JP2012510490A - ビス[o−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]エステル - Google Patents

ビス[o−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]エステル Download PDF

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Abstract

本発明は、以下の構造を有する新規化合物に関する。
【化1】
Figure 2012510490

本発明の別の目的は、腫瘍疾病の治療のために使用される医薬の製造のための化合物(I)の使用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]部分に関連したアルカロイドである新規化合物に関する。
本発明は、更に、これらの化合物を製造する方法、これらを含む医薬、及び癌の治療におけるそれらの使用に関する。
現在利用可能な抗癌剤は多種多様であるにもかかわらず、抗増殖活性を示す植物から抽出される新規な天然物質の研究および同定は、未だに優先事項である。入手可能なわずか少数の植物のみがこの観点の下で研究されているが、天然の生物多様性は潜在的な抗癌剤の発見のために非限定的な領域を提供する。
さらに、現在、伝統的な医薬において多数の植物抽出物が使用されているが、それらの有効成分は単離および同定されていないことに注意が払われるべきである。新薬の中では、アルカロイドの天然産物および半合成誘導体が抗増殖活性を有するものとして報告されている。
これらの天然産物の一例は、キルギス共和国にて成育する伝統的な薬用植物であり、これは先行してスクリーニングされてきた。より正確には、この植物はアコニタム(Aconitum)属キンポウゲ科に属し、この国において長年癌に対して伝統的に使用されているため、詳細な調査のために選択された。実際、アコニタム・カラコリカム(Aconitum karakolicum)の根は、キルギスの伝統医薬のある処方において癌に対して使用されてきた。
アコニタム・カラコリカム・ラプクス(Aconitum karakolicum Rapcs)は、葉が多く丈の高い茎(70−130cm)を持ち、長く込み合った総状花序に青紫または青色の左右相称の花を咲かせる多年草植物である。この植物の地下部分は、互いに並んでくっついて成長する、2.0−2.5×0.7−1.0cmの円錐形の小塊茎を示す。アコニタム・カラコリカムは中央アジアに特有である。
アコニタム種の全ての部分が、ジテルペノイド基のアルカロイドを含む。アルカロイドの最大の含有量は、生長の期間(8月−10月)後の小塊茎において見つかった。
この植物において同定された主要なアルカロイドは次のとおりである:
−アコニチン(0.8−1%)(ナトリウム・チャンネルの通常の閉鎖を妨げることにより、強い毒性を有し、中枢的または末梢的効果を示すことが周知である)
−カラコリン(0.05%)、
−カラコリジン(karakolidine)(0.05%)、
−ゾンゴリン(zongorine)(0.1%)、および
−ゾンゴラミン(zongoramine)(0.01%)。
ナペリン(Napelline)、アコニフィン(aconifine)、アセチルナペリンおよびカラコニチン(karakonitine)もまた同定された。
しかしながら、これらの化合物の何れも、植物抽出物が持つような抗増殖活性を示さないことがわかった。
このため、この活性の原因となるA.カラコリカムの根の抽出物に存在する化合物の単離および同定について研究が行われ、A. Chodoeva らの文献(“8-O-Azeloyl-14-benzoylaconine: A new alkaloid from the roots of Aconitum karakolicum Rapcs and its proliferative activities”; Bioorg. Med. Chem. (2005), 13, 6493-6501)に詳述されている。
実際、この文献は、以下の構造(1)を有する新規な化合物:8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンを開示している。
Figure 2012510490
アコニンの幾つかの脂肪酸アシルエステルが以前に記述されたものの(Wie, X.; Xie, H. ; Liu, M.; Ge, X., Heterocycles (2000), 53, 2027)、8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンは化学文献において記述されていない。
アコニンはそれ自体抗増殖活性を欠くが、以下の構造(2)を有する。
Figure 2012510490
上述したアコニチンはアコニンの誘導体であり、以下の構造(3)を有する。
Figure 2012510490
一般式C4159NO13の8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンは、アコニチン誘導体である。これは、実際、アコニチン骨格の炭素8における、アセチル基のアゼライディックアシル(azelaidic acyl)部分による置換により生じるためである。
8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンの化合物の特徴は、アゼライン酸鎖の末端のカルボキシ官能基の負電荷とヘテロ環の窒素原子に形成される第四アンモニウムの正電荷との間における双性イオン構造に存在する。アゼライン鎖の長さが決まると、これらの2部分間の内部イオン結合を仮定することができる。
アゼライン酸に関して、それは、腫瘍細胞におけるミトコンドリアのオキシドリダクターゼの阻害剤であることが示された(Picardo, M.; Passi, S.; Sirlanni, M. C.; Fiorilli, M.; Russo, G. D.; Cortesi, E.; Barile, G.; Breathnach, A. S.; NazzaroPorro, M.; Biochem. Pharmacol. (1985), 34,1653)。
結論として、アゼライン酸は一般的な抗腫瘍剤であることが提案された(Breathnach, A. S., Med. Hypotheses, (1999), 52, 221)。
アゼライン酸はNCIのインビトロスクリーニングパネルにおいて試験されていないが、マウス腫瘍において、インビボで実験が行われ、抗腫瘍活性が全く存在しないと結論されている。
したがって、8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンにて観察された抗増殖活性は、その個々の成分の活性に起因しえない。
しかしながら、上述のA.Chodoevaらの文献によると、8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンは、培養されるヒト腫瘍細胞の以下の3つの株に対する抗増殖性インビトロ活性の原因であることがわかった:
−HTC−15(大腸癌)、
−A549(肺癌)、
−MCF−7(乳癌)。
これら3つ細胞株におけるIC50は約10−18μMであり、これは、いくつかのクラスに属する主要な抗癌剤(すなわち、代謝拮抗剤、アルキル化剤、白金(platinium)化合物、トポイソメラーゼ阻害剤)の活性に匹敵する。
上述の通り、ヒト腫瘍細胞に対する抗増殖活性を示す新規化合物が集中的に探索される。
したがって、本発明の目的は、癌に対して非常に興味深く有望な特性を示したデザイン8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンの改良、および癌化学療法に有用な新規化合物を提供することである。
本発明に関して、この目的は、第一に、[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]部分と関係するアルカロイドである、癌化学療法に有用な新規の化合物を提供することにより解決される。
より正確には、これらの新規化合物はビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]エステルである。
したがって、本発明に関して、以下の一般的構造(I)を有する新規化合物が提供される。
Figure 2012510490
ここにおいて、nは、0および10の間、好ましくは3および10の間、より好ましくは4および8の間に含まれる整数である。
それゆえ、本発明に係る好ましい化合物は、
−nが5である化合物、すなわち化合物ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−ピメレート(すなわちPDD)、
−nが6である化合物、すなわち化合物ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレート(すなわちSDD)、
−nが7である化合物、すなわちビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−アゼレート(すなわちADD)である。
したがって、ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−ピメレートは以下の構造を有する。
Figure 2012510490
したがって、ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレート(すなわちSDD)は以下の構造を有する。
Figure 2012510490
したがって、ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−アゼレート(すなわちADD)は以下の構造を有する。
Figure 2012510490
本発明の別の目的は、本発明に係る化合物を製造する方法に関する。
本発明に係る化合物は、アコニチン部分に位置する8−アセチル官能基において行われるエステル転移反応により得られる。
アコニチンからの反応は、分解の産物の形成を回避し且つエステル転移反応を最適化するように制御された反応時間および温度にて達成される。
これは、対応するモノ−[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]およびビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]エステルをもたらす。したがって、本発明に係るビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]エステルを単離するために、精製の工程が必要である。
より正確には、本発明に係る化合物の製造方法は以下の工程を含む:
a)DMFなどの溶媒中にて、80℃以下の温度でアコニチンをジカルボン酸と共に撹拌する(stirring)工程、
b)得られた混合物を、エステル転移反応が行われるように室温でかき混ぜる(agitating)工程、
c)前記溶媒を減圧下で蒸発させる工程、
d)前記工程c)の終わりにおいて得られる油状残渣を精製して、前記化合物(I)を単離する工程。
本発明の好ましい実施形態において、ジカルボン酸は、2および12、好ましくは5および12、より好ましくは6および10の間に含まれる数の炭素原子を有するジカルボン酸の中から選択してよい。
最も好ましくは、ジカルボン酸は、ピメリン酸、スベリン酸およびアゼライン酸から成る群から選択してよい。
工程a)の撹拌は、70℃および80℃の間に含まれる温度で、反応を行うのに十分な時間、最も好ましくは7時間実行してよい。
本発明の好ましい実施形態によると、工程b)の揺り動かしは、反応を最適化するために16時間実行される。
より好ましくは、工程c)の溶媒の蒸発は70℃以下の温度で実行される。
本発明の好ましい実施形態によると、工程d)の精製は、セミ分取高速液体クロマトグラフィーにより実行される。
前記セミ分取高速液体クロマトグラフィーの条件は以下の通りであってよい:
−溶媒A:トリフルオロ酢酸/水;比率1/1000;
−溶媒B:トリフルオロ酢酸/アセトニトリル,比率1/1000。
溶出条件は、0.5mLの容量の注入;25%のBを30分間で100%とする勾配であってよい。
吸収率は234nmでモニターされる。
本発明の別の目的は、本発明に係る化合物を含む医薬組成物である。
医薬組成物は、さらに、適切で医薬的に許容可能な希釈剤または担体物質を含んでよい。
本発明に関して、上述の医薬組成物は、錠剤、カプセル、小滴および坐薬の形態、経口、経直腸または非経口の使用のための注射または注入の製剤とすることができる。そのような投与形態およびそれらの生成物は当業者に既知である。
さらに、本発明は、医薬の製造のための本発明に係る化合物の使用に関する。
より正確には、本発明は、前記医薬が腫瘍疾病の治療のために使用される、本発明に係る化合物の使用に関する。前記腫瘍疾病は、大腸癌、肺癌または乳癌であってよい。
以下の例はさらに本発明を例証する。しかし、当然、その範囲を限定する任意の方法として解釈されるべきでない。
第1に、種々の技術の条件が詳述される:
−HPLC、
−質量分光法、
−NMR。
全ての例に関して、HPLC精製に使用される条件は以下の通りである:
使用されるカラム:Ultrasep ES 10、RP186.0μm逆相、C18カラム、250x10mm(Bischoff,Germany)
使用される溶媒:
・A:トリフルオロ酢酸/水;比率1/1000;
・B:トリフルオロ酢酸/アセトニトリル,比率1/1000;
溶出条件:0.5mLの容量の注入;25%のBを30分間で100%とする勾配。
吸収率は234nmでモニターされる。
全ての例に関して、質量分光法の条件は以下の通りである:
高分解能ESI質量測定は、エレクトロスプレーソースを備えたApplied Biosystems QStarmassスペクトロメーターを用いて、ポジティブモードにて行った。
エレクトロスプレーニードルは、5000Vに維持され、室温で操作した。
サンプルは、注入により、10μLサンプルループを通して、200μL/分のメタノールの流れにLCポンプから導入した。
MS分析は、30から50にわたる衝突エネルギーおよび5から10にわたるCAD衝突ガスを用いて行われる。
全ての例に関して、核磁気共鳴(NMR)の条件は以下の通りである:
1Dおよび2D NMR実験を、5mmブロードバンドプローブおよびBoグラジエントを備えたBruker DPX400分光計を用いて、Hおよび13Cの実験に対してそれぞれ400.13および100.6MHzにて行った。全てのスペクトルは、0.7mLのCDClに溶解した9mgの物質を使用して記録した。化学シフト(ppm)はTMSに関して与えられる。H−Hシフト相関2次元(COSY)スペクトルが、COSY90パルスシーケンスを使用して得られる(Picardo, M.; Passi, S.; Sirlanni, M.C.; Fiorilli, M.; Russo, G.D.; Cortesi, E.; Barile, G.; Breathnach, A.S.; Nazzaro-Porro, M., Biochem. Pharmacol. (1985), 34, 1653参照)。
炭素のタイプは2つの実験1D(DEPT90および135)により定義される。単結合H−13C化学シフト相関関係(HMQC)スペクトルは、13C炭素に連結されたHの選択のためのBoグラジエントパルス用いてBax配列に従って得られた(Reference is made to Breathnach, A.S. Med. Hypoth. (1999), 52, 221)。
HMQC実験では、Bグラジエントパルスは、13C核に連結したHを選択するように適用されたため、H検出異核多重結合相関関係(HMBC)スペクトルは、ローパスJnフィルター(3.8ms)に関するBaxおよびSummersにより提案されたパルスシーケンス並びにロングレンジカップリングを観察するための遅延(60ms)を使用して記録した。グラジエント選択NOESYスペクトルは、NOESYGPPH Brukerパルスプログラムにより得られた。
以下に、本発明に係る3つの化合物の合成および特徴が詳述される。
A)ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−ピメレート(PDD)
化合物の合成
アコニチン(200mg、0.30mmol)およびピメリン酸(24mg、0.15mmol)を、DMF(5ml)中にて、80℃で7時間、よく撹拌した。その混合物を、室温で一晩揺り動かす(agitated)。その後、溶媒を70℃以下の温度にて減圧下で蒸発させる。油状残渣をセミ分取高速液体クロマトグラフィーにより精製する。
得られた化合物のNMR特徴:
白色粉末 : 1H NMRスペクトル (400.13 MHz, CDCl3)は次の通りである。 δ: 8.1 (d, 4H, J = 7.6, H-2'/H-6'), 7.71 (t, 2H, J = 7.4, H-4'), 7.58 (t, 4H, J = 7.6, H-3'/H-5'), 5.04 (d, 2H, J = 4.4, H-14), 4.63 (d, 2H, J = 5.2, H-15), 4.44 (br s, 2H, H-3), 4.27 (br d, 2H, H-6), 3.92 (ma, 2H, H-19b), 3.95 (s, 6H, 16-OCH3), 3.67 (s, 2H, H-18ba), 3.64 (m,2H, H-1), 3.53 (s, 6H, 1-OCH3), 3.48 (s, 2H, H-17), 3.47 (s, 6H, 18-OCH3), 3.41 (s, 2H, 18aa), 3.39 (br d, 2H, H-16), 3.36 (s, 6H, 6-OCH3), 3.31 (ma, 2H, H-19a), 3.33 (ma, 4H, N-CH2-CH3), 3.08 (ma, 2H, H-9), 3.06 (s, 2H, H-5), 2.74 (br d, 2H, H-7), 2.58 (br s, 2H, H-2b), 2.51 (br d, 2H, H-12b), 2.49 (ma, 2H, H-10), 2.07 (d, 2H, J = 10, H-12a), 1.87 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)1"b, 8-CO2-(CH2)6"b), 1.60 (m, 10H, 8-CO2-(CH2)1"a, 8-CO2-(CH2)5”a, N-CH2-CH3, H-2aa), 1.12 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)2”b, 8-CO2-(CH2)4”b), 0.95 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)2”a, 8-CO2-(CH2)4”a), 0.72 (quint, 2H, J = 7.2, 8-CO2-(CH2)3”). 13C NMR (CDCl3) δ: 174.9 (8-COO, 8-COO”), 165.76 (C-7'), 133.8 (C-4'), 129.9 (C-2'/C-6'), 129.5 (C-1'), 129 (C3'/C-5'), 90 (C-16), 89.98 (C-8), 82.48 (C-6), 79.83 (C-1), 78.12 (C-15), 78.45 (C-14), 75.79 (C-18), 74.02 (C-13), 69.9 (C-3), 63.12 (C-17), 62.01 (16-OCH3), 59.3 (18-OCH3), 59.05 (6-OCH3), 55.36 (1-OCH3), 50.63 (C-19), 50.42 (C-11), 50.38 (N-CH2-CH3), 45.0 (C-5), 43.42 (C-4), 43.47 (C-9), 41.91 (C-7), 40.09 (C-10), 35.01 (C-12), 34.27 (C-1", C-5"), 29.49(C-2", C-4"), 28.02 (C-2), 23.86 (C-3"), 10;99 (N-CH2-CH3)。
B)ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレート(SDD)
化合物の合成
アコニチン(200mg、0.30mmol)およびスベリン酸(26mg、0.15mmol)を、DMF(5mL)中で、80℃で7時間よく撹拌した。その混合物を室温で一晩揺り動かす。その後、溶媒を70℃以下の温度にて減圧下で蒸発させる。油状残渣をセミ分取高速液体クロマトグラフィーにより精製する。
得られた化合物の特徴:
白色粉末: 1H NMRスペクトル (400.13 MHz, CDCl3)は次の通りである。δ: 8.00 (d, 4H, J = 7.8, H-2'/H-6'), 7.58 (t, 2H, J = 7.32, H-4'), 7.46 (t, 4H, J = 7.66, H-3'/H-5'), 5.04 (d, 2H, J = 4.9, H-14), 4.64 (d, 2H, J = 5.36, H-15), 4.43 (br s, 2H, H-3), 4.28 (d, 2H, J = 6.1, H-6), 3.97 (d, 2H, J = 12.96, H-19b), 3.94 (s, 6H, 16-OCH3), 3.67 (s, 2H, H-18ba), 3.64 (m,2H, H-1), 3.53 (s, 6H, 1-OCH3), 3.47 (s, 2H, H-17), 3.43 (s, 6H, 18-OCH3), 3.41 (s, 2H, 18aa), 3.39 (d, 2H, J = 5.4, H-16), 3.36 (s, 6H, 6-OCH3), 3.31 (d, 2H, J = 12.96, H-19a), 3.30 (ma, 4H, N-CH2-CH3), 3.10 (m, 2H, H-9), 3.07 (s, 2H, H-5), 2.74 (d, 2H, J = 6.1, H-7), 2.58 (br s, 2H, H-2b), 2.51 (br d, 2H, H-12b), 2.49 (m, 2H, H-10), 2.07 (d, 2H, J = 9.9, H-12a), 1.94 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)1"b, 8-CO2-(CH2)6"b), 1.63 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)1"a, 8-CO2-(CH2)6"a), 1.60 (t, 6H, J = 6.98, N-CH2-CH3), 1.56 (br d, 2H, H-2aa), 1.24 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)2”b, 8-CO2-(CH2)5”b), 1.09 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)2”a, 8-CO2-(CH2)5”a), 0.83 (m, 4H, 8-CO2-(CH2)3”, 8-CO2-(CH2)4”). 13C NMR (CDCl3) δ: 175.1 (8-COO, 8-COO”), 165.8 (C-7'), 133.8 (C-4'), 129.9 (C-2'/C-6'), 129.5 (C-1'), 129 (C3'/C-5'), 90 (C-16), 89.97 (C-8), 82.51 (C-6), 79.82 (C-1), 78.82 (C-15), 78.40 (C-14), 75.75 (C-18), 74.01 (C-13), 70 (C-3), 63.13 (C-17), 61.95 (16-OCH3), 59.26 (18-OCH3), 59.01 (6-OCH3), 55.29 (1-OCH3), 50.64 (C-19), 50.51 (C-11), 50.28 (N-CH2-CH3), 45.0 (C-5), 43.43 (C-4), 43.40 (C-9), 41.87 (C-7), 40.06 (C-10), 35.0 (C-12), 34.49 (C-1”, C-6”), 29.50 (C-2), 28.54 (C-3”, C-4”), 24.05 (C-2”, C-5”), 10;94 (N-CH2-CH3)。
更に、ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレートのESIスペクトルを実行した。2つのピークがこのスペクトル上で観察される:2重に帯電した質量に相当するm/z673.3の主要なもの、および単独に帯電したピークに相当するm/z1345.7のマイナーなもの。このスペクトルによって確認することができる。
さらに、高解像度質量測定を、合成された化合物の式を確認するために行なった。単独帯電したピークで得られた実験の質量は1345.6829である。式C7210122のための理論的な質量は1345.6840(高解像度質量)である。
さらに、MS実験を行なった。これらの測定は単独帯電および2重帯電したピークにて行った。m/z1346.7(単独帯電ピーク)の破片化は、アコニチン単位の1つの喪失に対応するm/z760の主要な破片化ピークをもたらした。m/z673(2重帯電ピーク)の破片化は、アコニチン単位の破片化の機構に対応する、より多くの断片をもたらした。
C)ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−アゼレート(ADD)
化合物の合成:
アコニチン(200mg、0.30mmol)およびアゼライン酸(29mg、0.15mmol)を、DMF(5mL)中で、80℃で7時間よく撹拌した。その混合物を室温で一晩揺り動かす。その後、溶媒を70℃以下の温度にて減圧下で蒸発させる。油状残渣はセミ分取高速液体クロマトグラフィーにより精製される。
得られた化合物の特徴:
白色粉末 : 1H NMRスペクトル (400.13 MHz, CDCL3)は次の通りである。δ: 8.03 (d, 4H, J = 7.2, H-2'/H-6'), 7.56 (t, 2H, J = 7.4, H-4'), 7.45 (t, 4H, J = 7.2, H-3'/H-5'), 5.09 (d, 2H, J = 5, H-14), 4.51 (d, 2H, J = 5.2, H-15), 4.30 (br s, 2H, H-3), 4.12 (d, 2H, J = 6.1, H-6), 4.06 (d, 2H, J = 11.91, H-19b), 3.79 (s, 6H, 16-OCH3), 3.52 (s, 2H, H-18ba), 3.47 (m,2H, H-1), 3.36 (s, 6H, 1-OCH3), 3.29 (s, 2H, H-17), 3.27 (s, 6H, 18-OCH3), 3.24 (s, 2H, 18aa), 3.22 (br s, 2H, H-16), 3.19 (s, 6H, 6-OCH3), 3.11 (d, 2H, J = 11.9, H-19a), 3.16 (m, 4H, N-CH2-CH3), 2.90 (m, 2H, H-9), 2.86 (s, 2H, H-5), 2.55 (d, 2H, J = 6.1, H-7), 2.34 (br s, 2H, H-2b), 2.28 (br d, 2H, H-12b), 2.24 (m, 2H, H-10), 2.02 (br d, 2H, H-12a), 1.82 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)1"b, 8-CO2-(CH2)7"b), 1.50 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)1"a, 8-CO2-(CH2)7"a), 1.42 (t, 6H, J = 7.01, N-CH2-CH3), 1.35 (br s, 2H, H-2aa), 1.13 (m, 4H, 8-CO2-(CH2)2"b, 8-CO2-(CH2)3"b, 8-CO2-(CH2)5"b, 8-CO2-(CH2)6"b), 1.04 (m, 4H, 8-CO2-(CH2)2"a, 8-CO2-(CH2)3"a, 8-CO2-(CH2)5"a, 8-CO2-(CH2)6"a), 0.87 (m, 2H, 8-CO2-(CH2)4"). 13C NMR (CDCl3) δ: 175.1 (8-COO, 8-COO”), 166 (C-7'), 134 (C-4'), 130 (C-2'/C-6'), 129.7 (C-1'), 129,3 (C3'/C-5'), 90,3 (C-16), 90.1 (C-8), 82.9 (C-6), 80,1 (C-1), 79,0 (C-15), 78.7 (C-14), 76,0 (C-18), 74.3 (C-13), 70,3 (C-3), 63.4 (C-17), 60.9 (16-OCH3), 59.5 (18-OCH3), 59.06 (6-OCH3), 55.6 (1-OCH3), 50.7 (C-19), 50.51 (C-11), 50.50 (N-CH2-CH3), 45.4 (C-5), 43.7 (C-4), 43.40 (C-9), 41.9 (C-7), 40.5 (C-10), 35.3 (C-12), 34.49 (C-1”,C-7”), 28.8 (C-2”, C-6”), 26.54 (C-3”, C-5”), 24.05 (C-4”), 11 (N-CH2-CH3).
ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−アゼレート(ADD)−スベレート(SDD)および−ピメレート(PDD)アルカロイドの評価:
ヒト腫瘍細胞株に対するインビトロ細胞毒性試験
材料および方法
ヒト腫瘍細胞株A549(肺癌)、HCT−15(大腸癌)およびMCF−7(乳癌)は、国立癌研究所(Rockville, MD, USA)の開発的治療プログラムから得た。細胞は、10%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地(いずれもBiochrom AG (Berlin, Germany)から入手可能)を用いて日常的に増殖させた。それらは5%のCOを含む湿性大気下で37℃にてペトリ皿(Nunc, Denmark)上で成長させた。細胞は4日ごとに複製し、培地は合間に1度交換した。
細胞毒性は、試験すべき化合物の存在下で24時間増殖させた、指数関数的に増殖した細胞において評価した。簡潔には、4000個の細胞を200μLの完全培地を含む96ウェルプレートに播種した;24時間後、培地に一連の異なる濃度の化合物を補い、接触を24時間維持した。化合物を純水に溶解し、0.22μmのポリカーボネート濾過膜(Millipore, Molsheim, France)を使用して滅菌した。その後、再び細胞を48時間増殖させた;生存可能で代謝的に活性のある細胞を、MTT色素(1−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−3,5−ジフェニルホルマザン、Sigma−Aldrich Chimie, Saint−Quentin−Fallavier, France)による着色により定量的に推定した。細胞の数を50%減少させた物質の量は細胞毒性を示し、化合物のIC50を表わす。
以下の表1は、3つのビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−アゼレート(ADD)、ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレート(SDD)およびビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−ピメレート(PDD)の細胞毒性効果を示す。
より正確には、表1に以下のIC50値(μM)を要約する:
−ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−アゼレート(ADD)、
−ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレート(SDD)、
−ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−ピメレート(PDD)、および
−8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニン(比較1)、および
−4つの主要な抗癌剤(比較2)、国立癌研究所の開発的治療プログラムのデータベースに示されるものであり、次のものである:
・フルオロウラシル(すなわち、5−FU)、
・シスプラチン、
・エトポシド、
・メファラン
これらを、以下の細胞で試験した:
−A549、
−HCT−15、および
−MCF−7ヒト腫瘍細胞株。
Figure 2012510490
表1から、本発明に係る全ての化合物が阻害効果を示すことがわかる。2つのSDDおよびPDDにおいて最高の結果が得られ、4つの主要な抗癌剤(比較2)に匹敵する値を示した。他方、ADDは、8−O−アゼロイル−14−ベンゾイルアコニンと非常に類似した阻害効果を示した。
以下に、これら3つの本発明に係る化合物のうち最も強力なビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレート(SDD)において行った研究を記載する。
分配係数:SDDのlogD(pH7.4)
水/オクタノールの間の分配係数は、化合物の水/脂肪−可溶性の評価を可能にする。これは、様々な生物学的障壁の侵入および生物における分散といった薬物動態学パラメーターの測定において主要な役割を果たす。
この研究における相対的なlogD(pH7.4)は、A microscale HPLC method for the evaluation of octanol-water partition coefficients in a series of new 2-amino-2oxazolines Pehourcq, F.; Thomas, J.; Jarry, C., J. Liq. Chromatogr. Relat. Technol. (2000), 23, 443-453に開示されるようなマイクロHPLC法により評価した。
これらの測定はクロマトグラフィー装置で行なった(Spectra Series, San Jose, USA)。次の逆相カラムを使用した:アセトニトリル(+1‰トリフルオロ酢酸)−水(+1‰トリフルオロ酢酸)(40:60v/v)から成る移動相によるStabilityRP18(4.6×150mm;5μm粒子サイズ)。
化合物を、n−オクタノール(HPLC等級)とリン酸緩衝液(pH=7.4)との間で分離した。オクタノールは緩衝液で予め且つ反対に飽和させた。1mg/mLの原液を得るために、1mgの化合物を適切な量のメタノールに溶解した。その後、適切な分割量のこのメタノール溶液を緩衝液に溶解し、終濃度100μg/mLを得た。上記のクロマトグラフィー条件の下、20μLのこの水相をクロマトグラフに注入し、分割(W0)前のピーク面積を測定した。
スクリューキャップをしたチューブにおいて、その後、2000μLの水相(Vaq)を10μLのn−オクタノール(Voct)(pH=7.4)に添加した。その混合物を機械的な回転により30分間振盪した。遠心分離を3000rpmで15分間行った。20μLの量の下相をクロマトグラフカラムに注入した。これは分割(W1)後にピーク面積の測定を可能にした。LogDは次式から計算した:LogD=Log[(W−W)Vaq/Woct。]。
化合物SDDに関して、2.86のlogD(pH7.4)の値は、相対的に高い脂溶性を意味し、様々な生物学的障壁の膜貫通侵入および生物内の分散に好ましい(Lipinski, C.A.; Lombardo, F.; Dominy, B.W.; Feeney, P.J., Adv. Drug Delivery Rev. (1997), 23, 3-25参照)。
脂溶解性の経験的な尺度が開示される、創薬および開発設定における可溶性および透過性を推定するための実験的および計算上のアプローチ。
種々の腫瘍細胞株の細胞周期停止に対するビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレート(SDD)の効果
方法
10細胞のA549、HCT−15およびMCF−7細胞株を、RPMI−1640培地を有するペトリ皿に播種した。24時間後、SDDは20μMの濃度で水に溶解され、培地に直接添加された。接触を72時間維持した。その後、細胞をトリプシン処理して取り外し、採取し、PBSによりリンスし、血球計数器でカウントした。細胞を1500rpmで5分間遠心分離機にかけた後、2.5×106細胞/mLを得るために決まった量に再懸濁した。100μLの細胞浮遊液をトリプシンで10分間消化し、核とした。その後、トリプシンインヒビターおよびRNAseを含む溶液を細胞浮遊液に添加し、10分間放置した。最後に、細胞をプロピジウムヨウ化物で染色し、フローサイトメトリー装置により分析した。細胞周期の異なる時期における細胞の分散を、A detergent-trypsin method for preparation of nuclei for flow cytometric DNA analysis. Vindelov, L.; Christensen, I.; Nissen, N.; Cytometry (1983), 3, 323 - 327に開示される手法により決定した。
以下の表2は、以下の細胞から得られた結果を要約している:
−G0G1:G0G1期の細胞
−G2M:G2M期の細胞
−S:DNA合成期の細胞
−Sub G1:アポトーシス細胞
−SUP G2M:二倍体細胞。
Figure 2012510490
以下の表3は、種々の細胞周期における生存細胞のパーセンテージを要約している。
Figure 2012510490
結果
表2に示すように、SDDは、20μMの用量で、G2M期およびS期において、A549およびHCT−15細胞の著しい蓄積およびMCF−7細胞の中程度の蓄積をもたらし、これは発生のこの段階における細胞周期停止の特徴である。アポトーシス細胞(Sub G1)の数は、HCT−15細胞株を有する試験において著しく増大した。
G2M期における細胞の数は、A549およびHCT−15細胞株においてそれぞれ85%および75%まで増大し、S期で停止した細胞の数は、コントロールと比較して両細胞種において100%を超えて増大したことに留意すべきである。
SDD処理において、G2M期およびS期における蓄積の同様の傾向MCF−7細胞においても認められるものの、程度は低い。細胞周期に対する効果はSDDの細胞毒性に関与しなかった:細胞周期におけるA549細胞の分布はIC50に近いSDD濃度にて変更された一方、周期におけるMCF−7細胞分布は、IC50よりも5倍高いSSD濃度において変更されない。このことは、我々に、DNA合成の阻害およびG2M期のブロックに限定されない複数の作用機構を推測させる。
トポイソメラーゼI切断活性に対するSDDの効果の研究
DNAトポイソメラーゼ1(すなわちTop1)は、複製、転写、組換えおよびクロマチンリモデリングを含むほとんどのDNA処理に関連するDNAトポロジーの調節に関与する必須の核酵素である。その役割は、切断された鎖の3’−リン酸と酵素との間の共有結合の形成を介して、二本鎖DNAに一時的な一本鎖の破壊を導入することである。共有結合のTop1−DNA複合体内において、切断された鎖の周辺における破壊された鎖の回転が、DNAスーパーコイルの緩和をもたらす。その後、DNAの連続性は、Top1により、5’−ヒドロキシル末端の再連結による回復される。カンプトセシン(CPT)のようなTop1毒は、Top1−DNA複合体を安定化させ、それによりDNAの再連結を阻害する。
SDDの影響は、カンプトセシンと比較したTop1分裂活性について様々な濃度で研究された。
方法は、3’ラベルオリゴヌクレオチドと酵素Top1、またはTop1+CPTもしくはTop1+SDDとのインキュベーションから成る。Top1は、DNA一本鎖突出部の3’末端と共有結合を形成し、その後、DNAを再連結させ、このことは単一のバンドとして現れ、ポジティブコントロールとしてのカンプトセシンは、複合体Top1−DNAを安定化させ、DNAの再連結を阻害し、このことは二本のバンドとして現れる。
方法
オリゴヌクレオチド標識
裂けやすい鎖の3’末端標識を以前の文献に記載されるとおりに行った:Conversion of topoisomerase I cleavage complexes on the leading strand of ribosomal DNA into 5'-phosphorylated DNA double-strand breaks by replication runoff. Pommier, Y.; Jenkins, J.; Kohlhagen, G.; and Leteurtre, F.; Mutat. Res. (1995), 337, 135-145。
従って、10pmolのデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを、標識バッファー(100mMカコジル酸カリウム、pH7.2、2mM CaCl、200μM DTT)中で1時間、37℃でインキュベートした。
反応混合物を、5分間の遠心分離によりG−25セファデックススピンカラムを通過させ、取り込まれていない過剰のヌクレオチドを除去した。
3’標識オリゴヌクレオチドを、同量の非標識相補鎖と混合し、アニーリングバッファー(すなわち、10mM Tris−HCl、pH7.8、100mM NaEDTA)中で、反応混合物を、5分間95℃で過熱してアニールさせ、室温まで徐冷した。
Top1触媒切断アッセイ
Top1触媒切断アッセイは、自殺酵素と呼ばれる、完全に二本鎖のオリゴヌクレオチドまたは部分的に二本鎖のオリゴヌクレオチドの何れかを用いて行った。
それぞれの反応について、10μMの濃度で20fmolの3’標識基質を、10mM Tris−HCl、pH7.5、50mM KCl、5mM MgCl、0.1mM Na2EDTA、15μgのウシ血清アルブミン、0.2μM DTTおよび10μM CPTを含む緩衝液中で、SDDの存在下または非存在下で、室温で15分間、0.2pmolの精製されたヒト組み換えTop1とインキュベートした。
反応を0.5%SDSの添加によって停止し、(3:1)の比率でバッファー(すなわち、80%ホルムアミド、10μM NaOH、1μM NaEDTA、0.1%キシレンシアノール、0.1%ブロモフェノールブルー)を充填し、サンプルを、7Mウレアを含む、16または20%アクリルアミドDNAシーケンシングゲルに溶解した。
分解産物のイメージングおよび定量化は、Inhibition of Topoisomerase I cleavage activity by thiol-reactive compounds. Montaudon, D. ; Palle, K. ; Rivory, L. ; Robert, J. ; Douat-Casassus, C. ; Quideau S. ; Bjornsti M. ; Pourquier P ; J. Biol. Chem. (2007), 282, 14403 - 14412に記載されるように、Typhoon Phosphorimager (Amersham Biosciences)を用いて行った。
結果
4つの異なる濃度:1、10、100および1000μMで使用したSDDは、カンプトセシンと比較して、Top1阻害活性を示さなかった。
トポイソメラーゼIIの触媒活性に対するSDDの効果の評価。
一般に、核酵素DNAトポイソメラーゼII(TopoII)は、アントラサイクリン、アクリジン、エピポドフィロトキシン(epipodophyllotoxines)およびエリプティシン(ellipticines)を含む様々な抗癌剤の一般的な標的であることが認められる。これらの薬剤はすべて、三元複合系DNA薬剤−TopoIIの形成および安定化を誘導するにもかかわらず、特異的な結合のドメインおよび機構は、効果および抵抗性のような薬剤の薬理学の特徴を決定する、種々の化学基と同等のようには見えない。
TopoII触媒活性に対するSDDの潜在的阻害効果の顕色のための試験を、トリパノソーマ・キネトプラスツ(kDNA、TopoGen)に由来する連鎖したDNA基質を非連鎖化し、緩和したDNA形態にすることにより行った。
方法
40mM Tris/HCl pH7.4、10mM MgCl、0.5mMジチオスレイトール、1mM ATPおよび0.02g/ml kDNAを含む以下の標準的反応混合物を行った。
反応は、核抽出物の添加により開始し、37℃で20分のインキュベーションの後、30%グリセロール、1%SDS、0.5mg/mlブロモフェノールブルーを含む変性溶液の添加により停止した。
その後、サンプルを、2mM EDTAおよび0.1μg/ml臭化エチジウムを含む40mM Tris/酢酸(pH8.0)中で、80Vで45分間、1%アガロースゲル上で電気泳動した。
非連鎖化のためのポジティブコントローは、緩和されたDNA、開環DNAおよび共有結合的閉環DNAの2種の混合物を含む、TopoGenから得られる非連鎖化kDNAマーカーである。連鎖化DNAはゲルに入らない一方で、非連鎖化DNA環は、ゲルに入り移動する。
DNAをUV光の下で視覚化し、上記の装置を使用して濃度計のスキャニングにより種々のDNA形態を定量した。
エトポシドは、次の文献に記載されるとおり、ポジティブコントロールとして使用した:Differential stabilisation of topoisomerase-II-DNA cleavable complexes doxorubicine and etoposide in doxorubicin-resistant rat glioblastoma cells. Montaudon, D. ; Pourquier, P. ; Denois, F. ; De Tinguy-Moreaud, E. ; Lagarde, P. ; Robert, J.; Eur., J. Biochem. (1997), 245, 307 - 315.
結果
1、10、100および1000μMの濃度で使用したSDDは、エトポシドと比較して、用量に依存しない様式で、相対的に中程度のTopoII活性の阻害を示した。したがって、TopoII活性の有意でない阻害を示すものの、それはSDDの濃度に依存しない。
SDD(LD50)のための急性毒性測定
マウス予備試験においてSDDの急性全身毒性を評価するために研究を行なった。
SDDを以下のように静脈内投与した:
−第1工程において、1匹のメスのスイスマウスに対して、95mg/kg b.w.の単一用量、
−第2工程において、1匹のメスのスイスマウスに対して、60mg/kg b.w.の単一用量、
−第3工程において、1匹のメスのスイスマウスに対して、55mg/kg b.w.の単一用量、および
−第4工程において、2匹のメスのスイスマウスの群に対して、50mg/kg b.w.の単一用量。
試験項目投与の直後に、95mg/kg b.w.にて処理した動物が死亡したことに注目される。
試験項目投与の3時間後に、60mg/kg b.w.にて処理した動物が死亡したことに注目される。
死亡の前に、被食者の反射(Preyer’s reflex)の減少、正向反射の欠落、緊張度の減少および目を細める状態(eyes partly closed)に関連する自発的活動の減少が生じた。
試験項目投与の24時間後における、55mg/kg b.w.で処理した動物の死亡に注目される。死亡の前に、正向反射の減少に関連する自発的活動の減少が生じた。
50mg/kg b.w.で処理した動物では死亡は生じなかった。
試験項目投与の1時間後に、正向反射の減少(1/2)に関連した自発的活動の減少(2/2)(すなわち、2匹のうち2匹)が記録された。動物は、試験の2日目において、通常の活動に戻った。
初日および14日目の間における、マウスの尾のレベルにおける浮腫に注目された。
動物の体重増加は、研究を通じて正常のままであった。研究の最後に50mg/kgで処理した動物の目視による試験では、処理に関連した変化は何ら明らかとならなかった
主要試験
SDDを50mg/kg体重の用量で、5匹のメスのスイスマウスの群に静脈内投与した。実験プロトコールは、医学的装置の生物学的評価に関する国際標準NF EN ISO 10993−11:「全身毒性のための試験」から確立した。
研究を通じて死亡は生じなかった。試験項目投与から1時間後において、処理した動物にて、正向反射の減少(2/5)および目を細めた状態(2/5)に関連した自発的活動の減少(5/5)が記録された。試験の2日目において、動物は正常な活動に戻った。
初日から14日目の間における、マウスの尾のレベルにおける浮腫に注目された。動物の体重増加は、研究を通じて正常のままであった。研究の最後に50mg/kgで処理した動物の目視による試験では、尾のレベルにおける壊死(3/5)のみが明らかとなった。
結論:
結論として、SDDに対するマウスLD50は、静脈内投与を行った場合、50mg/kg体重を超えることがわかる。

Claims (12)

  1. 以下の一般構造(I):
    Figure 2012510490
    の化合物であって、nは、0および10の間、好ましくは3および10の間に含まれる整数である化合物。
  2. nが4および8の間に含まれる請求項1に記載の化合物。
  3. nが5、6または7に等しい請求項1に記載の化合物。
  4. ビス[O−(14−ベンゾイルアコニン−8−イル)]−スベレートである請求項1に記載の化合物。
  5. 一般的構造(I)を有する化合物の製造方法であって、
    a)DMFなどの溶媒中にて、80℃以下の温度でアコニチンをジカルボン酸と共に撹拌する工程と、
    b)得られた混合物を、エステル転移反応が行われるように室温でかき混ぜる工程と、
    c)前記溶媒を減圧下で蒸発させる工程と、
    d)前記工程c)の終わりにおいて得られる油状残渣を精製して、前記化合物(I)を単離する工程と
    を含んだ方法。
  6. 前記ジカルボン酸が、2および12、好ましくは5および12、より好ましくは6および10の間に含まれる数の炭素原子を有する請求項5に記載の方法。
  7. 前記ジカルボン酸が、ピメリン酸、スベリン酸およびアゼライン酸から成る群から選択される請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1から4の何れか1項に定義される化合物を含む医薬組成物。
  9. 適切で医薬的に許容可能な希釈剤または担体物質を更に含む請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 医薬の製造のための請求項1から4の何れか1項に記載の化合物の使用。
  11. 前記医薬が腫瘍疾病の治療のために使用される請求項10に記載の使用。
  12. 前記医薬が大腸癌、肺癌または乳癌の治療のために使用される請求項11に記載の使用。
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