10bをリセットして計時開始を指示する。
払出処理部10d3は、持玉払出ボタンが押下操作された場合に、ノズル14を介して持玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カードにプリペイド価値10c3があることを条件に所定数の遊技媒体を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。なお、貯玉の再プレイを行う場合には、ノズル14を介して貯玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出することになる。
カード返却処理部10d4は、遊技客によって所定のカード返却操作がなされた場合には、カードID10c1、プリペイド価値10c3及び持玉数10c4をカード管理装置40に通知してカード管理装置40により管理されるカード情報40d1の更新指示を行うとともに、カード内にプリペイド価値10c3及び持玉数10c4を書き込んだ後に、該カードを返却処理する。
ただし、所定の係員操作がなされた場合には、カードID10c1、前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7をカード管理装置40に通知してカード管理装置40により管理されるカード情報40d1の更新指示を行うとともに、カード内に前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7をプリペイド価値10c3及び持玉数10c4として書き込んだ後に、該カードを返却処理する。「所定の係員操作」とは、例えば、店員が携帯する店員リモコンによる指示であったり、台間カード処理機10の表示操作部13から特殊なコードを入力する方法などがある。
次に、カード管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40eとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10等とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード情報40d1を記憶する。
このカード情報40d1は、カードID、プリペイド価値及び持玉数等が対応づけられたデータである。10進数5桁のカードIDの最上位の値が会員カード又は一般カードの種別を示しており、この値が「0」であるカードID(例えば、カードID「00001」)は会員カードを意味し、この値が「1」であるカードID(例えば、カードID「10001」)は一般カードを意味する。
制御部40eは、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード情報管理部40e1を有する。カード情報管理部40e1は、記憶部40dに記憶したカード情報40d1を用いて各カードのプリペイド価値及び持玉数等を管理する。
次に、図2に示した台間カード処理機10による紙幣受付時の処理手順について説明する。図6は、図2に示した台間カード処理機10による紙幣受付時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、説明の便宜上、紙幣が挿入された時点で台間カード処理機10に所定以上の有価価値(プリペイド価値又は持玉数)が存在する場合を示している。
同図に示すように、台間カード処理機10は、紙幣の受付待ちの状態にあり(ステップS101;No)、紙幣挿入口12から紙幣を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、所定以上の有価価値(プリペイド価値又は持玉数)が存在するか否かを確認する(ステップS102)。その結果、所定以上の有価価値が存在しない場合には(ステップS102;No)、ステップS106に移行する。かかる有価価値の所定値は、あらかじめ遊技店によって設定され、記憶部10cに記憶される。例えば、少しでも有価価値が存在するか否かを確認する場合には、所定数が「0」となる。また、プリペイド価値については所定数を「1度数(100円)」とし、持玉数については所定数を「25玉」とすることもできる。
これに対して、所定以上の有価価値が存在する場合には(ステップS102;Yes)、遊技客が変更されたか否かを判定する(ステップS103)。ここで、「遊技客が変更されていない」とは、有価価値を保有する遊技客と同一の遊技客が引き続き遊技を継続している状態を意味し、「遊技客が変更された」とは、該有価価値を保有する遊技客と異なる遊技客が遊技を行おうとしている状態を意味する。なお、遊技客が変更されたか否かの判定の詳細については、後述する図7を用いて詳細に説明する。
その結果、遊技客が変更されていないと判定した場合には(ステップS103;No)、ステップS106に移行する。一方、遊技客が変更されたと判定した場合には(ステップS103;Yes)、遊技客変更を報知して(ステップS104)、店員の呼び出しを行う。具体的には、かかる遊技客変更の報知に際しては、例えば台間カード処理機10の状態表示部11のランプを赤色で点滅表示させることができる。また、カード管理装置40に対して警告データを送信し、または、店員の所持するインカムにアラーム信号を送信することもできる。
その後、記憶部10cに記憶したプリペイド価値10c3及び持玉数10c4を前有価価値データ10c5内の前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7に移動して(ステップS105)、プリペイド価値10c3及び持玉数10c4を零に初期化した後、挿入された紙幣分に対応するプリペイド価値をプリペイド価値10c3に加算する(ステップS106)。なお、この間遊技客によって獲得される持玉数は持玉数10c4に加算される。
そして、遊技客変更の報知によって遊技機20に駆け付けた店員が所定の係員操作を行ったならば(ステップS107;Yes)、最上位のカードに前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7を関連付けた後に(ステップS108)、該カードを排出する(ステップS109)。なお、前遊技客と入れ替わりに遊技を行う新たな遊技客は、所定のカード排出操作を行うことで、プリペイド価値10c3及び持玉数10c4を関連付けた一般カードを排出することができる。
上記一連の処理を行うことにより、前遊技客が所持する有価価値(プリペイド価値及び持玉数)と、前遊技客と入れ替わりに遊技を行う新たな遊技客の有価価値(プリペイド価値及び持玉数)とが混合する事態を未然に防止し、遊技機20に戻って来た前遊技客に対して有価価値(プリペイド価値及び持玉数)を返却し、もってトラブルを未然に回避することが可能となる。
次に、図6のステップS104に示した遊技客変更の判定処理手順について具体的に説明する。図7は、図6のステップS104に示した遊技客変更の判定処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、遊技客変更判定処理部10d2は、紙幣を受け付けた時点でタイマ10bから経過時間を示すタイマ値を取得し(ステップS201)、取得したタイマ値を記憶部10cに記憶したタイマしきい値10c2と比較する(ステップS202)。
そして、タイマ値がタイマしきい値10c2以上である場合には(ステップS202;Yes)、遊技客変更であると判定し(ステップS203)、タイマ値がタイマしきい値10c2未満である場合には(ステップS202;No)、遊技客変更なしと判定する(ステップS204)。その後、タイマ10bのタイマ値を零にリセットし(ステップS205)、タイマ10bの計時を開始させる(ステップS206)。
かかる一連の処理を行うことにより、原則としては、前回の紙幣投入から今回の紙幣投入までに所定の時間以上が経過したならば、遊技客が変更されたものと判定することが可能となる。ただし、すでに説明したように、所定の遊技操作がなされた場合には、その時点でタイマ10bがリセットされるため、最後の遊技操作がなされてからの経過時間が所定の時間以上である場合に、遊技客が変更されたものと判定される。
ところで、図6を用いて説明した処理を行うと、一人の遊技客がたまたま一定時間以上遊技を行わなかった場合に、プリペイド価値がプリペイド価値10c3と前プリペイド価値10c6に分離され、また持玉数が持玉数10c4と前持玉数10c7に分離されてしまうという問題がある。
このような事態に備えて、本実施例では、当該遊技客のみしか知らない暗証番号入力が行われた場合に、遊技客の変更なしと判定して、プリペイド価値10c3及び前プリペイド価値10c6を合算し、持玉数10c4及び前持玉数10c7を合算することとしている。かかる暗証番号入力は、カードの返却時又は貯玉の再プレイ時等に行われるため、このような暗証番号の入力が行われると、直ちにプリペイド価値及び持玉数が合算される。
図8は、プリペイド価値及び持玉数の合算手順を示すフローチャートである。同図に示すように、台間カード処理機10は、暗証番号入力の受付待ちの状態で(ステップS301;No)、暗証番号入力を受け付けたならば(ステップS301;Yes)、台間カード処理機10は会員管理装置50に対してカードID10c1及び暗証番号を送信して認証要求を行う(ステップS302)。
そして、会員管理装置50から暗証番号が誤っている旨の通知を受けたならば(ステップS303;No)、ステップS301に移行する。一方、暗証番号が正しい旨の通知を受けたならば(ステップS303;Yes)、前プリペイド価値10c6をプリペイド価値10c3に加算し(ステップS304)、前持玉数10c7を持玉数10c4に加算した後(ステップS305)、前プリペイド価値10c6及び前持玉数10c7を零に初期化する(ステップS306)。
上記一連の処理を行うことで、会員が継続して遊技を行っていると判定した場合には、プリペイド価値及び持玉数の合算を行って、会員による円滑な遊技を可能にすることができる。なお、ここでは説明の便宜上、暗証番号入力を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、店員による係員操作等他の操作をトリガにして、プリペイド価値及び持玉数の合算を行うこともできる。
上述してきたように、本実施例1では、有価価値であるプリペイド価値及び持玉数が存在する状態で紙幣を受け付けた場合に、遊技客変更判定処理部10d2が遊技機20で遊技する遊技客が変更されたか否かをタイマ10bのタイマ値を用いて判定し、遊技客が変更されたと判定した場合に遊技客変更の報知を行う。また、プリペイド価値10c3を前プリペイド価値10c6に移行し、持玉数10c4を前持玉数10c7に移行し、プリペイド価値10c3及び持玉数10c4を零に初期化した後、投入された紙幣分のプリペイド価値をプリペイド価値10c3に加算するよう構成したので、遊技客に跨がる有価価値(プリペイド価値又は持玉数)の混合を未然に防止し、無用なトラブルの発生を抑止することができる。
ところで、上記実施例1では、タイマ10bの経過時間を用いて遊技客変更の有無を判定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客の顔画像データを用いて遊技客変更の有無を判定することもできる。そこで、本実施例2では、遊技客の顔画像データを用いて遊技客変更の有無を判定する場合を説明することとする。
まず、本実施例2に係る台間カード処理機及びカード管理装置の内部構成について説明する。図9は、本実施例2に係る台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成を示す機能ブロック図である。なお、図5に示す部位と同様の機能を有する部位には同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、台間カード処理機10には、カメラ10eが設けられており、制御部10dには、遊技客変更判定処理部10d5が設けられている。また、記憶部10cには、前遊技客の顔画像データの特徴量10c8が記憶されている。
カメラ10eは、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)などからなる撮像素子であり、遊技機20で遊技する遊技客の顔を撮像可能な位置に固定されている。かかるカメラ10eは、台間カード処理機10の枠体内部に埋め込まれることが望ましいが、台間カード処理機10周辺に外付けすることもできる。
遊技客変更判定処理部10d5は、上記カメラ10eの撮像タイミングを制御する。具体的には、紙幣挿入口12への紙幣の投入や玉貸し操作などの遊技操作がなされたことを検知した時点でカメラ10eに対して撮像指示を行う。そして、カメラ10eが撮像した顔画像データを受け取ったならば、この顔画像データから特徴量を算定し、記憶部10cに記憶した前顔画像データの特徴量10c8との相関値を求め、相関値が所定の値以上であれば遊技客変更と判定するとともに、今回算定した特徴量を用いて記憶部10cに記憶した前顔画像データの特徴量10c8を更新する。一方、相関値が所定の値未満であれば遊技客変更なしと判定する処理を行う。
このように、本実施例2では、紙幣挿入口12への紙幣の投入や玉貸し操作などの遊技操作がなされたことを検知した時点で遊技客の顔画像データを撮像して特徴量を算定し、この特徴量を前回の顔画像データの特徴量と比較して、遊技客の変更があったか否かを判定している。なお、顔画像データの特徴量としては、SOBELオペレータ等を適用した微分画像、2次微分処理を行ったラプラシアン画像等様々なものを用いることができる。また、本実施例2では、2つの特徴量を比較する際に相互相関による相関値を用いることとしたが、様々な従来技術を用いることができる。
次に、図9に示した遊技客変更判定処理部10d2の処理手順について説明する。図10は、図9に示した遊技客変更判定処理部10d2の処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、遊技客変更判定処理部10d2は、紙幣処理部12aへの紙幣の投入や玉貸し操作などの遊技操作がなされたことを検知した時点で、カメラ10eに対して撮像指示を行う。これにより、カメラ10eは遊技客の顔画像データを撮像する(ステップS401)。
そして、カメラ10eが撮像した顔画像データを受け取ったならば、この顔画像データから特徴量を算定し(ステップS402)、記憶部10cに記憶した前顔画像データの特徴量10c8を読み出す(ステップS403)。
その後、2つの特徴量の相関値を算定し(ステップS404)、相関値が所定のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS405)。このしきい値は、遊技客変更判定処理部10d2として実行するプログラム中に記述することができるが、記憶部10cに定数として記憶することもできる。
その結果、相関値が所定の値以上であれば(ステップS405;Yes)、遊技客変更と判定するとともに(ステップS406)、今回算定した特徴量を用いて記憶部10cに記憶した前顔画像データの特徴量10c8を更新する(ステップS407)。次回の遊技客変更の判定のためである。一方、相関値が所定の値未満であれば(ステップS405;No)、遊技客変更なしと判定する(ステップS408)。
上述してきたように、本実施例2では、カメラ10eで撮像した遊技客の顔画像データを用いて遊技客変更の有無を判定することとしたので、より正確に遊技客の変更を判定することができる。また、記憶部10c内に遊技客の顔画像データそのものを記憶するのではなく、顔画像データの特徴量を記憶することとしたので、個人情報保護の観点からの問題も生じない。
なお、上記実施例2では、台間カード処理機10の記憶部10cに前顔画像の特徴量10c8を記憶することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置40の記憶部40dに記憶するカード情報40d1に顔画像データの特徴量又は顔画像データそのものを記憶することもできる。この場合は、台間カード処理機10からカード管理装置40に対して顔画像データの特徴量又は顔画像データそのものを送信して照合依頼を行い、カード管理装置40側で照合処理を行うことになる。また、カード管理装置40以外の会員管理装置50等で顔画像データの特徴量又は顔画像データそのものを記憶して照合処理を行うこともできる。
また、上記実施例1及び2では、遊技客変更ありと判定した場合に、紙幣挿入口12に挿入された紙幣を受け入れることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客変更ありと判定した場合に、紙幣を返却することもできる。このようにすれば、記憶部10c内に前有価価値データ10c5(前プリペイド価値10c6、前持玉数10c7)を記憶しなくとも、遊技客間に跨がる有価価値の混合を防止することができる。
具体的には、図11に示すように、紙幣の受付待ちの状態で(ステップS501;No)、紙幣を受け付けたならば(ステップS501;Yes)、所定以上の有価価値があるか否かを確認する(ステップS502)。そして、所定以上の有価価値が存在しない場合には(ステップS502;No)、紙幣分のプリペイド価値をプリペイド価値に加算する(ステップS504)。これに対して、所定以上の有価価値が存在する場合には(ステップS502;Yes)、遊技客変更があったか否かを判定し(ステップS503)、遊技客変更がない場合には(ステップS503;No)、紙幣分のプリペイド価値をプリペイド価値に加算する(ステップS504)。一方、遊技客変更があった場合には(ステップS503;Yes)、遊技客変更を報知した後(ステップS505)、紙幣を返却する処理を行う(ステップS506)。
また、遊技客の変更ありと判定した場合に、紙幣を取り込んだ状態で、店員を呼び出すようにしてもよい。この場合には、駆け付けた店員が所定の操作を行うことによって遊技客に紙幣を返却することになる。
また、紙幣に代えてカードを受け付けた場合に、カードに価値があるか否かを判定して、該カードに価値がある場合に、同様の処理を行うようにしてもよい。
また、遊技客の変更ありと判定した場合に、紙幣やカード(有価価値あり又は会員カード)を受け付けると返却を行い、台間カード処理機10の表示操作部13に「入金不可状態」である旨を表示させ、表示操作部13で入金不可状態を解除させる操作を行うことで、受付状態になるようにしてもよい。なお、この解除操作は、従業員操作であっても遊技客の操作であってもよいが、従業員操作の場合には従業員認証を必要とすることができる。
また、台間カード処理機10の表示操作部13のスクリーンセーバー動作時に紙幣などの挿入を検知すると、スクリーンセーバー動作を解除し、表示操作部13に現在の状態(「通常」、「入金不可」等)を表示させてもよい。
さらに、上記実施例1及び2では、各台計数機能付きの台間カード処理機10に本発明を適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各台計数機能を有さない台間カード処理機10に本発明を適用することもできる。なお、この場合は、持玉数は存在せず、プリペイド価値だけの有無をチェックする。
また、上記実施例1及び2では、タイマ及びカメラを用いて遊技客変更の有無の判定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、人感センサを併用して遊技客変更の有無を判定することもできる。例えば、タイマを用いる場合には、人感センサで遊技客が存在しなくなったことを検知した時点からタイマの計数を開始させれば良い。また、人感センサで新たに遊技客を検知した時点で遊技客の顔画像を撮像するようにすれば良い。