JP6015511B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の走行制御装置に関し、特に、モータ(電動機)により走行するハイブリッド車および電気自動車等の車両の走行制御装置に関するものである。
従来から、モータ駆動電流を出力するインバータをドライバのアクセル操作に応じて制御することにより、車両をモータのみで走行させるハイブリッド車が公知である。
この種の車両では、登坂路での微速走行時など、アクセルオン状態でも、坂道を走行するのに必要なトルク(登坂トルクという)とモータの出力トルクとが釣り合ってモータの回転が停止状態となる場合がある。このような状態が継続すると、インバータ回路内の特定の電力素子が継続的に通電され、当該電力素子が焼損することが考えられる。
そこで、このような不都合を未然に防止するための技術の一つとして、例えば特許文献1に記載されるような走行制御装置が提案されている。この走行制御装置は、インバータ回路内の電力素子の温度を検出し、その温度が閾値を超えると、当該電力素子への電力供給を低減してモータをその負荷で逆転させ(つまり、車両を坂道に沿って後退させ)、これにより通電対象の電力素子を切り替えた後、供給電力を元に戻すことで、インバータ内の特定の電力素子が過熱することを抑制するというものである。
特開2001−177905号公報
ところで、車両をモータのみで走行させるハイブリッド車では、エンジン駆動式のオートマチック車両等に見られるようなクリープ現象が生じないため、坂道発進において、ブレーキからアクセルにペダルを踏み換える際に車両が後退するという問題がある。そのため、アクセルオフのときに微小トルク(クリープトルク)を発生するようにモータを制御し、これによりクリープ現象と同等の現象を積極的に生じさせて、坂道発進における車両の後退を抑制することが考えられ、実用化も進んでいる。
しかし、クリープトルクが登坂トルクよりも小さい場合には、アクセルを踏み込むまでの間に車両が後退するおそれがあり、これを回避するためにクリープトルクの値を大きくすると、平坦路で飛び出し発進を誘発し易くなる、という二律背反する問題がある。これを防ぐためには、勾配に応じてクリープトルクを変化させることが必要であり、そのためには勾配を検知する加速度センサ等の増設が必要となり、コストアップにつながる。
また、クリープトルクと登坂トルクとが釣り合った場合には、モータの回転が停止し、インバータ回路内の特定の電力素子が過熱するという問題もある。このような電力素子の過熱の問題は、特許文献1に記載される技術を適用することで解決することが可能と考えられるが、その場合には次のような新たな問題がある。すなわち、電力素子の温度が閾値を超えるタイミングは、坂道の勾配やモータの回転停止時間によって異なるため、特許文献1の技術では、ドライバはどのタイミングで車両が後退するかを予見できない。そのため、同じように運転していても、車両が後退したりしなかったりすることで、ドライバに違和感や不安感を与えることが考えられる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、平坦路での飛び出し発進を誘発することなく坂道発進における車両の後退を抑制すること、より好ましくは、坂道発進において、モータ制御用のインバータ回路内の電力素子の過熱を、ドライバに違和感や不安感を与えることなく抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、モータを動力源として走行する車両の走行制御装置であって、シフトレンジのうち走行レンジが選択されているときに、当該走行レンジとの関係で車両が逆方向に移動していることを検出する後退検出手段と、前記走行レンジが選択されかつアクセルおよびブレーキが共にオフの状態で、平坦路において車両を微速発進させることが可能なクリープトルクが発生するように前記モータを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、所定周期で車両の運転状態を監視し、前記走行レンジが選択されかつアクセルおよびブレーキが共にオフで、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出されると、前記クリープトルク以上のトルクが得られるように当該モータを制御するとともに、前記走行レンジが選択されかつアクセルおよびブレーキが共にオフで、さらに車速が実質的に0の状態が生じると、それ以前よりも短い周期で車両の前記運転状態を監視するものである。
この走行制御装置によれば、坂道発進においてドライバがブレーキからアクセルへアクセルペダルを踏み替える際にクリープトルクが発生する。このクリープトルクが登坂トルクよりも小さい場合には車両が後退(走行レンジとの関係で車両が逆方向に移動)することとなるが、このように車両が後退すると、クリープトルク以上のトルクでモータが駆動され、これにより車両の大幅な後退が抑制される。そのため、クリープトルクを予め大きい値に設定することなく、車両が後退することを抑制することが可能となる。また、クリープトルクが登坂トルクよりも大きい場合を除き、坂道発進の際、車両は、後退して停止するという動作を行うこととなるので、ドライバは当該動作を予見することが可能であり、違和感や不安感を受けることが無い。また、車速が実質的に0の状態が生じると、それ以前よりも短い周期で車両の前記運転状態を監視するので、制御装置による監視負担を合理的に軽減しながら、モータ停止による車両の後退をより速やかに検出して当該モータを駆動すること、すなわち車両の後退を抑制することが可能となる。
なお、上記の走行制御装置において、前記制御手段は、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出されると、その移動速度に応じて、当該移動速度が速い程、大きいトルクが得られるように前記モータを制御するものであるのが好適である。また、前記制御手段は、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出されると、その移動量に応じて、当該移動量が大きい程、大きいトルクが得られるように前記モータを制御するものであってもよい。
後退時の車速や移動量は、坂道の勾配に略比例するため、これらの構成によれば、坂道の勾配に応じたトルクでモータを駆動することが可能となる。そのため、坂道の勾配に左右されることなく、車両が後退することを抑制することが可能となる。
なおこれらの構成のうち、後者の構成においては、前記制御手段は、前記移動量に基づき、車両を移動前の位置に戻すことが可能なトルクを求め、当該トルクが得られるように前記モータを制御するものであってもよい。この構成によれば、一旦後退した車両を元の位置まで戻すことが可能となる。
また、上記の走行制御装置において、前記制御手段は、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出された後、車両が移動前の位置に復帰すると、前記モータのトルクが低減するように当該モータを制御するものであるのが好適である。
この構成によれば、一旦後退した車両が、アクセル踏み込み前に元の位置を超えて移動すること(飛び出すこと)を抑制することが可能となる。
本発明の走行制御装置によれば、上記の通り、クリープトルクを予め大きい値に設定することなく、また、加速度センサを増設することなく、車両が大幅に後退することを抑制できる。従って、平坦路での飛び出し発進を誘発することなく坂道発進における車両の後退を抑制することが可能となる。
本発明に係る走行制御装置が搭載されたハイブリッド車を示す構成図である。 コントロールユニットの構成を示すブロック図である。 インバータおよびモータの構成を示す回路図である。 トルクマップにおいて定められた、モータ出力(トルク)とアクセル開度と車速との関係を示すグラフである。 コントロールユニットによる走行制御(第1実施形態)を示すフローチャートである。 コントロールユニットの制御に基づく車両の動作を説明する模式図である。 コントロールユニットによる走行制御(第2実施形態)を示すフローチャートである。 コントロールユニットの制御に基づく車両の動作を説明する模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る走行制御装置が搭載されたハイブリッド車両1(以下、単に車両1という)の概略構成を示している。この車両1は、いわゆるシリーズ式のハイブリッド車両である。
この車両1は、エンジン10と、このエンジン10の出力軸に連結されるモータジェネレータ12と、このモータジェネレータ12によって発電された電力が蓄電(充電)される高電圧・大容量のバッテリ14と、エンジン10に駆動されることによるモータジェネレータ12の発電電力およびバッテリ14の蓄電電力(放電電力)の少なくとも一方の電力で駆動される走行用モータ16とを備えている。
モータジェネレータ12、バッテリ14及び走行用モータ16の間には、インバータ18が設けられている。このインバータ18を介して、モータジェネレータ12の発電電力が、バッテリ14及び/又は走行用モータ16に供給されるとともに、バッテリ14からの放電電力が、モータジェネレータ12及び/又は走行用モータ16に供給される。
走行用モータ16は、モータジェネレータ12の発電電力及びバッテリ14からの放電電力の少なくとも一方が供給されることにより駆動される。この走行用モータ16の駆動力が、デファレンシャル装置22を介して、駆動輪である左右の前輪24に伝達され、これにより車両1が走行する。尚、走行用モータ16は、車両1の減速時には、ジェネレータとして作動して、その発電した電力がバッテリ14に充電される。また、バッテリ14は、車両1の外部の電源による外部充電も可能である。
エンジン10は、モータジェネレータ12による発電用にのみ使用される。エンジン10は、当例では、ツインロータ式(2気筒)の水素エンジンであり、水素タンク26(燃料タンク)に貯留されている水素ガスを燃料として駆動される。なお、本発明において、エンジン10の種類は水素エンジンに限定されるものではなく、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどであってもよい。
車両1には、各種センサからの入力信号に基づいて、ドライバの要求する走行状態が得られるように走行用モータ16の駆動制御や、車両1に必要な電力が確保されるようにエンジン10の駆動制御などを行うコントロールユニット30(本発明の制御手段に相当する)が搭載されている。
コントロールユニット30は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えており、本発明に関する機能構成として、図2に示すように、モータ駆動制御部32、トルク演算部34および後退検出部35とを含んでいる。なお、後退検出部35は本発明の後退検出手段に相当しており、従って、当例では制御手段(コントロールユニット30)が後退検出手段の機能を兼ね備えた構成となっている。
また、コントロールユニット30は、車両に設けられた複数のセンサから種々の情報が入力されている。本発明の説明に必要な範囲で説明すると、車両1には、図示の通り、図外のアクセルペダルの踏込み量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサ36と、図外のブレーキペダルの操作の有無を検出するブレーキセンサ38と、シフトレンジとして選択されたレンジを検出するシフトレンジセンサ40と、レゾルバ等の回転角センサからなり、車両1の走行速度(移動速度)を検出する車速センサ42とが設けられており、これらセンサ36〜42からの信号がコントロールユニット30に入力されている。
前記後退検出部35は、シフトレンジセンサ40および車速センサ42からコントロールユニット30に入力される信号(入力情報)に基づき、選択された走行レンジ(「D」等又は「R」レンジ)の方向とは逆方向の車両1の移動(ずり下がり)を検知するものである。上記の通り、車速センサ42は、レゾルバ等の回転角センサからなるため、後退検出部35は、シフトレンジセンサ40からの情報(レンジ)と車速センサ42からの情報(回転方向)により車両1が逆方向に移動していることを検知することできる。
前記モータ駆動制御部32およびトルク演算部34は、各センサ36〜38からコントロールユニット30に入力される信号に基づき、インバータ18を介して走行用モータ40を制御するものである。詳しくは、トルク演算部34は、アクセル開度センサ36および車速センサ42からの入力信号に基づき、ドライバの運転操作に応じた目標トルク(走行用モータ16のトルク)を求め、モータ駆動制御部32は、この目標トルクが得られるように前記インバータ18に制御信号を出力する。
ここで、インバータ18は、図3に示すように、インバータ回路部19と、前記モータ駆動制御部32からの制御信号に基づいてこのインバータ回路部19を制御するための図外の制御回路部とを含む。同図に示すように、インバータ回路部19は、U相アーム19A、V相アーム19B及びW相アーム19Cを有している。U相アーム19Aは、直列に接続されたIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)20a、20dからなり、V相アーム19Bは、直列に接続されたIGBT20b、20eからなり、W相アーム19Cは、直列に接続されたIGBT20c、20dからなり、各々の相アームの中間点が、走行用モータ16の各相コイルに接続されている。そして、目標トルクに応じた制御信号が前記モータ駆動制御部32からインバータ回路部19の制御回路部に出力されると、当該制御回路部からモータ駆動用のPWM制御信号が各相アーム19A〜19Cに出力されてIGBT20a〜20dがオンオフされ、これによりバッテリ14から供給される直流電力を交流電力に変換して走行用モータ16を駆動する。
なお、コントロールユニット30の図外の記憶部には、例えば図4に示すようなトルクマップが記憶されている。このトルクマップは、アクセル開度と車速と走行用モータ16のトルクとの関係が定められたものであり、トルク演算部34は、アクセル開度センサ36および車速センサ42からの入力信号に基づき、このトルクマップに従い目標トルクを決定する。同図に示すように、このトルクマップは、選択された走行レンジの走行方向(正方向)の運転域(図4の車速0より右側)のマップに加え、選択された走行レンジの走行方向と逆方向の運転域(図4の車速0よりも左側)のマップも含んでいる。逆方向の運転域のマップを含むのは、後に詳述する通り、坂道発進の際に、シフトレンジとして選択された走行レンジの方向とは逆方向に車両1が移動(後退)した際に、走行用モータ16を駆動して当該後退を抑制するためである。
このトルクマップのうち、正方向の運転域のマップについては、アクセル開度が大きいほど程、トルクが大きくなるように、トルクとアクセル開度と車速との関係が定められている。また、アクセル開度が0%(アクセルオフ)のときのトルクは基本的に0であるが、車速が所定値(当例では約12km/h)未満の運転域では略一定の微小トルク(クリープトルクTaと称す)を発生させるようにトルク値が定められている。このクリープトルクTaは、シフトレンジとして走行レンジが選択されかつアクセルおよびブレーキが共にオフの状態で、平坦路において車両1を微速発進させることが可能な値に設定されている。つまり、クリープトルクTaは、トルクコンバーターを備えたエンジン駆動式のオートマチック車両等に見られるクリープ現象と同等の現象を生じさせ得る値に設定されている。
一方、逆方向の運転域のマップも、アクセル開度が大きいほど程、トルクが大きくなるように、トルクとアクセル開度と車速との関係が定められているが、逆方向の運転域では、車速が速くなる程、トルクが大きくなるように、また、アクセル開度が低い程、単位速度当たりの当該変化量が大きくなるように、トルクとアクセル開度と車速との関係が定められている。また、アクセル開度が0%のときの最低トルクはクリープトルクTaと等しい値に設定されている。
次に、コントロールユニット30による車両1の走行制御(走行用モータ16の駆動制御)の一例について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
この制御は、例えば車両1の図外のイグニッションスイッチがオンされることによりスタートする。この制御がスタートすると、コントロールユニット30は、各センサ36〜42の信号を読み込む(ステップS1)。当実施形態では、この読み込み周期(車両1の運転状態の監視周期)は1msecである。
次に、コントロールユニット30は、上記信号に基づき、シフトレンジとして「N」又は「P」レンジが選択されているか否かを判断する(ステップS3)。ここで、YESと判断した場合には、コントロールユニット30(モータ駆動制御部32)は、インバータ18に制御信号を出力し、走行用モータ16に対する電力供給を遮断することにより走行用モータ16を停止させ(ステップS30)、処理をステップS1にリターンする。
一方、ステップS3でNOと判断した場合、つまり、シフトレンジとして走行レンジ(「D」等又は「R」レンジ)が選択されていると判断した場合には、コントロールユニット30は、ブレーキがオフか否かを判断し(ステップS5)、さらにブレーキがオフの場合には、アクセルがオフか否かを判断する(ステップS7)。
ステップS7でNOと判断した場合には、コントロールユニット30は、そのアクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)および車速に応じて走行用モータ16を制御する(ステップS29)。具体的には、上記の通り、アクセル開度センサ36および車速センサ42からの入力信号に基づき、トルク演算部34が上記トルクマップに従って目標トルクを決定し、モータ駆動制御部32が目標トルクに応じた制御信号をインバータ18に出力することにより走行用モータ16を駆動する。この際、トルク演算部34は、トルクマップのうち正方向運転域のマップに基づき目標トルクを決定する。
一方、ステップS7でYESと判断した場合、具体的には、ドライバがブレーキからアクセルへペダルを踏み替える途中(ブレーキおよびアクセルが共にオフ)の場合には、コントロールユニット30は、クリープトルクTaが得られるように走行用モータ16を制御する(ステップS9)。つまり、ペダルの踏み替え中は、車両1が停止、又はこれに近い状態にある。そのため、トルク演算部34は、トルクマップに従ってクリープトルクTaを目標トルクとして決定し、これによりモータ駆動制御部32がクリープトルクTaに応じた制御信号をインバータ18に出力することにより走行用モータ16を駆動する。
次に、コントロールユニット30は、シフトレンジセンサ40および車速センサ42からの入力信号に基づき、車両1が、選択された走行レンジの方向(順方向)に車速0km/h以上で移動しているか否かを判断する(ステップS11)。
ステップS11でYESと判断した場合には、コントロールユニット30は、その車速(順方向の車速)に応じたクリープトルクTaを発生するように走行用モータ16を制御し(ステップS13)、その後、処理をステップS1にリターンする。
一方、ステップS11でNOと判断した場合には、コントロールユニット30は、その逆方向の車速に応じて走行用モータ16を制御し(ステップS17、S19)、その後、処理をステップS1にリターンする。具体的には、車速センサ42からの入力信号に基づき、トルク演算部34が、上記トルクマップのうち逆方向の運転域のマップに従って目標トルクを決定し、モータ駆動制御部32が目標トルクに応じた制御信号をインバータ18に出力することにより走行用モータ16を駆動する。
上述したコントロールユニット30の制御に基づく車両1の動作をまとめると次の通りである。
まず、平坦路で車両1を発進させる場合、ドライバが走行レンジ(「D」レンジ)を選択した上で、ブレーキペダルから足を離すと(ステップS7でYES)、走行用モータ16がクリープトルクTaを発生し、これにより車両1が緩やかに発進する(ステップS11でYES)。従って、その後ドライバがアクセルペダルを踏み込むと、その踏み込み量に応じたトルクを走行用モータ16が発生し、これにより車両1が加速することとなる(ステップS7でNO、ステップS29)。
坂道で車両1を発進させる場合も、ドライバが走行レンジ(「D」レンジ)を選択した上で、ブレーキペダルから足を離すことで走行用モータ16がクリープトルクTaを発生する。この際、坂道を走行するのに必要なトルク(登坂トルク)よりもクリープトルクTaが大きい場合には、平坦路と同様に、車両1は緩やかに発進することとなる。
これに対して、登坂トルクよりもクリープトルクTaが小さい場合には、車両1は後退(走行レンジによる走行方向とは逆方向に移動)することとなる(ステップS11でNO)。しかし、車両1が後退すると、その後退速度に応じたトルクであってクリープトルクTa以上のトルクを走行用モータ16が発生するように当該走行用モータ16がコントロールユニット30により制御され、その結果、車両1はごく僅か後退した位置で停止することとなる(ステップS17、S19)。
一方、登坂トルクとクリープトルクTaとが釣り合った場合には、走行用モータ16の回転が停止状態となる(ステップS11でYES)。この際には、走行用モータ16は通常(平坦路)レベルのごく小さいクリープトルクTaを出力することで、一時的に釣り合っても、車両1が後退することとなる。車両1が後退すると、上記と同様に、その後退速度に応じたトルクであってクリープトルクTaよりも大きいトルクを走行用モータ16が発生するように当該走行用モータ16がコントロールユニット30により制御され、その結果、車両1はごく僅か後退した位置で停止することとなる(ステップS11でNO、ステップS17、S19)。
つまり、坂道発進において、登坂トルクよりもクリープトルクTaが小さい場合には、車両1は常に後退して停止する。そして、ブレーキからアクセルへのペダルの踏み替えに比較的時間を要した場合には、図6(a)〜(d)に示すように、車両1は僅かな後退と停止を幾度か繰り返すこととなる。
以上のような車両1によれば、坂道発進において、クリープトルクが登坂トルクよりも小さい場合には車両1が後退するが、このように車両1が後退すると、クリープトルクTa以上のトルクで走行用モータ16が駆動されるため、当該後退が僅かな量に抑えられる。よって、クリープトルクTaを予め大きい値に設定することなく、坂道発進において、車両1が大幅に後退する(大幅にずり下がる)ことを抑制することが可能となる。換言すれば、平坦路での飛び出し発進を誘発することなく、坂道発進において車両1が後退することを抑制することが可能となる。
特に、この車両1では、後退時の車速が速くなる程、トルクが大きくなるように、トルクマップ(逆方向の運転域のマップ)が作成されているので、坂道の勾配に左右されることなく車両1の後退を抑制できるという利点もある。すなわち、後退時の車速は坂道の勾配により異なるため、上記のようなトルクマップに基づいて走行用モータ16が制御されることで、坂道の勾配に左右されることなく車両1の後退が抑制される。
なお、坂道発進において、登坂トルクとクリープトルクTaとが釣り合って走行用モータ16の回転が停止する場合には、当該車両においては、クリープトルクは平坦路での発進用の微小なトルクであるために、それに必要なモータ電力は、当該モータの最大電力に比べ小さい。そのためインバータ回路部19内の特定の電子素子(相アーム19A〜19C)が連続的に通電されることにより、当該特定の電子素子(相アーム19A〜19C)の発熱が問題となるレベルに達することは無い。
しかも、この車両1では、クリープトルクTaが登坂トルクよりも大きい場合を除き、坂道発進の際には、常に車両1が後退して停止するという動作を行うので、ドライバは当該動作を予見することが可能であり、違和感や不安感を受けることも無い。従って、ドライバに違和感や不安感を与えることなく、インバータ回路部19内の電力素子(相アーム19A〜19C)の過熱を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図7は、第2実施形態に係るコントロールユニット30による走行用モータ16の駆動制御を示すフローチャートである。このフローチャートは、図5のフローチャートのステップS17、S19の処理に替えて、ステップS21〜S27の処理を実行するものであり、それ以外は図5のフローチャートと同じである。
すなわち、ステップS11において、車両1が、シフトレンジの方向とは逆方向に移動していると判断した場合(ステップS11でNO)には、コントロールユニット30は、その逆方向の車速および移動量に応じて走行用モータ16を制御する(ステップS21〜S27)。具体的には、トルク演算部34が、車速センサ42から入力される信号と上記トルクマップ(逆方向の運転域のマップ)とに基づき、車両1を停止させるのに必要な走行用モータ16のトルクT1を決定する(ステップS21)。また、トルク演算部34が、ブレーキがオフされた時点(ステップS5の時点)からの車両1の移動量を算出するとともに、この移動量だけ車両1を元に戻すのに必要な走行用モータ16のトルクT2を算出する(ステップS25)。なお、車両1の移動量は、車速センサ42から出力される信号に基づき車両1の速度の積分値として求められる。
トルクT1、T2が求まると、トルク演算部34はこれらの合計値(T1+T2)を目標トルクとして決定し、モータ駆動制御部32がこの目標トルクに応じた制御信号をインバータ18に出力することにより走行用モータ16を駆動する(ステップS27)。
このような制御によると、坂道発進において、登坂トルクよりもクリープトルクTaが小さい場合には、第1実施形態と同様に、車両1が後退することとなるが(ステップS11でNO)、第2実施形態では、上記のように、車両1を停止させるのに必要なトルクT1と車両1を元の位置に戻すのに必要なトルクT2との合計トルクを目標トルクとして走行用モータ16が制御される結果、車両1は、図8(a)〜(c)に示すように、一旦後退した後、元の位置に復帰することとなる(ステップS21〜S27)。
このような第2実施形態の車両1によれば、上記の通り、アクセル操作を行うことなく、後退した車両1を元の位置に復帰させることができるため、坂道発進において車両1が後退することを抑制するという目的を、第1実施形態よりも高度に達成することができるという利点がある。これ以外の坂道発進における車両1の基本的な動作は第1実施形態の場合と同じであり、第1実施形態の車両1と同様の作用効果を享受することができる。
ところで、以上説明した各実施形態の車両1は、本発明に係る走行制御装置が搭載されたハイブリッド車両の好ましい実施形態の例示であって、車両1やこれに搭載される走行制御装置の具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記第1実施形態においては、車両1が後退していることが後退検出部35により検出された後、走行用モータ16の駆動により車両1が元の位置に復帰した場合に、走行用モータ16のトルクを低減させるようにしてもよい。この構成によれば、一旦後退した車両1が、アクセル踏み込み前に元の位置を超えて走行すること(飛び出すこと)を抑制することができる。この場合には、コントロールユニット30(モータ駆動制御部32)が、車速センサ42からの信号に基づき車両1の位置を検知し、この位置に基づきインバータ18(走行用モータ16)を制御するようにすればよい。
また、上記第1実施形態では、坂道の勾配に左右されることなく車両1の後退を抑制するために、車両1が後退したときの車速が速くなる程、大きいトルクが得られるように走行用モータ16が制御されるが(図4のトルクマップ参照)、例えば、車両1が後退したときの移動量が大きい程、大きいトルクが得られるように走行用モータ16を制御するようにしてもよい。この場合、車両1の移動量は、第2実施形態で説明した通り、車速センサ42からの信号に基づき、車両1の車速の積分値として求めることができる。
また、上記実施形態では、図5及び図7のステップS1における読み込み周期は1msecであるが、具体的な周期は適宜変更である。また、実施形態中では特に言及していないが、同図のステップS11の処理において車速が0であると判断した場合には、それ以前よりも短い周期で各センサ36〜42の信号を読み込むようにしてもよい。この構成によれば、コントロールユニット30による車速等の監視負担を合理的に軽減しながら、車両1の後退をより速やかに検出して走行用モータ16を駆動する、つまり車両1の後退を抑制することが可能となる。
なお、上記各実施形態では、本発明にかかる走行制御装置をいわゆるシリーズ式のハイブリット車に適用した例について説明したが、本発明の走行制御装置、当該ハイブリット車に限らず、いわゆる電気自動車(電気駆動自動車)にも適用可能である。
14 バッテリ
16 走行用モータ
18 インバータ
30 コントロールユニット
32 モータ駆動制御部
34 トルク演算部
35 後退検出部
36 アクセル開度センサ
38 ブレーキセンサ
40 シフトレンジセンサ
42 車速センサ

Claims (5)

  1. モータを動力源として走行する車両の走行制御装置であって、
    シフトレンジのうち走行レンジが選択されているときに、当該走行レンジとの関係で車両が逆方向に移動していることを検出する後退検出手段と、
    前記走行レンジが選択されかつアクセルおよびブレーキが共にオフの状態で、平坦路において車両を微速発進させることが可能なクリープトルクが発生するように前記モータを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、所定周期で車両の運転状態を監視し、前記走行レンジが選択されかつアクセルおよびブレーキが共にオフで、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出されると、前記クリープトルク以上のトルクが得られるように当該モータを制御するとともに、前記走行レンジが選択されかつアクセルおよびブレーキが共にオフで、さらに車速が実質的に0の状態が生じると、それ以前よりも短い周期で車両の前記運転状態を監視することを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の走行制御装置において、
    前記制御手段は、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出されると、その移動速度に応じて、当該移動速度が速い程、大きいトルクが得られるように前記モータを制御することを特徴とする車両の走行制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両の走行制御装置において、
    前記制御手段は、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出されると、その移動量に応じて、当該移動量が大きい程、大きいトルクが得られるように前記モータを制御することを特徴とする車両の走行制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両の走行制御装置において、
    前記制御手段は、前記移動量に基づき、車両を移動前の位置に戻すことが可能なトルクを求め、当該トルクが得られるように前記モータを制御することを特徴とする車両の走行制御装置。
  5. 請求項2又は3に記載の車両の走行制御装置において、
    前記制御手段は、車両が前記逆方向に移動していることが前記後退検出手段により検出された後、車両が移動前の位置に復帰すると、前記モータのトルクが低減するように当該モータを制御することを特徴とする車両の走行制御装置
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