JP2012249382A - 電動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動モータに過大な負荷をかけずに運転者に適度な減速感を与えることで、駆動モータの駆動方向を切替える操作が行われたことを運転者に認識させることができる技術を提供する。
【解決手段】設定車速以上のときに電動車両1の進行方向の切替操作が行われたときには、駆動モータMは、電動車両1の進行方向と反対方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値に基づいて制御される。したがって、駆動モータMは、電動車両1の進行方向と反対方向に駆動されるが、出力が抑制されて駆動される分、駆動モータMに過大な負荷がかかることを防止できると共に、運転者に、所謂、エンジンブレーキのような適度な減速感を与えることでき、駆動モータMの駆動方向の切替操作が行われたことを運転者に認識させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】設定車速以上のときに電動車両1の進行方向の切替操作が行われたときには、駆動モータMは、電動車両1の進行方向と反対方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値に基づいて制御される。したがって、駆動モータMは、電動車両1の進行方向と反対方向に駆動されるが、出力が抑制されて駆動される分、駆動モータMに過大な負荷がかかることを防止できると共に、運転者に、所謂、エンジンブレーキのような適度な減速感を与えることでき、駆動モータMの駆動方向の切替操作が行われたことを運転者に認識させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、走行の駆動源となる駆動モータを備える電動車両に関する。
従来、電動車両では、所謂、ニュートラルが無い状態で、駆動モータが駆動輪に直接、あるいは、減速ギアを介して駆動輪に直結されており、駆動モータの駆動方向が切替えられることで電動車両の進行方向が切替えられる。すなわち、電動車両は、従来のガソリンエンジン車両と同様に、車両の進行方向(駆動モータの駆動方向)を決定するためのシフトレバーを備えており、電動車両が備える駆動モータは、シフトレバーのレンジ位置に応じた駆動方向に、アクセル開度やブレーキの操作量に応じた出力(トルク)で駆動される。
また、従来の電動車両では、運転者によりシフトレバーのレンジ位置が、前進(D)レンジから後退(R)レンジに切替えられたり(D→R切替操作)、後退(R)レンジから前進(D)レンジに切替えられたりして(R→D切替操作)、電動車両の進行方向の変更を伴うシフトレバーの切替操作が行われた場合であっても、シフトレバーのレンジ位置の切替操作が行われると直ちに駆動モータの駆動方向が反転する。
この場合、電動車両がある程度以上の車速で前進または後退しているのにも関わらず、駆動モータの駆動方向を反転させるシフトレバーの切替操作が行われると、電動車両の進行方向と駆動モータの駆動方向とが異なる状態となるため、過大なモータブレーキ状態および過大な回生状態となり、変速フィーリングが低下するだけでなく、駆動モータの耐久性が劣化する。そこで、特許文献1に記載の電動車両では、車速の大きさが設定車速(インヒビット車速)以上である場合に駆動モータの駆動方向を反転させるシフトレバーの切替操作が行われたときは、駆動モータのトルクをゼロとする出力指令値を出力することで、駆動モータが、過大なモータブレーキ状態をとなることを防止する技術が提案されている。なお、「設定車速(インヒビット車速)」とは、車速がほぼゼロ(停止状態)に近いと認識し、駆動モータの駆動方向の反転を伴うシフトレバーのレンジ位置の切替操作を許可する車速の閾値である。
上記した従来の電動車両では、車速が設定車速以上である状態において、D→R切替操作やR→D切替操作が行われた場合に、駆動モータのトルク指令が停止し、駆動モータは惰性で回転またはつれ回る状態となる。したがって、電動車両の進行方向と逆の方向へ駆動モータを駆動するシフトレバーの切替操作が行われているのにも関わらず、シフトレバーの切替操作時の進行方向への慣性による電動車両の移動が継続して電動車両は減速状態とならず、運転者は電動車両の減速感を感じることがない。また、電動車両では、ガソリンエンジン車両のようにエンジンの空転減速音や振動も発生しない。したがって、電動車両の進行方向を切替えるシフトレバーの切替操作が行われているのにも関わらず、運転者が、シフトレバーの切替操作が行われていないと錯覚するおそれがあった。
この発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、駆動モータに過大な負荷をかけずに運転者に適度な減速感を与えることで、駆動モータの駆動方向を切替える操作が行われたことを運転者に認識させることができる技術を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の電動車両は、走行の駆動源となる駆動モータと、車速を検出する車速検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、前記駆動モータの駆動方向を切替えるための切替操作手段と、前記検出された車速および前記アクセル開度に基づいた前記駆動モータの出力指令値を出力する出力指令値出力手段と、前記出力された出力指令値に基づいて前記駆動モータを制御する制御手段とを備えた電動車両であって、前記出力指令値出力手段は、前記車速の大きさが予め設定された設定車速以上であり、前記駆動方向の切替操作が行われることを条件に、前記駆動モータに対し、当該切替操作に応じた駆動方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値を出力することを特徴としている(請求項1)。
また、請求項1に記載の電動車両において、ブレーキの操作量を検出するブレーキ操作量検出手段をさらに備え、前記出力指令値出力手段による前記出力指令値は、前記ブレーキ操作量検出手段によるブレーキ操作量に応じた値であることを特徴としている(請求項2)。
請求項1の発明によれば、車速検出手段により検出された車速およびアクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度に基づく駆動モータの出力指令値が出力指令値出力手段により出力されて、出力された出力指令値に基づいて駆動モータが制御手段により制御される。また、車速の大きさが予め設定された設定車速以上であり、切替操作手段による駆動方向の切替操作が行われることを条件に、駆動モータに対し、当該切替操作に応じた駆動方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値が出力指令値出力手段により出力される。
詳細には、切替操作手段により、車速が設定車速以上である状態において車両の進行方向(駆動モータの駆動方向)を切替える切替操作が行われたときには、駆動モータは、当該切替操作に応じた駆動方向、すなわち現在の車両の進行方向とは反対の方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値に基づいて制御される。したがって、駆動モータは、現在の車両の進行方向と反対の方向に駆動されるが、出力が抑制されて駆動される分、駆動モータに過大な負荷がかかることを防止することができる。また、駆動モータが現在の車両の進行方向と反対方向に駆動されるため、運転者に、所謂、エンジンブレーキのような適度な減速感を与えることができ、駆動モータの駆動方向の切替操作が行われたことを運転者に認識させることができる。
請求項2の発明によれば、出力指令値出力手段による出力指令値は、ブレーキ操作量検出手段によるブレーキ操作量に応じた値であるため、例えば、駆動モータが、車両の進行方向とは逆方向に駆動されるときに、ブレーキ操作量に応じた値の出力指令値が駆動モータに対して出力されるので、より適切な減速感を運転者に与えることができる。
<一実施形態>
本発明の一実施形態について図1〜5を参照して説明する。
本発明の一実施形態について図1〜5を参照して説明する。
図1は本発明の電動車両の一実施形態のブロック図である。図2はD→R切替操作が実行されたときの出力指令値の一例を示す図である。図3は図2中のD→R切替用中間マップを示す図である。図4はR→D切替操作が実行されたときの出力指令値の一例を示す図である。図5は出力指令値出力処理を示すフローチャートである。
1.構成
図1に示すように、本発明の電動車両1は、走行の駆動源となる駆動モータMと、車速センサ2と、アクセル開度センサ3と、ブレーキ操作量センサ4と、シフトレバー5と、記憶手段6と、出力指令値出力手段7と、モータ制御手段8とを備え、車速やアクセル開度、ブレーキ操作量、シフトレバー5による走行レンジの選択状態などの情報に基づいて、駆動モータMの出力(トルク)を決定する出力指令値が出力指令値出力手段7により出力され、該出力指令値に基づいてモータ制御手段8により駆動モータMが駆動される。
図1に示すように、本発明の電動車両1は、走行の駆動源となる駆動モータMと、車速センサ2と、アクセル開度センサ3と、ブレーキ操作量センサ4と、シフトレバー5と、記憶手段6と、出力指令値出力手段7と、モータ制御手段8とを備え、車速やアクセル開度、ブレーキ操作量、シフトレバー5による走行レンジの選択状態などの情報に基づいて、駆動モータMの出力(トルク)を決定する出力指令値が出力指令値出力手段7により出力され、該出力指令値に基づいてモータ制御手段8により駆動モータMが駆動される。
駆動モータMは、電動車両1の駆動輪に減速ギアを介して直結される。また、駆動モータMにはインバータ(図示省略)が設けられており、電源としての車載のバッテリ(図示省略)がインバーターに接続されている。そして、出力指令値出力手段7により出力された出力指令値に基づいて、インバータを形成する各半導体スイッチ素子(IGBT等)がモータ制御手段8によりPWM制御されて、駆動モータMは出力指令値相当のトルクを発生するように駆動制御される。なお、駆動モータMは、減速ギアを介さずに電動車両1の駆動輪に直結されてもよい。
車速センサ2(本発明の「車速検出手段」に相当)は、駆動モータMの回転数などに基づいて電動車両1の車速を検出する。アクセル開度センサ3(本発明の「アクセル開度検出手段」に相当)は、運転者によるアクセルペダル(図示省略)の踏込み量に基づいてアクセル開度を検出する。すなわち、アクセル開度センサ3は、アクセルオフ状態を0%、アクセル全開状態を100%として、運転者によるアクセルペダルの踏込み量に比例した値のアクセル開度を検出する。
ブレーキ操作量センサ4(本発明の「ブレーキ操作量検出手段」に相当)は、運転者によるブレーキ(図示省略)の操作量を検出する。すなわち、ブレーキ操作量センサ4は、ブレーキが備える油圧シリンダの液圧を検出する液圧センサを備え、液圧センサによる検出液圧に基づいて、運転者によりブレーキペダルが踏込まれることによるブレーキ操作量を検出する。なお、油圧シリンダの液圧を検出する液圧センサに換えてブレーキペダルの変位量を検出するセンサを備え、ブレーキペダルの変位量により運転者によるブレーキ操作量を検出してもよい。
シフトレバー5(本発明の「切替操作手段」に相当)は、駆動モータMの駆動方向(駆動状態)を切替えるために運転者により操作されるものであり、この実施形態では、駆動モータMの駆動状態を、ロー(L)レンジ、前進(D)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、パーキング(P)レンジ、後退(R)レンジの間で切替えるように構成されている。なお、シフトレバー5により選択されたレンジ位置は、シフトセンサにより検出される。
記憶手段6は、各種メモリやハードディスクドライブなどを備え、シフトレバー5により選択されているレンジ位置に関する情報や、駆動モータMの出力(トルク)を決定するためのトルクマップ、駆動モータの駆動方向を反転させるシフトレバー5の切替操作が行われたときに駆動モータMの出力を決定するため中間マップなど、各種データを格納する。
トルクマップは、車速センサ2により検出される車速(駆動モータMの回転数)、アクセル開度センサ3により検出されるアクセル開度およびブレーキ操作量センサ4により検出されるブレーキ操作量に基づいて、駆動モータMに発生させる出力(トルク)を決定するためのマップであり、シフトレバー5により選択される各レンジ位置ごとのトルクマップが記憶手段6に格納されている。
中間マップは、車速、アクセル開度およびブレーキ操作量に基づいて、駆動モータMの駆動方向を反転させるシフトレバー5の切替操作が行われたときに駆動モータMに発生させる出力を決定するためのマップであり、シフトレバー5によるD→R切替操作およびR→D切替操作のそれぞれに対応した中間マップが記憶手段6に格納されている。なお、駆動モータMの出力を決定するためのトルクマップおよび中間マップについては後で詳細に説明する。
出力指令値出力手段7は、車速センサ2により検出される車速、アクセル開度センサ3により検出されるアクセル開度、ブレーキ操作量センサ4により検出されるブレーキ操作量およびシフトレバー5により選択されているレンジ位置に基づいて、記憶手段6に格納されたトルクマップまたは中間マップを参照して、駆動モータMに発生させる出力(トルク)を決定する出力指令値を出力する。
具体的には、マイクロコンピュータ構成の出力指令値出力手段7は各種プログラムを実行することにより、シフトセンサの検出信号に基づいてシフトレバー5に選択されているレンジ位置をレンジ位置取得部7aにより取得し、車速センタ2の検出信号に基づいて電動車両1の車速(駆動モータMの回転数)を車速取得部7bにより取得する。また、出力指令値出力手段7は、アクセル開度センサ3の検出信号に基づいてアクセル開度をアクセル開度取得部7cにより取得し、ブレーキ操作量センサ4の検出信号に基づいてブレーキ操作量をブレーキ操作量取得部7dにより取得する。
そして、取得された、車速、アクセル開度、ブレーキ操作量およびシフトレバー5のレンジ位置に基づいて、記憶手段6に格納されたトルクマップまたは中間マップを参照し、駆動モータMに発生させるトルクを決定する出力指令値を出力指令部7eにより取得して、取得した出力指令値をモータ制御部8に出力する。
モータ制御部8は、出力指令値出力手段7により出力された出力指令値に基づいて、駆動モータMに設けられたインバータをPWM制御することにより駆動モータMを制御する。なお、出力指令値出力手段7から、電動車両1の進行方向と異なる方向に駆動モータMを駆動させる、すなわち、現在の駆動モータMの駆動方向を反転させる出力指令値が出力されたときには、モータ制御部8は、インバータの制御状態を切替え、駆動モータMを、所謂、回生ブレーキ状態で駆動する。そして、回生状態で駆動された駆動モータMにより発電された交流電流はインバータにより直流電流に変換されて、バッテリに充電される。
2.トルクマップおよび中間マップ
次に、図2〜4を参照して、駆動モータMの出力(トルク)を決定するために記憶手段6に格納されるトルクマップおよび中間マップについて説明する。
次に、図2〜4を参照して、駆動モータMの出力(トルク)を決定するために記憶手段6に格納されるトルクマップおよび中間マップについて説明する。
(1)トルクマップ
トルクマップは、駆動モータMの出力(トルク)を、車速(駆動モータMの回転数)、アクセル開度およびブレーキ操作量に基づいて決定するためのマップであり、シフトレバー5により選択されて駆動モータMの駆動状態を決定する各レンジごとのトルクマップが記憶手段6に格納されている。
トルクマップは、駆動モータMの出力(トルク)を、車速(駆動モータMの回転数)、アクセル開度およびブレーキ操作量に基づいて決定するためのマップであり、シフトレバー5により選択されて駆動モータMの駆動状態を決定する各レンジごとのトルクマップが記憶手段6に格納されている。
なお、シフトレバー5によりLレンジおよびDレンジが選択されたときの駆動モータMの駆動状態は共に電動車両1を前進させるものであり、その大きな違いは車速およびアクセル開度に基づいて決定される駆動モータMのトルクの大きさのみであるため、Dレンジ用トルクマップの説明を行うことで、Lレンジ用トルクマップの説明は省略する。また、シフトレバー5によりNレンジおよびPレンジが選択された場合には、アクセル開度およびブレーキ操作量に関わらず、駆動モータMの出力をゼロとする出力指令値が出力指令値出力手段7により出力されるため、Nレンジ用トルクマップおよびPレンジ用トルクマップの説明は省略する。
a)Dレンジ用トルクマップ
Dレンジ用トルクマップは、シフトレバー5によりDレンジが選択されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、基本的に、駆動モータMに正のトルク(前進トルク)を発生させて電動車両1を前進させるために使用される。図2,4に示すように、Dレンジ用トルクマップは、アクセル開度(0〜100%)ごとに、車速(駆動モータMの回転数)と駆動モータMに発生させるトルク(出力指令値)との関係が設定されたトルク曲線を備えている。なお、図2,4では、アクセル開度が0%および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のアクセル開度におけるトルク曲線は図示省略されている。
Dレンジ用トルクマップは、シフトレバー5によりDレンジが選択されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、基本的に、駆動モータMに正のトルク(前進トルク)を発生させて電動車両1を前進させるために使用される。図2,4に示すように、Dレンジ用トルクマップは、アクセル開度(0〜100%)ごとに、車速(駆動モータMの回転数)と駆動モータMに発生させるトルク(出力指令値)との関係が設定されたトルク曲線を備えている。なお、図2,4では、アクセル開度が0%および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のアクセル開度におけるトルク曲線は図示省略されている。
したがって、例えば、レンジ位置取得部7aにより取得されたシフトレバー5のレンジ位置がDレンジであり、車速取得部7bにより取得された車速がa(km/h)、アクセル開度取得部7cにより取得されたアクセル開度がx%である場合に、Dレンジ用トルクマップからアクセル開度がx%に相当するトルク曲線が選択されて、車速a(km/h)に対応するトルク値Naが出力指令値として出力指令値取得部7eにより取得される。
なお、図2,4に示すDレンジ用トルクマップでは、アクセル開度が0%に近い状態における高速領域に対応するトルク値が負に設定されている。これは、運転者によりアクセルオフされたときに、駆動モータMを電動車両1の進行方向と異なる方向に反転させる出力指令値をモータ制御手段8に出力して駆動モータMを回生状態とすることで、駆動モータMの回転方向と反対方向への回生トルクを発生させて、所謂、ガソリンエンジン車両におけるエンジンブレーキと同様のモータブレーキを発生させて、電動車両1を減速させるためである。
また、図2,4に示すDレンジ用トルクマップでは、アクセル開度が0%に近い状態における低速領域において、車速が0(km/h)に近づくに連れてトルク値が正に増大するようにトルク曲線が設定されている。これは、車速が0(km/h)に近い低速状態において、アクセル開度が小さいにも関わらず駆動モータMを比較的高トルクで駆動することにより、所謂、ガソリンエンジン車両におけるクリープ現象と同様の現象を電動車両1に発生させるためである。
また、電動車両1を前進させるときに選択されるDレンジにおいて参照されるDレンジ用トルクマップであるのにも関わらず、車速が0(km/h)よりも小さい負の領域において正のトルクが設定されているのは、例えば坂道などで電動車両1が後退したときに駆動モータMを正(前進)のトルクで駆動するためである。
また、図2,4に示すDレンジ用トルクマップは、アクセル開度が0%の状態において運転者によりブレーキペダルが操作されたときに、駆動モータMにさらに高出力の負の回生トルクを発生させるトルク曲線を、ブレーキ操作量(0〜100%)ごとに備えている。なお、図2,4では、ブレーキ操作量が0%(アクセル開度が0%のときのトルク曲線)および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のブレーキ操作量におけるトルク曲線は図示省略されている。
このように構成すると、出力指令値出力手段7により駆動モータMを駆動するために出力される出力指令値は、ブレーキ操作量取得部7d(ブレーキ操作量センサ4)により取得されたブレーキ操作量に応じた値となる。すなわち、ブレーキ操作量に応じた大きさの出力指令値が、出力指令値出力手段7から駆動モータMを反転させためにモータ制御手段8に出力されて駆動モータMが回生状態となる。したがって、ブレーキ操作量に応じた大きさの回生トルクが発生するように駆動モータMを電動車両1の進行方向と反対方向に駆動することができ、運転者によるブレーキの操作感覚により近い状態で電動車両1を減速することができる。
なお、図2,4に示すDレンジ用トルクマップでは、車速が0(km/h)に近い領域において、運転者によりブレーキが操作されているときのトルク値がゼロとなるようトルク曲線が設定されている。これは、駆動モータMを電動車両1の後退方向に駆動する回生トルクにより、シフトレバー5によりDレンジが選択されているのにも関わらず、電動車両1が後退することを防止するためである。
b)Rレンジ用トルクマップ
Rレンジ用トルクマップは、シフトレバー5によりRレンジが選択されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、基本的に、駆動モータMに負のトルク(後退トルク)を発生させて電動車両1を後退させるために使用される。図2,4に示すように、Rレンジ用トルクマップは、アクセル開度(0〜100%)ごとに、車速(駆動モータMの回転数)と駆動モータMに発生させるトルク(出力指令値)との関係が設定されたトルク曲線を備えている。なお、図2,4では、アクセル開度が0%および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のアクセル開度におけるトルク曲線は図示省略されている。
Rレンジ用トルクマップは、シフトレバー5によりRレンジが選択されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、基本的に、駆動モータMに負のトルク(後退トルク)を発生させて電動車両1を後退させるために使用される。図2,4に示すように、Rレンジ用トルクマップは、アクセル開度(0〜100%)ごとに、車速(駆動モータMの回転数)と駆動モータMに発生させるトルク(出力指令値)との関係が設定されたトルク曲線を備えている。なお、図2,4では、アクセル開度が0%および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のアクセル開度におけるトルク曲線は図示省略されている。
したがって、例えば、レンジ位置取得部7aにより取得されたシフトレバー5のレンジ位置がRレンジであり、車速取得部7bにより取得された車速がb(km/h)、アクセル開度取得部7cにより取得されたアクセル開度がy%である場合に、Rレンジ用トルクマップからアクセル開度がy%に相当するトルク曲線が選択されて、車速b(km/h)に対応するトルク値Nbが出力指令値として出力指令値取得部7eにより取得される。
なお、図2,4に示すRレンジ用トルクマップでは、アクセル開度が0%に近い状態における高速領域に対応するトルク値が正に設定されている。これは、運転者によりアクセルオフされたときに、駆動モータMを電動車両1の進行方向と異なる方向に反転させる出力指令値をモータ制御手段8に出力して駆動モータMを回生状態とすることで、駆動モータMの回転方向と反対方向への回生トルクを発生させて、所謂、ガソリンエンジン車両におけるエンジンブレーキと同様のモータブレーキを発生させて、電動車両1を減速させるためである。
また、図2,4に示すRレンジ用トルクマップでは、アクセル開度が0%に近い状態における低速領域において、車速が0(km/h)に近づくに連れてトルク値が負に増大するようにトルク曲線が設定されている。これは、車速が0(km/h)に近い低速状態において、アクセル開度が小さいにも関わらず駆動モータMを比較的高トルクで駆動することにより、所謂、ガソリンエンジン車両におけるクリープ現象と同様の現象を電動車両1に発生させるためである。
また、電動車両1を後退させるときに選択されるRレンジにおいて参照されるRレンジ用トルクマップであるのにも関わらず、車速が0(km/h)よりも大きい正の領域において負のトルクが設定されているのは、例えば坂道などで電動車両1が前進したときに駆動モータMを負(後退)のトルクで駆動するためである。
また、図2,4に示すRレンジ用トルクマップは、アクセル開度が0%の状態において運転者によりブレーキペダルが操作されたときに、駆動モータMにさらに高出力の正の回生トルクを発生させるトルク曲線を、ブレーキ操作量(0〜100%)ごとに備えている。なお、図2,4では、ブレーキ操作量が0%(アクセル開度が0%のときのトルク曲線)および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のブレーキ操作量におけるトルク曲線は図示省略されている。
このように構成すると、出力指令値出力手段7により駆動モータMを駆動するために出力される出力指令値は、ブレーキ操作量取得部7d(ブレーキ操作量センサ4)により取得されたブレーキ操作量に応じた値となる。すなわち、ブレーキ操作量に応じた大きさの出力指令値が、出力指令値出力手段7から駆動モータMを反転させためにモータ制御手段8に出力されて駆動モータMが回生状態となる。したがって、ブレーキ操作量に応じた大きさの回生トルクが発生するように駆動モータMを電動車両1の進行方向と反対方向に駆動することができ、運転者によるブレーキの操作感覚により近い状態で電動車両1を減速することができる。
なお、図2,4に示すRレンジ用トルクマップでは、車速が0(km/h)に近い領域において、運転者によりブレーキが操作されているときのトルク値がゼロとなるようトルク曲線が設定されている。これは、駆動モータMを電動車両1の前進方向に駆動する回生トルクにより、シフトレバー5によりRレンジが選択されているのにも関わらず、電動車両1が前進することを防止するためである。
(2)中間マップ
中間マップは、車速の大きさが予め設定された設定車速(インヒビット車速)以上であるときに、駆動モータMの駆動方向を反転させるシフトレバー5の切替操作が行われたとき、すなわち、車速の大きさが予め設定された設定車速以上であるのにも関わらず電動車両1の進行方向を切替えるシフトレバー5の切替操作が行われたときに、駆動モータMの出力(トルク)を、車速(駆動モータMの回転数)およびブレーキ操作量に基づいて決定するためのマップであり、D→R切替用中間マップおよびR→D切替用中間マップが記憶手段6に格納されている。
中間マップは、車速の大きさが予め設定された設定車速(インヒビット車速)以上であるときに、駆動モータMの駆動方向を反転させるシフトレバー5の切替操作が行われたとき、すなわち、車速の大きさが予め設定された設定車速以上であるのにも関わらず電動車両1の進行方向を切替えるシフトレバー5の切替操作が行われたときに、駆動モータMの出力(トルク)を、車速(駆動モータMの回転数)およびブレーキ操作量に基づいて決定するためのマップであり、D→R切替用中間マップおよびR→D切替用中間マップが記憶手段6に格納されている。
すなわち、車速の大きさが予め設定された設定車速以上であり、駆動モータMの駆動方向の切替操作が行われることを条件に、D→R切替用中間マップまたはR→D切替用中間マップが出力指令値出力手段7により参照されて、駆動モータMに対し、シフトレバー5の切替操作に応じた駆動方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値が出力される。したがって、駆動モータMを電動車両1の進行方向と異なる方向に反転させる出力指令値が、駆動モータMの出力がゼロではない所定範囲の値に抑制された状態でモータ制御手段8に出力されて駆動モータMが回生状態となり、駆動モータMの回転方向と反対方向への回生トルクが発生するため、電動車両1は緩やかに減速する。
なお、この実施形態では、シフトレバー5がDレンジまたはLレンジからRレンジに切替操作されたときには、同一のD→R切替用中間マップが出力指令値出力手段7により参照される。また、シフトレバー5がRレンジからDレンジまたはLレンジに切替操作されたときには、同一のR→D切替用中間マップが出力指令値出力手段7により参照される。したがって、以下では、D→R切替用中間マップおよびR→D切替用中間マップの説明のみ行う。なお、以下で説明するD→R切替用中間マップおよびR→D切替用中間マップと同様に、L→R切替用中間マップおよびR→L切替用中間マップを記憶手段6に格納し、シフトレバー5がLレンジからRレンジに切替操作されたときや、シフトレバー5がRレンジからLレンジに切替操作されたときに出力指令値出力手段7により参照されるようにしてもよい。
c)D→R切替用中間マップ
D→R切替用中間マップは、車速の大きさが予め設定された設定車速p(例えば|±5|km/h)以上で電動車両1が前進しているときに、シフトレバー5によりDレンジまたはLレンジからRレンジに切替操作されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、駆動モータMに負のトルク(後退トルク)を発生させて、電動車両1を車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなるまで緩やかに減速させるために使用される。なお、D→R切替操作またはL→R切替操作が行われた後、D→R切替用中間マップを参照することによる回生トルクにより電動車両1の車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなれば、出力指令値出力手段7は、D→R切替用中間マップの参照を中断すると共に、以降はRレンジ用トルクマップを参照する。
D→R切替用中間マップは、車速の大きさが予め設定された設定車速p(例えば|±5|km/h)以上で電動車両1が前進しているときに、シフトレバー5によりDレンジまたはLレンジからRレンジに切替操作されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、駆動モータMに負のトルク(後退トルク)を発生させて、電動車両1を車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなるまで緩やかに減速させるために使用される。なお、D→R切替操作またはL→R切替操作が行われた後、D→R切替用中間マップを参照することによる回生トルクにより電動車両1の車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなれば、出力指令値出力手段7は、D→R切替用中間マップの参照を中断すると共に、以降はRレンジ用トルクマップを参照する。
図2,3に示すように、この実施形態のD→R切替用中間マップは、Dレンジ用トルクマップの、アクセル開度が0%のときに選択されるトルク曲線およびブレーキ操作量(0〜100%)ごとに設定されたトルク曲線の一部を利用して形成されている。なお、図2,3では、ブレーキ操作量が0%(アクセル開度が0%)のときのトルク曲線および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のブレーキ操作量におけるトルク曲線は図示省略されている。
また、D→R切替用中間マップは、D→R切替操作またはL→R切替操作が行われたときに、車速が設定速度pよりも小さくなるまで電動車両1を減速させるために出力指令値出力手段7により参照されるものであるため、図3に示すように、駆動モータMが正(前進)のトルクを発生しないように、D→R切替用中間マップの領域Aは出力がゼロに設定されている。したがって、D→R切替用中間マップに基づく電動車両1の減速中に、駆動モータMが正(前進)のトルクを発生するのが防止される。なお、この実施形態では、D→R切替用中間マップに基づく電動車両1の減速中に運転者によるアクセル操作が行われたとしても、運転者のアクセル操作は無視されるため、電動車両1の減速中に駆動モータMが正のトルクを発生するおそれがない。
また、図3に示すように、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなり、出力指令値出力手段7により参照されるマップがD→R切替用中間マップからRレンジ用トルクマップに切替わるときに、D→R切替用中間マップにおいて運転者がブレーキを操作することで出力される出力指令値による駆動モータMの回生トルク(後退トルク)が残存しないように、D→R切替用中間マップの設定車速pより小さい領域Bでは出力がゼロに設定されている。したがって、D→R切替用中間マップに基づく電動車両1の減速中に、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなり、出力指令値出力手段7により参照されるマップがD→R切替用中間マップからRレンジ用トルクマップに切替わるときに、D→R切替用中間マップにおける運転者のブレーキ操作に基づく回生トルク(後退トルク)が残存することにより、ブレーキ操作が行われているのにも関わらず電動車両1が後退するのが防止される。
したがって、図2に示すように、例えば、レンジ位置取得部7aにより取得されたシフトレバー5のレンジ位置がDレンジであり、車速取得部7bにより取得された車速がa(km/h)(|a|≧p)、アクセル開度取得部7cにより取得されたアクセル開度がx%である場合に、シフトレバー5のD→R切替操作が行われると、D→R切替用中間マップが参照される。このとき、ブレーキ操作量取得部7dにより取得されたブレーキ操作量が0%であれば、D→R切替用中間マップからブレーキ操作量が0%(アクセル開度が0%)のトルク曲線が選択されて、車速a(km/h)に対応する負(後退)のトルク値が出力指令値取得部7eにより取得される。そして、出力指令値取得部7eにより取得された負のトルク値がモータ制御手段8に出力されることにより、駆動モータMは負のトルク(回生トルク)を発生するように制御され、電動車両1の緩やかな減速が開始される。
そして、図2に示すように、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなるまで、ブレーキ操作量および車速に基づいてD→R切替用中間マップから負のトルクが出力指令値取得部7eにより取得されて、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなれば、D→R切替用中間マップに基づく電動車両1の減速が中断されて、以降はRレンジ用トルクマップが出力指令値出力手段7により参照される。
なお、D→R切替操作またはL→R切替操作が行われたときに、車速取得部7bにより取得された車速の大きさが設定車速pよりも小さければ、D→R切替用中間マップの参照は行われずに、Rレンジ用トルクマップが出力指令値出力手段7により参照される。
d)R→D切替用中間マップ
R→D切替用中間マップは、車速の大きさが予め設定された設定車速p(例えば|±5|km/h)以上で電動車両1が後退しているときに、シフトレバー5によりRレンジからDレンジまたはLレンジに切替操作されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、駆動モータMに正のトルク(前進トルク)を発生させて、電動車両1を車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなるまで緩やかに減速させるために使用される。なお、R→D切替操作またはR→L切替操作が行われた後、R→D切替用中間マップを参照することによる回生トルクにより電動車両1の車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなれば、出力指令値出力手段7は、R→D切替用中間マップの参照を中断すると共に、以降はDレンジ用トルクマップまたはLレンジ用トルクマップを参照する。
R→D切替用中間マップは、車速の大きさが予め設定された設定車速p(例えば|±5|km/h)以上で電動車両1が後退しているときに、シフトレバー5によりRレンジからDレンジまたはLレンジに切替操作されたときに出力指令値出力手段7(出力指令値取得部7e)により参照されるものであり、駆動モータMに正のトルク(前進トルク)を発生させて、電動車両1を車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなるまで緩やかに減速させるために使用される。なお、R→D切替操作またはR→L切替操作が行われた後、R→D切替用中間マップを参照することによる回生トルクにより電動車両1の車速の大きさが予め設定された設定車速pよりも小さくなれば、出力指令値出力手段7は、R→D切替用中間マップの参照を中断すると共に、以降はDレンジ用トルクマップまたはLレンジ用トルクマップを参照する。
図4に示すように、この実施形態のR→D切替用中間マップは、Rレンジ用トルクマップの、アクセル開度が0%のときに選択されるトルク曲線およびブレーキ操作量(0〜100%)ごとに設定されたトルク曲線の一部を利用して形成されている。なお、図4では、ブレーキ操作量が0%(アクセル開度が0%)のときのトルク曲線および100%のときのトルク曲線のみ図示されており、その他のブレーキ操作量におけるトルク曲線は図示省略されている。
また、R→D切替用中間マップは、R→D切替操作またはR→L切替操作が行われたときに、車速が設定速度pよりも小さくなるまで電動車両1を減速させるために出力指令値出力手段7により参照されるものであるため、図3に示すD→R切替用中間マップと同様に、駆動モータMが負(後退)のトルクを発生しないように、R→D切替用中間マップの負のトルク領域では出力がゼロに設定されている。したがって、R→D切替用中間マップに基づく電動車両1の減速中に、駆動モータMが負(後退)のトルクを発生するのが防止される。なお、この実施形態では、R→D切替用中間マップに基づく電動車両1の減速中に運転者によるアクセル操作が行われたとしても、運転者のアクセル操作は無視されるため、電動車両1の減速中に駆動モータMが負のトルクを発生するおそれがない。
また、図3に示すD→R切替用マップと同様に、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなり、出力指令値出力手段7により参照されるマップがR→D切替用中間マップからDレンジ用トルクマップまたはLレンジ用トルクマップに切替わるときに、R→D切替用中間マップにおいて運転者がブレーキを操作することで出力される出力指令値による駆動モータMの回生トルク(前進トルク)が残存しないように、R→D切替用中間マップの設定車速pより小さい領域では出力がゼロに設定されている。したがって、R→D切替用中間マップに基づく電動車両1の減速中に、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなり、出力指令値出力手段7により参照されるマップがR→D切替用中間マップからDレンジ用トルクマップに切替わるときに、D→R切替用中間マップにおける運転者のブレーキ操作に基づく回生トルク(前進トルク)が残存することにより、ブレーキ操作が行われているのにも関わらず電動車両1が前進するのが防止される。
したがって、図4に示すように、例えば、レンジ位置取得部7aにより取得されたシフトレバー5のレンジ位置がRレンジであり、車速取得部7bにより取得された車速がb(km/h)(|b|≧p)、アクセル開度取得部7cにより取得されたアクセル開度がy%である場合に、シフトレバー5のR→D切替操作が行われると、R→D切替用中間マップが参照される。このとき、ブレーキ操作量取得部7dにより取得されたブレーキ操作量が0%であれば、R→D切替用中間マップからブレーキ操作量が0%(アクセル開度が0%)のトルク曲線が選択されて、車速b(km/h)に対応する正(前進)のトルク値が出力指令値取得部7eにより取得される。そして、出力指令値取得部7eにより取得された正のトルク値がモータ制御手段8に出力されることにより、駆動モータMは正のトルク(回生トルク)を発生するように制御され、電動車両1の緩やかな減速が開始される。
そして、図4に示すように、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなるまで、ブレーキ操作量および車速に基づいてR→D切替用中間マップから正のトルクが出力指令値取得部7eにより取得されて、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなれば、R→D切替用中間マップに基づく電動車両1の減速が中断されて、以降はDレンジ用トルクマップが出力指令値出力手段7により参照される。
なお、R→D切替操作またはR→L切替操作が行われたときに、車速取得部7bにより取得された車速の大きさが設定車速pよりも小さければ、R→D切替用中間マップの参照は行われずに、Dレンジ用トルクマップまたはLレンジ用トルクマップが出力指令値出力手段7により参照される。
3.出力指令値出力処理
次に、図5を参照して、駆動モータMの出力を決定する出力指令値出力処理について説明する。なお、図5に示す出力指令値出力処理は、50ms〜100msの間隔で実行される割込処理である。
次に、図5を参照して、駆動モータMの出力を決定する出力指令値出力処理について説明する。なお、図5に示す出力指令値出力処理は、50ms〜100msの間隔で実行される割込処理である。
まず、レンジ位置取得部7aによりシフトレバー5によるレンジ位置の選択状態が取得されて(ステップS1)、シフトレバー5のレンジ位置が確認される(ステップS2)。ステップS2において確認されたシフトレバー5のレンジ位置が、Lレンジ、DレンジおよびRレンジのいずれかであれば、記憶手段6に格納されている前回のレンジ位置と比較することにより、シフトレバー5による切替操作が行われたかどうかが判定される(ステップS3)。
シフトレバー5による切替操作が行われていなければ(ステップS3でYES)、シフトレバー5により選択されているレンジ位置に対応したトルクマップが参照されて駆動モータMの出力指令値が出力指令値取得部7eにより取得される(ステップS5)。そして、シフトレバー5により選択されている現在のレンジ位置が記憶手段6に格納され(ステップS6)、ステップS6において取得された出力指令値がモータ制御手段8に出力されて処理を終了する(ステップS10)。
一方、シフトレバー5による切替操作が行われていれば(ステップS3でNO)、車速取得部7bにより取得された車速の大きさが設定車速p以上であるかどうかが判定される(ステップS4)。車速取得部7bにより取得された車速の大きさが設定車速pよりも小さければ(ステップS4でNO)、シフトレバー5により選択されているレンジ位置に基づいて、ステップS5、ステップS6、ステップS10の処理が実行される。
また、車速取得部7bにより取得された車速の大きさが設定車速p以上であれば(ステップS4でYES)、シフトレバー5の切替操作、すなわち、D(L)→R切替操作およびR→D(L)切替操作のいずれかに対応した中間マップが参照されて駆動モータMの出力指令値が出力指令値取得部7eにより取得される(ステップS7)。そして、記憶手段6に格納されている前回のシフトレバー5の選択レンジ位置が維持され(ステップS8)、ステップS7において取得された出力指令値がモータ制御手段8に出力されて処理を終了する(ステップS10)。
また、ステップS2において確認されたシフトレバー5のレンジ位置が、Nレンジ、Pレンジのいずれかであれば、出力指令値取得部7eにより取得される出力指令値がゼロに設定され(ステップS9)、ステップS9において取得された出力指令値がモータ制御手段8に出力されて処理を終了する(ステップS10)。
以上のように上記した実施形態によれば、車速センサ2により検出された車速およびアクセル開度センサにより検出されたアクセル開度に基づく駆動モータMの出力指令値が出力指令値出力手段7により出力されて、出力された出力指令値に基づいて駆動モータMがモータ制御手段8により制御される。また、車速の大きさが予め設定された設定車速p以上であり、シフトレバー5による駆動モータMの駆動方向の切替操作が行われることを条件に、駆動モータMに対し、当該切替操作に応じた駆動方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値が出力指令値出力手段7により出力される。
すなわち、シフトレバー5により、車速が設定車速p以上である状態において電動車両1の進行方向(駆動モータMの駆動方向)を切替える切替操作が行われたときには、駆動モータMは、当該切替操作に応じた駆動方向、すなわち現在の電動車両1の進行方向とは反対の方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値に基づいて制御される。
したがって、駆動モータMは、現在の電動車両1の進行方向と反対の方向に駆動されるが、出力が抑制されて駆動される分、駆動モータMに過大な負荷がかかることを防止することができる。また、駆動モータMが現在の電動車両1の進行方向と反対方向に駆動されるため、運転者に、所謂、エンジンブレーキのような適度な減速感を与えることでき、駆動モータMの駆動方向の切替操作が行われたことを運転者に認識させることができる。
また、出力指令値出力手段7による出力指令値は、ブレーキ操作量センサ4により検出されるブレーキ操作量に応じた値であるため、例えば、駆動モータMが、電動車両1の進行方向とは逆方向に駆動されるときに、ブレーキ操作量に応じた値の出力指令値が駆動モータM(モータ制御部8)に対して出力されるので、より適切な減速感を運転者に与えることができる。
<他の実施形態>
本発明の他の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
本発明の他の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
図6はD→R切替用中間マップの他の例を示す図である。図7はR→D切替用中間マップの他の例を示す図である。この実施形態が上記した実施形態と異なる点は、図6のD→R切替用中間マップおよび図7のR→D切替用中間マップに示すように、運転者によるブレーキ操作が行われているときに選択されるトルク曲線αと、運転者によるブレーキ操作が行われていないときに選択されるトルク曲線βとにより中間マップが形成されており、トルク曲線αおよびトルク曲線βによりそれぞれ設定される駆動モータMの出力(トルク)が、電動車両1の車速によらず一定である点である。その他の構成および動作は上記した実施形態と同様であるため、その構成および動作の説明は同一符号を付すことによりその説明を省略する。なお、上記した実施形態と同様に、D→R切替用中間マップおよびR→D切替用中間マップが出力指令値出力手段により参照されているときは、運転者によるアクセル操作は無視される。
図6および図7に示すように、この実施形態のD→R切替用中間マップおよびR→D切替用中間マップは、運転者によるブレーキ操作が行われているときに選択されるトルク曲線αおよび運転者によるブレーキ操作が行われていないときに選択されるトルク曲線βの2本のトルク曲線により形成されている。したがって、図6および図7に示すように、車速取得部7bにより取得された車速の大きさが設定車速pよりも大きいときに、駆動モータMの駆動方向を切替えるシフトレバー5の切替操作が実行されれば、駆動モータMの駆動力の切替方向に応じて、図6のD→R切替用中間マップおよび図7のR→D切替用中間マップのいずれかが参照される。
すなわち、図6のD→R切替用中間マップおよび図7のR→D切替用中間マップのいずれかが参照されることにより、設定された2本のトルク曲線α,βにより設定される駆動モータMの出力指令値のうちのいずれかが、運転者によるブレーキ操作の有無に基づいて取得される。そして、図6および図7に示すように、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなるまで、ブレーキ操作の有無に基づく出力指令値により駆動モータMは回生トルクを発生し、電動車両1の車速の大きさが設定車速pよりも小さくなれば、中間マップに基づく電動車両1の減速が中断されて、以降はシフトレバー5により選択されているレンジ位置に対応したトルクマップが出力指令値出力手段7により参照される。
以上のように、この実施形態でも上記した実施形態と同様の効果を奏することができると共に、中間マップの構成を簡略化することにより、駆動モータMの駆動方向を切替えるシフトレバー5の切替操作が実行されたときの制御を簡易なものとすることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、設定車速は上記した例に限られるものではなく、車速がほぼゼロ(停止状態)に近いと認識され、駆動モータの駆動方向の反転を伴うシフトレバーのレンジ位置の切替操作を許可しても、駆動モータに過大な負荷がかからず、過大な回生ブレーキ状態とならない車速を適宜、設定車速として設定すればよい。
また、上記したトルクマップおよび中間マップを構成する各トルク曲線は上記した例に限られるものではなく、電動車両1の使用目的等に応じて、適宜、トルク曲線を設定して、トルクマップおよび中間マップを構成すればよい。また、上記した例では、車速、アクセル開度およびブレーキ操作量に基づいて設定されて記憶手段6に記憶されたトルクマップおよび中間マップを参照することにより駆動モータMの出力指令値を取得したが、出力指令値は、例えば、車速、アクセル開度およびブレーキ操作等に基づく計算式により算出してもよく、電動車両の走行状態および運転者による操作状況に応じた適切な出力指令値を取得することができれば、どのように出力指令値を導出してもよい。
また、中間マップにより設定される出力指令値は、車速の大きさが設定車速よりも大きいときに、駆動モータの駆動方向を切替えるシフトレバーの切替操作が実行され、駆動モータが電動車両の進行方向と反対方向に駆動されても、駆動モータに過大な負荷がかからない状態で、適度な減速感を与えることにより駆動モータの駆動方向の切替操作が行われたことを運転者に認識させることができれば、どのように設定してもよい。例えば、Dレンジのアクセル開度(0%)やブレーキ操作量(100%)のトルク曲線に比例定数(例えば、0.2や0.5)を乗じたものを用いてもよい。
また、駆動モータは、上記したようなPWM制御される交流モータに限定されるものではなく、出力指令値に基づく制御が行われるものであればどのような駆動モータを採用してもよい。
そして、本発明は、駆動モータを備える電動車両に広く適用することができる。
1 電動車両
2 車速センサ(車速検出手段)
3 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)
4 ブレーキ操作量センサ(ブレーキ操作量検出手段)
5 シフトレバー(切替操作手段)
7 出力指令値出力手段
8 モータ制御手段
M 駆動モータ
2 車速センサ(車速検出手段)
3 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)
4 ブレーキ操作量センサ(ブレーキ操作量検出手段)
5 シフトレバー(切替操作手段)
7 出力指令値出力手段
8 モータ制御手段
M 駆動モータ
Claims (2)
- 走行の駆動源となる駆動モータと、
車速を検出する車速検出手段と、
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
前記駆動モータの駆動方向を切替えるための切替操作手段と、
前記検出された車速および前記アクセル開度に基づいた前記駆動モータの出力指令値を出力する出力指令値出力手段と、
前記出力された出力指令値に基づいて前記駆動モータを制御する制御手段とを備えた電動車両であって、
前記出力指令値出力手段は、
前記車速の大きさが予め設定された設定車速以上であり、前記駆動方向の切替操作が行われることを条件に、前記駆動モータに対し、当該切替操作に応じた駆動方向に出力をゼロではない所定範囲の値に抑制して駆動する出力指令値を出力する
ことを特徴とする電動車両。 - 請求項1に記載の電動車両において、
ブレーキの操作量を検出するブレーキ操作量検出手段をさらに備え、
前記出力指令値出力手段による前記出力指令値は、前記ブレーキ操作量検出手段によるブレーキ操作量に応じた値であることを特徴とする電動車両。
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Cited By (1)
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JP2018090104A (ja) * | 2016-12-02 | 2018-06-14 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
-
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- 2011-05-26 JP JP2011117985A patent/JP2012249382A/ja not_active Withdrawn
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