JP2012253078A - 多接合型光電変換装置の製造方法 - Google Patents

多接合型光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凹部から光電変換層への筋状の欠陥の発生を抑制しつつ、電池性能の高い多接合型光電変換装置を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】透光性基板1上に、透明電極層2、発電セル層91、中間コンタクト層5、別の発電セル層92、及び裏面電極層4が順に形成された多接合型光電変換装置100の製造方法であって、発電セル層91の上面が凹凸形状を備え、中間コンタクト層5を、発電セル層91の上面の凹部に選択的に中間コンタクト層5を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多接合型光電変換装置の製造方法に関し、特に光電変換層を製膜で作製する多接合型太陽電池の製造方法に関する。
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池として、透光性基板上に、透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備えた光電変換装置が知られている。透明電極層は、光反射率を高めるために凹凸形状の上面を有する。光電変換層は、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成したpin接合を有する。
薄膜シリコン系太陽電池では、吸収波長帯域の異なる光電変換層を複数積層した多接合型光電変換装置とすることで、変換効率の向上が図られている。多接合型光電変換装置としては、非晶質シリコンからなるi層(非晶質シリコンi層)を含む光電変換層(トップセル)と、結晶質シリコンからなるi層(結晶質シリコンi層)を含む光電変換層(ボトムセル)と、が積層されたタンデム型太陽電池などがある。
タンデム型光電変換装置では、例えば、太陽光入射側のトップセルで短波長の光を吸収させ、吸収されなかった長波長の光をボトムセルに吸収させる。タンデム型光電変換装置として、トップセルとボトムセルとの接触性を改善するとともに電流整合性を取るために、トップセルとボトムセルとの間に中間コンタクト層を設けたものがある(特許文献1〜4)。一般に、中間コンタクト層は、熱CVD法やスパッタ法により形成される。
特開2006−313872号公報 特開2004−071716号公報 特開2008−181965号公報 特開2009−060149号公報 特開2001−144107号公報 特開2001−168418号公報
中間コンタクト層は、光学的な半反射膜として、トップセルを通過した短波長光の一部をトップセル側に反射することで、トップセルでの発電量を増やし、直列接続であるボトムセルとトップセルとの電流バランスを図る役割を果たす。トップセルとボトムセルとは電気的に直列に接続されるため、中間コンタクト層は必要な電流を通過可能な導電性を有する必要がある。また、ボトムセルにも光を通さねばならないため、中間コンタクト層は特にボトムセルでの吸収波長光にたいして光学的に透過率が高いことが望ましい。
また、急峻な凹凸を有する透明電極層上に、トップセル、中間コンタクト層、ボトムセルを製膜した場合、凹部からトップセルをはじめとする光電変換層に筋状の欠陥が発生することがある。この欠陥は電池性能を低下させる要因となる。
薄膜シリコン系太陽電池では、集積構造の太陽電池モジュールが広く用いられている。集積構造の太陽電池モジュールでは、隣接するセル間で中間コンタクト層を介して、基板面に平行な方向(横方向)へのクロスリーク電流が生じる場合がある。これを防止するため、スクライビングにより中間コンタクト層に分離溝を形成する工程が必要となる(特許文献1参照)。
特許文献2乃至特許文献4に、分離溝を形成させることなく中間コンタクト層を形成する方法が記載されている。特許文献2乃至特許文献4では、一様な膜を製膜した後に、エッチングやリソグラフィなどによって一部を選択除去して、開口部を有する中間コンタクト層を形成する。
特許文献5には、凹部を有するSiN膜上に形成したAu膜を、凹部のみを残してイオンミリング法により除去する方法が記載されている。特許文献6には、凹部を有する層間絶縁膜上に形成した多層膜を、凹部のみを残してケミカルサスペンジョンにより機械的に除去する方法が記載されている。しかしながら、特許文献5及び特許文献6に記載の方法は、製造方法が複雑で、光電変換層上に形成された中間コンタクト層に適用することは難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、凹部から光電変換層への筋状の欠陥の発生を抑制しつつ、電池性能の高い多接合型光電変換装置を製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、透光性基板上に、透明電極層、発電セル層、中間コンタクト層、別の発電セル層、及び裏面電極層が順に形成された多接合型光電変換装置の製造方法であって、前記発電セル層の上面が凹凸形状を備え、前記中間コンタクト層を、前記発電セル層の上面の凹部に選択的に中間コンタクト層を形成する多接合型光電変換装置の製造方法を提供する。
上記発明によれば、凹部を優先的に埋めることにより、別の発電セル層の結晶成長を促進させることができるとともに、凹部からその上面に形成する光電変換層へと成長する筋状の欠陥部分の形成を抑制できる。また、上記発明によれば、凹部を選択的に埋めることにより、凹部の上面に形成した別の発電セル層の結晶の成長方向が基板面に対してより略垂直となる方向に揃い、結晶成長中の結晶粒どうしの結晶成長方向への干渉が少なくなり、結晶配向性が高くなる。別の発電セル層を形成した後の、別の発電セル層の表面は、結晶成長面に起因した凹凸が形成されるため、結晶配向性を高くすることで、光閉じ込め効果が高くなる。また、従来、裏面電極層の凹凸形状は透明電極層の凹凸形状に依存していたが、上記発明では、凹部を選択的に埋めることにより、裏面電極層の凹凸形状を最適化することが可能となる。
上記発明の一態様において、前記発電セル層の前記凹部に、前記中間コンタクト層を島状構造で形成しても良い。
上記発明の一態様によれば、中間コンタクト層は凹部に選択的に形成されるため、凸部上に中間コンタクト層は実質的に形成されていない島状構造となる。中間コンタクト層を島状構造で形成することで、中間コンタクト層を挟むように配置された発電セル層と別の発電セル層とが直接接触する部分が生じる。これによって、中間コンタクト層を導電性の材料に限定することなく、光学的な透光性に有利な高抵抗の材料を使用することが可能となる。また、上記発明の一態様によれば、中間コンタクト層は島状構造であるため、隣り合う島の中間コンタクト層同士は電気的に不連続もしくは高抵抗に存在する。すなわち、中間コンタクト層は、基板の面内方向に対して導電性を有さないため、太陽電池モジュールの集積化にあたって中間コンタクト層のクロスリーク電流が抑制されるので、中間コンタクト層を新たにレーザスクライビングなどによって分割する工程が不要となる。
上記発明の一態様において、前記中間コンタクト層を形成時にドーパントを添加しても良い。
中間コンタクト層を導電性とすることで、発電セル層と別の発電セル層とが基板の面方向全面で電気的に接続される。これにより、発電セル層と別の発電セル層との直列抵抗を低下させることができるため、電池性能を向上させることが可能となる。中間コンタクト層は島状構造であるため、導電性にしたとしても中間コンタクト層を介した面内方向の電流漏れは発生しない。
上記発明の一態様において、前記発電セル層の上面を覆い、前記発電セル層の凸部最上部で前記凹部の最下部よりも膜厚が薄くなるよう前記中間コンタクト層を形成しても良い。
発電セル層の凹部上で厚く、凸部上で薄い不均質な膜厚の中間コンタクト層とすることで、凹部における別の発電セル層の筋状欠陥の発生を抑制でき、且つ、結晶配向性を向上させることができる。それによって、別の発電セル層の表面の凹凸形状を大きくすることができるため、光閉じ込め効果を増大させ、電池性能を向上させることが可能となる。
上記発明の一態様において、前記発電セル層の上面に、前記凹凸形状に沿って層状の第1中間コンタクト層を形成した後、前記発電セル層の凹部に相当する前記第1中間コンタクト層上に、前記第1中間コンタクト層とは別の材料からなる第2中間コンタクト層を島状構造で形成しても良い。
中間コンタクト層を第1中間コンタクト層と第2中間コンタクト層からなる2層構成とすることで、異なる材料を使用できるため、中間コンタクト層の屈折率の調整がしやすくなる。これによって、光閉じ込め効果を増大させ、電池性能を向上させることが可能となる。
また、本発明は、透光性基板上に、透明電極層と、上面が凹凸形状を備えた発電セル層と、前記発電セル層の上面の凹部に選択的に形成された島状構造の中間コンタクト層と、別の発電セル層と、裏面電極層と、が順に積層された多接合型光電変換装置を提供する。
本発明によれば、凹部から光電変換層への筋状の欠陥の発生を抑制しつつ、電池性能の高い多接合型光電変換装置を製造することができる。
第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の製造方法により製造される多接合型光電変換装置の構成を表す概略図である。 第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。 中間コンタクト層が形成された後の基板の上面イメージ図である。 膜付着率の算出方法を説明する図である。 第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。 第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。 第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。 第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。 中間コンタクト層の製膜時間と、短絡電流及び曲線因子との関係を示す図である。 実施例1及び比較例1の中間コンタクト層の製膜時間とモジュール効率との関係を示す図である。 第2実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。 実施例2の太陽電池モジュールについて、量子効率を測定した結果を示す図である。 第3実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。多接合型光電変換装置100は、タンデム型シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3としての第1発電セル層91(非晶質シリコン系)及び第2発電セル層92(結晶質シリコン系)、中間コンタクト層5、及び裏面電極層4を備える。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の製造方法を、太陽電池パネルを製造する工程を例に挙げて説明する。図2及び図5から図8は、本実施形態の太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。
(1)図2(a)
基板1として、面積が1mを越える大型のソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.0mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
(2)図2(b)
透明電極層2として、酸化錫(SnO)を主成分とする膜厚約500nm以上800nm以下の透明導電膜を、熱CVD装置にて約500℃で製膜する。この際、透明電極膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
(3)図2(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セル7の直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
(4)図2(d)
第1発電セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層を、プラズマCVD装置により製膜する。SiHガス及びHガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層2上に太陽光の入射する側から非晶質シリコンp層、非晶質シリコンi層、非晶質シリコンn層の順で製膜する。非晶質シリコンp層は非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。非晶質シリコンi層は、膜厚200nm以上350nm以下である。非晶質シリコンn層は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。非晶質シリコンp層と非晶質シリコンi層の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
次に、第1発電セル層91の上に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層5を製膜する。本実施形態では、中間コンタクト層5の製膜にはプラズマCVD装置を用い、プラズマから第1発電セル層91の膜面に入射するイオンエネルギーを制御して、第1発電セル層91の凹部を選択的に埋める。その際、第1発電セル層91の凸部上での中間コンタクト層5の成長を抑制しつつ、中間コンタクト層5が島状構造となるようイオンエネルギーを制御する。島状構造とは、好ましくは中間コンタクト層5が第1発電セル層91の凹部のみに形成され、基板に平行な面内方向に電気的に不連続な部分がある構造とされる。図3に、中間コンタクト層5が形成された後の基板の上面イメージ図を例示する。中間コンタクト層5は、基板面積に対して20%から80%程度の割合(膜付着率)で、離散的に第1発電セル層91の凹部に形成されると良い。中間コンタクト層5は、基板面積に対して20%より少ないと、トップセルへの反射光量が少なくなり中間コンタクト層5を設ける効果が殆ど得ることができない。また凹部形状の深さ(凹凸高さ)は±10%〜±20%程度の分布を保有するために、基板面積に対して80%より大きいと、隣接する島部分の中間コンタクト層5同士が直接接触するなど電気的導電性が高くなる領域が増加し、太陽電池モジュールの集積化にあたっての中間コンタクト層5によるクロスリーク電流を抑制できなくなるためである。図4に、膜付着率の算出方法を説明する図を示す。図4に示すように、中間コンタクト層の膜付着率は、B/(A+B)で算出される。Aは、基板を上面視した場合の中間コンタクト層5が製膜されていない部分の面積、Bは基板を上面視した場合の中間コンタクト層5が製膜された部分の面積である。
プラズマCVD法では、ガス状の原料元素をプラズマにより分解・イオン化し、基材上に被膜を形成させる。また、プラズマCVD法では、原料ガスとともに希釈ガスを同時に使用する。上記発明によれば、プラズマCVD法で中間コンタクト層を形成することで、基板温度を低下させた製膜処理となり、下地層の熱劣化を抑制することができる。また、上記発明によれば、イオンエネルギーを制御することで、選択的に凹部に中間コンタクト層を形成することができる。詳細には、凸部にイオンガスを強くあてることで、発電セル層の凸部上に一旦付着した原料を希釈ガスで吹き飛ばすようイオンエネルギーを制御する。これによって、凸部における中間コンタクト層の成長が抑制され、イオン衝撃が小さい凹部で選択的に中間コンタクト層を成長させることができる。
イオンエネルギーは、例えば、プラズマ放電電極と対向電極(本実施形態では基板テーブル)に各々の高周波電力を印加する2周波のプラズマCVD装置を使用することで、制御可能となる。プラズマ放電電極は、原料ガスを分解させるため13MHz以上100MHz以下高周波電力を印加する。また、対向電極には、100kHz以上500kHzの交流バイアスを印加する。基板温度は、室温以上250℃以下、好ましくは100℃以上250℃以下、更に好ましくは140℃以上160℃以下とされる。基板温度を上記範囲内とすることで、下地となる第1発電セル層91の熱劣化を抑制しつつ、プラズマCVD装置で中間コンタクト層5を製膜することができる。
中間コンタクト層5が第1発電セル層91の凹部のみに形成され、中間コンタクト層5の膜付着率が20%から80%程度となるよう、プラズマ放電電極と対向電極(本実施形態では基板テーブル)に印加する高周波電力を調整する。
中間コンタクト層5は、酸化物(酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化すずなど)、窒化物(窒化ケイ素)及び炭素系薄膜などを材料とした結晶質のあるいは非晶質の薄膜とされる。中間コンタクト層5は、波長500nm以上1000nm以下の光透過率が80%以上であり、かつ、屈折率が1.2以上2.0以下とされる。例えば、中間コンタクト層5が酸化ケイ素(SiO)とされる場合、原料ガスはテトラエトキシシラン(TEOS)などの有機系ガスを用いることができる。原料ガスは、製膜時にArなどの希釈用ガスによって適宜希釈される。
中間コンタクト層5を島状構造とする場合、中間コンタクト層5は、導電性または低導電性のいずれであっても良い。また、中間コンタクト層5はPHなどのドーパントを適宜添加して、導電率を向上するよう調整されても良い。
次に、中間コンタクト層5の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2発電セル層92としての結晶質シリコンp層、結晶質シリコンi層、及び、結晶質シリコンn層を順次製膜する。結晶質シリコンp層はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。なお、結晶質シリコンn層は、非晶質シリコンn層に置換しても良い。
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
(5)図2(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層3で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層3をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
(6)図5(a)
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層4を、25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。また、タンデム型太陽電池など600nm以上の長波長側反射光が必要なものにおいては、約100nm〜450nmの膜厚を有するCu膜と、約5nm〜150nmの膜厚を有するTi膜との積層構造としても良い。
n層と裏面電極層4との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層3と裏面電極層4との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のGaまたはAlがドープされたZnO膜などの裏面透明電極層93を製膜して設けても良い。
(7)図5(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上50kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
(8)図5(c)と図6(a)
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部をレーザーエッチングし、直列接続部分で短絡することを防止する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明電極層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2が除去される。パルス発振:1kHz以上50kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5mmから20mmの位置を、図5(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図5(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14に相当する領域がある状態(図6(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
絶縁溝15は基板1の端より5mmから15mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部からの水分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
(9)図6(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図5(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去する。
(10)図7(a)(b)
直列に並んだ一方端の発電セル7の裏面電極層4と、他方端部の発電セル7に接続した集電用セルの裏面電極層4とを銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。集電用銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
接着充填材シートの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/Al箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24の端子箱23の取付け部分には、開口貫通窓を設けて集電用銅箔を取出す。この開口貫通窓部分では、バックシート24と裏面電極層4の間に絶縁材を複数層で設置して外部からの水分などの侵入を抑制する。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータ装置により減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、接着充填材シート(EVA)を架橋させて密着させ、密封処理をする。
なお、接着充填材シートはEVAに限定されるものではなく、PVB(ポリビニルブチラール)など類似の機能を保有する接着充填材を利用することが可能である。この場合は、圧着する手順、温度や時間など条件を適正化して処理を行う。
(11)図7(a)
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図7(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。
(13)図7(c)
図7(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m)のソーラシミュレータを用いて行う。なお、発電検査は、太陽電池パネル50が完全に完成した後に行ってもよいし、アルミフレーム枠の取り付け前に行ってもよい。
(14)図7(d)
発電検査(図7(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
(15)図8
太陽電池モジュール6に強度を付加するとともに取付け座となるアルミフレーム枠を、太陽電池モジュール6の周囲に取り付ける。太陽電池モジュール6とアルミフレーム枠103L,103Sとの間には図示しないゴム製のガスケット等を介して、弾力性を保持しながら確実に保持することが好ましい。
これで、太陽電池パネル50が完成する。
(実施例1)
1.4m×1.1mのガラス基板上に、図1に示す積層構造を有する太陽電池モジュールを作製した。各層の膜厚は以下の通りとした。
透明電極層2:700nm
第1の発電セル層91:p層10nm、i層250nm、n層40nm
中間コンタクト層(SiO膜)5:膜付着率約60%(xはアモルファス状態を示す)
第2の発電セル層92:p層20m、i層2μm、n層25nm
裏面電極層(Ag膜)4:300nm
第1の発電セル堆積後の凹部のピッチ:約0.5μm、深さ:0.2〜0.3μm
中間コンタクト層5の製膜条件は、基板温度:100℃、製膜圧力:20Pa、プラズマ放電電極への高周波電力:13MHz,1000W、基板テーブルへの高周波電力:500kHz,500Wとした。原料ガスは、TEOSを90℃で、Oガスによりバブリングして気化させ、製膜チャンバー内に導入し、TEOS流量0.1SLMとした。希釈用ガスはArガス及びHガスを、Ar/(Ar+H)=0.3(Arガス=0.3SLM、Hガス=0.7SLM)で製膜チャンバー内に導入した。
中間コンタクト層5の製膜時の基板温度は100℃と低いために、下地層となる第1発電セル層91の熱劣化を抑制することができる。
(比較例1)
中間コンタクト層5(GaドープZnO膜、基準膜厚:80nm)を、スパッタ法で第1発電セル層上全面に一様に製膜し、太陽電池モジュールを作製した。他の構成は実施例1と同様とした。
実施例1及び比較例1の太陽電池モジュールについて、短絡電流及び開放電圧を測定し、曲線因子、モジュール効率を算出した。図9に、中間コンタクト層の製膜時間と、短絡電流及び曲線因子との関係を示す。同図において、横軸が中間コンタクト層の製膜時間(相対値)、縦軸(左)が単位面積当たりの短絡電流、縦軸(右)が曲線因子である。
図9によれば、比較例1では中間コンタクト層5の製膜時間と共に短絡電流(Jsc)は上昇する。しかしながら、曲線因子(F.F.)は、中間コンタクト層5の製膜時間と共に低下した。これは、太陽電池モジュール6の集積化において、中間コンタクト層5が形成されるにつれて、中間コンタクト層5を介して集積化方向である横(面内)方向のクロスリークとなる電流漏れが生じることに起因してシャント抵抗が低下し、曲線因子が低下し、電池性能が下がったと考えられる。一方、実施例1では、短絡電流は、比較例1と同様に中間コンタクト層5の製膜時間と共に上昇したが、曲線因子は、中間コンタクト層5の製膜時間が長くなっても、ほとんど低下しなかった。上記結果から、中間コンタクト層5を島状構造とすることで、隣り合う島の中間コンタクト層5どうしは電気的に不連続もしくは極めて高抵抗に存在し、中間コンタクト層5は、基板の面内方向に対して実質的な導電性を有さないため、レーザスクライビングなどにより中間コンタクト層5に分割溝を形成しなくても横方向の電流漏れを防止できることがわかった。
実施例1及び比較例1の短絡電流は、一旦上昇した後、共に低下する傾向を示した。これは、中間コンタクト層5の膜厚が厚くなりすぎて、第2発電セル層92への光透過率が低下するためである。実施例1では、比較例1よりも短絡電流が高く、製膜後半における短絡電流の低下も抑制された。これは、実施例1において中間コンタクト層5が形成されていない部分で、第1発電セル層91と第2発電セル層92とが直接接続されるため、第1発電セル層91の発電電流により電池出力電流が律速された状態となっているためである。また、第1発電セル層91の凹部を選択的に埋めることにより、第2発電セル層92を製膜する際に、凹部から第2発電セル層92へ成長する筋状の欠陥部分の形成を抑制できる。さらに凹部の上面に形成した光電変換層の発電セル層の結晶の成長方向が基板面に対して略垂直方向に揃い結晶成長中の結晶粒どうしの結晶成長方向への干渉が少なくなり、結晶配向性が高くなる。第2発電セル層92の形成後の表面は、結晶成長に起因した凹凸が形成されるため、裏面電極層4での光散乱が発生して光閉じ込め効果が高くなる。
図10に、実施例1及び比較例1の中間コンタクト層の製膜時間とモジュール効率との関係を示す。同図において、横軸が中間コンタクト層の製膜時間、縦軸がモジュール効率である。比較例1では、短絡電流が増加したものの曲線因子が低下したため、モジュール効率も低下した。一方、実施例1では、曲線因子の低下が抑制されたため、モジュール効率は向上した。
<第2実施形態>
本実施形態は、中間コンタクト層を島状構造としなかった以外は第1実施形態と同様に多接合型光電変換装置を製造した。図11は、第2実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。
本実施形態における中間コンタクト層25は、第1発電セル層91の、上面を覆うよう形成される。中間コンタクト層25は、第1発電セル層91の凹部に選択的に形成されるとともに、第1発電セル層91の凸部上にも形成される。中間コンタクト層25は、凹部に相当する部分が厚く、凸部にあたる部分が薄い不均質な膜厚とされる。このような凸部と凹部の不均質な膜は、中間コンタクト層形成中の膜形成表面に衝突するイオンエネルギーを制御し、凹部及び凸部における膜厚比を調整することで製膜することができる。中間コンタクト層25の膜厚は適宜設定されるが、凹部最下部及び凸部最上部における膜厚比は10:1〜100:1が好ましい。
凸部の膜厚が凹部の膜厚の1/10より厚いと、中間コンタクト層25の基板の面内方向に対する導電性が増加するとともに、第1発電セル層91と第2発電セル層92の凸部での導通抵抗が増加し、中間コンタクト層25を島状に設ける効果が得られないためである。また、凸部の膜厚が凹部の膜厚の1/100より薄いと、実質的に第1実施形態と同様になる。
また、太陽電池モジュール6の集積化において、第2実施形態においても隣り合う島の中間コンタクト層25は、凸部分が薄い膜厚のために面方向に高抵抗となっているために、隣り合う島の中間コンタクト層25どうしは電気的に高抵抗に存在する。このため、中間コンタクト層25は、基板の面内方向に対して実質的に導電性が少ない状態になるため、レーザスクライビングなどにより中間コンタクト層25に分割溝を形成しなくても横方向の電流漏れを抑制することができる。
さらに、太陽電池モジュール6の性能を向上するためには、中間コンタクト層25の横方向の電流漏れを防止するために、レーザスクライビングなどによって分割溝を形成してもよい。この場合、基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、中間コンタクト層25の膜面側から照射する。レーザー光が中間コンタクト層25と光電変換層1で吸収され、中間コンタクト層25が溶融凝縮して分離される。パルス発振:1〜50kHzとして加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層2のレーザーエッチングラインから適宜離れた横側に、中間コンタクト層25の分離溝を形成するようにレーザーエッチングする。
中間コンタクト層25の横方向の電流漏れを防止するためのレーザーエッチングの実施要否は、中間コンタクト層25の導電率特性と凸部分の膜厚により、太陽電池モジュル6の特性を確認しながら決定することが好ましい。
(実施例2)
1.4m×1.1mのガラス基板上に、図11に示す積層構造を有する太陽電池モジュールを作製した。各層の膜厚は以下の通りとした。
透明電極層2:750nm
第1の発電セル層91:p層10nm、i層200nm、n層35nm
中間コンタクト層(SiO膜)25:製膜時間0秒、60秒、120秒
第2の発電セル層92:p層20nm、i層2μm、n層25nm
裏面電極層(Ag膜)4:300nm
中間コンタクト層25の製膜条件は、基板温度:100℃、製膜圧力:20Pa、プラズマ放電電極への高周波電力:13MHz,1000W、基板テーブルへの高周波電力:0.5kHz,500Wとした。原料ガスは、TEOSを100℃で、Oガスによりバブリングして気化させ、製膜チャンバー内に導入し、TEOS流量0.2SLMとした。希釈用ガスはArガス及びHガスを、Ar/(Ar+H)=0.3(Arガス=0.3SLM、Hガス=0.7SLM)で製膜チャンバー内に導入した。
実施例2の太陽電池モジュールについて、量子効率を測定した。図12に、結果を示す。同図において、横軸が波長、縦軸が量子効率である。また、同図において、波長300nm〜700nmの間にある山が第1発電セル層91での量子効率、波長500nm〜1100nmの間にある山が第2発電セル層92での量子効率である。
図12によれば、第1発電セル層91では、中間コンタクト層25の製膜時間が長くなるにつれて、長波長側の量子効率が増加した。第2発電セル層92では、中間コンタクト層25の製膜時間が長くなるにつれて、山が長波長側にシフトした。中間コンタクト層25の製膜時間が長くなると、中間コンタクト層25の膜厚が厚くなる。従来の太陽電池モジュールでは、中間コンタクト層の膜厚が厚くなると、中間コンタクト層での光反射率が高くなり第1発電セルの量子効率が増加する。しかしながら、中間コンタクト層の膜厚が厚くなると光透過率が低下するため、第2発電セル層(特に、短波長側で)の量子変換効率が低下する。一方、実施例2では、第2発電セル層の短波長側での量子効率は低下したが、長波長側の量子効率が増加した。これは、中間コンタクト層25を第1発電セル層91の凹部を埋めたことによって、凹部に発生する第2発電セル層92への欠陥を抑制できたためと考えられる。
<第3実施形態>
本実施形態は、中間コンタクト層を2層構成とした以外は第2実施形態と同様に多接合型光電変換装置を製造した。図13は、第3実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。
本実施形態における中間コンタクト層35は、第1中間コンタクト層35aと第2中間コンタクト層35bとの2層構成とされる。第1中間コンタクト層35aは、第1発電セル層91の上に、第1発電セル層91の凹凸表面を覆うよう一様な膜厚で形成される。第1中間コンタクト層35aは、例えば、ZnO(酸化亜鉛)を主とする膜とされる。第2中間コンタクト層35bは、第1中間コンタクト層35aの上に、第1発電セル層91の凹部を埋めるよう選択的に形成される。第2中間コンタクト層35bは、第1中間コンタクト層35aとは異なる材料からなる膜とされる。例えば、第2中間コンタクト層35bは、SiOを主とする膜とされる。第1中間コンタクト層35a及び第2中間コンタクト層35bの各材料は、中間コンタクト層35が所望の屈折率となるよう選択されると良い。中間コンタクト層35と第1発電セル層91との屈折率の差を大きくすることで、中間コンタクト層35での光反射率を高めることができる。
上記実施の形態では太陽電池として、タンデム型太陽電池について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、トリプル型太陽電池などの他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
1 基板
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
5,25,35 中間コンタクト層
6 太陽電池モジュール
7 発電セル
35a 第1中間コンタクト層
35b 第2中間コンタクト層
50 太陽電池パネル
91 第1発電セル層(発電セル層)
92 第2発電セル層(別の発電セル層)
93 裏面透明電極層
100 多接合型光電変換装置
103L,103S アルミフレーム枠

Claims (6)

  1. 透光性基板上に、透明電極層、発電セル層、中間コンタクト層、別の発電セル層、及び裏面電極層が順に形成された多接合型光電変換装置の製造方法であって、
    前記発電セル層の上面が凹凸形状を備え、
    前記中間コンタクト層を、前記発電セル層の上面の凹部に選択的に中間コンタクト層を形成する多接合型光電変換装置の製造方法。
  2. 前記発電セル層の前記凹部に、前記中間コンタクト層を島状構造で形成する請求項1に記載の多接合型光電変換装置の製造方法。
  3. 前記中間コンタクト層を形成時にドーパントを添加する請求項2に記載の多接合型光電変換装置の製造方法。
  4. 前記発電セル層の上面を覆い、前記発電セル層の凸部の最上部で前記凹部最下部よりも膜厚が薄くなるよう前記中間コンタクト層を形成する請求項1に記載の多接合型光電変換装置の製造方法。
  5. 前記発電セル層の上面に、前記凹凸形状に沿って層状の第1中間コンタクト層を形成した後、前記発電セル層の凹部に相当する前記第1中間コンタクト層上に、前記第1中間コンタクト層とは別の材料からなる第2中間コンタクト層を島状構造で形成する請求項1または請求項4に記載の多接合型光電変換装置の製造方法。
  6. 透光性基板上に、
    透明電極層と、
    上面が凹凸形状を備えた発電セル層と、
    前記発電セル層の上面の凹部に選択的に形成された島状構造の中間コンタクト層と、
    別の発電セル層と、
    裏面電極層と、
    が順に積層された多接合型光電変換装置。
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