JP2023145727A - プロテインaクロマトグラフィー中の不純物の除去を促進する方法 - Google Patents

プロテインaクロマトグラフィー中の不純物の除去を促進する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロテインAクロマトグラフィーを介してFc領域を含むポリペプチドを精製する方法を提供する。【解決手段】Fc領域を含むポリペプチドを精製する方法であって、(A)該Fc領域を含む該ポリペプチドを含む回収物を、安息香酸塩の最終濃度が0.1Mと0.5Mとの間となり、およびpHが7.0と9.0との間となるように調整して、(i)該Fc領域を含む該ポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む、試料を生成する工程;ならびに(B)該試料を少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスと接触させる工程、を含む、前記方法を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月21日に出願された米国仮特許出願第62/609,214号、および2018年7月5日に出願された米国仮特許出願第62/694,387の優先権の利益を主張し、それらの内容は、それらの全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
本開示は、プロテインAクロマトグラフィーを介してFc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)を精製する方法に関する。
抗体、および他のFc領域含有タンパク質(イムノアドヘシンなど)は、医薬/治療用途において幅広い使用が見出されている。これらの分子の使用(例えば、ヒト患者において)は、タンパク質生成中に生じ得る任意の汚染物質/不純物から注意深く精製する必要がある。治療用タンパク質の精製は、多くの場合、1つまたはそれ以上のクロマトグラフィー精製工程を利用して達成され;免疫グロブリンFc領域(例えば、抗体)を含有するタンパク質のクロマトグラフィー精製の特に有用なタイプは、プロテインAクロマトグラフィーである。しかしながら、宿主細胞タンパク質(HCP)は、従来の捕捉モードタンパク質クロマトグラフィー(タンパク質Aクロマトグラフィーを含む)中に抗体と共溶出することが示されており、これらの抗体の下流での適用にとって問題となる場合がある。典型的には、溶出前に、生成物(例えば、免疫グロブリンFc領域を含有するタンパク質)をクロマトグラフィーレジンに結合させた後、1つまたはそれ以上の洗浄工程を採用する。残念ながら、塩および緩衝剤種からなる現在の洗浄製剤は、HCPおよび他の不純物と種々のモノクローナル抗体(mAb)生成物との相互作用を破壊するのに十分ではない場合がある。したがって、(例えば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー中に)抗体と共精製する不純物の濃度/数を減少させる改善された精製方法(例えば、新しい洗浄製剤の実施)が必要である。
特許出願、特許公開、非特許文献、およびUniProtKB/Swiss-Prot受託番号を含む、本明細書中で引用されるすべての参考文献は、各個々の参考文献が参照によって組み入れられていると具体的かつ個別に示されているかのように、それらの全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
上記および他の必要性を満たすために、本明細書には、1つまたはそれ以上の不純物からFc領域含有ポリペプチドを精製する改善された方法が開示される。これらの方法は、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスを、(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料(例えば、細胞溶解物)と接触させること、ならびに約4.0~10.0のpHを有し、安息香酸塩および/またはベンジルアルコールを含む洗浄溶液でマトリックスを洗浄することを含む。本開示は、少なくとも部分的には、プロテインAクロマトグラフィー中に約4.0~10.0のpHでの洗浄溶液中の安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/またはベンジルアルコールの使用が、現在利用されている洗浄製剤よりも不純物(例えば、宿主細胞不純物)の優れたクリアランスを提供するという驚くべき発見に基づいている(図1、実施例1を参照されたい)。本開示はまた、少なくとも部分的には、ベンゼンスルホン酸塩(例えば、ベンゼンスルホン酸ナトリウム)、カプリル酸、ヘキシレングリコール、および/またはアル
ギニンから選択される1つもしくはそれ以上の追加成分の包含が、洗浄溶液に含まれる場合、不純物のクリアランスをさらに改善し得るという発見に基づいている(図2および3、実施例1を参照されたい)。
したがって、1つの態様において、本明細書では、Fc領域を含むポリペプチドを精製する方法であって、(a)Fc領域を含むポリペプチドがプロテインAに結合する条件下で、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスを、(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料と接触させる工程、ならびに(b)マトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程であって、洗浄溶液は、(i)約0.1M~約1.0Mの濃度の安息香酸塩、および(ii)約0.5%~約4%体積/体積(v/v)の濃度のベンジルアルコールのうちの1方または両方を含み、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHを有する、工程を含む方法が提供される。一部の実施形態では、洗浄溶液は、(1)安息香酸塩;(2)ベンジルアルコール;または(3)安息香酸塩およびベンジルアルコールを含む。一部の実施形態では、安息香酸塩は、約0.1M~約0.5Mの濃度である。前述の実施態様のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸アルカリ塩である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸ナトリウムである。一部の実施形態では、安息香酸ナトリウムは、約0.1M~約0.3Mの濃度である。一部の実施形態では、安息香酸ナトリウムは、約0.3Mの濃度である。一部の実施形態では、安息香酸ナトリウムは、約0.5Mの濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約1%~約4%(v/v)の濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約1%~約2%(v/v)の濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約2%(v/v)の濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約4%(v/v)の濃度である。
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、緩衝剤をさらに含む。一部の実施形態では、緩衝剤は、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、およびクエン酸塩から選択される。一部の実施形態では、緩衝剤は、約10mM~約50mM、または約10mM~約500mMの濃度である。一部の実施形態では、緩衝剤は、約50mMの濃度である。一部の実施形態では、緩衝剤は、約500mMの濃度である。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約5.0~約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約5.0~約9.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約5.0、約6.0、約7.0、約8.0、約9.0、または約10.0のpHを有する。
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、ベンゼンスルホン酸ナトリウムをさらに含む。一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、約0.1M~約0.5Mの濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、カプリル酸をさらに含む。一部の実施形態では、カプリル酸は、約10mM~約50mMの濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、ヘキシレングリコールをさらに含む。一部の実施形態では、ヘキシレングリコールは、約1%~約10%(v/v)の濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、クレアチンをさらに含む。一部の実施形態では、クレアチンは、約10mM~約100mMの濃度である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、アルギニンをさらに含む。一部の実施形態では、アルギニンは、約0.1M~約1.0Mの濃度である。一部の実施形態では、アルギニンは、約0.5Mの濃度である。一部の実施形態では、アルギニンは、アル
ギニン-HClである。一部の実施形態では、アルギニンを含む洗浄溶液は、約4.0~約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、アルギニンを含む洗浄溶液は、約8.0~約10.0のpHを有する。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、1つまたはそれ以上の非緩衝塩をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の非緩衝塩は、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、およびそれらの任意の組合せから選択される。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の非緩衝塩は、塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウムである。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の非緩衝塩は、約0.1M~約1.0Mの濃度である。
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、洗浄溶液は、(i)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約50mMの濃度の重炭酸ナトリウムを含み、約10.0のpHを有する溶液;(ii)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%の濃度のベンジルアルコール、約0.5Mの濃度のアルギニン、および約50mMの濃度のリン酸ナトリウムを含み、約9.0のpHを有する溶液;(iii)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する溶液;(iv)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する溶液;(v)約10%(v/v)の濃度のヘキシレングリコール、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する溶液;(vi)約0.5Mの濃度のベンゼンスルホン酸塩、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する溶液;(vii)約50mMの濃度のカプリル酸、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約0.5Mの濃度のアルギニン、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する溶液;(viii)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約6.0のpHを有する溶液;(ix)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約5.0のpHを有する溶液;(x)約4.0(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約5.0~約10のpHを有する溶液;(xi)約4%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約9.0のpHを有する溶液;ならびに(xii)約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約5.0のpHを有する溶液から選択される溶液である。
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、本方法は、上記されるようにマトリックスを洗浄溶液で洗浄する前に、マトリックスを第1の溶液で洗浄する工程をさらに含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、およびそれらの任意の組合せから選択される緩衝液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、約10mM~約100mM、または約10mM~約500mMの濃度の緩衝液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、リン酸緩衝液である。
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、本方法は、上記されるようにマトリックスを洗浄溶液で洗浄した後に、マトリックスを第2の溶液で洗浄する工程をさらに含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、およびそれらの任意の組合せから選択される緩衝液を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、約10mM~約100mM、または約10mM~約500mMの濃度の緩衝液を含む。一部の実施形態では、第2
の溶液は、約5.0~約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、第2の溶液は、実質的に低い塩を含むかまたは塩を含まない。
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、本方法は、1回またはそれ以上の洗浄工程の後に、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスを溶出溶液と接触させる工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチドを含む溶出液を回収する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、深層濾過により溶出液を濾過する工程をさらに含む。一部の実施形態では、溶出液は、約500パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の1つまたはそれ以上の不純物を含む。
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、本明細書に記載される方法の適用は、マトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程を欠く対応する方法よりも高い程度に、1つまたはそれ以上の不純物から精製されたFc領域を含むポリペプチドをもたらす。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、宿主細胞タンパク質(HCP)である。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のHCPは、ホスホリパーゼ(例えば、推定上のホスホリパーゼB様2)、クラステリン、セリンプロテアーゼ、伸長因子、およびそれらの任意の組合せから選択される。一部の実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞である。一部の実施形態では、宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
一部の実施形態では、Fc領域は、ヒトFc領域である。一部の実施形態では、ヒトFc領域は、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4 Fc領域を含む。一部の実施形態では、Fc領域は、マウスFc領域である。一部の実施形態では、マウスFc領域は、マウスIgG1、IgG2、またはIgG3 Fc領域を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドは抗体である。一部の実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体は、二重特異性抗体または三重特異性抗体である。
一部の実施形態では、上記方法のいずれか1つは、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスを(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料と接触させる前に、Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を、約0.1M~約0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、および約7.0~約9.0のpHを達成するように調整して、例えば、(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料を生成することを含む。一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸アルカリ塩である。一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸ナトリウムである。一部の実施形態では、回収物中の安息香酸塩の最終濃度は、約0.4M~約0.5Mである。一部の実施形態では、調整後の回収物のpHは、約7.0~約8.0である。一部の実施形態では、調整後の回収物のpHは、約8.0~約9.0である。一部の実施形態では、回収物は、ポリペプチドを発現するように操作された宿主細胞を含む培養物から生じる。一部の実施形態では、宿主細胞は、真核生物宿主細胞である。一部の実施形態では、真核生物宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。一部の実施形態では、回収物は、調整前に清澄化される。一部の実施形態では、回収物は、調整後に清澄化される。
関連する態様では、Fc領域を含むポリペプチドを精製する方法であって、(A)Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を、約0.1M~約0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、および約7.0~約9.0のpHを達成するように調整して、例えば、(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料を生成す
る工程;ならびに(B)試料を少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスと接触させる工程を含む方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスは、アフィニティークロマトグラフィーマトリックスを含む。一部の実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーマトリックスは、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスまたはプロテインGクロマトグラフィーマトリックスである。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを少なくとも1つの洗浄溶液と接触させる工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを溶出溶液と接触させる工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチドを含む溶出液を回収する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、深層濾過により溶出液を濾過する工程をさらに含む。一部の実施形態では、溶出液は、約500パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の1つまたはそれ以上の不純物を含む。
一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸アルカリ塩である。一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸ナトリウムである。一部の実施形態では、回収物中の安息香酸塩の最終濃度は、約0.4M~約0.5Mである。一部の実施形態では、調整後の回収物のpHは、約7.0~約8.0である。一部の実施形態では、調整後の回収物のpHは、約8.0~約9.0である。一部の実施形態では、回収物は、ポリペプチドを発現するように操作された宿主細胞を含む培養物から生じる。一部の実施形態では、宿主細胞は、真核生物宿主細胞である。一部の実施形態では、真核生物宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。一部の実施形態では、回収物は、調整前に清澄化される。一部の実施形態では、回収物は、調整後に清澄化される。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を調節して試料を生成する工程を欠く対応する方法よりも高い程度に、1つまたはそれ以上の不純物から精製されたFc領域を含むポリペプチドをもたらす。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、宿主細胞タンパク質(HCP)である。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のHCPは、ホスホリパーゼ、クラステリン、セリンプロテアーゼ、伸長因子、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、HCPは、推定上のホスホリパーゼB様2(PLBL2)である。一部の実施形態では、Fc領域は、ヒトFc領域である。一部の実施形態では、ヒトFc領域は、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4 Fc領域を含む。一部の実施形態では、Fc領域は、マウスFc領域である。一部の実施形態では、マウスFc領域は、マウスIgG1、IgG2、またはIgG3 Fc領域を含む。一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドは、抗体である。一部の実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体は、二重特異性抗体または三重特異性抗体である。
上記され、本明細書に記載される種々の実施形態の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを組み合わせて、本開示の他の実施形態を形成し得ることが理解されるべきである。本開示のこれら態様および他の態様は、当業者に明らかになる。本開示のこれら実施形態および他の実施形態は、以下の詳細な説明によってさらに説明される。
示された対照または試験洗浄溶液を用いて洗浄した後の、プロテインAカラムから溶出された抗体試料中のチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質(HCP)不純物の濃度を示す図である。 プロテインAカラムから溶出された抗体試料中の特定のHCP(HCP-A)の濃度を示す図である。図2Aは、ELISAで評価した場合、対照洗浄と比較した、2%ベンジルアルコール±0.5M安息香酸ナトリウムおよび/または0.5Mアルギニンで洗浄した後の、プロテインAカラムから溶出された抗体試料中のHCP-A濃度を示す。 プロテインAカラムから溶出された抗体試料中の特定のHCP(HCP-A)の濃度を示す図である。図2Bは、ELISAで評価した場合、対照洗浄と比較した、pH9.0または10.0の種々の洗浄溶液で洗浄した後の、プロテインAカラムから溶出された抗体試料中のHCP-A濃度を示す。 ELISAで評価した場合、追加の試験化合物を含有する示された洗浄溶液で洗浄した後の、プロテインAカラムから溶出された抗体試料中のHCP-Aの濃度を示す図である。 プロテインAカラムから溶出された抗体試料中の汎用HCPおよびPLBL2濃度を示す図である。図4Aは、ELISAで評価した場合、プロセス対照洗浄と比較して、0.5Mアルギニン、0.5M安息香酸ナトリウム、または4%ベンジルアルコールで洗浄した後の、プロテインAカラムから溶出された抗体試料中の汎用HCP濃度を示す。図4Bは、ELISAで評価した場合、プロセス対照洗浄と比較して、0.5Mアルギニン、0.5M安息香酸ナトリウム、または4%ベンジルアルコールで洗浄した後の、プロテインAカラムから溶出された抗体試料中の汎用PLBL2濃度を示す。 2%ベンジルアルコールおよび0.5M安息香酸ナトリウムを含む中間洗浄液で洗浄されたプロテインAカラムから溶出された抗体試料の視覚的な清澄さの改善を示す図である。 40g/Lを超えてプロテインAカラムにロードした場合の、オフカラム収率およびPLBL2除去の減少を示す図である。図6Aは、プロテインAカラムのローディング密度が40g/Lから60g/Lに増加するにつれて、オフカラム収率のパーセンテージが93.1%から78.1%に直線的に減少することを示す。図6Bは、プロテインAカラムのローディング密度が40g/Lから60g/Lに増加するにつれて、プロテインAカラムから洗い出されたPLBL2のレベルが32.1ppmから17ppmに減少することを示す。 0.5M安息香酸ナトリウムおよびpH7.2への回収物調整、またはプロテインA精製前の0.5M安息香酸ナトリウムおよびpH9への回収物調整により、PLBL2およびHCP不純物の除去が改善されたことを示す図である。pH9.0での0.5M安息香酸ナトリウムへの回収物調整は、PLBL2およびHCP不純物の最低レベルを示し、pH調整単独と比較して、PLBL2クリアランスの対数が大きいことを示した。 PLBL2含量と安息香酸ナトリウム濃度との関係がほぼS字状であることを示す図である。0.4M安息香酸ナトリウムを超える濃度については、PLBL2のクリアランスの低下が観察された。
本明細書には、Fc領域含有タンパク質のプロテインAベースの単離中に共精製された不純物(例えば、宿主細胞タンパク質不純物)の数を減少させる方法が記載される。本開示の方法は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー中に回収された溶出液中の宿主細胞タンパク質不純物のレベルを有意に減少させることが示された、安息香酸塩および/またはベンジルアルコールを含有する新規な洗浄溶液を使用する中間洗浄工程を適用する(実施例1および2を参照されたい)。この新規な洗浄溶液への1つまたはそれ以上の添加剤(例えば、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、クレアチン、および/またはアルギニン)の包含、プロテインAマトリックスからの捕捉および溶出後に、Fc領域含有タンパク質を含有するタンパク質溶出液からの不純物のクリアランスがさらに改善する。
I.定義
本開示を詳細に説明する前に、本開示は、当然ながら、変化し得る特定の組成物または生物学的システムに限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語
は、特定の実施形態のみを説明する目的であり、限定することを意図しないことも理解されたい。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容がそうでないことを明確に指示していない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、「分子」への言及は、場合により2つまたはそれ以上のこのような分子の組合せなどを含む。
本明細書で使用される用語「約」は、この技術分野における当業者に容易に知られている各値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(および記載する)。
本明細書に記載される本開示の態様および実施形態は、「含む」、「からなる」、および「から本質的になる」態様および実施形態を含むことが理解される。
本明細書で使用される用語「および/または」、「Aおよび/またはB」などの語句は、AとBの両方;AまたはB;A(単独);およびB(単独)を含むことが意図される。同様に、本明細書で使用される用語「および/または」、「A、B、および/またはC」などの語句は、以下の実施形態:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)の各々を包含することが意図される。
用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、本明細書では互換可能に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、直鎖状または分枝鎖状であり得、修飾されたアミノ酸を含み得、非アミノ酸によって中断されていることがある。用語はまた、天然にまたは介入によって修飾されたアミノ酸ポリマーを包含し、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識成分もしくは毒素とのコンジュゲーションなどの任意の他の操作または修飾が挙げられる。また、定義内には、例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸などを含む)の1つまたはそれ以上の類似体を含有するポリペプチド、ならびに当技術分野において公知である他の修飾も含まれる。
用語「抗体」は、本明細書において最も広い意味で使用され、具体的には、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、三重特異性抗体など)、抗体断片、またはポリペプチドが所望の活性を示す限り、1つまたはそれ以上のCDRもしくはCDR由来配列を有する合成ポリペプチドを含む。抗体(Ab)および免疫グロブリン(Ig)は、同じ構造特性を有する糖タンパク質である。一般的に、抗体は、定義されたまたは認識された特異性を有するIgであると考えられる。したがって、抗体は、特異的標的に対する結合特異性を示すが、免疫グロブリンは、抗体と、標的特異性を欠く他の抗体様分子との両方を含む。本開示の抗体は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAなど)、またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG2a、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2など)であり得る。「タイプ」および「クラス」ならびに「サブタイプ」および「サブクラス」は、本明細書において互換可能に使用される。天然または野生型(集団の非人工的に操作されたメンバーから得られる)抗体および免疫グロブリンは、通常、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、2つの同一の軽鎖(L)および2つの同一の重鎖(H)で構成される。各重鎖は、一端に可変ドメイン(VH)を有し、続いて、多数の定常ドメインを有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)を有し、他端に定常ドメインを有する。本明細書に記載される抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ラクダなど)抗体、ま
たはキメラ抗体であり得る。
抗体の可変ドメインとの関連で「可変」という用語は、抗体間および抗体中での配列が広範に異なり、特異的認識および結合、またはその特定の標的に対する特定の抗体において使用される、関連分子のある種の部分を指すことができる。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメインを介して均一には分布されない。可変性は、軽鎖と重鎖可変ドメインの両方において、超可変領域としても公知である相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)領域または配列と呼ばれる。天然の重鎖および軽鎖の可変ドメインは、各々、4つのFR領域を含み、主にβ-シート構造をとり、3つのCDRによって連結され、これらは、ループ連結を形成し、場合によっては、β-シート構造の一部を形成する。各鎖のCDRは、多くの場合、FR領域によって近接して一緒に保持され、他の鎖のCDR2とともに、抗体の標的(エピトープまたは決定基)結合部位の形成に寄与する(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、Nation Institute of Health、Bethesda、MD(1987年)を参照されたい)。本明細書で使用される場合、免疫グロブリンアミノ酸残基の番号付けは、そうでないことを指示していない限り、Kabatらの免疫グロブリンアミノ酸残基の番号付けシステムに従って行われる。1つのCDRは、同族エピトープに特異的に結合する能力を有し得る。
本明細書で使用される用語「ヒンジ」または「ヒンジ領域」とは、抗体の第1と第2の定常ドメイン間のアミノ酸を含む可撓性ポリペプチドを指すことができる。
用語「二重特異性抗体」とは、単一分子内の2つの抗体の抗原結合部位を結合する分子を指すことができる。したがって、二重特異性抗体は、2つの異なる抗原に同時に結合することができる。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指すことができ、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る、可能性のある天然に存在する突然変異を除いて、同一である。本明細書におけるモノクローナル抗体は、特に、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来するか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一または相同であり、鎖(単数または複数)の残りが、別の種に由来するか、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一または相同である「キメラ」抗体、ならびに、それらが所望の活性を保持する限り、このような抗体の断片を含む。
本明細書で使用される用語「多価(multivalent)抗体」または「多価(polyvalent)抗体」は、2つまたはそれ以上の抗原結合部位を含む抗体を指すことができ、したがって、同一または異なる構造を有することができる2つまたはそれ以上の抗原に同時に結合することができる。用語「二価」とは、抗体が2つの抗原結合部位を含むことを意味する。用語「四価」とは、抗体が4つの抗原結合部位を含むことを意味する。
本明細書で使用される「抗原結合部位」という用語は、抗原の一部または全部に特異的に結合し、それに相補的である領域を含む抗体の部分を指すことができる。抗原が大きい場合、抗体は、抗原の特定の部分にのみ結合することができ、その部分はエピトープと呼ばれる。抗原結合ドメインは、1つまたはそれ以上の抗体可変ドメインによって提供され、抗体軽鎖可変ドメイン(VL)および抗体重鎖可変ドメイン(VH)の会合によって作製される。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、ヒト抗体と比較して、非ヒト免疫グロブリン由来の配列を含有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそれらの断片である。一般的に、ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン鋳型配列のものである、1つ、および典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体はまた、典型的には、選択されたヒト免疫グロブリン鋳型のものである、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部を含み得る。一般的に、目標は、ヒトにおいて免疫原性が最小である抗体分子を有することである。したがって、1つまたはそれ以上のCDRにおける1つまたはそれ以上のアミノ酸はまた、標的に対する1つまたはそれ以上のCDRの特異的結合機能を実質的に最小化することなく、ヒト宿主に対して免疫原性が低いものに変化させることができる。あるいは、FRは、非ヒトであり得るが、最も免疫原性の高いそれらのアミノ酸は、より免疫原性の低いアミノ酸に置換される。それにもかかわらず、(上記されるように)CDRグラフティングは、ヒト化抗体を得る唯一の方法ではない。例えば、CDR領域を修飾することは、フレームワーク残基がCDRループの三次元構造およびそのリガンドに対する抗体の全体的な親和性を決定する役割を有することが稀でないため、不十分である場合がある。したがって、非ヒト親抗体分子が、ヒトに対してより免疫原性の低いものであるように修飾されるように、任意の手段を実施することができ、ヒト抗体との広範囲の配列同一性は必ずしも必要ではない。
用語「不純物」は、溶液(Fc領域を含むポリペプチドを含む試料など)中に存在する任意の外来または望ましくない分子を指すことができる。不純物は、目的とするタンパク質を含有する試料中にも存在するDNA、RNA、またはタンパク質などの生物学的(分子)(例えば、高分子)であり得る。不純物には、望ましくないタンパク質変異体(例えば、凝集タンパク質、誤った折り畳たまれたタンパク質、ジスルフィド結合下のタンパク質、断片など)、宿主細胞由来の他のタンパク質、細胞培養培地由来の成分、アフィニティークロマトグラフィーに使用される吸収剤の一部である分子(例えば、プロテインA)、エンドトキシン、核酸、ウイルスなどが含まれる。
II.FC領域含有ポリペプチドを単離および/または精製する方法
概説
本開示のある種の態様は、プロテインAクロマトグラフィーを介してFc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)を精製する方法に関する。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)がプロテインAに結合する条件下で、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスまたはレジンを、(1)Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)、および(2)1つまたはそれ以上の不純物(例えば、宿主細胞不純物)を含む試料と接触させる工程;ならびにマトリックスを安息香酸塩および/またはベンジルアルコールを含む洗浄溶液で洗浄する工程を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.1M~約1.0Mの濃度の安息香酸塩を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5%~約4%体積/体積(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、1つまたはそれ以上の添加剤(例えば、1つもしくはそれ以上のベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩(塩化ナトリウムなど)、クレアチン、および/またはアルギニン)を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、緩衝剤をさらに含む。一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を、約0.1M~0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、および約7~約9のpHを達成するように調整して、(1)Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)、および(2)1つまたはそれ以上の不純物(例えば、宿主細胞不純物)を含む試料を生成する。
試料とプロテインAマトリックスまたはレジンとの接触
本開示のある種の態様は、プロテインAクロマトグラフィーを介してFc領域を含むポ
リペプチド(例えば、抗体)を精製する方法に関する。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)がプロテインAに結合する条件下で、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスまたはレジンを、(1)Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)、および(2)1つまたはそれ以上の不純物(例えば、宿主細胞不純物)を含む試料と接触させる工程を含む。
一部の実施形態では、本開示は、試料(例えば、細胞溶解物試料、細胞培養上清試料など)からFc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体、イムノアドヘシン、融合タンパク質など)を精製する方法に関する。一部の実施形態では、試料は、細胞培養上清(例えば、ポリペプチドを生成および分泌するように操作された、CHO細胞などの細胞からの上清)であるか、または細胞培養上清(例えば、部分的に精製された細胞培養上清試料)に由来する。一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドは、分泌型ポリペプチドである。一部の実施形態では、Fc領域は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域であり、天然配列Fc領域および変異型Fc領域を含み得る。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は多様であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、Cys226位またはPro230位のアミノ酸残基からそのカルボキシル末端まで(Fc領域の残基の番号付けは、KabatにおけるようなEU指数のものである)伸長すると定義される。免疫グロブリンのFc領域は、一般的に、2つの定常ドメインであるCH2およびCH3を含み、場合によりCH4ドメインを含む。一部の実施形態では、Fc領域は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4サブタイプ、IgA、IgE、IgD、またはIgMなどの任意の適切な免疫グロブリンから得られるFc領域である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ヒトFc領域のアミノ酸配列、非ヒト動物Fc領域(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスターなど)のアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを有するFc領域を含む。一部の実施形態では、Fc領域は、マウスFc領域である。一部の実施形態では、マウスFc領域は、マウスIgG1、IgG2、またはIgG3 Fc領域を含む。一部の実施形態では、Fc領域は、ヒトFc領域である。一部の実施形態では、ヒトFc領域は、ヒトIgG1、IgG2、および/またはIgG4 Fc領域を含む。
一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドは、抗体である。一部の実施形態では、「抗体」は、本明細書において最も広い意味で使用され、具体的には、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多価抗体(例えば、二価、三価、四価など)、および多重特異性抗体(例えば、二重特異性、三重特異性など)を包含する。抗体は、任意の起源に由来し得、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスターなど)、ウサギ、ラクダ、サメ、および/または組換え的に生成されたものが含まれる。一部の実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、および/またはキメラ抗体である。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体は、多重特異性抗体および/または多価抗体である。一部の実施形態では、抗体は、二重特異性抗体または三重特異性抗体である。
一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドを含む試料(例えば、細胞溶解物試料、細胞培養上清試料など)は、1つまたはそれ以上の不純物をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、Fc領域を含むポリペプチドを生成するために用いられるプロセス(例えば、分泌型抗体を製造するプロセス)のために、試料中に存在する。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、宿主細胞由来の1つまたはそれ以上の不純物(例えば、1つまたはそれ以上の宿主細胞タンパク質、1つまたはそれ以上の宿主細胞核酸、1つまたはそれ以上の宿主細胞脂質など)である。宿主細胞は、Fc領域を含むポリペプチドの生成に適した当技術分野において公知である任意の宿主細胞であり得、例えば、原核細胞(大腸菌細胞、A.ニガー細胞など)、真核細胞(酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞(例えば、S1細胞)、および/または哺乳動物(マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ヒト、非ヒト霊長類など)細胞(例えば、ハイブリドーマ、C
HO細胞、293T細胞、PER.C6細胞、NS0細胞など)が挙げられる。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、1つまたはそれ以上の宿主細胞タンパク質(HCP)である。一部の実施形態では、HCPは、細胞培養または発酵中の宿主細胞によって生成される非精製タンパク質を指す。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、ホスホリパーゼ、クラステリン、セリンプロテアーゼ、伸長因子、および/またはそれらの任意の組合せから選択される1つもしくはそれ以上(例えば、1つもしくはそれ以上、2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上など)の宿主細胞タンパク質(HCP)である。一部の実施形態では、宿主細胞は、CHO細胞である。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、1つまたはそれ以上のCHO細胞HCPである。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上のCHO細胞HCPは、ホスホリパーゼ、クラステリン、セリンプロテアーゼ、伸長因子、および/またはそれらの任意の組合せの1つもしくはそれ以上である。
一部の実施形態では、本開示は、プロテインAクロマトグラフィーを介して、試料中の1つまたはそれ以上の不純物からFc領域を含むポリペプチドを精製する方法に関する。一部の実施形態では、試料をプロテインAマトリックスまたはレジンと接触させる。一部の実施形態では、試料を、試料中のFc領域を含むポリペプチドがプロテインAに結合するのに適した条件下で、プロテインAマトリックスまたはレジンと接触させる。Fc領域含有ポリペプチドをプロテインAマトリックスまたはレジンに接触させ、結合するための方法およびそれに適した条件は、当業者により容易に理解される(例えば、市販のプロテインAマトリックスまたはレジンの製造業者のプロトコールに記載される方法)。当技術分野において公知である任意の適切なプロテインAマトリックスまたはレジンが、本開示の方法に使用され、例えば、MabSelect、MabSelect Xtra、MabSelect Sure、MabSelect Sure LX Protein A、MabSelect pcc、MabSelect PrismA、rProtein
A Sepharose CL-4B、およびnProtein A Sepharose 4 FF(GE Healthcare);EshmunoA、ProSep A、ProSep-vA High Capacity、ProSep-vA Ultra、およびProSep-vA UltraPlus(Millipore);Poros
AおよびMabcapture A(Poros);IPA-300、IPA-400、およびIPA-500(RepliGen Corp.);Affigel protein AおよびAffiprep protein A(Bio-Rad);MABsorbent A1PPおよびMABsorbent A2P(Affinity Chromatography Ltd.);Protein A Ceramic Hyper D F(Pall Corp.);Ultralink Immobilized
protein AおよびAgarose Protein A(PIERCE);Protein A Cellthru 300およびProtein A Ultraflow(Bioseparation);Amsphere A3(JSR);ならびに/またはToyopearl AF-rProtein A HC-650F(Tosoh Biosciences)が挙げられる。一部の実施形態では、プロテインAマトリックスまたはレジンは、カラムクロマトグラフィーフォーマットで使用される。一部の実施形態では、プロテインAマトリックスまたはレジンの1つまたはそれ以上のパラメータ(pH、イオン強度、温度、他の物質の添加など)は、プロテインAマトリックスまたはレジンを試料と接触させる前に調整される。一部の実施形態では、プロテインAマトリックスまたはレジンは、プロテインAマトリックスまたはレジンを試料と接触させる前および/または後に、洗い流され、洗浄され、平衡化され、ストリップされ、および/または消毒される。一部の実施形態では、プロテインAマトリックスまたはレジンは、プロテインAマトリックスまたはレジンを試料と接触させる前に平衡化および/または洗浄される。当技術分野において公知である任意の適切な平衡化および/または洗浄緩衝液を使用することができる。一部の実施形態では、プロテインAマトリックスまたはレジンは、使用
の間に消毒され、ストリップされ、および/または再生される。
洗浄溶液によるプロテインAマトリックスまたはレジンの洗浄
本開示のある種の態様は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコールを含む洗浄溶液を用いて、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)に結合したプロテインAマトリックスまたはレジンを洗浄することによって、プロテインAクロマトグラフィーを介してFc領域を含むポリペプチドを精製する方法に関する。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)がプロテインAに結合する条件下で、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスまたはレジンを、(1)Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)、および(2)1つまたはそれ以上の不純物(例えば、宿主細胞不純物)を含む試料と接触させる工程;ならびに約0.1M~約1.0Mの濃度の安息香酸塩および/または約0.5%~約4%体積/体積(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含む洗浄溶液を用いてマトリックスまたはレジンを洗浄する工程であって、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHを有する、工程を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、ベンジルアルコールを含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩およびベンジルアルコールを含む。
一部の実施形態では、本開示は、安息香酸塩および/または安息香酸を含む洗浄溶液(例えば、調整されたpH)に関する。当技術分野において公知である安息香酸塩(例えば、アルカリ塩)および/または安息香酸の任意の適切な供給源または形態は、本開示の洗浄溶液中で使用することができ、例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸ベリリウム、安息香酸バリウム、安息香酸ストロンチウム、安息香酸ルビジウム、安息香酸セシウム、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸アルカリ塩である。一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸ナトリウムまたは安息香酸カリウムである。一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸ナトリウムである。
一部の実施形態では、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.1M~約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.1M~約1.0M、約0.1M~約0.9M、約0.1M~約0.8M、約0.1M~約0.7M、約0.1M~約0.6M、約0.1M~約0.5M、約0.1M~約0.4M、約0.1M~約0.3M、約0.1M~約0.2M、約0.2M~約1.0M、約0.2M~約0.9M、約0.2M~約0.8M、約0.2M~約0.7M、約0.2M~約0.6M、約0.2M~約0.5M、約0.2M~約0.4M、約0.2M~約0.3M、約0.3M~約1.0M、約0.3M~約0.9M、約0.3M~約0.8M、約0.3M~約0.7M、約0.3M~約0.6M、約0.3M~約0.5M、約0.3M~約0.4M、約0.4M~約1.0M、約0.4M~約0.9M、約0.4M~約0.8M、約0.4M~約0.7M、約0.4M~約0.6M、約0.4M~約0.5M、約0.5M~約1.0M、約0.5M~約0.9M、約0.5M~約0.8M、約0.5M~約0.7M、約0.5M~約0.6M、約0.6M~約1.0M、約0.6M~約0.9M、約0.6M~約0.8M、約0.6M~約0.7M、約0.7M~約1.0M、約0.7M~約0.9M、約0.7M~約0.8M、約0.8M~約1.0M、約0.8M~約0.9M、または約0.9M~約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.1M~約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.1M~約0.3Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.1M、0.15M、0.2M、0.25M、0.3M、0.35M、0.4M、0.45M、0.5M、0.55M、0.6M、0.65M、0.7M、0.75M、0.8M、0.85M、0.9M、0.95M、または1.0Mのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.1Mもしくは約0.1M未満、約0.3M未満もしくは約0.3M未満、約0.5Mもしくは約0.5M未満、約0.75Mもしくは約0.75M未満、または約1.0Mもしくは約1.0M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)および/または安息香酸は、約0.5Mまたは約0.5M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、本開示は、ベンジルアルコールを含む洗浄溶液に関する。当技術分野において公知であるベンジルアルコールの任意の適切な供給源または形態を、本開示の洗浄溶液中で使用することができる。
一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約0.5%~約4.0%体積/体積(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、ベンジルアルコールは、約0.5%~約4%、約1%~約4%、約1.5%~約4%、約2%~約4%、約2%~約4%、2.5%~約4%、約3%~約4%、約3.5%~約4%、約0.5%~約3.5%、約1%~約3.5%、約1.5%~約3.5%、約2%約3.5%、約2.5%~約3.5%、約3%~約3.5%、約0.5%~約3%、約1%~約3%、約1.5%~約3%、約2%~約3%、約2.5%~約3%、約0.5%~約2.5%、約1%~約2.5%、約1.5%~約2.5%、約2%~約2.5%、約0.5%~約2%、約1%~約2%、約1.5%~約2%、約0.5%~約1.5%、約1%~約1.5%、または約0.5%~約1%(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約1%~約4%体積/体積(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約1%~約2%の体積/体積(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約0.5%、0.75%、1%、1.25%、1.5%、1.75%、2%、2.25%、2.5%、2.75%、3%、3.25%、3.5%、3.75%、または約4%(v/v)のいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約2%(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約1%もしくは約1%未満、約2%もしくは約2%未満、約3%もしくは約3%未満、または約4%もしくは約4%未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約4%または約4%(v/v)未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンジルアルコールは、約4%または約2%(v/v)未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
添加剤
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、本明細書に記載される濃度のいずれかで、以下の添加剤:ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンの1つまたはそれ以上(例えば、1つもしくはそれ以上、2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、または5つすべて)をさらに含む。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の添加剤を含む洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液中への1つまたはそれ以上の添加剤の包含は、本明細書に記載される方法により、1つまたはそれ以上の不純
物(例えば、宿主細胞不純物)からのFc領域を含むポリペプチドの精製をさらに改善する。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの1つを含む。例えば、洗浄溶液は、安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ならびにベンゼンスルホン酸塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ならびにカプリル酸;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ならびに非緩衝塩;または安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ならびにクレアチンを含むことができる。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの2つを含む。例えば、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、ならびにカプリル酸;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、カプリル酸、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、カプリル酸、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、カプリル酸、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ヘキシレングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;または安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、非緩衝塩、ならびにクレアチンを含み得る。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの3つを含む。例えば、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、ヘキシレングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、非緩衝塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;または安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、カプリル酸、非緩衝塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、ならびにクレアチンを含み得る。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの4つを含む。例えば、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール
、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、非緩衝塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、ベンゼンスルホン酸塩、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、ならびにクレアチン;または安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、ならびにクレアチンを含み得る。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHで、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、およびクレアチンの5つすべてを含む。
一部の実施形態では、本開示は、ベンゼンスルホン酸塩を含む洗浄溶液に関する。当技術分野において公知であるベンゼンスルホン酸塩の任意の適切な形態または供給源は、本開示の洗浄溶液中で使用することができ、例えば、ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはベンゼンスルホン酸カリウムなどのベンゼンスルホン酸塩(例えば、アルカリ塩)、ベンゼンスルホン酸、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸塩は、ベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸塩(例えば、ベンゼンスルホン酸ナトリウム)は、約0.1M~約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、約0.1M~約0.5M、約0.1M~約0.4M、約0.1M~約0.3M、約0.1M~約0.2M、約0.1M~約0.2M、0.2M~約0.5M、約0.2M~約0.4M、約0.2M~約0.3M、約0.3M~約0.5M、約0.3M~約0.4M、または約0.4M~約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、約0.1M~約0.3Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、約0.1M、0.15M、0.2M、0.25M、0.3M、0.35M、0.4M、0.45M、または0.5Mのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、約0.1Mもしくは約0.1M未満、約0.3Mもしくは約0.3M未満、または約0.5Mもしくは約0.5M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ベンゼンスルホン酸ナトリウムは、約0.5Mまたは約0.5M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、本開示は、カプリル酸を含む洗浄溶液に関する。当技術分野において公知であるカプリル酸の任意の適切な形態または供給源を、本開示の洗浄溶液中で使用することができる。
一部の実施形態では、カプリル酸は、約0.1mM~約50mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、カプリル酸は、約1mM~約50mM、約10mM~約50mM、約20mM~約50mM、約30mM~約50mM、40mM~約50mM、約1mM~約40mM、約10mM~約40mM、約20mM~約40mM、約30mM~約40mM、約1mM~約30mM、約10mM約30mM、約20mM~約30mM、約1mM~約20mM、約10mM~約20mM、または約1mM~約10mMの濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、カプリル酸は、約10mM~約50mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、カプリル酸は、約1mM、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、または50mMのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、カプリル酸は、約50mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、カプリル酸は、約10mMもしくは約10mM未満、約30mMもしくは約30mM未満、または約50mMもしくは約50mM未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、カプリル酸は、約50mMまたは約50mM未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、本開示は、ヘキシレングリコールを含む洗浄溶液に関する。当技術分野において公知であるヘキシレングリコールの任意の適切な形態または供給源を、本開示の洗浄溶液中で使用することができる。
一部の実施形態では、ヘキシレングリコールは、約0.5%~約10%(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、ヘキシレンは、約0.5%~約10%、約1%~約10%、約2%~約10%、約4%~約10%、約6%~約10%、約8%~約10%、約9%~約10%、0.5%~約9%、約1%~約9%、約2%~約9%、約4%~約9%、約6%~約9%、約8%~約9%、約0.5%~約8%、約1%~約8%、約2%~約8%、約4%~約8%、約6%~約8%、約0.5%~約6%、約1%~約6%、約2%~約6%、約4%~約6%、約0.5%~約4%、約1%~約4%、約2%~約4%、約0.5%~約2%、約1%~約2%、または約0.5%~約1%(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、ヘキシレングリコールは、約1%~約10%(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、ヘキシレングリコールは、約0.5%、1%、1.5%、2.5%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、または10%(v/v)のいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ヘキシレングリコールは、約10%(v/v)の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ヘキシレングリコールは、約1%もしくは約1%未満、約2%もしくは約2%未満、約4%もしくは約4%未満、約6%もしくは約6%未満、約8%もしくは約8%未満、または約10%もしくは約10%(v/v)未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、ヘキシレングリコールは、約10%または約10%(v/v)未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、本開示は、1つまたはそれ以上(例えば、1つまたはそれ以上、2つまたはそれ以上、3つまたはそれ以上など)の非緩衝塩を含む洗浄溶液に関する。当技術分野において公知である非緩衝塩の任意の適切な形態または供給源を、本開示の洗浄溶液中で使用することができる。非緩衝塩は、ハロゲン塩(例えば、ClまたはBrを含む塩)、特にアルカリ金属(例えば、NaもしくはK)またはアルカリ土類金属(例えば、CaもしくはMg)を含むハロゲン塩を含み得る。一部の実施形態では、非緩衝塩は、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムである。一部の実施形態では、非緩衝塩は、塩化ナトリウムである。
一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.1M~約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.1M~約1.0M、約0.1M~約0.8M、約0.1M~約0.6M、0.1M~約0.5M、約0.1M~約0.4M、約0.1M~約0.2M、約0.2M~約1.0M、約0.2M~約0.8M、約0.2M~約0.6M、約0.2M約0.5M、約0.2M~約0.4M、約0.4M~約1.0M、約0.4M~約0.8M、約0.4M~約0.6M、約0.4M~約0.5M、約0.5M~約1.0M、約0.5M~約0.8M、約0.5M~約0.6M、約0.6M~約1.0M、約0.6M~約0.8M、または
約0.8M~約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.1M~約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.5M~約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.1M、0.15M、0.2M、0.25M、0.3M、0.35M、0.4M、0.45M、0.5M、0.55M、0.6M、0.65M、0.7M、0.75M、0.8M、0.85M、0.9M、0.95M、または1.0Mのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.5Mの濃度で洗浄液中に存在する。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.1Mもしくは約0.1M未満、約0.2Mもしくは約0.2M未満、約0.4Mもしくは約0.4M未満、約0.5Mもしくは約0.5M未満、約0.6Mもしくは約0.6M未満、約0.8Mもしくは約0.8M未満、または約1.0Mもしくは約1.0M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約0.5Mまたは約0.5M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、非緩衝塩(例えば、塩化ナトリウム)は、約1.0Mまたは約1.0M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、本開示は、クレアチンを含む洗浄溶液に関する。当技術分野において公知であるクレアチンの任意の適切な形態または供給源は、本開示の洗浄溶液中で使用することができ、例えば、クレアチン-HCl、クレアチンエステル、クレアチンピルベート、クレアチンリン酸、クレアチンアルファ-ケトグルタレート、クレアチンシトレート、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、クレアチンは、クレアチン-HClである。
一部の実施形態では、クレアチンは、約1mM~約100mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、クレアチンは、約1mM~約100mM、約10mM~約100mM、約25mM~約100mM、約50mM~約100mM、約75mM~約100mM、約1mM~約75mM、約10mM~約75mM、約25mM~約75mM、約50mM~約75mM、約1mM~約50mM、約10mM~約50mM、約25mM~約50mM、約1mM~約25mM、約10mM~約25mM、または約1mM~約10mMの濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、クレアチンは、約10mM~約100mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、クレアチンは、約10mM~約50mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、クレアチンは、約1mM、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、または100mMのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、クレアチンは、約50mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。
アルギニン
一部の実施形態では、本開示は、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体をさらに含む洗浄溶液に関する。一部の実施形態では、洗浄溶液中へのアルギニンおよび/またはアルギニン誘導体の包含は、本明細書に記載される方法により、1つまたはそれ以上の不純物(例えば、宿主細胞不純物)からのFc領域を含むポリペプチドの精製をさらに改善する。当技術分野において公知であるアルギニンおよび/またはアルギニン誘導体の任意の適切な形態または供給源は、本開示の洗浄溶液中で使用することができ、例えば、アル
ギニン、アルギニン-HCl、アセチルアルギニン、アグマチン、アルギン酸、N-アルファ-ブチロイル-L-アルギニン、N-アルファ-ピバロイルアルギニン、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体は、L-アルギニンおよび/またはD-アルギニン、ならびにそれらの誘導体であり得る。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体は、アルギニン-HClである。
一部の実施形態では、本開示は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコールを含む洗浄溶液中のアルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)の使用に関する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩ならびにアルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、ベンジルアルコールならびにアルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩、ベンジルアルコール、ならびにアルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液は、本明細書に記載されるいずれかの濃度で、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンの1つまたはそれ以上(例えば、1つもしくはそれ以上、2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、または5つすべて)をさらに含む。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体を含む洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体を含む洗浄溶液は、約4.0~約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体を含む洗浄溶液は、約4.0~約5.0のpHを有する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体を含む洗浄溶液は、約8.0~約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体を含む洗浄溶液は、約8.0~約9.0のpHを有する。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの1つを含む。例えば、洗浄溶液は、安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ならびにベンゼンスルホン酸塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ならびにカプリル酸;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ならびに非緩衝塩;または安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ならびにクレアチンを含むことができる。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの2つを含む。例えば、洗浄溶液は、安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、ならびにカプリル酸;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、カプリル酸、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、カプリル酸、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、カプリル酸、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ヘキシレ
ングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;または安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、非緩衝塩、ならびにクレアチンを含み得る。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの3つを含む。例えば、洗浄溶液は、安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ならびにヘキシレングリコール;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、ヘキシレングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、非緩衝塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、カプリル酸、非緩衝塩、ならびにクレアチン;または安息香酸塩および/もしくはベンジルアルコール、アルギニン、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、ならびにクレアチンを含み得る。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、および/またはクレアチンのうちの4つを含む。例えば、洗浄溶液は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびに非緩衝塩;安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、非緩衝塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニン、ベンゼンスルホン酸塩、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、ならびにクレアチン;安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニン、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、ならびにクレアチンを含むことができる。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、安息香酸塩および/またはベンジルアルコール、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)、ならびにベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、非緩衝塩、およびクレアチンの5つすべてを含む。
一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.1M~約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.1M~約1.0M、約0.1M~約0.9M、約0.1M~約0.8M、約0.1M~約0.7M、約0.1M~約0.6M、約0.1M~約0.5M、約0.1M0.1M~約0.4M、約0.1M~約0.3M、約0.1M~約0.2M、約0.2M~約1.0M、約0.2M~約0.9M、約0.2M~約0.8M、約0.2M~約0.7M、約0.2M~約0.6M、約0.2M~約0.5M、約0.2M~約0.4M、約0.2M~約0.3M、約0.3M~約1.0M、約0.3M~0.9M、約0.3M~約0.8M、約0
.3M~約0.7M、約0.3M~約0.6M、約0.3M~約0.5M、約0.3M~約0.4M、約0.4M~約1.0M、約0.4M~約0.9M、約0.4M~約0.8M、約0.4M~約0.7M、約0.4M~約0.6M、約0.4M~約0.5M、約0.5M~約1.0M、約0.5M~約0.9M、約0.5M~約0.8M、約0.5M~約0.7M、約0.5M~約0.6M、約0.6M~約1.0M、約0.6M~約0.9M、約0.6M~約0.8M、約0.6M~約0.7M、約0.7M~約1.0M、約0.7M~約0.9M、約0.7M~約0.8M、約0.8M~約1.0M、約0.8M~約0.9M、または約0.9M~約1.0Mの濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.1M~約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.1M~約0.3Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.1M、0.15M、0.2M、0.25M、0.3M、0.35M、0.4M、0.45M、0.5M、0.55M、0.6M、0.65M、0.7M、0.75M、0.8M、0.85M、0.9M、0.95M、または1.0Mのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.5Mの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.1Mもしくは約0.1M未満、約0.2Mもしくは約0.2M未満、約0.3Mもしくは約0.3M未満、約0.4Mもしくは約0.4M未満、約0.5Mもしくは約0.5M未満、約0.75Mもしくは約0.75M未満、または約1.0Mもしくは約1.0M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、アルギニンおよび/またはアルギニン誘導体(例えば、アルギニン-HCl)は、約0.5Mまたは約0.5M未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
pH
一部の実施形態では、本開示は、約4.0~約10.0のpHを有する洗浄溶液に関する。例えば、洗浄溶液は、約4.0~約10.0、約5.0~約10.0、約6.0~約10.0、約6.5~約10.0、約7.0~約10.0、約7.5~約10.0、約8.0~約10.0、約9.0~約10.0、4.0~約9.0、約5.0~約9.0、約6.0~約9.0、約6.5~約9.0、約7.0~約9.0、約7.5~約9.0、約8.0~約9.0、4.0~約8.0、約5.0~約8.0、約6.0~約8.0、約6.5~約8.0、約7.0~約8.0、約7.5~約8.0、4.0~約7.5、約5.0~約7.5、約6.0~約7.5、約6.5~約7.5、約7.0~約7.5、約4.0~約7.0、約5.0~約7.0、約6.0~約7.0、約6.5~約7.0、4.0~約6.5、約5.0~約6.5、約6.0~約6.5、4.0~約6.0、約5.0~約6.0、または約4.0~約5.0のpHを有し得る。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約5.0~約9.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0~約5.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約8.0~約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約8.0~約9.0のpHを有する。
一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0、4.25、4.5、4.75、5.0、5.25、5.5、5.75、6.0、6.25、6.5、6.75、7.0、7.25、7.5、7.75、8.0、8.25、8.5、8.75、9.0、9.25、9.5、9.75、または10.0のいずれかのpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約5.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、
洗浄溶液は、約6.5のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約7.5のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約9.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約10.0のpHを有する。
緩衝剤
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、1つまたはそれ以上(例えば、1つまたはそれ以上、2つまたはそれ以上、3つまたはそれ以上、4つまたはそれ以上、5つまたはそれ以上など)の緩衝剤をさらに含む。当技術分野において公知である任意の適切な緩衝剤は、本開示の洗浄溶液中で使用することができ、例えば、リン酸塩、トリス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ビス-トリス、ビス-トリスプロパン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ギ酸塩、炭酸塩、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、クエン酸塩、HEPES(4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、TAPS(3-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸)、ビシン(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン)、トリシン(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)、TES(2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)、カコジル酸(ジメチルアルシン酸)、SSC(食塩水クエン酸ナトリウム)、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、緩衝剤は、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩の1つまたはそれ以上である。
一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約1mM~約100mM、または約1mM~約500mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約1mM~約500mM、10mM~約500mM、50mM~約500mM、100mM~約500mM、150mM~約500mM、200mM~約500mM、250mM~約500mM、300mM~約500mM、350mM~約500mM、400mM~約500mM、450mM~約500mM、1mM~約450mM、1mM~約400mM、1mM~約350mM、1mM~約300mM、1mM~約250mM、1mM~約200mM、1mM~約150mM、1mM~約100mM、約10mM~約100mM、約25mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約60mM~約100mM、約75mM~約100mM、約1mM~約75mM、約10mM~約75mM、約40mM~約75mM、約50mM~約75mM、約60mM~約75mM、約1mM~約60mM、約10mM~約60mM、約25mM~約60mM、約40mM~約60mM、約50mM~約60mM、約1mM~約50mM、約10mM~約50mM、約25mM~約50mM、約40mM~約50mM、約t1mM~約40mM、約10mM~約40mM、約25mM~約40mM、約1mM~約25mM、約10mM~約25mM、または約1mM~約10mMの濃度で洗浄溶液中に存在し得る。一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約10mM~約50mM、または約10mM~約500mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。
一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約1mM、5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、または100mMのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。あるいは、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約150mM、200mM、
250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、または500mMのいずれかの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約500mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約50mMの濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約10mMもしくは約10mM未満、約25mMもしくは約25mM未満、約50mMもしくは約50mM未満、約75mMもしくは約75mM未満、または約100mMもしくは約100mM未満、または約500mMもしくは約500mM未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約50mMまたは約50mM未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。一部の実施形態では、緩衝剤(例えば、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、および/またはクエン酸塩)は、約500mMまたは約500mM未満の濃度で洗浄溶液中に存在する。
例示的な洗浄溶液
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウムおよび/またはベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウムおよび/または約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウムおよび約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、リン酸緩衝液(例えば、約50mMの濃度)をさらに含む。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジルアルコール、および/または塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および/または約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、リン酸緩衝液(例えば、約50mMの濃度)をさらに含む。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、アルギニン、および/または塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、約0.5Mの濃度のアルギニン、および/または約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、約0.5Mの濃度のアルギニン、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、リン酸緩衝液(例えば、約50mMの濃度)をさらに含む。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、リン酸緩衝液、および/またはアルギニンを含み、約9.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、約50mMの濃度のリン酸緩衝液、および/または約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約9.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、約50mMの濃度のリン酸緩衝液、および約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、
約9.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、および/またはアルギニンを含み、約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および/または約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約6.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、ヘキシレングリコール、安息香酸ナトリウム、および/またはベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約10%(v/v)の濃度のヘキシレングリコール、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および/または約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約10%(v/v)の濃度のヘキシレングリコール、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、および/またはベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度のベンゼンスルホン酸塩、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および/または約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度のベンゼンスルホン酸塩、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、および/またはアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約5.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および/または約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約5.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約5.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、および/またはアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および/または約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約6.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約6.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、ベンジルアルコールおよび/またはアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約5.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールおよび/または約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約5.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールおよび約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)を含み、約5.0の
pHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、アルギニン(例えば、アルギニン-HCl)、カプリル酸、および/または塩化ナトリウムを含み、約9.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)、約50mMの濃度のカプリル酸、および/または約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約9.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)、約50mMの濃度のカプリル酸、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約9.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウム、アルギニン(例えば、アルギニン-HCl)、カプリル酸、および/または塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)、約50mMの濃度のカプリル酸、および/または約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約0.5Mの濃度のアルギニン(例えば、アルギニン-HCl)、約50mMの濃度のカプリル酸、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、安息香酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムを含み、約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウムおよび/または約50mMの濃度の重炭酸ナトリウムを含み、約10.0のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウムおよび約50mMの濃度の重炭酸ナトリウムを含み、約10.0のpHを有する。
一部の実施形態では、本開示の洗浄溶液は、約4%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約5.0~約10のpHを有する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、約4%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約9.0のpHを有する。
クロマトグラフィー前にFc領域を含むポリペプチドを含む回収物を調整する
一態様では、Fc領域を含むポリペプチドを精製する方法であって、(A)Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を、約0.1M~約0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、および約7.0~約9.0のpHを達成するように調整して、(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料を生成する工程、ならびに(B)試料を少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスと接触させる工程を含む方法が提供される。一部の実施形態では、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスは、アフィニティークロマトグラフィーマトリックス、例えば、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスおよび/またはプロテインGクロマトグラフィーマトリックスである。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを少なくとも1つの洗浄溶液と接触させる工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを溶出溶液と接触させる工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチドを含む溶出液を回収する工程をさらに含む。
一部の実施形態では、用語「回収物」とは、細胞培養の終了時または細胞培養後に存在する流体、例えば、細胞溶解物試料、または細胞培養上清試料(例えば、ポリペプチドを
生成および分泌するように操作された、CHO細胞などの細胞からの上清)を指す。一部の実施形態では、回収物は、無傷の宿主細胞および/または細胞破片を含む。一部の実施形態では、回収物は、無傷の宿主細胞および/または細胞破片を含まない。例えば、一部の実施形態では、細胞培養の終了時または細胞培養後に存在する流体は、調整前に、1つまたはそれ以上の遠心分離および/または濾過工程に供されて、約0.1M~約0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、および約7.0~約9.0のpHを達成する。一部の実施形態では、回収物は、細胞培養の終了時または細胞培養後に存在する流体に由来する。例えば、一部の実施形態では、細胞培養の終了時または細胞培養後に存在する流体は、Fc領域を含むポリペプチドの細胞分離および/または精製のために最適化するために、1つまたはそれ以上の前処理工程に供される。
関連する態様では、本明細書に記載されるFc領域を含むポリペプチドを精製する方法のいずれか1つは、Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を、0.1M~約0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、ならびに約7.0~約9.0のpHを達成するように調節して、(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料を生成する工程をさらに含む。
一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸アルカリ塩である。一部の実施形態では、安息香酸塩は、安息香酸ナトリウムである。一部の実施形態では、回収物は、これらの値の間の任意の範囲を含む、0.025M、0.05M、0.075M、0.1M、0.125M、0.15M、0.175M、0.2M、0.225M、0.25M、0.275M、0.3M、0.325M、0.35M、0.375M、0.4M、0.425M、0.45M、0.475M、0.5M、0.525M、0.55M、0.575M、0.6M、0.625M、0.65M、0.675M、0.7M、0.725M、0.75M、0.775M、または0.8Mのいずれかの約1つの最終濃度を達成するように調整される。一部の実施形態では、回収物のpHは、これらの値の間の任意の範囲を含む、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または10.0のいずれか約1つに調整される。一部の実施形態では、回収物は、調整(例えば、安息香酸ナトリウムの添加およびpHの調整)前に清澄化される。一部の実施形態では、回収物は、調整(例えば、安息香酸ナトリウムの添加およびpHの調整)後に清澄化される。
一部の実施形態では、本方法は、回収物を、約0.5Mの最終安息香酸ナトリウム濃度および約7のpHを達成するように調整することを含む。一部の実施形態では、本方法は、回収物を、約0.1Mの最終安息香酸ナトリウム濃度および約9のpHを達成するように調整することを含む。一部の実施形態では、本方法は、回収物を、約0.2Mの最終安息香酸ナトリウム濃度および9のpHを達成するように調整することを含む。一部の実施形態では、本方法は、回収物を、約0.3Mの最終安息香酸ナトリウム濃度および9のpHを達成するように調整することを含む。一部の実施形態では、本方法は、回収物を、約0.4Mの最終安息香酸ナトリウム濃度および9のpHを達成するように調整することを含む。一部の実施形態では、本方法は、回収物を、約0.5Mの最終安息香酸ナトリウム濃度および9のpHを達成するように調整することを含む。
一部の実施形態では、回収物の調整(例えば、安息香酸ナトリウムを添加し、pHを調整すること)は、Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を調整して試料を生成する工程を欠く対応する方法よりも高い程度に、1つまたはそれ以上の不純物から精製されたFc領域を含むポリペプチドをもたらす。一部の実施形態では、1つまたはそれ以上の不純物は、ホスホリパーゼ、クラステリン、セリンプロテアーゼ、伸長因子、およびそれらの
任意の組合せなどの宿主細胞タンパク質である。一部の実施形態では、HCPは、推定上のホスホリパーゼB様2(PLBL2)である。
一部の実施形態では、調整された回収物(例えば、本明細書に記載される最終濃度を達成するために安息香酸ナトリウムが添加され、そのpHが本明細書に記載されるように調整されている)は、(i)Fc領域を含むポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含むかまたは含む試料である。一部の実施形態では、試料は、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスと接触される(例えば、試料は、少なくとも1つのクロマトグラフィー工程に供される)。一部の実施形態では、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスは、アフィニティークロマトグラフィーマトリックス、混在モードのクロマトグラフィーマトリックス(例えば、マルチモードクロマトグラフィーマトリックス)、疎水性相互作用(HIC)クロマトグラフィーマトリックス、アニオン交換クロマトグラフィーマトリックス、カチオン交換クロマトグラフィーマトリックス、サイズ排除クロマトグラフィーマトリックス、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーマトリックス、および/または親水性相互作用液体クロマトグラフィーマトリックス(HILIC)などのいずれか1つもしくはそれ以上を任意の順序で含む。一部の実施形態では、試料は、アフィニティークロマトグラフィーマトリックス、例えば、プロテインAマトリックスまたはプロテインGマトリックスと接触される。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを少なくとも1つの洗浄溶液と接触させる工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを溶出溶液と接触させる工程をさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチドを含む溶出液を回収する工程をさらに含む。
不純物除去
本開示のある種の態様は、1つまたはそれ以上の不純物からのポリペプチドの精製を改善するために、安息香酸塩および/またはベンジルアルコールを含む洗浄溶液を用いて、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)に結合したプロテインAマトリックスを洗浄することにより、プロテインAクロマトグラフィーを介してFc領域を含むポリペプチドを精製する方法に関する。一部の実施形態では、本方法は、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)がプロテインAに結合する条件下で、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスを、(1)Fc領域を含むポリペプチド(例えば、抗体)、および(2)1つまたはそれ以上の不純物(例えば、宿主細胞不純物)を含む試料と接触させる工程;ならびに約0.1M~約1.0Mの濃度の安息香酸塩および/または約0.5%~約4%体積/体積(v/v)濃度のベンジルアルコールを含む洗浄溶液を用いてマトリックスを洗浄する工程であって、洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHを有する、工程を含む。一部の実施形態では、洗浄溶液を用いたプロテインAマトリックスの洗浄は、マトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程を欠く対応する方法(上記される)よりも高い程度に、1つまたはそれ以上の不純物から精製されたFc領域を含むポリペプチドをもたらす。
標準的なプロテインAプロセスは、典型的には、本明細書に記載される洗浄工程を使用することなく、約95%の生成物純度をもたらす。生成物中の不純物の最大の割合は、生成物の高分子量(HMW)凝集体および/または低分子量(LMW)断片によるものである。これらの生成物変異体は、様々なパラメータ(例えば、電荷、疎水性、サイズの違いなど)に基づいて、生成物から分離されるそれらの能力により、不純物であると考えられる。これらのHMWおよびLMW不純物は、プロテインAプールの約4~5%を占める。さらに、本明細書に記載される洗浄工程の使用を欠く標準的なプロテインAプロセスではまた、典型的には、生成物プールの約1000ppmのオーダーまたは約0.1%で宿主細胞タンパク質(HCP)不純物の包含をもたらす。しかしながら、注射可能なmAb生成物に設定された仕様(例えば、FDAガイドラインを参照されたい)のため、この0.
1%のHCP不純物の減少および/または完全な除去は、非常に重要である。本明細書に記載される洗浄溶液を適用する工程の包含は、プールに存在するHCPの量を約100~10ppmに減らすことができ(本明細書に記載される洗浄工程を欠く同じプロテインAプロセスと比較して、HCPが10~100分の1に減少する)、90~99%の相対的な改善を占める。(例えば、ELISAアッセイによって)試料タンパク質の純度および/または不純物レベルを測定する方法は、当業者に一般的に公知である。標準的な方法対本明細書に記載される方法のいずれかを使用して、1つまたはそれ以上の宿主細胞タンパク質からモノクローナル抗体(mAb)を分離する例示的な精製を以下の表Aに示す。
Figure 2023145727000002
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、約500ppm(パーツ・パー・ミリオン)未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有するプロテインA溶出後に、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、モノクローナル抗体)を含有するタンパク質プールを生成する。例えば、本明細書に記載される方法によって生成されたFc領域を含むポリペプチドを含有するタンパク質プールは、約500ppm未満、約450ppm未満、約400ppm未満、約350ppm未満、約300ppm未満、約250ppm未満、約200ppm未満、約150ppm未満、約100ppm未満、約75ppm未満、約50ppm未満、約25ppm未満、約10ppm未満、または約1ppm未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法によって生成されたFc領域を含むポリペプチドを含有するタンパク質プールは、約100ppm未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法によって生成されたFc領域を含むポリペプチドを含有するタンパク質プールは、約10ppm未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、約0.1%未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有するプロテインA溶出後に、Fc領域を含むポリペプチド(例えば、モノクローナル抗体)を含有するタンパク質プールを生成する。例えば、本明細書に記載される方法によって生成されたFc領域を含むポリペプチドを含有するタンパク質プールは、約0.1%未満、約0.09%未満、約0.08%未満、約0.07%未満、未満約0.06%、約0.05%未満、約0.04%未満、約0.03%未満、約0.02%未満、または約0.01%未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有し得る。一部の実施形態では、本明
細書に記載される方法によって生成されたFc領域を含むポリペプチドを含有するタンパク質プールは、約0.05%未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有する。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法によって生成されたFc領域を含むポリペプチドを含有するタンパク質プールは、約0.01%未満のHCP(例えば、CHO細胞からの1つまたはそれ以上のHCP)を含有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、Fc領域を含むポリペプチドと共精製された1つもしくはそれ以上の不純物(例えば、CHO細胞からの1つもしくはそれ以上のHCPなどの1つもしくはそれ以上のHCP)の量および/または濃度(例えば、パーツ・パー・ミリオン)を、プロテインAマトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程を欠く対応する方法によって精製されたFc領域を含むポリペプチドと共精製された1つまたはそれ以上の不純物の量と比較して少なくとも約10%減少させる。例えば、本明細書に記載される方法は、Fc領域を含むポリペプチドと共精製された1つもしくはそれ以上の不純物(例えば、CHO細胞からの1つもしくはそれ以上のHCPなどの1つもしくはそれ以上のHCP)の量および/または濃度(例えば、パーツ・パー・ミリオン)を、プロテインAマトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程を欠く対応する方法によって精製されたFc領域を含むポリペプチドと共精製された1つまたはそれ以上の不純物の量と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%減少させる。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、Fc領域を含むポリペプチドと共精製された1つもしくはそれ以上の不純物(例えば、CHO細胞からの1つもしくそれ以上のHCPなどの1つもしくはそれ以上のHCP)の量および/または濃度(例えば、パーツ・パー・ミリオン)を、プロテインAマトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程を欠く対応する方法によって精製されたFc領域を含むポリペプチドと共精製された1つまたはそれ以上の不純物の量と比較して少なくとも1.5分の1に減少させる。例えば、本明細書に記載される方法は、Fc領域を含むポリペプチドと共精製された1つもしくはそれ以上の不純物(例えば、CHO細胞からの1つもしくはそれ以上のHCPなどの1つもしくはそれ以上のHCP)の量および/または濃度(例えば、パーツ・パー・ミリオン)を、プロテインAマトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程を欠く対応する方法によって精製されたFc領域を含むポリペプチドと共精製された1つまたはそれ以上の不純物の量と比較して、少なくとも約1.5分の1、少なくとも約2分の1、少なくとも約2.5分の1、少なくとも約3分の1、少なくとも約3.5分の1、少なくとも約4分の1、少なくとも約4.5分の1、少なくとも約5分の1、少なくとも約5.5分の1、少なくとも約6分の1、少なくとも約6.5分の1、少なくとも約7分の1、少なくとも約7.5分の1、少なくとも約8分の1、少なくとも約8.5分の1、少なくとも約9分の1、少なくとも約9.5分の1、少なくとも約10分の1、少なくとも約50分の1、または少なくとも約100分の1に減少させる。
追加の工程
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、1つまたはそれ以上の追加の洗浄工程をさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、1つまたはそれ以上の溶出工程をさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、1つまたはそれ以上の洗浄工程および1つまたはそれ以上の溶出工程をさらに含む。
一部の実施形態では、本開示は、マトリックスを洗浄溶液で洗浄する前に、プロテインAマトリックスを第1の溶液で洗浄することに関する。一部の実施形態では、マトリックスを洗浄溶液で洗浄する前に、マトリックスは、第1の溶液を用いて1回またはそれ以上
(例えば、1回またはそれ以上、2回またはそれ以上、3回またはそれ以上、4回またはそれ以上、5回またはそれ以上など)洗浄される。一部の実施形態では、マトリックスを洗浄溶液で洗浄する前に、マトリックスは、第1の溶液を用いて1回洗浄される。一部の実施形態では、第1の溶液は、緩衝液を含む。当技術分野において公知である任意の適切な緩衝液が、第1の溶液において使用され、例えば、リン酸塩、トリス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン)、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ビス-トリス、ビス-トリスプロパン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ギ酸塩、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、HEPES(4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、TAPS(3-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸)、ビシン(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン)、トリシン(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)、TES(2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)、カコジル酸(ジメチルアルシン酸)、SSC(クエン酸ナトリウム食塩水)、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、第1の溶液は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、および/またはクエン酸緩衝液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、リン酸緩衝液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、1つまたはそれ以上の追加の成分(例えば、安息香酸塩、ベンジルアルコール、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の添加剤など)を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、約5.0~約10.0(例えば、約6.0~約10.0、約6.0~約9.0、約7.0~約10.0、約7.0~約9.0、約8.0~約10.0、約8.0~約9.0、約9.0~約10.0、約5.0~約8.0、約6.0~約8.0、約7.0~約8.0、約5.0~約7.0、約6.0~約7.0、または約5.0~約6.0)のpHを有する。一部の実施形態では、第1の溶液は、約7.0のpHを有する。
一部の実施形態では、第1の溶液は、約10mM~約100mM、または約10mM~約500mMの濃度の緩衝液を含む。例えば、第1の溶液は、約10mM~約500mM、約100mM~約500mM、約150mM~約500mM、約200mM~約500mM、約250mM~約500mM、約300mM~約500mM、約350mM~約500mM、約400mM~約500mM、約450mM~約500mM、約10mM~約450mM、約10mM~約400mM、約10mM~約350mM、約10mM~約300mM、約10mM~約250mM、約10mM~約200mM、約10mM~約150mM、約10mM~約100mM、約25mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約60mM~約100mM、約75mM~約100mM、約10mM~約75mM、約25mM~約75mM、約40mM~約75mM、約50mM~約75mM、約60mM~約75mM、約10mM~約60mM、約25mM~約60mM、約40mM~約60mM、約50mM~約60mM、約10mM~約50mMM、約25mM~約50mM、約40mM~約50mM、約10mM~約40mM、約25mM~約40mM、または約10mM~約25mMの濃度の緩衝液を含み得る。一部の実施形態では、第1の溶液は、約10mM~約50mM、または約10mM~約500mMの濃度の緩衝液を含む。
一部の実施形態では、第1の溶液は、約10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、または100mMのいずれかの濃度の緩衝液を含む。あるいは、第1の溶液は、約150mM、200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、または500mMのいずれかの濃度の緩衝液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、約500mMの濃度の緩衝液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、約50mMの濃度の緩衝液を含む。一
部の実施形態では、第1の溶液は、約500mMの濃度のリン酸緩衝液を含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、約50mMの濃度のリン酸緩衝液を含む。
一部の実施形態では、第1の溶液は、リン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)および塩化ナトリウムを含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、リン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)および塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、第1の溶液は、約50mMの濃度のリン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、約50mMの濃度のリン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)、約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有した。
一部の実施形態では、本開示は、マトリックスを洗浄溶液で洗浄した後、プロテインAマトリックスを第2の溶液で洗浄することに関する。一部の実施形態では、マトリックスを洗浄溶液で洗浄した後、マトリックスは、第2の溶液を用いて1回またはそれ以上(例えば、1回またはそれ以上、2回またはそれ以上、3回またはそれ以上、4回またはそれ以上、5回またはそれ以上など)洗浄される。一部の実施形態では、マトリックスを洗浄溶液で洗浄した後、マトリックスは、第2の溶液を用いて1回洗浄される。一部の実施形態では、第2の溶液は、緩衝液を含む。当技術分野において公知である任意の適切な緩衝液が、第2の溶液において使用され、例えば、リン酸塩、トリス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン)、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ビス-トリス、ビス-トリスプロパン、アルギニン、ヒスチジン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ギ酸塩、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、HEPES(4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、TAPS(3-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸)、ビシン(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン)、トリシン(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)、TES(2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)、カコジル酸(ジメチルアルシン酸)、SSC(クエン酸ナトリウム食塩水)、および/またはそれらの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、第2の溶液は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、および/またはクエン酸緩衝液を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、リン酸緩衝液を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、実質的に低い塩を含むかまたは塩を含まない。一部の実施形態では、第2の溶液は、約4.0~約8.0(例えば、約5.0~約8.0、約6.0~約8.0、約7.0~約8.0、約4.0~約7.0、約5.0~約7.0、約6.0~約7.0、約4.0~約6.0、約5.0~約6.0、または約4.0~約5.0)のpHを有する。一部の実施形態では、第2の溶液は、約5.0~約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、第2の溶液は、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、第2の溶液は、実質的に低い塩を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、塩を含まない。
一部の実施形態では、第2の溶液は、約10mM~約100mM、または約10mM~約500mMの濃度の緩衝液を含む。例えば、第2の溶液は、約10mM~約500mM、約100mM~約500mM、約150mM~約500mM、約200mM~約500mM、約250mM~約500mM、約300mM~約500mM、約350mM~約500mM、約400mM~約500mM、約450mM~約500mM、約10mM~約450mM、約10mM~約400mM、約10mM~約350mM、約10mM~約300mM、約10mM~約250mM、約10mM~約200mM、約10mM~約150mM、約10mM~約100mM、約25mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約60mM~約100mM、約75mM~約100mM、約10mM~約75mM、約25mM~約75mM、約40mM~約75mM、約5
0mM~約75mM、約60mM~約75mM、約10mM~約60mM、約25mM~約60mM、約40mM~約60mM、約50mM~約60mM、約10mM~約50mM、約25mM~約50mM、約40mM~約50mM、約10mM~約40mM、約25mM~約40mM、または約10mM~約25mMの濃度の緩衝液を含み得る。一部の実施形態では、第2の溶液は、約10mM~約50mM、または約10mM~約500mMの濃度の緩衝液を含む。
一部の実施形態では、第2の溶液は、約10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、または100mMのいずれかの濃度の緩衝液を含む。あるいは、第2の溶液は、約150mM、200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、または500mMのいずれかの濃度の緩衝液を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、約500mMの濃度の衝液を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、約50mMの濃度の緩衝液を含む。
一部の実施形態では、第2の溶液は、リン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、リン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)を含み、約7.0のpHを有する。一部の実施形態では、第2の溶液は、約50mMの濃度のリン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)を含む。一部の実施形態では、第2の溶液は、約50mMの濃度のリン酸緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム)を含み、約7.0のpHを有した。
一部の実施形態では、本開示の方法は、プロテインAマトリックスを洗浄溶液で洗浄することに関し、マトリックスを第1の溶液(洗浄溶液の前)または第2の溶液(洗浄溶液の後)で洗浄する工程を含まない。一部の実施形態では、本開示の方法は、プロテインAマトリックスを第1の溶液で洗浄し、次いで、マトリックスを洗浄溶液で洗浄することに関し、マトリックスを第2の溶液(洗浄溶液の後)で洗浄する工程を含まない。一部の実施形態では、本開示の方法は、プロテインAマトリックスを洗浄溶液で洗浄し、次いで、マトリックスを第2の溶液で洗浄することに関し、マトリックスを第1の溶液(洗浄溶液の前)で洗浄する工程を含まない。一部の実施形態では、本開示の方法は、プロテインAマトリックスを第1の溶液で洗浄し、次いで、マトリックスを洗浄溶液で洗浄し、次いで、マトリックスを第2の溶液で洗浄することに関する。
一部の実施形態では、プロテインAマトリックスは、1つまたはそれ以上の洗浄工程の後、溶出溶液と1回またはそれ以上(例えば、1回またはそれ以上、2回またはそれ以上、3回またはそれ以上、4回またはそれ以上、5回またはそれ以上など)接触される。一部の実施形態では、マトリックスは、溶出溶液と1回接触される。プロテインAマトリックスに結合したポリペプチドを溶出するのに適した、当技術分野において公知である任意の溶液が、本開示の方法における溶出溶液(例えば、約3.1のpHを有する40mM酢酸ナトリウムを含む溶出溶液)として使用することができる。一部の実施形態では、溶出溶液は、1つまたはそれ以上の追加の成分(例えば、本明細書に記載されるいずれかの濃度のアルギニン)をさらに含む。一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドを含む溶出液は、マトリックスを溶出溶液と接触させた後に回収される。一部の実施形態では、Fc領域を含むポリペプチドを含む2つまたはそれ以上の溶出液は、マトリックスを溶出溶液と2回またはそれ以上接触させた後に回収される。一部の実施形態では、2つまたはそれ以上の溶出液は、溶出後に組み合わされる。一部の実施形態では、溶出液(単数または複数)は、濾過される。当技術分野において公知である溶出液を濾過する任意の適切な方法を使用することができ、例えば、深層濾過を介するものが含まれる。一部の実施形態では、溶出液(単数または複数)は、深層濾過を介して濾過される。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるプロテインAマトリックスからの溶出液は、(例えば、追加のクロマトグラフィーおよび/または濾過工程を使用して(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、混在モードのクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ダイアフィルトレーション、限外濾過、および/またはウイルス除去濾過のうちの1つもしくはそれ以上を使用することによって))、さらに処理および/もしくは精製され、ならびに/または製剤化(例えば、それを必要とする対象(ヒト対象など)への投与に適した医薬製剤を調製すること)される。
前述の書面による説明は、当業者が本開示を実施し得るのに十分であると考えられる。以下の実施例は、例示のみを目的として提供されており、決して本開示の範囲を限定することを意図していない。実際に、本明細書に示され、記載されたものに加えて、本開示の様々な修飾は、前述の説明から当業者に明らかになり、添付の特許請求の範囲内にある。
抗体精製中の不純物の除去を改善または促進するための洗浄溶液
以下の実施例は、プロテインAクロマトグラフィー中の不純物の除去を改善/促進するための中間洗浄溶液における安息香酸ナトリウムおよびベンジルアルコールの様々な組合せの使用を記載する。
材料および方法
試料の調製
2つの別々のヒトモノクローナル抗体回収物材料は、プロテインAクロマトグラフィー用に以下のようにして調製した:回収物を、抗体のいずれか1つを構成的に発現するように操作された組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の懸濁培養物において生じさせた。組換え生成物を、培養培地中に分泌し、次いで遠心分離し、下流処理のために深層濾過により清澄化した。清澄化された回収物材料を、プロテインAカラムにロードする前に0.22μmのポリエーテルスルホン(PES)フィルターで濾過した。
プロテインAクロマトグラフィー
プロテインAレジン/カラムは、以下のように調製した:MabSelect Sure LXプロテインAクロマトグラフィーレジン(GE Healthcare Life Sciences;カタログ番号17-5474)を、0.5M塩化ナトリウム溶液を用いて重力沈降により交換した。カラムを、(A)直径1.0cmのカラム(Essential Life Solutions 10/250 Snapカラム;カタログ番号S10/250-PPSL-OE-FP10)または(B)直径0.66cmのカラム(Omnifit(商標)6.6/100;カタログ番号006BCC0610FF)のいずれかを使用して、AKTA PureまたはAKTA Avant(GE Healthcare Life Sciences)を使用して充填した。レジンを、カラム(A)の場合は20cm±10%のベッド高さ、またはカラム(B)の場合は5cm±10%のビーズ高さまで充填した。カラム適格性評価は、0.1M塩化ナトリウム溶液で平衡化したカラムへの1.0M塩化ナトリウム溶液の1%カラム容量注入を用いて行い、導電率トレースは、Unicorn Evaluationソフトウェアを使用して分析した。カラムの効率は、1メートルあたり少なくとも775理論段である必要があり、0.8~1.8の非対称性を示す必要があった。
回収物材料をロードする前に、カラムを逆浸透脱イオン水で洗い流して、20%エタノールの貯蔵緩衝液を除去した。続いて、カラムを0.5M酢酸で洗い流して、平衡化前に結合したいかなるエンティティも確実に除去した。カラムのpHが>6.5になるまで、カラムを、0.5M塩化ナトリウムを含む50mMリン酸緩衝液で平衡化した。
次いで、調製した試料を、プロテインAカラムにロードした。カラムは、mAb A(IgG1サブタイプ)またはmAb B(IgG4サブタイプ)のいずれかを、目標の40g/Lレジンになるようにロードした。ロードしたカラムを、50mMリン酸および0.5M塩化ナトリウムを含有するリン酸緩衝液を用いて上記されるように洗浄した。次に、カラムを、試験洗浄溶液で洗浄し、続いてpH7の緩衝液を用いて無塩洗浄液で洗浄した。最後に、pH3.1の40mM酢酸ナトリウムを含有する溶液を使用して、抗体をカラムから溶出した。以下の表1は、例示的なクロマトグラフィープロセスを提供する。
Figure 2023145727000003
宿主細胞タンパク質の検出
溶出後、抗体試料を、製造業者のプロトコールに従って第3世代のCHO HCP ELISAキット(Cygnus Technologies)を使用して、宿主細胞タンパク質(HCP)不純物の存在について試験した。HCP ELISAは、1:400~1:800の間の希釈で行い、吸光度は、Spectramax Plus 384プレ
ートリーダーを使用して450/600nmで読み取った。
特定の「HCP-A」の検出
特定のHCP(HCP-A)の濃度を、製造業者のプロトコールに従って市販のハムスター(CHO)ELISAキット(ICL Labs)を使用して、溶出された抗体試料において定量化した。HCP-A ELISAは、1:100と1:800の間の希釈で行い、吸光度は、Spectramax Plus 384プレートリーダーを使用して450nmで読み取った。
結果
宿主細胞タンパク質(HCP)は、モノクローナル抗体(mAb)と共溶出することが示されており、これは、これらの抗体の下流への適用にとって問題となり得る。目的とするmAbと共溶出する汚染HCPの量を減らすことができる潜在的な洗浄添加剤を特定するために、1.7mLのプロテインAクロマトグラフィーカラムに、CHO細胞から回収された分泌型IgG1ヒトモノクローナル抗体(mAb A)を含有する試料をロードし、下流処理の前に、遠心分離と深層濾過による清澄化の両方を行った(表1を参照されたい)。最初にカラムをリン酸緩衝液で洗浄した。次に、カラムを、50mMリン酸および添加剤を含有する多数の試験洗浄溶液のうちの1つを用いて、個別に、または安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、およびアルギニンと組み合わせて、pH7.0で洗浄した(図1)。対照実験は、いずれの添加剤洗浄液も組み入れなかった。試験洗浄後、カラムを、無塩の50mMリン酸、pH7.0で洗浄した。最後に、モノクローナル抗体をカラムから溶出させ、2Mトリス塩基を使用してpHを6.0に調整した。調整後、溶出液プールを0.22μmのPESフィルターを使用して濾過し、HCP不純物の存在について試験した(図1)。興味深いことに、2%ベンジルアルコールおよび/または0.5M安息香酸ナトリウムを含有する洗浄液は、溶出された抗体試料中の汚染HCPのレベルを効果的に減少させた。洗浄液中へのアルギニンの包含はまたHCPクリアランスを改善することが観察された。
次に、プロテインAカラムから溶出された抗体におけるHCP-Aの特異的存在を調べた。この実験で使用した試験および対照洗浄溶液は、以下の表2に示される。
Figure 2023145727000004
HCP不純物を除去するためのベンジルアルコールおよび安息香酸ナトリウムの組合せの能力が実証されたので、HCP-Aの除去を標的とするために追加の製剤を試験した。公知の高HCP-A発現を有するIgG4抗体(mAb B)を使用して、カラムへのHCP-A負荷を特異的に増加させた。表1は、精製プロセス中に行った工程の概要を提供する。簡単に述べると、pHおよび導電率をロードするための平衡化後、15.7mLのプロテインAクロマトグラフィーカラムに、下流処理の前に遠心分離および深層濾過による清澄化の両方でCHO細胞から回収された分泌型ヒトモノクローナル抗体を含有する試料をロードした。40g/L(レジンの)のロード量に達したら、リン酸緩衝液を使用してカラムを再平衡化した。次いで、表2に示された洗浄液(試験溶液1、2、および7)のうちの1つを2カラム体積(CV)として適用し、直後にpH7.0の3CVの無塩のリン酸緩衝液を適用した。40mM酢酸ナトリウムを用いて溶出した後、溶出液プールを、2Mトリス塩基を使用してpH5.5に調整した。次いで、溶出液プールを0.22μmのPESフィルターまたはMillipore C0HC深層フィルターのいずれかで濾過し、ELISAによってHCP-A含有量について試験した(図2A)。3つの洗浄条件(試験溶液1、2、および7)はすべて、対照(294ppm)と比較して追加のHCP-Aを取り除くことができた。また、結果は、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、およびアルギニンの組合せが、対照と比較してHCP-Aのほぼ90%を除去したため、HCP-Aの除去の効果が累積的であることを示唆した。さらに、深層濾過は、洗
浄条件の溶出液に対してその後15~25%の追加のHCP-A除去をもたらした。
上記と同様の手順に従って、次に、高pH洗浄液の有効性を、9.0または10.0のpHでカラムを洗浄することによって試験した。IgG4抗体(mAb B)は、プロテインAカラムへのHCP-Aの負荷を特異的に増加させるために、公知のHCP-Aが高発現する細胞株において生成した。表1は、精製プロセス中に行った工程の概要を提供する。簡単に述べると、pHおよび導電率をロードするための平衡化後、15.7mLのプロテインAクロマトグラフィーカラムに、下流処理の前に遠心分離および深層濾過による清澄化の両方で回収されたCHO細胞から回収された分泌型ヒトモノクローナル抗体を含有する試料をロードした。60g/L(レジンの)のロード量に達したら、リン酸緩衝液を使用してカラムを再平衡化した。次いで、試験溶液8または9(表2)のいずれか1つを2CVに適用し、直後にpH7.0の3CVの無塩のリン酸緩衝液を適用した。40mM酢酸ナトリウムを用いて溶出した後、溶出プールを、2Mトリス塩基を使用してpH5.5に調整した。次いで、溶出液プールを0.22μmのPESフィルターで濾過した。図2Bに示されるように、pH10.0の緩衝塩を有する0.5M安息香酸ナトリウムは、対照と比較してHCP-Aの除去(92%減少)に非常に効果的であった。さらに、ベンジルアルコールおよびアルギニンの添加は、やはり、補完的であり、pH9.0でのHCP-Aのクリアランスを増加させた。まとめると、図2A~Bに示される結果は、HCP-Aの有意なクリアランスを可能にするその堅固な範囲のpHを示す。
最後に、追加の添加剤をスクリーニングして、2%ベンジルアルコールおよび0.5M安息香酸ナトリウムによる洗浄をさらに促進した。同じIgG4 mAb(mAb B)を1.7mLスケールカラムに使用した。表1は、精製プロセス中に行った工程の概要を提供する。簡単に述べると、平衡化後、カラムに、40g/Lとなるようにロードした。次に、表2に示された4つの洗浄(試験溶液3~6)のうちの1つをカラムに適用した。その後、2Mトリス塩基を用いて溶出試料をpH5.5に調整し、0.22μmのPESフィルターを使用して濾過した。次いで、HCP-A特異的ELISAを使用してHCP-A含有量を測定した(図3)。試験溶液を用いた洗浄は、2%ベンジルアルコールおよび0.5M安息香酸ナトリウムの組合せ(201.3ppm)と比較して、アルギニン、カプリル酸、ベンゼンスルホン酸塩、およびヘキシレングリコールの添加によるHCP-A除去の累積応答を示した。2%ベンジルアルコール、0.5M安息香酸ナトリウム、およびヘキシレングリコール、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、カプリル酸、またはアルギニンから選択される成分を含有する洗浄液は、HCP-Aの除去に非常に効果的であった。
まとめると、この実施例において提供されたデータは、安息香酸ナトリウムおよび/またはベンジルアルコールを含有する中間洗浄工程が、ヒトモノクローナル抗体のプロテインA精製中に宿主細胞タンパク質不純物の優れたクリアランスを提供ですることができたことを示す。さらに、洗浄溶液へのベンゼンスルホン酸塩、カプリル酸、ヘキシレングリコール、および/またはアルギニンから選択される1つもしくはそれ以上の添加剤の包含は、標的モノクローナル抗体のプロテインA精製中の宿主細胞タンパク質不純物のクリアランスをさらに改善させた。
プロテインAクロマトグラフィー後に存在する特定の宿主細胞タンパク質の同定、抗体精製中の不純物の除去を改善または促進するための洗浄溶液の開発、およびヒトモノクローナル抗体との推定上のホスホリパーゼB様2の相互作用の評価
以下の実施例は、プロテインAクロマトグラフィー後の精製された抗体溶出液中の特定の宿主細胞タンパク質(HCP)の同定を説明する。本実施例は、中間洗浄溶液中の安息香酸ナトリウムおよびベンジルアルコールを使用して、プロテインAクロマトグラフィー
中の推定上のホスホリパーゼB様2(PLBL2)を含むHCPの除去を改善/促進する方法についてさらに説明する。最後に、本実施例は、プロテインAクロマトグラフィーの効率におけるローディング条件の影響について説明する。
材料および方法
試料の調製
実施例1に記載されるように、プロテインAクロマトグラフィー用にヒトモノクローナル抗体回収物材料を調製した。簡単に述べると、回収物を、ヒトモノクローナル抗体のいずれか1つを構成的に発現するように操作された組換えCHO細胞の懸濁培養物において生じさせた。組換え生成物を、培養培地中に分泌し、次いで、遠心分離し、下流処理のために深層濾過により清澄化した。清澄化された回収物材料を、プロテインAカラムにロードする前に0.22μmのポリエーテルスルホン(PES)フィルターで濾過した。
プロテインAクロマトグラフィー
プロテインAレジン/カラムは、実施例1に記載されるように調製した。簡単に述べると、MabSelect Sure LXプロテインAクロマトグラフィーレジン(GE
Healthcare Life Sciences;カタログ番号17-5474)を、0.5M塩化ナトリウム溶液を用いて重力沈降により交換した。カラムを、(A)直径1.0cmのカラム(Essential Life Solutions 10/250 Snapカラム;カタログ番号S10/250-PPSL-OE-FP10)または(B)直径0.66cmのカラム(Omnifit(商標)6.6/100;カタログ番号006BCC0610FF)のいずれかを使用して、AKTA PureまたはAKTA Avant(GE Healthcare Life Sciences)を使用して充填した。レジンを、カラム(A)の場合は20cm±10%のベッド高さ、またはカラム(B)の場合は5cm±10%のビーズ高さまで充填した。カラム適格性評価は、0.1M塩化ナトリウム溶液で平衡化したカラムに1.0M塩化ナトリウム溶液の1%カラム容量注入を用いて行い、導電率トレースは、Unicorn Evaluationソフトウェアを使用して分析した。カラムの効率は、1メートルあたり少なくとも775理論段である必要があり、0.8~1.8の非対称性を示す必要があった。
回収物材料をロードする前に、カラムを逆浸透脱イオン水で洗い流して、20%エタノールの貯蔵緩衝液を除去した。続いて、カラムを0.5M酢酸で洗い流して、平衡化前に結合したいかなるエンティティも確実に除去した。カラムのpHが>6.5になるまで、カラムを、0.5M塩化ナトリウムを含む50mMリン酸緩衝液で平衡化した。
次いで、調製した試料を、プロテインAカラムにロードした。一般的に、カラムは、ヒトモノクローナル抗体A(IgG1サブタイプ)またはヒトモノクローナル抗体B(IgG4サブタイプ)のいずれかを、目標の40g/Lレジンになるようにロードした。ロードしたカラムを、50mMリン酸および0.5M塩化ナトリウムを含有するリン酸緩衝液を用いて上記されるように洗浄した。次に、カラムを、試験洗浄溶液で洗浄し、続いてpH7の緩衝液を用いて無塩洗浄液で洗浄した。しかしながら、対照処理は、試験洗浄溶液を用いて洗浄しなかった。最後に、pH3.1の40mM酢酸ナトリウムを含有する溶液を使用して、抗体をカラムから溶出した。表1は、例示的なクロマトグラフィープロセスを提供する。
質量分析によるHCP検出
標準条件下でのプロテインAカラム精製および溶出後、ヒトモノクローナル抗体溶出液を、質量分析によって分析して、各HCPの相対量を決定した。具体的には、クラステリンおよび推定上のホスホリパーゼB様2(PLBL2)の相対量を、プロテインA精製されたヒトモノクローナル抗体試料において同定した。質量分析は、Acquity H-
Class Xevo G2-XS Q-Tofおよび2.1×150mm ACQUITY UPLCカラム1.7μm CSH C18を使用して行った。試料を、50mM重炭酸アンモニウム中の0.05%Rapigestを使用して最初に変性し、次いで、20mM DTT(ジチオトレイトール)および40mM IAA(ヨードアセトアミド)を使用して還元およびアルキル化した。酵素消化を、2%LysCで一晩、続いて4%トリプシンで3時間行った。Rapigestを遠心分離により除去し、試料を、ギ酸を使用して酸性化した。次いで、2.5fmol/μlのClpB大腸菌のスパイクイン内部標準を追加して、HCPおよびPLBL2の相対量を比較した。ロックマスキャリブレーションは、785.8426m/zあたりで行った。MSを使用して、イオンデータを分析し、HCPを同定した。
ELISAによるHCP検出
溶出後、ヒトモノクローナル抗体試料中の汎用HCPの存在を、実施例1に記載されるように評価した。簡単に述べると、抗体試料を、製造業者のプロトコールに従って、第3世代CHO HCP ELISAキット(Cygnus Technologies)を用いてHCP不純物の存在について試験した。HCP ELISAは、1:400~1:800の間の希釈で行い、吸光度は、Spectramax Plus 384プレートリーダーを使用して450/600nmで読み取った。
ELISAによるPLBL2検出
PLBL2の濃度を、製造業者のプロトコールに従って、市販のハムスター(CHO)ELISAキット(ICL Labs、E-65PLB)を使用して、溶出された抗体試料において定量化した。PLBL2 ELISAは、1:100~1:800の間の希釈で行い、吸光度は、Spectramax Plus 384プレートリーダーを使用して450nmで読み取った。
結果
質量分析によるHCPの検出
プロテインA精製後、HCPは、ヒトモノクローナル抗体と共溶出することが示されており、これは、これらの抗体の下流への適用にとって問題となり得る。プロテインA精製後、精製されたヒトモノクローナル抗体溶液中に存在する特定のHCPを特定するために、1.7mLのプロテインAクロマトグラフィーカラムに、CHO細胞から回収された分泌型IgG1ヒトモノクローナル抗体(mAb A)を含有する試料をロードし、下流処理の前に、遠心分離および深層濾過による清澄化の両方を行った(表1を参照されたい)。最初にカラムをリン酸緩衝液で洗浄した。次に、カラムを、無塩の50mMリン酸、pH7.0で洗浄した。最後に、モノクローナル抗体を、カラムから溶出させ、2Mトリス塩基を使用してpHを6.0に調整した。調整後、溶出液プールを、0.22μmのPESフィルターを使用して濾過し、質量分析により分析して、HCPの相対量を同定した。特に、クラステリンおよびPLBL2は、ヒトモノクローナル抗体溶出液中に存在する2つの最も豊富なHCPであった。
HCP/PLBL2の除去を改善するための中間洗浄条件の同定
上で詳述された質量分析は、PLBL2を含むHCPがプロテインA精製後にヒトモノクローナル抗体と共溶出するというさらなる証拠を提供した。次に、ELISAスクリーンを開発して、HCPおよびPLBL2の除去をさらに改善および促進するために使用され得る中間洗浄溶液を同定した(図4Aおよび4B)。興味深いことに、4%ベンジルアルコールまたは0.5M安息香酸ナトリウムを含む中間洗浄液は、抗体溶出液試料中の汚染HCPおよびPLBL2のレベルを効果的に減少させた。0.5Mアルギニンのみを含有する洗浄は、汎用HCPレベルを減少させなかったが、PLBL2の汚染レベルを減少させた。
PLBL2 ELISAスクリーンは、1)2%ベンジルアルコールおよび0.5Mアルギニン pH5.0、2)2%ベンジルアルコールおよび0.5M安息香酸ナトリウム
pH7.0、または3)2%ベンジルアルコール、0.5M安息香酸ナトリウム、0.5Mアルギニン pH6.0を含む中間洗浄液と組み合わせた深層濾過は、プロテインA精製中にPLBL2を効果的に除去したことをさらに示す。さらに、pHレベルを上昇させた洗浄液(0.5M安息香酸ナトリウムおよび50mM重炭酸ナトリウム pH10.0または2%ベンジルアルコール、0.5M安息香酸ナトリウム、0.5Mアルギニン、および50mMリン酸ナトリウム pH9.0)は、プロテインA精製中のPLBL2の除去に非常に効果的であった。確かに、50mM炭酸水素ナトリウム pH10.0を含む安息香酸ナトリウム洗浄液は、対照処理と比較して、92%を超えるPLBL2を除去することができた。最後に、1)0.5M安息香酸ナトリウム、2%ベンジルアルコール、および0.5Mベンゼンスルホン酸塩 pH7.0、2)0.5M安息香酸ナトリウム、50mMカプリル酸、0.5Mアルギニン、および0.5M塩化ナトリウム pH7.0、3)0.5M安息香酸ナトリウム、2%ベンジルアルコール、および10%ヘキシレングリコール pH7.0、または4)0.5M安息香酸ナトリウム、2%ベンジルアルコール、および0.5MアルギニンpH 6.0を含む洗浄液は、対照洗浄と比較して、PLBL2を除去する堅固な能力を示した。
さらに、実験的洗浄と対照洗浄の両方の後の抗体溶出液の視覚的比較は、2%ベンジルアルコールおよび0.5M安息香酸ナトリウムで洗浄された試料が、対照で洗浄された試料と比較して清澄さが改善したことを明らかにした(図5)。
上で詳述したPLBL2 ELISAは、ベンジルアルコールおよび安息香酸ナトリウムを含有する中間洗浄液が、プロテインA精製された抗体溶出液中のPLBL2のレベルを効果的に減少することができることを示す。次に、この結果は、質量分析によって直交的にさらに確認された。質量分析の結果は、試験洗浄液である0.5M安息香酸ナトリウム、0.5Mアルギニン、50mMカプリル酸、0.5M NaCl pH 9.0が、対照処理と比較して、溶出液からほぼ93%のPLBL2を除去したことを示す。
収率およびPLBL2除去に対するカラムローディングの影響の評価
上記の実験は、宿主細胞タンパク質PLBL2がプロテインA精製された抗体溶出液中に存在し、ベンジルアルコールおよび安息香酸ナトリウムを含有する中間洗浄溶液を使用して効果的に除去できることを示す。次に、オフカラム収率およびPLBL2除去におけるプロテインAカラムのローディングレベルの影響を評価した。オフカラム収率とPLBL2除去の両方を最大化するための理想的なローディング条件を特定するために、プロテインAカラムに40~60g/Lの範囲でロードした(図6Aおよび6B)。結果は、40g/Lを超えてカラムロード量を増加させると、オフカラム収率とPLBL2除去の両方が減少することを示す。
まとめると、この実施例において提供されるデータは、PLBL2が、プロテインA精製後にヒトモノクローナル抗体と共溶出する宿主細胞タンパク質の中にあることを示す。さらに、データは、安息香酸ナトリウムおよび/またはベンジルアルコールを含有する中間洗浄工程が、ヒトモノクローナル抗体のプロテインA精製中に宿主細胞タンパク質不純物およびPLBL2の優れたクリアランスを提供し得たことを示す。さらに、データは、プロテインAレジンカラムの過剰ローディングが、オフカラム収率およびPLBL2除去を減少させ得ることを示す。
抗体精製中の不純物の除去に対する、抗体を含む回収物におけるpHおよび安息香酸塩濃
度の影響を評価する
以下の実施例は、モノクローナル抗体を含む回収物の安息香酸ナトリウム濃度およびpHを調整することが、抗体の精製中の不純物の除去を改善または促進するかどうかを決定するために行った実験を説明する。
ヒトモノクローナル抗体回収物を、実施例1に記載されるように調製した。清澄化および深層濾過された回収物を、様々なpHおよび添加剤濃度に調整して、HCPおよびPLBL2クリアランスに対する影響についてスクリーニングした。追加の洗浄工程の一部として以前にPLBL2除去に効果的であることが示されている安息香酸ナトリウムを、所定体積の回収物について目標最終濃度に達するのに十分な量で固体として添加した。添加後、2Mトリス塩基を添加して目標pHに達した。最初の回収物は、安息香酸ナトリウムを補充して、最終濃度の0.5M安息香酸ナトリウムを達成し、pH7.2に調整した。2番目の回収物は、安息香酸ナトリウムを補充して、最終濃度の0.5M安息香酸ナトリウムを達成し、pH9に調整した。3番目の回収物は、pH9に調整した(安息香酸ナトリウムは添加しなかった)。表3を参照されたい。
Figure 2023145727000005
各々の回収物を調整し、0.22μm濾過すると、3つのプロテインAカラムを各々、調整した回収物を、目標の50g/Lレジンになるようにロードした。ロードしたカラムを、50mMリン酸および0.5M塩化ナトリウムを含有するリン酸緩衝液を用いて洗浄した。次に、カラムを、逆浸透脱イオン(RODI)水を用いて洗浄した。最後に、pH3.1の40mM酢酸ナトリウムを含有する溶液を使用して、抗体をカラムから溶出した。以下の表4は、例示的なクロマトグラフィープロセスを提供する。
Figure 2023145727000006
次いで、3つのプロテインA溶出液の各々を、実施例1に記載されるようにELISAにより宿主細胞タンパク質(HCP)不純物の存在について試験し、カスタムELISAによりPLBL2の存在について試験した。図7に示されるように、pH9.0の0.5M安息香酸ナトリウムは、PLBL2およびHCPの不純物のレベルが最も低く、pH調整のみと比較して、PLBL2クリアランスの対数が大きいことを示した。pH7.2で0.5M安息香酸ナトリウムを回収物に添加した場合、HCPクリアランスのみが改善された。PLBL2への影響には、回収物に対するpHと安息香酸ナトリウムの調整の両方が必要であった。HMWは、調整の影響を受けなかった(示されていない)。プロテインA工程中にRODI洗浄のみを用いた未調整の回収物と比較して、HCPは65%減少し、一方、PLBL2は約79%減少した。
次に、回収物に、安息香酸ナトリウムを補充して、0.1M、0.2M、0.3M、0.4M、または0.5Mの最終濃度を達成し、上記のようにプロテインA精製前にpH9に調整した。表5を参照されたい。
Figure 2023145727000007
次いで、各プロテインA溶出液を、カスタムELISAを介してPLBL2の存在について試験し、各溶出液中の抗体の収率を評価した。図8は、PLBL2含有量と安息香酸ナトリウム濃度との間の関係が、ほぼシグモイドであることを示す。PLBL2のクリアランス増加の低下は、0.4M安息香酸ナトリウムを超える濃度で観察された。安息香酸ナトリウムの濃度が増加すると、抗体の収率がわずかに減少した。0.1Mから0.5Mの安息香酸ナトリウムでは、抗体の収率は94.8%から89.4%に減少した。プロテインAの精製前に0.4M安息香酸ナトリウムおよびpH9.0に回収物を調整した場合、最高の収率および最高のPLBL2クリアランスが観察された。安息香酸ナトリウムの濃度を0.4Mを超えて増加させると、抗体収率のわずかな減少の代償として、クリアランスの増加が減少した。0.1M安息香酸ナトリウムのすべての試料は、約250ppmに匹敵するHCPクリアランスを有した。0.1M安息香酸ナトリウムおよびそれ未満では、HCPは約500ppmであった。0.2M~0.5Mの間の安息香酸ナトリウム濃度は、電荷変動プロファイルに影響を与えず、すべての溶出液は指定された制限内であった。
まとめると、これらのデータは、溶液中の安息香酸ナトリウムの存在が、宿主細胞不純物とmAbとの会合を高pHで非常に不利にすることを示唆する。これらの条件は、mAbがプロテインAレジンに結合した後の別の洗浄工程によって、またはカラムのロード段階の前もしくはその間に溶液において達成することができる。これは、プロテインA精製工程の操作の柔軟性が大きくなり、洗浄添加剤としての安息香酸ナトリウムの固有の特性をさらに支持した。
前述の開示は、明確化および理解の目的で、例証および例としていくらか詳細に説明されているが、説明および例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (95)

  1. Fc領域を含むポリペプチドを精製する方法であって、
    (a)該Fc領域を含む該ポリペプチドがプロテインAに結合する条件下で、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスを、(i)該Fc領域を含む該ポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料と接触させる工程;ならびに
    (b)洗浄溶液で該マトリックスを洗浄する工程であって、該洗浄溶液は、(i)約0.1M~約1.0Mの濃度の安息香酸塩、および(ii)約0.5%~約4%体積/体積(v/v)の濃度のベンジルアルコールのうちの一方または両方を含み、該洗浄溶液は、約4.0~約10.0のpHを有する、工程
    を含む前記方法。
  2. 洗浄溶液は、1)安息香酸塩;2)ベンジルアルコール;または3)安息香酸塩およびベンジルアルコールを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 安息香酸塩は約0.1M~約0.5Mの濃度である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 安息香酸塩は安息香酸アルカリ塩である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 安息香酸塩は安息香酸ナトリウムである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 安息香酸ナトリウムは約0.1M~約0.3Mの濃度である、請求項5に記載の方法。
  7. 安息香酸ナトリウムは約0.3Mの濃度である、請求項5に記載の方法。
  8. 安息香酸ナトリウムは約0.5Mの濃度である、請求項5に記載の方法。
  9. ベンジルアルコールは約1%~約4%(v/v)の濃度である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ベンジルアルコールは約1%~約2%(v/v)の濃度である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  11. ベンジルアルコールは約2%(v/v)~約4%(v/v)の濃度である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  12. 洗浄溶液は緩衝剤をさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 緩衝剤は、リン酸塩、トリス、アルギニン、酢酸塩、およびクエン酸塩からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  14. 緩衝剤は約10mM~約500mMの濃度である、請求項11または請求項13に記載の方法。
  15. 緩衝剤は約50mM~約500mMの濃度である、請求項11または請求項13に記載の方法。
  16. 洗浄溶液は約5.0~約10.0のpHを有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 洗浄溶液は約5.0~約9.0のpHを有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 洗浄溶液は、約5.0、約6.0、約7.0、約9.0、または約10.0のpHを有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 洗浄溶液はベンゼンスルホン酸ナトリウムをさらに含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. ベンゼンスルホン酸ナトリウムは約0.1M~約0.5Mの濃度である、請求項19に記載の方法。
  21. 洗浄溶液はカプリル酸をさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. カプリル酸は約10mM~約50mMの濃度である、請求項21に記載の方法。
  23. 洗浄溶液はヘキシレングリコールをさらに含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. ヘキシレングリコールは約1%~約10%(v/v)の濃度である、請求項23に記載の方法。
  25. 洗浄溶液はクレアチンをさらに含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. クレアチンは、約10mM~約100mMの濃度である、請求項25に記載の方法。
  27. 洗浄溶液はアルギニンをさらに含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. アルギニンは約0.1M~約1.0Mの濃度である、請求項27に記載の方法。
  29. アルギニンは約0.5Mの濃度である、請求項27に記載の方法。
  30. アルギニンはアルギニン-HClである、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. アルギニンを含む洗浄溶液は約4.0~約6.0のpHを有する、請求項27~30のいずれか1項に記載の方法。
  32. アルギニンを含む洗浄溶液は約8.0~約10.0のpHを有する、請求項27~30のいずれか1項に記載の方法。
  33. 洗浄溶液は、1つまたはそれ以上の非緩衝塩をさらに含む、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 1つまたはそれ以上の非緩衝塩は、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
  35. 1つまたはそれ以上の非緩衝塩は、塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウムである
    、請求項33に記載の方法。
  36. 1つまたはそれ以上の非緩衝塩は約0.1M~約1.0Mの濃度である、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 洗浄溶液は、
    (i)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約50mMの濃度の重炭酸ナトリウムを含み、約10.0のpHを有する溶液;
    (ii)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%の濃度のベンジルアルコール、約0.5Mの濃度のアルギニン、および約50mMの濃度のリン酸ナトリウムを含み、約9.0のpHを有する溶液;
    (iii)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウムおよび約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する溶液;
    (iv)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する溶液;
    (v)約10%(v/v)の濃度のヘキシレングリコール、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する溶液;
    (vi)約0.5Mの濃度のベンゼンスルホン酸塩、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、および約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールを含み、約7.0のpHを有する溶液;
    (vii)約50mMの濃度のカプリル酸、約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約0.5Mの濃度のアルギニン、および約0.5Mの濃度の塩化ナトリウムを含み、約7.0のpHを有する溶液;
    (viii)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約6.0のpHを有する溶液;
    (ix)約0.5Mの濃度の安息香酸ナトリウム、約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコール、および約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約5.0のpHを有する溶液;ならびに
    (x)約2%(v/v)の濃度のベンジルアルコールおよび約0.5Mの濃度のアルギニンを含み、約5.0のpHを有する溶液
    からなる群から選択される溶液である、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. マトリックスを請求項1における工程(b)の洗浄溶液で洗浄する前に、該マトリックスを第1の溶液で洗浄する工程をさらに含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 第1の溶液は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される緩衝液を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 第1の溶液は約10mM~約100mMの濃度の緩衝液を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 第1の溶液はリン酸緩衝液である、請求項38~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. マトリックスを請求項1における工程(b)の洗浄溶液で洗浄した後に、該マトリックスを第2の溶液で洗浄する工程をさらに含む、請求項1~41のいずれか1項に記載の方
    法。
  43. 第2の溶液は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される緩衝液を含む、請求項42に記載の方法。
  44. 第2の溶液は約10mM~約100mMの濃度の緩衝液を含む、請求項43に記載の方法。
  45. 第2の溶液は約5.0~約7.0のpHを有する、請求項42~44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 第2の溶液は、実質的に低い塩を含むかまたは塩を含まない、請求項42~45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 1回またはそれ以上の洗浄工程の後に、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスを溶出溶液と接触させる工程をさらに含む、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. Fc領域を含むポリペプチドを含む溶出液を回収する工程をさらに含む、請求項47に記載の方法。
  49. 深層濾過により溶出液を濾過する工程をさらに含む、請求項48に記載の方法。
  50. 溶出液は、約500パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の1つまたはそれ以上の不純物を含む、請求項48または請求項49に記載の方法。
  51. マトリックスを洗浄溶液で洗浄する工程を欠く対応する方法よりも高い程度に、1つまたはそれ以上の不純物から精製されたFc領域を含むポリペプチドをもたらす、請求項1~50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 1つまたはそれ以上の不純物は宿主細胞タンパク質(HCP)である、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 1つまたはそれ以上のHCPは、ホスホリパーゼ、クラステリン、セリンプロテアーゼ、伸長因子、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
  54. HCPは推定上のホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、請求項52または請求項53に記載の方法。
  55. 宿主細胞は哺乳動物宿主細胞である、請求項52または請求項53に記載の方法。
  56. 宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項52~55のいずれか1項に記載の方法。
  57. Fc領域はヒトFc領域である、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. ヒトFc領域は、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4 Fc領域を含む、請求項57に記載の方法。
  59. Fc領域はマウスFc領域である、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法。
  60. マウスFc領域は、マウスIgG1、IgG2、またはIgG3 Fc領域を含む、請求項59に記載の方法。
  61. Fc領域を含むポリペプチドは抗体である、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
  62. 抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である、請求項61に記載の方法。
  63. 抗体はモノクローナル抗体である、請求項61または請求項62に記載の方法。
  64. 抗体は二重特異性抗体または三重特異性抗体である、請求項61または請求項62に記載の方法。
  65. 工程(a)の前に、Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を、約0.1M~約0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、および約7.0~約9.0のpHを達成するように調整して、(i)該Fc領域を含む該ポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料を生成することをさらに含む、請求項1~64のいずれか1項に記載の方法。
  66. Fc領域を含むポリペプチドを精製する方法であって、
    (A)該Fc領域を含む該ポリペプチドを含む回収物を、約0.1M~約0.5Mの安息香酸塩の最終濃度、および約7.0~約9.0のpHを達成するように調整して、(i)該Fc領域を含む該ポリペプチド、および(ii)1つまたはそれ以上の不純物を含む試料を生成する工程;ならびに
    (B)該試料を少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスと接触させる工程
    を含む前記方法。
  67. 安息香酸塩は安息香酸アルカリ塩である、請求項65または66に記載の方法。
  68. 安息香酸塩は安息香酸ナトリウムである、請求項67に記載の方法。
  69. 回収物中の安息香酸塩の最終濃度は約0.4M~約0.5Mである、請求項65~68のいずれか1項に記載の方法。
  70. 回収物のpHは約7.0~約8.0である、請求項65~69のいずれか1項に記載の方法。
  71. 回収物のpHは約8.0~約9.0である、請求項65~69のいずれか1項に記載の方法。
  72. 回収物は、ポリペプチドを発現するように操作された宿主細胞を含む培養物から生じる、請求項65~67のいずれか1項に記載の方法。
  73. 宿主細胞は真核生物宿主細胞である、請求項72に記載の方法。
  74. 真核宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項73に記載の方法。
  75. 回収物は、調整前に清澄化される、請求項65~74のいずれか1項に記載の方法。
  76. 回収物は、調整後に清澄化される、請求項65~74のいずれか1項に記載の方法。
  77. 少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスは、アフィニティークロマトグラフィーマトリックスを含む、請求項66~76のいずれか1項に記載の方法。
  78. アフィニティークロマトグラフィーマトリックスは、プロテインAクロマトグラフィーマトリックスまたはプロテインGクロマトグラフィーマトリックスである、請求項77に記載の方法。
  79. 少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを少なくとも1つの洗浄溶液と接触させる工程をさらに含む、請求項65~78のいずれか1項に記載の方法。
  80. 少なくとも1つのクロマトグラフィーマトリックスを溶出溶液と接触させる工程をさらに含む、請求項65~79のいずれか1項に記載の方法。
  81. Fc領域を含むポリペプチドを含む溶出液を回収する工程をさらに含む、請求項80に記載の方法。
  82. 深層濾過により溶出液を濾過する工程をさらに含む、請求項81に記載の方法。
  83. 溶出液は約500パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の1つまたはそれ以上の不純物を含む、請求項81または請求項82記載の方法。
  84. Fc領域を含むポリペプチドを含む回収物を調整して試料を生成する工程を欠く対応する方法よりも高い程度に、1つまたはそれ以上の不純物から精製された該Fc領域を含む該ポリペプチドをもたらす、請求項66~83のいずれか1項に記載の方法。
  85. 1つまたはそれ以上の不純物は宿主細胞タンパク質(HCP)である、請求項66~84のいずれか1項に記載の方法。
  86. 1つまたはそれ以上のHCPは、ホスホリパーゼ、クラステリン、セリンプロテアーゼ、伸長因子、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項85に記載の方法。
  87. HCPは推定上のホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、請求項85または請求項86に記載の方法。
  88. Fc領域はヒトFc領域である、請求項66~87のいずれか1項に記載の方法。
  89. ヒトFc領域は、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4 Fc領域を含む、請求項82に記載の方法。
  90. Fc領域はマウスFc領域である、請求項66~89のいずれか1項に記載の方法。
  91. マウスFc領域は、マウスIgG1、IgG2、またはIgG3 Fc領域を含む、請求項90に記載の方法。
  92. Fc領域を含むポリペプチドは抗体である、請求項66~91のいずれか1項に記載の方法。
  93. 抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である、請求項92に記載の方法。
  94. 抗体はモノクローナル抗体である、請求項92または請求項93に記載の方法。
  95. 抗体は二重特異性抗体または三重特異性抗体である、請求項92または請求項93に記載の方法。
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