JP5793080B2 - セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを使用する酸性タンパク質の精製 - Google Patents

セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを使用する酸性タンパク質の精製 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを使用して、酸性タンパク質、例えば、Ig融合タンパク質から、部分的に活性なおよび/または不活性な産物由来の種、高分子量凝集体、および他の不純物を除去する方法を記載している。本発明で提供する特定の結合操作条件および溶出条件下において、酸性タンパク質産物、例えば、酸性Ig融合タンパク質産物を、高い樹脂結合能力および良好な産物収率で、目的物質由来および製造工程由来の不純物から分離することができる。
タンパク質の生物活性を破壊しない、または著しく低下させない有用なタンパク質精製方法を特定することが望ましい。酸性タンパク質調製物(例えば、免疫グロブリン(Ig)融合タンパク質調製物)などのタンパク質調製物は、診断用途、治療用途、応用細胞生物学、および機能研究で使用可能となる前に、タンパク質調製物から夾雑物を除去しなければならない。例として、タンパク質調製物、例えば、酸性タンパク質調製物は、不活性なおよび/または部分的に活性な種および高分子量凝集体(HMWA)などの不要な成分(不純物)をしばしば含有している。不活性なおよび/または部分的に活性な種は、活性タンパク質に比べて標的への結合能力が著しく低いので、これらの種の存在は望ましくない。したがって、不活性なおよび/または部分的に活性な種の存在は、産物の効果を低減させる可能性がある。凝集体、例えば、HMWAの形成は、投与時に補体活性化またはアナフィラキシーを引き起こすことによって、産物の安全性に有害な影響を及ぼす可能性がある。さらに、凝集体の形成は、産物収率の低下、ピークの広がり、および活性の損失を引き起こすことにより、製造プロセスを妨害する恐れがある。
最も一般的なタンパク質精製方法は、精製されるタンパク質と夾雑物との間のサイズ、荷電、および溶解性の差に基づいている。これらのパラメータに基づくプロトコルとしては、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、および疎水性相互作用クロマトグラフィーが挙げられる。しかし、これらのクロマトグラフィー方法は、時に、タンパク質、例えば、IgG含有タンパク質の凝集種または多重結合種の分離において技術的問題をもたらす。イオン交換クロマトグラフィーや疎水性相互作用クロマトグラフィーなどの技術は、例えば、溶出中のタンパク質濃度の増加または緩衝液濃度および/もしくはpHの必要な変動に起因する凝集体形成を誘発する可能性がある。さらに、いくつかの場合では、タンパク質は、差が非常に小さいためにイオン交換クロマトグラフィーによってタンパク質を分離することができない等電点の差を示す。Tarditi、(1992)J.Immunol.Methods、599:13〜20。サイズ排除クロマトグラフィーは、扱い難く、産物の著しい希釈をまねき、これは大規模な効率化に基づく製造プロセスにおいて障害となる。また、アフィニティークロマトグラフィーカラムからのリガンドの漏出も起こる可能性があり、それによって、溶出した産物の望ましくない汚染がもたらされる。Steindl(2000)J.Immunol.Methods、235:61〜69。興味深いことに、出願人は、イオン交換、例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー、または疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用して、不活性なまたは部分的に活性な種を除去することができなかった。
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、マトリクスとリガンドの両方を形成する不溶性ヒドロキシル化リン酸カルシウム[Ca10(PO(OH)]を利用するタンパク質精製方法である。官能基は、正に荷電したカルシウムイオン(C部位)の対、および負に荷電したリン酸基(P部位)のクラスターからなる。ヒドロキシアパタイトとタンパク質との間の相互作用は、複雑であり、多様である。相互作用の一方法では、タンパク質の正に荷電したアミノ基は、負に荷電したP部位と会合し、タンパク質のカルボキシル基は、C部位への配位錯化によって相互作用する。Shepard(2000)J.of Chromatography、891:93〜98。したがって、酸性および塩基性タンパク質は、様々な機構でcHA樹脂と通常相互作用しており、酸性タンパク質は、カルボキシル基への配位結合によってC部位に通常結合し、一方、塩基性タンパク質は、アミン基との荷電相互作用によってP部位に結合する。
結晶質ヒドロキシアパタイトは、クロマトグラフィーで使用された最初のタイプのヒドロキシアパタイトであったが、構造的な問題によって制限されていた。セラミックヒドロキシアパタイト(cHA)クロマトグラフィーは、流速の制限など、結晶質ヒドロキシアパタイトに関連するいくつかの問題を克服するために開発された。セラミックヒドロキシアパタイトは、高い耐久性、良好なタンパク質結合能力を有し、結晶質ヒドロキシアパタイトよりも高い流速および圧力で使用することができる。Volaら(1993)BioTechniques、14:650〜655。cHAを使用するクロマトグラフィー分離は、結合方式、フロースルー方式、または結合/フロースルー組合せ方式など、いくつかの別個の方式で行うことができる。
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、タンパク質、核酸、ならびに抗体のクロマトグラフィー分離において使用されてきた。しかし、いくつかの場合では、研究者らは、ヒドロキシアパタイトから抗体を選択的に溶出させることができず、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーが十分に純粋な産物をもたらさないことが分かった。Junbauer、(1989)J.Chromatography、476:257〜268;Giovannini、(2000)Biotechnology and Bioengineering、73:522〜529。結合、フロースルー、または結合/フロースルー組合せ方式のいずれかでcHAクロマトグラフィーを使用する、抗体および他の塩基性タンパク質のHMWAなどの不純物からの分離の成功については、参照により本明細書にその全体を組み込む米国特許出願公開第2005−0107594号に実証されている。本発明は、cHAクロマトグラフィー技術を使用して、酸性タンパク質、例えば、Ig融合タンパク質から、目的物質由来の部分的に活性なおよび/または不活性な種、ならびにHMWAなどの他の不純物を除去する新規な方法を提供する。
本発明は、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを使用して、酸性タンパク質調製物から、高分子量凝集体、不活性なおよび/または部分的に活性な種、ならびに他の不純物などの不純物を除去する方法を提供する。したがって、本発明の一実施形態では、本発明は、対象となる少なくとも1種の酸性タンパク質を、不純物を含有するタンパク質調製物から精製する方法であって、二価金属陽イオンを含む平衡化緩衝液を、ヒドロキシアパタイト樹脂に注入するステップと、ヒドロキシアパタイト樹脂を充填緩衝液(load buffer)中でタンパク質調製物と接触させるステップと、ヒドロキシアパタイト樹脂を、二価金属陽イオンを含む洗浄緩衝液で洗浄するステップと、リン酸塩を含む溶出緩衝液を用いて、少なくとも1種の酸性タンパク質をヒドロキシアパタイト樹脂から溶出させるステップとを含む方法を提供する。
本発明のいくつかの実施形態では、不純物は、少なくとも1種の酸性タンパク質の不活性なおよび/または部分的に活性な種である。したがって、本発明の別の実施形態は、対象となる少なくとも1種の酸性タンパク質を、その少なくとも1種の酸性タンパク質の不活性なおよび/または部分的に活性な種を含有するタンパク質調製物から精製する方法であって、ヒドロキシアパタイト樹脂をタンパク質調製物と接触させるステップと、対象となる少なくとも1種の酸性タンパク質を、不活性なおよび/または部分的に活性な種とは別々に溶出させるステップとを含む方法を提供する。本発明の別の実施形態は、対象となる少なくとも1種の酸性タンパク質を、その対象となるタンパク質の不活性なおよび/または部分的に活性な種を含有するタンパク質調製物から精製する方法であって、二価金属陽イオンを含む平衡化緩衝液を、ヒドロキシアパタイト樹脂に注入するステップと、ヒドロキシアパタイト樹脂を、二価金属陽イオンを含む充填緩衝液中でタンパク質調製物と接触させるステップと、ヒドロキシアパタイト樹脂を、二価金属陽イオンを含む洗浄緩衝液で洗浄するステップと、リン酸塩を含む溶出緩衝液を用いて、少なくとも1種の酸性タンパク質をヒドロキシアパタイト樹脂から溶出させるステップとを含む方法を提供する。
本発明の少なくともいくつかの実施形態では、不純物は、高分子量凝集体であり、少なくとも一実施形態では、本発明の方法は、高分子量凝集体の少なくとも約60%の減少をもたらす。本発明の他の実施形態では、本方法は、高分子量凝集体の少なくとも約90%の減少をもたらす。本発明の別の実施形態では、不純物は、プロテインAおよび/または宿主細胞タンパク質である。
少なくともいくつかの実施形態では、平衡化緩衝液は、約1〜約20mMの二価金属陽イオンを含み、充填緩衝液は、約1〜約20mMの二価金属陽イオンを含み、洗浄緩衝液は、約1〜約20mMの二価金属陽イオンを含み、溶出緩衝液は、約2〜約50mMのリン酸塩を含む。別の実施形態では、溶出緩衝液は、約1〜約100mMのリン酸塩、または約5〜約50mMのリン酸塩、または約5〜約20mMのリン酸塩を含む。一実施形態では、平衡化緩衝液、充填緩衝液、および洗浄緩衝液は、約5mMの二価金属陽イオンを含み、溶出緩衝液は、約6mMのリン酸塩を含む。一実施形態では、充填緩衝液は、NaClやKClなどの一価陽イオンを含む。いくつかの実施形態では、二価金属陽イオンは、CaClまたはMgClのいずれかであり、一実施形態では、二価金属陽イオンは、CaClである。少なくともいくつかの実施形態では、リン酸塩は、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムのいずれかであり、一実施形態では、リン酸塩は、リン酸ナトリウムである。
本発明のいくつかの実施形態では、平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、および/または溶出緩衝液は、約10mM〜約200mMのHEPES、例えば、約10mMのHEPESをさらに含む。少なくともいくつかの他の実施形態では、平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、および/または溶出緩衝液は、約6.1〜約8.1のpH、例えば、約7.2のpHを有する。
本発明のいくつかの実施形態では、精製される酸性タンパク質は、免疫グロブリン融合タンパク質、例えば、受容体融合タンパク質である。本発明の一実施形態では、受容体融合タンパク質は、ActRIIB−Fcである。別の実施形態では、融合タンパク質は、sIL21r−Fcである。
本発明のいくつかの実施形態では、ヒドロキシアパタイト樹脂は、セラミックヒドロキシアパタイトのタイプIまたはタイプIIである。少なくともいくつかの実施形態では、本方法は、平衡化緩衝液を注入するステップの前に、タンパク質調製物に、プロテインAクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ダイアフィルトレーション、限外ろ過、ウイルス除去ろ過、イオン交換クロマトグラフィー、およびそれらの組合せからなる群から選択される精製方法を施すステップをさらに含む。
例示的なCaCl充填cHAカラム実行のクロマトグラムを示す図である。 酸性Ig融合タンパク質(sIL21rFc)の精製に関するcHAクロマトグラムを示す図である。
本発明のタンパク質
本発明の方法を使用して精製するタンパク質は、好ましくは、酸性タンパク質、例えば、融合タンパク質、受容体融合タンパク質、免疫グロブリン融合タンパク質、可溶性受容体融合タンパク質、および他のポリペプチド産物である。
本明細書では、語句「ポリペプチド」または「ポリペプチド産物」は、用語「タンパク質」および「タンパク質産物」とそれぞれ同義であり、当技術分野で一般に理解されているように、連続するペプチド結合を介して連結されたアミノ酸の少なくとも1個の鎖を指す。ある種の実施形態では、「対象となるタンパク質」または「対象となるポリペプチド」などは、宿主細胞にトランスフェクトまたは形質転換された、例えば、宿主細胞に一時的または安定的にトランスフェクトまたは形質転換された外因性核酸分子によってコードされるタンパク質である。ある種の実施形態では、宿主細胞にトランスフェクトまたは形質転換された外因性DNAが「対象となるタンパク質」をコードする場合、外因性DNAの核酸配列がアミノ酸の配列を決定する。この配列は、天然に存在する配列であっても、または代替として人為的に遺伝子工学により作製された配列であってもよい。ある種の実施形態では、「対象となるタンパク質」は、内因性核酸分子によって宿主細胞または宿主生物にコードされるタンパク質である。
本発明の好ましい一実施形態では、対象となるタンパク質は、酸性タンパク質である。酸性タンパク質は、中性pHで負電荷を担持し、酸性の等電点(pI)を有するタンパク質である。一般に、酸性タンパク質は、アスパラギン酸やグルタミン酸などの酸性アミノ酸をより高い含有量で含有する。酸性タンパク質は、中性pHでのそれらの負電荷のために、独特な結合特性、例えば、クロマトグラフィー用途において独特な特性を示す。
本発明のいくつかの実施形態では、対象となるタンパク質は、融合タンパク質である。本発明のいくつかの実施形態では、融合タンパク質は、受容体融合タンパク質などのIg融合タンパク質である。他の実施形態では、融合タンパク質は、可溶性融合タンパク質、例えば、可溶性受容体融合タンパク質である。
融合タンパク質、例えば、受容体融合タンパク質は、当技術分野で周知の方法に従って生成することができる。本発明の一実施形態では、融合タンパク質は、2個のポリペプチド部分を含む。例えば、可溶性受容体融合タンパク質に関しては、第1の部分は完全長の受容体を含み、あるいは、第1の部分は、完全長よりも短い受容体、例えば、受容体の細胞外部分も含む。可溶性受容体はまた、さらなるポリペプチド(第2の部分)、例えば、GST、Lex−A、MBPポリペプチド配列、または例えばFcフラグメントを包含する免疫グロブリン鎖、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEを包含する様々なアイソタイプの重鎖定常領域も含むことができる。本発明の一実施形態では、可溶性受容体融合タンパク質は、ActRIIB−Fcタンパク質である。別の実施形態では、融合タンパク質は、sIL21r−Fcである。
いくつかの実施形態では、融合タンパク質の第2の部分は、免疫グロブリンでも、そのフラグメント(例えば、そのFc結合フラグメント)でもよい。したがって、用語「免疫グロブリン融合タンパク質」、「Ig融合タンパク質」、「Fc融合タンパク質」、などは、第1の部分(すなわち、対象となるポリペプチドを含む部分)が免疫グロブリンまたはそのフラグメントに融合されている対象となるタンパク質を指す。免疫グロブリン融合ポリペプチドは、当技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,516,964号、同第5,225,538号、同第5,428,130号、同第5,514,582号、同第5,714,147号、および同第5,455,165号に記載されている。
いくつかの実施形態では、第2のポリペプチド部分は、完全長免疫グロブリンポリペプチドを含む。あるいは、第2のポリペプチド部分は、完全長よりも短い免疫グロブリンポリペプチド、例えば、重鎖、軽鎖、Fab、Fab、Fv、またはFcを含む。第2のポリペプチド部分は、免疫グロブリンポリペプチドの重鎖を包含してもよい。第2のポリペプチド部分はまた、免疫グロブリンポリペプチドのFc領域を包含してもよい。
いくつかの実施形態では、第2のポリペプチド部分は、野生型免疫グロブリン重鎖のFc領域のエフェクター機能よりも低いエフェクター機能を有する。Fcエフェクター機能としては、例えば、Fc受容体結合、補体結合、およびT細胞枯渇活性(T cell−depleting activity)が挙げられる(例えば、米国特許第6,136,310号を参照)。T細胞枯渇活性、Fcエフェクター機能、および抗体安定性のアッセイ方法は、当技術分野で周知である。一実施形態では、第2のポリペプチド部分は、Fc受容体に対する親和性が低いか、または親和性を有さない。代替の実施形態では、第2のポリペプチド部分は、補体タンパク質C1qに対する親和性が低いか、または親和性を有さない。
融合タンパク質、例えば、可溶性受容体融合タンパク質は、可溶性受容体またはそのフラグメントを第2の部分に接続するリンカー配列をさらに包含することができる。例えば、融合タンパク質は、ペプチドリンカー、例えば、長さが約2〜約20、より好ましくは約5〜約10アミノ酸のペプチドリンカーを包含することができる。
別の実施形態では、融合タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を包含することができる。ある種の宿主細胞(例えば、哺乳類の宿主細胞)では、融合タンパク質、例えば、可溶性受容体融合タンパク質の発現および/または分泌を、異種シグナル配列を使用して増大させることができる。融合タンパク質に包含され得るシグナルペプチドの一例は、MKFLVNVALVFMVVYISYIYA(配列番号1)である。
本発明のキメラタンパク質または融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技術によって生成することができる。例えば、様々なポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントを、従来技術に従って、例えば、ライゲーション反応のための平滑末端化または突出末端化(stagger−ended)された末端、適当な末端を生じる制限酵素による消化、必要に応じた付着末端の充填、望ましくない接続を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素によるライゲーション反応を使用することによって、インフレームでライゲーションする。別の実施形態では、融合遺伝子は、自動DNA合成装置を包含する従来技術によって合成することができる。代替として、2個の連続的な遺伝子フラグメントの間に相補的なオーバーハングを生じるアンカープライマーを使用して、遺伝子フラグメントのPCR増幅を行うことができ、続いて、これらの遺伝子フラグメントをアニールおよび再増幅して、キメラ遺伝子配列を得ることができる(例えば、Ausubelら(編)CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、1992を参照)。さらに、融合部分(例えば、免疫グロブリン重鎖のFc領域)をコードする多くの発現ベクターが、市販されている。
対象となるタンパク質、例えば、酸性タンパク質は、適切な宿主細胞として働き得る多くの細胞株で発現させることによって生成することができる。例えば、そのような細胞は、動物細胞でもよい。語句「動物細胞」は、無脊椎動物、非哺乳類脊椎動物(例えば、鳥類、爬虫類、および両生類)、および哺乳動物の細胞を包含する。無脊椎動物細胞の非限定的な例としては、以下の昆虫細胞、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(イモムシ)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(カ)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)(カ)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)、およびカイコ(Bombyx mori)(カイコ/カイコガ)が挙げられる。対象となる単離ポリヌクレオチドを、バキュロウイルスベクターなどの1種または複数の昆虫発現ベクター中の適切な制御配列に作動可能に連結させ、昆虫細胞発現系を使用することによって、対象となるポリペプチドを組換えにより生成することができる。バキュロウイルス/Sf9発現系の材料および方法は、キット形態で市販されている(例えば、MaxBac(登録商標)キット、Invitrogen、Carlsbad、CA)。
好ましい実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの哺乳動物細胞株は、対象となるタンパク質の組換え発現に適した宿主細胞である。哺乳動物宿主細胞株としては、例えば、COS、PER.C6、TM4、VERO076、MDCK、BRL−3A、W138、Hep G2、MMT、MRC5、FS4、CHO、293T、A431、3T3、CV−1、C3H10T1/2、Colo205、293、HeLa、L細胞、BHK、HL−60、FRhL−2、U937、HaK、Jurkat細胞、Rat2、BaF3、32D、FDCP−1、PC12、M1x、ネズミミエローマ(例えば、SP2/0およびNS0)、およびC2C12細胞、ならびに形質転換された霊長類細胞株、ハイブリドーマ、正常二倍体細胞、ならびに一次組織および初代外植体のin vitro培養物に由来する細胞株が挙げられる。多数の細胞株が、American Type Culture Collection(ATCC)などの商業的な供給元から入手できる。本発明の一実施形態では、対象となるタンパク質は、CHO宿主細胞において発現される。
代替として、酵母などの下等真核生物、または原核生物において、対象となるポリペプチドを組換えにより生成することが可能であり得る。潜在的に適切な酵母菌株としては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クリヴェロミセス(Kluyveromyces)属菌株、およびカンジダ(Candida)属菌株が挙げられる。潜在的に適切な細菌株としては、大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)が挙げられる。対象となるポリペプチドを酵母または細菌において作製する場合、機能性を得るために、例えば、適当な部位をリン酸化またはグリコシル化することによってそれらを修飾する必要があることがある。そのような共有結合は、周知の化学的または酵素的な方法を使用して達成することができる。
細菌での発現は、組換えタンパク質を組み込む封入体を形成する可能性がある。したがって、活性な材料またはより活性な材料を生成するために、組換えタンパク質のリフォールディングが必要とされることがある。正確にフォールドされた異種タンパク質を細菌の封入体から得るためのいくつかの方法は、当技術分野で周知である。これらの方法では、一般に、封入体からタンパク質を可溶化し、次いで、カオトロピック剤を使用して、タンパク質を完全に変性させる。システイン残基がタンパク質の一次アミノ酸配列中に存在する場合、ジスルフィド結合の正確な形成を可能にする環境(酸化還元系)でリフォールディングを達成することがしばしば必要である。リフォールディングの一般的な方法は、Kohno(1990)Meth.Enzymol.185:187〜95に開示されている。欧州特許第0433225号および米国特許第5,399,677号は、他の適当な方法を記載している。
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂
対象となるタンパク質を宿主細胞において発現させた後、対象となるタンパク質、例えば、酸性タンパク質を精製する。対象となるタンパク質は、対象となるタンパク質を発現する宿主細胞株の細胞抽出液から、または対象となるタンパク質を発現する組換え宿主細胞株を培養して得られる馴化培地(回収培地)から精製することができる。さらに、対象となるタンパク質は、動物の血清、腹水液、器官抽出物などを包含するが、それらに限定されない多くの他の供給源から精製することができる。アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、および疎水性相互作用クロマトグラフィーなどの普通のタンパク質精製方法は、タンパク質調製物から、高分子量凝集体または不活性なおよび/もしくは部分的に活性な種などの不要な成分を十分には除去できない。したがって、本発明の方法は、対象となるタンパク質、例えば、酸性タンパク質の精製にヒドロキシアパタイト樹脂を利用する。
用語「高分子量凝集体」または「HMWA」は、対象となる少なくとも2個のタンパク質の会合を指す。会合は、共有、非共有、ジスルフィド、または非還元性架橋を包含するが、それらに限定されない任意の方法によって生じ得る。「高分子量凝集体」は、少なくとも2個の同じタンパク質間の会合、および/または、対象となるタンパク質と、細胞培養中に見られる他のタンパク質、例えば、宿主細胞タンパク質との間の会合であってもよい。
対象となるタンパク質の「不活性な種」および「部分的に活性な種」は、対象となるタンパク質と同じアミノ酸配列および分子量を有するが、それぞれ、標的に対する結合能力を示さない、または結合能力が著しく低いタンパク質である。本明細書で使用する、標的に対する著しく低い結合能力は、活性タンパク質に比べて、部分的に活性なタンパク質種の結合能力の少なくとも約10%、20%、または30%の低減、好ましくは少なくとも約40%の低減を指す。「不活性な種」および「部分的に活性な種」はまた、対象となるタンパク質と同じアミノ酸配列および分子量を有するが、それぞれ、活性を示さない、または活性タンパク質よりも活性が著しく低いタンパク質を指す。本明細書で使用する、著しくより低い活性とは、活性タンパク質に比べて、部分的に活性なタンパク質種の活性の少なくとも約30%の低減、好ましくは少なくとも約40%の低減を指す。結合能力および/または活性の低減パーセントは、例えば、ピーク溶出中のタンパク質の結合能力および/または活性を、ストリッピング画分中のタンパク質のそれと比較することによって測定することができる。
本発明の方法では、不純物、例えば、対象となるタンパク質の高分子量凝集体ならびに不活性なおよび/または部分的に活性な種は、ヒドロキシアパタイトcHAクロマトグラフィー方法を使用して、対象となる活性タンパク質、例えば、酸性タンパク質からうまく分離される。
様々なヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー用樹脂が市販されており、材料の任意の利用可能な形態を本発明の実施において使用することができる。本発明の一実施形態では、ヒドロキシアパタイトは、結晶形である。本発明で使用するヒドロキシアパタイトは、凝集されて粒子を形成し、高温で、安定な多孔質セラミック塊に焼結されたものでもよい。
しかし、好ましい一実施形態では、ヒドロキシアパタイトは、セラミックヒドロキシアパタイトである。「セラミックヒドロキシアパタイト」または「cHA」は、式[Ca10(PO(OH)]の不溶性ヒドロキシル化リン酸カルシウムを指し、これは、高温で、球状のマクロ多孔質セラミック形態に焼結されている。用語「cHA」は、タイプIおよびタイプIIセラミックヒドロキシアパタイトを包含するが、それらに限定されない。特記しない限り、「cHA」は、20、40、および80μmを包含するが、それらに限定されない任意の粒径を指す。
ヒドロキシアパタイトの粒径は幅広く変えることができるが、典型的な粒径は、直径が約1μm〜約1,000μmの範囲であり、約10μm〜約100μmでもよい。本発明の一実施形態では、粒径は、約20μmである。本発明の別の実施形態では、粒径は、約40μmである。本発明のさらに別の実施形態では、粒径は、約80μmである。
多くのクロマトグラフィー担体をcHAカラムの調製に使用することができるが、最も広範に使用されるのは、タイプIおよびタイプIIヒドロキシアパタイトである。タイプIは、高いタンパク質結合能力、および酸性タンパク質に対してより良好な能力を有する。しかし、タイプIIは、タンパク質結合能力はより低いが、核酸およびある種のタンパク質のより良好な分解能を有する。タイプIIの材料はまた、アルブミンへの親和性が非常に低く、多くの種およびクラスの免疫グロブリンを精製するのに特に適している。特定のヒドロキシアパタイトタイプの選択は、当業者なら決定することができる。
本発明は、カラム中に、または連続環状クロマトグラフ中に緩く充填されたヒドロキシアパタイト樹脂を用いて使用することができる。本発明の一実施形態では、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂をカラム中に充填する。カラム寸法の選択は、当業者なら決定することができる。本発明の一実施形態では、小規模精製には、約20cmの床高さで、少なくとも約0.5cmのカラム直径を使用することができる。本発明の別の実施形態では、約35cm〜約60cmのカラム直径を使用することができる。本発明のさらに別の実施形態では、約60cm〜約85cmのカラム直径を使用することができる。本発明のある種の実施形態では、pH約9.0の約200mMのNaHPO溶液中のセラミックヒドロキシアパタイト樹脂のスラリーを使用して、約4cm/分の一定流速で、または重力でカラムに充填することができる。
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー精製方法
本発明の方法では、対象となるタンパク質、例えば、酸性タンパク質、例えば、酸性免疫グロブリン融合タンパク質を、結合方式のcHAクロマトグラフィーを使用して、HMWAおよび不活性なおよび/または部分的に活性な種などの不純物から精製する。
「結合方式」は、調製物中に含有される少なくとも1種のタンパク質はクロマトグラフィー樹脂または担体に結合するが、少なくとも1種の夾雑物または不純物は通過する、タンパク質調製物の分離技術を指す。結合方式は、例えば、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーにおいて使用することができる。
本発明の方法は、中性pHおよび低イオン強度で、二価金属溶液、例えば、二価陽イオン溶液で充填されたcHA担体を使用する。例えば、二価陽イオン溶液は、MgCl溶液またはCaCl溶液であってもよい。二価金属陽イオン充填カラムは、タンパク質のカルボキシルとカラムのリン酸塩部位との間のさらなる架橋形成により、酸性タンパク質とcHAの結合を強化することができるので、対象となる酸性タンパク質を固定化するのに特に有用である。Gorbunoff(1985)Methods Enzymol.182:329〜39。
本発明の好ましい一実施形態では、カラムの充填に使用する二価陽イオン溶液は、CaCl溶液である。そのようなCaCl充填カラムは、対象となるタンパク質、不活性なおよび部分的に活性な種、ならびにHMWAを結合することができる。例えば、cHAカラムは、低イオン強度のCaCl溶液を含む平衡化緩衝液でカラムを平衡化することによって充填することができる。例えば、CaCl溶液は、約1mM〜約20mM、好ましくは約2mM〜約10mMのCaClとすることができる。本発明の一実施形態では、CaCl溶液は、約5mMである。平衡化緩衝液は、約10mM〜約200mMのHEPES、好ましくは約50mM以下のHEPES、最も好ましくは約10mMのHEPESをさらに含んでもよい。HEPESの代わりに、平衡化緩衝液は、緩衝能を有する任意の他の溶媒を含有してもよい。CaCl含有平衡化溶液のpHは、弱塩基性から弱酸性のpHの範囲とすることができる。例えば、平衡化緩衝液のpHは、約6.1〜約8.1の範囲とすることができ、好ましくは、平衡化緩衝液のpHは、約7.2である。
任意選択により、二価陽イオン溶液、例えば、CaClまたはMgClを含む平衡化緩衝液でカラムを充填する前に、弱塩基性から弱酸性のpHの、約0.1mM〜約0.5mMのリン酸塩溶液および約0.1mM〜約2.0mMの塩溶液を含む平衡化溶液を最初に注入することによって、カラムを2ステップで平衡化することができる。一実施形態では、pH約6.8、約0.3Mのリン酸ナトリウムおよび約1.0MのNaClを使用する。第1の平衡化ステップに使用するリン酸塩溶液および塩溶液およびpHが対象となるタンパク質に応じて変わることを当業者なら理解するであろう。第2の平衡化ステップでは、平衡化緩衝液は、弱塩基性から弱酸性のpH、例えば約6.1〜約8.1など、好ましくは約7.2のpHの、約10mM〜約200mMの緩衝液、例えば約50mM以下のHEPESなど、最も好ましくは約10mMのHEPES、または緩衝能を有する任意の他の溶媒を含むことができる。
本発明の方法では、カラムを二価金属陽イオン溶液、例えば、CaCl溶液で充填した後、カラムを、対象となるタンパク質を含有する充填緩衝液で充填することができる。充填緩衝液は、任意の緩衝液、例えば、二価金属陽イオンを加えた、プロテインA精製ステップなどの先の精製ステップの緩衝液であってよい。代替として、対象となるタンパク質を、二価金属陽イオンを含有する充填緩衝液に緩衝液交換することができる。代替として、二価陽イオンを充填緩衝液に直接添加せずに、対象となるタンパク質をカラムに直接充填することができる。より詳細には、充填緩衝液は、NaClなどの一価陽イオンを含むことができる。好ましくは、sIL21r−Fcの精製では、二価陽イオンを充填緩衝液に添加しない。本発明の別の実施形態では、対象となるタンパク質調製物を、約1mM〜約20mMの一価または二価金属陽イオン、例えば約2mM〜約10mMのCaClなどを含む充填緩衝液中に加えるまたは緩衝液交換することができる。本発明の別の実施形態では、対象となるタンパク質調製物に、約5mMのCaClを加えることができる。
対象となるタンパク質を含有する充填緩衝液をカラムに充填した後、カラムを、カラムの充填に使用した平衡化溶液と同じpHを有し、その平衡化溶液とほぼ同じ濃度で同じ二価金属陽イオンを含む洗浄緩衝液で洗浄する。洗浄ステップは、緩く結合した不純物を除去するために実施する。したがって、洗浄緩衝液は、約1mM〜約20mMのCaCl、好ましくは約2mM〜約10mMのCaCl、最も好ましくは約5mMのCaClを含むことができる。洗浄緩衝液は、約10mM〜約200mMのHEPES、好ましくは約50mM以下のHEPES、最も好ましくは約10mMのHEPESをさらに含むことができる。HEPESの代わりに、洗浄緩衝液は、緩衝能を有する任意の他の溶媒を含有してもよい。一実施形態では、洗浄緩衝液は、pH約7.2の、約5mMのCaClおよび約10mMのHEPESを含む溶液である。続いて、すべての遊離CaClを除去するために、カラムを、別の緩衝液、例えば、約10mM〜約200mMのHEPES緩衝液、好ましくは約50mM以下のHEPES、最も好ましくは約10mMのHEPES緩衝液で洗浄することができる。2番目の洗浄緩衝液のpHは、約6.1〜約8.1、好ましくは約7.2とすることができる。
洗浄後、対象となるタンパク質を、リン酸塩含有溶出緩衝液、例えば、リン酸ナトリウム含有緩衝液またはリン酸カリウム含有緩衝液で溶出させる。例えば、溶出緩衝液は、約2mM〜約50mMのリン酸緩衝液を含有することができる。本発明の好ましい一実施形態では、リン酸塩含有溶出緩衝液は、約2mM〜約10mMのリン酸ナトリウム緩衝液、例えば約6mMのリン酸ナトリウム緩衝液などである。溶出緩衝液は、約10〜約200mMのHEPES、好ましくは約50mM以下のHEPES、最も好ましくは約10mMのHEPESをさらに含むことができる。HEPESの代わりに、溶出緩衝液は、緩衝能を有する任意の他の溶媒を含有してもよい。溶出緩衝液のpHは、弱塩基性から弱酸性のpHの範囲とすることができる。例えば、溶出緩衝液のpHは、約6.1〜約8.1の範囲とすることができ、好ましくは、平衡化緩衝液のpHは、約7.2である。
対象となるタンパク質を溶出させた後、続いて、HMWAおよび不活性なおよび/または部分的に活性な種は、樹脂から溶出されてもよい。
さらに、対象となるタンパク質を溶出させた後、カラムは、清浄化、すなわち、ストリッピングおよび再生されてもよい。典型的には、産物の微生物による汚染を防止するために、この手順を定期的に実施して、固相表面上への不純物の蓄積を最少にし、かつ/またはマトリクスを滅菌する。樹脂は、一般に、弱塩基性から弱酸性のpH、例えば約6.8のpHなどの、リン酸ナトリウムおよび塩溶液、例えば約0.1mM〜約0.5mMのリン酸ナトリウムおよび約0.1M〜約2.0MのNaCl溶液など、例えば約0.3mMのリン酸ナトリウムおよび約1.0MのNaClなどでストリッピングする。樹脂は、一般に、水酸化ナトリウムおよびリン酸カリウムの溶液を使用して再生する。
さらに、樹脂は、実行と実行の間、保存緩衝液中で任意選択により保存されてもよい。保存緩衝液は、一般に、水酸化ナトリウム緩衝液、例えば約100mMの水酸化ナトリウム緩衝液などである。
すべての緩衝液の例示的な成分は、表1に示している。緩衝液成分は、当業者の知識に従って調整することができる。すべての緩衝液またはステップが必要というわけではないが、あくまで例示のために示している。例えば、平衡化ステップ1および2を有する必要はない場合があり、ヒドロキシアパタイト樹脂をストリッピング、再生、または保存する必要はない場合がある。
本発明の方法では、対象となる溶出されたタンパク質、例えば、溶出された酸性タンパク質は、レベルが減少したHMWAおよび不活性なおよび/または部分的に活性な種を含む。一実施形態では、HMWAのレベルは、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%減少する(例えば、充填での約5%〜約15%が溶出ピークでは約2%未満になる)。溶出されたタンパク質中のHMWAの含有量を測定するために、いくつかの方法、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC−HPLC)を使用することができる。BIACORE(GE−Healthcare、Piscataway、NJ)アッセイおよび結合活性ELISAアッセイは、不活性なおよび/または部分的に活性な種の除去を監視するのに使用することができる。
さらなる任意選択による精製ステップ
前述のように、本発明のcHAベースの精製方法は、他のタンパク質精製技術と組み合わせて使用することができる。cHAクロマトグラフィーでは、最初の充填投与量が約40mg/mL以下のcHA樹脂、例えば約20mg/mLのcHA樹脂などであることが望ましい。したがって、本発明の一実施形態では、ヒドロキシアパタイトステップより前の1つまたは複数のステップは、夾雑物または不純物の充填投与量を減少させるのに望ましい可能性がある。本発明の別の実施形態では、ヒドロキシアパタイトステップの後の1つまたは複数の精製ステップは、さらなる夾雑物または不純物を除去するのに望ましい可能性がある。
記載したcHA精製手順は、プロテインAクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ダイアフィルトレーション、限外ろ過、ウイルス除去ろ過、および/またはイオン交換クロマトグラフィーを包含するが、それらに限定されない他の精製ステップと任意選択により組み合わされてもよい。
一実施形態では、免疫グロブリン融合タンパク質用の回収培地は、cHA精製ステップの前に、プロテイ孔径を制御された細孔ガラスに共有結合されたプロテインAからなるPROSEP−A(Millipore、U.K.)は、有益に使用することができる。他の有用なプロテインA製剤としては、プロテインAセファロースFAST FLOW(GE−Healthcare、Piscataway、NJ)、TOYOPEARL 650MプロテインA(TosoHaas Co.、Philadelphia、PA)、およびMABSELECTカラム(GE−Healthcare、Piscataway、NJ)が挙げられる。
cHA精製の前の任意選択のステップとして、イオン交換クロマトグラフィーを使用することができる。この点に関して、クロマトグラフィーの陰イオン性または陽イオン性担体を形成するために、様々な陰イオン性または陽イオン性置換基をマトリクスに付加することができる。陰イオン性交換置換基としては、ジエチルアミノエチル(DEAE)、トリメチルアミノエチルアクリルアミド(TMAE)、第四級アミノエチル(QAE)、および第四級アミン(Q)基が挙げられる。陽イオン性交換置換基としては、カルボキシメチル(CM)、スルホエチル(SE)、スルホプロピル(SP)、ホスファート(P)、およびスルホナート(S)が挙げられる。DE23、DE32、DE52、CM−23、CM−32、およびCM−52などのセルロースイオン交換樹脂は、Whatman Ltd.、Maidstone、Kent、U.K.から入手可能である。セファデックスベースの架橋イオン交換体も知られている。例えば、DEAE−、QAE−、CM−、およびSP−セファデックス、ならびにDEAE−、Q−、CM−、およびS−セファロース、ならびにセファロースはすべて、Amersham Biosciences、Piscataway、NJから入手可能である。さらに、TOYOPEARL DEAE−650SまたはMおよびTOYOPEARL CM−650SまたはMなどの、DEAE誘導およびCM誘導のエチレングリコール−メタクリレートコポリマーの両方が、Toso Haas Co.、Philadelphia、PAから入手可能である。
本発明の一実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーは、結合方式でもフロースルー方式でも使用することができる。
ある種の実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーステップを最初に行い、イオン交換ステップを2番目に行い、cHAステップを3番目に行う。
さらなる不純物
HMWA、不活性なおよび/または部分的に活性な種の除去に加えて、cHAクロマトグラフィーは、タンパク質調製物から他の不純物を除去するのに有用であることが示された。本発明のcHAクロマトグラフィー方法によって除去することができる他の不純物としては、DNA、宿主細胞タンパク質、外来ウイルス、および先行精製ステップの浸出したプロテインA夾雑物が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の一実施形態では、本方法は、タンパク質調製物から浸出プロテインAを除去することができる。本発明のある種の実施形態では、最終調製物中に存在する浸出プロテインAの量を、大幅に、例えば、約28ppmから約1ppmに減少させることができる。
本発明の別の実施形態では、本方法は、タンパク質調製物から宿主細胞タンパク質(HCP)を除去することができる。本発明のある種の実施形態では、最終調製物中のHCPの量を、約7500ppmから約750ppmに減少させることができる。HCPおよびプロテインAのELISAアッセイは、HCPおよび浸出プロテインAの除去を監視するのに使用することができる。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために示すものであるが、本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図せず、またそう解釈すべきではない。本実施例は、従来の方法、例えば、クローニング、トランスフェクション、細胞株にタンパク質を過剰発現させる方法の基本的態様、および任意のさらなる予備的精製ステップ(プロテインAクロマトグラフィーなど)の実施方法についての詳細な説明を包含するものではない。そのような方法は、当業者には周知である。
(実施例1)
酸性免疫グロブリン融合タンパク質(ActRIIB−Fc)を、CHO細胞中で発現させ、rプロテインAクロマトグラフィー(GE−Healthcare、Piscataway、NJ)によって回収培地から精製した。rプロテインAクロマトグラフィーからのタンパク質溶出物(elution)は、ActRIIB−Fcタンパク質を含有するが、著しいレベルの不活性なおよび部分的に活性な種ならびにHMWAも含有していた(表2の「充填」列を参照)。不活性なおよび部分的に活性なActRIIB−Fc種ならびにHMWAを除去するために、プロテインAカラムからの溶出物をcHAクロマトグラフィーにかけた。
cHAカラム(BioRad Laboratories、Hercules、CA)を、最初に、pH6.8の、0.3Mのリン酸ナトリウム、1.0MのNaClを含有する平衡化緩衝液1で、続いて、pH7.2の、10mMのHEPESを含有する平衡化緩衝液2で平衡化した(表1)。平衡化緩衝液1は、高濃度のリン酸塩を含む緩衝液であり、平衡化緩衝液2は、リン酸塩を洗い流すのに使用する。続いて、カラムを、中性pHおよび低イオン強度の塩化カルシウム溶液(pH7.2の、5mMのCaClおよび10mMのHEPESを含有する平衡化緩衝液3)で平衡化して、カラムを充填用に調製した。rプロテインA溶出物プールを、5mMの塩化カルシウム(充填)を含有するように調整し、cHAカラムに充填した。充填緩衝液条件下で、産物と、目的物質由来不純物(不活性なおよび部分的に活性な種ならびにHMWA)と製造工程由来不純物(浸出プロテインA、宿主細胞タンパク質、およびDNA)とをすべて、cHA樹脂に結合させた。次いで、カラムを、塩化カルシウム緩衝液(洗浄1)、続いて、第2洗浄緩衝液(洗浄2)で洗浄して、塩化カルシウムを除去し、中性pH7.2の、6mMのリン酸ナトリウムおよび10mMのHEPESの緩衝液を使用して、活性産物、すなわち、活性ActRIIB−Fcを、選択的に溶出させた(溶出)。続いて、より高濃度のリン酸緩衝液を使用して、不活性なおよび部分的に活性な種ならびにHMWA種を包含する目的物質由来不純物を、樹脂からストリッピングした。最後に、水酸化ナトリウムおよびリン酸カリウムの溶液を使用して、樹脂を再生した。
Figure 0005793080
図1は、cHAカラム実行のクロマトグラムを示している。対象となる産物の大部分は溶出画分中に溶出されているが、ストリッピング画分は不活性なおよび部分的に活性な種(モノマー)もHMWAも含有している。
規定した操作条件下でのcHAクロマトグラフィーステップによる不純物クリアランスの結果を、表2に示す。不活性なおよび部分的に活性な種の除去の監視には、BIACOREアッセイ(GE−Healthcare、Piscataway、NJ)を使用し、HMWA含有量の測定には、SEC−HPLC(Waters Corporation、Milford、MA)を使用し、HCPおよび浸出プロテインAの除去の監視には、宿主細胞タンパク質(HCP)およびプロテインA ELISAアッセイを使用した。充填およびストリッピング画分中のモノマーをHMWAから単離し、次いで、結合活性に関してBIACOREアッセイで試験した。表2に示すように、溶出画分中の対象となる産物は、ストリッピングプール中に存在する不活性なおよび部分的に活性な種よりはるかに高い結合活性を有する。cHAステップを、パイロットおよび臨床用製造規模で実行した。大規模cHAカラム実行から得られたデータを、表3に示した。
Figure 0005793080
Figure 0005793080
(実施例2)
cHAクロマトグラフィーは、IgのFcドメイン(sIL21r−Fc)に融合したIL21を含む別の酸性Ig融合タンパク質の精製中のHMWA除去に優れていることが分かった。Ettingerら、Ann Rheum Dis、2008;67(Suppl III):iii83〜iii86(sIL21r−Fc融合タンパク質の説明に関して)を参照されたい。このプロセスステップの目的の1つは、後のクロマトグラフィーステップのHMWAおよびHCPに対する能力を向上させるためにHMWAを除去することであった。カラムを、中性pHおよび低イオン強度の塩化カルシウム溶液で平衡化した。rプロテインA溶出物プールを、塩化カルシウムとの接触時に観察された産物不安定性のために、このプロセスでは塩化カルシウムを添加するのではなく、rプロテインA溶出物プールを、20〜30g/Lの樹脂充填投与量においてcHAカラムに直接充填した。これらの緩衝液条件下で、産物はcHA樹脂に結合し、いくつかのHMWA種はカラムを通過した。次いで、カラムを、中性pHおよび低イオン強度の緩衝液で洗浄し、中性pHの10〜17mMのリン酸緩衝液を使用して、活性産物を選択的に溶出させた。続いて、より高濃度のリン酸緩衝液を使用して、さらなるHMWA種を樹脂からストリッピングした。最後に、水酸化ナトリウムおよびリン酸カリウムの溶液を使用して、樹脂を再生した。
Figure 0005793080
次の表(4)は、図2に例示するsIL21r−Fc精製の精製結果を示している。
Figure 0005793080

Claims (23)

  1. 対象となる少なくとも1種の酸性タンパク質を、不純物を含有するタンパク質調製物から精製する方法であって、
    (a)CaClを含む平衡化緩衝液を、ヒドロキシアパタイト樹脂に注入するステップと、
    (b)ヒドロキシアパタイト樹脂を充填緩衝液中でタンパク質調製物と接触させるステップと、ここで充填緩衝液は一価陽イオンを含む、
    (c)ヒドロキシアパタイト樹脂を、CaClを含む洗浄緩衝液で洗浄するステップと、
    (d)2〜50mMのリン酸塩を含む溶出緩衝液を用いて、少なくとも1種の酸性タンパク質をヒドロキシアパタイト樹脂から溶出させるステップと
    を含む方法。
  2. 平衡化緩衝液が、1〜20mMのCaClを含み、充填緩衝液が、1〜20mMのCaClを含み、洗浄緩衝液が、1〜20mMのCaClを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 平衡化緩衝液、充填緩衝液、および洗浄緩衝液が、5mMのCaClを含み、溶出緩衝液が、6mMのリン酸塩を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 不純物が、前記少なくとも1種の酸性タンパク質の不活性なまたは部分的に活性な種である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 不純物が、高分子量凝集体である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ヒドロキシアパタイト樹脂が、セラミックヒドロキシアパタイトのタイプIまたはタイプIIである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. リン酸塩が、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. リン酸塩が、リン酸ナトリウムである、請求項7に記載の方法。
  9. 平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、または溶出緩衝液のうちの少なくとも1種が、10mM〜200mMのHEPESをさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、または溶出緩衝液のうちの少なくとも1種が、10mMのHEPESをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、または溶出緩衝液のうちの少なくとも1種が、6.1〜8.1のpHを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、または溶出緩衝液のうちの少なくとも1種が、7.2のpHを有する、請求項11に記載の方法。
  13. 酸性タンパク質が、免疫グロブリン融合タンパク質である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 免疫グロブリン融合タンパク質が、受容体融合タンパク質である、請求項13に記載の方法。
  15. 受容体融合タンパク質が、ActRIIB−Fcである、請求項14に記載の方法。
  16. 融合タンパク質が、sIL21r−Fcである、請求項13に記載の方法。
  17. 一価陽イオンが、NaClである、請求項1に記載の方法。
  18. 高分子量凝集体の少なくとも60%の減少をもたらす、請求項5に記載の方法。
  19. 高分子量凝集体の少なくとも90%の減少をもたらす、請求項18に記載の方法。
  20. 不純物が、プロテインAまたは宿主細胞タンパク質である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 平衡化緩衝液を注入するステップの前に、タンパク質調製物に、プロテインAクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ダイアフィルトレーション、限外ろ過、ウイルス除去ろ過、イオン交換クロマトグラフィー、またはそれらの組合せからなる群から選択される精製方法を施すステップをさらに含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 対象となる少なくとも1種の酸性タンパク質を、前記少なくとも1種の酸性タンパク質の不活性なまたは部分的に活性な種を含有するタンパク質調製物から精製する方法であって、
    (a)CaClを含む平衡化緩衝液を、ヒドロキシアパタイト樹脂に注入するステップと、
    (b)ヒドロキシアパタイト樹脂を充填緩衝液中でタンパク質調製物と接触させるステップと、ここで充填緩衝液は一価陽イオンを含む、
    (c)ヒドロキシアパタイト樹脂を、CaClを含む洗浄緩衝液で洗浄するステップと、
    (d)2〜50mMのリン酸塩を含む溶出緩衝液を用いて、対象となる少なくとも1種の酸性タンパク質を、前記不活性なまたは部分的に活性な種とは別々に溶出させるステップと
    を含む方法。
  23. 酸性タンパク質が、精製され、医薬品において使用するために製剤化される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
JP2011534754A 2008-10-31 2009-10-29 セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを使用する酸性タンパク質の精製 Active JP5793080B2 (ja)

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