本発明は、ローラミル向けに提供され、研削パンまたは研削板の回転する水平研削トラックと定位置の転動する研削ローラとの間で研削材料が低減され、ローラミルは、研削板縁部もしくは研削パン縁部を越えて下方へ落下する研削材料を低減させたオーバーフローミルとして、または空気掃引ローラミルとして形成され、低減された研削材料は、空気またはガス流で、具体的には一体化された分類器へ供給される。
本発明は、たとえば直径2m以上の研削パンおよび3つ、4つ、または6つの研削ローラを有する大型のローラミルに特に有利に適している。ローラミルは、たとえば研削パンの直径が4.1および4.3mであり、その上に4つまたは6つの研削ローラが転動することが知られている。
2つ、3つ、4つ、または6つの研削ローラをもつLOESCHEタイプの空気掃引ローラミルは、モジュラ構造で有利に構築され、たとえば独国特許出願公開第3100341号、独国特許第102004062400号、米国特許第6,021,968号、および国際公開第2005/028112号から知られている。
モジュラ構造の構成要素は、研削ローラと、揺動レバーと、接触圧力または研削圧力を生成する油空圧ばねシステムとであり、揺動レバー内には、研削ローラシャフトが取り付けられ、その台座上に揺動レバーが枢動可能に固定される。
油空圧ばねシステムは、各研削ローラに対して、ローラ寸法に応じて1つまたは2つの油圧シリンダをもつばねユニットと、ガス/オイル貯蔵器と、パイプラインおよび高圧ホースを介してばねユニットに接続される油圧供給システムとを備える。油圧供給システムのポンプ、弁、遮断要素、制御ユニット、および動作要素は、油圧シリンダの異なる動作状態、したがって、研削ベッドが研削パン上に形成されるための研削ローラの上昇、たとえば研削ベッドの「谷」内の下降、およびミル駆動を開始する際の研削トラックからの研削ローラの上昇の実現を容易にし、それによって、それぞれ作業圧力または逆圧が増大または低減される。
すべてのローラは、3つのローラミル内の油圧システムに接続されることが知られている(旧東ドイツ特許第106953号)。2つの対向する研削ローラをもつローラミルの場合、これらの対向する研削ローラを互いに油圧で接続することが知られている。
図6は、研削ローラ1〜4および2つの油圧キャビネット5、6をもつ4つのローラミルの油圧構造を示す。研削ローラ1、3をもつローラ対のばねシリンダ(図示せず)は、それによって油圧キャビネット6と接続され、研削ローラ2、4をもつローラ対のばねシリンダ(図示せず)は、油圧キャビネット5と接続され、それぞれ関連するガス/オイル貯蔵器(図示せず)と接続される。
これらの接続では、高圧ホースおよびパイプラインが必要である。ミル基部の周りに全体として配置された円環ライン7、8は、それぞれ研削ローラ1、3または2、4を互いに接続し、それぞれの場合、1つの分岐ライン9が、関連する油圧キャビネット5、6につながる。
各ローラ対に対して油圧キャビネットをもつ周知のシステムの欠点は、パイプラインの生産および組立て、具体的にはパイプラインの配置に相当なコストがかかること、現場での組立て条件下で完全に回避できない汚染によって油圧システムの構成要素が故障するリスクが比較的高いこと、そして欠陥の場合に油圧システムまたは個々の構成要素を保守および交換する可能性があるのは比較的好ましくないことである。
処理量に関する要件が増大するためにローラミルが拡大すると、接続/円環ラインがさらに長くなり、それによって研削動作に障害が生じる可能性がある。研削動作における研削ローラの上下移動によって、ばねシリンダ内へ押し出されまたは吸い込まれた油圧オイルは、ライン抵抗がより低いため、大部分はガス/オイル貯蔵器内へ流れるが、部分的には接続パイプラインを介してそれぞれ対向するばねシリンダへも流れる。慣性および抵抗のため、油圧オイルは、接続パイプライン内へ十分急速に流れることができない。その結果、圧力ピークが許容できないほど高くなり、または空洞現象が発生し、シリンダチャンバ内でオイル圧力の変動を招き、したがって研削ローラ下の圧延力が常に変化する。その結果、ローラミルの平滑な実行および生産量に悪影響を与える。
許容できる振動値を超過した場合、ポンプが開始され、下部のシリンダチャンバ内でオイル圧力が増大すると、研削ローラは研削材料から外れて油圧でさらに上昇させられる。抵抗が異なるため、研削ローラは交互に持ち上がり、すなわち第2の研削ローラは、約1分半の期間後にのみ研削材料から外れて進み、それによって、このとき第1の研削ローラは、上部の機械的止め具にすでに到達している。しかし、そのとき初めて、ローラミルの平滑な実行が回復される。約1分半という持上げ時間は、油圧供給ユニットの選択されたポンプ力、ならびにばねシリンダおよびガス/オイル貯蔵器内で充填すべき体積に起因する。しかし、ポンプ出力をより大きくすると、より大型のポンプを短期間でオンに切り換える場合と同様に、あまりに多くのオイルがシステム内へ搬送されるため、「作動圧力の増大」という通常の機能には不利なはずである。これは、標的値を超過する急速な圧力の増大を招き、油圧システム内に「作業圧力の低減」という新しいコマンドを出さなければならないであろう。したがって、これらの切換えプロセスには、一定のヒステリシスが存在するはずである。
本発明の目的は、平滑な実行および処理量に与える上記の不利な影響を油圧構成によってなくすこと、そして研削ローラの事実上一定の圧延力、またはそれぞれ均一の接触圧力を保証することである。同時に、具体的にはパイプラインにかかる生産および組立てコストが低減され、油圧システムの構成要素の故障リスクが最小になり、構成要素またはシステム全体の保守作業および交換が改善される。
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴によって実現される。従属請求項および図面には、有用かつ有利な実施形態が含まれる。
本発明の中核の思想は、各ローラ対に対する1つの油圧キャビネットと、この目的のため必要な、1つまたは2つの油圧シリンダを備える研削ローラのばねユニットへの接続パイプラインおよび高圧ホースとをもつ現在まで使用されているシステムの代わりに、1つの油圧供給ユニットを小型ユニットとして各研削ローラまたは各研削ローラのばねユニットに割り当て、それによってすべての必要な供給および制御構成要素がこの小型ユニット内に組み込まれるという点に見ることができる。
油圧供給ユニット内へは、アキュムレータスタンドを組み込むことができ、アキュムレータスタンドは、小型ユニットとして油圧ブラダアキュムレータおよび油圧ピストンアキュムレータを有利に備える。
本発明によれば、小型油圧ユニットである特有の油圧供給ユニットおよびアキュムレータスタンドは、ローラミルの研削ローラの各ばねユニットに割り当てられており、比較的短いパイプラインおよび高圧ホースを用いて必要な接続を実現できるように、近接して構成される。
各油圧供給ユニットは、小型の油圧ユニットとして設計することができ、また塵のない周囲条件下で事前に組み立てることができ、したがってこの事前に組み立てられた小型ユニットは、現場で、好ましくは油圧キャビネット内で接続するだけでよいと有利である。それによって、汚染が広範囲にわたって回避され、故障のリスクが低減される。
それによって、各油圧キャビネットは、事前に組み立てられた小型の油圧ユニットとともにオイルタンク上に配置することができ、ここから上昇させることができ、したがって必要に応じて特に簡単に、比較的少ない時間資源で交換することができると特に有利である。
ばねシリンダと油圧キャビネットの間のパイプラインまたは高圧ホースは、長さが相当低減され、各ローラ対に対する油圧キャビネットおよび円環ラインをもつ油圧システム内で必要であった不利なパイプラインの湾曲が、広範囲にわたって回避される。油圧キャビネット内には、ばねユニットまたは研削ローラの動作状態を切り換えるためのポンプユニット、制御要素、弁、遮断要素、および動作要素が収容される。
本発明の油圧構成は、具体的には、油圧キャビネットが、研削ローラの1つ以上のばねシリンダの出力と直線的に小型の油圧ユニットとともに構成され、したがって事実上湾曲部がそれることなく、したがって低い抵抗で、油圧オイルを移動させることができることを実現する。
ローラミルの歯車出力フランジの摩擦軸受に事実上さらなる負荷がかかるのを保証するために、対向する研削ローラのばねシリンダ間の油圧補償によって油圧円環ラインを取り除いた後、電気制御または調整を提供し、対向するばねシステム内でセンサを用いてそれぞれのオイル圧力が測定され、標的値前後の比較的低い公差の範囲内に保たれると有用である。標的値を下回る場合、それぞれの油圧システムのポンプが開始され、またはそれぞれの出口弁が短期間にわたって開かれる。
本発明の油圧構成の利点は、平滑な実行が改善されること、処理量が増大すること、そしてローラミルの研削ローラ下の圧延力が事実上一定になることであり、また生産および組立てコストの低減に加えて、具体的には配置すべきパイプラインを考慮すると、油圧供給ユニットが事前に組み立てられ、容易に交換可能であるため、油圧供給ユニットの構成要素が故障するリスクが低くなることである。対向するばねユニット内のセンサを用いる研削圧力調整システムに加えて、干渉の場合に、すべての研削ローラを同時に上昇させることができ、また上昇は、油圧抵抗に応じて交互に時間遅延とともに行われなくなることも有利である。
本発明について、図面を参照することによってさらに詳細に以下で説明する。
図1は、モジュラ構造のLOESCHEタイプの空気掃引ローラミル(mil)向けの油空圧ばねシステム10を示す。本発明によれば、各研削ローラ(図示せず)にばねユニット11が割り当てられる。
各研削ローラのばねユニット11は、ローラモジュールの寸法、したがって具体的には研削ローラの寸法に応じて、1つまたは2つの油圧シリンダ12を備え、油圧シリンダ12は、揺動レバー13を介して研削ローラ(図示せず)と接続される。油圧シリンダ12はそれぞれ関節接合式に、関節接合式の眼状要素14を介して台座21またはミルの下部部分と固定され、またロッドヘッド15を介して揺動レバー13上で固定される。
研削ローラの各ばねユニット11には、個々の油圧供給ユニット20が割り当てられる。油圧供給ユニット20は、モータ作動式ポンプ、弁、および遮断要素と、研削圧力調整システムまたはそれぞれ電子制御ユニットと、ローラばねシステムの異なる動作状態を切り換える動作要素とを含む。
油圧供給ユニット20は、油圧キャビネット25内に手入れしやすいように収容され、それによって、各油圧供給ユニット20が小型の油圧ユニットとして形成されるように、必要なポンプ、弁、および遮断要素(図示せず)が事前に組み立てられると特に有利である。
小型の油圧ユニットをもつ油圧キャビネット25全体は、オイルタンク26上に直接構成され、したがって、たとえばより大規模な修理の場合、小型の油圧ユニットは、オイルタンク26から容易にかつ時間を節約して上昇させることができ、等しい構造のユニットと交換することができる。
アキュムレータスタンド22は、4つの油圧ピストンアキュムレータ16を備え、図1の側面図では、そのうち1つの油圧ピストンアキュムレータだけが見られ、また2×4つの油圧ブラダアキュムレータ17を備え、図1では、そのうち2つだけが見られる。
油圧ピストンアキュムレータ16および油圧ブラダアキュムレータ17は、アキュムレータスタンド22内で小型ユニットとしてまとめられ、パイプライン23を介して、割り当てられた油圧キャビネット25と接続される。図1、そして同じく図5は、ローラモジュールが台座21、ばねユニット11、および研削ローラ(図示せず)をもつことを考慮して、アキュムレータスタンド22が、油圧キャビネット25の前に、油圧キャビネット25およびばねユニット11と直線的に構成されることを示す。
油圧シリンダ12と直線的な油圧ピストンアキュムレータ16および油圧ブラダアキュムレータ17の接続は、高圧ホース24を用いて行われ、本質的に不利な湾曲なく行われると有利である。
図2は、ピストン18がピストンロッド19で案内される油圧シリンダ12を示す。各油圧シリンダ12は、組み込まれた状態で、ピストンロッド側28では、作業圧力システムAおよび油圧ブラダアキュムレータ17と接続され、ピストン側29では、油圧ホース24を介して逆圧システムGおよび油圧ピストンアキュムレータ16と接続される(図1参照)。
図3は、上部領域内のガス体積32を下部領域内の油圧オイル33から分離するピストン31をもつ油圧ピストンアキュムレータ16を示す。
図4に示す油圧ブラダアキュムレータ17は、ゴムブラダ35および油圧オイル36を備え、油圧オイル36の高さは、図3の図示の油圧ピストンアキュムレータ16のピストン31および図2の油圧シリンダ12内のピストン18の高さのように、油空圧ばねシステムの作業モードによって決まり、図2〜4には例示のみを目的として再現する。
ミル動作中、研削ローラは、研削パン上に位置する研削材料によって上昇させられる。それによって揺動レバー13は、外側にそれる。油圧シリンダ12のピストン18は上方へ移動し、作業圧力システムA内へ、関連するアキュムレータスタンド22の油圧ブラダアキュムレータ17内へオイルを移動させる(図1参照)。ブラダアキュムレータ17内の窒素で充填されたアキュムレータブラダ35(図4参照)は、流入するオイルによって圧縮される。
同時に、逆圧システムGは、油圧シリンダ12のピストン29側で働く(図1参照)。したがって同じ瞬間、油圧オイル33は、窒素圧力32(図3参照)によって、油圧ピストンアキュムレータ16から再び油圧シリンダのピストン側29へ押される。
研削ローラが研削ベッドの「谷」内へ転動した場合、プロセスは逆になる。作業圧力システムでは、油圧オイルは、油圧ブラダアキュムレータ17から油圧シリンダ12のピストンロッド側28内へ押し出される(図2)。それによって油圧オイルは同時に、油圧シリンダ12のピストン側29から油圧ピストンアキュムレータ16内へ移動する。研削ベッドが均質でないため、研削ローラは垂直移動を連続して行い、そのため記載のプロセスは、常に交互に行われる。
ローラミルを開始および停止させるには、研削ローラを研削ベッドから油圧で上昇させることができる。これは、本発明の油空圧ばねシステムと同時にまたは事実上同時に可能である。
図5は、モジュラ構造の6つのローラミルに対する本発明の油圧構成を大幅に図式化した図で示す。6つの油空圧ばねシステム10の6つの台座21および6つの油圧供給ユニット20、アキュムレータスタンド22、ならびにばねユニット11のみを示す。
図5は、各油空圧ばねシステム10のアキュムレータスタンド22と関連する油圧供給システム20の間のパイプライン23(同じく図1参照)、およびアキュムレータスタンド22と油圧シリンダ12の間の高圧ホース24が比較的短く、したがってパイプラインの湾曲を除外できることを示す。各油空圧ばねシステム10の油圧供給ユニット20の油圧キャビネット25は、油圧シリンダ12と直線的に位置し、そのため油圧オイルは、低い抵抗で振動することができる。
起こりうる部分的な軸受の損傷を回避するために、油圧円環ラインをもたない歯車装置(図示せず)上のそれぞれ対向する研削ローラの安定した装填は、電気制御/調整(図示せず)によって実現され、それぞれのオイル圧力は、対向するばねユニット内でセンサ(図示せず)を用いて測定され、標的値前後の比較的低い公差の範囲内で保たれる。これに達しない場合、それぞれの油圧キャビネット内でポンプが開始され、それぞれの出口弁が短時間にわたって開かれる。このようにして、効果的な圧力補償が実現される。