JP2012531428A - 哺乳類以外の系で発現されるタンパク質の捕獲精製プロセス - Google Patents

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Abstract

細胞溶解物から直接、非天然の可溶性形態の哺乳類以外の発現系において発現するタンパク質を精製する方法を開示する。また、リフォールディング溶液から直接、非天然の限定的可溶性形態の哺乳類以外の発現系において発現するタンパク質を精製する方法も開示する。樹脂再生方法もまた提供される。

Description

本出願は、2009年6月25日に出願された米国仮出願第61/220,477号の利益を主張し、当該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一版に、非天然可溶性形態および非天然不溶性形態の双方で発現されるタンパク質を精製するためのプロセスに関し、より詳細には、分離マトリクスにより、リフォールディング混合物または細胞溶解物プールからそのようなタンパク質を直接捕獲することに関する。
Fc含有タンパク質は、通常、CHO細胞等の哺乳類細胞で発現される。Fc含有タンパク質を精製するための親和性クロマトグラフィーの使用が記録されており(例えば、Shukla et al.,(2007)Journal of Chromatography B 848(1):28−39を参照)、そのような系で発現されたタンパク質において観察されたFc構造の程度により、ある程度、成功している。しかしながら、哺乳類以外の細胞で発現されるFc含有タンパク質は、リフォールディングを必要とする、封入体等の限定的可溶性形態の発現細胞に蓄積されることが多く、これは、Fc含有タンパク質を発現するための哺乳類以外の系の選択において、限定要因であった。
プロテインA、プロテインG、および他の化学物質を使用する欠点は、Fc領域を含むタンパク質がプロテインAまたはプロテインG分子と会合するために、タンパク質が最小量の構造を有する必要があるということである。多くの場合、必要な構造の量が、可溶性であるが非天然の形態で組み換えにより発現されるタンパク質にはなく、そのため、精製プロセスにおいてプロテインAクロマトグラフィーが実施されていない。
不溶性の非天然形態で発現されるタンパク質の場合、精製プロセスにおけるプロテインAクロマトグラフィーは、通常、このタンパク質がプロテインA分子と会合することができる程度までリフォールディングされ、その後、そのリフォールディング溶液から希釈されるまで、実施されない。これは、リフォールディング溶液を通常構成する成分の標的タンパク質とプロテインA分子との間の相互作用を破壊する傾向により、タンパク質がリフォールディングされた後、洗浄ステップでリフォールディング混合物の成分を希釈または除去する必要があると考えられたためである(Wang et al.,(1997).Biochem.J.325(Part3):707−710)。この希釈ステップは、数千リットルの培養物の製造規模で作業する場合、時間と資源を消費し、費用がかかる可能性がある。
本開示は、非天然の可溶性形態で、または非天然の不溶性形態で、哺乳類以外の発現系で発現されるFc領域を含むタンパク質を精製する簡易方法を提供することにより、これらの問題に対処する。
Shuklaら,(2007)Journal of Chromatography B 848(1):28−39 Wangら,(1997).Biochem.J.325(Part3):707−710
哺乳類以外の発現系において、非天然の可溶性形態で発現するタンパク質の精製方法を提供する。一実施形態において、本方法は、(a)タンパク質が非天然の可溶性形態で発現する哺乳類以外の細胞を溶解させて、細胞溶解物を生成することと、(b)タンパク質が分離マトリクスと会合するのに適した条件下で、細胞溶解物を分離マトリクスと接触させることと、(c)分離マトリクスを洗浄することと、(d)分離マトリクスからタンパク質を溶出することと、を含む。
このタンパク質は、多量体タンパク質、抗体、およびFc融合タンパク質からなる群から選択されるタンパク質等の、複合タンパク質であり得る。哺乳類以外の発現系は、細菌または酵母細胞を含むことができる。分離マトリクスは、プロテインA、プロテインG、および合成模倣親和性樹脂からなる群から選択される親和性樹脂等の、親和性樹脂であるか、またはイオン交換樹脂、混合方式樹脂、および疎水性相互作用樹脂からなる群から選択される非親和性樹脂等の、非親和性樹脂であり得る。細胞溶解物は、分離マトリクスと接触させられる前に濾過され得る。必須ではないが、本方法は、分離マトリクスから溶出した後に、タンパク質をその天然形態にリフォールディングすることをさらに含むことができる。
哺乳類以外の発現系において、非天然の限定的可溶性形態で発現されるタンパク質を精製する方法を提供する。一実施形態において、本方法は、(a)哺乳類以外の細胞において、非天然の限定的可溶性形態のタンパク質を発現させることと、(b)哺乳類以外の細胞を溶解することと、(c)(i)変性剤、(ii)還元剤、および(iii)界面活性剤のうちの1つ以上を含む可溶化溶液に発現させたタンパク質を可溶化することと、(d)可溶化溶液と、リフォールディング緩衝液とを含むリフォールディング溶液を作製することであって、リフォールディング緩衝液は、(i)変性剤、(ii)凝集抑制剤、(iii)タンパク質安定剤、および(iv)酸化還元成分のうちの1つ以上を含む、リフォールディング溶液を作製することと、(e)タンパク質が分離マトリクスと会合するのに適した条件で、リフォールディング溶液を分離マトリクスに適用することと、(f)分離マトリクスを洗浄することと、(g)分離マトリクスからタンパク質を溶出することと、を含む。
非天然の限定的可溶性形態は、封入体の成分であり得る。タンパク質は、多量体タンパク質、抗体、ペプチボディ、およびFc融合タンパク質からなる群から選択される複合タンパク質等の、複合タンパク質であり得る。哺乳類以外の発現系は、細菌または酵母細胞であり得る。変性剤は、尿素、グアニジウム塩、ジメチル尿素、メチル尿素、およびエチル尿素のうちの1つ以上を含むことが可能であり、還元剤は、システイン、DTT、β−メルカプトエタノール、およびグルタチオンのうちの1つ以上を含むことが可能であり、界面活性剤は、サルコシルおよびドデシル硫酸ナトリウムのうちの1つ以上を含むことが可能であり、凝集抑制剤は、アルギニン、プロリン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、多価アルコール、グリセロール、スクロース、ソルビトール、グルコース、トリス、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、および浸透圧調節物質からなる群から選択することが可能であり、タンパク質安定剤は、アルギニン、プロリン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、多価アルコール、グリセロール、スクロース、ソルビトール、グルコース、トリス、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、および浸透圧調節物質のうちの1つ以上を含むことが可能であり、酸化還元成分は、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、システイン、シスチン、システアミン、シスタミン、およびβ−メルカプトエタノールのうちの1つ以上を含むことが可能である。分離マトリクスは、プロテインA、プロテインG、および合成模倣親和性樹脂からなる群から選択される親和性樹脂等の、親和性樹脂であるか、または分離マトリクスは、イオン交換樹脂、混合方式樹脂、および疎水性相互作用樹脂からなる群から選択される非親和性樹脂であり得る。
他の実施形態において、開示の方法は、(a)再生試薬で分離マトリクスを洗浄するステップと、(b)分離マトリクスを再生するステップをさらに含むことができる。再生試薬は、水酸化ナトリウム等の強塩基、またはリン酸等の強酸のうちの1つであり得る。再生は、4〜6Mの濃度で存在するカオトロープおよび還元剤のうちの1つ、または双方を含む溶液で、分離マトリクスを洗浄することを含むことが可能である。カオトロープは、尿素、ジメチル尿素、メチル尿素、エチル尿素、およびグアニジウムのうちの1つであり得、還元剤は、システイン、DTT、β−メルカプトエタノール、およびグルタチオンのうちの1つであり得る。特定の実施形態において、再生は、pH7.4で、50mMのトリス、10mMのクエン酸塩、6Mの尿素、50mMのDTTを含む溶液で分離マトリクスを洗浄することを含む。
リフォールディングされた哺乳類以外の非天然の限定的可溶性画分複合タンパク質のプロテインA媒体への結合を示すプロットであり、図において、Xは、9.32分の滞留時間で堆積する樹脂を表し、星形は、7.68分の滞留時間で堆積する樹脂を表し、黒丸は、6分の滞留時間で堆積する樹脂を表す。 プロテインA樹脂を用いた、Fcドメインを含む複合タンパク質の精製を示す表である。 開示の方法を用いて、150超のサイクルにおいて、哺乳類以外の非天然の限定的可溶性複合タンパク質を捕獲するために使用された時の、プロテインAの再利用性を示す表である。 開示の方法を用いて捕獲した後の、リフォールディングされた哺乳類以外の非天然の限定的可溶性画分複合タンパク質の6つの異なるイオン交換樹脂(IEX樹脂1、2、3、4、5、6、それぞれ、Toyopearl SP550C(登録商標)、Toyopearl SP650M(登録商標)、GigaCAP S(登録商標)、POROS HS50(登録商標)、Toyopearl SP650C(登録商標)、およびGE Healthcare SPxL(登録商標)に対応する)および混合方式樹脂(MMC樹脂1、GE Healthcare MMC(登録商標))への結合プロファイルを示すプロットである。 陰イオン交換樹脂の1つ(Fractogel TMAE(登録商標)と、陽イオン交換樹脂(Fractogel SO (登録商標))の1つを用いて、Fcドメインを含むタンパク質において得られた精製レベルを示す表である。
本開示は、微生物細胞において産生された非天然タンパク質を分離マトリクス上に捕獲する方法を提供する。非天然の可溶性形態で発現するタンパク質の直接捕獲の場合において、代表的なプロセスと比較した本発明の利点は、タンパク質濃度の強化、減容、および従来の方法より高い回収率、タンパク質の安定性の向上、および最終的なプロセスコストの削減を含む。
非天然の限定的可溶性形態で発現するタンパク質の直接捕獲の場合において、代表的なプロセスと比較した本発明の利点は、分離マトリクス上にタンパク質を捕獲する前に、リフォールディング溶液からタンパク質を希釈する必要性を排除することを含む。
開示の方法の別の利点は、それらが、研究室規模(通常、ミリリットルまたはリットル規模)から、試験工場規模(通常、数百リットル)、または工業規模(通常、数千リットル)の規模の範囲で実施することが可能であることである。開示の方法の大規模での用途は、時間および資源の削減の可能性のため、特に望ましい場合がある。
哺乳類以外、例えば、微生物の細胞は、可溶性または限定的可溶性形態のいずれかで発現するタンパク質を自然に産生する、またはそれを産生するように操作することができる。多くの場合、操作された哺乳類以外の細胞は、封入体と呼ばれる大きな限定的可溶性凝集体の中に組み換えタンパク質を堆積する。しかしながら、特定の細胞成長条件(例えば、温度、またはpH)は、細胞内可溶性モノマーとして発現する組み換えタンパク質を誘発するように変更される場合がある。タンパク質が限定的可溶性封入体の形態で発現する細胞で、対象となるタンパク質を産生するための代替として、タンパク質を非天然であるが可溶性形態で発現するように、細胞成長条件を変更することができる。その後、細胞を溶解し、本明細書に記載されるイオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、または混合方式クロマトグラフィーを使用して、タンパク質を細胞溶解物から直接捕獲することにより単離することができる。本方法は、Fc領域を含むタンパク質を精製するのに特に有用であり得る。
よって、一態様において、本開示は、タンパク質が発現する細胞から生成された溶解物のプールから、非天然であるが可溶性形態の、哺乳類以外の細胞で発現するFc領域を含む対象となるタンパク質を単離する方法に関する。本方法は、プロテインA等の分離マトリクスを利用する。開示の方法の有利な態様の1つは、タンパク質が分離マトリクスに適用される前に、リフォールディングステップの必要性を排除することである。つまり、非天然の可溶性形態の対象となるタンパク質を発現する哺乳類以外の細胞を溶解し、分離マトリクスに溶解物を直接適用し、引き続き、分離マトリクスからタンパク質を溶出することができる。このプロセスは、後に高濃度でリフォールディングすることができる、高度に濃縮されたプールの細胞培養物からタンパク質を分離することを可能にし、特に、本方法は、ベンチ規模から計ることができ、これは、約数リットルから数千リットルの培養物を含む生産規模までの培養物を含むため、大量のタンパク質を産生する時に有利であり得る。
分離マトリクスによる単離後、続いて、対象となるタンパク質は、任意に、公知の、または対象となるタンパク質に良好に作用すると思われるいずれかの技法を使用して、リフォールディングすることができる。
別の態様において、本発明は、非天然の限定的可溶性形態、例えば、リフォールディングされ、リフォールディング混合物から単離される必要のある封入体で発現するFc領域を含む、対象となるタンパク質を単離する方法に関する。通常、リフォールディング溶液は、変性剤(例えば、尿素、または他のカオトロープ、有機溶媒または強力な洗剤)、凝集抑制剤(例えば、中性洗剤、アルギニン、または低濃度のPEG)、タンパク質安定剤(例えば、グリセロール、スクロース、または他の浸透圧調節物質、塩類)、および/または酸化還元成分(例えば、システイン、シスチン、シスタミン、システアミン、グルタチオン)を含有する。リフォールディングタンパク質にとって有益であることが多いが、これらの成分は、精製を阻害する場合があり(例えば、(Wang et al.,(1997)Biochemical Journal325(Part3):707−710を参照)、特にタンパク質を分離マトリクスに適用する前に、さらなる処理のためにこれらの成分からタンパク質を単離する、または希釈する必要がある。
開示の方法の一実施形態において、精製は、リフォールディング混合物に存在する対象となるタンパク質を分離マトリクスに直接適用することにより達成される。このアプローチにおいて、リフォールディングステップ後、対象となるタンパク質を含む全リフォールディング混合物は、プロテインAまたはG樹脂等の分離マトリクスに直接適用される。対象となるタンパク質は、リフォールディング緩衝液の成分の存在下でマトリクスと会合し、不純物は洗い落とされ、タンパク質が溶出される。本方法は、リフォールディング混合物が分離マトリクスに適用される前に、リフォールディング混合物のあらゆる成分を除去する必要性を省くため、本方法は、通常、精製プロセスにおいて、タンパク質をリフォールディング緩衝液または希釈緩衝液から除去するために費やされるステップ、時間、および資源を削減する効果がある。場合によっては、本方法は、後続の精製ステップの必要性も低減する、または排除することもできる。
開示の方法は、後に誘導体化される哺乳類以外の発現系において、非天然の可溶性および非天然の限定的可溶性形態で発現するタンパク質を精製するために利用することもできる。例えば、発現後、Fc領域を含むタンパク質は、毒素等の小分子と会合することができる。そのような凝集体は、本明細書に記載される方法を使用して精製することができる。
I.定義
本明細書に使用される、「a」、および[an」という用語は、別途具体的に記載されない限り、1つ以上という意味である。
本明細書に使用される、「哺乳類以外の発現系」という用語は、哺乳類以外の生物に由来する細胞においてタンパク質を発現するための系を意味し、大腸菌および酵母等の細菌を含む原核生物を含むが、これらに限定されない。多くの場合、哺乳類以外の発現系は、対象となる組み換えタンパク質を発現させるために利用され、一方、他の場合において、対象となるタンパク質は、哺乳類以外の細胞によって発現する内因性タンパク質である。本開示の目的において、対象となるタンパク質が内因性または組み換えであるかに関わらず、タンパク質を哺乳類以外の細胞で発現させる場合、その細胞は、「哺乳類以外の発現系」である。同様に、「哺乳類以外の細胞」は、哺乳類以外の生物に由来し、その例としては、細菌または酵母を含む。
本明細書に使用される、「変性剤」という用語は、タンパク質と接触させた時に、タンパク質の二次構造もしくは三次構造の一部または全てを除去する機能を有するあらゆる化合物を意味する。変性剤という用語は、変性に影響を及ぼす特定の化学化合物、ならびに変性に影響を及ぼす特定の化合物を含む溶液を指す。開示の方法に利用することができる変性剤の例としては、尿素、グアニジウム塩、ジメチル尿素、メチル尿素、エチル尿素、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用される、「凝集抑制剤」という用語は、2つ以上のタンパク質間の相互作用を破壊し、それを低減するか、または排除する機能を有するあらゆる化合物を意味する。凝集抑制剤の例としては、アルギニン、プロリン、およびグリシン等のアミノ酸、グリセロール、ソルビトール、スクロース、およびトレハロース等のポリオールおよび糖類、ポリソルベート−20、CHAPS、トリトンX−100、およびドデシルマルトシド等の界面活性剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用される、「タンパク質安定剤」という用語は、タンパク質の天然状態が改善されるか好まれるように、タンパク質の反応平衡状態を変化させる機能を有するあらゆる化合物を意味する。タンパク質安定剤の例としては、グリセロールまたはソルビトール等の糖類および多価アルコール、ポリエチレングリコール(PEG)およびα−シクロデキストリン等のポリマー、アルギニン、プロリン、およびグリシン等のアミノ酸塩、トリス、硫酸ナトリウム、および硫酸カリウム等の特定の浸透圧調節物質およびホフマイスター塩(Hoffmeister salts)、ならびにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
本明細書に使用される、「Fc」および「Fc領域」という用語は、交換可能に使用され、ヒトまたはヒト以外(例えば、マウス)CH2およびCH3免疫グロブリンドメインを含むか、またはヒトもしくはヒト以外のCH2およびCH3免疫グロブリンドメインと少なくとも90%同一である2つの連続した領域を含む抗体の断片を意味する。Fcは、Fcレセプターと相互作用する機能を有することができるが、それを有する必要はない。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Hasemann&Capra,“Immunoglobulins: Structure and Function,”in William E.Paul,ed.,Fundamental Immunology,Second Edition,209,210−218(1989)を参照のこと。
本明細書に使用される、「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、交換可能に使用され、ペプチド結合により連結される少なくとも5つの自然に生じる、または非天然由来のアミノ酸のあらゆる鎖を意味する。
本明細書に使用される、「複合分子」という用語は、(a)20,000MWより大きいか、または250を超えるアミノ酸残基を含み、かつ(b)その天然形態において、2つ以上のジスルフィド結合を含む、あらゆるタンパク質を意味する。複合分子は、多量体を形成することができるが、それを形成する必要はない。複合分子の例としては、Fcドメインおよび他の巨大タンパク質を含む、抗体、ペプチボディ、およびポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。ペプチボディは、米国特許第6,660,843号明細書、米国特許第7,138,370号明細書、および米国特許第7,511,012号明細書に記載される。
本明細書に使用される、「ペプチボディ」という用語は、任意にリンカーを介して、Fcドメインと連結される1つ以上の生理活性ペプチドを含むポリペプチドを指す。ペプチボディの例は、米国特許第6,660,843号明細書、米国特許第7,138,370号明細書、および米国特許第7,511,012号明細書を参照のこと。
本明細書に使用される、「Fc融合」および「Fc融合タンパク質」という用語は、交換可能に使用され、Fcドメインに共有結合的に結合されるペプチド、またはポリペプチドを指す。
本明細書に使用される、「プロテインA」という用語は、ブドウ球菌プロテインAと同一、または実質的に同一であるあらゆるタンパク質を意味し、商業的に利用可能な形態および/または組み換え形態のプロテインAを含む。本発明の目的において、プロテインAは、Mab Select SuRe(登録商標)媒体(GE Healthcare)等の操作されたプロテインA由来媒体を具体的に含み、単一サブユニット(例えば、Bサブユニット)は、2回以上複製され、隣接する配列に連結されて、組み換えプロテインA分子、および他の非天然由来のプロテインA分子を形成する。
本明細書に使用される、「プロテインG」という用語は、連鎖球菌プロテインGと同一、または実質的に同一であるあらゆるタンパク質を意味し、商業的に利用可能な形態および/または組み換え形態のプロテインGを含む。
本明細書に使用される、「実質的に同一」という用語は、プロテインAを含むタンパク質に関して使用される時、アミノ酸配列において、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%互いに同一であり、未変化のタンパク質の生物学的活性を維持するか、または所望の様式に変更されるタンパク質を意味する。タンパク質が実質的に同一であるかを決定する目的において、同一と考えられるアミノ酸は、生物学的活性に影響を及ぼす可能性が低い保存的置換であるアミノ酸を含み、以下を含む:SerにはAla、IleにはVal、GluにはAsp、SerにはThr、GlyにはAla、ThrにはAla、AsnにはSer、ValにはAla、GlyにはSer、PheにはTyr、ProにはAla、ArgにはLys、AsnにはAsp、IleにはLeu、ValにはLeu、GluにはAla、GlyにはAsp、およびこれらの逆である。例えば、Neurath et al.,The Proteins,Academic Press,New York(1979)を参照のこと。アミノ配列のパーセント同一性は、視覚的検査および数学的計算により決定されるか、またはより好ましくは、比較は、コンピュータプログラムGenetics Computer Group(GCG;Madison,Wis.)Wisconsinパッケージのバージョン10.0プログラムである「GAP」(Devereux et al.,1984,Nucl.Acids Res.12:387)等のコンピュータプログラム、もしくは他の類似するコンピュータプログラムを使用して、配列情報を比較することにより行われる。「GAP」の好ましいデフォルトパラメータは、(1)Schwartz and Dayhoff,eds.,Atlas of Polypeptide Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation,pp.353−358(1979)に記載される、Gribskov and Burgess((1986),Nucl.Acids Res.14:6745)の加重されたアミノ酸比較マトリクス、または他の類似する比較マトリクス、(2)アミノ酸配列において、各ギャップに30のペナルティ、および各ギャップの各シンボルにおいてさらに1のペナルティ、(3)端部ギャップにペナルティなし、ならびに(4)長いギャップに最大ペナルティなし、を含む。配列比較の当業者により使用される他のプログラムも使用することができる。
本明細書に使用される、「単離」および「精製」という用語は、交換可能に使用され、異種要素、例えば、対象となるタンパク質を含む試料に存在する可能性がある、タンパク質またはDNA等の生物学的巨大分子の量を、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%以上減少させることを意味する。異種タンパク質の存在は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル電気泳動法および染色法、ならびに/またはELISAアッセイを含む、あらゆる適切な方法によりアッセイすることができる。DNAおよび他の核酸の存在は、ゲル電気泳動法および染色法、ならびに/またはポリメラーゼ連鎖反応を利用するアッセイを含む、あらゆる適切な方法によりアッセイすることができる。
本明細書に使用される、「分離マトリクス」は、その環境からのタンパク質の分離をもたらすために、合成分子と/または生体分子の間の特定の可逆的相互作用、例えば、IgG抗体のFc領域に結合するプロテインA、または他のFc含有ルタンパク質の性質を利用する、あらゆる吸着材料を意味する。他の実施形態において、特定の可逆的相互作用は、等電点、疎水性、または大きさ等の性質に基づく場合がある。特定の一実施形態において、分離マトリクスは、固体支持体に固定される、プロテインA等の吸着剤を含む。例えば、その全体が本明細書に組み込まれる、Ostrove(1990) in “Guide to Protein Purification,”Methods in Enzymology182:357−379を参照のこと。
本明細書に使用される、「非天然」および「非天然形態」という用語は、交換可能に使用され、Fcドメインを含むタンパク質等の対象となるタンパク質に関して使用される時、タンパク質は、タンパク質の生物学的活性を評価するように設計された適切な生体内または生体外アッセイにおいて、生物学的に活性であるタンパク質の形態に認められる、少なくとも1つの形成された構造属性を欠損することを意味する。タンパク質の非天然形態で欠損することができる構造特色の例としては、ジスルフィド結合、四次構造、適切なアッセイにおいてタンパク質を生物学的に不活性にする破壊された二次もしくは三次構造、または状態が挙げられるが、これらに限定されない。非天然形態のタンパク質は、凝集体を形成することができるが、それを形成する必要はない。
本明細書に使用される、「非天然の可溶性形態」という用語は、Fcドメインを含むタンパク質等の対象となるタンパク質に関して使用される時、タンパク質は、タンパク質の生物学的活性を評価するように設計された適切な生体内または生体外アッセイにおいて、生物学的に活性であるタンパク質の形態に認められる、少なくとも1つの形成された構造属性を欠損するが、タンパク質は、細胞内で(例えば、細胞の細胞質で)、または細胞外で(例えば、溶解物プールで)可溶性である形態または状態で発現することを意味する。
本明細書に使用される、「非天然の限定的可溶性形態」という用語は、Fcドメインを含むタンパク質等の対象となるタンパク質に関して使用される時、(a)タンパク質の生物学的活性を評価するように設計された適切な生体内または生体外アッセイにおいて、生物学的に活性である、および/または(b)可溶性になるために、化学的処理等の処理を必要とする凝集体を形成するタンパク質の形態に認められる、少なくとも1つの形成された構造特色を欠損するいずれの形態または状態を意味する。本用語は、組み換えタンパク質が哺乳類以外の発現系で発現す時に時折認められるもの等、封入体に存在するタンパク質を具体的に含む。
本明細書に使用される、「可溶性形態」という用語は、Fcドメインを含むタンパク質等の対象となるタンパク質に関して使用される時、タンパク質が、細胞内で(例えば、細胞の細胞質で)、または細胞外で(例えば、細胞溶解物プールで)可溶性である形態で発現する形態または状態を広く指す。
II.哺乳類以外の発現系における非天然の可溶性形態で発現するタンパク質の直接捕獲
代表的な精製方法に対する開示された方法の利点の1つは、可溶性タンパク質が分離マトリクスに適用される前に、リフォールディングステップの必要性を排除することである。つまり、細胞溶解物に可溶化されるタンパク質は、分離マトリクスの直接適用することができる。初期の濾過ステップは場合によっては望ましい場合があるが、これは、本方法があらゆる初期の精製の取り組みを必要としないため、有利である。
Fcドメインを含むタンパク質の場合、Fc領域は、プロテインAによって結合されるように、特定の構造レベルを有する必要がある(Wang et al.,(1997)Biochem.J.325(Part3):707−710)。この事実は、可溶性の非天然Fc含有タンパク質が、分離マトリクスと会合するために必要とされる必須構造要素を有さないであろうと一般に考えられているため、非天然の可溶性形態で発現するタンパク質、特にFc領域を含むタンパク質の精製のための分離マトリクスの適用を制限した。さらに、抗体のFc領域は、非還元条件下で、自発的にホモダイマーを形成し、本開示以前は、細胞の還元的環境においてさえ、Fc抱合タンパク質およびペプチドが、タンパク質にとって親和性樹脂に結合するのに十分な構造を形成するだけでなく、タンパク質が天然形態にまだ完全にリフォールディングされていなくても、個々のペプチド鎖が非共有結合ダイマーを容易に形成したことを観察することは予想外であった。
広く信じられている見解を考慮すると、哺乳類以外の微生物細胞の発酵が、可溶性であるが、それでも親和性分離マトリクスと会合するのに十分な構造を有するタンパク質を産生するように誘発され得ることは予測されなかったため、開示の方法の成功は、予想外であり、予期されなかった。
開示の方法は、哺乳類以外の細胞発現系において、非天然の可溶性形態で発現する対象となるタンパク質を精製するために利用することができる。対象となるタンパク質は、タンパク質を自然に産生するか、またはタンパク質を産生するように遺伝子操作されたかのいずれかの生宿主細胞によって産生され得る。タンパク質を産生するための細胞の遺伝子操作の方法は、当該分野において公知である。例えば、Ausabel et al.,eds.(1990),Current Protocols in Molecular Biology(Wiley,New York)を参照のこと。そのような方法は、生宿主細胞の中へのタンパク質の発現をコードする、またはそれを可能にする核酸を導入することを含む。本開示に関して、宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、および昆虫細胞等の、哺乳類以外の細胞である。細菌の宿主細胞は、大腸菌細胞を含むが、これに限定されない。適切な大腸菌株の例としては、HB101、DH5α、GM2929、JM109、KW251、NM538、NM539、および外来DNAを切断しないあらゆる大腸菌株が挙げられる。使用することができる真菌の宿主細胞は、出芽酵母細胞、ピキアパストリス細胞、およびアスペルギルス細胞を含むが、これらに限定されない。新しい細胞株は、当業者に公知の方法を使用して確立することができる(例えば、形質転換、バイアル感染、および/または選定により)。本方法は、哺乳類以外の細胞により内因的に発現するタンパク質に対しても実施することができることに留意する。
哺乳類以外の培養物の産生中、細胞内可溶性形態において、対象となるタンパク質の産生を好むように成長条件が確認され、利用することが可能である。そのような条件は、温度またはpH等の、培養条件パラメータの系統的な実験上の最適化により確認することができる。この最適化は、多因子マトリクスの分析を使用して達成することができる。例えば、マトリクスまたは一連の多因子マトリクスは、所望の種(すなわち、非天然の可溶性形態)の産生を好む温度およびpHを最適化するように評価することができる。最適化スクリーンは、全ての因子マトリクスまたは部分的な因子マトリクスにおいて、温度およびpHを系統的に評価するように設定することができ、他の全てのパラメータを一定に保ちながら、各成分を少なくとも3つの温度またはpHレベルの範囲にわたって変動させる。タンパク質が発現し、所望の形態で発現したタンパク質の収率および質は、標準的な多変量統計ツールを使用して評価することができる。
始めに、特定の対象となるタンパク質を発現する哺乳類以外の細胞を、可溶性形態でタンパク質の発現を誘発するように設計された条件下で、所望の標的密度に成長させる。一実施形態において、細胞は、対象となる野生型タンパク質を発現する。別の実施形態において、細胞は、対象となるタンパク質を組み換えにより発現するように、標準的な分子生物学技法を使用して操作され、対象となるタンパク質を産生するように誘発され得る。対象となるタンパク質は、例えば、Fc部分を含むタンパク質等の、あらゆるタンパク質であり得る。そのようなタンパク質は、例えば、抗体、ペプチボディ、またはFc融合タンパク質であり得、そのいずれもリンカーを介してFc部分に連結され得る。
所望の標的密度に達すると、哺乳類以外の細胞は、成長培地から分離される。分離を達成するための簡単な方法の1つは遠心分離であるが、濾過および他の清澄化方法も使用することができる。
次いで、細胞を収集し、再懸濁溶液の適切な容量に再懸濁する。開示の方法に使用することができる再懸濁溶液の例としては、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水、または水が挙げられる。適切な緩衝液の選択は、ある程度、対象となる分子の性質、ならびにあらゆる容量または濃度の制約により決定される。
再懸濁後、哺乳類以外の細胞を溶解させて、タンパク質を放出し、これは、非天然の可溶性形態で細胞溶解物中に存在し、細胞溶解物を生成する。溶解は、高圧ホモジナイザーに通して細胞懸濁液を供給する等の、あらゆる従来の手段を使用して、または化学溶解プロセスを利用して実施することができる。どの溶解プロセスが選択されても、溶解ステップの機能は、細胞を破砕して、DNAを破壊することである。溶解は、より完全な溶解を達成するために、または大量の細胞懸濁液に対応するために、複数のサイクルで実施することができる。例えば、細胞懸濁液は、数回に分けて、機械ホモジナイザーに通して供給することができる。このプロセスは、対象となるタンパク質を含む細胞内内容物を放出し、細胞溶解物のプールを作製する。
溶解手順後、任意に細胞溶解物を濾過することができる。濾過は、核酸および脂質等の特定の物質および/または不純物を取り除くことができ、細胞溶解物のクロマトグラフィー機器または媒体への直接適用が汚れまたは詰まりをもたらすと疑われる時、または分離マトリクスが汚れに敏感であるか、またはその場での洗浄が困難である時等の、場合によっては望ましい場合がある。細胞溶解物を分離マトリクスに接触させる前に濾過する利点は、その都度決定することができる。
溶解手順後、細胞溶解物は、任意に、空気または酸素の存在下で、適切な時間期間、インキュベートされるか、または酸化還元成分もしくは酸化還元チオール対に曝すことができる。インキュベーションは、分離マトリクスとの会合を促進するために必要な最低限の二次構造の形成を促進する、および/または確実にすることができる。特定のインキュベーションの長さは、タンパク質によって変動するが、通常72時間未満である(例えば、0、0.5、1、2、3、5、7、10、12、18、24、36、48、または72時間)。インキュベーションが実施される場合、インキュベーション時間の長さは、各タンパク質についての実験的分析により決定することができ、これは、場合によってはは短く(または省かれる)、他の場合においては長い。
インキュベーション期間後、放出された対象となるタンパク質を含む細胞溶解物は、タンパク質が分離マトリクスの結合要素と会合するのに適した条件下で、分離マトリクスと接触させられる。タンパク質の親和性マトリクスとの会合を促す代表的な条件は、実施例で提供される。分離マトリクスは、再懸濁液および/または溶解緩衝液の成分によって導入される、宿主細胞タンパク質、DNA、脂質、および化学不純物等の、不純物を含む再懸濁液および/または溶解緩衝液の成分から対象となるタンパク質を分離することができるあらゆる媒体であり得る。
プロテインAおよびGは、親和性クロマトグラフィーにより、Fc領域を含む抗体、ペプチボディ、および他の融合タンパク質を精製するために利用されることが多い。例えば、Vola et al.(1994),Cell Biophys.24−25:27−36、Aybay and Imir(2000),J.Immunol.Methods233(1−2):77−81、Ford et al.(2001),J.Chromatogr.B 754:427−435を参照のこと。プロテインAおよびGは、これらの種類のタンパク質のFc領域に結合するため、この点において有用である。IgG抗体のFc領域を含む組み換え融合タンパク質は、同様の方法を使用して精製することができる。プロテインAおよびGは、分離マトリクスの吸着成分として、開示の方法に利用することができる。
よって、本発明に利用することができる分離マトリクスの例としては、Fc部分を含む分子を精製するために効果的な薬剤であることが知られ、またそれとして一般に利用されるプロテインA樹脂、ならびにMEP HyperCel(登録商標)クロマトグラフィー樹脂等の、プロテインGおよび合成模倣親和性樹脂が挙げられる。
タンパク質を含む細胞溶解物を分離マトリクスと接触させ、それによって、タンパク質を分離マトリクスの吸着成分と会合させることにより、対象となるタンパク質を分離マトリクスと会合させた後、分離マトリクスを洗浄し、未結合の溶解物および不純物を除去する。
洗浄緩衝液の組成物およびpHがタンパク質とマトリクスの双方に適合性があり、タンパク質とマトリクスとの間の相互作用を維持する限り、洗浄緩衝液はあらゆる組成物であり得る。利用することができる適切な洗浄緩衝液の例としては、グリシン、トリス、クエン酸塩、またはリン酸塩を含有する溶液が挙げられ、通常、5〜100mM(例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、または100mM)のレベルである。これらの溶液は、5〜500mM(例えば、5、10、12、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500mM)のレベルで、塩化物、硫酸塩、または酢酸塩等の適切な塩イオンも含有する場合がある。樹脂は、一度、または何回も洗浄することができる。洗浄緩衝剤の正確な組成物は、精製されるタンパク質により変動する。
タンパク質が会合した分離マトリクスが洗浄された後、対象となるタンパク質は、適切な溶液を使用して、マトリクスから溶出される。対象となるタンパク質は、例えば、分離マトリクスと対象となるタンパク質との間の相互作用を妨害することによって、分離マトリクスの吸着成分のタンパク質への結合に干渉する溶液を使用して溶出することができる。この溶液は、pHおよび/または塩を増加させるか、もしくは低下させるかのいずれかができる薬剤を含むことができる。例えば、pHを、約4.5以下、例えば、約3.3〜約4.0、例えば、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、または4.5に低下させることができる。クエン酸塩または酢酸塩を含む溶液は、例えば、pHを低下させるために使用することができる。カオトロープ(例えば、Ejima et al.(2005)Analytical Biochemistry345(2):250−257を参照)、またはアミノ酸塩(例えば、Arakawa et al.(2004)Protein Expression&Purification36(2):244−248を参照)の使用を介して等の、他の溶出方法も知られる。そのような親和性クロマトグラフィーのプロトコルは、当該分野において周知である。例えば、Miller and Stone(1978),J.Immunol.Methods24(1−2):111−125を参照のこと。結合および溶出の条件は、当業者によって容易に最適化され得る。溶出緩衝液の正確な組成物は、精製されるタンパク質により変動する。その後、タンパク質は、任意に、溶出プールからさらに精製され、必要に応じてリフォールディングすることができる。他の場合において、タンパク質をさらに精製する必要がない代わりに、溶出プールから直接リフォールディングする場合がある。溶出プールから直接リフォールディングすることは、リフォールディング溶液中で、インキュベートする前にタンパク質の変性または還元を必要としても、しなくてもよく、ある程度、タンパク質の性質に依存する。
場合によっては、カラム形式で分離マトリクスを提供することが望ましい。そのような場合、クロマトグラフィーカラムを調製し、その後、細胞懸濁液が充填される前に平衡化する。クロマトグラフィーカラムを生成するための技法は、周知であり、利用することができる。任意の調製および平衡化ステップは、タンパク質−マトリクス相互作用を促す、適切なpHおよび塩条件を有する緩衝液でカラムを洗浄することを含む場合がある。このステップは、分離マトリクスに存在する不純物を除去する利益を提供することができ、また単離されるタンパク質の分離マトリクスの吸着成分への結合を強化することができる。
記載のように、分離マトリクスは、カラムに配置することができる。カラムは、圧力を用いて、または用いずに、上から下もしくは下から上に流すことができる。カラム中の液体の流れの方向は、精製プロセス中に反転することができる。精製は、固体支持体が、重力、遠心分離、または濾過を含む、あらゆる適切な手段によって、試料を充填、洗浄、および溶出するために使用される液体から分離される、バッチプロセスを使用して実行することもできる。さらに、精製は、陰イオン交換膜クロマトグラフィー等の、他よりもより強力に、試料中の多少の分子を吸着または保持するフィルタと試料を接触させることにより実行することもできる。
所望する場合、開示の方法のあらゆる所与のステップで試料のタンパク質濃度を決定することができ、あらゆる適切な方法を利用することができる。そのような方法は当該分野において周知であり、1)ローリーアッセイ、ブラッドフォードアッセイ、スミスアッセイ、およびコロイド金アッセイ等の比色法、2)タンパク質のUV吸収性質を利用する方法、および3)同一ゲルの既知量のタンパク質標準との比較に依存する、ゲル上の染色されたタンパク質のバンドに基づく視覚的推定を含む。例えば、Stoschek(1990),“Guide to Protein Purification,”Methods in Enzymology182:50−68の“Quantitation of Protein”を参照のこと。定期的なタンパク質濃度の決定は、実施されている方法の進行を監視するのに有用であり得る。
開示の方法のいずれの、または全てのステップは、手動で、または自動もしくはコンピュータ制御されたシステムを利用する等により、あらゆる都合のよい自動化手段により実行することができることに留意する。
III.哺乳類以外の細胞で発現後、リフォールディング溶液からの非天然の可溶性タンパク質形態の直接捕獲
本開示の別の態様において、哺乳類以外の発現系において、非天然の限定的可溶性形態で発現するタンパク質を精製する方法を開示する。開示の方法の利点は、本方法が、タンパク質を分離マトリクスに適用する前に、リフォールディング溶液を除去する、または希釈する必要性を排除し、それによって、非天然の限定的可溶性形態で発現するタンパク質を単離するための精製プロセスにおける、代表的なステップに関連する時間および資源を削減することである。
哺乳類以外の細胞、例えば、微生物の細胞は、可溶性形態、または限定的可溶性形態のいずれかで細胞内に発現する組み換えタンパク質を産生することができる。成長条件が、可溶性形態のタンパク質を強制的に発現させるように方向付けされない場合、細胞は、封入体等の比較的不溶性の大きな凝集体の中に組み換えタンパク質を堆積する場合がある。これらの凝集体は、通常、生物学的に活性でない、またはタンパク質の完全に折り畳まれた天然形態より活性が低いタンパク質を含む。機能的タンパク質を産生するために、これらの封入体は、多くの場合、対象となるタンパク質が抽出され、生物学的に活性な形態の中にリフォールディングされるように、慎重に変性される必要がある。
代表的な手法では、封入体は、捕獲され、洗浄され、変性および/または還元可溶化溶液に曝される必要があり、その後、変性溶液は、溶液で希釈されて、タンパク質が活性形態の中にリフォールディングされ、天然のタンパク質に認められる構造を形成できる条件を作り出す。続いて、希釈された変性溶液の成分をタンパク質のその場から除去することが必要である。これを行うために、可溶化溶液とリフォールディングされたタンパク質を含むリフォールディング溶液は、通常、プロテインAイオン交換、または他の混合方式吸着剤等の分離マトリクスに適用される前に、緩衝溶液で希釈される。このプロセスは、時間がかかり、資源集約的であり得る。取り扱う必要がある容量、ならびに関連するタンク容量の必要性も著しく増加し、これは、大規模で作業する場合に制約される可能性がある。開示の方法は、そのような希釈ステップの必要性を排除する。
開示の方法は、哺乳類以外の細胞発現系において、非天然の限定的可溶性形態で発現する対象となるタンパク質を精製するために、特に有用である。対象となるタンパク質は、タンパク質を自然に産生するか、またはタンパク質を産生するように遺伝子操作されたかのいずれかの生宿主細胞によって産生され得る。タンパク質を産生するための細胞の遺伝子組操作の方法は、当該分野において周知である。例えば、Ausabel et al.,eds.(1990),Current Protocols in Molecular Biology(Wiley,New York)を参照のこと。そのような方法は、生宿主細胞の中にタンパク質の発現をコードする、またはそれを可能にする核酸を導入することを含む。本開示に関して、これらの宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞等の、哺乳類以外の細胞である。細菌宿主細胞は、大腸菌細胞を含むが、これに限定されない。適切な大腸菌株の例としては、HB101、DH5α、GM2929、JM109、KW251、NM538、NM539、および外来DNAを切断しないあらゆる大腸菌株が挙げられる。使用することができる真菌宿主細胞は、出芽酵母細胞、ピキアパストリス細胞、およびアスペルギルス細胞を含むが、これらに限定されない。新しい細胞株は、当業者によって、周知の方法を使用して確立することができる(例えば、形質転換、バイアル感染、および/または選定により)。本方法は、哺乳類以外の細胞により自然に発現する内因性タンパク質に対しても実施することができることに留意する。
始めに、特定の対象となるタンパク質を発現する哺乳類以外の細胞を、所望の標的密度に成長させる。一実施形態において、細胞は、特定の対象となる野生型微生物タンパク質を発現することができる。別の実施形態において、細胞は、対象となるタンパク質を組み換えにより発現するように、標準的な分子生物学技法を使用して操作され、これに関して、細胞は、対象となるタンパク質を過剰産生するように誘発され得る。対象となるタンパク質は、例えば、Fc部分を含むタンパク質等の、あらゆるタンパク質であり得る。そのようなタンパク質は、例えば、抗体、ペプチボディ、またはFc融合タンパク質であり得、そのいずれもリンカーを介してFc部分に連結され得る。
所望の標的密度に達すると、哺乳類以外の細胞は、成長培地から分離することができる。分離を達成するための簡単な方法の1つは遠心分離であるが、濾過および他の清澄化方法も使用することができる。
次いで、細胞を収集し、再懸濁溶液の適切な容量に再懸濁する。本発明に使用することができる再懸濁溶液の例としては、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水、または水が挙げられる。適切な緩衝液の選択は、対象となる分子の性質、ならびにある程度、あらゆる容量または濃度の制約により決定される。
限定的可溶性の非天然タンパク質を細胞から放出するために、哺乳類以外の細胞を溶解させて、放出された限定的可溶性の非天然タンパク質を含む細胞溶解物を作製する。溶解は、高圧ホモジナイザーに通して細胞懸濁液を供給する等の、あらゆる従来の方式で、または化学溶解プロセスを利用して実施することができる。どの溶解プロセスが選択されても、溶解ステップの機能は、細胞を破砕して、DNAを破壊することである。溶解は、より完全な溶解を達成するために、または大量の細胞懸濁液に対応するために、複数のサイクルで実施することができる。例えば、細胞懸濁液は、数回に分けて、機械ホモジナイザーに通して供給することができる。このプロセスは、自然に生じる、または組み換えの対象となるタンパク質を含む細胞内内容物を放出し、細胞溶解物のプールを作製する。
次に、限定的可溶性の非天然タンパク質は、残りの溶解プールから分離される。これは、例えば、遠心分離により行うことができる。遠心分離媒介分離または洗浄の代表的な条件は、通常、細胞溶解物から過剰な水を除去すること、再懸濁溶液中に得られたスラリーを再懸濁することを含む。この洗浄プロセスは、一度、または複数回実施される場合がある。代表的な遠心分離の種類の例としては、ディスクスタック、連続放出、およびチューブボウルが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に使用することができる再懸濁溶液の例としては、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水、または水が挙げられるが、ETDAまたは他の塩類等の他の薬剤も含むことができる。適切な緩衝液の選択は、ある程度、対象となる分子の性質、ならびにあらゆる容量または濃度の制約により決定される。再懸濁緩衝液の正確な組成物は、精製されるタンパク質により変動する。
次いで、発現したタンパク質は、(i)変性剤、(ii)還元剤、および(iii)界面活性剤のうちの1つ以上を含む可溶化溶液に可溶化される。変性剤は、限定的可溶性タンパク質をほどく手段として含まれ、それによって、あらゆる既存の構造を除去し、埋設された残基を露出させ、タンパク質をより可溶性にすることができる。
変性剤は、可溶化溶液において利用することができる。リフォールディング緩衝液において利用することができるいくつかの一般的な変性剤の例としては、尿素、グアニジウム、ジメチル尿素、メチル尿素、またはエチル尿素が挙げられる。変性剤の特定の濃度は、通常使用される最適化により決定することができる。
還元剤は、共有結合性の分子内もしくは分子間タンパク質結合を形成する傾向を有する露出された残基を還元し、非特異的結合の形成を最小限にする手段として含むことができる。適切な還元剤の例としては、システイン、DTT、β−メルカプトエタノール、およびグルタチオンが挙げられるが、これらに限定されない。還元剤の特定の濃度は、通常使用される最適化により決定することができる。
界面活性剤は、限定的可溶性の非天然タンパク質をほどく手段として含まれ、それによって、埋設された残基を露出させ、タンパク質をより可溶性にすることができる。適切な界面活性剤の例としては、サルコシルおよびドデシル酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤の特定の濃度は、通常使用される最適化により決定することができる。
可溶化溶液の組成物は、精製されるタンパク質により変動するが、特定の一実施形態において、可溶化溶液は4〜6Mのグアニジン、50mMのDTTを含む。
続いて、可溶化溶液(タンパク質を含む)を含むリフォールディング溶液と、リフォールディング緩衝液を作製する。リフォールディング緩衝液は、(i)変性剤、(ii)凝集抑制剤、(iii)タンパク質安定剤、および(iv)酸化還元成分のうちの1つ以上を含む。変性剤は、溶液の熱力を変更し、それによって、平衡を天然形態の最適なバランスにシフトする手段として含むことができる。凝集抑制剤は、1つのタンパク質が別のタンパク質と、またはタンパク質の1つの領域が同じタンパク質の別の領域と非特異的に会合するのを阻止する手段として含むことができる。タンパク質安定剤は、安定した天然タンパク質構造を促進する手段として含むことができ、凝集を抑制する場合もある。
種々の実施形態において、リフォールディング緩衝液中の変性剤は、尿素、グアニジウム塩、ジメチル尿素、メチル尿素、およびエチル尿素からなる群から選択することができる。
種々の実施形態において、リフォールディング緩衝液中のタンパク質安定剤は、アルギニン、プロリン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、多価アルコール、グリセロール、スクロース、ソルビトール、グルコース、トリス、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、および浸透圧調節物質からなる群から選択することができる。
種々の実施形態において、凝集抑制剤は、アルギニン、プロリン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、多価アルコール、グリセロール、スクロース、ソルビトール、グルコース、トリス、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、および浸透圧調節物質からなる群から選択することができる。
種々の実施形態において、チオール対は、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、システイン、シスチン、システアミン、シスタミン、およびβ−メルカプトエタノールからなる群から選択される、少なくとも1つの成分を含むことができる。
リフォールディング緩衝液の成分の特定の濃度は、通常使用される最適化により決定することができる。例えば、マトリクスまたは一連の多因子マトリクスは、所望の種の収率および分布を最適化する条件にリフォールディング緩衝液を最適化するように評価することができる。最適化スクリーンは、全ての因子マトリクスまたは部分的な因子マトリクスにおいて、変性剤、凝集抑制剤、タンパク質安定剤、および酸化還元成分の濃度ならびに性質を系統的に評価するように設定することができ、他の全てのパラメータを一定に保ちながら、各成分を濃度の範囲にわたって変動させる。完了した反応は、標準的な多変量統計ツールを使用して、収率および産物の品質についてRP−HPLCおよびSE−HPLC分析により評価することができる。
リフォールディング溶液の緩衝成分の機能は、リフォールディング溶液のpHを維持することであり、適切なpH範囲に緩衝するあらゆる緩衝液を含むことができる。本方法に使用することができるリフォールディング緩衝液の緩衝成分の例としては、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液、CHAPS、CHES、およびアルギニン系緩衝液が挙げられるが、これらに限定されず、通常、5〜100mM(例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100mM)のレベルである。
リフォールディング緩衝液の組成物は、精製されるタンパク質により変動するが、一実施形態において、リフォールディング緩衝液は、アルギニン、尿素、グリセロール、システイン、およびシスタミンを含む。
次いで、リフォールディング溶液は、所望の時間の間、インキュベートされ得る。インキュベーション期間は、あらゆる長さであり得るが、通常、0〜72時間(例えば、0、0.5、1、2、3、5、7、10、12、18、24、36、48、または72時間)である。
適切なインキュベーション時間後、次いで、タンパク質が分離マトリクスと会合するのに適した条件下で、リフォールディング溶液を分離マトリクスに適用する。分離マトリクスは、可溶化および/または溶解緩衝液の成分によって導入される、宿主細胞タンパク質、DNA、および化学不純物等の、不純物を含む、再懸濁液および/または溶解緩衝液の成分から対象となるタンパク質を分離することができるいずれの媒体であり得る。
プロテインAおよびGは、親和性クロマトグラフィーにより、Fc領域を含む抗体、ペプチボディ、および他の融合タンパク質を精製するために利用されることが多い。例えば、Vola et al.(1994),Cell Biophys.24−25:27−36、Aybay and Imir(2000),J.Immunol.Methods233(1−2):77−81、Ford et al.(2001),J.Chromatogr.B 754:427−435を参照のこと。プロテインAおよびGは、これらの種類のタンパク質のFc領域に結合するため、この点において有用である。IgG抗体のFc領域を含む組み換え融合タンパク質は、同様の方法を使用して精製することができる。プロテインAおよびGは、分離マトリクスの吸着成分として、開示の方法に利用することができる。
よって、本発明に利用することができる親和性分離マトリクスの例としては、Fc部分を含む分子を精製するために効果的な薬剤であることが知られ、またそれとして一般に利用されるプロテインA樹脂、ならびにプロテインGおよび合成模倣親和性樹脂が挙げられる。利用することができる他の材料は、HICおよびイオン交換樹脂(実施例4を参照)を含み、精製されるタンパク質の性質による。
本方法を実施する場合、リフォールディングされた対象となるタンパク質を含むリフォールディング溶液は、タンパク質をリフォールディングするために必要な溶液の成分を希釈または除去する必要なく、分離マトリクスに直接適用される。これは、開示の方法の利点である。始めに、高イオンおよび/またはカオトロピック化合物ならびにリフォールディング溶液の種々の他の成分は、タンパク質が分離マトリクスと会合するのを阻害すると予測された。しかしながら、文献(例えば、Wang et al.(1997)Biochemical Journal.325(Part3):707−710)の報告とは対照的に、タンパク質が、実際には、リフォールディング溶液の成分の存在下で分離マトリクスと会合することができることを認めたことは意外であった。タンパク質がリフォールディング溶液の成分の存在下で分離マトリクスと会合することができるという意外な知見は、希釈ステップまたは緩衝液交換操作の排除を促進し、時間と資源の削減を提供する。
対象となるタンパク質が分離マトリクスと会合した後、分離マトリクスを洗浄して、未結合のタンパク質、溶解物、不純物、およびリフォールディング溶液の不要な成分を除去する。
洗浄緩衝液の組成物およびpHがタンパク質とマトリクスの双方に適合性がある限り、洗浄緩衝液はあらゆる組成物であり得る。適切な洗浄緩衝液の例としては、グリシン、トリス、クエン酸塩、またはリン酸塩を含有する溶液が挙げられるが、これらに限定されない。これらの溶液は、適切な塩を含有する場合もある。適切な塩類は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウム、塩化物、フッ化物、酢酸塩、リン酸塩、および/またはクエン酸塩を含むが、これらに限定されない。pHの範囲は、クロマトグラフィー条件を最適化する、タンパク質の結合を保存する、および対象となるタンパク質の所望の特徴を維持するように選択される。樹脂は、一度、または何回も洗浄することができる。洗浄緩衝剤の正確な組成物は、精製されるタンパク質により変動する。
タンパク質が会合した分離マトリクスが洗浄された後、対象となるタンパク質は、適切な溶液(例えば、低pH緩衝溶液または塩溶液)を使用して溶出され、対象となるタンパク質を含む溶出プールを作製する。
対象となるタンパク質は、例えば、プロテインAと対象となるタンパク質のFc領域との間の相互作用を妨害することによって、分離マトリクスの吸着成分のタンパク質への結合に干渉する溶液を使用して溶出することができる。この溶液は、pHおよび/または塩を増加させるか、もしくは低下させるかのいずれかができる薬剤を含む場合がある。種々の実施形態において、溶出溶液は、酢酸、グリシン、またはクエン酸を含むことができる。溶出は、pHを下げることにより達成することができる。例えば、いくつかある可能性の中で特にクエン酸または酢酸を含む溶液を使用して、pHを、約4.5以下、例えば、約3.3〜約4.2(例えば、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、または4.2)に下げることができる。
いくつかの実施形態において、その後、タンパク質は、溶出プールからさらに精製され、必要に応じてさらにリフォールディングすることができる。他の場合において、タンパク質は、さらに精製される必要がない代わりに、溶出プール中で直接、さらにリフォールディングされる場合がある。
そのような親和性クロマトグラフィーのプロトコルは、当該分野において公知である。例えば、Miller and Stone(1978),J.Immunol.Methods 24(1−2):111−125を参照のこと。イオン交換、混合方式、または疎水性相互作用クロマトグラフィーを利用する場合、塩の濃度は、結合したタンパク質と分離マトリクスとの間のイオン相互作用を妨害するように増加させる、または低下させることができる。そのような溶出をもたらすのに適切な溶液は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウム、塩化物、フッ化物、酢酸、リン酸、および/またはクエン酸を含むが、これらに限定されない。他の溶出方法も公知である。結合および溶出の条件は、当業者によって容易に最適化され得る。
溶出緩衝液の正確な組成物は、精製されるタンパク質および利用される分離マトリクスにより変動する。
場合によっては、分離マトリクスをカラム形式に置くことが望ましい。そのような場合において、カラムを調製し、その後、細胞懸濁液が充填される前に平衡化する。クロマトグラフィーカラムを生成するための技法は、周知であり、利用することができる。任意の調製および平衡化ステップは、対象となるタンパク質を結合するように媒体を調製する、適切なpHおよび組成物を有する緩衝液でカラムを洗浄することを含むことができる。このステップは、分離マトリクスに存在する不純物を除去するのに有益であり、また単離されるタンパク質の分離マトリクスの吸着成分への結合を強化することができる。
本発明のいずれのステップまたは全てのステップは、あらゆる機械的手段により実行することができることに留意する。記載のように、分離マトリクスは、カラムに配置することができる。カラムは、圧力を用いて、または用いずに、上から下もしくは下から上に流すことができる。カラム中の液体の流れの方向は、精製プロセス中に反転することができる。精製は、固体支持体が、重力、遠心分離、または濾過を含む、あらゆる適切な手段によって、試料を充填、洗浄、および溶出するために使用される液体から分離される、バッチプロセスを使用して実行することもできる。さらに、精製は、他よりもより強力に、試料中の多少の分子を吸着または保持するフィルタと試料を接触させることにより実行することもできる。
所望する場合、開示の方法のあらゆる所与のステップでの試料のタンパク質濃度は、あらゆる適切な方法により決定することができる。そのような方法は当該分野において周知であり、1)ローリーアッセイ、ブラッドフォードアッセイ、スミスアッセイ、およびコロイド金アッセイ等の比色法、2)タンパク質のUV吸収性質を利用する方法、および3)同一ゲルの既知量のタンパク質標準との比較に依存する、ゲル上の染色されたタンパク質のバンドに基づく視覚的推定を含む。例えば、Stoschek(1990),“Guide to Protein Purification,”Methods in Enzymology 182:50−68の“Quantitation of Protein”を参照のこと。定期的なタンパク質濃度の決定は、実施されている方法の進行を監視するのに有用であり得る。
開示の方法のいずれの、または全てのステップは、手動で、または自動化もしくはコンピュータ制御されたシステムを利用する等により、あらゆる都合のよい自動化手段により実行することができることに留意する。
IV.カラム清浄
別の態様において、本開示は、多くの場合、本明細書に提供される方法を利用する分離マトリクスが、複数の分離後に清浄され、再利用することができるという所見に関する。本方法のこの意外な特性は、分離が完了した後に分離マトリクスを廃棄する必要がないため、特に製造規模において、費用および資源の著しい削減を提供する。
産業界における一般的な常識は、プロテインA等の分離マトリクスが、高脂質および宿主タンパク質含量を含む高度に異種の供給原料に繰り返し曝された後、タンパク質系親和性樹脂に通常利用される低刺激の再生溶液で処理される場合、不可逆的に汚染され、使用不可能になることを示唆する。しかしながら、開示の方法は、この状況を回避し、使用可能な分離マトリクスの寿命を延長する。大規模な製造プロセス関して、これは、無視できないほどの時間と費用の削減に転換することができる。さらに、清浄ステップは、実施例において開示されるように、その場で、および清浄のために、分離マトリクスをカラムまたは他のマトリクス維持デバイスから抽出する必要なく実施することができ、よって時間と資源を削減することができる。
分離マトリクスの清浄操作の一実施形態において、開示の方法を利用した分離の後、分離マトリクスは、水酸化ナトリウム等の再生試薬、またはリン酸等の酸性試薬で洗浄される。
清浄操作の特定の一実施形態において、プロテインAが分離マトリクスであり、プロテインA樹脂を含有するカラムは、5カラム容量の150mMのリン酸で洗浄され、カラム上で>15分間保持される。酸で洗浄した後、カラムを水で洗い流し、5カラム容量の50mMのトリス、10mMのクエン酸塩、6Mの尿素、50mMのDTT(pH7.4)で再生し、続いて水で洗浄し、次いで、3カラム容量の150mMのリン酸で洗い流す。この清浄プロトコルは、200を超えるサイクルのプロテインA樹脂を達成するために利用されている。図3は、開示の清浄方法を使用して達成可能な結果を強調する。
以下の実施例は、本発明の実施形態および態様を示すものであり、制限するものではない。
実施例1
プロテインA親和性クロマトグラフィーを使用した可溶性形態で発現するタンパク質の直接捕獲
以下の実験は、Fc部分に連結された複数のポリペプチドを含むタンパク質がプロテインA親和性媒体を使用して、大腸菌細胞溶解物のスラリーから分離できることを示す。
Fc部分に連結された複数のポリペプチドを含むタンパク質は、30℃で誘発された大腸菌発酵で発現し、可溶性形態のタンパク質産物を発現するように誘発される。発酵ブロスを遠心分離し、液体画分を除去し、細胞ペーストを収集した。細胞を、約100%の初期容量まで10mMのリン酸カリウム、5mMのEDTAのpH6.8の緩衝液に再懸濁した。次いで、高圧ホモジナイザーに3回通すことにより細胞を溶解させた。細胞が溶解した後、細胞溶解物を0.1μmのフィルタを通して濾過し、微粒子レベルに減少させた。その後、約24時間、約5℃で、材料を密閉したボトルに保管した。
別の操作において、GE Healthcare Mab Select(登録商標)プロテインA親和性樹脂を含む充填カラムを調製し、5カラム容量(CV)の10mMトリス(pH8.0)で平衡化した。
Fc部分を含むタンパク質のアリコートを、溶解物から直接サンプル採取した。タンパク質混合物を、6〜10分の滞留時間で、約0.02ミリモルの総タンパク質/L樹脂に装填した。滞留時間の関数として、結合されたタンパク質と装填されタンパク質の相関を示す図1を参照のこと。
装填後、カラムを、最大220cm/時で、5CVの10mMトリス(pH8.0)で洗浄した。対象となるタンパク質を、最大220cm/時で、50mMの酢酸ナトリウム(pH3.1)で溶出することにより、樹脂から回収した。溶出プールから、初期の細胞ブロスにおける90%を超える可溶性材料が回収された。次の精製ステップが行われるまで、溶出プールの収集されたタンパク質を2〜8℃で保管した。
分離後、最大220cm/時で、5CVの6Mのグアニジン(pH8.0)を流すことにより樹脂媒体をその場で清浄した。
この分離結果は、哺乳類以外の系で発現された可溶性タンパク質が、分離マトリクスに適用される前に、タンパク質をリフォールディングする必要なく、高収率で細胞溶解物から直接捕獲され、精製できることを示した。
実施例2
プロテインA親和性クロマトグラフィーを使用したリフォールディング混合物からの限定的可溶性形態で発現したFc含有タンパク質の捕獲
以下の実験は、プロテインA親和性媒体を使用して、Fc含有タンパク質がグリセロール、グアニジン、尿素、およびアルギニンを含むリフォールディング混合物から分離できることを示す。
一実験において、哺乳類以外の発現系、つまり、大腸菌において、リンカーを介してIgG1分子のFc部分のC末端に連結された生物学的に活性なペプチドを含み、約57kDaの分子量を有し、8つのジスルフィド結合を含む組み換えタンパク質を採取し、適切な条件下でリフォールディングし、プロテインA親和性媒体を使用して捕獲した。
細胞が成長した成長培地を遠心分離し、液体画分を除去し、細胞がペーストとして残った。細胞を、約60%の初期容量まで水に再懸濁した。高圧ホモジナイザーに3回通すことにより細胞を溶解させた。
細胞を溶解させた後、溶解物をディスクスタック遠心分離で遠心分離して、固体画分でタンパク質を収集し、これは、限定的可溶性の非天然形態で、つまり、封入体として発現した。
50〜80%の初期の発酵ブロス容量までスラリーを水に再懸濁し、混合し、遠心分離することにより、タンパク質スラリーを複数回洗浄し、固体画分でタンパク質を収集した。
次いで、濃縮されたタンパク質を、タンパク質、グアニジン、尿素、およびDTTを含有する可溶化溶液に混合した。
タンパク質溶液を、1時間インキュベーションした後、適切なレベルのアルギニン、尿素、グリセロール、システイン、およびシスタミンを含有するリフォールディング緩衝液に希釈した。
別の操作において、内径1.1cm、高さ約25cmの寸法のProSep VA Ultra(登録商標)プロテインA親和性樹脂を含む充填カラムを調製し、5カラム容量(CV)の25mMのトリス、100mMの塩化ナトリウム(pH7.4)、または類似する緩衝溶液で平衡化した。
リフォールディング溶液からのFc部分を含むタンパク質のアリコートを、一連のデプスフィルタおよび/または膜フィルタを通して濾過し、微粒子を除去した。調整され、濾過されたタンパク質混合物を、6〜10分の滞留時間で、約0.35ミリモルの総タンパク質/Lの樹脂に装填した。滞留時間の関数として、結合されたタンパク質と装填されタンパク質の相関を示す図1を参照のこと。
装填後、カラムを、最大400cm/時で、4.5CVの25mMのトリス、100mMの塩化ナトリウム(pH7.4)、または類似する緩衝溶液で洗浄した。Fc含有タンパク質を、最大300cm/時で、100mMの酢酸ナトリウム(pH3.7)で溶出することにより、樹脂から回収した。得られた純度の平均レベルを図3に示す。
分離後、5CVの150mMのリン酸を流すことにより樹脂媒体をその場で清浄した。カラムを、5CVの50mMのトリス、10mMのクエン酸塩、6Mの尿素、および50mMのDTT(pH7.4)で再生し、水で洗浄し、その後、3CVの150mMのリン酸で洗い流した。
この分離結果は、哺乳類以外の系で発現された不溶性タンパク質が、図3に示す表に示されるように、150を超えるサイクルの間、分離マトリクスに適用する前にリフォールディング緩衝液を希釈する必要なく、リフォールディング緩衝液から直接精製できることを示す。
別の分離において、プロテインAカラムを、上記手順で8〜10回循環させた後、採集サイクルを以下のように行った:媒体を5カラム容量(CV)の25mMのトリス、100mMの塩化ナトリウム(pH7.4)、または類似する緩衝溶液で平衡化した。リフォールディング緩衝液から直接サンプル採取したタンパク質のアリコートを、一連のデプスフィルタおよび/または膜フィルタを通して濾過し、微粒子を除去した。次いで、調整され、濾過されたタンパク質混合物を、6〜10分の滞留時間で、0.35ミクロモルの総タンパク質/Lの樹脂に、カラム上で装填した。滞留時間の関数として、結合されたタンパク質と装填されタンパク質の相関を示す図1を参照のこと。
装填後、カラムを、最大400cm/時で、4.5CVの25mMのトリス、100mMの塩化ナトリウム(pH7.4)、または類似する緩衝溶液で洗浄した。対象となるタンパク質を、最大300cm/時で、100mMの酢酸ナトリウム(pH3.7)で溶出することにより、樹脂から回収した。その上に5CVの150mMのリン酸を流すことにより、樹脂媒体をその場で清浄した。最後に、カラムを、水で洗い流し、5CVの50mMのトリス、10mMのクエン酸塩、6Mの尿素、および50mMのDTT(pH7.4)で再生し、水で洗浄し、その後、3CVの150mMのリン酸で洗い流した。後の樹脂の分析は、サイクル間でのタンパク質の持ち越しを示さず、双方の清浄方法後、樹脂を再利用する能力を示した。
実施例3
陽イオン交換クロマトグラフィーを使用したリフォールディング混合物からのFc含有タンパク質の分離
以下の実験は、陽イオン交換媒体を使用して、Fc含有タンパク質がグリセロール、グアニジン、尿素、およびアルギニンを含むリフォールディング混合物から分離できることを示す。
一実験において、リンカーを介してIgG1分子のFc部分のC末端に連結された生物学的に活性なペプチドを含み、約57kDaの分子量を有し、8つのジスルフィド結合を含む組み換えタンパク質を、哺乳類以外の発現系、つまり、大腸菌で発現させ、採取し、適切な条件下でリフォールディングし、陽イオン交換媒体を使用して捕獲した。
細胞が成長した成長培地を遠心分離し、液体画分を除去し、細胞がペーストとして残った。細胞を水に再懸濁した。高圧ホモジナイザーに複数回通すことにより細胞を溶解させた。細胞を溶解させた後、溶解物を遠心分離して、タンパク質を収集し、これは、限定的可溶性の非天然形態で、つまり、封入体として発現した。スラリーを水に再懸濁し、混合し、遠心分離することにより、タンパク質スラリーを複数回洗浄し、タンパク質を収集した。次いで、濃縮されたタンパク質を、グアニジンおよびDTTを含有する可溶化緩衝液に移した。タンパク質溶液を、1時間インキュベーションした後、適切なレベルのアルギニン、尿素、グリセロール、システイン、およびシスタミンを含有するリフォールディング緩衝液に希釈した。
別の操作において、内径1.1cm、高さ約20cmの寸法のEMD Fractogel S0 陽イオン交換樹脂を含む充填カラムを調製し、5カラム容量の30mMのMES(pH4.5)緩衝溶液で平衡化した。
Fc部分を含むタンパク質のアリコートを、リフォールディング溶液から直接サンプル採取し、水で3倍に希釈し、50%の塩酸で約pH4.5に滴定し、一連のデプスフィルタおよび/または膜フィルタを通して濾過し、微粒子を除去した。調整され、濾過されたタンパク質混合物を、60cm/時で、約0.96ミリモルの総タンパク質/Lの樹脂に装填した。
装填後、カラムを、60cm/時で、3CVの30mMのMES(pH4.5)で洗浄した後、さらに3CVの30mMのMES(pH6.0)で洗浄した。対象となるタンパク質を、60cm/時で、30mMのMES(pH6.0)と30mMのMES、500mMのNaCl(pH6.0)との間で、25CVにわたって勾配溶出により樹脂から回収した。次の精製ステップが行われるまで、溶出プールの収集されたタンパク質を2〜8℃で保管した。
SECおよびRP−HPLCによって決定された、得られた純度レベルを図5に示す。
分離後、120cm/時で、3CVの1Mの水酸化ナトリウムを流すことにより樹脂媒体をその場で清浄し、さらに3CVの1mの水酸化ナトリウムで洗浄する前に60分保持した。
この分離結果は、哺乳類以外の系で発現された不溶性タンパク質が、イオン交換分離マトリクスを含む、種々の分離マトリクスでリフォールディング緩衝液から捕獲され、精製できることを示す。
実施例4
親和性クロマトグラフィーによってFc含有タンパク質をリフォールディング緩衝液から直接単離するために使用されたプロテインA親和性樹脂の再利用性
本方法の別の態様において、種々のカラム清浄方法が、本明細書に記載される方法と併用して利用することができ、本方法を経済的に実行可能にさせる程度までにクロマトグラフィー樹脂の再利用を可能にする。プロテインA親和性樹脂の場合について、実施例2および実施例3に記載するように、再利用を可能にするために、樹脂から産物および産物以外の汚染物を除去するための清浄プロトコルが開発され、示された。清浄剤は、苛性物質(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)、洗剤(例えば、SDSまたはトリトンX−100)、変性剤(例えば、尿素またはグアニジン誘導体)、および還元剤(例えば、DTTまたはチオグリコレート)を含む。これらの薬剤は、組み合わせて、または単独で使用することができる。
記載される直接捕獲方法の適用後のカラム樹脂の再利用性を示すために、pH調節され、濾過されたFc含有タンパク質のアリコートを、新しい、未使用の樹脂と、前に94回循環させた樹脂の上に装填し、プロテインA樹脂の清浄、および樹脂の前歴に関するFc含有タンパク質の結合および分離の精製に対する効果を評価した。
媒体を5カラム容量(CV)の25mMのトリス、100mMの塩化ナトリウム(pH7.4)、または類似する緩衝溶液で平衡化した。リフォールディング緩衝液から直接サンプル採取したタンパク質のアリコートを、一連のデプスフィルタおよび/または膜フィルタを通して濾過し、微粒子を除去した。次いで、調整され、濾過されたタンパク質混合物を、6〜10分の滞留時間で、約0.35ミクロモルの総タンパク質/mLの樹脂にカラム上で装填した。滞留時間の関数として、結合したタンパク質と装填されタンパク質の相関を示す図1を参照のこと。
装填後、カラムを、最大400cm/時で、4.5CVの25mMのトリス、100mMの塩化ナトリウム(pH7.4)、または類似する緩衝溶液で洗浄した。対象となるタンパク質を、最大300cm/時で、100mMの酢酸ナトリウム(pH3.7)で溶出することにより、樹脂から回収した。5CVのリン酸、および50mMのトリス、10mMのクエン酸塩、6Mの尿素、および50mMのDTT(pH7.4)を含有する5CVの酸性緩衝溶液を使用して、各カラムを再生した。
この手順を100を超えるサイクル繰り返えした。この再利用試験から選択された試料をSEC−HPLC分析に供した。目標は、プールからの%MP純度、%HMW、および%ダイマー種を追跡すること、ならびに装填からの純度レベルの変化を理解することであった。使用したカラムと新しいカラムとの間に、主な相違は認められなかった。
この実施例は、複合タンパク質が複雑な化学溶液から捕獲することができるだけでなく、樹脂を繰り返し循環させ、清浄し、工業的に意味のある多数のサイクルに対して再現可能に再利用できることを示す。

Claims (29)

  1. 哺乳類以外の発現系において、非天然の可溶性形態で発現するタンパク質の精製方法であって、
    (a) 前記タンパク質が非天然の可溶性形態で発現する哺乳類以外の細胞を溶解させて、細胞溶解物を作製することと、
    (b) 前記タンパク質が分離マトリクスと会合するのに適した条件下で、前記細胞溶解物を前記分離マトリクスと接触させることと、
    (c) 前記分離マトリクスを洗浄することと、
    (d) 前記タンパク質を前記分離マトリクスから溶出することと、を含む、方法。
  2. 前記タンパク質は、複合タンパク質である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複合タンパク質は、多量体タンパク質、抗体、およびFc融合タンパク質からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記哺乳類以外の発現系は、細菌または酵母細胞を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記分離マトリクスは、プロテインA、プロテインG、および合成模倣親和性樹脂からなる群から選択される親和性樹脂である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記分離マトリクスは、イオン交換樹脂、混合方式樹脂、および疎水性相互作用樹脂からなる群から選択される非親和性樹脂である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記細胞溶解物は、前記分離マトリクスと接触させられる前に濾過される、請求項1に記載の方法。
  8. 溶出した後に、前記タンパク質をその天然形態にリフォールディングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 哺乳類以外の発現系において、非天然の限定的可溶性形態で発現するタンパク質の精製方法であって、
    (a) 哺乳類以外の細胞において、非天然の限定的可溶性形態のタンパク質を発現させることと、
    (b) 哺乳類以外の細胞を溶解することと、
    (c)
    (i) 変性剤、
    (ii) 還元剤、および
    (iii) 界面活性剤、のうちの1つ以上を含む可溶化溶液に前記発現させたタンパク質を可溶化することと、
    (d) 前記可溶化溶液と、リフォールディング緩衝液と、を含むリフォールディング溶液を作製することであって、前記リフォールディング緩衝液は、
    (i) 変性剤、
    (ii) 凝集抑制剤、
    (iii) タンパク質安定剤、および
    (iv) 酸化還元成分、のうちの1つ以上を含む、リフォールディング溶液を作製することと、
    (e) 前記タンパク質が分離マトリクスと会合するのに適した条件で、前記リフォールディング溶液を前記マトリクスに適用することと、
    (f) 前記分離マトリクスを洗浄することと、
    (g) 前記タンパク質を前記分離マトリクスから溶出することと、を含む、方法。
  10. 前記非天然の限定的可溶性形態は、封入体の成分である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記タンパク質は、複合タンパク質である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記複合タンパク質は、多量体タンパク質、抗体、ペプチボディ、およびFc融合タンパク質からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記哺乳類以外の発現系は、細菌または酵母細胞である、請求項9に記載の方法。
  14. 前記変性剤は、尿素、グアニジウム塩、ジメチル尿素、メチル尿素、およびエチル尿素のうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
  15. 前記還元剤は、システイン、DTT、β−メルカプトエタノール、およびグルタチオンのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
  16. 前記界面活性剤は、サルコシルおよびドデシル硫酸ナトリウムのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
  17. 前記凝集抑制剤は、アルギニン、プロリン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、多価アルコール、グリセロール、スクロース、ソルビトール、グルコース、トリス、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、および浸透圧調節物質からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  18. 前記タンパク質安定剤は、アルギニン、プロリン、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、多価アルコール、グリセロール、スクロース、ソルビトール、グルコース、トリス、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、および浸透圧調節物質のうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
  19. 前記酸化還元成分は、還元型グルタチオン、酸化型グルタチオン、システイン、シスチン、システアミン、シスタミン、およびβ−メルカプトエタノールのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の方法。
  20. 前記分離マトリクスは、プロテインA、プロテインG、および合成模倣親和性樹脂からなる群から選択される親和性樹脂である、請求項9に記載の方法。
  21. 前記分離マトリクスは、イオン交換樹脂、混合方式樹脂、および疎水性相互作用樹脂からなる群から選択される非親和性樹脂である、請求項9に記載の方法。
  22. (a)前記分離マトリクスを再生試薬で洗浄するステップと、
    (b)前記分離マトリクスを再生するステップと、をさらに含む、請求項1または9に記載の方法。
  23. 前記再生試薬は、強塩基または強酸のうちの1つである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記強酸はリン酸である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記強塩基は水酸化ナトリウムである、請求項23に記載の方法。
  26. 前記再生することは、4〜6Mの濃度で存在するカオトロープおよび還元剤のうちの1つ、または双方を含む溶液で、前記分離マトリクスを洗浄することを含む、請求項22に記載の方法。
  27. 前記カオトロープは、尿素、ジメチル尿素、メチル尿素、エチル尿素、およびグアニジウムのうちの1つである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記還元剤は、システイン、DTT、β−メルカプトエタノール、およびグルタチオンのうちの1つである、請求項26に記載の方法。
  29. 前記再生することは、pH7.4で、50mMのトリス、10mMのクエン酸塩、6Mの尿素、50mMのDTTを含む溶液で、前記分離マトリクスを洗浄することを含む、請求項22に記載の方法。
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