JP2012527478A - 心筋梗塞後のリモデリングおよび心不全に関与するマイクロrnaの同定 - Google Patents
心筋梗塞後のリモデリングおよび心不全に関与するマイクロrnaの同定 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、心不全および心臓組織における心筋梗塞後リモデリングのプロセスに関与するmiRNAの同定に関する。
【解決手段】心筋梗塞、心臓リモデリングおよび心不全の治療としての、これらの同定されたmiRNAの調節が記載される。
【選択図】なし
【解決手段】心筋梗塞、心臓リモデリングおよび心不全の治療としての、これらの同定されたmiRNAの調節が記載される。
【選択図】なし
Description
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2009年5月20日に出願された米国仮出願第61/179,775号の利益を主張する。
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2009年5月20日に出願された米国仮出願第61/179,775号の利益を主張する。
政府援助に関する言明
本発明は、米国国立衛生研究所により与えられた助成金番号HL53351−06の下での助成金援助によりなされた。同政府は、本発明において一定の権利を有する。
本発明は、米国国立衛生研究所により与えられた助成金番号HL53351−06の下での助成金援助によりなされた。同政府は、本発明において一定の権利を有する。
本発明は、一般に、発生生物学、心臓病学、病理学および分子生物学の分野に関する。より特定すれば、本発明は、心筋梗塞後(MI後)の組織およびヒト心不全試料におけるmiRNA発現の改変に関する。制御されたmiRNAの発現操作は、心筋梗塞および心不全の治療のための新しい治療上のアプローチを提供する。
冠動脈疾患、心筋梗塞、うっ血性心不全および心肥大を含む心疾患およびその症状は、今日の米国における重大な健康リスクを明らかに示す。これらの疾患に罹患した患者を診断、治療およびサポートするための費用は数十億ドルにも及ぶ。心疾患の特に重篤な症状は心筋梗塞である。より一般的には心臓発作として知られている心筋梗塞(MI)は、心臓の一部への血液供給が途絶したときに生じる病状であり、これは不安定プラークの破裂によって起こることが最も多い。その結果生じる虚血または酸素不足は心臓組織の損傷および壊死の可能性をもたらす。これは、世界全体で男女共に主要な死亡原因である。米国単独では、冠動脈心疾患は死亡例5例につき1例の原因であり、約7,200,000名の男性および6,000,000名の女性が何らかの形の冠動脈心疾患を抱えて生きている。そのうち、毎年1,200,000名が初発または再発性の冠動脈発作を患い、その約40%が発作のため死亡する。これは、およそ65秒に1名のアメリカ人が冠動脈イベントで死亡していることを意味する。
心臓への血流障害が十分に長く続く場合、心臓細胞が壊死し、その部分にコラーゲン瘢痕が形成される虚血性カスケードが誘発される。最近の研究により、アポトーシスによる細胞死もまた、心筋梗塞に続く組織損傷のプロセスに役割を果たすことが示された。その結果、患者の心臓は回復不能な損傷を受ける。この瘢痕組織はまた、患者を生命に関わる可能性のある不整脈のリスクにさらし、破裂して破滅的な結末を伴う可能性のある心室瘤の形成をもたらすことがある。傷害を受けた心臓組織は、正常な心臓組織よりも緩慢に電気インパルスを伝導する。傷害を受けた組織と傷害を受けていない組織との間の伝導速度の差は、多くの致死性不整脈の原因であると考えられるリエントリーまたはフィードバックループを誘発し得る。心拍出量および血圧は危険レベルまで低下し、さらなる冠動脈虚血および梗塞巣の拡大をもたらし得る。
梗塞組織における直接的な影響に加えて、梗塞周囲の境界域における隣接組織は、遺伝子制御の改変によって誘発される病的なリモデリングを起こす。このリモデリングは、この領域におけるさらなる筋細胞減少、肥厚化およびさらなるコラーゲン沈着をもたらす。梗塞に続発して、心筋細胞肥大および間質性線維症の発症により、遠隔心筋が梗塞に応答する。このように、梗塞組織に対する損傷は、MIと診断され臨床的に対処される時点までには恐らくほとんど回復不能となるが、MI後リモデリングによるさらなる変化は、治療的介入の可能性がより高いポイントを示す。しかし、現在、心疾患のこの側面に取り組むための既知の治療はない。
MI後リモデリングに関連する遺伝子発現およびシグナリング経路の変化は、傷害を受けた心臓の機能回復を可能にする治療標的の同定を目的として精力的に研究されてきた。近年、心肥大および心不全におけるマイクロRNAの重要な役割が記載され、心疾患の新たな制御様式が指摘された。マイクロRNA(miRNA)は、それぞれのmiRNA遺伝子、タンパク質コード遺伝子のイントロン、または多くの場合複数の密接に関連するmiRNAをコードするポリシストロニック転写産物に由来する、約18〜約25ヌクレオチド長の小分子非タンパク質コードRNAである。Carringtonら(Science、301(5631)巻:336〜338頁、2003年)による総説を参照されたい。miRNAは、その配列が完全に相補的である場合はその分解を促進することによって、あるいはその配列がミスマッチを含む場合は翻訳を抑制することによって、標的mRNAのリプレッサーとして機能する。
miRNAは、RNAポリメラーゼII(pol II)またはRNAポリメラーゼIIIにより転写され(pol III;Qiら(2006年)、Cellular & Molecular Immunology、第3巻、411〜419頁を参照されたい)、一次miRNA転写産物(プリmiRNA)と呼ばれ、一般に数千塩基の長さである。プリmiRNAは、核内においてRNアーゼDroshaにより約70〜約100ヌクレオチドのヘアピン形状の前駆体(プレmiRNA)へとプロセシングされる。細胞質への輸送後、ヘアピンプレmiRNAは、Dicerによりさらにプロセシングされて、二本鎖miRNAをもたらす。次いで、成熟miRNA鎖は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)内に組み込まれ、そこで、塩基対相補性により、その標的mRNAと会合する。miRNAが、mRNA標的と完全に塩基対形成する比較的まれな場合において、miRNAは、mRNAの分解を促進する。miRNAは、標的mRNAと不完全なヘテロ二重鎖を形成し、mRNAの安定性を損なうか、またはmRNAの翻訳を阻害することがより一般的である。
マウスおよびヒトにおける少数の遺伝的研究に基づいて、miRNAが実際に心臓のリモデリング、発達、コンダクタンスおよび収縮性に活発に関与していることが、次第に明らかになってきた(van RooijおよびOlson (2007) Journal of Clinical Investigation, Vol. 117(9):2369-2376において考察される)。心血管疾患に関与するmiRNAの同定および特性評価は、心筋梗塞および心不全などの心血管疾患の治療のための新規な治療アプローチの開発に重要である。
本発明は、ヒトにおける心筋梗塞および心不全後の心臓組織において制御される数種類のmiRNAの発見に一部基づく。これらの同定されたmiRNAの調節は、心筋梗塞、心臓リモデリングおよび心不全を治療または予防するための新規の治療アプローチを提供する。したがって、本発明は、対象の心臓細胞において同定されたmiRNAのうちの1または複数の発現または活性を調節する工程を含む、その必要がある対象において心筋梗塞、心臓リモデリングまたは心不全を治療または予防する方法を提供する。一実施形態において、1または複数のmiRNAは、let−7ファミリーメンバー、miR−15b、miR−21、miR−199a、miR−199b、miR−214、miR−10a、miR−10b、miR−16、miR−146a、miR−146b、miR−221、miR−222、miR−497、miR−20a、miR−20b、miR−93、miR−101、miR−126、miR−30ファミリーメンバー、miR−143、miR−145、miR−150、miR−29a〜c、miR−34a、miR−34c、miR−574、miR−451、miR−499、miR−100、miR−378、miR−24、miR−379、miR−762、miR−335、miR−711、miR−149、miR−218、miR−181a〜d、miR−22およびmiR−185からなる群から選択される。
一実施形態において、本方法は、同定されたmiRNAのうちの1または複数の阻害剤を対象に投与する工程を含む。例えば、阻害剤は、let−7ファミリーメンバー、miR−15b、miR−21、miR−199a、miR−199b、miR−214、miR−l0a、miR−l0b、miR−16、miR−146a、miR−146b、miR−221、miR−222、miR−30ファミリーメンバーおよびmiR−497からなる群から選択されるmiRNAの発現または活性の阻害剤とすることができる。1または複数のmiRNAの阻害剤は、アンタゴmir、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは阻害性RNA分子を含むことができる。
別の一実施形態において、方法は、同定されたmiRNAのうちの1または複数のアゴニストを対象に投与する工程を含む。一部の実施形態において、アゴニストは、miR−20a、miR−20b、miR−93、miR−101、miR−126、miR−143、miR−145、miR−150、miR−29a、miR−29bおよびmiR−29cからなる群から選択されるmiRNAの発現または活性を上昇させる。特定の実施形態において、1または複数のmiRNAのアゴニストは、1または複数のmiRNAの成熟配列を含むポリヌクレオチドである。アゴニストは、発現構築物からin vivoで発現させることができる。
一部の実施形態において、方法は、β遮断薬、変力作用薬(inotrope)、利尿剤、ACE−I、AIIアンタゴニスト、BNP、Ca++遮断薬、エンドセリン受容体アンタゴニストまたはHDAC阻害剤等、第2の心肥大療法を対象に投与する工程をさらに含むことができる。第2の療法は、miRNA調節薬(例えば、阻害剤またはアゴニスト)と同時に投与してもよく、あるいはmiRNA調節薬の前または後に投与してもよい。
次の図面は本明細書の一部を構成し、本発明の特定の態様をさらに明示するよう含まれている。本発明は、本明細書に示されている特定の実施形態の詳細な説明と併せてこれらの図面の1または複数を参照することにより、さらに良く理解できるであろう。
本発明は、心筋梗塞後に制御されるmiRNAサブセットの同定に一部基づく。特に、本発明者らは、心筋梗塞(MI)誘導3日後に梗塞領域の境界域において有意に制御された40個のmiRNAと、遠隔心筋において制御された22個のmiRNAを見出した。さらに、MI誘導2週間後に69個のmiRNAの発現は梗塞領域の境界域において変化し、一方40個のmiRNAは遠隔心筋において制御された。さらに本発明者らは、不全ヒト心臓の心臓組織において制御される、異なるが重複するmiRNAサブセットを見出した。ヒト心不全患者の心臓組織において、31個のmiRNAは有意に上方制御されることが判明したが、一方45個のmiRNAは有意に下方制御された。制御されるmiRNAにおける重複は、これらのmiRNAが異なる心疾患プロセスに関与し、病状に積極的に影響を及ぼす可能性を示唆する。したがって、本発明は、対象の心臓細胞において表3〜6に列挙されている1または複数のmiRNAの発現または活性を調節する工程を含む、その必要がある対象における心筋梗塞、心臓リモデリングまたは心不全を治療または予防する方法を提供する。特定の実施形態において、1または複数のmiRNAは、let−7ファミリーメンバー(例えば、let-7a、let-7b、let-7c、let-7d、let-7e、let-7f、let-7gおよびlet-7i)(配列番号1〜8)、miR−15b(配列番号9)、miR−21(配列番号10)、miR−199a(配列番号11)、miR−199b(配列番号12〜13)、miR−214(配列番号14)、miR−10a(配列番号15)、miR−10b(配列番号16)、miR−16(配列番号17)、miR−146a(配列番号18)、miR−146b(配列番号19〜20)、miR−221(配列番号21)、miR−222(配列番号22)、miR−497(配列番号23)、miR−20a(配列番号24)、miR−20b(配列番号25)、miR−93(配列番号26)、miR−101(配列番号27)、miR−126(配列番号28)、miR−30ファミリーメンバー(例えば、miR-30a、miR-30b、miR-30c、miR-30dおよびmiR-30e)(配列番号29〜33)、miR−143(配列番号34)、miR−145(配列番号35)、miR−150(配列番号36)、miR−29a〜c(配列番号37〜39)、miR−34a(配列番号40)、miR−34c(配列番号41〜42)、miR−574(配列番号43〜44)、miR−451(配列番号45)、miR−499(配列番号46)、miR−100(配列番号47)、miR−378(配列番号48)、miR−24(配列番号49)、miR−379(配列番号50)、miR−762(配列番号51)、miR−335(配列番号52)、miR−711(配列番号53)、miR−149(配列番号54)、miR−218(配列番号55)、miR−181a〜d(配列番号56〜59)、miR−22(配列番号60)およびmiR−185(配列番号61)からなる群から選択される。
本明細書において、用語「対象」または「患者」は、ヒトその他の霊長目(例えば、チンパンジーその他の類人猿およびサルの種)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウマ)、飼育哺乳動物(例えば、イヌおよびネコ)、実験動物(例えば、マウス、ラットおよびモルモット等、げっ歯類)ならびに鳥類(例えば、ニワトリ、シチメンチョウその他の家禽、アヒル、ガチョウその他等、飼育鳥、野鳥および狩猟鳥)を含む任意の脊椎動物を意味するが、これらに限定されるものではない。一部の実施形態において、対象は哺乳動物である。他の実施形態において、対象はヒトである。治療される対象がヒトであるこのような実施形態において、調節される1または複数のmiRNAはヒトmiRNA配列である。
本明細書において、用語「調節する」は、miRNAの生物活性の変化または改変を意味する。調節は、miRNAの発現レベルの変化、miRNAの結合特性(例えば、標的mRNAまたはRISC複合体の成分との)の変化またはmiRNAに関連した生物学的もしくは機能的性質におけるその他の変化とすることができる。調節は、miRNAの発現または機能の上昇であっても、あるいは低下であってもよい。用語「調節薬」は、上述の通りmiRNAの発現または生物活性を変化または改変することのできる任意の分子または化合物を意味する。
一実施形態において、方法は、表3〜6に列挙されている1または複数のmiRNA(または対応するヒトmiRNA)の阻害剤を対象に投与する工程を含む。一部の実施形態において、阻害剤はプレmiRNAまたはプリmiRNA配列を標的とする。他の実施形態において、阻害剤は成熟miRNA配列を標的とする。別の一実施形態において、阻害剤は、let−7ファミリーメンバー(例えば、let-7a、let-7b、let-7c、let-7d、let-7e、let-7f、let-7gおよびlet-7i)(配列番号1〜8)、miR−15b(配列番号9)、miR−21(配列番号10)、miR−199a(配列番号11)、miR−199b(配列番号12〜13)、miR−214(配列番号14)、miR−10a(配列番号15)、miR−l0b(配列番号16)、miR−16(配列番号17)、miR−146a(配列番号18)、miR−146b(配列番号19〜20)、miR−221(配列番号21)、miR−222(配列番号22)、miR−497(配列番号23)ならびにmiR−30ファミリーメンバー(例えば、miR-30a、miR-30b、miR-30c、miR-30dおよびmiR-30e)(配列番号29〜33)からなる群から選択される1または複数の成熟miRNA配列の発現または活性の阻害剤である。
特定の実施形態において、1または複数のmiRNAの阻害剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドまたはそれらの組合せを含むことができる。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1種類の化学修飾(例えば、糖または骨格修飾)を有する。例えば、適切なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、二環式糖ヌクレオシド修飾(BSN)含有オリゴヌクレオチドとその相補的マイクロRNA標的鎖との間で形成された複合体に増強された熱安定性を付与する1または複数の「立体配座的に制限された」またはBSNからなる。例えば、一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の「ロックト核酸」を含む。ロックト核酸(LNA)は、リボース糖成分が「ロックされた」立体配座の2’−O,4’−C−メチレンリボヌクレオシド(構造A)を含む。別の一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の2’,4’−C−架橋2’デオキシリボヌクレオシド(CDNA、構造B)を含む。例えば、その両者共にその全体が本明細書の一部を構成するものとしてここに援用されている、米国特許第6,403,566号明細書およびWangら(1999年)Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、9巻:1147〜1150頁を参照されたい。さらに別の一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、構造Cに示す構造を有する少なくとも1個の修飾ヌクレオシドを含む。1または複数のmiRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、BSN(LNA、CDNA等)または他の修飾ヌクレオチドと、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドの組合せを含むことができる。
あるいは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、糖−リン酸骨格ではなくペプチドベースの骨格を含むペプチド核酸(PNA)を含むことができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドに対する他の修飾糖またはホスホジエステル修飾もまた企図される。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドが含み得る他の化学修飾として、2’−O−アルキル(例えば、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル)、2’−フルオロおよび4’チオ修飾等の糖修飾ならびに1または複数のホスホロチオエート、モルホリノまたはホスホノカルボン酸結合等の骨格修飾が挙げられるが、これらに限定されるものではない(例えば、その全体を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する米国特許第6,693,187号および第7,067,641号明細書を参照)。一実施形態において、1または複数のmiRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、各塩基に2’O−メチル糖修飾を含み、ホスホロチオエート結合によって結合する。アンチセンスオリゴヌクレオチド、特により短い長さのアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、15ヌクレオチド未満)は、LNA、二環式ヌクレオシド、ホスホノギ酸、2’O−アルキル修飾その他等(これらに限定されるものではない)、1または複数の親和性増強性修飾を含むことができる。一部の実施形態において、適切なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、中央に少なくとも10デオキシリボヌクレオチドを有し5’および3’末端の両方に2’−O−メトキシエチル修飾リボヌクレオチドを含む、2’−O−メトキシエチル「ギャップマー(gapmer)」である。これらの「ギャップマー」は、RNA標的のRNaseH依存性分解機序を誘発することができる。その全体が本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する米国特許第6,838,283号明細書に記載されている修飾等、安定性を増強し有効性を改善するアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の修飾は本技術分野で既知のものであり、本発明の方法における使用に適している。例えば、in vivoでの送達および安定性を促進するため、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、その3’末端においてコレステロール成分等のステロイド、ビタミン、脂肪酸、炭水化物すなわちグリコシド、ペプチドまたは他の小分子リガンドと結合していてもよい。
miRNAの活性の抑制に有用な好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチドは、約5〜約25ヌクレオチド長、約10〜約30ヌクレオチド長、または約20〜約25ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、本明細書に記載されているmiRNAの1または複数を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、約8〜約18ヌクレオチド長であり、他の実施形態においては、約12〜約16ヌクレオチド長である。標的miRNAと相補的な任意の8塩基長以上(すなわち、miRNAの5’末端と相補的であり、標的miRNAの完全に相補的な配列が続く任意のアンチmiR)が用いられてもよい。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、1または複数のmiRNAの成熟miRNA配列と少なくとも部分的に相補的な配列を含むことができる。「部分的に相補的」は、標的miRNA配列に対して少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%相補的な配列を意味する。一部の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的miRNA配列に対して少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%または99%相補的な成熟miRNA配列と実質的に相補的とすることができる。一実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、成熟miRNA配列と100%相補的な配列を含む。
一部の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドはアンタゴmirである。「アンタゴmir」とは、少なくとも1種類の成熟miRNA配列と少なくとも部分的に相補的である、一本鎖の化学修飾リボヌクレオチドのことである。アンタゴmirは、2’−O−メチル−糖修飾等、1または複数の修飾ヌクレオチドを含むことができる。一部の実施形態において、アンタゴmirは修飾ヌクレオチドのみを含む。アンタゴmirは、部分的なまたは完全なホスホロチオエート骨格を形成する1または複数のホスホロチオエート結合を含んでいてもよい。in vivoにおける送達および安定性を促進するため、アンタゴmirは、その3’末端においてコレステロールまたは他の成分と結合していてよい。1または複数のmiRNAファミリーメンバーの抑制に適したアンタゴmirは、約15〜約50ヌクレオチド長、より好ましくは約18〜約30ヌクレオチド長、最も好ましくは約20〜約25ヌクレオチド長とすることができる。アンタゴmirは、成熟miRNA配列に対して少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%相補的とすることができる。一部の実施形態において、アンタゴmirは、標的ポリヌクレオチド配列に対して少なくとも約90%、95%、96%、97%、98%または99%相補的な成熟miRNA配列と実質的に相補的とすることができる。他の実施形態において、アンタゴmirは、成熟miRNA配列と100%相補的である。
別の一実施形態において、方法は、表3〜6に列挙されている1または複数のmiRNA(または対応するヒトmiRNA)のアゴニストを対象に投与する工程を含む。特定の実施形態において、アゴニストは、miR−20a(配列番号24)、miR−20b(配列番号25)、miR−93(配列番号26)、miR−101(配列番号27)、miR−126(配列番号28)、miR−143(配列番号34)、miR−145(配列番号35)、miR−150(配列番号36)、miR−29a(配列番号37)、miR−29b(配列番号38)およびmiR−29c(配列番号39)からなる群から選択される1または複数のmiRNAのアゴニストである。
本明細書において、「アゴニスト」とは、標的miRNAの発現または活性を増強する分子または化合物のことである。アゴニストは、miRNA配列をコードするポリヌクレオチドとすることができる。例えば、一実施形態において、1または複数のmiRNAのアゴニストは、1または複数のmiRNAの成熟配列を含むポリヌクレオチドである。別の一実施形態において、1または複数のmiRNAのアゴニストは、1または複数のmiRNAのプリmiRNAまたはプレmiRNA配列を含むポリヌクレオチドとすることができる。成熟、プレmiRNAまたはプリmiRNA配列を含むポリヌクレオチドは、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。ポリヌクレオチドは、ロックト核酸、ペプチド核酸、2’−O−アルキル(例えば、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル)、2’−フルオロおよび4’チオ修飾等の糖修飾ならびに1または複数のホスホロチオエート、モルホリノまたはホスホノカルボン酸結合等の骨格修飾等、1または複数の化学修飾を含むことができる。一部の実施形態において、1または複数のmiRNA配列を含むポリヌクレオチドは、コレステロール等のステロイド、ビタミン、脂肪酸、炭水化物すなわちグリコシド、ペプチドまたは別の小分子リガンドとコンジュゲートしている。特定の実施形態において、1または複数のmiRNAのアゴニストは、1または複数のmiRNAの機能を増加、追加または置換するよう作用する、miRNAそのものとは別個の薬剤である。
本発明のmiRNAの阻害剤およびアゴニストは、in vivoにおいてベクターから発現させることができる。「ベクター」とは、対象核酸を細胞内部へと送達するのに用いうる物質の組成物である。直鎖ポリヌクレオチド、イオン化合物または両親媒性化合物と会合したポリヌクレオチド、プラスミド、およびウイルスが含まれるがこれらに限定されない多数のベクターが当技術分野で知られている。したがって、「ベクター」という用語は、自己複製型のプラスミドまたはウイルスを包含する。ウイルスベクターの例には、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが含まれるがこれらに限定されない。発現コンストラクトは、生細胞内で複製することもでき、合成することもできる。本出願の目的では、「発現コンストラクト」、「発現ベクター」、および「ベクター」は、互換的に用いられ、一般的で例示的な意味において本発明の適用を示すものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
一実施形態において、1または複数のmiRNAを発現する発現ベクターは、1または複数のmiRNAの配列をコードするポリヌクレオチドに「作動的に連結された(operably linked)」プロモーターを含む。本明細書で用いられる「作動的に連結された」または「転写制御下にある」という語句は、プロモーターが、ポリヌクレオチドに対して、RNAポリメラーゼによる転写の開始および該ポリヌクレオチドの発現を制御するのに適正な位置および方向にあることを意味する。1または複数のmiRNAをコードするポリヌクレオチドは、本明細書に記載された1または複数のmiRNAの、一次マイクロRNA配列、前駆体マイクロRNA配列、成熟miRNA配列、またはスター(例えばマイナー)配列をコードしうる。1または複数のmiRNAの配列を含むポリヌクレオチドは、約18〜約2000ヌクレオチド長、約70〜約200ヌクレオチド長、約20〜約50ヌクレオチド長、または約18〜約25ヌクレオチド長であってもよい。
1または複数のmiRNAの阻害剤(たとえば、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびアンタゴmir)はin vivoでベクターから発現させることができる。例えば、一実施形態において、1または複数のmiRNAの阻害剤を発現するための発現ベクターは、アンチセンスオリゴヌクレオチドをコードするポリヌクレオチドと作動的に連結されたプロモーターを含み、ここで、発現したアンチセンスオリゴヌクレオチドの配列は、1または複数のmiRNAの成熟配列と少なくとも部分的に相補的である。
特定の実施形態において、対象のポリヌクレオチドをコードする核酸は、プロモーターの転写制御下にある。「プロモーター」とは、細胞の合成機構または導入された合成機構により認識され、遺伝子に特異的な転写を開始するのに必要とされるDNA配列を指す。本明細書において、プロモーターという用語は、RNAポリメラーゼI、II、またはIIIの開始部位の周囲にクラスター化した転写制御モジュール群を指すのに用いられる。
一部の実施形態では、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)前初期遺伝子プロモーター、SV40初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルス長末端反復、ラットインスリンプロモーター、およびグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを用いて、対象のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を得ることができる。発現レベルが所与の目的に十分である場合は、対象のポリヌクレオチド配列の発現を達成するための、当技術分野でよく知られる他のウイルスプロモーター、哺乳動物細胞プロモーター、または細菌ファージプロモーターの使用もまた意図される。
特性がよく知られたプロモーターを用いることにより、トランスフェクションまたは形質転換後における対象ポリヌクレオチドの発現レベルおよび発現パターンを最適化することができる。さらに、特異的な生理学的シグナルに応答して制御されるプロモーターの選択により、該ポリヌクレオチドの誘導発現も可能とすることができる。表1および2では、本発明の関連において、対象ポリヌクレオチド(例えば、本発明のmiRNAのアゴニストまたは阻害剤)の発現を制御するのに用いうる複数の制御エレメントが一覧される。この一覧は、遺伝子発現の促進に関与する可能なすべてのエレメントの枚挙を意図するものではなく、単にこれらの例示を意図するものである。
以下は、発現コンストラクトにおいて対象ポリヌクレオチドと組み合わせて用いうるウイルスプロモーター、細胞プロモーター/エンハンサー、および誘導プロモーター/エンハンサーの一覧である(表1および表2)。加えて、ポリヌクレオチドの発現を駆動するには、任意のプロモーター/エンハンサーの組合せ(真核生物プロモーターデータベース:EPDBによる)もまた用いうるであろう。送達複合体またはさらなる遺伝子発現コンストラクトの一部として適切な細菌ポリメラーゼが提供される場合、真核細胞は、細胞質内における、特定の細菌プロモーターからの細胞質転写を支援しうる。
筋特異的プロモーター、またより特定すれば、心臓特異的プロモーターが特に興味深い。これらには、ミオシン軽鎖2プロモーター(Franzら、1994年;Kellyら、1995年)、アルファアクチンプロモーター(Mossら、1996年)、トロポニン1プロモーター(Bhavsarら、1996年)、Na+/Ca2+交換プロモーター(Barnesら、1997年)、ジストロフィンプロモーター(Kimuraら、1997年)、アルファ7インテグリンプロモーター(ZioberおよびKramer、1996年)、脳ナトリウム利尿ペプチドプロモーター(LaPointeら、1996年)、およびアルファB−クリスタリン/低分子熱ショックタンパク質プロモーター(Gopal-Srivastava、1995年)、アルファミオシン重鎖プロモーター(Yamauchi-Takiharaら、1989年)、およびANFプロモーター(LaPointeら、1988年)が含まれる。
所望の場合は、ポリアデニル化シグナルを組み入れて、遺伝子転写産物の適正なポリアデニル化を実行することができる。ポリアデニル化シグナルの性質が本発明の実施を成功させるのに決定的であるとは考えられず、ヒト成長ホルモンのポリアデニル化シグナルおよびSV40のポリアデニル化シグナルなど、任意のこのような配列を用いることができる。ターミネーターもまた発現カセットのエレメントとして意図される。これらのエレメントは、メッセージレベルを増強し、該カセットから他の配列内へのリーディングを最小化するのに用いることができる。
本発明の特定の実施形態では、発現コンストラクト内にマーカーを組み入れることにより、in vitroまたはin vivoにおいて本発明の核酸コンストラクトを含有する細胞を同定することができる。このようなマーカーによれば、細胞に同定可能な変化が付与され、発現コンストラクトを含有する細胞を容易に同定することが可能となろう。通常、薬剤選択マーカーの組み入れは、形質転換体のクローニングおよび選択を支援し、例えば、ネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、DHFR、GPT、ゼオシン、およびヒスチジノールに対する耐性を付与する遺伝子が、有用な選択マーカーである。あるいは、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(tk)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などの酵素も用いることができる。免疫学的マーカーもまた用いることができる。それが遺伝子産物をコードする核酸と同時に発現可能であるかまたは遺伝子産物をコードする核酸の指標となることが可能である限りにおいて、用いられる選択マーカーが重要であるとは考えられない。選択マーカーのさらなる例は、当業者によく知られている。
発現ベクターを細胞内に導入しうる多数の方法が存在する。本発明の特定の実施形態において、発現コンストラクトは、ウイルス、またはウイルスゲノムに由来する操作されたコンストラクトを含む。特定のウイルスが、受容体を介するエンドサイトーシスにより細胞に侵入し、宿主細胞ゲノム内に組み込まれ、安定的かつ効果的にウイルス遺伝子を発現する能力により、該ウイルスは、哺乳動物細胞内に外来遺伝子を導入するのに魅力的な候補物質となっている(Ridgeway、1988年;NicolasおよびRubenstein、1988年;BaichwalおよびSugden、1986年;Temin、1986年)。
in vivoにおける送達に好ましい方法の1つは、アデノウイルス発現ベクターの使用を伴う。「アデノウイルス発現ベクター」とは、(a)コンストラクトのパッケージングを支援し、(b)その中にクローニングされたポリヌクレオチドを発現するのに十分なアデノウイルス配列を含有するコンストラクトを含むことを意味する。発現ベクターは、アデノウイルスの遺伝子操作形態を含む。36kBで直鎖の二本鎖DNAウイルスであるアデノウイルスの遺伝子構成についての知識により、アデノウイルスDNAの大型断片に対する最大7kBの外来配列による置換が可能となる(GrunhausおよびHorwitz、1992年)。アデノウイルスDNAは、潜在的な遺伝毒性なしに、エピソーム的な形で複製されうるので、レトロウイルスとは対照的に、宿主細胞に対するアデノウイルス感染は、染色体の組込みを結果としてもたらさない。また、アデノウイルスは構造的にも安定的であり、大規模な増幅後においてもゲノムの再配列は検出されていない。アデノウイルスは、それらの細胞周期段階に関わらず、ほとんどすべての上皮細胞に感染しうる。
アデノウイルスは、そのゲノムサイズが中規模であり、操作が容易であり、力価が高く、標的細胞の範囲が広く、感染性が高度であるために、遺伝子導入ベクターとしての使用に特に適する。ウイルスゲノムの両端は、ウイルスDNAの複製およびパッケージングに必要なシスエレメントである、100〜200塩基対の逆方向反復(ITR)を含有する。
アデノウイルスベクターが複製欠損型であるか、または少なくとも条件付き欠損型であるという要請以外のアデノウイルスベクターの性質は、本発明の実施の成功に決定的であると考えられない。アデノウイルスは、42の既知の異なる血清型またはサブグループA〜Fのいずれかでありうる。本発明において用いられる条件付き複製欠損型アデノウイルスベクターを得るためには、サブグループCの5型アデノウイルスが好ましい出発物質である。これは、5型アデノウイルスが、それについて多くの生化学的情報および遺伝学的情報が知られるヒトアデノウイルスであり、アデノウイルスをベクターとして用いる多くのコンストラクトに用いられてきた来歴を有するからである。
本発明による典型的なベクターは複製欠損型であり、アデノウイルスE1領域を有さない。したがって、E1コード配列が除去された位置に、対象遺伝子をコードするポリヌクレオチドを導入することが最も好都合である。しかし、アデノウイルス配列内におけるコンストラクトの挿入位置は、本発明にとってさほど重要ではない。対象遺伝子をコードするポリヌクレオチドはまた、Karlssonら(1986年)により説明される通り、E3置換ベクターにおいて欠失するE3領域の代わりに挿入することもでき、ヘルパー細胞株またはヘルパーウイルスがE4欠損を補完するE4領域に挿入することもできる。
アデノウイルスベクターは、真核生物の遺伝子発現(Levreroら、1991年;Gomez-Foixら、1992年)およびワクチン開発(GrunhausおよびHorwitz、1992年;GrahamおよびPrevec、1991年)において用いられている。近年では、動物試験により、組換えアデノウイルスを遺伝子治療に用いうることが示唆されている(Stratford-PerricaudetおよびPerricaudet、1991年;Stratford-Perricaudetら、1990年; Richら、1993年)。組換えアデノウイルスの異なる組織への投与についての試験には、気管内滴下(Rosenfeldら、1991年;Rosenfeldら、1992年)、筋肉注射(Ragotら、1993年)、末梢静脈内注射(HerzおよびGerard、1993年)、および脳内への定位接種(Le Gal La Salleら、1993年)が含まれる。
本発明では、他のウイルスベクターも発現コンストラクトとして用いることができる。牛痘ウイルス(Ridgeway、1988年;BaichwalおよびSugden、1986年;Couparら、1988年)、アデノ関連ウイルス(AAV)(Ridgeway、1988年;BaichwalおよびSugden、1986年;HermonatおよびMuzycska、1984年)、およびヘルペスウイルスなどのウイルスに由来するベクターを用いることができる。これらは、各種の哺乳動物細胞にとって魅力的な複数の特性を提供する(Friedmann、1989年;Ridgeway、1988年;BaichwalおよびSugden、1986年;Couparら、1988年;Horwichら、1990年)。
センスまたはアンチセンスの遺伝子コンストラクトの発現を実行するには、発現コンストラクトを細胞内に送達しなければならない。この送達は、細胞株を形質転換する実験室における手順の場合と同様にin vitroで達成することもでき、特定の疾患状態を治療する場合と同様にin vivoまたはex vivoで達成することもできる。送達の1つの機構は、発現コンストラクトが感染性ウイルス粒子内に封入されるウイルス感染を介する。
培養された哺乳動物細胞内へと発現コンストラクトを導入するための、複数の非ウイルス法もまた、本発明により意図されている。これらには、リン酸カルシウム沈殿(GrahamおよびVan Der Eb、1973年;ChenおよびOkayama、1987年;Rippeら、1990年)、DEAEデキストラン(Gopal、1985年)、電気穿孔(Tur-Kaspaら、1986年;Porterら、1984年)、直接的なマイクロインジェクション(HarlandおよびWeintraub、1985年)、DNAを充填したリポソーム(NicolauおよびSene、1982年;Fraleyら、1979年)、およびリポフェクタミン−DNA複合体、細胞の超音波処理(Fechheimer et al., 1987)、高速マイクロプロジェクタイルを用いる遺伝子照射(Yangら、1990年)、および受容体を介するトランスフェクション(WuおよびWu、1987年;WuおよびWu、1988年)が含まれる。これらの技法の一部は、in vivoまたはex vivoにおける使用にうまく適合させることができる。
発現コンストラクトが細胞内に送達されたら、対象遺伝子をコードする核酸を異なる部位に配置し、発現させることができる。特定の実施形態において、該遺伝子をコードする核酸は、細胞ゲノム内に安定的に組み込むことができる。この組込みは、相同組換えにより同種の位置および方向でも可能であり(遺伝子置換)、無作為的で非特異的な位置に組み込むこともできる(遺伝子増強)。またさらなる実施形態において、核酸は、DNAの個別のエピソームセグメントとして細胞内に安定的に維持することもできる。このような核酸セグメントまたは「エピソーム」は、宿主細胞周期とは無関係に、またはこれと同期して、その維持および複製を可能とするのに十分な配列をコードする。発現コンストラクトを細胞へとどのようにして送達するか、また、該細胞のどこに核酸が保持されるかは、用いられる発現コンストラクトの種類に依存する。
本発明のさらに別の実施形態において、発現コンストラクトは、裸の組換えDNAまたはプラスミドだけからなる場合がある。該コンストラクトの導入は、細胞膜を物理的または化学的に透過する、上記の方法のいずれかにより実施することができる。これは、特に、in vitroにおける導入に適用可能であるが、in vivoにおける使用にも適用することができる。Dubenskyら(1984年)は、成体マウスおよび新生仔マウスの肝臓内および脾臓内へと、リン酸カルシウム沈殿物の形態でポリオーマウイルスDNAを注射することに成功し、これにより、活発なウイルス複製および急速な感染が示された。BenvenistyおよびNeshif(1986年)もまた、リン酸カルシウムにより沈殿させたプラスミドの直接的な腹腔内注射の結果、形質転換遺伝子が発現することを示した。対象のポリヌクレオチドをコードするDNAはまた、in vivoにおいても同様の形で導入することができ、遺伝子産物を発現しうることが想定される。
裸のDNA発現コンストラクトを細胞内に導入するための、本発明のさらに別の実施形態は、粒子照射を伴う。この方法は、DNAでコーティングしたマイクロプロジェクタイルを、それらが細胞膜を穿通し、細胞を死滅させずにそれらに侵入することを可能とする高速まで加速させる能力に依存する(Kleinら、1987年)。微小粒子を加速させるための、複数のデバイスが開発されている。このようなデバイスの1つは、電流を発生させる高電圧放電を利用し、この電流により起動力がもたらされる(Yangら、1990年)。用いられるマイクロプロジェクタイルは、タングステンビーズまたは金ビーズなど、生物学的に不活性な物質からなっている。
ラットおよびマウスの肝臓組織、皮膚組織、および筋肉組織を包含する、選択された臓器がin vivoで照射されている(Yangら、1990;Zeleninら、1991年)。これには、微粒子銃と標的臓器との間に介在する組織を除去するための、手術による組織または細胞の曝露、すなわち、ex vivoにおける処置を必要とする場合がある。また、この方法により対象の特定のポリヌクレオチドをコードするDNAを送達することもでき、これもまた本発明により組み込まれる。
本発明のさらなる実施形態において、発現コンストラクトは、リポソーム内に封入することもできる。リポソームとは、リン脂質二重層膜および内部の水性媒体を特徴とする小胞構造である。多重膜リポソームは、水性媒体により分離される複数の脂質層を有する。それらは、リン脂質が過剰な水溶液中に懸濁すると自発的に形成される。脂質成分は、閉鎖構造の形成前に自己再編成を受け、水と脂質二重層間において溶解した溶質とを封入する(GhoshおよびBachhawat、1991年)。また、リポフェクタミン−DNA複合体も意図される。
本発明の特定の実施形態において、リポソームは、センダイウイルス(HVJ)と複合させることができる。これは、細胞膜との融合を促進し、リポソームに封入されたDNAの細胞への侵入を促進することが示されている(Kanedaら、1989年)。他の実施形態において、リポソームは、核内非ヒストン性染色体タンパク質(HMG-I)と複合させることもでき、これと共に用いることもできる(Katoら、1991年)。またさらなる実施形態において、リポソームは、HVJおよびHMG−Iの両方と複合させることもでき、これらと共に用いることもできる。このような発現コンストラクトは、in vitroおよびin vivoにおける核酸の導入および発現において用いられて成功しているので、本発明に適用可能である。DNAコンストラクトにおいて細菌プロモーターが用いられる場合、リポソーム内にはまた、適切な細菌ポリメラーゼも組み入れることが望ましい。
特定の遺伝子をコードする核酸を細胞内に送達するのに用いうる他の発現コンストラクトは、受容体を介する送達媒体(delivery vehicle)である。これらは、ほとんどすべての真核細胞内における、受容体を介するエンドサイトーシスによる高分子の選択的な取込みを利用する。細胞型に特異的な各種の受容体の分布のため、送達は高度に特異的である(WuおよびWu、1993年)。
受容体を介する遺伝子標的化媒体は一般に、2つの成分:細胞受容体特異的なリガンドおよびDNA結合剤からなる。受容体を介する遺伝子導入には、複数のリガンドが用いられている。最も広範に特徴づけられているリガンドは、アシアロ糖タンパク質(ASOR)(WuおよびWu、1987年)およびトランスフェリン(Wagnerら、1990年)である。近年では、ASORと同じ受容体を認識する合成ネオ糖タンパク質が遺伝子送達媒体として用いられており(Ferkolら、1993年;Peralesら、1994年)、上皮成長因子(EGF)もまた、遺伝子を扁平上皮細胞へと送達するのに用いられている(Myers、EPO 0273085)。
特定の具体例において、ポリヌクレオチドを、カチオン脂質もしくは中性脂質と組み合わせて、または一緒になって中世電荷を与えるカチオン脂質とアニオン脂質の組み合わせと組み合わせて、投与することができる(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開05007196および国際公開05026372を参照)。カチオン脂質の例には、リポフェクチン、DOTMA、DOPE、およびDOTAPが含まれるが、これらに限定されない。参照により具体的に組み込まれる国際公開0071096は、遺伝子治療に有効に用いうるDOTAP:コレステロール製剤またはコレステロール誘導体製剤などの異なる製剤について説明している。他の開示もまた、ナノ粒子および投与法を包含する、異なる脂質製剤またはリポソーム製剤について論じており、これらには、それらが製剤と、核酸の投与および送達の他の関連する態様とについて開示する程度において参照により具体的に組み込まれる、米国特許公開第20030203865号、同第20020150626号、同第20030032615号、および同第20040048787号が含まれるがこれらに限定されない。粒子を形成するのに用いられる方法はまた、これらの態様に関して参照により組み込まれる、米国特許第5,844,107号、同第5,877,302号、同第6,008,336号、同第6,077,835号、同第5,972,901号、同第6,200,801号、および同第5,972,900号においても開示されている。
特定の実施形態において、遺伝子導入は、ex vivoにおける条件下でより容易に実施することができる。ex vivoにおける遺伝子治療とは、動物から細胞を単離し、in vitroにおいて核酸を細胞内へと送達し、次いで、改変された細胞を動物内へと再び戻すことを指す。これは、手術による動物からの組織/臓器の摘出、または細胞および組織の初代培養物を伴う。
好ましくは、表3〜6に列記された1または複数のmiRNA(または対応するヒトmiRNA)の阻害剤またはアゴニストの投与は、心筋梗塞、心不全または心臓リモデリングの1または複数の症状の改善をもたらす。改善される1つまたは複数の症状は、例えば、運動能力の向上、心駆出量の増大、左室拡張終期圧の低下、肺毛細血管楔入圧の低下、心拍出量の増大、心臓指数の向上、肺動脈圧の低下、左室収縮終期径および左室拡張終期径の減少、左室壁応力および右室壁応力の低下、壁張力の低下、生活の質の向上、ならびに疾患に関連する罹患率および死亡率の低下であることができる。一実施形態において、心筋梗塞を患う対象の心臓細胞における1または複数のmiRNAの調節は、心臓細胞の喪失を低減する(例えば、梗塞領域のアポトーシスを減少させる)ことにより、梗塞のサイズを低減することができる。別の実施形態において、心筋梗塞を患う対象の心臓細胞における1または複数のmiRNAの調節は、梗塞領域の線維症を減少させることができる。さらに別の実施形態において、心筋梗塞を患う対象において、対象の心臓細胞における1または複数のmiRNAの調節の後、心臓機能が安定化する。
本発明は、対象における梗塞巣周囲の心臓組織のMI後リモデリングの治療および予防ならびにそれに続く心不全の発症における、同定されたmiRNAのアゴニストおよび阻害剤の使用を企図する。治療計画は、最も早期の介入を探求しつつ臨床症状に応じて変化するであろう。しかし、MI後の少なくともある程度の期間にわたる長期の維持が、多くの環境において適切であると考えられる。保護効果を最大限に高めるために、miRNAの調節薬で断続的に治療すること、または投与されるmiRNAを変化させることも望ましいであろう。
別の実施形態において、miRNA機能または発現の調節薬を、他の治療モダリティーと組み合わせて使用することが想定される。したがって、上述のmiRNA療法に加えて、対象に対してより「標準的な」医薬的心臓治療法を提供し得る。他の療法の例は、非限定的に、いわゆる「β−ブロッカー」、抗高血圧剤、強心剤、血管拡張薬、ホルモンアンタゴニスト、変力調節薬、利尿薬、エンドセリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、ACE阻害剤、アンギオテンシン2型アンタゴニストおよびサイトカイン遮断薬/阻害剤ならびにHDAC阻害剤を含む。
組合せは、心臓細胞を、1または複数のmiRNA調節薬と第2の心臓療法を包含する単一の組成物または医薬製剤と接触させることによるか、または該細胞を2つの異なる組成物または製剤であって、1つの組成物が1または複数のmiRNA調節薬を包含し、他方が第2の心臓療法を包含する組成物または製剤と同時に接触させることにより達成することができる。あるいは、1または複数のmiRNAの調節薬の投与は、数分間〜数週間の範囲の間隔で(1つまたは複数の)他の心臓作用物質の投与に先行または後続しうる。他の心臓作用物質および1または複数のmiRNA調節薬が対象に対して個別に適用される実施形態でならば一般に、該心臓作用物質および1または複数のmiRNA調節薬が、細胞に対して依然として有利な組合せ効果を及ぼしうるように、各送達時点の間で長時間が経過しないようにする。このような場合、2つの組成物を、互いに約12〜24時間以内、より好ましくは互いに6〜12時間以内に投与することが典型的であり、約12時間のみの遅延時間が最も好ましいことが意図される。しかし、一部の状況では、治療期間を顕著に延長することが望ましい場合もあり、この場合、各投与の間において、数日間(2、3、4、5、6、または7日間)〜数週間(1、2、3、4、5、6、7、または8週間)が経過する。
1または複数のmiRNAの調節薬または他の心臓作用物質の複数回の投与が望ましいこともまた考えられる。この点では、各種の組合せを用いることができる。例示を目的として述べると、miRNAの調節薬が「A」であり、他の心臓作用物質が「B」である場合、合計投与回数3および4回に基づく以下の順列が例示的である。他の組合せも同様に意図される。
薬理学的治療薬および投与方法、用量等は、当業者にとって既知であり(例えば、関連部分において本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する「Physicians Desk Reference」、Klaassenの「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、「Remington's Pharmaceutical Sciences」および「The Merck Index、第11版」を参照)、本明細書における開示を考慮しつつ本発明と組み合わせることができる。治療されている対象の状態に応じて、多少の用量変動が必然的に生じるであろう。いずれの場合においても、投与の責任者は個々の対象に適した用量を決定し、このような個々の決定は当業者の技能の範囲内である。
本発明のmiRNA調節薬と組み合わせて用いることのできる薬理学的治療薬の非限定的な例として、抗高リポタンパク血症薬、抗動脈硬化剤、抗血栓剤/血栓素溶解剤、血液凝固剤、抗不整脈薬、降圧薬、昇圧薬、うっ血性心不全の治療薬、抗狭心症薬、抗菌薬またはそれらの組合せが挙げられる。
特定の実施形態において、本明細書において「抗高リポタンパク血症薬」として知られている、1または複数の血中脂質および/またはリポタンパク質の濃度を低下させる薬剤の投与は、特に、粥状動脈硬化および血管組織の肥厚または閉塞の治療において、本発明に係る心血管治療(例えば、miRNA調節薬)と組み合わされてよい。特定の実施形態において、抗高リポタンパク血症薬は、アリールオキシアルカン酸/フィブリン酸誘導体、樹脂/胆汁酸捕捉剤、HMG CoA還元酵素阻害剤、ニコチン酸誘導体、甲状腺ホルモンもしくは甲状腺ホルモン類似体、種々の薬剤またはそれらの組合せを含むことができる。アリールオキシアルカン酸/フィブリン酸誘導体の非限定的な例として、ベクロブラート(beclobrate)、エンザフィブラート(enzafibrate)、ビニフィブラート(binifibrate)、シプロフィブラート(ciprofibrate)、クリノフィブラート(clinofibrate)、クロフィブラート(clofibrate)(アトロマイド(atromide)-S)、クロフィブリン酸、エトフィブラート(etofibrate)、フェノフィブラート(fenofibrate)、ゲムフィブロジル(ロピッド(lobid))、ニコフィブラート(nicofibrate)、ピリフィブラート(pirifibrate)、ロニフィブラート(ronifibrate)、シンフィブラート(simfibrate)およびテオフィブラート(theofibrate)が挙げられる。樹脂/胆汁酸捕捉剤の非限定的な例として、コレスチラミン(コーリーバル(cholybar)、クエストラン)、コレスチポール(コレスチド(colestid))およびポリデキシド(polidexide)が挙げられる。HMG CoA還元酵素阻害剤の非限定的な例として、ロバスタチン(メバコール(mevacor))、プラバスタチン(プラバコール(pravochol))またはシンバスタチン(ゾコール(zocor))が挙げられる。ニコチン酸誘導体の非限定的な例として、ニコチン酸、アシピモックス(acepimox)、ニセリトロール、ニコクロナート(nicoclonate)、ニコモールおよびオキシニアシン酸(oxiniacic acid)が挙げられる。甲状腺ホルモンおよびその類似体の非限定
的な例として、エトロキサート(etoroxate)、チロプロープ酸(thyropropic acid)およびチロキシンが挙げられる。
的な例として、エトロキサート(etoroxate)、チロプロープ酸(thyropropic acid)およびチロキシンが挙げられる。
種々の抗高リポタンパク血症薬の非限定的な例として、アシフラン(acifran)、アザコステロール、ベンフルオレックス、β−ベンザルブチルアミド、カルニチン、コンドロイチン硫酸、クロメストロン(clomestrone)、デタクストラン(detaxtran)、デキストラン硫酸ナトリウム、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸、エリタデニン、フラザボール、メグルトール、メリナミド、ミタトリエンジオール(mytatrienediol)、オルニチン、γ−オリザノール、パンテチン、テトラ酢酸ペンタエリスリトール、α−フェニルブチルアミド(phenylbutyramide)、ピロザジル(pirozadil)、プロブコール(ロレルコ)、β−シトステロール、スルトシル酸(sultosilic acid)ピペラジン塩、チアデノール、トリパラノールおよびキセンブシン(xenbucin)が挙げられる。抗動脈硬化薬の非限定的な例として、ピリジノールカルバメートが挙げられる。
特定の実施形態において、血栓の除去または予防に有用な薬剤の投与は、特に、粥状動脈硬化および脈管構造(例えば、動脈)閉塞の治療において、miRNA調節薬の投与と組み合わせることができる。抗血栓剤および/または血栓素溶解剤の非限定的な例として、抗凝血剤、抗凝血剤アンタゴニスト、血小板凝集抑制薬、血栓溶解剤、血栓溶解剤アンタゴニストまたはそれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態において、例えば、アスピリンおよびワルファリン(wafarin)(クマジン)等、経口投与することのできる抗血栓剤が好ましい。
一部の実施形態において、miRNA調節薬は、1または複数の抗凝血剤と組み合わせることができる。抗凝血剤の非限定的な例として、アセノクマロール、アンクロッド、アニシンジオン、ブロミンジオン、クロリンジオン、クメタロール(coumetarol)、シクロクマロール(cyclocumarol)、デキストラン硫酸ナトリウム、ジクマロール、ジフェナジオン、エチルビスクムアセテート、エチリデンジクマロール、フルインジオン、ヘパリン、ヒルジン、リアポラート(lyapolate)ナトリウム、オキサジジオン(oxazidione)、ペントサンポリサルフェート、フェニンジオン、フェンプロクモン、ホスビチン、ピコタミド、チオクロマロールおよびワルファリンが挙げられる。
miRNA調節薬は、血小板凝集抑制薬および/または血栓溶解剤と組み合わせることができる。血小板凝集抑制薬の非限定的な例として、アスピリン、デキストラン、ジピリダモール(ペルサンチン)、ヘパリン、スルフィンピラノン(sulfinpyranone)(アンツラン(anturane))およびチクロピジン(チクリッド(ticlid))が挙げられる。血栓溶解剤の非限定的な例として、組織プラスミノーゲンアクチベーター(アクチバーゼ)、プラスミン、プロウロキナーゼ、ウロキナーゼ(アボキナーゼ)、ストレプトキナーゼ(ストレプターゼ(streptase))、アニストレプラーゼ/APSAC(エミナーゼ(eminase))が挙げられる。
患者が出血する、あるいは大量出血の可能性が高まる特定の実施形態において、血液凝固を増強し得る薬剤は、miRNA調節薬と組み合わせて用いることができる。血液凝固促進剤の非限定的な例として、血栓溶解剤アンタゴニストおよび抗凝血剤アンタゴニストが挙げられる。抗凝血剤アンタゴニストの非限定的な例として、プロタミンおよびビタミンK1が挙げられる。
miRNA調節薬と組み合わせることのできる血栓溶解剤アンタゴニストの非限定的な例として、アミノカプロン酸(amiocaproic acid)(アミカー(amicar))およびトラネキサム酸(アムスタット(amstat))が挙げられる。抗血栓剤の非限定的な例として、アナグレリド、アルガトロバン、シロスタゾール(cilstazol)、ダルトロバン(daltroban)、デフィブロチド、エノキサパリン、フラキシパリン(fraxiparine)、インドブフェン、ラモパラン(lamoparan)、オザグレル、ピコタミド、プラフィブリド(plafibride)、テデルパリン(tedelparin)、チクロピジンおよびトリフルサルが挙げられる。
特定の実施形態において、miRNA調節薬は、心血管状態の治療のための抗不整脈薬と組み合わせることができる。抗不整脈薬の非限定的な例として、クラスI抗不整脈薬(ナトリウムチャネル遮断薬)、クラスII抗不整脈薬(βアドレナリン遮断薬)、クラスIII抗不整脈薬(再分極延長薬)、クラスIV抗不整脈薬(カルシウムチャネル遮断薬)および種々の抗不整脈薬が挙げられる。
ナトリウムチャネル遮断薬は、クラスIA、クラスIBおよびクラスIC抗不整脈薬を含むが、これらに限定されるものではない。クラスIA抗不整脈薬の非限定的な例として、ジソピラミド(disppyramide)(ノルペース)、プロカインアミド(プロネスチル(pronestyl))およびキニジン(キニデクス(quinidex))が挙げられる。クラスIB抗不整脈薬の非限定的な例として、リドカイン(キシロカイン)、トカイニド(トノカード(tonocard))およびメキシレチン(メキシチール)が挙げられる。クラスIC抗不整脈薬の非限定的な例として、エンカイニド(エンカイド(enkaid))およびフレカイニド(タンボコール)が挙げられる。
別名、β−アドレナリン遮断薬、β−アドレナリンアンタゴニストまたはクラスII抗不整脈薬として知られている例示的なβ遮断薬として、アセブトロール(セクトラール)、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブフラロール、ブニトロロール、ブプラノロール、ブチドリン(butidrine)塩酸塩、ブトフィロロール(butofilolol)、カラゾロール(carazolol)、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール(cetamolol)、クロラノロール、ジレバロール、エパノロール、エスモロール(ブレビブロック)、インデノロール、ラベタロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール(moprolol)、ナドロール、ナドキソロール(nadoxolol)、ニフェナロール(nifenalol)、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プラクトロール、プロネタロール(pronethalol)、プロパノロール(propanolol)(インデラル)、ソタロール(ベタペース(betapace))、スルフィナロール(sulfinalol)、タリノロール、テルタトロール、チモロール、トリプロロール(toliprolol)およびキシビノロール(xibinolol)が挙げられる。特定の実施形態において、β遮断薬は、アリールオキシプロパノールアミン誘導体を含む。アリールオキシプロパノールアミン誘導体の非限定的な例として、アセブトロール、アルプレノロール、アロチノロール、アテノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブニトロロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、セタモロール、エパノロール、インデノロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、モプロロール、ナドロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、タリノロール、テルタトロール、チモロールおよびトリプロロールが挙げられる。
クラスIII抗不整脈薬の例として、アミオダロン(コーダロン(cordarone))およびソタロール(β-pace)等、再分極を延長する薬剤が挙げられる。カルシウムチャネル遮断薬としても知られているクラスIV抗不整脈薬の非限定的な例として、アリールアルキルアミン(例えば、ベプリジル(bepridile)、ジルチアゼム、フェンジリン、ガロパミル、プレニラミン、テロジリン、ベラパミル)、ジヒドロピリジン誘導体(フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン)、ピペラジン(piperazinde)誘導体(例えば、シンナリジン、フルナリジン、リドフラジン)またはベンシクラン、エタフェノン、マグネシウム、ミベフラジルもしくはペルヘキシリン等、種々のカルシウムチャネル遮断薬が挙げられる。特定の実施形態において、カルシウムチャネル遮断薬は、長時間作用性ジヒドロピリジン(ニフェジピン型)カルシウムアンタゴニストを含む。
本発明のmiRNA調節薬と組み合わせることのできる種々の抗不整脈薬の適切な例として、アデノシン(アデノカード(adenocard))、ジゴキシン(ラノキシン(lanoxin))、アセカイニド、アジュマリン、アモプロキサン、アプリンジン、ブレチリウムトシレート、ブナフチン、ブトベンジン(butobendine)、カポベン酸(capobenic acid)、シフェンリン、ジソピラミド(disopyranide)、ヒドロキニジン、インデカイニド、臭化イプラトロピウム(ipatropium bromide)、リドカイン、ロラジミン、ロルカイニド、メオベンチン(meobentine)、モリシジン、ピルメノール、プラジュマリン、プロパフェノン、ピリノリン(pyrinoline)、キニジンポリガラクツロ酸、キニジン硫酸塩およびビキジル(viquidil)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のさらに別の一実施形態において、miRNA調節薬は、降圧薬と組み合わせて投与することができる。降圧薬の非限定的な例として、交感神経遮断薬、α/β遮断薬、α遮断薬、抗アンジオテンシンII薬、β遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬および種々の降圧薬が挙げられる。
α−アドレナリン遮断薬またはα−アドレナリンアンタゴニストとして知られているα遮断薬の非限定的な例として、アモスラロール、アロチノロール、ダピプラゾール、ドキサゾシン、エルゴロイドメシル酸塩、フェンスピリド、インドラミン、ラベタロール、ニセルゴリン、プラゾシン、テラゾシン、トラゾリン、トリマゾシンおよびヨヒンビンが挙げられる。特定の実施形態において、α遮断薬は、キナゾリン誘導体を含むことができる。キナゾリン誘導体の非限定的な例として、アルフゾシン、ブナゾシン、ドキサゾシン、プラゾシン、テラゾシンおよびトリマゾシンが挙げられる。特定の実施形態において、降圧薬は、αおよびβアドレナリンアンタゴニストの両方である。α/β遮断薬の非限定的な例は、ラベタロール(ノルモダイン(normodyne)、トランデート)を含む。
抗アンジオテンシンII薬の非限定的な例として、アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびアンジオテンシンII受容体アンタゴニストが挙げられる。アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)の非限定的な例として、アラセプリル、エナラプリル(バソテック(vasotec))、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリラート、ホシノプリル、リシノプリル、モベルトプリル(moveltopril)、ペリンドプリル、キナプリルおよびラミプリルが挙げられる。アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、ANG受容体遮断薬またはANG−II1型受容体遮断薬(ARBS)としても知られているアンジオテンシンII受容体遮断薬の非限定的な例として、アンジオカンデサルタン(angiocandesartan)、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタンおよびバルサルタンが挙げられる。
交感神経遮断薬の非限定的な例として、中枢作用性交感神経遮断薬または末梢作用性交感神経遮断薬が挙げられる。中枢神経系(CNS)交感神経遮断薬としても知られている中枢作用性交感神経遮断薬の非限定的な例として、クロニジン(カタプレス)、グアナベンズ(ワイテンシン(wytensin))、グアンファシン(テネックス(tenex))およびメチルドパ(アルドメット)が挙げられる。末梢作用性交感神経遮断薬の非限定的な例として、神経節遮断薬、アドレナリン作動性ニューロン遮断薬、β−アドレナリン遮断薬またはα1−アドレナリン遮断薬が挙げられる。神経節遮断薬の非限定的な例として、メカミラミン(インバーシン(inversine))およびトリメタファン(アルフォナード(arfonad))が挙げられる。アドレナリン作動性ニューロン遮断薬の非限定的な例として、グアネチジン(イスメリン(ismelin))およびレセルピン(セルパシル(serpasil))が挙げられる。β−アドレナリン遮断薬の非限定的な例として、アセニトロール(acenitolol)(セクトラール)、アテノロール(テノーミン)、ベタキソロール(ケルロン(kerlone))、カルテオロール(カルトロール(cartrol))、ラベタロール(ノルモダイン、トランデート)、メトプロロール(ロプレッサー(lopressor))、ナダノール(nadanol)(コルガード(corgard))、ペンブトロール(レバトール(levatol))、ピンドロール(ビスケン(visken))、プロプラノロール(インデラル)およびチモロール(ブロカドレン(blocadren))が挙げられる。α1−アドレナリン遮断薬の非限定的な例として、プラゾシン(ミニプレス)、ドキサゾシン(doxazocin)(カルジュラ(cardura))およびテラゾシン(ハイトリン(hytrin))が挙げられる。
特定の実施形態において、心血管(cardiovasculator)治療薬は、本発明のmiRNA調節薬と同時投与することができる血管拡張薬(例えば、脳血管拡張薬、冠動脈血管拡張薬または末梢血管拡張薬)を含むことができる。特定の好ましい実施形態において、血管拡張薬は、冠動脈血管拡張薬を含む。冠動脈血管拡張薬の非限定的な例として、アモトリフェン(amotriphene)、ベンダゾール(bendazol)、ベンフロジルヘミスクシネート(benfurodil hemisuccinate)、ベンズヨーダロン、クロラシジン(chloracizine)、クロモナール、クロベンフロール(clobenfurol)、クロニトレート(clonitrate)、ジラゼプ、ジピリダモール、ドロプレニルアミン(droprenilamine)、エフロキサート、四硝酸エリスリチル(erythrityl tetranitrane)、エタフェノン、フェンジリン、フロレジル(floredil)、ガングレフェン(ganglefene)、ヘレストロール(herestrol)ビス(β−ジエチルアミノエチルエーテル)、ヘキソベンジン、イトラミントシレート、ケリン、リドフラジン(lidoflanine)、マンニトールヘキサニトラン(hexanitrane)、メジバジン(medibazine)、ニコルグリセリン(nicorglycerin)、四硝酸ペンタエリスリトール、ペントリニトロール(pentrinitrol)、ペルヘキシリン、ピメフィリン(pimefylline)、トラピジル、トリクロミル(tricromyl)、トリメタジジン、トロールニトラートリン酸塩およびビスナジンが挙げられる。
特定の実施形態において、血管拡張薬は、長期治療用血管拡張薬または高血圧緊急症血管拡張薬を含むことができる。長期治療血管拡張薬の非限定的な例として、ヒドララジン(アプレゾリン)およびミノキシジル(ロニテン(loniten))が挙げられる。高血圧緊急症血管拡張薬の非限定的な例として、ニトロプルシド(ニプリド(nipride))、ジアゾキシド(ヒペルスタット(hyperstat)IV)、ヒドララジン(アプレゾリン)、ミノキシジル(ロニテン)およびベラパミルが挙げられる。
種々の降圧薬の非限定的な例として、アジュマリン、γ−アミノ酪酸、ブフェニオド(bufeniode)、シクレタニン(cicletainine)、シクロシドミン(ciclosidomine)、クリプテナミンタンニン酸塩、フェノルドパム、フロセキナン、ケタンセリン、メブタメート、メカミラミン、メチルドパ、メチル4−ピリジルケトンチオセミカルバゾン、ムゾリミン、パルギリン、ペンピジン、ピナシジル、ピペロキサン、プリマペロン(primaperone)、プロトベラトリン、ラウバシン(raubasine)、レシメトール(rescimetol)、リルメニデン(rilmenidene)、サララシン、ニトロプルシドナトリウム(sodium nitrorusside)、チクリナフェン、トリメタファンカンシラート(camsylate)、チロシナーゼおよびウラピジルが挙げられる。
特定の実施形態において、降圧薬は、アリールエタノールアミン誘導体、ベンゾチアジアジン誘導体、N−カルボキシアルキル(ペプチド/ラクタム)誘導体、ジヒドロピリジン誘導体、グアニジン誘導体、ヒドラジン/フタラジン、イミダゾール誘導体、四級(quanternary)アンモニウム化合物、レセルピン誘導体またはスルホンアミド(suflonamide)誘導体を含むことができる。アリールエタノールアミン誘導体の非限定的な例として、アモスラロール、ブフラロール、ジレバロール、ラベタロール、プロネタロール、ソタロールおよびスルフィナロールが挙げられる。ベンゾチアジアジン誘導体の非限定的な例として、アルチジド(althizide)、ベンドロフルメサイアジド、ベンズサイアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ブチアジド(buthiazide)、クロロチアジド、クロルサリドン、シクロペンチアジド、シクロチアジド、ジアゾキシド、エピチアジド、エチアジド、フェンキゾン、ヒドロクロロチジド(hydrochlorothizide)、ヒドロフルメチジド(hydroflumethizide)、メチクロチアジド、メチクラン、メトラゾン、パラフルチジド(paraflutizide)、ポリチジド(polythizide)、テトラクロルメチアジド(tetrachlormethiazide)およびトリクロルメチアジドが挙げられる。N−カルボキシアルキル(ペプチド/ラクタム)誘導体の非限定的な例として、アラセプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、ホシノプリル、リシノプリル、モベルチプリル(moveltipril)、ペリンドプリル、キナプリルおよびラミプリルが挙げられる。ジヒドロピリジン誘導体の非限定的な例として、アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニソルジピンおよびニトレンジピンが挙げられる。グアニジン誘導体の非限定的な例として、ベタニジン、デブリソキン、グアナベンズ、グアナクリン(guanacline)、グアナドレル、グアナゾジン、グアネチジン、グアンファシン、グアノクロール(guanochlor)、グアノキサベンズおよびグアノキサンが挙げられる。ヒドラジン/フタラジンの非限定的な例として、ブドララジン、カドララジン、ジヒドララジン、エンドララジン、ヒドラカルバジン(hydracarbazine)、ヒドララジン、フェニプラジン(pheniprazine)、ピルドララジン(pildralazine)およびトドララジンが挙げられる。イミダゾール誘導体の非限定的な例として、クロニジン、ロフェキシジン、フェントラミン、チアメニジン(tiamenidine)およびトロニジンが挙げられる。四級アンモニウム化合物の非限定的な例として、臭化アザメトニウム(azamethonium bromide)、塩化クロリソンダミン、ヘキサメトニウム、ペンタシニウムビス(メチル硫酸)、臭化ペンタメトニウム(pentamethonium bromide)、酒石酸ペントリニウム、塩化フェナクトロピニウム(phenactropinium chloride)およびトリメチジニウムメトスルファート(trimethidinium methosulfate)が挙げられる。レセルピン誘導体の非限定的な例として、ビエタセルピン、デセルピジン、レシナミン、レセルピンおよびシロシンゴピンが挙げられる。スルホンアミド誘導体の非限定的な例として、アンブシド(ambuside)、クロパミド、フロセミド、インダパミド、キネタゾン、トリパミドおよびキシパミドが挙げられる。
別の一実施形態において、本発明のmiRNA調節薬は、昇圧薬と同時投与することができる。昇圧薬は、一般に、外科的処置において起こり得るショックの際に血圧を上昇させるために用いられる。抗降圧薬としても知られている昇圧薬の非限定的な例として、アメジニウムメチル硫酸塩、アンジオテンシンアミド、ジメトフリン、ドパミン、エチフェルミン(etifelmin)、エチレフリン、ゲペフリン、メタラミノール、ミドドリン、ノルエピネフリン、フォレドリン(pholedrine)およびシネフリンが挙げられる。
特定の実施形態において、本発明のmiRNA調節薬は、うっ血性心不全に対する治療と組み合わせて投与することができる。うっ血性心不全の治療のための例示的な薬剤として、抗アンジオテンシンII薬、後負荷−前負荷軽減治療、利尿剤および変力薬が挙げられるが、これらに限定されるものではない。利尿剤の非限定的な例として、チアジドまたはベンゾチアジアジン誘導体(例えば、アルチアジド、ベンドロフルメチアジド(bendroflumethazide)、ベンズサイアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ブチアジド、クロロチアジド、クロロチアジド、クロルサリドン、シクロペンチアジド、エピチアジド、エチアジド、エチアジド、フェンキゾン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジドエチアジド、メチクロチアジド、メチクラン、メトラゾン、パラフルチジド、ポリチアジド、テトラクロロメチアジド(tetrachloromethiazide)、トリクロルメチアジド)、有機水銀(例えば、クロルメロドリン、メラルリド(meralluride)、メルカムファミド(mercamphamide)、メルカプトメリンナトリウム(mercaptomerin sodium)、メルクマリル酸(mercumallylic acid)、マーキュマチリンナトリウム(mercumatilin dodium)、塩化第一水銀、マーサリル)、プテリジン(例えば、フルテレン(furterene)、トリアムテレン)、プリン(例えば、アセフィリン、7−モルホリノメチルテオフィリン、パモブロム(pamobrom)、プロテオブロミン、テオブロミン)、アルドステロンアンタゴニスト(例えば、カンレノン、オレアンドリン(oleandrin)、スピロノラクトン)等のステロイド、スルホンアミド誘導体(例えば、アセタゾラミド、アンブシド(ambuside)、アゾセミド、ブメタニド、ブタゾールアミド、クロラミノフェナミド(chloraminophenamide)、クロフェナミド、クロパミド、クロレキソロン、ジフェニルメタン−4,4’−ジスルホンアミド、ジスルファミド、エトキシゾラミド、フロセミド、インダパミド、メフルシド、メタゾラミド、ピレタニド、キネタゾン、トラセミド、トリパミド、キシパミド)、ウラシル(例えば、アミノメトラジン(aminometradine)、アミ
ソメトラジン(amisometradine))、カリウム保持性アンタゴニスト(例えば、アミロライド、トリアムテレン)、またはアミノジン(aminozine)、アルブチン、クロラザニル(chlorazanil)、エタクリン酸、エトゾリン、ヒドラカルバジン、イソソルビド、マンニトール、メトカルコン(metochalcone)、ムゾリミン、ペルヘキシリン、チクルナフェン(ticrnafen)および尿素等の種々の利尿剤が挙げられる。
ソメトラジン(amisometradine))、カリウム保持性アンタゴニスト(例えば、アミロライド、トリアムテレン)、またはアミノジン(aminozine)、アルブチン、クロラザニル(chlorazanil)、エタクリン酸、エトゾリン、ヒドラカルバジン、イソソルビド、マンニトール、メトカルコン(metochalcone)、ムゾリミン、ペルヘキシリン、チクルナフェン(ticrnafen)および尿素等の種々の利尿剤が挙げられる。
特定の実施形態において、アンジオテンシンアンタゴニストに耐性を示すことのできない患畜は、ヒドララジン(アプレゾリン)およびイソソルビドジニトラート(アイソーディル(isordil)、ソルビトレート(sorbitrate))をmiRNA調節薬と共に投与する等、併用療法により治療してよい。
本発明のmiRNA調節薬は、変力薬と組み合わせることができる。一部の実施形態において、変力薬は陽性変力薬である。強心剤としても知られている陽性変力薬の非限定的な例として、アセフィリン、アセチルジギトキシン、2−アミノ−4−ピコリン、アムリノン、ベンフロジルヘミスクシネート、ブクラデシン、セレベロシン(cerberosine)、カンホタミド(camphotamide)、コンバラトキシン(convallatoxin)、シマリン、デノパミン、デスラノシド、ジギタリン、ジギタリス、ジギトキシン、ジゴキシン、ドブタミン、ドパミン、ドペキサミン、エノキシモン、エリトロフレイン(erythrophleine)、フェナルコミン(fenalcomine)、ジタリン(gitalin)、ジトキシン(gitoxin)、グリコシアミン、ヘプタミノール、ヒドラスチニン(hydrastinine)、イボパミン、ラナトシド、メタミバム(metamivam)、ミルリノン、ネリホリン(nerifolin)、オレアンドリン、ウワバイン、オキシフェドリン、プレナルテロール、プロスシラリジン、レジブフォゲニン(resibufogenin)、シラレン(scillaren)、シラレニン(scillarenin)、ストロファンチン(strphanthin)、スルマゾール、テオブロミンおよびキサモテロールが挙げられる。
特別な実施形態において、変力薬は、強心配糖体、β−アドレナリンアゴニストまたはホスホジエステラーゼ阻害剤である。強心配糖体の非限定的な例として、ジゴキシン(ラノキシン)およびジギトキシン(クリストジギン(crystodigin))が挙げられる。β−アドレナリンアゴニストの非限定的な例として、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、クロルプレナリン、デノパミン、ジオキセテドリン(dioxethedrine)、ドブタミン(ドブトレックス)、ドパミン(イントロピン(intropin))、ドペキサミン、エフェドリン、エタフェドリン(etafedrine)、エチルノルエピネフリン、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イボパミン、イソエタリン、イソプロテレノール、マブテロール、メタプロテレノール、メトキシフェナミン、オキシフェドリン、ピルブテロール、プロカテロール、プロトキロール(protokylol)、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、ソテレノール(soterenol)、テルブタリン、トレトキノール、ツロブテロールおよびキサモテロールが挙げられる。ホスホジエステラーゼ阻害剤の非限定的な例として、アムリノン(イノコール(inocor))が挙げられる。
抗狭心症薬は、有機硝酸塩、カルシウムチャネル遮断薬、β遮断薬およびそれらの組合せを含むことができる。
ニトロ血管拡張薬としても知られている有機硝酸塩の非限定的な例として、ニトログリセリン(ニトロビッド(nitro-bid)、ニトロスタット(nitrostat))、イソソルビドジニトラート(アイソーディル、ソルビトレート)および硝酸アミル(アスピロール(aspirol)、バポロール(vaporole))が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明のmiRNA調節薬は、心血管疾患の治療のためのエンドセリンと同時投与される。エンドセリン(ET)は、心不全の発症に関与すると考えられる強力な生理学的および病態生理学的効果を有する21アミノ酸ペプチドである。ETの効果は、2クラスの細胞表面受容体との相互作用によって媒介される。A型受容体(ET-A)は血管収縮および細胞増殖に関与し、一方B型受容体(ET-B)は内皮−細胞媒介血管拡張に関与し、アルドステロン等、他の神経ホルモンの放出に関与する。ET産生、またはその関連細胞を刺激する能力のいずれかを抑制することのできる薬物は、本技術分野で既知である。ETの産生の抑制は、その前駆体から活性型ペプチドのプロセシングに関与する、エンドセリン変換酵素と呼ばれる酵素を遮断する薬剤の使用に関与する。細胞を刺激するETの能力の抑制は、ETとその受容体との相互作用を遮断する薬剤の使用に関与する。エンドセリン受容体アンタゴニスト(ERA)の非限定的な例として、ボセンタン、エンラセンタン(Enrasentan)、アンブリセンタン、ダルセンタン、テゾセンタン、アトラセンタン、アボセンタン(Avosentan)、クラゾセンタン、エドネンタン(Edonentan)、シタクスセンタン、TBC3711、BQ123およびBQ788が挙げられる。
特定の実施形態において、miRNA調節薬と組み合わせることのできる二次治療薬は、例えば、予防的、診断的またはステージ分類的な、根治的および対症的外科手術を含むある種の外科手術を含むことができる。外科手術、特に根治的外科手術は、本発明のmiRNA調節薬および1または複数の他の薬剤等、他の治療と併せて用いることができる。
血管および心血管の疾患および障害のためのこのような外科手術用治療薬は当業者によく知られており、生物に対する外科手術の実施、心血管機械的人工器官の提供、血管形成、冠動脈再灌流、カテーテルアブレーション、対象への植え込み型除細動器の提供、機械的循環補助またはそれらの組合せを含むことができるが、これらに限定されるものではない。本発明に用いることのできる機械的循環補助の非限定的な例は、大動脈内バルーンカウンターパルゼーション、左室補助装置またはそれらの組合せを含む。
臨床的な適用を意図する場合、表3〜6に同定される1または複数のmiRNAの調節薬を含む医薬組成物は、意図される適用に適切な形態で調製される。一般に、これは、発熱物質およびヒトまたは動物に対して有害でありうる他の不純物を本質的に含まない組成物の調製を伴う。高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを包含する脂質ベースの系など、コロイド分散系を、マイクロRNA機能のオリゴヌクレオチド阻害剤またはmiRNAアゴニスト(例えば、特定のmiRNAを発現するコンストラクトまたはmiRNAをコードするポリヌクレオチド)のための送達担体として用いることができる。心筋組織および平滑筋組織などの組織に対して本発明の核酸を送達するのに適する市販の脂質エマルジョンには、Intralipid(登録商標)、Liposyn(登録商標)、Liposyn(登録商標)II、Liposyn(登録商標)III、Nutrilipid、および他の類似の脂質エマルジョンが含まれる。in vivoにおける送達担体として用いるのに好ましいコロイド系は、リポソーム(すなわち、人工膜小胞体)である。このような系の調製および使用は、当技術分野でよく知られている。例示的な製剤はまた、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,981,505号;同第6,217,900号;同第6,383,512号;同第5,783,565号;同第7,202,227号;同第6,379,965号;同第6,127,170号;同第5,837,533号;同第6,747,014号;および国際公開03/093449においても開示されている。
一般に、核酸、アゴニスト、阻害剤および送達担体を安定させ、標的細胞による取込みを可能とするのに適する塩および緩衝液を用いることが所望される。緩衝液はまた、組換え細胞が患者に導入される場合にも用いられる。本発明の水性組成物は、薬学的に許容される担体または水性媒体中において溶解または分散した有効量の作用物質を含む。「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」という語句は、動物またはヒトに投与した場合に、有害反応、アレルギー性反応、または他の都合の悪い反応をもたらさない分子的実体および組成物を指す。本明細書で用いられる「薬学的に許容される担体」には、ヒトに対する投与に適する薬剤などの薬剤を製剤化するのに用いるのに許容される、溶媒、緩衝液、溶液、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。薬学的活性物質のためのこのような媒体および作用物質の使用は、当技術分野でよく知られている。従来の媒体または作用物質は本発明の有効成分に適合しない場合を除いて、治療組成物における使用が意図される。それらが該組成物のベクターまたは核酸を不活化しない場合は、補完的な有効成分もまた組成物中に組み込むことができる。
本発明の活性組成物は、従来の医薬調製物を包含する。本発明によるこれらの組成物の投与は、その経路を介して標的組織に達しうる限りにおいて、任意の一般的な経路を介しうる。これには、経口経路、鼻腔内経路、または口腔内経路が含まれる。あるいは、投与は、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、または静脈内注射を介する場合もあり、心筋組織内への直接的な注射による場合もある。miRNAの阻害剤またはアゴニストを含む医薬組成物はまた、カテーテルシステムを介して投与してもよく、心臓への治療薬の送達のために冠動脈循環を分離するシステムを介して投与することもできる。当技術分野では、心臓および冠動脈血管系へと治療薬を送達するための各種のカテーテルシステムが知られている。本発明において用いるのに適する、カテーテルベースの送達方法または冠動脈分離方法の一部の非限定的な例は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第6,416,510号;米国特許第6,716,196号;米国特許第6,953,466号;国際公開2005/082440;国際公開2006/089340;米国特許公開第2007/0203445号;米国特許公開第2006/0148742号;および米国特許公開第2007/0060907号において開示されている。このような組成物ならば通常、前出に記載の通り、薬学的に許容される組成物として投与されるであろう。
活性化合物はまた、非経口投与も腹腔内投与も可能である。例示を目的として述べると、遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と、適切に混合された水中において調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびこれらの混合物中、ならびに油中おいても調製することができる。保管および使用の通常の条件下において、これらの調製物は一般に、微生物の増殖を防止する防腐剤を含有する。
注射用の使用またはカテーテル送達に適する医薬形態には、例えば、無菌の水溶液または分散液、および無菌の注射用溶液または注射用分散液を即時調製するための無菌粉末が含まれる。一般に、これらの調製物は無菌であり、容易な注射可能性が存在する程度において流体である。調製物は、製造条件および保管条件の下において安定であり、細菌および真菌など、微生物の汚染作用に対して保護されるべきである。適切な溶媒または分散媒は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体のポリエチレングリコールなど)、これらの適切な混合物、および植物油を含有しうる。適正な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合は必要とされる粒子サイズの維持により、また界面活性剤の使用により維持することができる。微生物作用の防止は、各種の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによりもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを組み入れることが好ましいであろう。注射用組成物の長時間吸収は、組成物中における吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらすことができる。
無菌の注射用溶液は、所望の他の任意の成分(例えば、上記で列挙された)と共に、活性化合物を適切な量で溶媒内へと組み込んだ後で、濾過による滅菌を行うことにより調製することができる。一般に、分散液は、基本的な分散媒、また例えば、上記で列挙した通りの他の所望の成分を含有する無菌の媒体内へと、各種の無菌の有効成分を組み込むことにより調製することができる。無菌の注射用溶液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法には、(1つまたは複数の)有効成分に、あらかじめ無菌で濾過されたそれらの溶液に由来する任意のさらなる所望の成分を添加した粉末をもたらす、真空乾燥法および凍結乾燥法が含まれる。
本発明の組成物は一般に、中性または塩の形態で製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、例えば、無機酸(例えば、塩酸またはリン酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデリン酸など)に由来する酸添加塩(タンパク質の遊離アミノ基により形成される)が含まれる。タンパク質の遊離カルボキシル基により形成される塩はまた、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄)に由来する場合もあり、有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど)に由来する場合もある。
製剤化されたら、溶液は、投与製剤に適合する形で、かつ治療的に有効であるような量で投与することが好ましい。製剤は、注射用溶液、薬剤放出カプセルなど、各種の形態において容易に投与することができる。水溶液中における非経口投与の場合、例えば一般には、溶液を適する形で緩衝し、例えば、まず十分な生理食塩水またはグルコースにより希釈液を等張とする。このような水溶液は、例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、および腹腔内投与に用いることができる。特に、本開示に照らすと、当業者に知られる通り、無菌の水性媒体を用いることが好ましい。例示を目的として述べると、1回の用量は、等張NaCl溶液1ml中に溶解させてから、皮下注入液1000mlに添加することも、提起される注入部位に注射することもできる(例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第15版、1035〜1038および1570〜1580頁を参照されたい)。治療される対象の状態に応じて、用量には何らかの変化が必然的に生じる。投与責任者は、いずれにせよ、個々の対象に適切な用量を決定する。さらに、ヒトへの投与の場合、調製物は、FDAの生物学的製剤事務局基準により要請される無菌性、発熱物質性、一般的な安全性、および純度の基準を満たすものとする。
本明細書において、用語「心不全」は、心臓の血液を送り出す能力を低下させる任意の状態を意味するよう広く用いられている。その結果、うっ血および浮腫が組織に生じる。最も頻繁には、心不全は、冠動脈血流の低下によって生じる心筋の収縮性の低下に起因する。しかし、心臓弁の損傷、ビタミン欠乏症および原発性心筋疾患等、多くの他の要因も心不全の原因となり得る。心不全の正確な生理学的機序は完全には分かっていないが、心不全は一般に、交感神経、副交感神経および圧受容器応答等、数種類の心臓自律神経的性質の障害に関与すると考えられている。語句「心不全の症状」は、心不全に関連する研究上の知見を含む、息切れ、圧痕性浮腫、圧痛を伴う肝臓肥大、頸静脈充血、肺ラ音その他等、心不全に関連するあらゆる後遺症を包含するよう広く用いられている。
用語「治療」またはその文法的な同義語は、心不全の症候(すなわち、心臓の血液を送り出す能力)の改善および/または回復を包含する。心臓の「生理学的機能の改善」は、本明細書に記載されている測定値(例えば、駆出率、短縮率、左室内法、心拍数の測定値等)のいずれかと共に、動物生存における任意の効果を用いて評価することができる。
本明細書において、用語「心肥大」は、成体の心筋細胞が肥大成長によるストレスに応答するプロセスを意味する。このような成長は、細胞分裂なしで細胞サイズ増加、細胞内に追加的に筋節が集合して力発生を最大化すること、および胎児心臓の遺伝子プログラムの活性化によって特徴付けられる。心肥大は多くの場合、罹患率および死亡率のリスク増加に関連し、したがって心肥大の分子機序の理解を目的とする研究は、ヒトの健康に重大な影響を及ぼす。
用語「心筋梗塞」またはMIは、心筋の酸素供給と需要との間の不均衡に起因する心筋壊死の急速な発症であり、これは多くの場合、冠血管において血栓形成するプラーク破裂によって生じ、心筋の一部への急性の血液供給低下をもたらす。多くのMI事象は、「無症候性」か、または臨床的に認識されないが、その場合もこの定義に包含される。循環における心臓マーカーの出現は一般に心筋壊死を示唆し、診断の有用な補助である。このようなマーカーは、ST上昇MI(STEMI)、非ST上昇MI(NSTEMI)および不安定狭心症を含む。
本明細書で論じられる任意の実施形態は、本発明の任意の方法または組成物との関連で実装しうることが意図され、またこの逆も意図される。さらに、本発明の組成物およびキットは、本発明の方法を達成するのに用いることができる。本出願の全体において、「約」という用語は、ある値が、該値を決定するのに用いられるデバイスまたは方法についての誤差の標準偏差を包含することを示すのに用いられる。特許請求の範囲における「または」という用語は、代替物のみを指すことが明示的に示されるか、または代替物が相互に除外的でない限り、「および/または」を意味するように用いられるが、本開示は、代替物のみ、ならびに「および/または」を指す定義を支持する。
本明細書および(1つまたは複数の)請求項において用いられる「含む(comprising)」(ならびに「comprise」および「comprises」など、「comprising」の任意の形態)、「有する(having)」(ならびに「have」および「has」など、「having」の任意の形態)、「包含する(including)」(ならびに「includes」および「include」など、「includingの任意の形態)、または「含有する(containing)」(ならびに「contains」および「contain」など、「containing」の任意の形態)という語は、包含的またはオープンエンドであり、列挙されていないさらなる要素または方法の工程を除外しない。
本発明を、限定的に解釈されるべきでない以下のさらなる実施例によってさらに例示する。当業者は、開示される具体的な実施形態において、多数の変更を行うことができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果がなおも得られることを、本開示に照らして理解されたい。
(実施例1)心筋梗塞後リモデリングにおいて制御されるマイクロRNAの同定
心筋梗塞後(MI後)リモデリングにおいて、左心室は、大まかに2領域に分けることができる。すなわち、(a)梗塞領域および(b)遠隔心筋である。広範囲の線維症および筋細胞減少は、梗塞治癒における心筋リモデリングの初期段階の主要な特徴であるが、心筋細胞肥大および間質性線維症は、MI後の非梗塞心筋において発生する(図1A)。MI後リモデリングに関与するmiRNAを同定するための努力の一環において、左前下行枝(LAD)の閉塞によってMIを誘導し、MI後3日目と14日目のマウス心臓における梗塞領域の境界域と非梗塞(遠隔)心筋の両方におけるmiRNA発現プロファイルを、シャム手術した動物のmiRNA発現プロファイルと比較した(図1B〜Cならびに表3および4)。マイクロアレイに示されている569個の各miRNAのうち、40個のmiRNAがMI誘導3日後の梗塞領域の境界域において有意に制御され、17個のmiRNAは2倍以上の発現上昇を示し、23個のmiRNAは2倍以上の発現低下を示した。さらに、遠隔心筋において22個のmiRNAが変化した様子を示し、12個のmiRNAは2倍以上の発現上昇を示し、10個のmiRNAは2倍以上の発現低下を示した(表3および4)。MIの2週間後、69個のmiRNAは梗塞領域の境界域において2倍を超えて制御され、一方40個のmiRNAは遠隔心筋において2倍を超える変化を示した(表3および4)。miRNA特異的プローブを用いたリアルタイムPCR解析により、アレイのデータを確認した(図1D)。
心筋梗塞後(MI後)リモデリングにおいて、左心室は、大まかに2領域に分けることができる。すなわち、(a)梗塞領域および(b)遠隔心筋である。広範囲の線維症および筋細胞減少は、梗塞治癒における心筋リモデリングの初期段階の主要な特徴であるが、心筋細胞肥大および間質性線維症は、MI後の非梗塞心筋において発生する(図1A)。MI後リモデリングに関与するmiRNAを同定するための努力の一環において、左前下行枝(LAD)の閉塞によってMIを誘導し、MI後3日目と14日目のマウス心臓における梗塞領域の境界域と非梗塞(遠隔)心筋の両方におけるmiRNA発現プロファイルを、シャム手術した動物のmiRNA発現プロファイルと比較した(図1B〜Cならびに表3および4)。マイクロアレイに示されている569個の各miRNAのうち、40個のmiRNAがMI誘導3日後の梗塞領域の境界域において有意に制御され、17個のmiRNAは2倍以上の発現上昇を示し、23個のmiRNAは2倍以上の発現低下を示した。さらに、遠隔心筋において22個のmiRNAが変化した様子を示し、12個のmiRNAは2倍以上の発現上昇を示し、10個のmiRNAは2倍以上の発現低下を示した(表3および4)。MIの2週間後、69個のmiRNAは梗塞領域の境界域において2倍を超えて制御され、一方40個のmiRNAは遠隔心筋において2倍を超える変化を示した(表3および4)。miRNA特異的プローブを用いたリアルタイムPCR解析により、アレイのデータを確認した(図1D)。
これらの同定されたmiRNAのヒト心臓における制御を調べるため、心臓移植を受けた患者から採取した梗塞領域境界域由来の心臓組織を得た。リアルタイムPCR解析により、マウスMIモデルにおいて制御されるmiRNAのうち、数個がヒト心臓において同様に制御されたことを確認した。例えば、miR−21、miR−214およびmiR−223は、梗塞巣の境界域において著しい発現上昇を示したが、一方miR−29bおよびmiR−149の発現は、有意に下方制御されていた(図1E)。miR−21のノーザンブロット解析は、リアルタイムの発現データを立証した(図1F)。これらの結果は、虚血に応答した心臓リモデリングにおいて制御されるmiRNAの集合を明らかにする。
具体的な方法
外科的処置。成体のC57/BL6雄マウスを2.4%イソフルランで麻酔し、加温パッド(37℃)上に仰臥位で置いた。動物に19Gスタンプ針を挿管し、MiniVentマウス人工呼吸器(Hugo Sachs Elektronik、ドイツ;心拍出量250μl、呼吸数毎分210呼吸)を用いて室内の空気で人工呼吸した。第4肋骨と第5肋骨との間を左開胸することにより、左前下行枝(LAD)を顕微鏡下で可視化し、6−0プロレン(prolene)縫合を用いて結紮した。解剖顕微鏡(Leica)下で目視検査して、閉塞した遠位心筋の変色により限局性虚血を確認した。シャム手術した動物は、LAD動脈を閉塞する以外は同じ手順を受けた。
外科的処置。成体のC57/BL6雄マウスを2.4%イソフルランで麻酔し、加温パッド(37℃)上に仰臥位で置いた。動物に19Gスタンプ針を挿管し、MiniVentマウス人工呼吸器(Hugo Sachs Elektronik、ドイツ;心拍出量250μl、呼吸数毎分210呼吸)を用いて室内の空気で人工呼吸した。第4肋骨と第5肋骨との間を左開胸することにより、左前下行枝(LAD)を顕微鏡下で可視化し、6−0プロレン(prolene)縫合を用いて結紮した。解剖顕微鏡(Leica)下で目視検査して、閉塞した遠位心筋の変色により限局性虚血を確認した。シャム手術した動物は、LAD動脈を閉塞する以外は同じ手順を受けた。
組織学的解析およびRNA in situハイブリダイゼーション。組織学検査用の組織をKrebs−Henselheit溶液中でインキュベートし、4%パラホルムアルデヒド中で固定し、切片化し、ヘマトキシリン−エオシン(H&E)およびMassonのトリクローム染色で処理、または標準的な技法によるin situハイブリダイゼーションを行った(Sheltonら、2000年)。
miRNAのマイクロアレイ。サービス会社(LC Sciences)を利用してマイクロアレイアッセイを行った。全RNA試料10μgからアッセイを開始し、YM−100 Microcon遠心フィルター(Millipore製)を用いて試料をサイズ分画し、単離された低分子RNA(<300nt)を、ポリ(A)ポリメラーゼを用いてポリ(A)テールにより3’伸長した。次に、その後の蛍光色素染色のため、オリゴヌクレオチドタグをポリ(A)テールにライゲーションした。二重試料実験において、2種のRNA試料に対し2種類の異なるタグを用いた。微小循環ポンプを用いてμParafloマイクロ流体チップ上で一晩ハイブリダイゼーションを行った(Atactic Technologies)(Gaoら、2004年)。マイクロ流体チップにおいて、各検出プローブは、標的マイクロRNA(miRBaseウェブサイトより)または他のRNA(対照またはユーザーが規定した配列)と相補的な化学修飾ヌクレオチドコードセグメントと、該コードセグメントを基質から離して伸長するためのポリエチレングリコールスペーサーセグメントからなる。検出プローブは、PGR(光生成試薬)化学を用いたin situ合成によって作製される。ハイブリダイゼーションの融解温度は、検出プローブの化学修飾を考慮してバランスを取った。ハイブリダイゼーションは、25%ホルムアミドを含む6×SSPEバッファー(0.90M NaCl、60mM Na2HPO4、6mM EDTA、pH6.8)100μLを用いて34℃で行った。RNAハイブリダイゼーションの後、タグとコンジュゲートするCy3およびCy5色素を、色素染色のためマイクロ流体チップを通して循環させた。レーザースキャナ(GenePix 4000B、Molecular Device)を用いて蛍光画像を取得し、Array−Pro画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics)を用いてデジタル化した。先ずバックグラウンドを差し引き、次にLOWESSフィルター(局所加重回帰)(Bolstadら、2003年)を用いてシグナルを正規化することによりデータを解析した。二色実験のため、2セットの検出シグナル比(log2変換、平衡化)およびt検定のp値を算出した。示差的に検出されるシグナルは、p値が0.01未満のシグナルである。
RT−PCRおよびリアルタイム解析。miRNAレベルを検出するため、TaqmanマイクロRNA逆転写酵素キット(Applied Biosystems、ABI)を用いて、メーカーの推奨に従ってRT−PCRを行った。RNA5ngを用いてmiRNA特異的プライマーによりcDNAを作製し、その後miRNA特異的Taqmanプローブにより対象miRNAの発現レベルを検出した。ランダムヘキサマープライマー(Invitrogen)によるRNA試料のRT−PCRの後、ABIから購入したTaqmanプローブを用い、PCRか定量的リアルタイムPCRのいずれかにより遺伝子サブセットの発現を解析した。
ノーザンブロット解析。Trizol試薬(GibcoIBRL)を用いて、マウスおよびヒトの心臓組織試料または単離筋細胞から全RNAを単離した。心筋梗塞に罹患していると診断された匿名のヒトの境界域の領域の心臓組織試料を得た。ノーザン用のゲルをエチジウムブロマイドで染色することにより、ローディング量が等しいことを確認した。以前に記載された通り(van Rooijら、2006年)、マイクロRNAを検出するためのノーザンブロットを行った。U6プローブはローディング対照として用いた。
(実施例2)ヒト心不全において制御されるマイクロRNAの同定
ヒト心不全においていずれのmiRNAが制御されるか決定するため、健康な心臓組織と特発性拡張型心筋症(IDC)に罹患した患者の心臓組織の両方からRNAを単離し、miRNAのマイクロアレイを行った。測定した全711個のmiRNAのうち、31個が有意に上方制御され(表5)、一方45個のmiRNAが有意に下方制御される(表6)ことが判明した。
ヒト心不全においていずれのmiRNAが制御されるか決定するため、健康な心臓組織と特発性拡張型心筋症(IDC)に罹患した患者の心臓組織の両方からRNAを単離し、miRNAのマイクロアレイを行った。測定した全711個のmiRNAのうち、31個が有意に上方制御され(表5)、一方45個のmiRNAが有意に下方制御される(表6)ことが判明した。
上方制御されるmiRNAのうち、マウスの心肥大およびリモデリングにおいて制御されることを本出願人らが以前に見出した数個のmiRNA(例えば、miR-214、miR-21、miR-195、miR-15b、miR-199a、miR-26aならびにmiR-23aおよびb)が同定された。上方制御されるmiRNAにおけるこの重複は、これらのmiRNAが心臓の異なる疾患プロセスに関与し、病状に積極的に影響を与える可能性を示唆する。興味深いことに、罹患試料において有意に誘導される他のmiRNAも数個存在し、これらは疾患に積極的に関与し得る(表5)。例えば、let−7ファミリー全メンバーの上方制御が観察された。
下方制御されるmiRNAのうち、マウスの心肥大およびリモデリングにおいて制御されることを以前に見出した数個のmiRNAが同定された。例えば、ヒト心不全試料においてmiR−29ファミリー全3種のメンバー(miR-29a、miR-29bおよびmiR-29c)は下方制御された。ヒト心不全試料において同様に下方制御されるmiR−101は、近年、マウスにおいて心筋梗塞後に下方制御されることが確認された。miR−133およびmiR−1は、ヒト試料において両者共に下方制御され、これらのmiRNAは両者共に、マウスの心肥大およびリモデリングモデルにおいて下方制御されることが報告されている(van Rooijら、(2008年)Trends in Genetics、24(4)巻: 159〜166頁において概説されている)。制御されるmiRNAにおけるこの重複は、心疾患におけるこれらの同定されたmiRNAの有望な役割を暗示する(表6)。興味深いことに、miR−30ファミリー全5種のメンバー(miR-30a、miR-30b、miR-30c、miR-30dおよびmiR-30e)はヒト心不全試料において下方制御された。
これらのデータは、miRがヒト心不全のプロセスにおいて制御され、積極的に関与することを示す。これらの同定されたmiRNAの操作は、治療法開発のためのいくつかの独自の機会を提起する。
(実施例3)MI後のmiR−29発現の下方制御
MI後に制御されるmiRのうち、miR−29ファミリー全3種のメンバーがMIに応答して下方制御された。このmiRNAファミリーは、2個のバイシストロニックmiRNAクラスターから発現する3種のメンバーからなる。miR−29b−1はmiR−29aと同時発現し、一方miR−29bの第2のコピー(miR-29b-2)はmiR−29cと同時発現する。全ファミリーメンバーは保存シード領域を共有し、miR−29aおよびmiR−29cは、miR−29b配列とは1塩基のみが異なる(図2A)。複数のマウス組織のノーザン解析は、全3種のmiR−29ファミリーメンバーにおいて、肺および肝臓において最大の発現を有する類似の発現パターンを示した。3種のメンバーのうち、miR−29bは心臓で最も顕著であると考えられる(図2B)。心筋細胞および線維芽細胞を単離することによって、本発明者らは、miR−29が線維芽細胞集団において優先的に発現することを見出した。miR−29ファミリーメンバーの発現レベルは、無血清培地(SF)中に維持、または肥大症アゴニストのフェニレフリン(PE)で刺激した心筋細胞における発現レベルよりも、心臓の線維芽細胞において5〜12倍高かった(図2C)。
MI後に制御されるmiRのうち、miR−29ファミリー全3種のメンバーがMIに応答して下方制御された。このmiRNAファミリーは、2個のバイシストロニックmiRNAクラスターから発現する3種のメンバーからなる。miR−29b−1はmiR−29aと同時発現し、一方miR−29bの第2のコピー(miR-29b-2)はmiR−29cと同時発現する。全ファミリーメンバーは保存シード領域を共有し、miR−29aおよびmiR−29cは、miR−29b配列とは1塩基のみが異なる(図2A)。複数のマウス組織のノーザン解析は、全3種のmiR−29ファミリーメンバーにおいて、肺および肝臓において最大の発現を有する類似の発現パターンを示した。3種のメンバーのうち、miR−29bは心臓で最も顕著であると考えられる(図2B)。心筋細胞および線維芽細胞を単離することによって、本発明者らは、miR−29が線維芽細胞集団において優先的に発現することを見出した。miR−29ファミリーメンバーの発現レベルは、無血清培地(SF)中に維持、または肥大症アゴニストのフェニレフリン(PE)で刺激した心筋細胞における発現レベルよりも、心臓の線維芽細胞において5〜12倍高かった(図2C)。
4体の異なる動物における、梗塞部位の境界域と遠隔心筋の両方におけるmiR−29b発現のノーザン解析は、MIに応答した非常に一貫した発現低下を立証した。ベースラインレベルおよび遠隔心筋における発現と比較すると、miR−29bのレベルは、MI後3日目の梗塞部位において一貫して下方制御された(図2D)。リアルタイムRT−PCR解析により、MI後3日以内にmiR−29ファミリー全3種のメンバーが発現低下することをさらに確認した。しかし、梗塞が治癒し、二次リモデリングが進行中である場合、miR−29の発現は、14日目までに梗塞巣に隣接する領域(例えば、境界域)において低下し続けていた(図2E)。
(実施例4)miR−29は線維症遺伝子の発現を制御する
MI後の心臓におけるmiR−29a〜cの可能性のある機能の定義を始めるために、本発明者らは、計算による予測を利用してmiR−29a〜c標的候補を同定した。Targetscan予測ウェブサイトは、miR−29a〜cの標的候補として、コラーゲン、メタロペプチダーゼおよびインテグリンをコードする予想外に多くの線維症関連mRNAを示した(ワールドワイドウェブのtargetscan.org)。miR−29a〜cの下方制御が心臓の線維症を制御し得るか決定するため、本発明者らは、心臓におけるECM産生と関連付けられる予測標的に注目した。エラスチン(ELN)、フィブリリン1(FBN1)、Iα1およびα2型コラーゲン(COL1A1、COL1A2)ならびにIIIα1型コラーゲン(COL3A1)の全てが、miR−29a〜cの1または複数の保存シード配列候補を含む(図3A)。
MI後の心臓におけるmiR−29a〜cの可能性のある機能の定義を始めるために、本発明者らは、計算による予測を利用してmiR−29a〜c標的候補を同定した。Targetscan予測ウェブサイトは、miR−29a〜cの標的候補として、コラーゲン、メタロペプチダーゼおよびインテグリンをコードする予想外に多くの線維症関連mRNAを示した(ワールドワイドウェブのtargetscan.org)。miR−29a〜cの下方制御が心臓の線維症を制御し得るか決定するため、本発明者らは、心臓におけるECM産生と関連付けられる予測標的に注目した。エラスチン(ELN)、フィブリリン1(FBN1)、Iα1およびα2型コラーゲン(COL1A1、COL1A2)ならびにIIIα1型コラーゲン(COL3A1)の全てが、miR−29a〜cの1または複数の保存シード配列候補を含む(図3A)。
miRNAは、その標的mRNAの定常状態レベルおよび翻訳を下方制御できるため、本発明者らは、予測されるmiR−29a〜c mRNA標的の発現を解析した。心臓の線維症のこれらの主要制御遺伝子のMI後3日目の心臓試料におけるリアルタイムRT−PCR解析は、COL1A1、COL1A2、COL3A1およびFBN1の発現上昇と相関する梗塞領域におけるmiR−29a〜cの特異的下方制御を示した。対照的に、ELNは境界域において変化を示さず、さらに遠隔心筋における上昇を示した(図3B)。
CMV駆動型発現プラスミドを用いた予測miR−29a〜c標的の3’−UTRを含むルシフェラーゼ発現プラスミドにより、本発明者らは、COS細胞においてmiR−29b−1およびmiR−29aを過剰発現させた(図3C)。CMVが駆動するmiR−29b−1/miR−29a量の増加は、ルシフェラーゼ活性の用量依存的低下をもたらしたが、同等量のmiR−206(対照miRNA)では効果がなかった(図3D)。これらの結果は、これらのmRNAがmiR−29a〜cによる抑制標的であるという結論を支持する。
具体的な方法
細胞培養、トランスフェクションおよびルシフェラーゼアッセイ。miR−29b−1およびmiR−29aコード領域を包含する1793bpのゲノムフラグメントをPCRにより増幅し、pCMV6にライゲーションした。miR−29結合部位(複数可)を包含するマウス3’UTRのゲノムフラグメントをPCR増幅し、ホタルルシフェラーゼ(f-luc)レポーター構築物(pMIR-REPORTTM、Ambion)にライゲーションした。COS細胞をメーカーの取扱説明書に従いFugene6(Stratagene)でトランスフェクトした。相当する量のcDNAインサートなし発現ベクターを添加することにより、ウェル当たりのDNA総量を一定に保った。トランスフェクション48時間後に、ルシフェラーゼアッセイキット(Promega)を用いて細胞抽出物のルシフェラーゼ発現をアッセイした。相対的なプロモーター活性は、細胞抽出物中のβ−ガラクトシダーゼ発現に対して正規化された発光相対単位として表す。
細胞培養、トランスフェクションおよびルシフェラーゼアッセイ。miR−29b−1およびmiR−29aコード領域を包含する1793bpのゲノムフラグメントをPCRにより増幅し、pCMV6にライゲーションした。miR−29結合部位(複数可)を包含するマウス3’UTRのゲノムフラグメントをPCR増幅し、ホタルルシフェラーゼ(f-luc)レポーター構築物(pMIR-REPORTTM、Ambion)にライゲーションした。COS細胞をメーカーの取扱説明書に従いFugene6(Stratagene)でトランスフェクトした。相当する量のcDNAインサートなし発現ベクターを添加することにより、ウェル当たりのDNA総量を一定に保った。トランスフェクション48時間後に、ルシフェラーゼアッセイキット(Promega)を用いて細胞抽出物のルシフェラーゼ発現をアッセイした。相対的なプロモーター活性は、細胞抽出物中のβ−ガラクトシダーゼ発現に対して正規化された発光相対単位として表す。
(実施例5)心臓の線維芽細胞におけるmiR−29の制御
心臓の線維症は、通常不全心臓において観察されるリモデリングプロセスの主要な側面である。線維芽細胞の増殖および細胞外マトリックス成分の沈着増加は、心筋硬直および拡張機能障害をもたらす。トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)は、心臓におけるコラーゲンの生成および沈着に主要な役割を果たし、線維芽細胞の筋線維芽細胞への形質転換を誘導することを示した(BorderおよびNoble、1994年)。TGFβに曝露した心臓の線維芽細胞のリアルタイムPCR解析により、miR−29a〜cの発現低下が明らかになり、これは、MI後のmiR−29a〜c低下がTGFβ制御されている可能性を示唆する(図4A)。興味深いことに、ナトリウム利尿ペプチド様B型のナトリウム利尿ペプチド(BNP)は、線維症および筋線維芽細胞転換に関連するTGFβ制御型遺伝子発現を抑制することを示した(Kapounら、2004年)。この観点において、本発明者らは、心臓特異的miRNAのmiR−208を欠損するマウスが、心臓の線維症およびリモデリングに対して抵抗性であり、ベースラインにおけるBNPの発現上昇を示したことを以前に報告した(van Rooijら、2007年)。BNPはTGFβの効果と拮抗することが知られているため、本発明者らは、これらのマウスにおけるBNPのレベル上昇が、miR−29a〜cの発現を増強し得ると仮定した。実際に、ノーザン解析は、miR−208の除去によるmiR−29a〜c発現の用量依存的上昇を示し、これはBNPの発現レベル上昇と一致した(図4B)。これらのデータは、少なくとも部分的に、心筋細胞によって分泌されるBNPによって抑制され得るmiR−29a〜cのレベルを低下させることによって、線維芽細胞においてTGFβがコラーゲン関連遺伝子の発現を誘導することを示した。
心臓の線維症は、通常不全心臓において観察されるリモデリングプロセスの主要な側面である。線維芽細胞の増殖および細胞外マトリックス成分の沈着増加は、心筋硬直および拡張機能障害をもたらす。トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)は、心臓におけるコラーゲンの生成および沈着に主要な役割を果たし、線維芽細胞の筋線維芽細胞への形質転換を誘導することを示した(BorderおよびNoble、1994年)。TGFβに曝露した心臓の線維芽細胞のリアルタイムPCR解析により、miR−29a〜cの発現低下が明らかになり、これは、MI後のmiR−29a〜c低下がTGFβ制御されている可能性を示唆する(図4A)。興味深いことに、ナトリウム利尿ペプチド様B型のナトリウム利尿ペプチド(BNP)は、線維症および筋線維芽細胞転換に関連するTGFβ制御型遺伝子発現を抑制することを示した(Kapounら、2004年)。この観点において、本発明者らは、心臓特異的miRNAのmiR−208を欠損するマウスが、心臓の線維症およびリモデリングに対して抵抗性であり、ベースラインにおけるBNPの発現上昇を示したことを以前に報告した(van Rooijら、2007年)。BNPはTGFβの効果と拮抗することが知られているため、本発明者らは、これらのマウスにおけるBNPのレベル上昇が、miR−29a〜cの発現を増強し得ると仮定した。実際に、ノーザン解析は、miR−208の除去によるmiR−29a〜c発現の用量依存的上昇を示し、これはBNPの発現レベル上昇と一致した(図4B)。これらのデータは、少なくとも部分的に、心筋細胞によって分泌されるBNPによって抑制され得るmiR−29a〜cのレベルを低下させることによって、線維芽細胞においてTGFβがコラーゲン関連遺伝子の発現を誘導することを示した。
具体的な方法
以前に記載した通りに(SimpsonおよびSavion、1982年)心臓の線維芽細胞(CF)を単離した。すなわち、麻酔した1〜2日齢の新生仔Sprague−Dawleyラット(Harlan Sprague Dawley、インディアナ州インディアナポリス)から心臓を切除し、刻み、パンクレアチン0.1%で消化した。細胞をprimariaプレートに2時間蒔き、消化組織の心筋細胞画分を含む培地を除去した。心臓の線維芽細胞は付着して、心筋細胞より迅速に増殖した。この性質は、第1の継代後に実質的に純粋な線維芽細胞培養物をもたらし、これは、差次的なプレーティングおよび顕微鏡による評価を繰り返すことによって確認された。継代のため0.05%トリプシンで細胞を剥離し、継代2〜4において培養実験を行った。10%熱失活FBSおよび抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)を含む高グルコース(4.5gm/L)ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)において細胞を培養した。培地をL−アスコルビン酸(10μg/μl)を含有する低血清(2%FBS)に交換し、10ng/ml TGFβ1を48時間投与することによって、筋線維芽細胞分化を誘導した。
以前に記載した通りに(SimpsonおよびSavion、1982年)心臓の線維芽細胞(CF)を単離した。すなわち、麻酔した1〜2日齢の新生仔Sprague−Dawleyラット(Harlan Sprague Dawley、インディアナ州インディアナポリス)から心臓を切除し、刻み、パンクレアチン0.1%で消化した。細胞をprimariaプレートに2時間蒔き、消化組織の心筋細胞画分を含む培地を除去した。心臓の線維芽細胞は付着して、心筋細胞より迅速に増殖した。この性質は、第1の継代後に実質的に純粋な線維芽細胞培養物をもたらし、これは、差次的なプレーティングおよび顕微鏡による評価を繰り返すことによって確認された。継代のため0.05%トリプシンで細胞を剥離し、継代2〜4において培養実験を行った。10%熱失活FBSおよび抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)を含む高グルコース(4.5gm/L)ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)において細胞を培養した。培地をL−アスコルビン酸(10μg/μl)を含有する低血清(2%FBS)に交換し、10ng/ml TGFβ1を48時間投与することによって、筋線維芽細胞分化を誘導した。
(実施例6)miR−29のin vivoノックダウンは線維症およびコラーゲン遺伝子の発現を誘導する
コラーゲン発現の負の制御因子としてのmiR−29a〜cの潜在的な役割をさらに調査するため、本発明者らは、miR−29bの成熟miRNA配列と相補的なコレステロール修飾オリゴヌクレオチド(アンチmiR-29b)と、陰性対照として生理食塩水か4塩基ミスマッチを含むオリゴヌクレオチド(ミスマッチmiR-29b)のいずれかを用いてmiR−29bをin vivoでノックダウンした(図5A)。アンチmiR−29b(80mg/kg)の尾静脈注射を1回行って3日後、本発明者らは、検査した全組織においてmiR−29b発現の大幅な減少を観察した(図5B)。対照的に、同等の用量のミスマッチmiR−29bアンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理食塩水対照と比べてmiR−29b発現レベルに効果がなかった。アンチmiRとミスマッチで治療した動物の間でプレmiRNAのレベルが同等のままであるため、アンチmiR−29bによるノックダウンは、成熟miRNA特異的であると考えられる。肝臓および腎臓におけるノックダウンは完全であると考えられるが、低レベルのmiR−29bが心臓および肺において依然として検出可能であった(図5B)。リアルタイムPCR解析は、miR−29bノックダウンが肝臓特異的なコラーゲン遺伝子の発現誘導に十分であるが、ミスマッチ対照においてはこの効果がなかったことを示した(図5C)。
コラーゲン発現の負の制御因子としてのmiR−29a〜cの潜在的な役割をさらに調査するため、本発明者らは、miR−29bの成熟miRNA配列と相補的なコレステロール修飾オリゴヌクレオチド(アンチmiR-29b)と、陰性対照として生理食塩水か4塩基ミスマッチを含むオリゴヌクレオチド(ミスマッチmiR-29b)のいずれかを用いてmiR−29bをin vivoでノックダウンした(図5A)。アンチmiR−29b(80mg/kg)の尾静脈注射を1回行って3日後、本発明者らは、検査した全組織においてmiR−29b発現の大幅な減少を観察した(図5B)。対照的に、同等の用量のミスマッチmiR−29bアンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理食塩水対照と比べてmiR−29b発現レベルに効果がなかった。アンチmiRとミスマッチで治療した動物の間でプレmiRNAのレベルが同等のままであるため、アンチmiR−29bによるノックダウンは、成熟miRNA特異的であると考えられる。肝臓および腎臓におけるノックダウンは完全であると考えられるが、低レベルのmiR−29bが心臓および肺において依然として検出可能であった(図5B)。リアルタイムPCR解析は、miR−29bノックダウンが肝臓特異的なコラーゲン遺伝子の発現誘導に十分であるが、ミスマッチ対照においてはこの効果がなかったことを示した(図5C)。
心臓のmiR−29bノックダウンを増強するため、本発明者らは、オリゴヌクレオチド80mg/kgを2日連続で静脈内注射し、3週間後に材料を採取した。ノーザン解析は、ミスマッチmiR−29bの注射後に観察された発現レベルと比べて、アンチmiR−29bに応答した腎臓および肝臓におけるmiR−29bの完全なノックダウンを示した(図5D)。心臓のmiR−29bレベルも大幅に低下したが、肺におけるmiR−29bの発現はアンチmiR−29bによって影響を受けていない様子が示される(図5D)。心臓におけるコラーゲン発現は、miR−29b抑制に応答して上昇した(図5E)。総合すると、これらのデータは、miR−29bがin vivoにおいてコラーゲン遺伝子発現の負の制御因子として機能し、これにより心臓および肝臓におけるコラーゲン沈着および線維症に影響を及ぼすことを示す。
具体的な方法
合成オリゴヌクレオチド治療によるIn vivo miR−29b抑制。成熟miR−29bと相補的な配列を含む化学修飾オリゴヌクレオチド(アンチmiR−29b)を用いてmiR−29b活性を抑制した。全ヌクレオシドは2’−OMe修飾され、5’末端の2塩基および3’末端の4塩基はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、分子はヒドロキシプロリノール(hydroxyprolinol)リンカーを介して結合した3’コレステロールを含んでいた。8週齢のC57BL/6雄マウスに、用量80mg/kg体重のアンチmiR−29bもしくはミスマッチmiR−29bのいずれか、または同等の容量の生理食塩水を尾静脈注射により投与した。治療3日後または3週間後のいずれかに組織を採取した。
合成オリゴヌクレオチド治療によるIn vivo miR−29b抑制。成熟miR−29bと相補的な配列を含む化学修飾オリゴヌクレオチド(アンチmiR−29b)を用いてmiR−29b活性を抑制した。全ヌクレオシドは2’−OMe修飾され、5’末端の2塩基および3’末端の4塩基はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み、分子はヒドロキシプロリノール(hydroxyprolinol)リンカーを介して結合した3’コレステロールを含んでいた。8週齢のC57BL/6雄マウスに、用量80mg/kg体重のアンチmiR−29bもしくはミスマッチmiR−29bのいずれか、または同等の容量の生理食塩水を尾静脈注射により投与した。治療3日後または3週間後のいずれかに組織を採取した。
(実施例7)miR−29模倣物によるコラーゲン発現の下方制御
miR−29a〜cの過剰発現がコラーゲン発現を低下させ得るか決定するため、本発明者らは線維芽細胞をmiR−29b模倣物に曝露した。線維芽細胞培養物におけるmiR−29b発現のレベルは、miR−29b模倣物曝露3日後に400倍も上昇した(図5F)。miR−29b模倣物によってmiR−29a発現は影響を受けず、miR−29c発現はごく僅かしか上昇しなかった(図5F)。リアルタイムPCR解析は、miR−29b模倣物に応答してコラーゲン遺伝子の発現が低下したことを示した(図5G)。しかし、コラーゲン発現低下の程度はmiR−29b発現上昇と比べて僅かであり、これはmiR−29a〜cレベルだけがコラーゲンレベルの決定要因ではないことを示唆する。
miR−29a〜cの過剰発現がコラーゲン発現を低下させ得るか決定するため、本発明者らは線維芽細胞をmiR−29b模倣物に曝露した。線維芽細胞培養物におけるmiR−29b発現のレベルは、miR−29b模倣物曝露3日後に400倍も上昇した(図5F)。miR−29b模倣物によってmiR−29a発現は影響を受けず、miR−29c発現はごく僅かしか上昇しなかった(図5F)。リアルタイムPCR解析は、miR−29b模倣物に応答してコラーゲン遺伝子の発現が低下したことを示した(図5G)。しかし、コラーゲン発現低下の程度はmiR−29b発現上昇と比べて僅かであり、これはmiR−29a〜cレベルだけがコラーゲンレベルの決定要因ではないことを示唆する。
具体的な方法
合成オリゴヌクレオチド治療によるin vivo miR−29b増強。miR−29b模倣物は、ガイドおよびパッセンジャー鎖からなる二本鎖構築物である。ガイド鎖は、各ピリミジン残基に2’−Fヌクレオシド、2個の3’末端ホスホロチオエート結合を含み、5’末端が化学的にリン酸化されている。パッセンジャー鎖は、2個の5’末端2’−OMe残基および2個の3’末端ホスホロチオエート結合を含む。コレステロールは、ヒドロキシプロリノールリンカーによってパッセンジャー鎖の3’末端と結合する。8週齢のC57BL/6雄マウスに、用量80mg/kg体重のmiR−29b模倣物または同等の容量の生理食塩水を尾静脈注射により投与した。治療3日後または3週間後のいずれかに組織を採取した。
合成オリゴヌクレオチド治療によるin vivo miR−29b増強。miR−29b模倣物は、ガイドおよびパッセンジャー鎖からなる二本鎖構築物である。ガイド鎖は、各ピリミジン残基に2’−Fヌクレオシド、2個の3’末端ホスホロチオエート結合を含み、5’末端が化学的にリン酸化されている。パッセンジャー鎖は、2個の5’末端2’−OMe残基および2個の3’末端ホスホロチオエート結合を含む。コレステロールは、ヒドロキシプロリノールリンカーによってパッセンジャー鎖の3’末端と結合する。8週齢のC57BL/6雄マウスに、用量80mg/kg体重のmiR−29b模倣物または同等の容量の生理食塩水を尾静脈注射により投与した。治療3日後または3週間後のいずれかに組織を採取した。
本明細書で論じられ引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。本明細書において開示および特許請求されるすべての組成物および方法は、本開示に照らして不適切な実験なしに作製および実施することができる。本発明の組成物および方法を好ましい実施形態との関連で説明してきたが、本発明の概念、趣旨、および範囲から逸脱しない限りにおいて、本明細書に記載の組成物および方法に対して、また、該方法の工程または一連の工程において、変更を適用しうることは当業者に明らかであろう。より具体的に述べると、同じであるかまたは類似の結果が達成される場合、化学的にも生理学的にも関連する特定の作用物質により、本明細書に記載の作用物質を置換しうることは明らかであろう。当業者に明らかな、このような類似の置換および変更のすべては、添付される特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨、範囲、および概念の内にあるものとみなされる。
Claims (17)
- 対象の心臓細胞において、表3〜6に列挙されている1または複数のmiRNAの発現または活性を調節する工程を含む、その必要がある対象における心筋梗塞、心臓リモデリングまたは心不全を治療または予防する方法。
- 1または複数のmiRNAが、let−7ファミリーメンバー、miR−15b、miR−21、miR−199a、miR−199b、miR−214、miR−10a、miR−10b、miR−16、miR−146a、miR−146b、miR−221、miR−222、miR−497、miR−20a、miR−20b、miR−93、miR−101、miR−126、miR−30ファミリーメンバー、miR−143、miR−145、miR−150およびmiR−29a〜cからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 調節工程が、let−7ファミリーメンバー、miR−15b、miR−21、miR−199a、miR−199b、miR−214、miR−10a、miR−10b、miR−16、miR−146a、miR−146b、miR−221、miR−222、miR−30ファミリーメンバーおよびmiR−497からなる群から選択される1または複数のmiRNAの阻害剤を対象に投与する工程を含む、請求項2に記載の方法。
- 1または複数のmiRNAの阻害剤がアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンタゴmirである、請求項3に記載の方法。
- アンチセンスオリゴヌクレオチドが、前記1または複数のmiRNAの成熟配列と少なくとも部分的に相補的な配列を含む、請求項4に記載の方法。
- アンチセンスオリゴヌクレオチドが少なくとも1個の糖および/または骨格修飾を含む、請求項4に記載の方法。
- アンチセンスオリゴヌクレオチドが約8〜約18ヌクレオチド長である、請求項4に記載の方法。
- 調節工程が、miR−20a、miR−20b、miR−93、miR−101、miR−126、miR−143、miR−145、miR−150、miR−29a、miR−29bおよびmiR−29cからなる群から選択される1または複数のmiRNAのアゴニストを対象に投与する工程を含む、請求項2に記載の方法。
- 1または複数のmiRNAのアゴニストが、1または複数のmiRNAの成熟配列を含むポリヌクレオチドである、請求項8に記載の方法。
- アゴニストが発現構築物から発現される、請求項9に記載の方法。
- 阻害剤またはアゴニストが、静脈内投与または心臓組織への直接注射によって対象に投与される、請求項3または8に記載の方法。
- 前記阻害剤またはアゴニストが、経口、経皮、持続放出、制御放出、遅延放出、坐剤、カテーテルまたは舌下投与によって対象に投与される、請求項3または8に記載の方法。
- 第2の心臓療法を対象に投与する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第2の療法が、β遮断薬、変力作用薬、利尿剤、ACE−I、AIIアンタゴニスト、BNP、Ca++遮断薬、エンドセリン受容体アンタゴニストまたはHDAC阻害剤からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
- 梗塞域における線維症が1または複数のmiRNAの調節後に減少する、請求項1に記載の方法。
- 梗塞域におけるアポトーシスが1または複数のmiRNAの調節後に減少する、請求項1に記載の方法。
- 対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
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