JP2012516390A - ステンレスオーステナイト低Niスチール合金 - Google Patents

ステンレスオーステナイト低Niスチール合金 Download PDF

Info

Publication number
JP2012516390A
JP2012516390A JP2011547865A JP2011547865A JP2012516390A JP 2012516390 A JP2012516390 A JP 2012516390A JP 2011547865 A JP2011547865 A JP 2011547865A JP 2011547865 A JP2011547865 A JP 2011547865A JP 2012516390 A JP2012516390 A JP 2012516390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel alloy
eqv
stainless steel
steel
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011547865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5462281B2 (ja
JP2012516390A5 (ja
Inventor
ニレーフ ラース
セデルマン アンデルス
Original Assignee
サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ filed Critical サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ
Publication of JP2012516390A publication Critical patent/JP2012516390A/ja
Publication of JP2012516390A5 publication Critical patent/JP2012516390A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5462281B2 publication Critical patent/JP5462281B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/42Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with copper
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/001Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing N
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/02Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/58Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with more than 1.5% by weight of manganese
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/001Austenite

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

下記の質量%(wt%)の下記の組成:0.02 ≦ C ≦ 0.06, Si ≦ 1.0, 2.0 ≦ Mn ≦ 6.0, 2.0 ≦ Ni ≦ 4.5, 17 ≦ Cr ≦ 19, 2.0 ≦ Cu ≦ 4.0, 0.15 ≦ N ≦ 0.25, O ≦ Mo ≦ 1.O, 0 ≦ W ≦ 0.3, O ≦ V ≦ 0.3, O ≦ Ti ≦ 0.5, O ≦ Al ≦ 1.0, O ≦ Nb ≦ 0.5, O ≦ Co ≦ 1.0, 残部のFe及び通常に生じる不純物、を有するオーステナイトステンレススチール合金であって、下記条件:Nieqv-1.42×Creqv ≦ -13.42、及び、Nieqv + 0.85×Creqv ≧ 29.00(上式中、Creqv=[%Cr] +2×[%Si] +1.5×[%Mo] +5×[%V] +5.5×[%Al] +1.75×[%Nb] +1.5×[%Ti] +0.75×[%W], Nieqv= [%Ni] +[%Co] +0.5×[%Mn] +0.3×[%Cu] +25×[%N] +30×[%C]である)、及び、-70 0C < MD30 < -25 0C(上式中、MD30 = (551 -462×([%C]+ [%N]) -9.2×[%Si] -8.1×[%Mn] -13.7×[%Cr] -29×([%Ni] +[%Cu]) -68×[%Nb] -18.5×[%Mo]) 0Cである)を満たすように合金元素の含有分がバランスされていることを特徴とするオーステナイトステンレススチール合金。

Description

技術分野
本発明は低ニッケル含有分のオーステナイトステンレススチール合金に関する。本発明は、また、そのスチール合金から製造される物品にも関する。
背景技術
オーステナイトステンレススチールは、このタイプのスチールが良好な耐腐食性、良好な機械特性及び良好な加工特性を示すので、種々の用途のための一般的な材料である。標準的なオーステナイトステンレススチールは少なくとも17%のクロム、8%のニッケル及び残部の鉄を含む。他の合金元素もしばしば含まれる。
世界中でステンレススチールに対する必要性が急速に成長しており、それにしたがって、スチール製造において合金用金属の需要が高くなっていることにより、金属の価格が上がっている。特にニッケルは高価になった。それゆえ、オーステナイトステンレススチール中のニッケルを他の合金金属で置き換えるための様々な試みが行われており、たとえば、US 5286310 A1、US 6274084及びJP3002357に記載されているとおりである。
上記のスチールは良好な熱間加工性を示しかつ高い変形硬化を示す。これらの特性は厚板などの大寸法の物品を製造するために重要な特性である。しかしながら、上記のスチールは大きな加工率(reduction ratio)を含む冷間加工を要求する特定の物品に適さないことが証明されている。
WO0026428は良好な耐腐食性及び加工硬化を示す加工可能なスチールを達成するように合金元素の量を組み合わせた低ニッケルスチール合金を記載している。さらに、スチールは高価な合金元素を含む。別のスチール合金はJP2008038191に記載されている。このスチール合金において、元素はスチールの表面状態を改良するようにバランスされた。しかしながら、上記のスチール合金の特性により、そのスチール合金が大きな加工率を含む冷間加工を伴うプロセスに適さなくなる。
発明の要旨
このため、本発明の1つの目的は大きな加工率をもって冷間加工されうる低ニッケルオーステナイトステンレススチール合金を提供することである。以下に、オーステナイトステンレススチール合金と呼ぶ。
本発明のステンレススチール合金は既知のスチールグレードAISI302に匹敵する良好な機械特性、及び良好な耐腐食性を有するべきである。スチール合金の組成は、生産性及び最終特性に関する要求を満たす、コスト効率が高いスチール合金を得るように、各合金元素の影響に関して注意深くバランスされるべきである。このため、スチール合金は良好な熱間加工性を示すべきである。スチール合金は、さらに、そのスチール合金が亀裂を生じることなく又は脆性になることなく、高い生産性で高い加工率で冷間加工されうるために十分に延性でありかつ変形硬化に対して安定性があるべきである。
本発明のさらなる目的は改良されたオーステナイトステンレススチール合金から製造される物品を提供することである。
上記の目的は下記の質量%(wt%)の組成:
0.02 ≦ C ≦ 0.06
Si < 1.0
2.0 ≦ Mn ≦ 6.0
2.0 ≦ Ni ≦ 4.5
17 ≦ Cr ≦ 19
2.0 ≦ Cu ≦ 4.0
0.15 ≦ N ≦ 0.25
0 ≦ Mo ≦ 1.0
0 ≦ W ≦ 0.3
0 ≦ V ≦ 0.3
0 ≦ Ti ≦ 0.5
0 ≦ Al ≦ 1.0
0 ≦ Nb ≦ 0.5
0 ≦ Co ≦ 1.0
残部のFe及び通常に生じる不純物、
を有するオーステナイトステンレススチール合金であって、下記条件:
Nieqv-1.42×Creqv ≦ -13.42、及び、
Nieqv + 0.85×Creqv 29.00
(上式中、Creqv=[%Cr] +2×[%Si] +1.5×[%Mo] +5×[%V] +5.5×[%Al] +1.75×[%Nb] +1.5×[%Ti] +0.75×[%W]
Nieqv= [%Ni] +[%Co] +0.5×[%Mn] +0.3×[%Cu] +25×[%N] +30×[%C]である)
及び、-70 0C < MD30 < -25 0C
(上式中、MD30 = (551 -462×([%C]+ [%N]) -9.2×[%Si] -8.1×[%Mn] -13.7×[%Cr] - 29×([%Ni] +[%Cu]) -68×[%Nb] -18.5×[%Mo]) 0Cである)
を満たすように合金元素の含有分が調節されていることを特徴とするオーステナイトステンレススチール合金によって満たされ、それにより、
低ニッケルオーステナイトステンレススチール合金の高すぎる変形硬化の危険性を避けることができ、それは加工の間のスチール合金において最適な機械特性が達成されることを保証する。冷却時に又は冷間変形の間にマルテンサイトを形成する危険性が抑制され、それにより、変形硬化は制御され、そして最適な機械特性、特に延性がスチール合金において達成され、亀裂形成の危険性を低減する。
特定の組成は、他の低ニッケルオーステナイトステンレススチール合金と比較して、優れた機械特性、優れた加工特性及び改良された耐腐食性を有する、コスト効率がよい低ニッケルオーステナイトステンレススチール合金を提供する。スチール合金の加工特性は冷間加工及び低められたニッケル含有分に対して最適化される。スチール合金はスチールの大きな加工率を伴う製造プロセスに特に適切である。小寸法の物品、たとえば、スプリングは、そのスチール合金から容易に得ることができる。たとえば、ワイヤは冷延伸によりスチール合金から容易に製造されうる。物品の他の例としては、限定するわけではないが、ストリップ、チューブ、パイプ、バーならびに冷間圧造及び冷間鍛造により製造される製品が挙げられる。本発明のスチール合金の利点は、中間熱処理の数を減らすことができるので、より少ない製造工程で冷間加工により物品を製造することが可能になることである。そのスチール合金により製造される物品は、合金元素の量がスチール合金の特性に対するその効果に関して注意深く最適化されているので、非常にコスト効率が高いことが判明された。
スチール合金中の合金元素の含有分は好ましくは下記の条件:
Nieqv-1.42×Creqv -16.00
を満たすように調節でき、それにより、微細構造中のフェライトの相分率は限定され、そして許容される耐食性とともに、最適な機械特性、特に、延性がスチール合金において達成されうる。
スチール合金中の合金元素の含有分は好ましくは下記の条件:
Nieqv+0.85×Creqv ≦ 31.00
を満たすように調節でき、それにより、未変態のオーステナイト相の高すぎる変形硬化の危険性を避けることができ、そしてCr2N及びN2 (気体)などの所望されない相の形成を制御することができ、そのことは最適な機械特性がスチール合金において達成されうることを保証する。
スチール合金中の合金元素の含有分は好ましくは下記の条件:
Nieqv+0.85×Creqv ≦ 30.00
を満たすようにバランスされることができ、それにより、未変態のオーステナイト相の高すぎる変形硬化の危険性を避けることができ、そしてCr2N及びN2 (気体)などの所望されない相の形成を制御することができ、そのことは最適な機械特性がスチール合金において達成されうることを保証する。
好ましくは、スチール合金中のケイ素の量は≦0.6wt%である。スチール合金中のマンガンの量は2.0〜5.5wt%の範囲であり、より好ましくは2.0〜5.0wt%である。好ましくは、スチール合金中のニッケルの量は2.5〜4.0wt%の範囲である。好ましくは、スチール合金中のクロムの量は17.5〜19wt%の範囲である。好ましくは、スチール合金中のモリブデンの量は0〜0.5wt%の範囲である。好ましくは、スチール合金中のタングステン、バナジウム、チタン、アルミニウム及びニオブの各々の量は(W, V, Ti, Al, Nb) ≦0.2wt%である。より好ましくは、W, V, Ti, Al, Nbの各々の量は≦0.1wt%であり、そして(W +V +Ti +Al +Nb) ≦0.3wt%である。好ましくは、スチール合金中のコバルトの量は0〜0.5wt%の範囲である。
スチール合金は、有利には、ワイヤ、スプリング、ストリップ、チューブ、パイプ、バーならびに冷間圧造及び冷間鍛造により製造される製品などの物品中に含まれることができる。
スチール合金は、ワイヤ、スプリング、ストリップ、チューブ、パイプ、冷間圧造されもしくは冷間鋳造された物品、又は、冷間圧縮/冷間成形により製造される物品などの物品の製造における使用に最適である。
発明の詳細な説明
本発明の発明者は、各個別の元素の効果及び幾つかの元素の組み合わせ効果の両方に関して下記に示す合金元素の量を注意深くバランスさせることにより、他の低ニッケルオーステナイトステンレススチール合金と比較して、優れた延性及び加工特性ならびに改良された耐腐食性を有するスチール合金が得られることを発見した。特に、下記に記載される関係にしたがって合金元素の量をバランスさせたときに、最適な特性がスチール合金において得られることが発見された。
以下に、各合金元素の範囲の説明とともにスチール合金の種々の元素の効果を説明する。
合金元素
炭素(C)は高温及び低温でのスチール合金のオーステナイト相を安定化させる。炭素は、また、マルテンサイト相の硬度を増加させることにより変形硬化を促進し、そのことはある程度スチール合金に望ましい。炭素は、さらに、機械強度を増加させ、そしてスチール合金のエージング効果を増加させる。しかしながら、高い量の炭素はスチール合金の延性及び耐腐食性を劇的に低減させる。それゆえ、炭素の量は0.02〜0.06wt%の範囲に制限されるべきである。
ケイ素(Si)はスチール合金の製造の間にスチールメルトから酸素を除去するために必要である。ケイ素はスチール合金のエージング効果を増加させる。ケイ素は、また、フェライトの形成を促進し、そして高い量で、ケイ素は中間相(intermetallic phase)の析出の傾向を増加する。スチール合金中のケイ素の量は、それゆえ、最大で1.0wt%に制限されるべきである。好ましくは、ケイ素の量は0.2〜0.6wt%の範囲に制限されるべきである。
マンガン(Mn)はオーステナイト相を安定化させ、それゆえ、スチール合金中に形成されるフェライトの量を制御するために、ニッケルの代替として重要な元素である。しかしながら、非常に高い含有分で、マンガンはオーステナイト安定化元素からフェライト安定化元素に変化するであろう。マンガンの別の正の効果は固相中の窒素の溶解性を改良し、そしてそれにより、オーステナイト微細構造の安定性を間接的に増加させる。マンガンは、しかしながら、スチール合金の変形硬化を増加させ、それにより、変形力を増加させ、延性を低下させ、冷間加工の間のスチール合金における亀裂形成の危険性を高める。マンガンの量が増加すると、スチール合金の耐腐食性が低下し、特に、孔食に対する耐性が低下する。スチール合金中のマンガンの量は、それゆえ、2.0〜6.0wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくはマンガンの量は2.0〜5.5wt%の範囲、より好ましくは、2.0〜5.0wt%の範囲に限定される。
ニッケル(Ni)は標準的なオーステナイトステンレススチール合金の合金コストに大きく寄与する高価な合金元素である。ニッケルはオーステナイトの形成を促進し、このため、フェライトの形成を阻害し、そして延性を改良し、そしてある程度、耐腐食性を改良する。ニッケルは、また、冷間加工の間にスチール合金中のオーステナイト相をマルテンサイト相(変形マルテンサイト)に変態することから安定化させる。しかしながら、一方で、オーステナイト、フェライト及びマルテンサイト相と、他方で、スチール合金の総合金元素コストとの間の適切なバランスを達成するために、ニッケルの量は2.0〜4.5wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくはニッケルの量は2.5〜4.0wt%の範囲に限定される。
クロム(Cr)はスチール合金の表面上にクロム酸化物層を形成することにより耐腐食性を提供するので、ステンレススチール合金の重要な元素である。それゆえ、クロム含有分の増加は腐食性を低減させる他の元素の変化を補うために使用でき、それにより、スチール合金の最適耐腐食性を達成することができる。クロムは固相中の窒素の溶解性を促進し、そのことはスチール合金の機械強度に対して正の効果を有する。クロムは、また、冷間加工の間の変形マルテンサイトの量を低減し、そのことにより、スチール合金の冷間加工性を改良するオーステナイト構造を維持するのを間接的に助ける。しかしながら、高温では、フェライト(δフェライト)の量はクロム含有分の増加とともに増加し、それはスチール合金の熱間加工性を低下させる。スチール合金中のクロムの量は、それゆえ、17〜19wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくはクロムの量は17.5〜19wt%の範囲に限定される。
銅(Cu)はスチールの延性を増加させ、そしてオーステナイト相を安定化させ、このため、変形の間のオーステナイトからマルテンサイトへの変態を阻害し、このことはスチールの冷間加工にとって好ましい。銅は、また、スチール合金の積層欠陥エネルギーの増加により生じる、冷間加工の間の未変態のオーステナイト相の変形硬化をも低減する。高温では、高すぎる量の銅は、マトリックス中の銅の溶解性限界を超える危険性が大きくなり、そして脆性層の形成の危険性が大きくなるために、スチールの熱間加工性を激しく低下させる。それ以外に、銅を添加することにより、析出硬化が増加するために、焼き戻しの間のスチール合金の強度を改良するであろう。高い窒素含有分では、銅はスチール合金の耐腐食性及び延性を低減させることがあるクロム窒化物の形成を促進する。スチール合金中の銅の量は、それゆえ、2.0wt%〜4.0wt%の範囲に限定されるべきである。
窒素(Ni)は孔食に対するスチール合金の耐性を増加させる。窒素は、また、オーステナイトの形成を促進し、そして冷間加工の間のオーステナイトから変形マルテンサイトへの変態を抑制する。窒素は、また、完了した冷間加工の後に、スチール合金の機械強度を増加させ、そのことは続いて行う焼き戻し操作の間にスチール合金中に小さい粒子が析出することにより通常に生じる析出硬化によりさらに改良されうる。しかしながら、窒素の量がより高くなると、オーステナイト相の変形硬化が増加し、そのことは変形力に対して負の効果がある。さらにより高い量の窒素では、固相中の窒素の溶解性限界を超える危険性が高まり、スチール中に気相(バブル)を生じる。オーステナイト相の安定化の効果と、析出硬化及び変形硬化の効果との間の正確なバランスを達成するために、スチール合金中の窒素の含有分は0.15〜0.25wt%の範囲に限定されるべきである。
モリブデン(Mo)はほとんどの環境下に耐腐食性を大きく改良する。しかしながら、モリブデンは高価な合金元素であり、そして、また、フェライト相に対する強い安定化効果を有する。それゆえ、スチール合金中のモリブデンの量は0〜1.0wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくは0〜0.5wt%の範囲である。
タングステン(W)はフェライト相を安定化させ、そして炭素に対して高い親和性を有する。しかしながら、高含有分のCr及びMoとの組み合わせでの高含有分のタングステンでは脆性中間相析出物の形成の危険性が増加する。タングステンは、それゆえ、0〜0.3wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくは0〜0.2wt%、より好ましくは0〜0.1wt%の範囲である。
バナジウム(V)はフェライト相を安定化させ、そして炭素及び窒素に対して高い親和性を有する。バナジウムは析出硬化性元素であり、焼き戻しの後のスチールの強度を増加させるであろう。バナジウムは、スチール合金中、0〜0.3wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくは0〜0.2wt%、より好ましくは0〜0.1wt%の範囲に限定される。
チタン(Ti)はδフェライト相を安定化させ、そして炭素及び窒素に対して高い親和性を有する。チタンは、それゆえ、溶融又は溶接の間の窒素及び炭素の溶解度を増加させ、そそしてキャスティングの間に窒素ガスのバブルの形成を回避するために使用されうる。しかしながら、材料中の過剰量のTiはキャスティングプロセスを妨害することがあるキャスティングの間の炭化物及び窒化物の析出を生じさせる。形成される炭窒化物は、また、耐腐食性、靭性、延性及び疲労強度を低減させる欠陥として作用することもある。チタンは0〜0.5wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくは0〜0.2wt%、より好ましくは0〜0.1wt%に限定される。
アルミニウム(Al)はスチール合金の溶融及びキャスティングの間に脱酸素剤として用いる。アルミニウムは、また、フェライト相を安定化させ、そして析出硬化を促進する。アルミニウムは0〜1.0wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくは0〜0.2wt%、より好ましくは0〜0.1wt%の範囲に限定される。
ニオブ(Nb)はフェライト相を安定化させ、そして窒素及び炭素に対して高い親和性を有する。ニオブは、それゆえ、溶融又は溶接の間の窒素及び炭素の溶解度を増加させるために使用できる。ニオブは0〜0.5wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくは0〜0.2wt%、より好ましくは0〜0.1wt%の範囲に限定される。
コバルト(Co)は鉄及びニッケルの中間の特性を有する。それゆえ、これらの元素を少量のCoで置き換えること又はCo-含有原料を使用することはスチール合金の特性を大きく変更することがないであろう。Coはオーステナイト安定化元素としてある量のNiを置き換えるために使用でき、そして高温腐食に対する耐性を増加させる。コバルトは高価な元素であり、それゆえ、0〜1.0wt%の範囲に限定されるべきであり、好ましくは0〜0.5wt%の範囲である。
スチール合金は、また、少量の通常に生じる汚染物元素、たとえば、硫黄及びリンを含むことができる。これらの元素は各々0.05wt%を超えるべきでない。
クロム-ニッケル当量
オーステナイト相及びフェライト(δフェライト)相の安定化を促進する合金元素間のバランスはスチール合金の熱間加工性及び冷間加工性が一般にスチール合金中のδフェライト相の量に依存するので重要である。もし、スチール合金中のδフェライト相の量が高すぎるならば、スチール合金は熱間圧延の間に高温割れの傾向を示すことがありそして冷間加工の間に強度及び延性などの機械特性が減じられることがある。さらに、δフェライトはクロム窒化物、クロム炭化物又は中間相の析出サイトとして作用することがある。δフェライトは、また、スチール合金の耐腐食性を劇的に減じるであろう。
クロム当量はスチール合金の固化の間の微細構造中のフェライト安定性及び該微細構造中に形成される相に対するその効果に対応する値である。クロム当量は変型Schaeffler DeLongダイアグラムから誘導でき、下記のとおりに定義される。
Creqv=[%Cr] +2×[%Si] +1.5×[%Mo] +5×[%V] +5.5×[%Al] +1.75×[%Nb] +1.5×[%Ti] +0.75×[%W]
(1)
ニッケル当量はスチール合金の固化の間の微細構造中のオーステナイト安定性及び該微細構造中に形成される相に対するその効果に対応する値である。ニッケル当量は変型Schaeffler DeLongダイアグラムから誘導でき、下記のとおりに定義される。
Nieqv= [%Ni] +[%Co] +0.5×[%Mn] +0.3×[%Cu] +25×[%N] +30×[%C] (2)
参考文献:D. R. Harries, Int. Conf. on Mechanical Behaviour and Nuclear Applications of Stainless Steels at Elevated Temperatures, Varese, 1981
スチール合金中の合金元素の量を等式(1)及び(2)が条件B1を満たすようにバランスさせる場合に、高加工率で非常に良好な冷間加工性、改良された延性、低減された変形硬化及び低減された表面亀裂の傾向が達成されることが判明した。
Nieqv -1.42×Creqv ≦ -13.42 (B1)
好ましくは、等式1によるδフェライト安定化合金元素の量及び等式2によるオーステナイト安定化合金元素の量は条件B2を満たすようにバランスされるべきである。
Nieqv -1.42×Creqv -16.00 (B2)
等式1によるδフェライト安定化合金元素の量及び等式2によるオーステナイト安定化合金元素の量は条件B3を満たすようにバランスされるべきである。
Nieqv +0.85×Creqv 29.00 (B3)
好ましくは、等式1によるδフェライト安定化合金元素の量及び等式2によるオーステナイト安定化合金元素の量は条件B4を満たすようにバランスされるべきである。
Nieqv +0.85×Creqv ≦ 31.00 (B4)
好ましくは、等式1によるδフェライト安定化合金元素の量及び等式2によるオーステナイト安定化合金元素の量は条件B5を満たすようにバランスされるべきである。
Nieqv +0.85×Creqv ≦ 30.00 (B5)
関係B1及びB2が満たされる場合には、スチール合金中のフェライト形成性合金元素及びオーステナイト形成性合金元素の組み合わせは優れている。スチール合金中において、オーステナイトマトリックス中のδフェライトの量はバランスされており、また、オーステナイト相の安定性及び変形マルテンサイトの量もバランスされている。それゆえ、スチール合金は優れた機械特性及び加工特性及び良好な耐腐食性を示す。スチール合金の特性は関係B2、B4及びB5によるフェライト形成性合金元素及びオーステナイト形成性合金元素の間のバランスを最適化することによりさらに改良されうる。
関係B1を満たさない合金組成物は、一般に、フェライト安定化元素との関係で、そして形成されるδフェライト相の量が少ないことを考慮して、オーステナイト安定化元素の量が高すぎる。低ニッケルステンレススチール合金において、高いオーステナイト安定性はオーステナイト相の高い安定性をもたらすマンガン又は窒素含有分の増加により主に達成され、次いで、加工の間のこの相の変形硬化が高められることにより達成される。
関係B2を満たす合金組成物は、最適量のδフェライト相がスチール合金中で達成されるようにオーステナイト安定化元素との関係でフェライト安定化元素の量がバランスされるので、加工の間の延性が増加しそして耐腐食性が改良されることを示す。
関係B3を満たす合金組成物は、主に冷間加工の間に、低減された変形硬化及び増加された延性を示す。これらの特性の改良は、主として、フェライト安定化元素及びオーステナイト安定化元素の両方の量が低量の変形マルテンサイトを含む安定なオーステナイト相を生じるために十分に高いことによる。
関係B4及びB5を満たす合金組成物は、フェライト安定化元素及びオーステナイト安定化元素の両方の最適化量が加工の間のマトリックスの変形硬化を減じるので、改良された機械特性を示す。
マルテンサイトの形成
スチール合金中でのマルテンサイトの形成を抑制する合金元素の関係はスチール合金の強度及び延性にとって重要である。室温での低い延性はある程度、変形硬化に依存し、その変形硬化はスチール合金の冷間加工の間にオーステナイトからマルテンサイトに変態することにより生じる。マルテンサイトはスチールの強度及び硬度を増加させる。しかし、多すぎるマルテンサイトがスチール中に形成されると、変形力が高められることにより、低温状態で加工するのが困難になることがある。また、多すぎるマルテンサイトは延性を低下させ、そしてスチール合金の冷間加工の間にスチール中に亀裂を生じることがある。
冷間変形の間のスチール合金中のオーステナイト相の安定性はスチール合金のMD30値により決定されうる。MD30はε=0.30(対数歪)に対応する変形がオーステナイトの50%を変形マルテンサイトに転化させる℃単位の温度である。このため、MD30温度が低下されることはオーステナイト安定性が増加することに対応し、そのことは変形マルテンサイトの形成量が減少することにより、冷間加工の間の変形硬化を低減させるであろう。本発明のスチール合金のMD30値は下記のとおりに定義される。
MD30 = (551 -462×([%C]+ [%N]) -9.2×[%Si] -8.1×[%Mn] -13.7×[%Cr] -29×([%Ni] +[%Cu]) -68×[%Nb] -18.5×[%Mo]) 0C (3)
参考文献:K. Nohara, Y. Ono及びN. Ohashi, Tetsu-to-Hagane, 1977;63:2772
等式3が下記の条件B6を満たすようにスチール合金の合金元素を調節するときに、最適な機械強度と組み合わせた非常に良好な冷間加工特性がスチール合金で達成されることが判明した。
-70 0C < MD30 < -25 °C (B6)
図面の説明
図1は直径1.0mmのワイヤからコイル巻きされた焼き戻しされたスプリングの破損に対して90%確度のS-N曲線を示す。SはMPaでの応力であり、Nはサイクル数である。平均応力は450MPaである。
具体的な実施例により本発明を以下に説明する。
例1
A,B,Cの名称の本発明に係るスチール合金の溶融処理金属を調製した。D, E, F, G, H, I, J, K, Lという名称の比較スチール合金の溶融処理金属を比較とした。インダクションファーネス中に配置されたるつぼ中で成分元素を溶融させることにより実験室スケールで溶融処理金属を調製した。各溶融処理金属の組成を表1a及び1bに示す。
スチール合金の溶融処理金属の各々について等式1〜3を計算した。表2は計算の結果を示す。その後、表2の結果を各等式B1〜B6の条件と比較し、試験溶融処理金属が条件B1〜B6を満たしているかどうかを決定した。表3は比較の結果を示す。「YES」は条件を満たすことを意味し、「NO」は条件を満たさないことを意味する。
溶融体を小さいインゴットにキャスティングし、寸法が4×4×3mmであるスチール合金のサンプルを各溶融処理金属から調製した。
Figure 2012516390
Figure 2012516390
Figure 2012516390
Figure 2012516390
各溶融処理金属から取ったサンプルに対して行った下記の一連の試験により各溶融処理金属の特性を決定した。
まず、60%塑性変形に対応する厚さ減少となるまで力を増加しながら液圧プレス中でサンプルを加圧することにより各サンプルを可塑変形に付した。加えた最大力をkNで各サンプルについて測定した。結果を表4に示す。
その後、各サンプルのビッカー硬度[HV1]を標準測定手順(SS112517)にしたがって測定した。硬度測定の結果を表4に示す。
各サンプル中の相の総量の百分率として、加圧の間に形成された変形マルテンサイトの量[Mart.]を、サンプルの変形の前及び後の磁性相の量の差異としてファライトスコープ(Ferritoscope)によって測定した。結果を表4に示す。
変形の間に各サンプルにおいて形成された亀裂の数についても、マイクロサンプルのシュウ酸中でのエッチングの後に、光学顕微鏡(light optical microscope)においてサンプルの周縁付近を計数した。結果を表4に示す。
表4に、溶融処理金属A、B、Cのサンプルは141〜168Nの範囲の比較的に低い変形力で変形できたことが示されている。変形したサンプルの硬度は418〜444HVの範囲であり、サンプル中のマルテンサイトの百分率は8〜11%の範囲である。サンプルにおいて、14〜22の数の非常に少ない亀裂を観測した。
溶融処理金属D、G、H及びIのサンプルは474〜484HVの範囲にあり、変形後の硬度が高すぎて、微細寸法に冷間加工するのに適さないことを示し、溶融処理金属G及びIのサンプルでは87及び41という多数の亀裂が観測された。溶融処理金属E、F、J、K及びLのサンプルは180〜193Nと変形力が高すぎて、高い加工率での冷間加工に適さないことを示した。溶融処理金属K及びLは、それに加えて、487及び458HVという比較的に高い硬度を示した。43及び53個の多数の亀裂も溶融処理金属F及びJのサンプルにおいて観測された。
表4に示す結果から、溶融処理金属A、B及びCから取ったサンプルは、溶融処理金属D、E、F、G、H、I、J、K、Lから取ったサンプルと比較して、低温条件下に優れた加工性を示すことが明らかである。このため、変形力、硬度、マルテンサイト含有分及び亀裂の数により示されるとおり、溶融処理金属A、B及びCから取ったサンプルは、溶融処理金属D、E、F、G、H、I、J、K、Lと比較して、60%塑性変形を大きく超える加工率に対応する厚さ減少に付すのに満足される機械強度及び延性を示した。
Figure 2012516390
例2
名称Mの本発明のスチール合金の溶融処理金属を調製した。若干異なる組成の名称N及びOの2つの溶融処理金属を比較のために調製した。比較のために、標準スプリングスチール合金である、名称Pのスチール合金AISI302の1つの溶融処理金属を調製し、さらに、名称Qの、低ニッケル含有分の標準スチール合金である、スチール合金AISI204Cuの1つの溶融処理金属を調製した。
溶融処理金属は各々約10メートルトンであると計量され、そしてHF-炉中で成分元素を溶融させ、次いで、CLU-コンバータにおいて精製し、そして取鍋処理(ladle treatment)を行うことにより製造された。別個の溶融処理金属を21”インゴットに[キャスティングした。各溶融処理金属の組成を表5に示す。溶融処理金属M〜Qについて等式1〜3を計算した。表6は計算の結果を示す。表6の結果を、その後、各等式B1〜B6についての条件と比較し、スチール溶融処理金属が条件B1〜B6を満たしているかどうかを決定した。表7は比較の結果を示す。「YES」は条件を満たすことを意味し、「NO」は条件を満たさないことを意味する。
Figure 2012516390
Figure 2012516390
Figure 2012516390
溶融処理金属を下記の処理に付した。
溶融処理金属Mのインゴット、ならびに、比較のスチール合金の溶融処理金属N、O、P及びQのインゴットを1200℃に加熱し、最終寸法が150×150mmである角棒へと圧延することにより成形した。
その後、角棒を1250℃の温度に加熱し、直径5.5mmのワイヤに圧延した。圧延直後にワイヤロッドを1050℃でアニール処理した。すべての溶融処理金属は良好な熱間加工性を有した。
熱間圧延されたワイヤを、1050℃での中間アニール処理を含む幾つかの工程において最終的に冷延伸して、最終直径1.4mm、1.0mm、0.60mm及び0.66mmとした。また、ワイヤを冷間圧延して、寸法2.75×0.40mmとした。サンプルを冷延伸したワイヤから取った。
各溶融処理金属のスチール合金の特性をスチール合金の冷間加工の間に分析し、そして結果を報告した。溶融処理金属Mのスチール合金は優れた加工性、低い変形硬化及び高い延性を有することが観測された。これらのすべての特性は標準AISI302又は204Cuグレードのスチールの溶融処理金属P及びQと比較して、良好であるか又は同一のレベルであることが観測された。溶融処理金属Oは良好な加工性を有するが、変形硬化はAISI302よりも高いことも観測された。溶融処理金属Nは低い加工率ですでに脆くなり、応力亀裂が観測された。
溶融処理金属M、N、O、P及びQの各スチール合金の特性を下記のとおりに決定した。
引張り強度
ワイヤロッド(5.50mm)のサンプル及び溶融処理金属M、N、O及びPの冷延伸ワイヤに対して引張り強度を標準SSEM10002-1によって決定した。すべてのサンプルを同一の製造パラメータで延伸しそしてアニール処理した。5.50mmの直径のサンプル中のマルテンサイトの量は磁気バランス装置によって得られた。直径1.4mmに延伸したサンプルでもマルテンサイトの量を測定し、そしてマルテンサイト相の増加量を計算した。表8は引張り試験の結果及びサンプル中の変形マルテンサイトの量を示している。
Figure 2012516390
最も良好な引張り試験結果は溶融処理金属Mで、特に大きな総加工率に対して得られた。溶融処理金属Mのスチール合金は最も低い強度及び最も高い延性を有し、溶融処理金属P(AISI302)の引張り強度と同等である。非常に少量のマルテンサイがサンプルM中に形成された。溶融処理金属Oのスチール合金は大きな加工率を必要とする微細寸法に冷間加工するには高すぎる強度及び低すぎる延性を示すことを結果はさらに示している。溶融処理金属Nのすべての寸法のサンプルは脆く、それゆえ、スチール合金Nは冷間加工にあまり適さない。最も多量のマルテンサイトがサンプルN中に形成された。
焼き戻し効果
多くの用途、特にスプリングについて、焼き戻し効果は重要である。高い焼き戻し応答はスプリング力、緩和及び疲労耐性などの多くのスプリング特性に利益をもたらすであろう。
焼き戻し効果を決定するために、冷延伸ワイヤのサンプルを溶融処理金属M及びPから取った。ワイヤの引張り強度を測定した。ワイヤをコイル巻きし、そして熱処理して強度を上げた(エージング)。熱処理は、また、変形マルテンサイトの靭性を上げ、そして応力を解放する(焼き戻し)。熱処理の後に、ワイヤの引張り強度を再び測定し、焼き戻し効果を引張り強度の増加として決定した。表9は異なる温度で1時間の保持時間を用いた際の1.0mmワイヤについての引張り強度の増加として焼き戻し効果の結果を示している。
溶融処理金属Mのサンプルの引張り強度の増加は溶融処理金属P(AISI302)のサンプルよりもずっと大きかった。大きい引張り強度の増加は多くの用途、特にスプリング用途にとって重要である。溶融処理金属Mの高い焼き戻し応答は主に高い銅及び窒素含有分によるものであり、そのことがスチール合金の析出硬化を増加させる。
Figure 2012516390
緩和
緩和はスプリング用途にとって非常に重要なパラメータである。緩和はスプリングが時間経過で緩むスプリング力である。
緩和特性は溶融処理金属M及びPについて決定した。1.0mmワイヤのサンプルを各溶融処理金属から取った。各ワイヤサンプルをコイル巻きしてスプリングとし、そして350℃で1時間焼き戻した。その後、各スプリングを、それぞれ応力800、1000、1200及び1400MPaに対応する長さに伸ばした。ニュートン(N)でのスプリング力の損失を室温で24時間にわたって測定した。緩和は百分率で測定したスプリング力の損失である。試験の結果を表10に示す。
Figure 2012516390
溶融処理金属Mの緩和が溶融処理金属P(AISI302)のサンプルのスプリングよりもずっと低く、そのため、溶融処理金属Mのスチール合金のほうがスプリング用途にずっと適していることが表10において明らかであることができる。
疲労強度
疲労強度を溶融処理金属M及びPのサンプルについて決定した。溶融処理金属M及びPから製造されたスプリングを350℃で1時間焼き戻しした。その後、スプリングを固定具に締結し、周期引張り応力に付した。同時に平行で10個のスプリングを試験した。各スプリングサンプルを、サンプルが破損するまで又は最大で10,000,000サイクルに到達するまで所与の応力レベルで試験した。その後、サンプルの疲労強度をWohler S-Nダイアグラムを用いることにより評価した。図1は破損に対する90%確度の試験結果を示す。
図1から、溶融処理金属Mの焼き戻しされたスプリングの疲労強度は溶融処理金属P(AISI302)のスプリングよりも高いことが明らかである。
孔食
電気化学試験の間に臨界孔食温度(CPT)を測定することにより、溶融処理金属Mのサンプルならびに溶融処理金属P(AISI302)及び溶融処理金属Q(AISI204Cu)のサンプルについて孔食に対する耐性を決定した。
5.5mmワイヤロッドサンプルを各スチール溶融処理金属から取った。各サンプルをグラインドしそしてポリッシュして表面特性の影響を低減させた。サンプルを300mVの一定電圧で0.1%NaCl溶液中に浸漬させた。サンプル上に腐食を示すことができるところまで溶液の温度を5分毎に5℃ずつ上昇させた。CPT試験の結果を表11に示す。
表11は溶融処理金属Mが溶融処理金属P(AISI302)と比較して十分な孔食耐性を示すことを示している。この腐食試験の結果は溶融処理金属Mが溶融処理金属Q(AISI204Cu)よりも高い耐腐食性示すことを示している。
Figure 2012516390

Claims (14)

  1. 下記の質量%(wt%)の組成:
    0.02 ≦ C ≦ 0.06
    Si < 1.0
    2.0 ≦ Mn ≦ 6.0
    2.0 ≦ Ni ≦ 4.5
    17 ≦ Cr ≦ 19
    2.0 ≦ Cu ≦ 4.0
    0.15 ≦ N ≦ 0.25
    0 ≦ Mo ≦ 1.0
    0 ≦ W ≦ 0.3
    0 ≦ V ≦ 0.3
    0 ≦ Ti ≦ 0.5
    0 ≦ Al ≦ 1.0
    0 ≦ Nb ≦ 0.5
    0 ≦ Co ≦ 1.0
    残部のFe及び通常に生じる不純物、
    を有するオーステナイトステンレススチール合金であって、下記条件:
    Nieqv-1.42×Creqv ≦ -13.42、及び、
    Nieqv + 0.85×Creqv ≧ 29.00
    (上式中、Creqv=[%Cr] +2×[%Si] +1.5×[%Mo] +5×[%V] +5.5×[%Al] +1.75×[%Nb] +1.5×[%Ti] +0.75×[%W]
    Nieqv= [%Ni] +[%Co] +0.5×[%Mn] +0.3×[%Cu] +25×[%N] +30×[%C]である)
    及び、-70 0C < MD30 < -25 0C
    (上式中、MD30 = (551 -462×([%C]+ [%N]) -9.2×[%Si] -8.1×[%Mn] -13.7×[%Cr] - 29×([%Ni] +[%Cu]) -68×[%Nb] -18.5×[%Mo]) 0Cである)
    を満たすように合金元素の含有分がバランスされていることを特徴とするオーステナイトステンレススチール合金。
  2. 前記スチール合金中の合金元素の含有分は下記の条件:
    Nieqv-1.42×Creqv ≧ -16.00
    を満たすようにバランスされている、請求項1記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  3. 前記スチール合金中の合金元素の含有分は下記の条件:
    Nieqv+0.85×Creqv ≦ 31.00
    を満たすようにバランスされている、請求項1〜3のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  4. 前記スチール合金中の合金元素の含有分は下記の条件:
    Nieqv+0.85×Creqv ≦ 30.00
    を満たすようにバランスされている、請求項1〜4のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  5. 0.2 ≦ Si ≦ 0.6wt%である、請求項1〜5のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  6. 2.0 ≦ Mn ≦ 5.5wt%である、請求項1〜6のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  7. 2.0 ≦ Mn ≦ 5.0wt%である、請求項1〜7のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  8. 2.5 ≦ Ni ≦ 4.0wt%である、請求項1〜8のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  9. 17.5 ≦ Cr ≦ 19wt%である、請求項1〜9のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  10. O ≦ Mo ≦ 0.5wt%である、請求項1〜10のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  11. W, V, Ti, Al, Nbの各々は≦0.2wt%である、請求項1〜11のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  12. 0 ≦ Co ≦ 0.5wt%である、請求項1〜12のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金。
  13. 元素W, V, Ti, Al及びNbの各々の量は≦0.1wt%であり、(W +V +Ti +Al +Nb) ≦0.3wt%である、請求項1〜13のいずれか1項記載の合金。
  14. 請求項1〜14のいずれか1項記載のオーステナイトステンレススチール合金を含む、ワイヤ、スプリング、ストリップ、チューブ、パイプ、バー、又は、冷間圧造もしくは冷間鍛造により製造される物品などの物品。
JP2011547865A 2009-01-30 2010-01-28 ステンレスオーステナイト低Niスチール合金 Expired - Fee Related JP5462281B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE0900108A SE533635C2 (sv) 2009-01-30 2009-01-30 Austenitisk rostfri stållegering med låg nickelhalt, samt artikel därav
SE0900108-2 2009-01-30
PCT/SE2010/050086 WO2010087766A1 (en) 2009-01-30 2010-01-28 Stainless austenitic low ni steel alloy

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012516390A true JP2012516390A (ja) 2012-07-19
JP2012516390A5 JP2012516390A5 (ja) 2013-01-24
JP5462281B2 JP5462281B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=40718520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011547865A Expired - Fee Related JP5462281B2 (ja) 2009-01-30 2010-01-28 ステンレスオーステナイト低Niスチール合金

Country Status (8)

Country Link
US (1) US8540933B2 (ja)
EP (1) EP2226406B1 (ja)
JP (1) JP5462281B2 (ja)
CN (1) CN102301028B (ja)
ES (1) ES2562794T3 (ja)
PL (1) PL2226406T3 (ja)
SE (1) SE533635C2 (ja)
WO (1) WO2010087766A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020531688A (ja) * 2017-08-22 2020-11-05 ポスコPosco 熱間加工性および耐水素脆性に優れた低Niオーステナイト系ステンレス鋼

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2713899T3 (es) 2007-11-29 2019-05-24 Ati Properties Llc Acero inoxidable austenítico pobre
US8337749B2 (en) * 2007-12-20 2012-12-25 Ati Properties, Inc. Lean austenitic stainless steel
MX2010005668A (es) 2007-12-20 2010-06-03 Ati Properties Inc Acero inoxidable austenitico delgado resistente a la corrosion.
RU2461641C2 (ru) 2007-12-20 2012-09-20 ЭйТиАй ПРОПЕРТИЗ, ИНК. Аустенитная нержавеющая сталь с низким содержанием никеля и содержащая стабилизирующие элементы
DE102012104254A1 (de) * 2011-11-02 2013-05-02 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Kostenreduzierter Stahl für die Wasserstofftechnik mit hoher Beständigkeit gegen wasserstoffinduzierte Versprödung
DE102011089965A1 (de) * 2011-12-27 2013-06-27 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum Fügen metallischer Bauteile
ES2885758T3 (es) * 2012-01-20 2021-12-15 Solu Stainless Oy Procedimiento para la fabricación de un producto de acero inoxidable austenítico
UA111115C2 (uk) 2012-04-02 2016-03-25 Ейкей Стіл Пропертіс, Інк. Рентабельна феритна нержавіюча сталь
CN105324507B (zh) * 2013-06-28 2017-10-10 Ykk株式会社 拉链用金属部件、采用该拉链用金属部件的拉链、以及拉链用金属部件的制造方法
CN103464696B (zh) * 2013-09-12 2016-09-28 重庆强大巴郡知识产权服务有限公司 锻打不锈钢刀坯近终制造工艺
CN103618154B (zh) * 2013-11-14 2016-08-31 国家电网公司 一种用于输电线路杆塔耐腐蚀接地装置及其制备方法
FI127274B (en) * 2014-08-21 2018-02-28 Outokumpu Oy HIGH-STRENGTH AUSTENITE STAINLESS STEEL AND ITS PRODUCTION METHOD
CN107683483B (zh) * 2015-06-02 2021-07-20 贝卡尔特公司 用于rfid标签中的天线
CN105066096A (zh) * 2015-08-05 2015-11-18 上海锅炉厂有限公司 一种700℃超超临界机组锅炉的集箱
BR102016001063B1 (pt) 2016-01-18 2021-06-08 Amsted Maxion Fundição E Equipamentos Ferroviários S/A liga de aço para componentes ferroviários, e processo de obtenção de uma liga de aço para componentes ferroviários
GB2546808B (en) * 2016-02-01 2018-09-12 Rolls Royce Plc Low cobalt hard facing alloy
GB2546809B (en) * 2016-02-01 2018-05-09 Rolls Royce Plc Low cobalt hard facing alloy
KR102364389B1 (ko) * 2017-09-27 2022-02-17 엘지전자 주식회사 공기 조화기
CN109207846A (zh) * 2018-07-24 2019-01-15 福建青拓特钢技术研究有限公司 一种高耐蚀节镍高氮奥氏体不锈钢
KR102160735B1 (ko) * 2018-08-13 2020-09-28 주식회사 포스코 강도가 향상된 오스테나이트계 스테인리스강
KR102120700B1 (ko) * 2018-09-13 2020-06-09 주식회사 포스코 확관가공성 및 내시효균열성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강
KR102249965B1 (ko) * 2019-05-28 2021-05-11 주식회사 포스코 용접부 내식성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강
CN111057967A (zh) * 2019-12-31 2020-04-24 九牧厨卫股份有限公司 一种高耐蚀抗刮擦不锈钢板、不锈钢水槽及其制备方法
CN110983191A (zh) * 2019-12-31 2020-04-10 九牧厨卫股份有限公司 一种高耐蚀不锈钢板、不锈钢水槽及其制备方法
CN111876670B (zh) * 2020-06-30 2021-11-09 九牧厨卫股份有限公司 一种高硬度耐刮不锈钢、不锈钢水槽及其制备方法
CN114807741B (zh) * 2021-09-02 2023-09-22 中国科学院金属研究所 一种基于碳化物析出提高奥氏体不锈钢性能的方法
CN115572887B (zh) * 2022-10-31 2023-06-09 常州大学 一种超细孪晶梯度结构中锰钢及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56152951A (en) * 1980-02-28 1981-11-26 Armco Steel Corp Copper and nitrogen-containing austenite stainless steel
JPH07233444A (ja) * 1994-02-22 1995-09-05 Nippon Steel Corp 高冷間加工性・非磁性ステンレス鋼
JP2003231951A (ja) * 2002-02-07 2003-08-19 Sanyo Special Steel Co Ltd 高強度析出硬化型ステンレス鋼、ステンレス鋼線並びにその鋼線による締結用高強度部品
JP2008038191A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Nippon Metal Ind Co Ltd オーステナイト系ステンレス鋼とその製造方法

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5120288B2 (ja) * 1972-05-04 1976-06-24
JPS6189694A (ja) 1984-10-09 1986-05-07 ソニー株式会社 プリント基板の形状矯正方法及びその装置
JPS61124556A (ja) 1984-11-20 1986-06-12 Kawasaki Steel Corp 低ニツケルオ−ステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法
SE459185B (sv) 1987-10-26 1989-06-12 Sandvik Ab Ferrit-martensitiskt rostfritt staal med deformationsinducerad martensitfas
FR2630132B1 (fr) 1988-04-15 1990-08-24 Creusot Loire Acier inoxydable austeno-ferritique
JPH0686645B2 (ja) * 1989-05-31 1994-11-02 日本金属工業株式会社 熱間加工性に優れたニッケル節減型オーステナイト系ステンレス鋼
JPH0686645A (ja) * 1991-10-07 1994-03-29 Takenori Kato 定形ソース入りゲル
US5286310A (en) 1992-10-13 1994-02-15 Allegheny Ludlum Corporation Low nickel, copper containing chromium-nickel-manganese-copper-nitrogen austenitic stainless steel
JP3002357B2 (ja) 1993-06-11 2000-01-24 松下電工株式会社 太陽電池瓦付き屋根パネル
FR2780735B1 (fr) 1998-07-02 2001-06-22 Usinor Acier inoxydable austenitique comportant une basse teneur en nickel et resistant a la corrosion
WO2000026428A1 (en) 1998-11-02 2000-05-11 Crs Holdings, Inc. Cr-mn-ni-cu austenitic stainless steel
SE517449C2 (sv) 2000-09-27 2002-06-04 Avesta Polarit Ab Publ Ferrit-austenitiskt rostfritt stål
FR2827876B1 (fr) 2001-07-27 2004-06-18 Usinor Acier inoxydable austenitique pour deformation a froid pouvant etre suivi d'un usinage
US6551420B1 (en) 2001-10-16 2003-04-22 Ati Properties, Inc. Duplex stainless steel
TWI247813B (en) 2002-10-23 2006-01-21 Yieh United Steel Corp Austenite stainless steel with low nickel content
SI1431408T1 (sl) 2002-12-19 2007-06-30 Yieh United Steel Corp AVSTENTIÄŚNO NERJAVEÄŚE CrNiMnCu JEKLO Z NIZKO VSEBNOSTJO NIKLJA
JP4498847B2 (ja) 2003-11-07 2010-07-07 新日鐵住金ステンレス株式会社 加工性に優れたオ−ステナイト系高Mnステンレス鋼
KR20060074400A (ko) 2004-12-27 2006-07-03 주식회사 포스코 니켈 절감형 고내식성 2상 스테인리스강
EP1690957A1 (en) 2005-02-14 2006-08-16 Rodacciai S.p.A. Austenitic stainless steel
JP4494245B2 (ja) * 2005-02-14 2010-06-30 日新製鋼株式会社 耐候性に優れた低Niオーステナイト系ステンレス鋼材
JP2007063632A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Nippon Metal Ind Co Ltd オーステナイト系ステンレス鋼
CN100507054C (zh) * 2005-11-29 2009-07-01 宝山钢铁股份有限公司 耐腐蚀延伸性好的低镍奥氏体不锈钢
JP4331731B2 (ja) * 2006-01-30 2009-09-16 日本金属工業株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼およびその鋼で製造されたばね
JP5014915B2 (ja) 2007-08-09 2012-08-29 日新製鋼株式会社 Ni節減型オーステナイト系ステンレス鋼

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56152951A (en) * 1980-02-28 1981-11-26 Armco Steel Corp Copper and nitrogen-containing austenite stainless steel
JPH07233444A (ja) * 1994-02-22 1995-09-05 Nippon Steel Corp 高冷間加工性・非磁性ステンレス鋼
JP2003231951A (ja) * 2002-02-07 2003-08-19 Sanyo Special Steel Co Ltd 高強度析出硬化型ステンレス鋼、ステンレス鋼線並びにその鋼線による締結用高強度部品
JP2008038191A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Nippon Metal Ind Co Ltd オーステナイト系ステンレス鋼とその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020531688A (ja) * 2017-08-22 2020-11-05 ポスコPosco 熱間加工性および耐水素脆性に優れた低Niオーステナイト系ステンレス鋼
JP7117369B2 (ja) 2017-08-22 2022-08-12 ポスコ 熱間加工性および耐水素脆性に優れた低Niオーステナイト系ステンレス鋼

Also Published As

Publication number Publication date
US20120034126A1 (en) 2012-02-09
US8540933B2 (en) 2013-09-24
SE0900108A1 (sv) 2010-07-31
EP2226406A1 (en) 2010-09-08
CN102301028B (zh) 2014-12-31
EP2226406B1 (en) 2016-01-06
WO2010087766A8 (en) 2011-07-28
PL2226406T3 (pl) 2016-08-31
ES2562794T3 (es) 2016-03-08
SE533635C2 (sv) 2010-11-16
JP5462281B2 (ja) 2014-04-02
WO2010087766A1 (en) 2010-08-05
CN102301028A (zh) 2011-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5462281B2 (ja) ステンレスオーステナイト低Niスチール合金
US11767585B2 (en) Steel wire, a method for manufacturing the same, and method for manufacturing a spring or medical wire products
WO2018066579A1 (ja) NiCrFe合金
CN101400818A (zh) 弹簧钢、使用该钢的弹簧制造方法和由该钢制造的弹簧
EP2885440A1 (en) High-chromium heat-resistant steel
JP2013147705A (ja) フェライト系ステンレス鋼線材、及び鋼線、並びに、それらの製造方法
JP5154122B2 (ja) 高強度ステンレス鋼及びこれを用いた高強度ステンレス鋼線
CN110088323B (zh) 包含双相不锈钢的制品及其用途
JP2019189889A (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
RU2383649C2 (ru) Дисперсионно-твердеющая сталь (варианты) и изделие из стали (варианты)
JP5977609B2 (ja) 省Ni型オーステナイト系ステンレス鋼
WO2023105852A1 (ja) 冷間鍛造性及び、耐水素脆化特性又は耐食性と非磁性に優れるステンレス鋼
JP4331731B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼およびその鋼で製造されたばね
US11306378B2 (en) Duplex stainless steel
KR20230156447A (ko) 새로운 오스테나이트계 스테인리스 합금
RU76647U1 (ru) Вал (варианты)
JPH1180906A (ja) 降伏応力を高めた高強度ステンレス鋼帯およびその製造方法
WO2012160594A1 (ja) ばね用オーステナイト系ステンレス鋼及びばね用ステンレス加工材
JP2011047008A (ja) ばね用オーステナイト系ステンレス鋼
JP2023004363A (ja) 耐水素脆化高硬度ステンレス鋼
Moon et al. Aging Effect on Mechanical Behavior of Duplex Satinless Steel

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees