JP2012511571A - 11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンクエン酸塩 - Google Patents

11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンクエン酸塩 Download PDF

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Abstract

本発明は、改善された特性を有することがわかった11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエン(化合物I)の特定の塩に関する。特に本発明は、この化合物のクエン酸塩に関する。本発明はまた、当該クエン酸塩を含有する医薬組成物及び特定の医学的状態の治療における当該クエン酸塩の使用方法に関する。

Description

本発明は、11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンのクエン酸塩に関する。加えて、本発明は、当該クエン酸塩を含有する医薬組成物及び特定の医学的状態の治療における当該塩の使用方法に関する。
背景技術
化合物11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエン(化合物I)は、PCT/SG2006/000352において初めて記載されたものであり、数多く医学的状態の治療のための薬学的活性薬剤として有意な見込みを示し、この化合物によって示される活性プロフィールに基づいてこの化合物の臨床的開発が進行中である。
Figure 2012511571
量産及び最終的には工業的使用に適した薬物の開発においては、対象の標的に対する薬物活性の許容可能レベルは、考慮しなければならない重要な変数の一つでしかない。たとえば、医薬組成物の調合においては、薬学的活性物質が、工業的製造法において確実に再現することができ、その薬学的活性物質が暴露される条件に耐えるのに十分な頑強さを有する形態にあるということが必須である。
製造の意味において、工業的製造中、薬学的活性物質の製造法は、同じ製造条件が使用される場合に同じ物質が再現されるような方法であることが重要である。加えて、薬学的活性物質は固体形態で存在して、製造条件の小さな変更が、製造される薬学的活性物質の固体形態の大きな変化をもたらさないことが望ましい。たとえば、製造法は、信頼できる原則で同じ結晶性を有する物質を確実に製造し、また、同じ水和レベルを有する物質を製造することが重要である。
加えて、薬学的活性物質は、分解、吸湿性及びその後の固体形態への変化に対して安定であることが重要である。これは、医薬処方への薬学的活性物質の配合を容易にするために重要である。薬学的活性物質が、水を吸収する(ゆっくり又は時間とともに)という意味において吸湿性(「粘着性」)であるならば、同じ用量を提供するために添加される薬物への物質の量が水和の程度に依存して大きく異なるため、薬学的活性物質を確実に調合することはほぼ不可能である。さらには、水和又は固体形態における変化(「多形性」)が物理化学的性質、たとえば溶解度又は溶解速度の変化をもたらすおそれがあり、それが他方で、患者における非一貫的な経口吸収をもたらすおそれがある。
したがって、薬学的活性物質の化学的安定性、固体状態安定性及び「保存寿命」は非常に重要な要因である。理想的な状況において、薬学的活性物質及びそれを含有する組成物は、その活性物質の物理化学的特徴、たとえばその活性、水分含量、溶解度特性、固体形態などの有意な変化を示すことなく、かなりの期間にわたって有効に貯蔵することができるべきである。
11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンに関しては、その塩酸塩に対して初期研究が実施され、多形が優勢であることが示され、化合物は、製造条件に依存して二つ以上の結晶形態をとることがわかった。加えて、製造条件が一定のままである場合でさえ、水分含量及び多形の比がバッチごとに異なるということが認められた。このようなバッチ間の非一貫性及び示された吸湿性が、工業的観点から、塩酸塩を比較的望ましくないものにした。
したがって、上記で特定した課題の一つ以上を解決又は改善する11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンの塩(単数又は複数)を開発することが望ましいであろう。
発明の概要
本発明は、11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンのクエン酸塩を提供する。
いくつかの実施態様において、塩は結晶質である。
いくつかの実施態様において、塩は1:1クエン酸塩である。いくつかの実施態様において、クエン酸塩は、X線回折において、2θスケール上、22.4°±0.5°でピークを示す。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩は、X線回折において、2θスケール上、10.2°±0.5°及び15.7°±0.5°でピークを示す。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩は、X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°からなる群より選択される少なくとも四つのピークを示す。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩は、X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°からなる群より選択される少なくとも六つのピークを示す。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩は、X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°のピークを示す。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩はまた、X線回折において、2θスケール上、7.2°±0.5°、10.9°±0.5°、17.1°±0.5°、17.6°±0.5°、18.5°±0.5°、18.7°±0.5°、20.7°±0.5°、23.1°±0.5°、23.3°±0.5°、24.2°±0.5°、25.1°±0.5°、25.8°±0.5°、26.2°±0.5°、26.9°±0.5°、27.5°±0.5°、28.7°±0.5°、29.3°±0.5°、31.0°±0.5°、32.4°±0.5°、37.3°±0.5°、38.6°±0.5°、39.9°±0.5°及び41.6°±0.5°のピークを示す。
本発明はまた、上記塩を含む医薬組成物を提供する。
別の実施態様において、本発明は、本発明の塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、増殖性疾患を治療又は予防する方法を提供する。いくつかの実施態様において、増殖性疾患はガンである。
別の実施態様において、本発明は、増殖性疾患の治療における本発明の塩の使用を提供する。いくつかの実施態様において、増殖性疾患はガンである。
別の実施態様において、本発明は、増殖性疾患の治療のための薬の製造における本発明の塩の使用を提供する。いくつかの実施態様において、増殖性疾患はガンである。
バッチHCl1のX線粉末回折(XRPD)回折図を示す。低分解能トレース(C2、上)及び高分解能トレース(D5000、下)。 バッチHCl1の示差走査熱量測定(DSC)(上)及び熱重量分析(TGA)(下)の結果を示す。 バッチHCl1の重量蒸気収着(Gravimetric Vapour Sorption)(GVS)の結果を示す。 GVSの前後のバッチHCl1のXRPD回折図を示す。 バッチHCl2のXRPD回折図を示す。 バッチHCl2のTGA(上)及びDSC(下)の結果を示す。 バッチHCl3のXRPD回折図を示す。 バッチHCl3のTGA(上)及びDSC(下)の結果を示す。 バッチHCl4の高分解能XRPD回折図を示す。 バッチHCl4のDSC(上)及びTGA(下)の結果を示す。 バッチHCl4のGVSの結果を示す。 バッチHCl5のXRPD回折図を示す(2条件)。 バッチHCl5(エタノールから調製)のDSCサーモグラムの結果を示す。 バッチHCl6のXRPD回折図を示す。低分解能トレース(C2、上)及び高分解能トレース(D5000、下)。 バッチHCl6のTGA(上)及びDSC(下)の結果を示す。 バッチHCl6のGVSの結果を示す。 バッチクエン酸塩1、2、3及び4の高分解能X線回折パターン(D5000)を示す。 バッチクエン酸塩1のTGA(上)及びDSC(下)の結果を示す。 バッチクエン酸塩2のTGA(上)及びDSC(下)の結果を示す。 バッチクエン酸塩3のTGA(上)及びDSC(下)の結果を示す。 バッチクエン酸塩4のTGA(上)及びDSC(下)の結果を示す。 バッチクエン酸塩1の可変温度X線回折パターンを示す。 バッチクエン酸塩1のGVS実験を示す。 バッチクエン酸塩1のGVS後XRPDスペクトルを示す。 図17の計器とは異なる計器で記録されたバッチクエン酸塩2の高分解能X線回折パターンを示す。 図17の計器とは異なる計器で記録されたバッチクエン酸塩3の高分解能X線回折パターンを示す。 図17の計器とは異なる計器で記録されたバッチクエン酸塩4の高分解能X線回折パターンを示す。 図17の計器とは異なる計器で記録されたバッチクエン酸塩5の高分解能X線回折パターンを示す。 図17の計器とは異なる計器で記録されたバッチクエン酸塩6の高分解能X線回折パターンを示す。 恒湿チャンバ中60℃及び96%RHにおける一週間の保管の前後におけるクエン酸塩グループA物質のX線回折パターンを示す。
詳細な説明
上述したように、11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンの特定の塩が単一の頑強な多形として存在するということが今や見いだされた。特に、本出願人は、この化合物のクエン酸塩が単一の多形として存在することを見いだした。
クエン酸の構造は当業者には明白であると考えられるが、不確かさを回避するため、その構造を以下に示す。
Figure 2012511571
化合物Iへの初期の研究は、塩酸塩の分析を含むものであった。以下の表1に要約するように、初期に調製された塩酸塩は、DSC、TGA、GVS及びXRPDパターンにおいて有意な可変性を示す非一貫的な固体形態を製造することがわかった(図1〜16を参照)。
Figure 2012511571
表から見てとれるように、同じ製造条件(バッチ1〜3)を使用したにもかかわらず、六つの塩酸塩バッチの分析で特定された固体形態の幅広い変化があり、この塩の場合、高度な多形性があることが示された。
バッチHCl1の試料のXRPD(表1を参照)が図1に示されている。この回折図は、このバッチが比較的低いレベルの結晶性及び非晶質ハローを有して、相の混合物を示すことを示す。バッチHCl1の試料の熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)が図2に示されている。TGAは、100℃までで、水1.4当量に等しい合計4.5%に達する二段階重量損失を示す。これは、それぞれ40℃及び88℃の立ち上がり点を有する、DSCで見られる二つの吸熱に十分に対応する。1H NMRにおいてプロセス溶媒は認められなかったため、これは、試料からの水の損失である可能性が非常に高い。その後、新たな固体形態への相変化である可能性が非常に高い、発熱事象立ち上がり点141℃が続き、次いで、最終的な吸熱事象、おそらくは融解の立ち上がり点238℃が続き、その後、分解が起こる。これらの物理的変化は、ホットステージ顕微鏡画像で視覚的に見ることができる。
バッチHCl1の試料のGVS結果が図3に示されている。試料は、90%RHで+5.5%の初期吸着サイクルにおける水の初期吸着を示す。その後、試料は、乾燥状態に向かいながら5%質量を損失し、次いで、40%RHに向かいながら2%質量を再取得し、合計増加が2%である。この2%の増加が水分含量を二水和物に対応する6.5%に引き上げる。試料は、ひとたび十分に高いレベルの湿度に暴露されると水を取得し、その後、GVS実験中は永久的にその水を保持する、部分的に脱水された水和物であると思われる。GVS実験ののち物質の固体形態の変化があったかどうかを決定するために、XRPD回折図を取得した。それが図4に示されている。GVS後のX線回折図は出発原料のそれに類似しているが、より強いピークを有している。また、当初の回折図におけるいくつかの小さなピーク(約8.5及び15.5 2θ)が消滅している。GVS実験に付された物質は二つ以上の結晶相(形態)を含み、それらの形態の一つが、高湿度に暴露されたとき変化するという可能性が高い。
バッチHCl2のXRPDスペクトルが図5に示され、見てとれるように、HCl1バッチで得られたXRPDとで低い相関がある。バッチHCl2のTGA及びDSCスペクトルが図6に示され、バッチHCl1とでいくつかの類似性を有するが、同一ではない。バッチHCl2は、TGAの最初の段階で5.6%の水を損失したのち、260℃で分解した。この水分損失は水1.67当量に相当する。DSCスペクトルは、バッチHCl1で見られるように同じ三つの熱的事象を示すが、二つのデータセットは明らかに同一ではない。
バッチHCl3のXRPDスペクトルが図7に示され、HCl1又はHCl2バッチのいずれとも十分には合致していない。バッチHCl3のXRPDはかなり複雑であり、他のバッチよりも多くの反射を有し、6.7の2θにおけるさらなる反射は他のバッチには存在しない。バッチHCl3のTGA及びDSCスペクトルが図8に示されている。試料は、TGAの最初の段階で1.5%の水を損失し、次いで165℃でさらに1.97%、おそらくは溶媒を損失したのち、260℃で分解した。この水分損失は、カールフィッシャー分析によって示される1.1当量(3.79%)よりも低い、水0.5当量に相当する。これに考えられる一つの理由は、脱水によって構造中に閉じ込められた水を、閉じ込められた水を解放する格子の小さな拡張又は結晶構造の変化によって解放するためには、より高い温度が求められるということである。TGAにおける合計重量損失は3.4%である。DSCスペクトルは、バッチHCl1及び2で見られるものと同じ三つの熱的事象を示すが、200℃でさらなる吸熱事象、おそらくは脱溶媒が見られる。
上記で認められた挙動を精査するために、環流するアセトニトリル/水からHCl塩を再結晶させて、黄色の粉末79mg、すなわちバッチHCl4を得た。これをXRPD、TGA及びDSCによって分析した。そのデータが図9及び10に示されている。この物質は、HCl塩の単一の単離可能な多形であることが示された(以下「グループ1」と呼ぶ)。再結晶の代替として、遊離塩基及び水性酸からのグループ1物質の直接形成を達成することもできる。バッチHCl4(グループ1)のXRPDスペクトルを示す図9は、前記バッチのいずれとも十分には合致しなかった。図10は、バッチHCl4のTGA及びDSCスペクトルを示し、周囲温度と108℃との間で試料がその質量の6.5%を損失することを示している。水2当量は6.58%に等しい。これは、DSCで見られるブロードな吸熱(立ち上がり点=76℃)と十分に相関している。その後、DSCは、発熱相変化(立ち上がり点=148℃)を示したのち、最終的な吸熱(立ち上がり点222℃)を示すに至る。
GVS分析が実施され、データが図11に示されている。試料は、水の吸収をほとんど示さず、40%RHから90%RHまでで1.6%の質量しか取得していない。試料は、90%RHから乾燥状態までで2.8%の質量を損失した。試料をGVS後のXRPDによって分析した。試料の形態は変化なしであった(データ示さず)。
HCl塩を非晶質HCl塩から「熟成(maturation)」法によって合成すると、第二の異なる単離可能な多形(バッチHCl5)を調製することができる。この方法においては、バイアル中、少量の非晶質塩(10mg)をメタノール又はエタノール10又は20容量で処理した。その後、バイアルをキャップで閉じ、周囲温度から50℃まで各条件下で費やされる4時間ごとに循環する熟成チャンバに入れた。約18時間後、試料をろ過し、分析した。この物質は、グループ1物質とは異なるHCl塩の単一の多形であることが示された(以下「グループ2」と呼ぶ)。図12は、エタノール(20容量、上)及びメタノール(10容量、下)中で調製した試料のXRPD回折図を示す。試料間で小さな違いはあるが、これらのデータが、本明細書に記載される他のバッチとはかなり異なるということは明らかである。図13は、明らかに他のバッチよりもはるかに複雑である、エタノール中で調製した試料のDSCを示す。
HCl塩を、アセトン又はアルコール系溶媒中、メタノール性又は水性HClを用いて遊離塩基から合成すると、第三の異なる単離可能な多形、すなわちバッチHCl6を調製することができる。図14は、低分解能計器及び高分解能計器で記録されたXRPD回折図を示し、ここでもまた、本明細書に記載される他のバッチとは異なる。顕著なことに、図15に示すDSC及びTGAスペクトルは非常に単純であり、TGAでは、約240℃で分解が起こるまで重量損失はほとんど記録されず、同じくDSCでも、融解及び分解が起こるまで熱的事象は見られない。この物質は、グループ1及び2物質とは異なるHCl塩の単一の多形であることが示された(以下「グループ3」と呼ぶ)。GVS(図16)において、試料は、水の収着をほとんど示さず、40%RHから90%RHまでで1.6%の質量しか取得していない。試料は、90%RHから乾燥状態までで2.4%の質量を損失した。試料をGVS後のXRPDによって分析した。実験後、試料の形態は変化なしであった(データ示さず)。バッチHCl4及び6(グループ1及び3)からのGVS実験は、互いにはいくらか類似していたが、バッチHCl1のそれとは異なり、HCl塩の可変性がさらに強調された。
グループ3物質を、それをグループ1物質又は実際には別の水和形態もしくは多形に転化させるかもしれない条件下の応力に付した。このように、試料を40℃/75%RH及び60℃/96%RHで貯蔵し、規則的な間隔でXRPDによって分析した。結果が表2にまとめられている。
Figure 2012511571
XRPDデータ(図示せず)から、グループ3物質は高温及び高湿でグループ1物質に転化することができると思われる。グループ3物質が製造に好ましい形態として選択される場合、制御されたやり方で製造されなければならず、グループ1物質に転化しないことを保証するために製造後操作、たとえば調合法が制御されなければならないため、これは影響を有するであろう。
概して、11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンHCl塩を調製し、精製するために使用される方法は、有意なバッチ間のばらつきが認められることから、化合物の多形を十分に制御しているとはいえない。三つの異なる明白に単離可能な固体形態を特定するための入念な作業にもかかわらず(バッチHCl4〜6)、より大規模の製造されたバッチ(HCl1〜3)がこれらの参照標準のいずれにも密接には適合しないということは全く明らかである。バッチHCl1及び3は、いずれも、さまざまな非晶質含量を有するグループ1及び3形態の混合物である。バッチHCl2はグループ1にかなり近いが、残念ながら、XRPDパターン中に説明できない他のピークを含む。加えて、単一の多形が製造された場合(バッチ4〜6)でさえ、それらはなおも有意な吸水を示し(通常は1.6%まで)、それが、一貫した用量を保証するために、医薬処方におけるそれらの使用を困難にしている。加えて、DSC分析の観点から塩酸塩(バッチHCl6―グループ3)のもっとも有望なものは、上記のような応力下、他の多形に転化するということが見いだされ、これが安定な多形ではないということが示された。
上記のように、塩酸塩で認められた許容不可能なばらつきの結果として、代替の頑強な固体形態が求められた。さらなる発見の努力が、クエン酸塩を一つのそのような頑強な固体形態として特定した。表3は、調製され、分析されたクエン酸塩のバッチを示す。
Figure 2012511571
上記表において参照したクエン酸塩の様々なバッチの分析は、単一の多形としての顕著な一貫性を実証した。
図17は、クエン酸塩1を参照標準として使用した場合のバッチクエン酸1、2、3及び4の高分解能X線回折パターン(D5000)を示す。固体形態分類を確立するために、バッチどうしが実際に非常に類似しており、本質的には同一であるということが全く明らかである。認められたすべてのピークの完全なリストが表5に示されている。
図18、19、20及び21は、バッチクエン酸塩1、2、3及び4それぞれの場合のTGA(上)及びDSC(下)スペクトルを示す。熱重量分析は、融解して180℃で分解するまでクエン酸塩が重量損失を示さないことを明らかに実証している。これは、クエン酸塩の一般的な温度安定性及び頑強な性質を示し、また、クエン酸塩が一般的に吸湿性ではないことを示す。加えて、示差走査熱量測定プロットの検査は、これらの塩に関して他の事象(相変化など)が明白ではないことを示す。また、このデータから、バッチがその熱プロフィールにおいて本質的に同一であることが明らかである。
図22は、バッチクエン酸塩1の可変温度X線回折パターンを示す。示された可変温度X線回折パターンを参照すると、実験の温度にかかわらず変化が見られないことが注目され、ここでもまた、クエン酸塩の頑強な性質が示されている。加えて、図23及び24は、GVS実験及びGVS後のXRPDスペクトルをそれぞれ示す。データは、バッチクエン酸1が同じく低い吸湿性を有し、0〜90%RHの間で有意量の水が吸収されない(0.8%未満)ことを示す。GVS実験の前後でXRPDパターンに変化はない。
図25、26、27、28及び29は、図17の機器とは異なる計器で記録されたバッチクエン酸2、3、4、5及び6の高分解能X線回折パターンをそれぞれ示す。このデータは非常に良好な分解能を有し、図17に比較してy軸におけるピークが拡大しているが、本明細書に提示される他のXRPDデータと本質的に同一の2θ及び相対強度で反射が生じていることが明らかである。
クエン酸塩の多形の傾向を決定するために、グループA物質を27の異なる溶媒の中で熟成させた。少量の固体を対応する溶媒(以下表4を参照)でスラリー化し、インキュベータ中に貯蔵し、4時間ごと50℃/室温の加熱/冷却サイクルに24時間付した。その後、溶媒を真空下で除去し、残る固体をXRPDによって分析した。すべてのケースにおいて一つの固体形態のみが特定された。
Figure 2012511571
試料を恒湿チャンバ中60℃及び96%RHで一週間維持する、より過酷な条件でクエン酸塩グループAの安定性を試験した。図30は、これらの条件下でさえ、結晶パターンの変化が認められないことを示す。
Figure 2012511571
見てとれるように、クエン酸塩は、X線回折において、2θスケール上、22.4°±0.5°でピークを示すことを特徴とすることができる。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩はさらに、X線回折において、2θスケール上、10.2°±0.5°及び15.7°±0.5°でピークを示すことを特徴とすることができる。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩はさらに、X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°からなる群より選択される少なくとも四つのピークを示すことを特徴とすることができる。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩はさらに、X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°からなる群より選択される少なくとも六つのピークを示すことを特徴とすることができる。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩はさらに、X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°でピークを示すことを特徴とすることができる。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩はさらに、X線回折において、2θスケール上、10.9°±0.5°、17.1°±0.5°、23.3°±0.5°、25.1°±0.5°、25.8°±0.5°及び27.5°±0.5°でピークを示すことを特徴とすることができる。
いくつかの実施態様において、クエン酸塩はさらに、X線回折において、2θスケール上、7.2°±0.5°、17.6°±0.5°、18.5°±0.5°、18.7°±0.5°、20.7°±0.5°、23.1°±0.5°、24.2°±0.5°、26.2°±0.5°、26.9°±0.5°、28.7°±0.5°、29.3°±0.5°、31.0°±0.5°、32.4°±0.5°、37.3°±0.5°、38.6°±0.5°、39.9°±0.5°及び41.6°±0.5°でピークを示すことができることを特徴とする。
当業者によって理解されるように、回折の相対強度は、試料調製方法及び使用機器のタイプのような多数の要因に依存して異なることができる。加えて、場合によっては、上記で参照したピークのいくつかが検出できないこともある。
本発明の塩は、適切な溶媒中、化合物(I)の遊離塩基を適切な形態のクエン酸と反応させ、結晶化、沈降又は蒸発ののち得られた塩を反応混合物から回収することによって製造することができる。
塩を形成するための反応は、遊離塩基が適切な可溶性を有する非干渉性の溶媒又は溶媒混合物中で実施することができる。このタイプの適当な溶媒の例は、トルエン、テトラヒドロフラン及び水を含む。方法は一般に、遊離塩基を高温、たとえば20℃超の適切な溶媒に溶解させることを含む。いくつかの実施態様、たとえばテトラヒドロフランにおいては、遊離塩基を約65℃の溶媒に溶解させる。いくつかの実施態様、たとえば水においては、遊離塩基を約90℃の溶媒に溶解させる。
ひとたび遊離塩基を適切な溶媒に溶解させると、方法は適量の酸の添加を含む。酸の量は異なることができるが、一般に、使用される酸の量は化学量論的当量又はわずかに化学量論的過剰量である。酸の添加ののち、方法は一般に、反応混合物を添加温度で1時間かく拌し、次いで反応混合物を反応温度よりも低い温度まで冷却して結晶化を促進することを含む。ひとたび所望のレベルの結晶形成が起こると、結晶をろ過によって単離し、当技術分野で通常の手段を使用して乾燥させることができる。
もう一つの実施態様において、本発明は、増殖性疾患の治療における本発明の塩の使用を提供する。このタイプの化合物の使用のための調合及び方法ならびにそれによって治療することができる疾患は、PCT/SG2006/000352に開示されているとおりである。
以下の非限定的な例を参照して本発明を説明する。塩酸塩は、比較例に関して先に述べたようにして調製し、同様なやり方で分析した。
実施例1
化合物Iの塩酸塩の形成(比較例)
遊離塩基11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンをジクロロメタンに溶解させ、環流状態にし、活性炭で処理した。混合物を熱いうちにセライトのパッドに通してろ過し、クロロメタンで洗浄した。ろ液にメタノール性HClを加え、混合物を10〜15℃で2〜3時間かく拌した。スラリーを5〜10℃に冷却し、ろ過し、ヘプタンで洗浄し、真空オーブン中、40〜45℃で乾燥させて、塩酸11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエン塩酸塩を得た。
実施例2
クエン酸塩の形成
化合物I(50mg、0.106mmol)をTHF又はトルエン(2ml)中に懸濁させ、ゆるやかに65℃まで加熱すると、明澄な溶液になった。次いで、溶液をクエン酸1当量で処理し、65℃で1時間加熱し、ゆっくりと一晩かけて5℃まで冷まして結晶化を促進した。次いで、このようにして形成した結晶をろ過によって単離した。
実施例3
クエン酸塩の形成
化合物I(50mg、0.106mmol)をTHF(2ml)中に懸濁させ、ゆるやかに65℃まで加熱すると、明澄な溶液になった。次いで、溶液をクエン酸(水溶液として)1当量で処理し、90℃で1時間加熱し、ゆっくりと一晩かけて5℃まで冷まして結晶化を促進した。次いで、このようにして形成した結晶をろ過によって単離した。
実施例4
熱重量分析及び示差走査熱量測定
塩酸塩(比較)及びクエン酸塩の両試料を、以下の条件下、熱重量分析及び示差走査熱量測定に付した。50ポジションオートサンプラを装備したTA Instruments Q2000においてDSCデータを収集した。認証インジウムを使用して、エネルギー及び温度較正に関して計器を較正した。一般に、ピンホール付きアルミニウムパンの中で各試料0.5〜3mgを10℃.min-1で25℃から270℃まで加熱した。
50ml.min-1の窒素パージを試料上に維持した。計器制御ソフトウェアはThermal Advantage v4.6.6であり、データはUniversal Analysis v4.3Aを使用して解析した。あるいはまた、50ポジションオートサンプラを装備したMettler DSC 823eにおいてDSCデータを収集した。認証インジウムを使用して、エネルギー及び温度に関して計器を較正した。一般に、ピンホール付きアルミニウムパンの中で各試料0.5〜3mgを10℃.min-1で25℃から270℃まで加熱した。50ml.min-1の窒素パージを試料上に維持した。計器制御及びデータ解析ソフトウェアはSTARe v9.01であった。
16ポジションオートサンプラを装備したTA Instruments Q500 TGAにおいてTGAデータを収集した。認証アルメルを使用して計器を温度較正した。一般に、各試料5〜30mgは予め秤量した(pre-tared)白金るつぼ及びアルミニウムDSCパンに載せ、10℃.min-1で周囲温度から300℃まで加熱した。60ml.min-1の窒素パージを試料上に維持した。計器制御ソフトウェアはThermal Advantage v4.6.6であり、Universal Analysis v4.3Aを使用してデータを解析した。あるいはまた、34ポジションオートサンプラを装備したMettler TGA/SDTA 851eにおいてTGAデータを収集した。認証インジウムを使用して計器を温度較正した。一般に、各試料5〜30mgを事前に秤量したアルミニウムるつぼに載せ、10℃.min-1で周囲温度から300℃まで加熱した。50ml.min-1の窒素パージを試料上に維持した。計器制御及びデータ解析ソフトウェアはSTARe v9.01であった。走査の結果は先に説明した図面に示されている。
実施例5
X線回折分析
塩酸塩(比較)及びクエン酸塩の両試料をX線回折に付して特徴的なX線回折パターンを決定した。使用した条件は以下のとおりであった。X線粉末回折パターンは、Siemens D5000回折計において、CuKα放射線(40kV、40mA)、θ−θゴニオメータ、V20の発散スリット及び受光スリット、グラファイト二次モノクロメータならびにシンチレーションカウンタを使用して収集した。認証コランダム標準(NIST 1976)を使用して計器を性能チェックした。
周囲条件
周囲条件下で実験される試料は、粉末を使用するフラットパネル標本(flat plate specimens)としてそのままで用意した。約35mgの試料を、研磨されたゼロバックグラウンド(zero-background)(510)シリコンウェーハに切り込まれたキャビティの中にやさしく詰め込んだ。分析中、試料をそれ自体の面において回転させた。データ収集の詳細は以下のとおりであった。
・角度範囲:2〜42°2θ
・ステップサイズ:0.05°2θ
・収集時間:4s.step-1
あるいはまた、Bruker AXS C2 GADDS回折計において、CuKα放射線(40kV、40mA)、自動化XYZステージ、自動試料ポジショニングのためのレーザビデオ顕微鏡及びHiStar二次元面積検出器を使用してX線粉末回折パターンを収集した。X線光学系は、単一のゲーベル多層膜ミラーを0.3mmのピンホールコリメータと結合したものからなる。ビームの開き(beam divergence)、すなわち試料に当たるX線ビームの有効サイズは約4mmであった。θ−θ連続走査モードを、3.2°〜29.7°の有効2θ範囲を与える20cmの試料−検出器間距離で使用した。一般に、試料をX線ビームに120秒間暴露させた。
周囲条件下で実験される試料は、粉末を使用するフラットパネル標本(flat plate specimens)として研削なしでそのままで用意した。約1〜2mgの試料をガラススライドに軽く押し当てて平坦面を得た。
非周囲条件
非周囲条件下で実験される試料は、熱伝導性化合物を有するシリコンウェーハに取り付けた。そして、試料を適切な温度まで約10℃.min-1で加熱し、その後、等温で約2分間保持したのち、データ収集を開始した。
クエン酸塩のX線回折パターンは先に説明した図面に示されている。
実施例6
可変温度X線回折
クエン酸塩の試料の安定性を精査するために、可変温度X線回折を実施した。このように、塩を、X線回折条件下、一連の温度で走査し、特徴的なピークを決定した。各走査の結果は先に説明した図面に示されている。
本発明に記載された具体的な実施態様の詳細は限定として解釈されてはならない。本発明の本質及び範囲を逸することなく様々な均等物及び改変を達成することができ、そのような均等な実施態様は本発明の一部であるということが理解されよう。

Claims (17)

  1. 11−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−14,19−ジオキサ−5,7,26−トリアザ−テトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(26),3,5,8,10,12(27),16,21,23−デカエンのクエン酸塩。
  2. 塩が結晶質である、請求項1記載の塩。
  3. 塩が1:1塩である、請求項1又は2記載の塩。
  4. X線回折において、2θスケール上、22.4°±0.5°でピークを示す、請求項1〜3のいずれか1項記載の塩。
  5. X線回折において、2θスケール上、10.2°±0.5°及び15.7°±0.5°でピークを示す、請求項4記載の塩。
  6. X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°からなる群より選択される少なくとも四つのピークを示す、請求項1〜5のいずれか1項記載の塩。
  7. X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°からなる群より選択される少なくとも六つのピークを示す、請求項6記載の塩。
  8. X線回折において、2θスケール上、7.8°±0.5°、10.2°±0.5°、14.2°±0.5°、15.7°±0.5°、16.8°±0.5°、21.4°±0.5°及び22.4°±0.5°のピークを示す、請求項6記載の塩。
  9. X線回折において、2θスケール上、10.9°±0.5°、17.1°±0.5°、23.3°±0.5°、25.1°±0.5°、25.8°±0.5°及び27.5°±0.5°のピークを示す、請求項8記載の塩。
  10. X線回折において、2θスケール上、7.2°±0.5°、17.6°±0.5°、18.5°±0.5°、18.7°±0.5°、20.7°±0.5°、23.1°±0.5°、24.2°±0.5°、26.2°±0.5°、26.9°±0.5°、28.7°±0.5°、29.3°±0.5°、31.0°±0.5°、32.4°±0.5°、37.3°±0.5°、38.6°±0.5°、39.9°±0.5°及び41.6°±0.5°のピークを示す、請求項9記載の塩。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の塩を含む医薬組成物。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項記載の塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、増殖性疾患を治療又は予防する方法。
  13. 前記増殖性疾患がガンである、請求項12記載の方法。
  14. 増殖性疾患の治療における請求項1〜10のいずれか1項記載の塩の使用。
  15. 前記増殖性疾患がガンである、請求項14記載の使用。
  16. 増殖性疾患の治療のための薬の製造における請求項1〜10のいずれか1項記載の塩の使用。
  17. 前記増殖性疾患がガンである、請求項16記載の使用。
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