JP2012251045A - エポキシ樹脂材料及び多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化後の硬化物の熱による寸法変化を小さくすることができ、更に硬化物の耐熱性を高めることができるエポキシ樹脂材料及び該エポキシ樹脂材料を用いた多層基板を提供する。
【解決手段】本発明に係るエポキシ樹脂材料は、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂と、上記エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基を2つ以上有する硬化剤とを含む。下記式(1)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。本発明に係る多層基板11は、回路基板12と、回路基板12の回路が形成された表面12a上に配置された硬化物層13〜16とを備える。硬化物層13〜16は、上記エポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成されている。
【化1】
Figure 2012251045

【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、多層基板の絶縁層を形成するために用いられるエポキシ樹脂材料に関し、より詳細には、エポキシ樹脂と硬化剤とを含むエポキシ樹脂材料、並びに該エポキシ樹脂材料を用いた多層基板に関する。
従来、積層板及びプリント配線板等の電子部品を得るために、様々な樹脂組成物が用いられている。例えば、多層プリント配線板では、内部の層間を絶縁するための絶縁層を形成したり、表層部分に位置する絶縁層を形成したりするために、樹脂組成物が用いられている。
上記樹脂組成物の一例として、下記の特許文献1には、シアネート樹脂と、フェノール樹脂と、無機充填剤とを含む樹脂組成物が開示されている。ここでは、樹脂組成物の難燃性及び耐熱性が高く、線膨張率が低いことが記載されている。また、特許文献1には、シアネート樹脂の反応性を向上させるために、エポキシ樹脂を用いることが好ましいことが記載されている。
下記の特許文献2には、シアネートエステル樹脂と、アントラセン型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂などの熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物が開示されている。ここでは、樹脂組成物の熱膨張率が低いこと、並びにスミアの除去が容易である絶縁層を形成できることが記載されている。
特開2003−096296号公報 特開2007−291368号公報
多層プリント配線板の絶縁層には、該絶縁層に積層される他の絶縁層又は回路などと剥離が生じ難いことが強く求められる。このため、上記絶縁層では、熱により寸法が大きく変化しないことが望まれる。すなわち、上記絶縁層の線膨張率が低いことが望ましい。
また、近年、パッケージの高密度化に伴い、該パッケージに用いられている基板がそりやすくなっている。このため、基板のそりを小さくする要求が非常に高まっている。基板のそりを十分に抑制するためには、基板上に積層される上記絶縁層の線膨張率を大幅に下げる必要がある。
しかしながら、特許文献1,2に記載のような従来の樹脂組成物を用いた場合には、該樹脂組成物の硬化物の熱による寸法変化を十分に小さくすることができないことがあり、上記絶縁層の線膨張率が比較的高くなることがある。
さらに、従来の樹脂組成物では、硬化物の耐熱性が低いこともある。従って、従来の樹脂組成物により形成された絶縁層を有する多層プリント配線板の耐熱信頼性が低くなるという問題がある。
本発明の目的は、硬化後の硬化物の熱による寸法変化を小さくすることができ、更に硬化物の耐熱性を高めることができるエポキシ樹脂材料、並びに該エポキシ樹脂材料を用いた多層基板を提供することである。
本発明の限定的な目的は、シリカなどの充填剤を多く配合しても、ラミネート性(埋め込み性)を良好にできるエポキシ樹脂材料、並びに該エポキシ樹脂材料を用いた多層基板を提供することである。
本発明の広い局面によれば、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基を2つ以上有する硬化剤とを含む、エポキシ樹脂材料が提供される。
Figure 2012251045
上記式(1)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
上記式(1)で表されるエポキシ樹脂は、下記式(1A)で表されるエポキシ樹脂であることが好ましい。上記式(1)中のX及び下記式(1A)中のXはそれぞれ、スルホニル基であることが好ましい。
Figure 2012251045
上記式(1A)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
上記硬化剤は、アミノトリアジン骨格を有する硬化剤であることが好ましい。上記硬化剤は、アミノトリアジン骨格を有するクレゾールノボラック硬化剤、又はアミノトリアジン骨格を有するフェノールノボラック硬化剤であることが好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂材料のある特定の局面では、シリカがさらに含まれている。
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、フィルム状に成形されたBステージフィルムであることが好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、粗化処理又はデスミア処理される硬化物を得るために用いられるエポキシ樹脂材料であることが好ましい。
本発明に係る多層基板は、回路基板と、該回路基板の表面上に配置された硬化物層とを備え、上記硬化物層が、本発明に従って構成されたエポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成されている。
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、式(1)で表されるエポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基を2つ以上有する硬化剤とを含むので、硬化後の硬化物の熱による寸法変化を小さくすることができ、更に硬化物の耐熱性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂材料を用いた多層基板を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(エポキシ樹脂材料)
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、式(1)で表されるエポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基を2つ以上有する硬化剤とを含む。
上記組成の採用により、熱による寸法変化が小さい硬化物を得ることが可能になる。さらに、上記組成の採用により、硬化物の耐熱性も高めることができる。
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、充填剤を含むことが好ましく、無機充填剤を含むことがより好ましく、シリカを含むことが更に好ましい。特定の上記エポキシ樹脂と特定の上記硬化剤とを含むエポキシ樹脂材料において、シリカなどの充填剤を多く配合することにより、硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくすることができ、すなわち線膨張率を低くすることができる。
また、本発明に係るエポキシ樹脂材料では、上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計100重量部に対して、上記充填剤の含有量が100重量部以上であると、硬化物の熱による寸法変化がより一層小さくなり、すなわち線膨張率が低くなる。例えば、0〜50℃での硬化物の平均線膨張率を25ppm/℃以下にすることがより一層容易になる。この結果、リフロー工程などで硬化物が高温に晒されても、硬化物の寸法が大きく変化し難くなり、該硬化物に積層される他の硬化物又は回路などの剥離が生じ難くなる。本発明に係るエポキシ樹脂材料では、硬化物の寸法が大きく変化し難いため、近年の高密度化されたパッケージにおいて、該パッケージに用いられている基板の反りを十分に抑制できる。
硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくし、かつ硬化物の剥離をより一層抑制する観点からは、本発明に係る樹脂組成物の硬化物の0〜50℃での平均線膨張率は、銅と同程度の17ppm/℃以下であることが好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、ペースト状であってもよく、フィルム状であってもよい。本発明に係るエポキシ樹脂材料は、樹脂組成物であってもよく、該樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムであってもよい。本発明に係るエポキシ樹脂材料は、フィルム状に成形されたBステージフィルムであることが好ましい。
また、本発明に係るエポキシ樹脂材料は、粗化処理又はデスミア処理される硬化物を得るために用いられるエポキシ樹脂材料であることが好ましい。
以下、本発明に係るエポキシ樹脂材料に含まれている上記エポキシ樹脂及び上記硬化剤、並びに含まれることが好ましい上記充填剤などの詳細を説明する。
[エポキシ樹脂]
本発明に係るエポキシ樹脂材料に含まれているエポキシ樹脂は、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂である。下記式(1)における2つのジグリシジルアミノ基を有するアミノ基のベンゼン環に対する結合部位は特に限定されない。下記式(1)における2つのジグリシジルアミノ基を有するアミノ基がベンゼン環のどの部位に結合していても、硬化物の熱による寸法変化は十分に小さくなり、耐熱性も十分に高くなる。
Figure 2012251045
上記式(1)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。カルボニル基は、C=O基である。スルホニル基は、O=S=O基である。
上記エポキシ樹脂は、ジグリシジルジアミノ基を2つ有し、エポキシ基を4つ有する。上記エポキシ樹脂はエポキシ基を4つ有するので、硬化物の架橋密度を高めることができる。また、上記エポキシ樹脂は、極性が高いカルボニル基又はスルホニル基を有する。エポキシ樹脂が複数のエポキシ基を含む複数のジグリシジルジアミノ基とカルボニル基又はスルホニル基とを有することに由来して、硬化物の熱による寸法変化を効果的に小さくすることができる。さらに、エポキシ樹脂の上述した基に由来して、硬化物の耐熱性も高めることができる。
カルボニル基やスルホニル基の極性は高く、樹脂同士がパッキングしやすく、スタック構造をとりやすいため、水素結合等の分子間力が働きやすい。このため、カルボニル基やスルホニル基は、硬化物の熱による寸法変化を小さくすることに寄与する。さらにカルボニル基やスルホニル基を有するエポキシ樹脂は剛直な構造であるため、硬化物のガラス転移温度が高くなり、硬化物の熱による寸法変化が小さくなる。
また、一般的にはジグリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂材料の硬化物の耐熱性は低くなる傾向がある。しかし、カルボニル基やスルホニル基を有するジグリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂材料の硬化物の耐熱性は、カルボニル基やスルホニル基を有さないジグリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂材料の硬化物の耐熱性よりも高くなる。従って、カルボニル基やスルホニル基を有するジグリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂材料の使用により、良好な耐熱性と良好な寸法安定性との双方を実現できる。
上記式(1)で表されるエポキシ樹脂は、具体的には、下記式(1A)〜(1F)で表されるエポキシ樹脂の内のいずれかである。
Figure 2012251045
上記式(1A)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
Figure 2012251045
上記式(1B)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
Figure 2012251045
上記式(1C)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
Figure 2012251045
上記式(1D)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
Figure 2012251045
上記式(1E)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
Figure 2012251045
上記式(1F)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくし、かつ硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、上記エポキシ樹脂は、上記式(1A)、上記式(1B)又は上記式(1D)で表されるエポキシ樹脂であることが好ましく、上記式(1A)で表されるエポキシ樹脂であることがより好ましい。例えば、上記式(1A)、上記(1B)又は上記式(1D)で表されるエポキシ樹脂は、上記式(1C)で表されるエポキシ樹脂と比べて、立体障害が小さく、架橋しやすい。また、上記式(1A)で表されるエポキシ樹脂は、溶剤に対する溶解性が高いために製造時のハンドリング性が良く、上記式(1A)で表されるエポキシ樹脂の使用により、硬化物の熱による寸法変化がかなり小さくなり、硬化物の耐熱性がかなり高くなる。
上記式(1)及び上記式(1A)〜(1F)中のXはそれぞれ、スルホニル基であることが好ましい。Xがカルボニル基ではなくスルホニル基であることによって、硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくすることができ、更に硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
[硬化剤]
本発明に係るエポキシ樹脂材料に含まれている硬化剤は、上記エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基を2つ以上有していれば特に限定されない。該硬化剤として、従来公知の硬化剤を使用可能である。上記硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤における上記エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基としては、フェノール基、アミノ基、シアネートエステル基及び酸無水物基等が挙げられる。
上記硬化剤の具体例としては、シアネートエステル樹脂(シアネートエステル硬化剤)、フェノール化合物(フェノール硬化剤)、アミン化合物、酸無水物及びジシアンジアミド等が挙げられる。なかでも、熱による寸法変化がより一層小さい硬化物を得る観点からは、上記硬化剤は、シアネートエステル樹脂又はフェノール化合物であることが好ましい。上記硬化剤は、シアネートエステル樹脂であることが好ましく、フェノール化合物であることも好ましい。
硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくし、かつ硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、上記硬化剤は、アミノトリアジン骨格を有することが好ましい。さらに、硬化物の熱による寸法変化をさらに一層小さくし、かつ硬化物の耐熱性をさらに一層高める観点からは、上記硬化剤は、アミノトリアジン骨格を有するクレゾールノボラック硬化剤、又はアミノトリアジン骨格を有するフェノールノボラック硬化剤であることが好ましい。
硬化剤として多官能フェノールを使用しても、硬化物の熱による寸法変化を小さくすることはできるが、特定の上記式(1)で表されるエポキシ樹脂とトリアジン構造を有する多官能フェノール硬化剤との併用によって、硬化物の熱による寸法変化をかなり小さくすることができる。
上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との含有量は特に限定されない。上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との配合比は、エポキシ樹脂と硬化剤との種類により適宜決定される。
[充填剤]
硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくする観点からは、上記エポキシ樹脂材料は、充填剤を含むことが好ましい。また、充填剤の使用により、粗化処理又はデスミア処理された硬化物の表面粗さを小さくすることができる。上記充填剤としては、無機充填剤、有機充填剤及び有機無機複合充填剤等が挙げられる。なかでも、無機充填剤が好ましい。上記充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填剤は特に限定されない。該無機充填剤として、従来公知の無機充填剤を使用可能である。上記無機充填剤としては、シリカ、タルク、クレイ、マイカ、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素等が挙げられる。粗化処理又はデスミア処理された予備硬化物の表面粗さを小さくし、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成し、かつ硬化物により一層良好な絶縁信頼性を付与する観点からは、上記無機充填剤は、シリカ又はアルミナであることが好ましく、シリカであることがより好ましく、溶融シリカであることが更に好ましい。シリカの使用により、硬化物の線膨張率をより一層低くすることができ、かつ粗化処理又はデスミア処理された硬化物の表面の表面粗さを効果的に小さくすることができる。シリカの形状は略球状であることが好ましい。
上記充填剤の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、好ましくは20μm以下、より好ましくは1μm以下である。上記充填剤の平均粒子径として、50%となるメディアン径(d50)の値が採用される。上記平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定できる。
上記充填剤は、表面処理されていることが好ましく、カップリング剤により表面処理されていることがより好ましい。これにより、粗化処理又はデスミア処理された硬化物の表面粗さをより一層小さくすることができ、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成することができ、かつ硬化物により良好な配線間絶縁信頼性及び層間絶縁信頼性を付与することができる。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計100重量部に対して、上記充填剤の含有量は好ましくは100重量部以上、好ましくは900重量部以下である。上記充填剤の含有量が上記範囲内であると、熱による寸法安定性が十分に小さい硬化物を得ることができる。
硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくする観点からは、上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計100重量部に対して、上記充填剤の含有量は、好ましくは120重量部以上、より好ましくは135重量部以上、特に好ましくは150重量部以上である。本発明における上記組成の採用により、充填剤の含有量が100重量部以上又は150重量部以上であっても、製造時のハンドリング性を良好に確保でき、かつパターン付き基板へのラミネート性(埋め込み性)を良好にできる。
[他の成分及びエポキシ樹脂材料の詳細]
上記エポキシ樹脂材料は、必要に応じて硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤の使用により、硬化速度をより一層速くすることができる。エポキシ樹脂材料を速やかに硬化させることで、硬化物の架橋構造を均一にすることができると共に、未反応の官能基数を減らすことができ、結果的に架橋密度を高くすることができる。該硬化促進剤は特に限定されず、従来公知の硬化促進剤を使用可能である。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、リン化合物、アミン化合物及び有機金属化合物等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記リン化合物としては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミン及び4,4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)及びトリスアセチルアセトナートコバルト(III)等が挙げられる。
硬化物の絶縁信頼性を高める観点からは、上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることが特に好ましい。硬化物の絶縁信頼性を高める観点からは、上記硬化促進剤は、有機金属化合物を含まないことが好ましい。
上記硬化促進剤の含有量は特に限定されない。エポキシ樹脂材料を効率的に硬化させる観点からは、上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量は好ましくは0.01重量部以上、好ましくは3重量部以下である。
耐衝撃性、耐熱性、樹脂の相溶性及び作業性等の改善を目的として、エポキシ樹脂材料には、カップリング剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消泡剤、増粘剤、揺変性付与剤及び上述した樹脂以外の他の樹脂等を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、ビニルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
上記他の樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ジビニルベンジルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂、ビスマレイミド樹脂及びアクリレート樹脂等が挙げられる。
(Bステージフィルムであるエポキシ樹脂材料)
上記樹脂組成物をフィルム状に成形する方法としては、例えば、押出機を用いて、樹脂組成物を溶融混練し、押出した後、Tダイ又はサーキュラーダイ等により、フィルム状に成形する押出成形法、樹脂組成物を有機溶剤等の溶剤に溶解又は分散させた後、キャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法、並びに従来公知のその他のフィルム成形法等が挙げられる。なかでも、薄型化を進めることができるので、押出成形法又はキャスティング成形法が好ましい。フィルムにはシートが含まれる。
上記樹脂組成物をフィルム状に成形し、熱による硬化が進行し過ぎない程度に、例えば90〜200℃で10〜180分間加熱乾燥させることにより、Bステージフィルムを得ることができる。
上述のような乾燥工程により得ることができるフィルム状の樹脂組成物をBステージフィルムと称する。
上記Bステージフィルムは、半硬化状態にある半硬化物である。半硬化物は、完全に硬化しておらず、硬化がさらに進行され得る。
上記樹脂組成物は、基材と、該基材の一方の表面に積層されたBステージフィルムとを備える積層フィルムを形成するために好適に用いることができる。積層フィルムのBステージフィルムが、上記樹脂組成物により形成される。
上記積層フィルムの上記基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのオレフィン樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、銅箔及びアルミニウム箔などの金属箔等が挙げられる。上記基材の表面は、必要に応じて、離型処理されていてもよい。
上記エポキシ樹脂材料を回路の絶縁層として用いる場合、エポキシ樹脂材料により形成された層の厚さは、回路を形成する導体層の厚さ以上であることが好ましい。上記エポキシ樹脂材料により形成された層の厚さは、好ましくは5μm以上、好ましくは200μm以下である。
(プリント配線板)
上記エポキシ樹脂材料は、プリント配線板において絶縁層を形成するために好適に用いられる。
上記プリント配線板は、例えば、上記樹脂組成物により形成されたBステージフィルムを用いて、該Bステージフィルムを加熱加圧成形することにより得られる。
上記Bステージフィルムに対して、片面又は両面に金属箔を積層できる。上記Bステージフィルムと金属箔とを積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、平行平板プレス機又はロールラミネーター等の装置を用いて、加熱しながら又は加熱せずに加圧しながら、上記Bステージフィルムを金属箔に積層できる。
(銅張り積層板及び多層基板)
上記エポキシ樹脂材料は、銅張り積層板を得るために好適に用いられる。上記銅張り積層板の一例として、銅箔と、該銅箔の一方の表面に積層されたBステージフィルムとを備える銅張り積層板が挙げられる。この銅張り積層板のBステージフィルムが、本発明に係るエポキシ樹脂材料により形成される。
上記銅張り積層板の上記銅箔の厚さは特に限定されない。上記銅箔の厚さは、1〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、エポキシ樹脂材料を硬化させた硬化物層と銅箔との接着強度を高めるために、上記銅箔は微細な凹凸を表面に有することが好ましい。凹凸の形成方法は特に限定されない。上記凹凸の形成方法としては、公知の薬液を用いた処理による形成方法等が挙げられる。
また、本発明に係るエポキシ樹脂材料は、多層基板を得るために好適に用いられる。上記多層基板の一例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された硬化物層とを備える回路基板が挙げられる。この多層基板の硬化物層が、上記エポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成される。上記硬化物層は、回路基板の回路が設けられた表面上に積層されていることが好ましい。上記硬化物層の一部は、上記回路間に埋め込まれていることが好ましい。
上記多層基板では、上記硬化物層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面が粗化処理又はデスミア処理されていることが好ましく、粗化処理されていることがより好ましい。
粗化処理方法は、従来公知の粗化処理方法を用いることができ特に限定されない。上記硬化物層の表面は、粗化処理の前に膨潤処理されていてもよい。
また、上記多層基板は、上記硬化物層の粗化処理された表面に積層された銅めっき層をさらに備えることが好ましい。
また、上記多層基板の他の例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された硬化物層と、該硬化物層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面に積層された銅箔とを備える回路基板が挙げられる。上記硬化物層及び上記銅箔が、銅箔と該銅箔の一方の表面に積層されたBステージフィルムとを備える銅張り積層板を用いて、上記Bステージフィルムを硬化させることにより形成されていることが好ましい。さらに、上記銅箔はエッチング処理されており、銅回路であることが好ましい。
上記多層基板の他の例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された複数の硬化物層とを備える回路基板が挙げられる。上記複数層の硬化物層の内の少なくとも1層がが、上記エポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成される。上記多層基板は、上記エポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成されている上記硬化物層の少なくとも一方の表面に積層されている回路をさらに備えることが好ましい。
図1に、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂材料を用いた多層基板を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
図1に示す多層基板11では、回路基板12の上面12aに、複数層の硬化物層13〜16が積層されている。硬化物層13〜16は、絶縁層である。回路基板12の上面12aの一部の領域には、金属層17が形成されている。複数層の硬化物層13〜16のうち、回路基板12側とは反対の外側の表面に位置する硬化物層16以外の硬化物層13〜15には、上面の一部の領域に金属層17が形成されている。金属層17は回路である。回路基板12と硬化物層13の間、及び積層された硬化物層13〜16の各層間に、金属層17がそれぞれ配置されている。下方の金属層17と上方の金属層17とは、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続の内の少なくとも一方により互いに接続されている。
多層基板11では、硬化物層13〜16が、本発明に係るエポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成されている。本実施形態では、硬化物層13〜16の表面が粗化処理又はデスミア処理されているので、硬化物層13〜16の表面に図示しない微細な孔が形成されている。また、微細な孔の内部に金属層17が至っている。また、多層基板11では、金属層17の幅方向寸法(L)と、金属層17が形成されていない部分の幅方向寸法(S)とを小さくすることができる。また、多層基板11では、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続で接続されていない上方の金属層と下方の金属層との間に、良好な絶縁信頼性が付与されている。
(粗化処理及び膨潤処理)
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、粗化処理又はデスミア処理される硬化物を得るために用いられることが好ましい。上記硬化物には、更に硬化が可能な予備硬化物も含まれる。
本発明に係るエポキシ樹脂材料を予備硬化させることにより得られた予備硬化物の表面に微細な凹凸を形成するために、予備硬化物は粗化処理されることが好ましい。粗化処理の前に、予備硬化物は膨潤処理されることが好ましい。硬化物は、予備硬化の後、かつ粗化処理される前に、膨潤処理されており、さらに粗化処理の後に硬化されていることが好ましい。ただし、予備硬化物は、必ずしも膨潤処理されなくてもよい。
上記膨潤処理の方法としては、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液又は有機溶媒分散溶液などにより、予備硬化物を処理する方法が用いられる。膨潤処理に用いる膨潤液は、一般にpH調整剤などとして、アルカリを含む。膨潤液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。具体的には、例えば、上記膨潤処理は、40重量%エチレングリコール水溶液等を用いて、処理温度30〜85℃で1〜30分間、予備硬化物を処理することにより行なわれる。上記膨潤処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。上記膨潤処理の温度が低すぎると、膨潤処理に長時間を要し、更に硬化物と金属層との粗化接着強度が低くなる傾向がある。
上記粗化処理には、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。粗化処理に用いられる粗化液は、一般にpH調整剤などとしてアルカリを含む。粗化液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム及び過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム及び無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
上記粗化処理の方法は特に限定されない。上記粗化処理の方法として、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液及び30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度30〜85℃及び1〜30分間の条件で、1回又は2回、予備硬化物を処理する方法が好適である。上記粗化処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。
膨潤液を用いて膨潤処理し、次に粗化液を用いて粗化処理したときに、粗化処理された硬化物の表面の算術平均粗さRaが、50nm以上、350nm以下であることが好ましい。この場合には、硬化物と金属層又は配線との接着強度を高くすることができ、更に硬化物層の表面により一層微細な配線を形成することができる。
(デスミア処理)
また、本発明に係るエポキシ樹脂材料を予備硬化させることにより得られた予備硬化物又は硬化物に、貫通孔が形成されることがある。上記多層基板などでは、貫通孔として、ビア又はスルーホール等が形成される。例えば、ビアは、COレーザー等のレーザーの照射により形成できる。ビアの直径は特に限定されないが、60〜80μm程度である。上記貫通孔の形成により、ビア内の底部には、硬化物層に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアが形成されることが多い。
上記スミアを除去するために、硬化物層の表面は、デスミア処理されることが好ましい。デスミア処理が粗化処理を兼ねることもある。
上記デスミア処理には、上記粗化処理と同様に、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。デスミア処理に用いられるデスミア処理液は、一般にアルカリを含む。デスミア処理液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。
上記デスミア処理の方法は特に限定されない。上記デスミア処理の方法として、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液及び30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度30〜85℃及び1〜30分間の条件で、1回又は2回、予備硬化物又は硬化物を処理する方法が好適である。上記デスミア処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。
本発明に係るエポキシ樹脂材料の使用により、デスミア処理された硬化物の表面の表面粗さを十分に小さくすることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例では、以下に示す材料を用いた。
(エポキシ樹脂)
(1)ジグリジシルアミン型ビスフェノールS型エポキシ樹脂(上記式(1A)で表されるエポキシ樹脂に相当する、上記式(1A)中のXはスルホニル基、小西化学社製「TG3DAS」、重量平均分子量1000以下、エポキシ当量138)
(2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製「RE410S」、エポキシ当量178)
(3)ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂(DIC社製「HP7200L」、エポキシ当量250)
(4)エポキシ樹脂(ADEKA社製「アデカレジンEP−3900S」、エポキシ当量100)
(硬化剤)
(1)フェノールノボラック硬化剤1(明和化成社製「MEH7851−4H」、フェノール硬化剤当量241)
(2)フェノールノボラック硬化剤2(明和化成社製「H−4」、フェノール硬化剤当量105)
(3)アミノトリアジン骨格クレゾールノボラック硬化剤含有液(DIC社製「LA3018−50P」、重量平均分子量1000以下、固形分50重量%とプロピレングリコールモノメチルエーテル含有溶剤50重量%とを含む、フェノール硬化剤当量151)
(硬化促進剤)
イミダゾール化合物(2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業社製「2P4MZ」)
(充填剤)
シリカ含有スラリー(アドマテックス社製「SC2050HNK」、平均粒子径0.5μmの溶融シリカ、シリカがアミノシランカップリング剤で表面処理されている、固形分70重量%とシクロヘキサノン30重量%とを含む)
(実施例1)
上記シリカ含有スラリー(アドマテックス社製「SC2050HNK」)63.2重量部(固形分で44.2重量部)と、アミノトリアジン骨格クレゾールノボラック硬化剤含有液(DIC社製「LA3018−50P」)14.6重量部(固形分で7.3重量部)と、ジグリジシルアミン型ビスフェノールS型エポキシ樹脂(小西化学社製「TG3DAS」)22.0重量部と、イミダゾール化合物(四国化成工業社製「2P4MZ」)0.2重量部とを混合し、均一な液となるまで常温で攪拌し、樹脂組成物ワニスを得た。
離型処理された透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製「PET5011 550」、厚み50μm)を用意した。このPETフィルムの離型処理された面上にアプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが50μmとなるように、得られた樹脂組成物ワニスを塗工した。次に、100℃のギアオーブン内で2分間乾燥して、縦200mm×横200mm×厚み50μmの樹脂シートの未硬化物(Bステージフィルム)とポリエチレンテレフタレートフィルムとの積層フィルムを作製した。次に、積層フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、樹脂シートの未硬化物を190℃のギアオーブン内で60分間加熱して、樹脂シートの一次硬化物を作製した。
(実施例2〜5、及び比較例1〜3)
使用した材料の種類及び配合量(重量部)を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルム及び樹脂シートの一次硬化物を作製した。
(評価)
(1)平均線膨張率
得られた樹脂シートの一次硬化物を、190℃で3時間加熱して硬化させ、硬化物Aを得た。得られた硬化物Aを、3mm×25mmの大きさに裁断した。線膨張率計(セイコーインスツルメンツ社製「TMA/SS120C」)を用いて、引張り荷重3.3×10−2N、昇温速度5℃/分の条件で、裁断された硬化物の0〜50℃における平均線膨張率を測定した。0〜50℃における平均線膨張率が25ppm/℃以下である場合を「○」、0〜50℃における平均線膨張率が25ppm/℃を超える場合を「×」と判定した。
(2)耐熱性
得られた樹脂シートの一次硬化物を、190℃で3時間加熱して硬化させ、硬化物Aを得た。得られた硬化物Aを直径5mmの大きさに型抜きして5枚重ねた。示差熱、熱重量同時測定装置(SHIMADZU社製「DTG−60」)を用いて、かつ型抜きして重ねた5枚の硬化物Aを用いて、昇温速度10℃/分、雰囲気ガスとして空気を100mL/分の条件で、30〜800℃の温度範囲で測定を行った。30℃での充填剤を除いた樹脂だけの重量を100重量%とした場合、測定中に樹脂分で3重量%減少した時の温度をTd3と決め、その温度を耐熱性の指標とした。Td3が300℃以上である場合を「○」、Td3が300℃未満である場合を「×」と判定した。
(3)ラミネート性(凹凸表面への埋め込み性)及びアンジュレーションの評価
銅張り積層板(厚さ150μmのガラスエポキシ基板と厚さ35μmの銅箔との積層体)を用意した。銅箔をエッチング処理し、L/Sが50μm/50μm及び長さが1cmである銅パターンを26本作製し、凹凸基板を得た。
得られた樹脂シートの未硬化物(厚さ40μm)を凹凸基板の凹凸表面に重ねて、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター機(型番MVLP−500)を用い、ラミネート圧0.4MPa及びラミネート温度90℃で20秒間ラミネートし、更にプレス圧力0.8MPa及びプレス温度90℃で20秒間プレスした。このようにして、凹凸基板上に樹脂シートの未硬化物が積層されている積層体(A)を得た。
得られた積層体(A)において、樹脂シートの未硬化物を170℃で60分加熱した後に190℃で180分加熱して、硬化物Cを得た。
埋め込み性に関しては、未硬化物が積層された積層体(A)の状態でVeeco社製のWYKOを用いて、上面の凹凸を測定した。凹凸が0.3μm以下である場合を「○」、凹凸が0.3μmを超えて0.5μm未満である場合を「△」、0.5μmを超える場合を「×」と判定した。上記凹凸の値とは、具体的には、凹凸の隣り合う凹と凸の部分が何個かある中で、最大の高低差の部分を意味する。
アンジュレーション評価に関しては、硬化物Cの状態でVeeco社製のWYKOを用いて、上面の凹凸を測定した。凹凸の最大値がアンジュレーションの値とした。凹凸の最大値が1.5μm以下である場合を「○」、凹凸の最大値が1.5umを超えて2.0μm以下である場合を「△」、2.0μmを超える場合を「×」と判定した。上記凹凸の最大値とは、具体的には、凹凸の隣り合う凹と凸の部分が何個かある中で、最大の高低差の部分を意味する。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2012251045
11…多層基板
12…回路基板
12a…上面
13〜16…硬化物層
17…金属層

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表されるエポキシ樹脂と、
    前記エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基を2つ以上有する硬化剤とを含む、エポキシ樹脂材料。
    Figure 2012251045
    前記式(1)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
  2. 前記式(1)で表されるエポキシ樹脂が、下記式(1A)で表されるエポキシ樹脂である、請求項1に記載のエポキシ樹脂材料。
    Figure 2012251045
    前記式(1A)中、Xはカルボニル基又はスルホニル基を表す。
  3. 前記Xがスルホニル基である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂材料。
  4. 前記硬化剤が、アミノトリアジン骨格を有する硬化剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂材料。
  5. 前記硬化剤が、アミノトリアジン骨格を有するクレゾールノボラック硬化剤、又はアミノトリアジン骨格を有するフェノールノボラック硬化剤である、請求項4に記載のエポキシ樹脂材料。
  6. シリカをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂材料。
  7. フィルム状に成形されたBステージフィルムである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂材料。
  8. 粗化処理又はデスミア処理される硬化物を得るために用いられるエポキシ樹脂材料である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂材料。
  9. 回路基板と、
    前記回路基板の表面上に配置された硬化物層とを備え、
    前記硬化物層が、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成されている、多層基板。
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