JP2012524022A - 高純度ポリシリコンの製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
1つの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1種のシリコン源ガス及びポリシリコンシリコンシードを反応区域に供給するステップ;反応区域内で、少なくとも1種のシリコン源ガスの熱分解の反応平衡に実質的に到達して元素シリコンが生成するように少なくとも1種のシリコン源ガスをその反応区域内で十分な温度と滞留時間に維持するステップ(その少なくとも1種のシリコン源ガスの分解は、以下の化学反応:4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2で進行するものであり、十分な温度は、約600℃〜約1000℃の温度範囲である);及びc)ポリシリコンシリコンシードに元素シリコンが蒸着されて被覆粒子が生成するようにその反応区域中に十分な量のポリシリコンシリコンシードを維持するステップ;を包含している。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、高純度ポリシリコンの製造方法及び装置に関する。
化学蒸着(CVD)は、高純度固体材料を製造するのに用いられる化学プロセスである。典型的なCVD法では、基体が1つ又はそれ以上の揮発性前駆体に曝され、この前駆体がその基体表面で反応及び/又は分解して所望の蒸着物を生成する。多くの場合、揮発性副生成物も生成されるが、これはその反応チャンバーの中を通るガス流によって除去される。トリクロロシラン(SiHCl3)を水素で還元するプロセスは、シーメンス法として知られるCVD法である。このシーメンス法の化学反応は、以下:
SiHCl3(g)+H2→Si(s)+3HCl(g)(「g」は気体を表し;「s」は固体を表す)
のとおりである。
SiHCl3(g)+H2→Si(s)+3HCl(g)(「g」は気体を表し;「s」は固体を表す)
のとおりである。
シーメンス法では、元素シリコンの化学蒸着は、シリコンロッド(いわゆる細ロッド)に行われる。このロッドは電流により金属ベルジャー下で1000℃超に加熱され、そのあと水素及びシリコン源ガス(例えばトリクロロシラン(TCS))からなるガス混合物に曝される。細ロッドが一定の径に成長したらすぐに、プロセスは中断されなければならない、すなわち、連続操作ではなくバッチ式の操作のみが可能である。
1つの実施形態では、方法は、少なくとも1種のシリコン源ガス及びポリシリコンシリコンシードを反応区域に供給するステップ;反応区域内で、少なくとも1種のシリコン源ガスの熱分解の反応平衡に実質的に到達して元素シリコンが生成するように、少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域内で十分な温度と滞留時間に維持するステップ(少なくとも1種のシリコン源ガスの分解は、以下の化学反応:4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2によって進行するものであり、十分な温度は、約600℃〜約1000℃の温度範囲であり、十分な滞留時間は、約5秒未満である(滞留時間は、空隙体積をその十分な温度での全体ガス流量で割ったものと定義される));及びc)ポリシリコンシリコンシードに元素シリコンが蒸着されて被覆粒子が生成するように反応区域中に十分な量のポリシリコンシリコンシードを維持するステップ;を包含している。
1つの実施形態では、十分な熱は、約700℃〜約900℃の範囲である。
1つの実施形態では、十分な熱は、約750℃〜約850℃の範囲である。
1つの実施形態では、シリコンシードは、500〜4000ミクロンのサイズ分布を有している。
1つの実施形態では、シリコンシードは、1000〜2000ミクロンのサイズ分布を有している。
1つの実施形態では、シリコンシードは、100〜600ミクロンのサイズ分布を有している。
1つの実施形態では、方法は、a)少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域に供給するステップ;b)反応区域内で、少なくとも1種のシリコン源ガスの分解の反応平衡に実質的に到達して元素シリコンが生成するように、少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域内で十分な温度と滞留時間に維持するステップ(i)少なくとも1種のシリコン源ガスの分解は、以下の化学反応:4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2によって進行するものであり、ii)十分な温度は、約600℃〜約1000℃の温度範囲であり;iii)十分な滞留時間は、約5秒未満である(滞留時間は、空隙体積をその十分な温度での全体ガス流量で割ったものと定義される));及びc)非晶質シリコンを生成させるステップ;を包含している。
本発明を添付の図面に注目しながらさらに説明するが、数個ある図面全体を通して、同じような構造物は、同じような数字で言及される。これらの図面は必ずしも縮尺どおりに示されていないが、それよりむしろ、力点は、全体的には、本発明の原理を説明することに置かれている。
上記で明らかにされた図面は本発明で開示された実施形態を開示するものであるが、考察のところで注記したように、他の実施形態も想到される。この開示は、代表的なものにより、説明のための実施形態を提供するものであるが、それらに限定されるものではない。当業者なら、開示された本発明の範囲及び原理の思想の内に入る多くの他の改変及び実施形態を考案し得る。
(発明の詳細な説明)
本発明が用いられ得る用途の例は、ポリシリコンの製造/精製方法である。そのようなポリシリコンの製造/精製方法についての例は、説明目的に役立つものであって、限定するものと取るべきでない。
本発明が用いられ得る用途の例は、ポリシリコンの製造/精製方法である。そのようなポリシリコンの製造/精製方法についての例は、説明目的に役立つものであって、限定するものと取るべきでない。
実施形態では、高度純粋多結晶シリコン(ポリシリコン)(典型的には99%超純度)は、電子部品や太陽電池を製作するための出発原料である。実施形態では、ポリシリコンは、シリコン源ガスの熱分解により得られる。本発明のいくつかの実施形態は、シリコン含有化合物の熱分解による連続CVD法の工程中の流動床反応器で高度純粋多結晶シリコンを粒体(本明細書以下では「シリコン粒体」と呼ぶ)として得るのに利用される。流動床反応器は、多くの場合、ガス状又は蒸気状化合物に固体表面が広範囲にわたって曝されなければならない場合に利用される。粒体の流動床は、他のCVD法又は熱分解法で可能であるよりもずっと大きいシリコン表面の面積を反応ガスに曝す。ポリシリコン粒子を含む流動床を灌流するのには、HSiCl3、あるいはSiCl4のようなシリコン源ガスが利用される。ポリシリコン粒子は、結果として、サイズが成長して粒状ポリシリコンを生成する。
本発明を説明する目的のために、以下の用語を定義する。
「シラン」は、シリコン−水素結合を有する任意のガスを意味する。例としては、限定するものではないが、SiH4;SiH2Cl2;SiHCl3が挙げられる。
「シリコン源ガス」は、ポリシリコンを製造するためのプロセスで利用される任意のシリコン含有ガスを意味し;1つの実施形態では、電気的陽性材料及び/又は金属と反応してケイ化物を生成することができる任意のシリコン源ガスである。
一実施形態では、適するシリコン源ガスとしては、限定するものではないが、少なくとも1つのHxSiyClz(式中、x、y、及びzは、0〜6である)が挙げられる。
「STC」は、四塩化シリコン(SiCl4)を意味する。
「TCS」は、トリクロロシラン(SiHCl3)を意味する。
熱分解は、ある温度での化学化合物の元素又はより単純な化合物への分離又は分解である。本発明は、以下のシリコン源ガスの熱分解の総合化学反応:
シリコン源ガス←→Si+XSiCln+YH2(式中、X及びYは、所与のシリコン源ガスの組成によって左右され、nは、2〜4である)
との関連で説明されている。いくつかの実施形態では、シリコン源ガスはTCSであり、これは以下の反応:
4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2 (1)
に従って熱分解される。
シリコン源ガス←→Si+XSiCln+YH2(式中、X及びYは、所与のシリコン源ガスの組成によって左右され、nは、2〜4である)
との関連で説明されている。いくつかの実施形態では、シリコン源ガスはTCSであり、これは以下の反応:
4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2 (1)
に従って熱分解される。
上記一般化された反応(1)は、本発明のさまざまな実施形態によって画定される環境で起こり得るさまざまな他の反応を代表するものであって、限定するものではない。例えば、反応(1)は、反応(1)によって示されている特定の化合物とは異なっている少なくとも1つの中間化合物を有している、複数−反応環境の結果を代表するものであり得る。いくつかの他の実施形態では、反応(1)の各化合物のモル比は上記代表的な比から変わるがその比はSi蒸着の速度が実質的に害されていない場合は許容される範囲にあるままである。
本発明を説明する目的のためには、「反応区域」は、熱分解反応(1)が反応区域部分内で大部分起こるように設計された反応器の部分である。
いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、900℃以下の温度で行われる。いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、1000℃以下の温度で行われる。いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、800℃以下の温度で行われる。いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、650〜1000℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、650〜850℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、650〜800℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、700〜900℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、分解反応(1)は、700〜800℃の温度で行われる。
本発明のいくつかの実施形態は以下のポリシリコン連続製造プロセスの例によって特徴付けられるが、それに限定されるととるべきでない。
本発明のいくつかの実施形態では、ポリシリコン連続製造プロセスは、閉ループ製造サイクルを形成している。いくつかの実施形態では、ポリシリコン製造の開始のところで、水素化装置が、例えば、以下の反応(2):
3SiCl4+2H2+Si(MG)←→4HSiCl3 (2)
を用いて水素及び冶金グレードシリコン(Si(MG))でシリコンテトラクロリド(STC)をトリクロロシラン(TCS)に変換する。
3SiCl4+2H2+Si(MG)←→4HSiCl3 (2)
を用いて水素及び冶金グレードシリコン(Si(MG))でシリコンテトラクロリド(STC)をトリクロロシラン(TCS)に変換する。
いくつかの実施形態では、このTCSは、蒸留によりSTC及び他のクロロシランから分離され、そのあと蒸留塔で精製される。いくつかの実施形態では、精製されたTCSはこのあと先の代表的反応(1)に従って分解されてシリコンを流動床環境中のシードシリコン粒子に蒸着させることによってポリシリコンを生じ、結果としてシード粒子からSi粒体の成長をもたらす。
いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、50ミクロン(μm)から2000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、100μmから1000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、25μmから145μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、200μmから1500μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、100μmから500μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、150μmから750μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、1050μmから2000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、600μmから1200μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、このシードシリコン粒子のサイズ分布は、500μmから2000μmまでさまざまに変わる。
いくつかの実施形態では、初期シードシリコン粒子は、TCSがそれにシリコンを蒸着するに連れてより大きく成長する。いくつかの実施形態では、この被覆粒子は、生成物として定期的に取り出される。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、250μmから4000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、250μmから3000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、1000μmから4000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、3050μmから4000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、500μmから2000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、200μmから2000μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、1500μmから2500μmまでさまざまに変わる。いくつかの実施形態では、この粒状シリコン生成物のサイズ分布は、250μmから4000μmまでさまざまに変わる。
分解反応(1)の間中に生成したSTCは、代表的反応(2)に従う元の水素化装置にリサイクルされる。いくつかの実施形態では、このSTCのリサイクルは、Si(MG)のポリシリコンへの連続、閉ループ精製を可能にしている。
図1は、先の反応(1)及び(2)によって一般的には説明されるTCS熱分解の化学蒸着を用いたポリシリコン製造の閉ループ、連続プロセスの一実施形態を示すものである。1つの実施形態では、冶金グレードシリコンが、TCSを発生させるための十分なTCS、STC及びH2の割合で水素化反応器110に供給される。TCSは、このあと、粉末除去工程130、脱ガス器工程140、及び蒸留工程150で精製される。精製されたTCSは分解反応器120に供給され、ここでTCSは分解して、流動床反応器のビーズ(シリコン粒体)にシリコンを蒸着する。生成したSTC及びH2は、元の水素化反応器110にリサイクルされる。
図2及び3は、本発明のいくつかの実施形態を例証する装置を示すものである。この装置は、0.5OD(外径)〜3.0インチODの加熱反応器管のための、単一区域Thermcraft炉(201、301)を用いて組み立てられたものである。いくつかの実施形態では、半インチ(0.5インチ)ODの管が用いられた。いくつかの実施形態では、管は、500μmから4000μmまでさまざまに変わるサイズを有するポリシリコンシード粒子で満たされた。
いくつかの実施形態では、アルゴンのストリームが(貯槽202、302から)流量計そしてそのあとTCSと共にバブラー(203、303)に通された。いくつかの実施形態では、この飽和したストリームは炉(201、301)内の管に通された。いくつかの実施形態では、反応器管は、United Silicaによって調製された0.5インチODエンドフィッティングを有する10mmID(内径)の14mmOD石英管であった。いくつかの実施形態では、この管の両エンドは0.5インチODに研磨されて、Viton(登録商標)O−リングでSwagelok(登録商標)製0.5インチUltraTorr(登録商標)フィッティングに接続された。いくつかの実施形態では、所望の温度(500〜900℃)が、通常のホウケイ酸ガラス管により扱われ得る温度を超えることから石英管が必要とされた。
本発明のいくつかの実施形態は、TCS分解の代表的反応(1)は、SiCl2などの、少なくとも1つの中間化合物を経て進む一次反応であるという仮定をベースにしている。少なくともいくつかの特定の条件で、このTCS分解がなぜ一次反応の特徴を呈するかの根拠についての理由及び数学的正当化は、K.L. Walker, R. E. Jardine, M. A. Ring, and H. E. O'Neal, International Journal of Chemical Kinetics, Vol. 30, 69-88 (1998)に開示されている(この開示は、限定するものではないが、TCS分解が一次反応であると考えられること及び少なくともいくつかの例において中間段階/生成物があると考えられることについての根拠を示していることを含めて、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、TCS分解の間中の速度決定段階は、以下の中間反応(3):
HSiCl3→SiCl2+HCl (3)
であった。
HSiCl3→SiCl2+HCl (3)
であった。
いくつかの実施形態では、TCS分解反応の速度は、TCSの濃度及び温度のみに依存する。いくつかの実施形態では、一旦SiCl2が生成されると、それに続く元素シリコンを蒸着するすべての段階は、そのTCS熱分解の律速段階に比較して、迅速に進む。いくつかの実施形態では、生成したHClは消費され、その全体代表的反応(1)の反応速度に影響を及ぼすことはない。いくつかの実施形態では、反応器管がシリコン粒子で充填されていると、粒状シリコン粒子に化学蒸着を受ける以下のTCSとの反応(4):
4HSiCl3+Si(ポリ−Si粒子)→Si−Si(ポリ−Si粒子)+3SiCl4+2H (4)
が起こる。
4HSiCl3+Si(ポリ−Si粒子)→Si−Si(ポリ−Si粒子)+3SiCl4+2H (4)
が起こる。
いくつかの実施形態では、管が空の場合には、以下:
8HSiCl3→Si−Si(粉末)+6SiCl4+4H2 (5)
のとおり自由空間中に非晶質シリコン粉末が生成される。
8HSiCl3→Si−Si(粉末)+6SiCl4+4H2 (5)
のとおり自由空間中に非晶質シリコン粉末が生成される。
図3は、図2よりもより完成した図を示すものであるがその理由は図3は加熱ラインも示しているからである。図4は、本発明の一実施形態を例証する装置の写真である。図5は、本発明のいくつかの実施形態に従ってさまざまな温度及び滞留時間で行われた、ランの間中用いられ、そして管の内側壁にシリコンが蒸着された3つの管を示すものである。表1は、本発明のいくつかの実施形態の各ランの特徴をまとめたものである。
いくつかの実施形態では、その重要な条件の1つが炉(201、301)の温度であることが見出された。いくつかの実施形態では、他の重要な条件は、滞留時間であった。いくつかの実施形態では、装置(具体的にはバブラー(203、303))及び石英管反応器の中のシリコンサンプルは、それらにアルゴンを流すことによって、すべての酸素が無くなるようパージされなければならなかった。いくつかの実施形態では、痕跡量の酸素は、TCSが導入されると炉排気のところに二酸化シリコンの生成をもたらした。
いくつかの実施形態では、バブラー(203、303)は、その中にTCSを有していた。いくつかの実施形態では、バブラー(203、303)の下半分が30℃のウォーターバス307の中に入れられると改善された結果が得られた。いくつかの実施形態では、バブラー(203、303)のライン及びその上半分も、ライン中での凝縮を防止するため50℃の水循環バスから水を流しているラインと接触状態にある配管308で加熱された。いくつかの実施形態では、バブラー(203、303)から炉中の管への典型的なガス流は、アルゴン中およそ80〜90%TCS蒸気であった(アルゴンガス流量計及びバブラーの重量喪失により決定され、TCS蒸気全体体積の約80〜90%のTCS濃度を有するTCS蒸気)。いくつかの実施形態では、トラップ304は、10%水酸化ナトリウムで満たされている。
いくつかの実施形態では、他のデータポイントは、特定の反応器(管)温度での所与のランにおけるTCSの滞留時間であった。このデータポイントは、1分あたりに使用されているTCSの量、アルゴン流量、ならびに反応温度及び空隙体積を知ることによって決定された。空隙体積は、シリコン粒子によって占有されていない反応器の体積である。滞留時間は、反応温度での空隙体積を全体ガス流量(例えば、TCS+アルゴン)で割ったものである。
表1は、本発明のいくつかの実施形態に従った15のランの条件及び結果をまとめたものである。具体的には、表1は、いくつかの実施形態によれば、炉の温度(反応温度)は15ランの間中に650℃から850℃までさまざまに変えられたことを明らかにしている。表1は、いくつかの実施形態によれば、全体ラン時間は1時間〜6時間の間でさまざまに変えられたことを明らかにしている。いくつかの実施形態によれば、ラン1番は、管を準備させるため及び在留の空気を無くするために他のランのいずれよりも前に先行するものであり得る。
いくつかの実施形態では、石英反応器管は、それらが加熱されている間中に温度を距離に沿って測定することによって検定されて温度が決定された。図6及び図7は、表1にまとめられている、各ランにおけるような、空であった管及びシリコン粒子で満たされた管の中の温度分布の線図を示すものである。例えば、図6は、500℃から800℃までさまざまに変わるさまざまな温度及び管を通るガスのさまざまな流量での空0.5ODインチ管の温度分布を示すものである。それにひきかえ、図7は、600℃から800℃までさまざまに変わるさまざまな温度及び管を通るガスのさまざまな流量でのシリコン充填0.5ODインチ管の温度分布を示すものである。
他の例では、管の中にシリコン粒子の存在が有り及び無しにおける温度の差は、概ねなかった。いくつかの実施形態では、平均温度は、それぞれの管の中間15インチ(炉熱区域)の各温度の平均を取ることによって決定された。
いくつかの実施形態では、管から出てきているガスストリームを処理する方式に配慮が払われた。いくつかの実施形態では、図8に示す、第1のアプローチは、10%水酸化ナトリウムで満たされたスクラバー(801、802)にガスストリームを送ることであった。いくつかの実施形態では、スクラバー(801、802)には水素とアルゴンが通され、そして反応流出物中に存在しているTCS及びSTCは、以下:
2HSiCl3+14NaOH→H2+2(NaO)4Si+6NaCl+6H2O (6)
SiCl4+8NaOH→(NaO)4Si+4NaCl+4H2O (7)
のとおり分解された。
2HSiCl3+14NaOH→H2+2(NaO)4Si+6NaCl+6H2O (6)
SiCl4+8NaOH→(NaO)4Si+4NaCl+4H2O (7)
のとおり分解された。
いくつかの実施形態では、この第1のアプローチは、スクラバー(801、802)のより多くの取替えを必要とし、以下:
(NaO)4Si+SiCl4→4NaCl+2SiO2 (8)
のとおりNaOH塩基が使い切られるとオルトケイ酸塩((NaO)4Si)の二酸化シリコン(Si2O)への変換からくる時折のラインの詰まりをもたらした。
(NaO)4Si+SiCl4→4NaCl+2SiO2 (8)
のとおりNaOH塩基が使い切られるとオルトケイ酸塩((NaO)4Si)の二酸化シリコン(Si2O)への変換からくる時折のラインの詰まりをもたらした。
図3に注目すると、いくつかの実施形態では、ある種の条件下では好ましいものであり得る、第2のアプローチは、十分な量のTCS及びSTC生成物を液体として除去するためスクラバー306の前に0℃のアイスバス305中にトラップ304を配置することから成り立っていた。つまり、トラップ304は、反応器管から出てくる流出ガス中に存在しているTCS及びSTC分留分の十分な量を捕集し、水素及び他のガスをスクラバー306に通した。いくつかの実施形態では、0℃にあるトラップ304は、流出ガス中に存在しているTCS(沸点31.9℃)及びSTC(沸点57.6℃)分留分の相当な部分を捕集した。
図9は、表2にデータがまとめられている、ラン1〜15のうちのいくつかの例としての条件及び結果のまとめを表すグラフを示すものである。表2は、表1に提供されているそれぞれのランの条件及び結果についての生のデータをベースにしたものである。具体的には、図9及び表2は、反応器管が粒状シードシリコンの静止床で充填されたいくつかの実施形態のランについての条件及び結果をまとめたものである。例えば、図9は、さらに説明される、滞留時間と理論的平衡へのパーセント(%)接近との関係を示すものである。図9及び表2に示されているように、いくつかの実施形態では、550〜800℃の温度は、十分に満足のいくTCSの蒸着速度(反応(1))をもたらした。図9及び表2は、また、0.6〜5秒の滞留時間条件をもつであろういくつかの選択された本発明の実施形態をベースにしたものである。いくつかの実施形態では、先の滞留時間の範囲は、流動床反応器の運転に適用可能なものである。
図9及び表2に示すように、いくつかの実施形態では、ランは、広い範囲のシリコン粒子のさまざまなサイズ(600〜400ミクロン直径)であるいはまったくシリコンなし(ラン#2)でも行われた。図9及び表2に示すように、いくつかの実施形態についての多くの反応データポイントが記録された。例えば、石英反応器管が秤量され、そしてそのあと管が24インチの粒状シリコンで満たされる。そうして、加えられた初期シリコンの重量及び反応器の公知体積を基にしてシリコンの公知密度(1立方センチメーターあたり2.33グラム(gm/cc))が与えられると反応器管の空隙体積を決定することができた。いくつかの実施形態では、分解反応の間中に使われたTCSの寮は、例えば、特定のランの前及び後のバブラー203(図3)を秤量することによって、決定された。いくつかの実施形態では、生成物TCS及びSTCの量は、例えば、特定のランの前及び後のトラップ204(図3)を秤量することによって、得られた。いくつかの実施形態では、1つのデータポイントは、分解反応(1):
4HSiCl3→Si+2H2+3SiCl4 (1)
で蒸着されたシリコンの量であった。
4HSiCl3→Si+2H2+3SiCl4 (1)
で蒸着されたシリコンの量であった。
いくつかの実施形態では、分解反応(1)で蒸着されたシリコンの量は、例えば、それぞれのランの前及び後に石英反応器管を秤量することによって得られたがこの秤量は特定のランの間中に管の中で蒸着されたポリシリコンの量である差を与えるものである。いくつかの実施形態では、他のデータポイントは、Si(蒸着した)/TCS(消費した)の比(Si/TCS)であった。例えば、Si(蒸着した)/TCS(消費した)の比は、どの程度このTCS分解反応(1)が進んだかを決定するものである。TCS分解反応が100%完了まで進んだ場合はこのSi/TCS理論比は0.0517(シリコンの分子量(Mw=28)対4モルのTCSの分子量(Mw=4×135.5=542)の比)である。このTCS分解反応(1)は平衡反応であるので、それは100%完了まで行くことはない。化学プロセスでは、平衡は、反応体及び生成体の化学活動度又は濃度に時間に関しての正味変化がない状態である。一般には、これは、正の化学プロセスが逆反応と同じ速度で進むと生じる状態であろう。正反応及び逆反応の反応速度は、一般的には、ゼロでなくて、等しいものであり、反応体又は生成体濃度のいずれにも正味の変化はない。この平衡Si/TCS比は、平衡定数のASPEN Process Simulator計算に基づいたものであり、反応器管の温度の函数である。このAspen Technology,IncによるASPEN Process Simulatorは、さまざまな化学プロセスをユーザーがシミュレーションすることを可能にするコンピュータプログラムである。ASPENはマスバランス及びエネルギーバランスを取るものであり、各種の工業的に重要な純粋流体及び混合物の熱力学特性についての情報がデータバンクに保存されている。
いくつかの実施形態に対しては、計算された平衡Si/TCS比は、0.037〜0.041の範囲にあった。いくつかの実施形態では、平衡Si/TSC比及び実測Si/TCS比を知ることにより、特定の反応器管でのTCS分解反応(1)の平衡へのパーセント接近を決定することができた。
いくつかの実施形態では、TCSの変換率は、平衡変換率への接近のパーセントとして決定された。いくつかの実施形態では、図9及び表2が示すように、750〜780℃の温度は、1.5秒未満の滞留時間でTCSのSiへの平衡変換率の50%超を達成するのに十分なものである。1つの例では、776℃で、1秒の滞留時間でも平衡に接近したTCSは85%より高かった。他の例では、633〜681℃の温度及び2〜2.5秒の滞留時間では、ほんのわずかな量のシリコン蒸着であった。
結果としては、図10及び表2が示すように、いくつかの実施形態に対しては、シリコン蒸着の速度は、反応管中のシリコン粒子の表面積とは十分に関係のないものであって、これは、TCSの分解機構に基づく予測と一致するものである。
図10は、本発明のいくつかの実施形態に従って行われたTCS分解により蒸着されたシリコンのコーティングを有するシリコン粒子の一例を図示している。図11は、蒸着に先行して反応器管を満たすための本発明のいくつかの実施形態で利用されたオリジナルのシリコンシード粒子の一例を図示している。
本発明のいくつかの実施形態に従った固定床反応器管中で成長させたシリコン被覆シードシリコン粒子の、表2で明らかにされた例としてのラン(固定床反応器管)の間中に生成されたサンプルも含めたサンプルを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いることで調べた。例えば、図12は、本発明のいくつかの実施形態に従って蒸着されたシリコンで被覆されたシリコン粒子の表面の一例のSEM写真を示すものである。図12では、粒子の表面にシリコン微結晶の成長が観察された。
図13は、本発明のいくつかの実施形態に従って蒸着されたシリコンで被覆されたシリコン粒子の断面のSEM写真を示すものである。図13では、出発シードシリコン原料(「A」と標識されている、シリコン粒子)が、TCS分解時の化学蒸着により生成されたシリコンの固体層(「B」と標識されている、蒸着層)で被覆されている。蒸着された層の厚みは8.8ミクロン(μm)である。注記することとして、いくつかの実施形態では、得られたシリコンコーティングは、その原のシード粒子のそのより多孔質なコアよりも高い密度を有していることがあり得る。いくつかの実施形態では、流動床反応器においては、この蒸着層の厚みは、少なくともポリシリコンシードの反応器中での滞留時間、及び/又は蒸着の速度、及び/又はポリシリコンシードのサイズによって左右され得るものである。
図14は、本発明のいくつかの実施形態に従って蒸着されたシリコンで軽度に被覆されたシリコン粒子のSEM写真を示すものである。図15は、TCS分解により生成された蒸着シリコンで図14の粒子よりもより重度に被覆された本発明のいくつかの実施形態に従うシリコン粒子のSEM写真を示すものである。いくつかの実施形態では、流動床反応器では、ポリシリコンシードは、均一に被覆される。いくつかの実施形態では、流動床反応器では、ポリシリコンシードが成長するに連れ、形状は球形になり得る。
ある実施形態では、蒸着プロセスの開始時には、図14に示すように、シード粒子の表面には比較的平滑なシリコンコーティングの生成があった。後には、図12にあるように、特には固定床反応器管を利用するいくつかの実施形態で、シリコン材の微結晶がシード粒子の表面に生成し得た。いくつかの実施形態では、TCS分解反応の条件及び特定の流動床反応器の条件は、シリコン層の形成が選ばれるように、またシリコン粒子表面への微結晶の形成/成長が十分に少なくなるように適応される。
流動床プロセスを利用しているいくつかの実施形態では、得られる被覆シリコン粒子は、固定床プロセスで製造される被覆粒子の表面よりもより平滑である表面を有している。
本発明のいくつかの実施形態は、本発明に従って行われたTCSの分解プロセスは、限定するものではないが流動床反応器を含めて、さまざまな型式及び形状の反応器に十分スケーラブルであることを例証した。例えば、先の図9、表1及び表2に注目すると、ラン#14及び#15は、1.0インチOD石英反応器管を用いて行われたものである。つまり、ラン#14及び#15の各実施形態は、0.5インチOD石英管が用いられたいくつかの実施形態の約5倍のスケールアップを表している。例えば、表1が示しているように、ラン#14の実施形態で用いられた1インチ管の全体体積は186.05立方センチメーター(cc)であったが;それにひきかえ、ラン#1〜13の各実施形態で用いられた0.5インチ管の全体体積は47.85ccであった。ラン#14及び#15に対応しているいくつかの実施形態は、滞留時間が1.45秒及び2.5秒で753℃での十分な分解速度を例証した。表1及び表2が示すように、ラン#14及び#15の結果は、0.5インチ管が利用された他の実施形態のランと整合性が取れたものであった。この整合性の取れたデータは、本発明のいくつかの実施形態のスケールアップ性のことを意味している。いくつかの実施形態では、富TCSガスが最初にシード粒子を入れることなく反応器管の中に通された。いくつかの実施形態では、富TCSガスが、滞留時間が1〜5秒で500〜700℃の間にあるさまざまな温度で空反応器管の中に通された(典型的には2時間)。いくつかの実施形態では、ある種の条件で、TCSは、シリコンを蒸着することなく管又は反応器中で加熱及び輸送され得た。
表3は、ある特定の管における異なる条件下でのランのいくつかの実施形態の結果及び蒸着されたシリコンの量を示すものである。表3のデータは、例えば、温度及び/又は滞留時間を基にして、どのようにいくつかの実施形態がシリコンを蒸着することなくTCS蒸気のストリームの加熱(例えば熱交換器を用いて)を包含し得るかを特徴づける関係を示している。
先に詳述したように、いくつかの実施形態では、TCSからのシリコンの蒸着速度は、充填された反応器にとっても又は空の反応器にとっても十分に同じようなものであるだろうし、典型的には所与の条件のセット(例えば、TCS濃度、反応温度、滞留時間、他)に左右されるだろう。いくつかの実施形態では、適する基体が存在していない場合は(例えば、空つまり自由空間反応器)、蒸着されたシリコンは、非晶質粉末の形態にあり得る。いくつかの実施形態では、適する基体(例えば、シリコンシード粒子)の存在下では、基体に蒸着(例えば、化学蒸着)して、シリコン粉末に代えてシリコンコーティングを優先的に形成する傾向がある。いくつかの実施形態では、温度及び滞留時間をさまざまに変えることによって、0.5インチ管中でポリシリコンがシリコンシード粒子に連続的に蒸着される。
図16は、本発明のいくつかの実施形態によって作り出された結果を表すグラフを図示している。図16は、表3に提供されているデータを基にしたものである。表3及び図16によって示されているように、いくつかの実施形態では、一定のより低い温度では蒸着はない。表3及び図16によって示されているように、いくつかの実施形態では、石英管には一定の中間の温度で微細なシリコンのコーティングがある(50mg未満)。表3及び図16によって示されているように、いくつかの実施形態では、およそ1秒以上の滞留時間ではより高い温度(およそ675℃以上)で増大したシリコンの蒸着がある。いくつかの実施形態では、より長い滞留時間は、より多くの蒸着を生成する。
1つの実施形態では、TCS分解は、空「自由空間」反応器中で行われ得る。1つの実施形態では、この空反応器の反応区域中でのTCS分解は、2秒の滞留時間及び875℃の温度で実質的に理論的平衡を達成し得る。この実施形態では、得られる生成物は、もっぱら非晶質シリコン粉末であるだろう。1つの実施形態では、TCS分解は、シリコンシード粒子が反応区域内で懸濁された(すなわち反応区域には適する基体が存在)、流動床反応器中で行われ得る。1つの実施形態では、流動床反応器の反応区域中2秒の滞留時間及び875℃の温度で、反応区域を流出ガスが出るときにはTCS分解は完了又はほぼ完了しており、シリコンシード粒子はシリコンで被覆されている。
1つの実施形態では、流出ガスが反応区域をTCS分解がなお進行しつつありながら出るときは(表2、ラン#15のように)、非晶質シリコン粉末の生成を避けるため、流出ガスは、TCS分解プロセスが停止する又は実質的に平衡にある温度にクエンチされる。
1つの実施形態では、方法は、少なくとも1種のシリコン源ガス及びポリシリコンシリコンシードを反応区域に供給するステップ;反応区域内で、少なくとも1種のシリコン源ガスの熱分解の反応平衡に実質的に到達して元素シリコンが生成するように少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域内で十分な温度と滞留時間に維持するステップ(少なくとも1種のシリコン源ガスの分解は、以下の化学反応:4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2で進行するものであり;十分な温度は、約600℃〜約1000℃の温度範囲であり;十分な滞留時間は、約5秒未満である(滞留時間は、空隙体積をその十分な温度での全体ガス流量で割ったものと定義される));及びc)ポリシリコンシリコンシードに元素シリコンが蒸着されて被覆粒子が生成するように反応区域中に十分な量のポリシリコンシリコンシードを維持するステップ;を包含している。
1つの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1種のシリコン源ガス及びポリシリコンシリコンシードを流動床反応器の反応区域に同時に供給するステップを包含している。1つの実施形態では、本発明の方法は、最初にポリシリコンシリコンシードを流動床反応器の反応区域に供給して、そのあと少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域に供給するステップを包含している。1つの実施形態では、シリコン源ガスは、反応区域中でポリシリコンシリコンシードを流動化させるのに用いられる。1つの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1種のシリコン源ガスを流動床反応器の反応区域に供給して、そのあとポリシリコンシリコンシードを反応区域に供給するステップを包含している。
1つの実施形態では、十分な熱は、700〜900℃である。
1つの実施形態では、十分な熱は、750〜850℃である。
1つの実施形態では、シリコンシードは、500〜4000ミクロンのサイズ分布を有している。
1つの実施形態では、シリコンシードは、1000〜2000ミクロンのサイズ分布を有している。
1つの実施形態では、シリコンシードは、100〜600ミクロンのサイズ分布を有している。
1つの実施形態では、方法は、a)少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域に供給するステップ;b)反応区域内で、少なくとも1種のシリコン源ガスの分解の反応平衡に実質的に到達して元素シリコンが生成するように、少なくとも1種のシリコン源ガスをその反応区域内で十分な温度と滞留時間に維持するステップ(i)少なくとも1種のシリコン源ガスの分解は、以下の化学反応:4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2で進行するものであり;ii)十分な温度は、約600℃〜約1000℃の温度範囲であり;iii)十分な滞留時間は、約5秒未満である(滞留時間は、空隙体積をその十分な温度での全体ガス流量で割ったものと定義される));及びc)非晶質シリコンを生成させるステップ;を包含している。
いくつかの実施形態では、TCSは、蒸着反応器に、1)約300〜350℃の温度、2)約20〜30psigの圧力;及び3)900〜1050lb/hr(ポンド/時間)の流量;及び約0.5〜5秒の滞留時間;で供給され得る。いくつかの実施形態では、蒸着反応器の反応区域内の内部温度は、約750〜850℃であり得る。1つの実施形態では、得られる流出ガスは、以下の特徴:1)約850〜900℃の温度、2)約5〜15psigの圧力;及び3)TCS−210〜270lb/hrの流量及びSTC−650〜750lb/hrの流量;を有している。
いくつかの実施形態では、TCSは、蒸着反応器に、1)約300〜400℃の温度、2)約25〜45psigの圧力;及び3)600〜1200lb/hrの流量;で供給され得る。いくつかの実施形態では、TCSは、蒸着反応器に、1)約300〜400℃の温度、2)約5〜45psigの圧力;及び3)750〜900lb/hrの流量;で供給され得る。いくつかの実施形態では、TCSは、蒸着反応器に、1)約300〜400℃の温度、2)約5〜45psigの圧力;及び3)750〜1500lb/hrの流量;で供給され得る。
ある実施形態では、蒸着反応器の反応区域内の内部温度は、約670〜800℃であり得る。いくつかの実施形態では、蒸着反応器の反応区域内の内部温度は、約725〜800℃であり得る。いくつかの実施形態では、蒸着反応器の反応区域内の内部温度は、約800〜975℃であり得る。いくつかの実施形態では、蒸着反応器の反応区域内の内部温度は、約800〜900℃であり得る。
いくつかの実施形態では、ポリシリコンシード粒子分布が、300ミクロンの平均サイズを有していて100から600ミクロンまでさまざまに変わるときには、TCSは、500lb/hrの流量で供給される。他の実施形態では、ポリシリコンシード粒子分布が、800ミクロンの平均サイズを有していて200から1200ミクロンまでさまざまに変わるときには、TCSは、1000lb/hrの流量で供給される。
図17は、本発明の一実施形態の模式図を示すものである。1つの実施形態では、TCS蒸着反応は、反応器1700中で行われる。反応温度は、約1550°F(又は約843℃)である。供給されるTCSの濃度は、約242°F(又は約117℃)の温度にあるSTCを約450lb/hr取り込んで得られる反応ガスをパイプ1701中で約1100°F(又は約593℃)まで冷却させることから約1000〜1100lb/hrである。
いくつかの実施形態では、先に詳述したように、TCS分解反応(1)は一次反応であって、反応温度及びTCSの濃度によって左右される。いくつかの実施形態では、先に詳述したように、TCS熱分解の理論的平衡への75%より高い接近を達成するためには750℃よりも高い温度が必要とされ得るし及び/又はおよそ1.6秒の滞留時間が必要とされ得る。いくつかの実施形態では、先に詳述したように、シリコンシード材料基体の存在下では、TCSは化学蒸着により反応してシードシリコン材料にシリコンの層を付ける。
本発明の多くの実施形態を説明してきたが、それらの実施形態は、説明のためだけのものであって、限定するためのものでないこと、及び、多くの改変及び/又は代替実施形態が当業者には明らかであるものになり得ることは理解されるところである。例えば、どの工程も任意の所望順序で行われ得る(ならびに任意の所望工程が加えられ得る及び/又は任意の所望工程が削除され得る)。例えば、いくつかの実施形態では、シード粒子は完全にはシリコンからできていないものであり得るし、あるいはシリコンをまったく含有していないものであり得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の思想及び範囲内に入るそのような改変及び実施形態のすべてをカバーすることが意図されていることは理解されるだろう。
110 水素化反応器
120 分解反応器
130 粉末除去工程
140 脱ガス器工程
150 蒸留工程
120 分解反応器
130 粉末除去工程
140 脱ガス器工程
150 蒸留工程
Claims (9)
- 以下:
a)少なくとも1種のシリコン源ガス及びポリシリコンシリコンシードを反応区域に供給するステップ;
b)反応区域内で、少なくとも1種のシリコン源ガスの熱分解の反応平衡に実質的に到達して元素シリコンが生成するように、少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域内で十分な温度と滞留時間に維持するステップであって、
i)少なくとも1種のシリコン源ガスの分解が、以下の化学反応:
4HSiCl3←→Si+3SiCl4+2H2
によって進行するものであり;
ii)十分な温度が、約700℃〜約1000℃の温度範囲であり;
iii)十分な滞留時間が、約5秒未満である(滞留時間は、空隙体積をその十分な温度での全体ガス流量で割ったものと定義される);
前記ステップ;及び
c)ポリシリコンシリコンシードに元素シリコンが蒸着されて被覆粒子が生成するように、反応区域中に十分な量のポリシリコンシリコンシードを維持するステップ;
を含んでいる、方法。 - 十分な温度が、約700℃〜約900℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
- 十分な熱が、約750℃〜約850℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
- シリコンシードが、500〜4000ミクロンのサイズを有している、請求項1に記載の方法。
- シリコンシードが、1000〜2000ミクロンのサイズを有している、請求項4に記載の方法。
- シリコンシードが、100〜600ミクロンのサイズを有している、請求項4に記載の方法。
- 以下:
a)少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域に供給するステップ;
b)反応区域内で、少なくとも1種のシリコン源ガスの分解の反応平衡に実質的に到達して元素シリコンが生成するように、少なくとも1種のシリコン源ガスを反応区域内で十分な温度と滞留時間に維持するステップであって、
i)少なくとも1種のシリコン源ガスの分解が、以下の化学反応:
4HSiCl3→Si+3SiCl4+2H2
によって進行するものであり;
ii)十分な温度が、約700℃〜約1000℃の温度範囲であり;
iii)十分な滞留時間が、約5秒未満である(滞留時間は、空隙体積をその十分な温度での全体ガス流量で割ったものと定義される);
前記ステップ;及び
c)非晶質シリコンを生成させるステップ;
を含んでいる、方法。 - 十分な温度が、約700℃〜約900℃の範囲である、請求項7に記載の方法。
- 十分な熱が、約750℃〜約850℃の範囲である、請求項7に記載の方法。
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