JP2012251027A - ポリウレタンフォーム製造用強度向上剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタンフォーム製造用強度向上剤を提供する。
【解決手段】芳香環上の水素原子(a)であって、この水素原子(a)が結合した芳香環の炭素に隣接する二つの炭素にカルボニル基が結合している水素原子(a)を分子中に2つ有し、数平均分子量が250〜800であるポリウレタンフォーム製造用強度向上剤(A)。
Figure 2012251027

【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタンフォーム製造用の強度向上剤に関するものである。
近年は環境への配慮及びコスト低減要求が強く、ポリウレタンフォームの低密度化が求められている。例えば、車両用途では燃費規制に対応するため軟質ポリウレタンフォームの低密度化が求められている。また、断熱材用途においてもコスト低減、環境への配慮のため低密度化が望まれている。
現状、低密度化の要望に応えるため、発泡剤としての水の使用量が増加の傾向にある。水の使用量を増加させる(非特許文献1等)ことは、フォーム製造時の発生炭酸ガス量を増加させることができ、軟質ポリウレタンフォームの密度を低下させるには有効であるが、フォームの密度が低下するとフォーム硬度が低下する。ポリウレタンフォームの硬度を向上させる具体的技術としては、使用する架橋剤の使用量を上げる方法(非特許文献1)やポリマーを樹脂中に分散させる方法(特許文献1)等があるが、このような方法では、軟質ポリウレタンフォームの伸びや引張強さのような機械物性が不十分である等の課題が残されており、硬度が向上し機械物性が維持される軟質ポリウレタンフォームが望まれている。
また、低密度化の為に、水と共に、塩化メチレンを発泡剤として用いることも提案されている。しかし、塩化メチレンは環境問題の観点から使用量の低減が求められている。そこで、モノオールやジオールをポリオールの一成分として用いる方法も提案されている。しかし、この方法では、得られるフオームの圧縮永久歪が大きくなる等、他の物性が損なわれる問題が生じる(特許文献2)。
特開平9−309937号公報 特開平6−65346号公報
岩田敬治、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、日刊工業、1987年5月20日発行、第1版、32頁
本発明の目的は、高い機械物性(引張強さ、圧縮強さ)を有するポリウレタンフォームを製造可能となるポリウレタンフォーム製造用強度向上剤、強度向上剤を含有するポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、及び強度向上剤又はこのポリオール組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、特定の構造を有し、かつ数平均分子量が250〜800であるポリウレタンフォーム製造用強度向上剤を使用することで、高い機械物性(引張強さ、圧縮強さ)を有するポリウレタンフォームが得られることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1の発明は、下記一般式(I)で表され、芳香環上の水素原子(a)であって、この水素原子(a)が結合した芳香環の炭素に隣接する二つの炭素にカルボニル基が結合している水素原子(a)を分子中に2つ有し、数平均分子量が250〜800であるポリウレタンフォーム製造用強度向上剤(A)である。
Figure 2012251027
[一般式(I)中、R1は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表す。複数のR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。;Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)からカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環は炭素原子から構成される。;aは2≦a≦(芳香環置換基数−2)を満たす整数である。;Zはm価以上の活性水素含有化合物からm個の活性水素を除いた残基を表す。;R1とZは同一であっても異なっていても構わない。;mは1又は2の整数を表す。]
また、本発明の第2の発明は、上記の強度向上剤(A)及びポリオール(P)を含有してなるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(H)である。
また、本発明の第3の発明は、上記の強度向上剤(A)又は上記のポリオール組成物(H)と、有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームの製造方法である。
本発明のポリウレタンフォーム製造用強度向上剤を使用した場合、高い機械物性(引張強さ、圧縮強さ)のポリウレタンフォームを得ることができる。
本発明のポリウレタンフォーム製造用強度向上剤は、下記一般式(I)で表され、芳香環上の水素原子(a)であって、この水素原子(a)が結合した芳香環の炭素に隣接する二つの炭素にカルボニル基が結合している水素原子(a)を、強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(引張強さ、圧縮強さ)の観点から、分子中に2つ有する。
強度向上剤(A)の数平均分子量は、強度向上剤のハンドリング及びこの強度向上剤を用いて製造されたポリウレタンフォームの機械物性(引張強さ、圧縮強さ)の観点から、250〜800であり、好ましくは450〜790、さらに好ましくは550〜780、さらに好ましくは650〜770である。
Figure 2012251027
一般式(I)中、R1は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表す。活性水素含有化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物及びリン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物が含まれる。これら活性水素含有化合物は、1種類でも複数種類でも使用することができる。すなわち、複数のR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
水酸基含有化合物としては、1価のアルコール、2〜8価の多価アルコール、フェノール及び多価フェノール等が含まれる。具体的にはメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、ナフチルエタノール等の1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の4〜8価のアルコ―ル;フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン及び1−ヒドロキシピレン等のフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜15)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)並びに米国特許3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
アミノ基含有化合物としては、アミン、ポリアミン及びアミノアルコール等が含まれる。具体的には、アンモニア;炭素数1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン及びトリエタノ―ルアミン等のアルカノ―ルアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等;が挙げられる。
カルボキシル基含有化合物としては、酢酸及びプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸;安息香酸等の芳香族モノカルボン酸;コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレン−1,4ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸、ピロメリット酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸、及びピレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜15)等が挙げられる。
チオール基含有化合物としては、1官能のフェニルチオール、アルキルチオール及びポリチオール化合物が含まれる。ポリチオールとしては、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエチレンジチオール及び1、6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
リン酸化合物としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
活性水素含有化合物としては、分子内に2種以上の活性水素含有官能基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びリン酸基等)を有する化合物も使用できる。
また、活性水素含有化合物としては、上記活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド付加物を使用することもできる。
活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)としては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2−ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
さらに、活性水素含有化合物としては、上記活性水素含有化合物とポリカルボン酸(脂肪族ポリカルボン酸や芳香族ポリカルボン酸)との縮合反応で得られる活性水素含有化合物(ポリエステル化合物)を使用することができる。縮合反応においては活性水素含有化合物、ポリカルボン酸共に1種類を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ポリカルボン酸とは、以下(1)、(2)を満たす化合物を意味する。
(1)1分子が有するカルボキシル基が2個以上である。
(2)カルボキシル基が芳香環に直接結合していない。
脂肪族ポリカルボン酸には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸及びフマル酸等が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸とは以下(1)〜(3)を満たす化合物を意味する。
(1)1分子が有する芳香環の数が1個以上である。
(2)1分子が有するカルボキシル基の数が2個以上である。
(3)カルボキシル基が芳香環に直接結合している。
芳香族ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2’-ビベンジルジカルボン酸、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸及びナフタレン−1,4ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸及びピレンジカルボン酸等の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(伸び、引張強さ、圧縮強さ)向上の観点から、R1とする活性水素含有化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、これらのAO付加物及び活性水素含有化合物とポリカルボン酸との縮合反応で得られるポリエステル化合物が好ましく、さらに好ましくはメタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、ベンジルアルコール、フェノール、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、これらのEO及び/又はPO付加物並びにこれら活性水素化合物とフタル酸及び/又はイソフタル酸との縮合物が好ましい。
一般式(I)中、Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)からカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環は炭素原子から構成される。芳香環の置換基は水素原子でも他の置換基でもよいが、芳香環上の水素原子(a)であって、この水素原子(a)が結合した芳香環の炭素に隣接する二つの炭素にカルボニル基が結合している水素原子(a)を分子中に2つ有する。
他の置換基とは、アルキル基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、ホスフィノ基、チオ基、チオール基、アルデヒド基、エーテル基、アリール基、アミド基、シアノ基、ウレア基、ウレタン基、スルホン基、エステル基及びアゾ基等が挙げられる。機械物性向上(伸び、引張強さ、圧縮強さ)及びコストの観点から、他の置換基としては、アルキル基、ビニル基、アリル基、アミノ基、アミド基、ウレタン基及びウレア基が好ましい。
Yを構成する3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)としては、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、などが挙げられる。
強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(引張強さ、引裂強さ、圧縮強さ)向上の観点から、Yに使用する(C)は単環式化合物が好ましく、さらに好ましくはトリメリット酸及びピロメリット酸である。
一般式(I)中のaは2≦a≦芳香環置換基数−2を満たす整数である。芳香環置換基数とは、芳香環を構成する炭素原子に結合する置換基の数である。例えば、炭素6個から構成される単環の芳香環では、芳香環置換基数が6であり、aとして2〜4を取りうる。芳香環が単環の芳香環の場合、機械物性(引張強さ、引裂強さ、圧縮強さ)向上の観点から、aは2又は3が好ましい。
一般式(I)中のZはm価以上の活性水素含有化合物からm個の活性水素を除いた残基を表す。ここで言う活性水素含有化合物としては、上述のR1で示した活性水素含有化合物が含まれる。但しZで表される活性水素含有化合物はR1の一部と同一であっても構わない。
一般式(I)において、mは1又は2の整数を表す。
強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(引張強さ、引裂強さ、圧縮強さ)向上の観点から、Zには、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、これらのAO付加物及びこれらとポリカルボン酸との縮合物を用いることが好ましい。
本発明のポリウレタンフォーム製造用強度向上剤(A)の水酸基価(mgKOH/g)は、成形時のハンドリング(粘度)及び引張強さの観点から、0〜700が好ましく、さらに好ましくは0〜650、次にさらに好ましくは0〜600である。なお本発明において、水酸基価はJISK−1557に準拠して測定される。
また、(A)の水酸基価が0であることは、一般式(I)中、いずれのR1もYもZも水酸基を有しないことを意味する。
本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(H)は、上記のポリウレタンフォーム製造用強度向上剤(A)及びポリオール(P)を含有してなる。
ポリオール(P)としては、具体的には下記の多価アルコール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等の公知のポリオールであって(A)以外の物が含まれる。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール、炭素数3〜20の3価アルコール及び炭素数5〜20の4〜8価アルコール等が挙げられる。
炭素数2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
炭素数3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
炭素数5〜20の4〜8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等並びに糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールのAO付加物が挙げられる。AOとしては前述のAOが挙げられ、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2-ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエステルポリオールとしては、多価水酸基含有化合物(前記の多価アルコール及び前記ポリエーテルポリオール)と芳香族ポリカルボン酸(前述したもの等)及び脂肪族ポリカルボン酸(前述したもの等)、これらの無水物並びにこれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数が1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(無水フタル酸及びテレフタル酸ジメチル等)との縮合反応生成物;前記多価アルコールの前記カルボン酸無水物及びAOの付加反応物;これらのAO(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール{例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの};並びにポリカーボネートポリオール(例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物)等が挙げられる。
これら以外の各種ポリオールとしては、重合体ポリオール、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報及び特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物;等が挙げられる。
ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(H)の重量を基準とするポリウレタンフォーム製造用強度向上剤(A)の含有量は、機械物性(伸び、引張強さ)向上の観点から、0.1重量%以上100重量%未満が好ましく、さらに好ましくは0.5〜80重量%、特に好ましくは1.0〜60重量%である。なお、本発明においては、使用する重合体ポリオールに強度向上剤(A)が含まれている場合も、ポリオール組成物(H)に(A)が含有されているものとして取り扱う。
製造するポリウレタンフォームが軟質ポリウレタンフォームの場合、(H)の水酸基価(mgKOH/g)は、ポリオール組成物(H)のハンドリング及び得られるフォームの伸び物性の観点から5〜200が好ましく、さらに好ましくは20〜150である。また、製造するポリウレタンフォームが硬質ポリウレタンフォームの場合、(H)の水酸基価(mgKOH/g)は、(H)のハンドリング及び得られるフォームの圧縮強さの観点から100〜1000が好ましく、さらに好ましくは150〜800、さらに好ましくは200〜500である。
ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(H)を製造するに当たって、強度向上剤(A)とポリオール(P)とを混合する方法は公知のいかなる方法でも良い。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、ポリウレタンフォーム用強度向上剤(A)又はポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(H)と有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤及び触媒の存在下に反応させてポリウレタンフォームを形成させる。
(A)を単独で使用する場合、すなわち(A)をポリオール(P)と併用しない場合には、(A)が水酸基を有すること、すなわち、一般式(I)中、R1、Y及びZのうち、いずれか1つ以上が水酸基を有することが好ましい。
有機ポリイソシアネート成分(D)としては、通常ポリウレタンフォームに使用される有機ポリイオシアネートはすべて使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)が6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート並びにトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
これらの中で、反応性及びポリウレタンフォームの機械物性(引張強さ、引裂強さ度、圧縮強さ)の観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI及びこれらのイソシアネートの変性物、特に好ましくは、TDI、MDI及び粗製MDIである。
発泡剤としては、水、液化炭酸ガス及び沸点が−5〜70℃の低沸点化合物が含まれる。
低沸点化合物には、水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素等が含まれる。 水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC−123、HCFC−141b及びHCFC−142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc等)、ブタン、ペンタン及びシクロペンタン等が挙げられる。
これらのうち、成形性の観点から、水、液化炭酸ガス、塩化メチレン、シクロペンタン、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfc及びこれらの2種以上の混合物を発泡剤として使用するのが好ましい。
発泡剤のうち、水の使用量は、フォーム形成時のフォーム密度、スコーチ発生の抑制の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分{ポリウレタンフォーム製造用強度向上剤(A)及びポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(H)}100重量部に対して、1.0〜8.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.5〜7.0重量部である。低沸点化合物の使用量は、成形不良の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5〜25重量部である。液化炭酸ガスは、30部以下が好ましく、さらに好ましくは1〜25部である。
なお、上記及び以下において、部は重量部を意味する。
触媒としては、ウレタン化反応を促進するすべての触媒を使用でき、3級アミン{トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ジエチルエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアミノビシクロオクタン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等}、及び/又はカルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等)が挙げられる。触媒の使用量は、機械物性(引張強さ、引裂強さ、圧縮強さ)向上の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部である。
整泡剤としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング株式会社製の「SRX−253」、「PRX−607」等]及びポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ・ジャパン合同会社製「L−580」、東レ ダウコーニング株式会社製の「SZ−1142」、「SRX−294A」、「SH−193」、「SZ−1720」、「SZ−1675t」、「SF−2936F」及びエボニック・デグサジャパン株式会社製「B−4900」等]が挙げられる。整泡剤の使用量は、機械物性(伸び、引張強さ)、発泡時の泡の安定性の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜3.0重量部である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法においては、必要により、さらに以下に述べるその他の助剤を用い、その存在下で反応させてもよい。
その他の助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
これら助剤の添加量としては、ポリオール成分100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましい。可塑剤は、10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5重量部以下である。有機充填剤は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは30重量部以下である。難燃剤は、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量部である。老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。抗酸化剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。助剤の合計使用量は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数(インデックス)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、成形性の観点、機械物性(引張強さ、引裂強さ、圧縮強さ)の観点から、70〜150が好ましく、さらに好ましくは80〜130、特に好ましくは90〜120である。
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造方法の具体例の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤並びに必要によりその他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタンフォーム発泡機又は攪拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を連続発泡してポリウレタンフォームを得ることができる。また、密閉型又は開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得ることもできる。
本発明の方法で得られたポリウレタンフォームは、車両用クッション用、家具・建材用、衣料用、電気機器用、電子機器用又は包装用として好適に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
攪拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、ポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製 PEG−200;数平均分子量200のポリエチレングリコール、水酸基価560)1モル、無水トリメリット酸2モル及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.010モルをテトラヒドロフラン(THF)2モルを仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。ハーフエステル化後、EO4モルを90±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、90±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒とTHFを減圧除去して、強度向上剤A−1を得た。水酸基価(mgKOH/g)=295、数平均分子量=760
実施例2
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、THF2モルと、無水トリメリット酸2モル、PEG−200を1モル、アルカリ触媒トリエチルアミン2モルを入れ、80℃で2時間反応させた後、クロロメタン4モルを入れ、70℃で2時間反応させた。その後、分液、脱溶剤を行い、強度向上剤A−2を得た。水酸基価(mgKOH/g)=0、数平均分子量=640
実施例3
実施例1において、PEG−200の1モルの代わりにエチレングリコール1モルとする以外は実施例1と同様にして、強度向上剤A−3を得た。水酸基価(mgKOH/g)=321、数平均分子量=700
実施例4
実施例2において、PEG−200の1モルの代わりにエチレングリコール1モルとし、クロロメタン4モルの代わりにクロロブタン4モルとする以外は実施例2と同様にして、強度向上剤A−4を得た。水酸基価(mgKOH/g)=0、数平均分子量=750
実施例5
実施例4において、クロロブタン4モルの代わりにクロロメタン4モルとする以外は実施例4と同様にして、強度向上剤A−5を得た。水酸基価(mgKOH/g)=0、数平均分子量=580
実施例6
実施例1において、PEG−200の1モルの代わりにジエチレングリコール1モルとする以外は実施例1と同様にして、強度向上剤A−6を得た。水酸基価(mgKOH/g)=302、数平均分子量=750
実施例7
実施例4において、エチレングリコール1モルの代わりにジエチレングリコール1モルとする以外は実施例4と同様にして、強度向上剤A−7を得た。水酸基価(mgKOH/g)=0、数平均分子量=790
実施例8
実施例7において、クロロブタン4モルの代わりにクロロメタン4モルとする以外は実施例7と同様にして、強度向上剤A−8を得た。水酸基価(mgKOH/g)=0、数平均分子量=620
実施例9
実施例1と同様のオートクレーブに、THF2モル、PEG−200を2モル、無水ピロメリット酸1モル及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.010モルを仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。ハーフエステル化後、EO2モルを90±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、90±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒を0.1MPaにて1時間減圧除去して、強度向上剤A−9を得た。水酸基価(mgKOH/g)=325、数平均分子量=690
実施例10
実施例9において、EO2モルの代わりにEO4モルとする以外は実施例7と同様にして、強度向上剤A−10を得た。水酸基価(mgKOH/g)=288、数平均分子量=780
実施例11
実施例1と同様の反応槽中に、THF2モル、無水ピロメリット酸1モル、PEG−200を2モル、トリエチルアミン2モルを入れ、80℃で2時間反応させた後、クロロブタン2モルを入れ、70℃で2時間反応させた。その後、分液、脱溶剤を行い、強度向上剤A−11を得た。水酸基価(mgKOH/g)=155、数平均分子量=720
実施例12
実施例11において、クロロブタン2モルの代わりにクロロメタン2モルとする以外は実施例11と同様にして、強度向上剤A−12を得た。水酸基価(mgKOH/g)=177、数平均分子量=630
実施例13
実施例9において、PEG−200の2モルの代わりにエチレングリコールを2モルとする以外は実施例9と同様にして、強度向上剤A−13を得た。水酸基価(mgKOH/g)=542、数平均分子量=410
実施例14
実施例13において、EOを2モルの代わりにEOを4モルとする以外は実施例13と同様にして、強度向上剤A−14を得た。水酸基価(mgKOH/g)=447、数平均分子量=500
実施例15
実施例11において、PEG−200を2モルとする代わりにエチレングリコールを2モルとする以外は実施例11と同様にして、強度向上剤A−15を得た。水酸基価(mgKOH/g)=256、数平均分子量=440
実施例16
実施例15において、クロロブタンを2モルとする代わりにクロロメタンを2モルとする以外は実施例15と同様にして、強度向上剤A−16を得た。水酸基価(mgKOH/g)=317、数平均分子量=350
実施例17
実施例14において、エチレングリコールを2モルとする代わりにメタノールを2モルとする以外は実施例14と同様にして、強度向上剤A−17を得た。水酸基価(mgKOH/g)=505、数平均分子量=440
実施例18
実施例15において、エチレングリコールを2モルとする代わりにメタノールを2モルとする以外は実施例15と同様にして、強度向上剤A−18を得た。水酸基価(mgKOH/g)=297、数平均分子量=380
実施例19
実施例16において、エチレングリコールを2モルとする代わりにメタノールを2モルとする以外は実施例16と同様にして、強度向上剤A−19を得た。水酸基価(mgKOH/g)=382、数平均分子量=290
比較例1
実施例1と同様のオートクレーブに、THF2モル、ジエチレングリコール1モル、無水トリメリット酸2モル及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.010モルを仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、100±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。その後EO8モルを120±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、120±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒を0.1MPaにて1時間減圧除去して、ポリオール(B−1)を得た。水酸基価(mgKOH/g)=267、数平均分子量=840
比較例2
実施例1と同様にハーフエステル化を行った。その後EO20モルを120±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、120±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒を0.1MPaにて1時間減圧除去して、ポリオール(B−2)を得た。水酸基価(mgKOH/g)=164、数平均分子量=1400
比較例3
実施例13において、EO2モルとする代わりに、EO20モルとする以外は実施例13と同様にしてポリオール(B−3)を得た。水酸基価(mgKOH/g)=200、数平均分子量=1100
比較例4
実施例1において、無水トリメリット酸を2モルとする代わりに、無水トリメリット酸を1モルとし、PEG−200を1モルとする代わりに、ブタノール1モルとし、EOを4モルとする代わりに、EOを3モルとする以外は実施例1と同様にしてポリオール(B−4)を得た。水酸基価(mgKOH/g)=200、数平均分子量=540
<実施例20〜38及び比較例5〜9軟質スラブフォームの製造>
強度向上剤AまたはポリオールBを用いて、表1に示した配合処方に従って、下記の発泡条件により発泡して軟質ポリウレタンフォームを作製し、一昼夜(温度25℃、湿度50%にて24時間)放置後のフォームのコア密度(kg/m3)、硬さ(25%ILD、N/314cm2)、引裂強さ(N/cm)、引張強さ(kPa)、伸び(%)を測定した。
Figure 2012251027
(発泡条件)
BOX SIZE:250mm×250mm×250mm
材質 :木材
ミキシング方法 :ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し回転数5000回転/分で6〜20秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間 :6〜20秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
実施例20〜38及び比較例5〜9におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)有機ポリイソシアネート成分(D−1)
TDI:NCO%=48.3(商品名:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業株式会社製)
(2)発泡剤
発泡剤:水
(3)触媒
触媒−1:エアプロダクツジャパン株式会社製「DABCO−33LV」(トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液)
触媒−2:オクチル酸スズ(商品名:日東化成株式会社製「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)
(4)整泡剤
整泡剤−1:モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社製「L−580」
(5)ポリオール
ポリオール(P−1):グリセリンPO付加物、平均官能基数3、水酸基価56.0。
<試験方法>
各項目の測定方法は下記の通りである。得られた結果を表1に示す。
・フォーム物性の測定方法及び単位を以下に示す。
コア密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
硬さ(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
伸び:JIS K6400に準拠、単位は%
引張強さ:JIS K6400に準拠、単位はkPa
引裂強さ:JIS K6400に準拠、単位はN/cm
表1において、本発明実施例20〜38のウレタンフォームは、比較例5〜9のウレタンフォームよりも、フォーム物性、特にフォーム硬さや引張強さが向上している。
<実施例39〜57、比較例10〜14 軟質HRフォームの製造>
表2に示した発泡処方に従って、下記の発泡条件により軟質ポリウレタンフォームを金型内で発泡してフォームを形成後、金型から取り出し一昼夜放置後の軟質ポリウレタンフォーム諸物性を測定した。物性の測定値も表2にそれぞれ記載した。
(発泡条件)
金型サイズ:400mm×400mm×100mm(高さ)
金型温度:65℃
金型材質:アルミ
ミキシング方法:高圧ウレタン発泡機(ポリマーエンジニアリング社製)ポリオールプレミックスとイソシアネートとを15MPaで混合
実施例39〜57及び比較例10〜14における軟質ポリウレタンフォームの原料は、前述の実施例及び比較例で示した物と同様の物を使用し、それ以外の物は次の通りである。
1.触媒
触媒−3:東ソー株式株式会社製「TOYOCAT ET」(ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70重量%ジプロピレングリコール溶液)
2.整泡剤
整泡剤−2:エボニック デクサ ジャパン株式会社製「TEGOSTAB B8737LF2」
3.有機イソシアネート成分(D−2)
TDI−80(2,4−及び2,6−TDI、2,4−体の比率が80%/粗製MDI=80/20(重量比)
4.ポリオール
(1)ポリオール(P−2):グリセリンにPOとEOをブロック付加させて得られた平均官能基数3.0、水酸基価28、EO単位合計=16%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール
(2)ポリオール(P−3):ペンタエリスリトールにPOとEOをブロック付加させて得られた平均官能基数4.0、水酸基価34、EO単位の合計=13.5%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール中で、スチレンとアクリロニトリル(重量比:33/67)を共重合させた重合体ポリオール(重合体含量30%)。水酸基価21。
(3)ポリオール(P−4):グリセリンにPOとEOをランダム付加させて得られた平均官能基数3.0、水酸基価24のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール
(4)ポリオール(P−5):エチレングリコール。官能基数2.0、水酸基価1810。
(5)ポリオール(P−6):グリセリンにEOを付加させて得られた平均官能基数3.0、水酸基価841、EO単位の合計=54%のポリオキシエチレンポリオール
(6)ポリオール(P−7):ソルビトールにEOを付加させて得られた平均官能基数6.0、水酸基価1055、EO単位の合計=33%のポリオキシエチレンポリオール
各項目の測定方法は下記の通りである。得られた結果を表2に示す。
・フォーム物性の測定方法及び単位を以下に示す。
コア密度 :JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
伸び:JIS K6400に準拠、単位は%
引張強さ:JIS K6400に準拠、単位はkPa
硬さ(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はN/314cm2
引裂強さ:JIS K6400に準拠、単位はN/cm
Figure 2012251027
表2において、本発明実施例39〜57のウレタンフォームは、比較例10〜14のウレタンフォームよりも、フォーム物性、特にフォーム硬さや引張強さが向上している。
<実施例58〜76、比較例15〜19>
表3に示した発泡処方に従って、下記の発泡条件により硬質ポリウレタンフォームを金型内で発泡してフォームを形成し、脱型後一昼夜放置し、硬質ポリウレタンフォーム諸物性を測定した。物性の測定値も表3に記載した。
(発泡条件)
金型サイズ:400mm×400m×50mm(高さ)
金型温度:35℃
金型材質:アルミ
ミキシング方法:高圧ウレタン発泡機(ポリマーエンジニアリング社製)ポリオールプレミックスとイソシアネートとを12MPaで混合
実施例58〜76及び比較例15〜19における硬質ポリウレタンフォームの原料は、前述の実施例及び比較例で示した物と同様の物を使用し、それ以外の物は次の通りである。
1.触媒
触媒−4:サンアプロ株式会社製「U−CAT 1000」(アミン系触媒)
2.整泡剤
整泡剤−3:東レダウコーニング株式会社製「SF−2936F」
3.有機イソシアネート成分(D−3)
日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネート MR−200」(ポリメリックMDI)
4.ポリオール
(1)ポリオール(P−8):エチレンジアミンにPOとEOをブロック付加させて得られた平均官能基数4、水酸基価820、EO単位の合計=37%、水酸基価820のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール
(2)ポリオール(P−9):グリセリン、ショ糖、トリエチルアミンの混合物にPOを付加させて得られた平均官能基数4.6、水酸基価450のポリオキシプロピレンポリオール
5.難燃剤
難燃剤−1:大八化学工業株式会社製「TMCPP」(トリス(β−クロロプロピルホスフェート
6.発泡剤
発泡剤−1:セントラル硝子株式会社製「HFC−245fa」(1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパン)
各項目の測定方法は下記の通りである。得られた結果を表23〜表26に示す。
密度 :JIS A9511に準拠、単位はkg/m3
圧縮強さ:JIS A9511に準拠、単位はkPa
Figure 2012251027
表3において、本発明実施例58〜76のウレタンフォームは、比較例15〜19のウレタンフォームよりも、フォーム物性、特に圧縮強さが向上している。
本発明のポリウレタンフォームは、車両座席用、家具用、建材用、寝具用、アパレル用、電気機器用、電子機器用、包装用、その他用途(サニタリー用品、化粧用品)等のポリウレタンフォームのあらゆる用途で好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表され、芳香環上の水素原子(a)であって、この水素原子(a)が結合した芳香環の炭素に隣接する二つの炭素にカルボニル基が結合している水素原子(a)を分子中に2つ有し、数平均分子量が250〜800であるポリウレタンフォーム製造用強度向上剤(A)。
    Figure 2012251027
    [一般式(I)中、R1は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表す。複数のR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。;Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)からカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環は炭素原子から構成される。;aは2≦a≦(芳香環置換基数−2)を満たす整数である。;Zはm価以上の活性水素含有化合物からm個の活性水素を除いた残基を表す。;R1とZは同一であっても異なっていても構わない。;mは1又は2の整数を表す。]
  2. 請求項1に記載の強度向上剤(A)及びポリオール(P)を含有してなるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(H)。
  3. ポリオール組成物(H)の重量を基準とする強度向上剤(A)の含有量が、0.1重量%以上100重量%未満である請求項2に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  4. 請求項1に記載の強度向上剤(A)と、有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 請求項2又は3に記載のポリオール組成物(H)と、有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームの製造方法。
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