理解を容易にするために、可能である場合には、複数の図に共通な同一の要素を示すために、同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素および/またはプロセスステップを、追加の記述がなくとも他の実施形態において利益をもたらすように組み込むことができることが、予想される。
本明細書において説明する実施形態は、基板表面を研磨するための方法を提供する。銅CMPおよびバリアCMPは、研磨速度を高めコロイドの安定性を与えるように個々に最適化される異なるスラリを多くの場合に必要とする。一旦、スラリ組成が固定されると、異なる処理ステップにおいてプロセス自由度を最適に調整することが難しいことがある。例えば、バルク材料除去研磨、材料クリアリング研磨、バリア研磨、および誘電体研磨は、別個のスラリ組成をすべてが必要とすることがある。終点検出と組み合わせたプロセス成分の二系統混合は、プロセス自由度を与え、安価なバルク原材料を使用することによって高い研磨速度のためのコストを最小にする。
本明細書において説明する方法は、一般に、処理中に複数の貯蔵ユニット内に処理用成分を貯蔵するステップと、スラリを作り出すために処理用成分を混ぜ合わせながら、研磨用パッドへ処理用成分を流すステップとを含む。スラリを使用して基板を研磨し、基板上に配置された材料層の厚さを決定する。基板上に配置された材料層の除去の速度に影響を及ぼすように、1つまたは複数の処理用成分の流量を次に調節する。
本明細書において説明する実施形態は、スルーシリコンビア(TSV)応用例に特に好都合である。本明細書において説明する方法の実施形態は、やはり、標準的な基板についてのCMP応用例に対しても適している。TSV応用例は、3Dパッケージおよび3D集積回路などのシリコン基板を完全に貫通して通る電気的接続部を含む。TSV応用例は、普通には、相互に上に配置された複数の集積回路を含む。例えば、3D集積回路は、相互に垂直に積み重ねた複数のシリコン基板を含むことができる。複数の基板の積み重ねは、多くの場合に、研磨することまたは除去することが必要な場合がある金属材料または誘電体材料の比較的厚い層を結果としてもたらす。一実施形態では、基板上に配置された材料の層は、約2マイクロメートルから約10マイクロメートルまでの範囲内、例えば、約8マイクロメートルである。別の一実施形態では、約1マイクロメートルから約3マイクロメートルまでの範囲内の厚さを有する誘電体層を、約2マイクロメートルから約8マイクロメートルまでの範囲内の厚さを有する金属層上に配置する。
研磨用パッドへの複数の処理用成分の流量を制御する能力は、研磨プロセスの始めにおいて基板上に配置された材料の高い除去速度を可能にする。研磨速度を増加させるために処理用成分の流量に影響を及ぼす能力は、発生することがある損傷のために、加えることができる最大ダウンフォース圧力がある低誘電率材料にとって特に好都合である。さらに、金属膜および誘電体膜などの複数の膜を異なるステージにおいて研磨するときに、処理用成分の流量に影響を及ぼす能力は、調節および/または選択性を与える効果がある。
例えば、材料の厚さが約4,000オングストロームから約8マイクロメートルまでの範囲内であるときには、比較的高い研磨速度が望まれている。基板上に配置された材料の厚さが減少するにつれて、ディッシングを防止するために、除去速度を調節することができる。一実施形態では、研磨用研磨剤を含む処理用成分の流量を減少させることによって、除去速度を低下させる。
さらに、複数の膜または複数の層が基板上に配置されているときには、研磨用パッドへの複数の処理用成分の流量を制御する能力は、好都合である。例えば、誘電体層が基板のバルク金属層上に配置されているTSV応用例に関して、異なる研磨速度で、または処理用成分の異なる組み合わせを使用することによって複数の層を研磨することが、望ましいことがある。
本明細書において説明する実施形態を、Santa Clara、CaliforniaのApplied Materials,Inc.から入手可能なMIRRA(登録商標)化学機械平坦化システム、MIRRA MESA(登録商標)化学機械平坦化システム、REFLEXION(登録商標)化学機械平坦化システム、REFLEXION LK(商標)化学機械平坦化システム、およびREFLEXION LK ECMP(商標)化学機械平坦化システムなどの化学機械研磨プロセス装置を使用して実行することができる平坦化プロセスおよび構成を参照して以下に説明する。本明細書において説明する実施形態を、やはり、オーバーヘッド円形トラック研磨システム上で実施することができる。処理用パッド、平坦化用ウェブ、またはこれらの組み合わせを使用する平坦化モジュールを含む他の平坦化モジュール、および回転運動、直線運動、または他の平面運動で平坦化用表面に対して相対的に基板を動かす平坦化モジュールを、やはり、本明細書において説明する実施形態から利益を得るように適合させることができる。それに加えて、本明細書において説明する方法または調合物を使用して化学機械研磨を可能にする任意のシステムを、好都合なことに使用することができる。下記の装置説明は、例示的であり、本明細書において説明する実施形態の範囲を限定するように理解または解釈すべきではない。
図1は、化学機械平坦化システムの概略図である。化学機械平坦化システム100は、一般に工場インターフェース102、ローディングロボット104、および平坦化モジュール106を備える。工場インターフェース102と平坦化モジュール106との間での基板122の搬送を容易にするために、ローディングロボット104を配置する。
システム100の複数のモジュールの制御および統合を容易にするために、コントローラ108を設ける。コントローラ108は、中央処理ユニット(CPU)110、メモリ112、および支援回路114を備える。平坦化プロセス、クリーニングプロセス、および搬送プロセスの制御を容易にするために、システム100の様々な構成要素にコントローラ108を連結する。
工場インターフェース102は、一般に、計測モジュール190、クリーニングモジュール116、および1つまたは複数の基板カセット118を含む。基板カセット118、クリーニングモジュール116、および搬入モジュール124の間で基板122を搬送するために、インターフェースロボット120を採用する。グリッパ、例えば、真空グリッパまたは機械的クランプによって、平坦化モジュール106と工場インターフェース102との間での基板122の搬送を容易にするように、搬入モジュール124を設置する。
計測モジュール190を、基板の厚さプロファイルの計測指標を与えることに適した非破壊測定用デバイスとすることができる。計測モジュール190は、渦電流センサ、干渉計、容量センサ、および他の適したデバイスを含むことができる。適した計測モジュールの例は、Applied Materials,Inc.から入手可能なISCAN(商標)基板計測モジュールおよびIMAP(商標)基板計測モジュールを含む。計測モジュール190は、コントローラ108に計測基準を提供し、そこでは基板から測定される特定の厚さプロファイルについての目標除去プロファイルを決定する。
平坦化モジュール106は、環境面で制御された筐体188中に配置された少なくとも第1の化学機械平坦化(CMP)ステーション128を含む。図1に図示された実施形態では、平坦化モジュール106は、第1のCMPステーション128、第2のCMPステーション130、および第3のCMPステーション132を含む。基板122上に配置された材料のバルク除去を、第1のCMPステーション128における化学機械研磨プロセスを介して実行することができる。一実施形態では、材料のバルク除去を、マルチステッププロセスとすることができる。第1のCMPステーション128におけるバルク材料除去の後で、残っている材料または残留材料を、シングルステップまたはマルチステップ化学機械研磨プロセスで第2のCMPステーション130において基板からきれいにすることができ、マルチステッププロセスの一部を、基板上に配置された残留材料を除去するように構成することができる。バリア層を研磨するために、第3のCMPステーション132を使用することができる。一実施形態では、バルク材料除去および残留材料除去の両方を、1つのステーションで実行することができる。かかる実施形態では、2つのプラテンだけが必要である場合がある。あるいは、異なるステーションにおいて実行したバルク除去プロセスの後で、マルチステップ除去プロセスを実行するために、1つよりも多くのCMPステーションを利用することができる。
図1の実施形態では、平坦化モジュール106は、また、機械基部140の上面または第1の面上に配置された搬送ステーション136およびカルーセル134を含む。一実施形態では、搬送ステーション136は、搬入バッファステーション142、搬出バッファステーション144、搬送ロボット146、およびロードカップアセンブリ148を含む。搬入バッファステーション142は、ローディングロボット104を用いて工場インターフェース102から基板を受け取る。搬出バッファステーション144から工場インターフェース102へと研磨した基板を戻すために、ローディングロボット104を、やはり利用する。バッファステーション142、144とロードカップアセンブリ148との間で基板を移動させるために、搬送ロボット146を利用する。
搬送ロボット146は、基板の端部で基板をつかむ空気圧グリッパフィンガを各々が有する2つのグリッパアセンブリを含む。搬送ロボット146は、処理した基板をロードカップアセンブリ148から搬出バッファステーション144へと搬送している間に、処理しようとする基板を搬入バッファステーション142からロードカップアセンブリ148へと同時に搬送することができる。
カルーセル134は、基部140の上方で中央に配置される。カルーセル134は、典型的には、キャリアヘッドアセンブリ152を各々が支持する複数のアーム150を含む。搬送ステーション136および第1のCMPステーション128の平坦化用表面129を見ることができるように、図1に図示したアーム150のうちの2つを、破線で示している。キャリアヘッドアセンブリ152をCMPステーション128、130および132と搬送ステーション136との間で動かすことができるように、カルーセル134は、インデックス可能である。コンディショニングデバイス182を、CMPステーション128、130および132の各々に隣接する基部140上に配置する。一様な平坦化結果を維持するために、コンディショニングデバイス182は、CMPステーション128、130および132中に配置された平坦化用材料を定期的にコンディショニングする。
透明窓170が、研磨用パッド208(図2参照)中に含まれ、キャリアヘッドの移動位置に拘わらず、プラテンの回転の一部の間に透明窓が基板122の下を通るように設置される。透明窓170を計測デバイス用に使用することができ、例えば、渦電流センサを透明窓170の下方に設けることができる。ある種の実施形態では、窓170および関係する検知方法を、終点検出プロセス向けにまたはプロファイル検出プロセス向けに使用することができる。
研磨プロセス中に、基板のリアルタイムプロファイル制御(RTPC)モデルを進展させることができる。導電性材料の厚さを、基板上の異なる領域において測定することができる。例えば、処理が基板の全域で一様に進行していることを確実にするために、基板上の異なる領域において金属層の厚さを監視することができる。基板の複数の領域についての厚さ情報(包括的に、基板の「プロファイル」と呼ぶことができる)を次に使用することができ、リアルタイムで処理パラメータを調節して、所望の基板間の均一性を得ることができる。例えば、化学機械研磨プロセスでは、基板上の異なる領域における材料層の厚さを監視することができ、検出した厚さまたは不均一性が、CMPシステムにリアルタイムで研磨パラメータを調節させることができる。かかるプロファイル制御を、リアルタイムプロファイル制御(RTPC)と呼ぶことができる。RTPC中に取得した測定値を、プロセスの終点検出のために使用することができる。
一実施形態では、調節した研磨パラメータは、1つまたは複数の処理用成分の流量を含む。研磨中に1つまたは複数の処理用成分の流量を調節することによって、残っている材料のプロファイルを制御するために、RTPCを使用することができる。一実施形態では、RTPCプロセス中に決定されるような材料層厚さの測定値に応じて、1つまたは複数の処理用成分の流量を調節する。適切なRTPC技術および装置の例が、Hanawa他のMETHOD AND APPARATUS FOR MONITORING A METAL LAYER DURING CHEMICAL MECHANICAL POLISHINGという名称の米国特許第7,229,340号、および2003年7月31日に出願したEDDY CURRENT SYSTEM FOR IN−SITU PROFILE MEASUREMENTという名称の米国特許出願第10/633,276号であって米国特許第7,112,960号として現在発行されている米国特許中に記載されている。
一実施形態では、スペクトルに基づく終点検出技術を使用して、終点を決定することができる。スペクトルに基づく終点技術は、研磨シーケンス中の異なる時間の間に基板上の異なるゾーンからスペクトルを得るステップ、ライブラリ中のインデックスとスペクトルをマッチングさせるステップ、およびインデックスから異なるゾーンの各々に対する研磨速度を決定するためにインデックスを使用するステップを含む。別の一実施形態では、計量器によって与えられる処理の第1の計量値を使用して、終点を決定することができる。計量器は、基板上の導電性材料(例えば、銅層)の残っている厚さを決定するために利用する電荷情報、電圧情報、または電流情報を与えることができる。別の一実施形態では、センサを利用する干渉計などの光学的技術を利用することができる。残っている厚さを、直接測定することができる、または事前に決定した開始時の膜厚から除去した材料の量を引き算することによって計算することができる。一実施形態では、基板の所定の面積に対する目標電荷量に対して基板から除去した電荷を比較することによって、終点を決定する。利用することができる終点技術の例が、Benvegnu他の2007年6月5日に発行されたSPECTRUM BASED ENDPOINTING FOR CHEMICAL MECHANICAL POLISHINGという名称の米国特許第7,226,339号、2007年5月15日に出願したSUBSTRATE THICKNESS MEASURING DURING POLISHINGという名称の米国特許出願第11/748,825号であって米国特許出願公開第2007/0224915号として現在公開されている米国特許出願公開、およびHanawa他のMETHOD AND APPARATUS FOR MONITORING A METAL LAYER DURING CHEMICAL MECHANICAL POLISHINGという名称の米国特許第6,924,641号中に記載されている。
図2は、流体配送アームアセンブリ126を含む第1のCMPステーション128の一実施形態の概略的断面図である。図2を参照すると、第1のCMPステーション128は、キャリアヘッドアセンブリ152およびプラテン204を含む。キャリアヘッドアセンブリ152は、一般に、プラテン204上に配置された研磨用パッド208に抗して基板122を保持する。基板122と研磨用パッド208との間に相対的な動きを与えるために、キャリアヘッドアセンブリ152またはプラテン204のうちの少なくとも1つを回転させるまたはそうでなければ動かす。図2に図示した実施形態では、基板122に少なくとも回転運動を与えるアクチュエータまたはモータ216に、キャリアヘッドアセンブリ152を連結する。モータ216は、やはり、キャリアヘッドアセンブリ152を揺動させることができ、その結果、基板122を研磨用パッド208の表面の全域にわたり横方向に行ったり来たりして動かす。
研磨用パッド208は、パッドとしてプラテン204上に配置した発泡ポリマなどの従来材料を備えることができる。一実施形態では、従来の研磨用材料は、発泡ポリウレタンである。一実施形態では、パッドは、Newark、 Del.のRodel Inc.から入手可能な、IC1010ポリウレタンパッドである。IC1010ポリウレタンパッドは、典型的には、約2.05mmの厚さおよび約2.01%の圧縮率を有する。使用することができる他のパッドは、IC1000パッドの下に追加の圧縮性底部層を用いるおよび用いないIC1000パッド、IC1010パッドの下に追加の圧縮性底部層を用いるIC1010パッド、および他の製造業者から入手可能な研磨用パッドを含む。本明細書において説明する調合物を、基板の化学機械研磨に寄与するようにパッドの表面上に置く。
一実施形態では、キャリアヘッドアセンブリ152は、基板受けポケット212の周囲を囲む保持リング210を含む。空気袋214を、基板受けポケット212内に配置し、キャリアヘッドアセンブリ152に基板をチャックで固定するために真空引きし、研磨用パッド208に抗して押し付けたときに基板122のダウンフォースを制御するために加圧することができる。一実施形態では、キャリアヘッドを、マルチゾーンキャリアヘッドとすることができる。1つの適したキャリアヘッドアセンブリ152は、Santa Clara、Californiaに所在するApplied Materials,Inc.から入手可能なTITAN HEAD(商標)キャリアヘッドである。本明細書において説明する実施形態からの利益に適合することができるキャリアヘッドの他の例が、2001年12月12日に発行された米国特許第6,159,079号、および2004年7月29日に発行された米国特許第6,764,389号中に記載されている。
図2の実施形態では、プラテン204の回転を容易にするベアリング258によって、プラテン204は基部256上で支持される。モータ260をプラテン204に連結し、研磨用パッド208をキャリアヘッドアセンブリ152に対して相対的に動かすようにプラテン204を回転させる。
1つまたは複数の処理用成分を第1の処理用成分供給部228aおよび第2の処理用成分供給部228bから研磨用パッド208の上面または作業面へと配送するために、流体配送アームアセンブリ126を利用する。処理用成分供給部228aおよび228bは、別々の処理用成分を含有する個々の貯蔵ユニットを含む。研磨用スラリを作り出すために、処理用成分供給部228aおよび228bからの処理用成分を混ぜ合わせることができる。一実施形態では、第1の処理用成分供給部228aは、CMPプロセス中に第1の処理用成分を貯蔵する第1の貯蔵ユニットを含み、第2の処理用成分供給部228bは、CMPプロセス中に第2の処理用成分を貯蔵する第2の貯蔵ユニットを含む。
図2に図示した実施形態では、流体配送アームアセンブリ126は、支柱232から延びるアーム230を含む。支柱232の中心線の周りでのアーム230の回転を制御するために、モータ234を設ける。研磨用パッド208の作業面に対して相対的なアーム230の遠位端部238の高さを制御するために、調節機構236を設けることができる。調節機構236を、プラテン204に対して相対的なアーム230の遠位端部238の高さを制御するためのアーム230または支柱232のうちの少なくとも1つに連結されたアクチュエータとすることができる。本明細書において説明する実施形態からの利益に適応することができる適切な流体配送アームのいくつかの例が、2005年12月8日に出願したMETHOD AND APPARATUS FOR PLANARIZING A SUBSTRATE WITH LOW FLUID CONSUMPTIONという名称の米国特許出願第11/298,643号であって米国特許出願公開第2007/0131562号として現在公開されている米国特許出願公開、2001年8月2日に出願したMULTIPORT POLISHING FLUID DELIVERY SYSTEMという名称の米国特許出願第09/921,588号であって米国特許出願公開第2003/0027505号として現在公開されている米国特許出願公開、2003年5月2日に出願したSLURRY DELIVERY ARMという名称の米国特許出願第10/428,914号であって米国特許第6,939,210号として現在発行されている米国特許、および2002年4月22日に出願したFLEXIBLE POLISHING FLUID DELIVERY SYSTEMという名称の米国特許出願第10/131,638号であって米国特許第7,086,933号として現在発行されている米国特許中に記載されている。
処理用成分供給部228aおよび228bの分離は、比較的短い保存可能期間である処理用成分を処理の前に別々に貯蔵することを可能にする。研磨用スラリのある種の成分を一緒にした貯蔵は、研磨用スラリのコロイド特性、化学的安定性、またはpH範囲などの特性に悪影響を及ぼすことがある。例えば、処理の直前までこれらの成分を分離することが、保存可能期間を数日から数か月へと延長する。
ノズルアセンブリ248を、アーム230の遠位端部のところに配置する。ノズルアセンブリ248を、流体配送アームアセンブリ126を通って通路を決められた管242によって処理用成分供給部228aおよび228bに連結する。ノズルアセンブリ248は、アームに対して選択的に調節することができるノズル240を含み、その結果、ノズル240を出る流体を、研磨用パッド208の特定の区域に選択的に向けることができる。
管242は、ノズルアセンブリ248に処理用成分供給部228aおよび228bを連結する。処理用成分供給部228aおよび228bは、管242への相互接続部265を介して個々の処理用成分を供給する。弁263aおよび263bを、それぞれ、処理用成分供給部228aおよび228b間に配置して、管242への処理用成分の精密な制御を可能にする。弁263aおよび263bをコントローラ108に接続して、弁263aおよび263bを通る処理用成分流量のリアルタイムの自動化した制御を可能にする。
一実施形態では、ノズル240を、処理用成分の水煙を発生するように構成する。別の一実施形態では、ノズル240を、処理用成分のストリームを供給するように適応させる。別の一実施形態では、ノズル240を、研磨面へ約20ml/秒から約120ml/秒の間の量で処理用成分のストリームおよび/または水煙を供給するように構成する。一実施形態では、処理用成分を、約200ml/分から約500ml/分までの範囲内の量で研磨面へ配送する。
図3A〜図3Cは、二系統相互接続部365a〜365cの概略図である。図3Aおよび図3Bは、異なる二系統相互接続部365aおよび365bの実施形態を示し、第1の処理用成分供給部228a由来の第1の処理用成分と、第2の処理用成分供給部228b由来の第2の処理用成分とを混ぜ合わせながら、研磨用パッド208へと流入させるために利用することができる。第1の処理用成分および第2の処理用成分の流量を、それぞれ弁363aおよび363b(図3Bまたは図3Cには図示せず)によって個々に制御する。リアルタイム流量制御を提供するために、弁363aおよび363bをコントローラ108(図3Bまたは図3Cには図示せず)に連結する。
図3Cは、二系統相互接続部365cの概略図である。二系統相互接続部365cは、第1の処理用成分供給部228aおよび第2の処理用成分供給部228bに連結された注入口367aおよび367bを有する。第1の処理用成分および第2の処理用成分が二系統相互接続部365c内でらせん状の流れまたは渦巻き状の流れを作り出すように、注入口367aおよび367bは、中心を外れている。第1の処理用成分と第2の処理用成分とを研磨用パッドへ配送するために混ぜ合わせるときに、らせん状の流れまたは渦巻き状の流れは、一様な調合物を作り出すように混合することを促す。
さらに加えて、二系統相互接続部365a〜365cは、2つより多くの入力系統を含むことができる。例えば、各成分が異なる貯蔵ユニットから流れる3つ、4つ、または5つ以上の処理用成分を、相互接続部内で混ぜ合わせることができる。さらに加えてまたは代替で、相互接続部は、同様に研磨用パッドリンス用流体の入力を与えることができる。
CMPシステム100での使用のために適した処理用成分は、一般に、酸、酸化剤、溶食作用防止剤、pHバッファ、研磨用研磨剤、およびこれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む。例えば、酸、酸化剤、溶食作用防止剤、およびpHバッファを含む第1の処理用成分を、第1の処理用成分貯蔵ユニット内に貯蔵することができ、研磨用研磨剤を含む第2の処理用成分を、第2の処理用成分貯蔵ユニット内に貯蔵することができる。研磨用パッド208に配送される研磨用スラリを作り出すために、処理用成分を処理中に混ぜ合わせる。
研磨用スラリに適した酸は、有機酸または無機酸を含む。例えば、希釈有機酸は、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、これらの誘導体、およびこれらの組み合わせを含み、または希釈無機酸は、HNO3、HCl、H2SO4、ホウ酸、ホウフッ化水素酸、これらの誘導体、およびこれらの組み合わせを含む。さらに加えて、1つまたは複数の有機酸および1つまたは複数の無機酸の組み合わせを、使用することができる。
研磨用スラリに適した酸化剤は、過酸化水素水、モノ過硫酸化合物(例えば、過硫酸アンモニウム)、過酢酸、これらの誘導体、およびこれらの組み合わせを含む。研磨用スラリに適した溶食作用防止剤は、芳香族有機化合物、例えば、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体(例えば、5−クロロベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール)、トリアゾールおよびその誘導体(例えば、1,2,4−トリアゾール−3−チオール、1,2,3−トリアゾール[4,5−b]ピリジン)、5−アミノテトラゾール、トリアジン、これらの誘導体、およびこれらの組み合わせを含む。
研磨用スラリに適したpHバッファは、弱酸およびその共役塩基の混合物、または弱塩基およびその共役酸の混合物を含む。例えば、pHバッファは、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、アンモニウム、およびそれらのそれぞれの共役塩基を含むことができる。
研磨用スラリに適した研磨用研磨剤化合物は、アルミナ、セリア、酸化銅、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化スズ、チタニア、炭化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、ジルコニア、これらの誘導体、およびこれらの組み合わせを含む。過度なスクラッチまたは表面欠陥を生じさせずに高い除去速度を得るための研磨用研磨剤粒子に関して、研磨用研磨剤粒子が約10ナノメートルから約1マイクロメートルまでの範囲内の平均直径を有することが好ましい。一実施形態では、平均直径は、約50ナノメートルから約500ナノメートルまでの範囲内である。一実施形態では、研磨用研磨剤粒子の最大直径は、約10マイクロメートルよりも小さい。
上に説明した処理用成分を、濃縮した溶液または希釈した溶液として貯蔵することができる。一実施形態では、研磨用スラリとして研磨用パッド208へ処理用成分を与える前に、酸がリットル当たり約2グラムからリットル当たり約40グラムまでの範囲内であり、酸化剤がリットル当たり約4グラムからリットル当たり約80グラムまでの範囲内であり、溶食作用防止剤がリットル当たり約0.3グラムからリットル当たり約5グラムまでの範囲内であり、pHバッファがリットル当たり0グラムからリットル当たり約100グラムまでの範囲内であり、研磨用研磨剤がリットル当たり約0.1グラムからリットル当たり約50グラムまでの範囲内である組成を有する研磨用スラリを作り出すために、処理用成分を混ぜ合わせる。一実施形態では、研磨用スラリのpHは、約2から約5までの範囲内、または約8から約11までの範囲内である。
図4A〜図4Bは、基板上に配置された材料層の厚さと材料層が研磨される時間の長さとを比較したプロットである。プロットは、1つまたは複数の処理用成分の流量をどのように調節すると、基板上に配置した材料層の除去速度に影響を及ぼすことができるかを例示する。図4Aの基板の研磨を、研磨用スラリを作り出すために処理中に混ぜ合わせる2つの処理用成分を使用して行った。第1の処理用成分が、酸、pHバッファ、酸化剤、および溶食作用防止剤を含んでいた。第2の処理用成分が、研磨用研磨剤を含んでいた。図4Bの基板の研磨を、研磨用スラリを作り出すために処理中に混ぜ合わせる3つの処理用成分を使用して行った。第1の処理用流体が、酸、酸化剤、およびpHバッファを含んでいた。第2の処理用流体が、溶食作用防止剤を含んでいた。第3の処理用流体が、研磨用研磨剤を含んでいた。
処理用成分の流量を、基板上に配置された材料層の厚さまたは均一性の測定値に応じて調節する。一実施形態では、材料層の厚さまたは均一性を、上に説明したものなどの終点検出によって決定する。両方ともSanta Clara、CaliforniaのApplied Materials,Inc.から入手可能であるiScan(商標)厚さモニタおよびFullScan(商標)光学終点システムなどの検出システムを使用して、終点を検出することができる。
図4Aに戻って参照すると、材料層の厚さに対する時間のプロットを表示している。点Aは、基板上に配置された材料層の初期厚さを表す。点Aと点Bとの間では、材料層の除去が、毎分約3.7マイクロメートルの速度で行われる。上に説明した変わる濃度の研磨用スラリを使用すると、毎分約6マイクロメートル以下の大きさの除去速度を得ることができる。例えば、除去速度を、毎分約4マイクロメートル以下、または毎分約1.5マイクロメートル以下とすることができる。点Aと点Bの間の除去速度は、直線であり、処理用流体の流量の変化が生じない(例えば、処理用流体の流量は、最初の120秒の間では一定のままであった)。
点Bのところでは、基板上に配置された材料層の厚さを、終点検出を使用して6000オングストロームであると決定した。研磨用研磨剤処理用成分の流量を減少させることによって、除去速度が毎分約2000オングストロームに低下した。さらに加えて、厚さ測定を点Aと点Bの間で行うことができるが、層の所定の厚さに達するまで、処理用成分の流量を変化させる必要がないことに、留意すべきである。さらに加えてまたは代替で、研磨用研磨剤処理用成分の流量を増加させることによって、または溶食作用防止剤を含む処理用成分の流量を減少させることによって、層厚さ測定値に応じて、点Aと点Bの間の除去速度を増加させることができる。
点Cのところでは、基板上に配置された材料層の厚さを、終点検出を使用して2000オングストロームであると決定した。研磨用研磨剤処理用成分の流量を減少させることによって、除去速度を毎分約1500オングストロームに低下させた。点Dのところでは、終点検出を使用して再び厚さを決定し、最終点Eへと研磨用研磨剤処理用成分の流量をさらに削減することによって、除去速度を低下させた。別の一実施形態では、点B、点C、および点Dが、処理用成分の流量の変化をもたらさない場合があり、直線的な除去速度が、点Bと点Eとの間で観測される。一実施形態では、研磨プロセスの始めから、基板上に配置された材料層の厚さが約4000オングストロームから約2000オングストローム未満の範囲内になるまで、処理用成分の流量は一定のままである。基板上に配置された材料層の厚さの測定値に応じて、1つまたは複数の処理用成分の流量を調節し、研磨プロセスを完了する。
図4Bは、基板上に配置された材料層の研磨を表す。図4Bでは材料層の除去速度は、基板上に配置された材料層がゼロオングストロームの厚さに近づくにつれて徐々に低下する除去速度を有する。除去速度は、バルク層除去ステップの始めにおいては比較的高い。一実施形態では、除去速度は、毎分約1.5マイクロメートルから毎分約4マイクロメートルまでの範囲内である。RTPCプロセス中に検出されるように、バルク層が約2,000オングストロームから約6,000オングストロームまでの範囲内の厚さに近づくにつれて、コントローラは、1つまたは複数の処理用成分の流量を変化させる。RTPCは、研磨中に基板上に配置された層の厚さを継続的に監視することを可能にし、測定値に応じて、1つまたは複数の処理用成分の流量を調節する。
図4Bの実施形態では、基板上に配置された層の厚さが約6,000オングストロームであったときに、処理用成分の変化が起き始めた。図4Bの段階的な除去速度を、研磨用研磨剤処理用成分の流量を徐々に減少させることによって、および/または溶食作用防止剤処理用成分の流量を徐々に増加させることによって得ることができる。一実施形態では、RTPCプロセスと協働して、これを達成することができる。一実施形態では、混ぜ合わせた処理用成分の合計流量を一定に保つために、別の1つの処理用成分の流量の変化を補償するように、第3の処理用成分の流量を増加させるまたは減少させる。別の一実施形態では、総流量は、処理全体を通して一定のままではない。
1つまたは複数の処理用成分の流量の変化は、基板上に配置された材料層の除去速度について精密に制御することを可能にする。例えば、研磨用研磨剤を含む処理用成分の研磨用パッドへの比較的高い流量を増加させることによってまたは維持することによって、高い除去速度をプロセスの始めにおいて得ることができる。基板上に配置された材料層の厚さが減少するにつれて、除去速度を低減させるために、研磨用研磨剤を含む処理用成分の流量を減少させることができる、または、溶食作用防止剤を含む処理用成分の流量を増加させることができ、基板上でより一様な表面を生成し、ディッシングを防止することに役立つ。さらに加えて、終点検出に応じて研磨用パッドへの処理用成分の流量によって、除去速度を精密に制御するので、バルク層除去ステップおよびクリアステップを、過度なディッシング生じさせずに1つのプラテン上で実行することができる。一実施形態では、基板上に配置された2マイクロメートルよりも厚い厚さを有する材料の層を、バリア層が現れるまで1つのプラテン上で研磨する。別の一実施形態では、基板上に配置された8,000オングストロームよりも厚い厚さを有する銅の層を、バリア層が現れるまで1つのプラテン上で研磨する。
図5は、露出した材料層および基板上に配置された下地バリア層を有する基板を化学機械研磨するための方法500の一実施形態を図示する。方法500を、上に説明したシステム100上で実行することができる。方法500を、やはり他の化学機械研磨システム上で行うことができる。方法500は、典型的には、ソフトウェアルーチンとして、コントローラ108のメモリ112中に一般に記憶される。CPU110によって制御されるハードウェアから遠く離れて位置する第2のCPU(図示せず)によって、ソフトウェアルーチンを、やはり記憶するおよび/または実施することができる。
本明細書において説明する実施形態を、ソフトウェアルーチンとして実装しているように論じているが、本明細書中に開示した方法ステップのあるものを、ハードウェアにおいておよびソフトウェアコントローラによって実行することができる。したがって、本明細書において説明する実施形態を、コンピュータシステム上で実施されるソフトウェア中に、または特定用途向け集積回路としてハードウェア中にもしくは他のタイプのハードウェア実装手段中に、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせで実装することができる。
方法500は、ステップ502において、第1の研磨用パッドを含む第1のプラテン上に、下地バリア材料を覆うように配置された材料を含む基板を設置することによって始まる。材料層は、タングステン、銅、およびこれらの組み合わせなどを含むことができる。あるいは、材料層は、誘電体材料、例えば、酸化ケイ素または窒化ケイ素を含むことができる。さらに加えてまたは代替で、誘電体層を、バルク銅層を覆うように配置することができる。材料層は、導電性であっても非導電性であってもよい。バリア層は、ルテニウム、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、窒化タングステン、タングステン、およびこれらの組み合わせなどを含むことができる。一般にバリア層の下に、誘電体層、典型的には、酸化物がある。
ステップ502においては、キャリアヘッドアセンブリ152中に保持された基板122を、第1のCMPステーション128中に配置された研磨用パッド208の上方に動かす。キャリアヘッドアセンブリ152を、研磨用パッド208に向けて下降させ、基板122を、研磨用パッド208の上面と接触させて置く。
ステップ504においては、化学機械研磨プロセスをバルク材料上に実行する。ステップ506においては、材料のバルク部分を除去するために、基板を、第1の除去速度で第1のプラテン上で研磨する。一実施形態では、材料層は、約2マイクロメートルから約10マイクロメートルの範囲内の初期厚さを有する銅層である。別の一実施形態では、材料層は、約4マイクロメートルから約7マイクロメートルの範囲内の初期厚さを有する銅層である。別の一実施形態では、材料層は、約6,000オングストロームから約8,000オングストロームまでの範囲内の初期厚さを有する銅層である。一実施形態では、研磨ステップ506を、第1のCMPステーション128において実行することができる。基板122を、平方インチ当たり約4ポンド(psi)よりも小さな力で研磨用パッド208に対して押し付けることができる。一実施形態では、力は、約2.5psiよりも小さい。別の一実施形態では、力は、約1psiと約2psiの間、例えば、約1.8psi(1.3g/mm2)である。
ステップ506においては、基板122と研磨用パッド208との間に相対的な動きを与える。一実施形態では、キャリアヘッドアセンブリ152を、毎分約50〜100回転の間で、例えば、毎分約30〜60回転の間で回転させ、一方で、研磨用パッド208を、毎分約50〜100回転の間で、例えば、毎分約7〜35回転の間で回転させる。一実施形態では、プロセスは、約9000Å/minの材料層除去速度を有する。別の一実施形態では、プロセスは、毎分約6マイクロメートルよりも小さな、例えば、毎分約2マイクロメートルから毎分約4マイクロメートルまでの範囲内の材料層除去速度を有する。
研磨用スラリを研磨用パッド208に供給する。適した研磨用スラリは、酸、pHバッファ、酸化剤、溶食作用防止剤、および研磨用研磨剤を含むがこれらに限定されない処理用成分の任意の組み合わせを含む。バルク化学機械プロセスに適した研磨用調合物および方法の例が、本明細書中にならびに2007年8月15日に出願したIMPROVED SELECTIVE CHEMISTRY FOR FIXED ABRASIVE CMPという名称の米国特許出願第11/839,048号であって米国特許出願公開第2008/0182413号として現在公開されている米国特許出願公開、およびMETHOD AND COMPOSITION FOR POLISHING A SUBSTRATEという名称の米国特許出願第11/356,352号であって米国特許出願公開第2006/0169597号として現在公開されている米国特許出願公開中に記載されている。ある種の実施形態では、研磨用スラリの追加の後で、基板122が研磨用パッド208と接触する。ある種の実施形態では、研磨用スラリの追加の前に、基板122が研磨用パッド208と接触する。
ステップ508においては、基板上に配置された材料層の厚さを、終点検出を使用して測定する。一実施形態では、バルク部分除去プロセスの終点は、材料層を突き破る前に現れる。ステップ510においては、CPUは、基板上に配置された材料層の測定した厚さを事前設定した値と比較する。層の厚さが事前設定した値よりも厚い場合には、方法500は、ステップ506に戻り、基板を研磨し続ける。しかしながら、基板上に配置された材料層の測定した厚さが事前設定した値に等しいまたはほぼ等しい場合には、方法500はステップ512に続く。
ステップ512においては、基板上に配置された材料層の除去速度を低下させるために、1つまたは複数の処理用成分の流量を調節する。一実施形態では、研磨用研磨剤を含む処理用成分の流れを減少させることによって、除去速度を低下させる。別の一実施形態では、溶食作用防止剤を含む処理用成分の流量を増加させることによって、除去速度を低下させる。別の一実施形態では、研磨用研磨剤を含む処理用成分の流量を維持し、研磨用スラリ中の研磨用研磨剤の濃度が減少するようにもう1つの処理用成分の流量を増加させることによって、除去速度を低下させる。
図5の実施形態では、処理用成分の流量の調節は、バルク層除去と残留材料除去との間の変わり目で行われる。別の一実施形態では、ステップ504の期間のバルク材料の研磨プロセス中に、またはステップ514の期間の残留材料の研磨プロセス中に、処理用成分の流量を1回または複数回調節することができる。
ステップ514においては、化学機械研磨プロセスを、残留材料について実行する。残留材料除去プロセスは、第2のプラテン上で基板を研磨するステップおよびその研磨プロセスの終点を決定するステップを含む。ステップ516においては、すべての残留導電性材料を除去するために、基板を第2のプラテン上で研磨する。あるいは、ステップ504およびステップ514を、1つのプラテン上で行うことができる。一実施形態では、基板を、約1500〜2500Å/minの間の、例えば、約2400Å/minの除去速度で研磨することができる。ステップ516を、単一ステップまたはマルチステップ化学機械クリアランスプロセスとすることができる。クリアランスステップ516を、第2のCMPステーション130または他のCMPステーション128、132のうちの1つの上で実行することができる。
クリアランス処理ステップ516は、第2のCMPステーション130中に配置された研磨用パッドの上方にキャリアヘッドアセンブリ152中に保持された基板122を動かすことによって始まる。キャリアヘッドアセンブリ152を、研磨用パッドに向けて下降させ、基板122を研磨用パッドの上面と接触させて置く。基板122を、約2psiよりも小さな力で研磨用パッドに対して押し付ける。別の一実施形態では、力は、約0.3psi以下である。
その次に、基板122と研磨用パッド208との間に相対的な動きを与える。研磨用スラリを、研磨用パッド208の表面に供給する。一実施形態では、キャリアヘッドアセンブリ152を、毎分約30回転から毎分約80回転までの範囲内、例えば、毎分約50回転で回転させ、一方で、研磨用パッドを、毎分約7回転から毎分約90回転までの範囲内、例えば、毎分約53回転で回転させる。ステップ516のプロセスは、一般にタングステンに対して約1500Å/minの除去速度、銅に対して約2000Å/minの除去速度を有する。
ステップ518においては、残留材料除去の終点を決定する。終点をFullScan(商標)または上に論じた他の技術のいずれかを使用して決定することができる。一実施形態では、電気化学機械研磨プロセス(Ecmp)に関して、計量器を使用することにより検知した電流の第1の不連続性を検出することによって、終点を決定する。不連続性は、下地層が導電性層(例えば、銅層)を突き破り始めるときに現れる。下地層が銅層とは異なる抵抗率を有するので、下地層の露出した面積に対する導電性層の面積が変化するにつれて、処理用セル両端の(すなわち、基板の導電性部分から電極への)抵抗が変化し、それによって、電流の変化を生じさせる。一実施形態では、基板122上に配置された層の厚さの連続的な測定を行うために、基板122上に配置された層の厚さを、RTPCと協働して監視する。一実施形態では、1つまたは複数の処理用流体の流量を、ステップ518に応じて調節する。別の一実施形態では、1つまたは複数の処理用流体の流量は、ステップ518に応じて一定のままである。
任意選択で、終点検出に応じて、残留材料層を除去するために、第2のクリアランスプロセスステップを実行することができる。基板122を、約2psiよりも小さな圧力でパッドアセンブリに対して押圧し、別の一実施形態では、基板122を、約0.3psi以下の圧力でパッドアセンブリに対して押圧する。このステップのプロセスは、一般に、銅プロセスおよびタングステンプロセスの両方に対して、約500Å/minから約2000Å/minの除去速度、例えば、約500Å/minから約1200Å/minの間の除去速度を有する。
任意選択で、ステップ520においては、材料層からすべての残っているデブリを除去するために、第3のクリアランスプロセスステップまたは「オーバーポリッシュ」を実行することができる。第3のクリアランスプロセスステップは、典型的には時間を決めたプロセスであり、低くした圧力で実行される。一実施形態では、第3のクリアランスプロセスステップ(やはり、オーバーポリッシュステップとも呼ばれる)は、約10秒から約30秒の期間を有する。
残留材料除去ステップ514に続いて、バリア研磨を実行することができる。一実施形態では、バリア研磨を、第3のCMPステーション132上で実行することができるが、代替では、他のCMPステーション128、130のうちの1つで実行することができる。
研磨用スラリを作り出すために混ぜ合わせられる処理用成分の流量を調節することの効果を例示するために、次の例を提供する。図6は、研磨用スラリの研磨除去速度を研磨用スラリ中の過酸化水素水の量と比較したプロットである。毎分4.2マイクロメートルの高い除去速度を、図6に示した処理用成分組み合わせで観測した。
図6では、質量で6%研磨用研磨剤で研磨用スラリを維持するために、コロイド状シリカの研磨用研磨剤を含む処理用成分の第1の流量を一定に保つ。スラリ中に存在する過酸化水素水の量を、ELECTRACLEAN(商標)(EC)化学薬品の3つの濃度に対して3%から9%まで変える。ELECTRACLEAN(商標)化学薬品は、約3のpHであるアンモニアクエン酸塩を含む。一般に、ECの割合または過酸化水素水の割合が増加するにつれて、基板上に配置された材料の除去速度が増加する。一般に、ECの割合による変化は、過酸化水素水の量による変化で起きるものよりも除去速度に大きな影響を有する。
図7は、研磨用スラリの研磨除去速度を研磨用スラリ中の溶食作用防止剤の量と比較したプロットである。2つの別々の研磨プロセスについて、研磨用スラリ中の溶食作用防止剤の量を、ゼロパーセントから0.40パーセントまで変えた。第1の研磨プロセスでは、研磨用パッドに加えるダウンフォース(DF)は、約1(psi)であった。第2の研磨プロセスでは、与えたダウンフォースは、約3psiであった。一般的な傾向として、研磨用パッドに加えるダウンフォースが低下するにつれて、または研磨用スラリ中に存在する溶食作用防止剤の量が増加するにつれて、基板上に配置された材料の除去速度が低下する。
図8は、銅層の研磨除去速度を研磨用パッドに加えるダウンフォースと比較したプロットである。図8の実施形態では、研磨用スラリの組成は、一定のままであった。図8の実施形態の研磨用スラリは、リットル当たり約2グラムからリットル当たり約40グラムまでの範囲内の濃度を有する酸、リットル当たり約4グラムからリットル当たり約80グラムまでの範囲内の濃度を有する酸化剤、リットル当たり約0.3グラムからリットル当たり約5グラムまでの範囲内の濃度を有する溶食作用防止剤、リットル当たり約100グラムより少ない濃度を有するpHバッファ、およびリットル当たり約0.1グラムからリットル当たり約50グラムまでの範囲内の濃度を有する研磨用研磨剤を含む。一般に、加えるダウンフォースが増加するにつれて、基板上に配置された材料の除去速度が増加する。
上記は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他の実施形態およびさらなる実施形態を、本発明の基本的な範囲から乖離せずに考案することができ、本発明の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決められる。