JP2012502158A - 石炭のテクノ−エコノミック有機精製法の開発 - Google Patents

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Abstract

高灰分石炭から低灰分クリーンコールを製造するための改良されたオルガノ−リファイニング方法であって、この方法は、石炭、溶剤および補助溶剤を混合する;このスラリーを反応器(2)にポンプにより供給する;反応器(2)は約200℃〜300℃の温度および1.5気圧〜5気圧の圧力に維持する;石炭−溶剤混合物を抽出する;抽出された石炭をフラッシャー装置(3)に供給する;フラッシング装置(3)から溶剤の約30%を回収する;若干量の石炭抽出物を含有する残留重質成分を蒸発器(4)に供給する;蒸発器(4)から溶剤の約60%を抽出する;蒸発器(4)からの残留物を沈殿器(6)に放出する;このスラリーを回転ドラムにおいて濾過する;0.1〜10%の灰分を含有する残留物として超クリーンを採取する;濾液を蒸留装置(7)に供給する;水と有機成分とを分離し、残存する溶剤の少なくとも7〜8%を回収する;
工程を含む方法である。

Description

(発明の分野)
本発明は高灰分石炭から冶金用途に使用される低灰分クリーンコール(clean coal)を生成するための改良された有機精製(organo-refining)方法に関する。
(発明の背景)
高灰分石炭から低灰分クリーンコールを製造するための現存する方法は、石炭の有機成分を種々の有機溶剤に溶解させることによる石炭の化学的品質向上工程を含んでいる。石炭は基本的に、有機成分と無機成分との不均質混合物から構成されていることから、石炭のソルボリシス方法はその構成成分、成熟度および構造特性に対応して変化する。化学的品質向上方法の主要な利点は、i)主処理流からの溶剤の回収が容易であること、ii)回収された溶剤のソルボリシス効率の高さが新鮮な溶剤のソルボリシス効率と同程度であること、iii)溶剤の95〜98%が回収されること、iv)クリーンコールの改善されたコークス化特性、およびv)工業品質の有機溶剤の利用可能性にある。しかしながら、溶剤の高価格およびエネルギー的要件から、この方法の操作費用は実質的に高価である。
石炭の有機精製または溶剤精製、あるいは溶剤抽出は周知の処理技術である。しかしながら、現存する方法の大部分における主目的は4%未満の灰分含有量を有するクリーンコールまたは超クリーンコールを生成することにある。付随して、この原料石炭[ラン オブ マイン(Run of Mine)]の平均含有量は25%である。予備的研究により、大気圧における還流条件下にもかかわらず、この研究的抽出方法により原料石炭の少なくとも50%を抽出できることが示されている。処理された石炭はほぼ4%の灰分を含有する。
上記研究的方法により製造した場合、超クリーンコールの収率および灰分含有量はまた、充分であることが見出される。この研究的方法を行うためのベンチスケール設定において、収率とは別の考慮すべき因子は当該研究的方法の経済的な観点からの利用可能性にあるところ、例えば抽出用の熱消費が実質的に多い。また、溶剤の回収は確実に多大の熱消費を要する。上記二種の熱投入を組み合わせて考えると、一見したところ当該研究的方法を利用が不可能であると考えられる。現時点で、上記二種の熱消費の優先順位を考えると、抽出用熱消費が優先される。抽出処理は単に抽出温度に依存するためである。このことは、当該方法がしばしば熱式抽出法と称される理由である。すなわち、溶剤回収にかかわる熱的要件が、総熱消費量を最小限に抑えるための唯一の可変要素である。したがって、溶剤回収を効果的に、または最適に設計することによって、上記研究的方法を利用可能な方法に変えることができる。
(発明の目的)
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を解消する高灰分石炭から低灰分クリーンコールを生成する改良された方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、高灰分石炭から低灰分クリーンコールを生成する改良された経済的である方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、所望のレベルの灰分含有量を有する石炭を生成することができるように、可変性である高灰分石炭から低灰分クリーンコールを生成する改良された方法を提供することにある。
本発明のさらにもう一つの目的は、火災の危険性がより少ない、高灰分石炭から低灰分クリーンコールを生成する改良された方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、エネルギー消費量がより少ない、高灰分石炭から低灰分クリーンコールを生成する改良された方法を提供することにある。
(発明の要旨)
このように、本発明は高灰分石炭から低灰分クリーンコールを生成する改良された方法を提供する。この方法は石炭、溶剤および補助溶剤を充分に混合し、石炭スラリーを生成することを含んでいる。この石炭スラリーを予め定められた比率の石炭−溶剤混合物で抽出する。当該方法の実施用にデザインされた抽出装置では、高温における抽出を促進させるのに充分な高温を維持する。高圧を維持し、液体の沸点も上昇させる。温度範囲および圧力範囲の変化は、ほぼ(200℃〜300℃)および(1.5気圧〜5気圧)である。熱のインパクトにより石炭の構造が弛緩し、抽出処理の作用が増強される。ここで、石炭スラリーの重質鉱物成分沈静させるのに充分な時間にわたり反応器内の圧力および温度を一定に保持する。鉱物成分の沈静後、一定の圧力および温度を維持しながら、石炭抽出物約80%を頂上部から取り出す。この石炭抽出物を次いで、大気圧下にフラッシャー装置中に放出する。圧力降下によって、溶剤の少なくとも30%がフラッシング除去され、フラッシャー容器の底部に液体の70%が残される。この液体を次いで、蒸発器に移す。蒸発器において、溶媒の追加の回収が行われる。次いで、重質成分の濃縮物を沈殿タンクに放出する。この蒸発器とフラッシュ装置との組合せによって、溶剤のほぼ90%を回収することができる。依然として存在する残りの7〜8%の溶剤は蒸留装置から回収することができる。したがって、この改良された方法により、最小限のエネルギー消費で望まれる収率を提供する。
(添付図面の簡単な説明)
図Aは本発明の方法のフローチャートを示す。
(発明の好適態様の詳細な説明)
図1に示されているように、石炭、N−メチルピロリドンのような溶剤およびエチルジアミンのような補助溶剤を、当該改良方法の実施用にデザインされたシステムの供給材料調製帯域(1)で充分に混合する。次いで、この石炭スラリーを反応器(2)にポンプ供給する。反応器(2)において、熱い加熱流体の循環によって200℃〜300℃付近の温度を維持する。反応器(2)内部に約3〜4気圧の圧力を誘発させることによって高圧を維持する。この高圧により溶剤の沸点を上昇させる。石炭スラリーの反応器(2)内滞留期間は、当該方法の技術的/経済的(techno-economic)パラメーターおよび特定の要件に応じて1時間〜1.5時間の間で変えることができる。抽出された石炭−溶剤混合物を次いで、反応器(2)内で沈静させる。沈静器(2)において、石炭−溶剤混合物を特定の時間にわたり滞留させた後、鉱物成分の全部を沈静させる。石炭抽出物を沈静器(2)の頂上部から採取し、次いでフラッシャー装置(flasher unit)(3)に送る。このフラッシャー装置(3)において、圧力の急激な低下により、溶剤の約30%が留去されるところ、これは当該溶剤の温度が溶剤の大気圧沸点(atmospheric boiling point)よりも高いからである。すなわち、溶剤のほぼ30%が、外部からのいかなる熱導入も要することなく回収される。
実際に、反応器(2)にはフラッシング用に高い圧力および温度を採用する。次いで、若干の石炭抽出物を伴う重質成分を蒸発器(4)に導入する。フラッシャー装置(3)の底部には、若干の量の石炭抽出物が含有され、これは蒸発器(4)に再導入される。残留物(5)を取り出し、後の使用時まで保存する。濾液は少量ではあるがある量の石炭抽出物を含有するところ、これは蒸発器(4)に導入される。蒸発器(4)においては、「石炭抽出物」(coal extract)を濃縮させるために溶剤の大部分を沸騰させる。蒸発を利用することによって、さらに約60%の溶剤の回収が可能である。このように、フラッシャー(3)と蒸発装置(4)との組合せによって溶剤のほぼ90%の回収が可能になる。沈殿タンク(6)においては、抗溶剤として水を作用させ、石炭を沈殿させる。このスラリーは別の回転ドラム式濾過機により濾過されるようにし、超クリアーコールを残留物として採取する。濾液は水および有機混合物を含有しているところ、これは蒸留装置(7)に導入され、ここで水と有機成分は分離される。蒸留装置(7)においては、溶剤の残りの7〜8%が回収される。提案された本方法は、フラッシュ装置(3)、蒸発装置(4)および蒸留装置(7)の組合せによって、最小限のエネルギー消費によって溶剤の98%を回収することの役に立つ。本方法によって、同時に、望ましい灰分レベル(0.1〜10%)のクリーンコールの生成が、満足される収率(9)でなされる。

Claims (4)

  1. とくに高灰分石炭から冶金用途に適する低灰分クリーンコールを製造するための改良されたオルガノ−リファイニング方法であって、以下の工程を含むもの:
    −石炭、溶剤および補助溶剤を、当該方法の改良用にデザインされたシステムで充分に混合し、この混合は当該システムの供給材料調製帯域(1)で行い、石炭スラリーを生成し;
    −このスラリーを反応器(2)にポンプ供給により供給し;
    −反応器(2)は約200℃〜300℃の温度および1.5気圧〜5気圧の圧力に維持していて;
    −石炭−溶剤混合物を反応器内に予め定められた処理パラメーターに応じて約1時間〜1.5時間にわたり滞留させ;
    −石炭−溶剤混合物の抽出を、反応器内で沈静化した後に行い;
    −抽出された石炭をフラッシャー装置(3)に供給し;
    −フラッシング装置(3)から溶剤の約30%を回収し;
    −フラッシング装置(3)の底部に残されている若干量の石炭抽出物を含む若干量の石炭抽出物を含有する残留重質成分を蒸発器(4)に供給し;
    −蒸発器(4)から溶剤の約60%を抽出し;
    −蒸発器(4)からの残留物を、抗溶剤として作用する水を含有する沈殿器(6)に放出して石炭スラリーを生成し;
    −このスラリーを回転ドラムにおいて濾過し;
    −0.1〜10%の灰分を残留物として含有する超クリーンコールを採取し;
    −水および有機成分混合物を含有する濾液を蒸留装置(7)に供給し;
    −蒸留装置(7)において、水と有機成分とを分離し、残存する溶剤の少なくとも7〜8%を回収する。
  2. 石炭スラリー混合物が1:17:1の割合で石炭:溶剤:補助溶剤を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 有機化学物質N−メチルピロリドンおよびエチルジアミンを溶剤および補助溶剤として抽出に用いる、請求項1に記載の方法。
  4. とくに高灰分石炭から冶金用途に適する低灰分クリーンコールを製造するための改良されたオルガノ−リファイニング方法であって、添付図面によって本特許請求の範囲に実質的に記載されている方法。
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