JP2012246786A - ガスタービン静翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム冷却用の冷却空気が隣接する区画へ漏出することを防止する仕切部材のシール性を増し、かつ、3次元設計翼にも適用可能な仕切部材を備えたガスタービン静翼を提供する。
【解決手段】外部に連通するフィルム冷却孔25を有する中空の翼型部20と、表面に複数の貫通孔を有し、翼型部20の空洞部21に挿入されるインサート23と、翼型部20の中空内壁面21a及びインサート23の外表面によって画定される空間を2以上に仕切る仕切部材30と、を有するガスタービン静翼であって、仕切部材30の少なくとも一部が弾性体によって構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービンのタービン部を構成するガスタービン静翼に係り、特に、翼本体の内部空間に挿入されるインサート外表面と翼本体内壁面との間に形成される空間が複数に仕切られているガスタービン静翼に関する。
従来、ガスタービンに用いられるガスタービン静翼では、翼内から翼外面に冷却空気を流出させるフィルム冷却が行われている。このフィルム冷却は、翼本体から翼外面に連通するように設けられたフィルム冷却孔から冷却空気を流出させるもので、この冷却空気が翼表面に薄い空気層を形成することにより、高温の燃焼ガスが翼表面に直接触れないようにした冷却方式である。
フィルム冷却に使用される冷却空気は、翼本体の内部空間に挿入されているインサート内に導入された後、インサート壁面に穿設された多数のインピンジメント冷却孔からインサート外表面と翼本体内壁面との間に形成されている空間へ勢いよく噴出してインピンジメント冷却を行い、さらに、インピンジメント冷却後の冷却空気が翼本体から翼外面に連通するように設けられたフィルム冷却孔から流出して空気層を形成する。
一方、ガスタービン静翼は、位置によって翼外面の圧力が異なるため、フィルム冷却用の冷却空気を噴出させるために必要となる翼内圧力も位置に応じて異なってくる。すなわち、ガスタービン静翼の翼面では、翼型の背側及び腹側に圧力差が生じるため、圧力の低い背側に偏って多量の冷却空気が抜けると、圧力の高い腹側で冷却空気不足が生じてフィルム冷却は不十分となる。
このため、従来のガスタービン静翼では、インサート外表面と翼本体内壁面との間に形成された空間を仕切るようにシールダムを設けておき、隣接する低圧側の空間へ高圧側から冷却空気が流出しないようシールすることが行われており、区画された空間毎に必要な圧力差を確保して、翼外面に配設された各フィルム冷却孔から必要な冷却空気を流出させるようになっている。
上述したシールダムの従来構造としては、たとえば下記の特許文献1に開示されたものがある。すなわち、翼本体の内壁面に突設されたシールダムの頂部にインサートを接触させる構造(図7参照)や、インサート側にヒレを設けて、シールダムの頂部にワイヤカットで形成した溝にヒレを挿入する構造(図8参照)が知られている。
特開平9−151703号公報
ところで、上述した従来構造のシールダムを備えたガスタービン静翼は、下記のような問題点が指摘されている。
シールダムの頂部にインサートを接触させる従来構造では、通常板金部品となるインサート側のひずみ等によって、シールダムの接触部に隙間を生じやすい。この結果、フィルム冷却を行う冷却空気は、高圧の腹側から低圧の背側へ隙間を通って漏出するので、区画された空間毎に必要な翼外面との圧力差を十分に確保することは困難である。すなわち、フィルム冷却用の冷却空気を流出させる翼外面は、背腹等の位置によって圧力が異なるため、冷却空気を確実に流出させるために必要となる空間内の圧力についても、区画毎に異なった値となる。しかし、シールダムの接触部に生じた隙間から冷却空気が漏出することにより、区画毎に必要な圧力を確保できなくなるためである。
一方、シールダム頂部の溝にインサートのヒレを挿入する従来構造では、冷却空気の漏れを低減できるものの、ワイヤカットという加工が必要となる。このワイヤカットは、シールダム頂部の狭い面にヒレ挿入用の溝を形成する加工であり、シールダム形状は翼高さ方向に直線状のものとなるので、3次元設計翼など翼型が高さ方向にねじれた翼には適用できないという問題を有している。
このような背景から、ガスタービン静翼においては、インサート外表面と翼本体内壁面との間に形成された空間を仕切って区画することでフィルム冷却を行う冷却空気の漏出を防ぎ、区画された空間毎に異なる最適な冷却空気圧力を確保できるようにして、冷却空気の流出に必要となる十分な圧力差を得ることが望まれる。そして、インサート外表面と翼本体内壁面との間に形成された空間を仕切って区画するシールダム形状については、翼高さ方向に直線状のガスタービン静翼だけでなく、3次元設計のガスタービン静翼にも容易に適用可能な構造が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィルム冷却用の冷却空気が隣接する区画へ漏出することを防止する仕切部材(シールダム)のシール性を増し、かつ、3次元設計翼にも適用可能な仕切部材を備えたガスタービン静翼を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るガスタービン静翼は、外部に連通する開口を有する中空の翼型部と、表面に複数の貫通孔を有し、前記翼型部の中空部分に挿入されるインサートと、前記翼型部の内壁及び前記インサートの外表面によって画定される空間を2以上に仕切る仕切部材と、を有するガスタービン静翼であって、前記仕切部材の少なくとも一部が弾性体によって構成されることを特徴とするものである。
このようなガスタービン静翼によれば、翼型部の内壁及びインサートの外表面によって画定される空間を2以上に仕切る仕切部材の少なくとも一部が弾性体によって構成されるため、耐熱性を備えている弾性体の高粘弾性や密着性により、仕切部材のシール性が向上する。この結果、隣接する空間においては、高圧側から低圧側へ向けてフィルム冷却用の冷却空気が漏出することを防止できる。
上記発明のガスタービン静翼において、前記仕切部材は、前記インサートの外周面または前記翼型部の中空内壁面に対して、少なくとも一方の面から突出して前記弾性体が他方の面に密着するように設けられていることが好ましい。
この場合、特にインサート側に仕切り部材を設けておくことにより、インサートとともに取り外しが可能となるため、弾性体交換等のメンテナンスが容易になる。
上記発明のガスタービン静翼において、前記仕切部材は、前記インサートの外周面または前記翼型部の中空内壁面に対して、少なくとも一部が弾性体の前記仕切部材をいずれか一方の面に形成し、他方の面に設けたフィンを前記弾性体に差し込むように構成されていることが好ましく、これにより、弾性体を確実に固定するとともに、良好なシール性を得ることができる。
この場合、弾性体に差し込まれるフィンには、弾性体に対して確実に食い込んで差し込まれるように凹凸を設けておくと、仕切部材の固定やシール性がより一層向上する。
上記発明のガスタービン静翼において、前記弾性体は、カーボンナノチューブを主成分とする粘弾性材料であることが好ましく、これにより、低温から高温までの広い温度範囲において良好な粘弾性を得ることができる。この場合に好適な弾性体としては、高純度カーボンナノチューブからなる長尺でランダムなネットワーク状の構造体により実現されたCNT粘弾性体があり、このCNT粘弾性体は、軽さ及び丈夫さを兼ね備えているだけでなく、1000℃の高温領域まで弾性を維持できる耐熱ゴムとして機能する。
このようなカーボンナノチューブを主成分とする粘弾性材料の場合、前記仕切部材は、前記インサートの外表面に前記弾性体を成膜して形成することが可能となるため、仕切部材の加工性や組立性が向上する。
上述した本発明によれば、翼型部の内壁及びインサートの外表面によって画定される空間を2以上に仕切る仕切部材を備えたガスタービン静翼は、仕切部材のシール性が増すことにより、フィルム冷却用の冷却空気が隣接する低圧側の区画へ漏出することを防止できるようになり、しかも、3次元設計翼にも適用可能な仕切部材を備えたものとなる。
従って、ガスタービンの運転中は、仕切部材の良好なシール性によって区画された空間毎に異なる最適な冷却空気圧力を維持できるようになり、この結果、背腹等の翼位置に応じて異なる冷却空気流出に必要な圧力差を確保し、所望の冷却空気量を流出させて形成した空気層による確実なフィルム冷却が可能となる。
また、仕切部材がある程度の弾力性を有しているため厳密な寸法管理は不要となり、組立作業時間の短縮が可能となる。
本発明のガスタービン静翼に係る一実施形態を示す図で、(a)は横断面図(図2のB−B断面図)、(b)は(a)のA部拡大図である。 本発明に係るガスタービン静翼を示す正面図である。 図1のインサートを示す外観斜視図である。 図1(b)のA部拡大図に係る第1変形例を示す図である。 図1(b)のA部拡大図に係る変形例を示す図で、(a)は第2変形例を示す図、(b)は第3変形例を示す図である。 図1(b)のA部拡大図に係る変形例を示す図で、(a)は第4変形例の要部拡大図、(b)は(a)のフィンに係る変形例を示す側面図である。 図1(b)のA部拡大図に係る第5変形例を示す図である。
以下、本発明に係るガスタービン静翼の一実施形態を図面に基づいて説明する。
ガスタービンは、燃焼用空気を圧縮する圧縮機と、この圧縮機から送られてきた高圧空気中に燃料を噴射して燃焼させ、高温燃焼ガスを発生させる燃焼器と、この燃焼器の下流側に位置し、燃焼器を出た燃焼ガスにより駆動されるタービン部とを主たる要素とする原動機(内燃機関)であり、たとえば発電機駆動用の動力源等に用いられている。
上述したガスタービンのタービン部には、ケーシング側に固定支持されたガスタービン静翼と、タービン軸に取り付けられたタービン翼(動翼)とが、タービン軸方向へ交互に配置されている。そして、燃焼器からタービン部に供給される高温・高圧の燃焼ガスは、ガスタービン静翼及びタービン翼が交互に配置された燃焼ガス流路を通過してガスタービン出口から流出する。
燃焼ガス流路を通過する燃焼ガスは、流路内で急激に膨張してガスタービン出口へ向けて高速で流れるので、タービン翼に高速で移動する燃焼ガスを受けることでタービン軸が回転する。このとき、ガスタービン静翼は、燃焼ガス流路内を流れる燃焼ガスを適切に案内している。
図2に示すガスタービン静翼10は、内側シュラウド11及び外側シュラウド12の間に配設された翼型部20を有している。図示のガスタービン静翼10は、高温・高圧の燃焼ガスから熱影響を受けるため、圧縮機から供給される高圧空気(圧縮機吐出空気)の一部を利用した冷却が必要となる冷却翼である。
ガスタービン静翼10の翼型部20は、たとえば図2に示すように、外側シュラウド12から内側シュラウド11まで貫通する空洞部21が設けられている中空の翼本体部22と、空洞部21に挿入されて翼本体部22に支持されている筒状部品のインサート23とを備えている。
なお、図示の構成例では、空洞部21がリブ24により3分割されているが、これに限定されることはない。
そして、図1に示すガスタービン静翼10の翼型部20には、フィルム冷却用の冷却空気を翼外面に流出させるための開口として、空洞部21と外部とを連通させる複数のフィルム冷却孔25が設けられている。
空洞部21の内部に各々挿入されているインサート23は、ガスタービン静翼10の内部冷却を行うために設けられた筒状部品である。インサート23の断面形状は、空洞部21よりやや小さい略相似形とされ、従って、インサート23と翼型部20の内壁との間、すなわちインサート23の外表面と空洞部21の中空内壁面21aとの間には間隙部が形成されている。そして、板金等の成形部品であるインサート23の表面には、壁面を貫通する複数の貫通孔(不図示)が設けられている。この貫通孔はインピンジメント冷却孔であり、インサート23の内部に導入した圧縮機吐出空気は、インサート23の外壁面と間隙部を介して対向する中空内壁面21aに向けて噴射される。
上述した翼型部20は、空洞部21を形成する中空内壁面21aとインサート23とによって画定される空間が、すなわち、インサート23の外表面と空洞部21の中空内壁面21aとの間に形成されている間隙部が、仕切部材30により仕切られて2以上に分割されている。図示の構成例では、3分割された空洞部21のそれぞれに間隙部が形成されており、各空洞部21は、2箇所の仕切部材30によって翼形状の背側及び腹側に2分割されている。
なお、以下の説明では、中空内壁面21aとインサート23の外表面とによって画定される空間を「インピンジメント空間」と呼び、2分割されたインピンジメント空間の背側を「背側区間」、腹側を「腹側空間」と呼ぶ。
そして、本実施形態の仕切部材30は、以下に説明するように、少なくとも一部が弾性体によって構成されている。
仕切部材30は、インサート23の外周面または翼型部20の空洞部21を形成する中空内壁面21aに対して、少なくとも一方の面から突出して弾性体が他方の面に密着するように設けられている。
図1及び図3に示す構成例では、全体を耐熱性の弾性体とした仕切部材30がインサート23の外表面から突出して設けられている。この場合、仕切部材30は略台形状の断面とされ、下底側の面がインサート23の外表面に固定支持されているが、この断面形状に限定されることはない。
そして、上述した仕切部材30を設けたインサート23が翼型部20の空洞部21内に挿入され、所定位置に組み付けた状態でガスタービンが運転されると、上底側の面が中空内壁面21aに密着して、インピンジメント空間内を背側空間及び腹側空間に分割するようになっている。
このような仕切部材30は、少なくとも中空内壁面21aと密着する部分に弾性体が設けられていれば、耐熱性の弾性体が有する高温環境下での高粘弾性により、インピンジメント空間内は背側空間及び腹側空間の二つに分割される。
この結果、背側空間と腹側空間との間は、仕切部材30を構成する耐熱性弾性体の密着性により、インピンジメント冷却後の冷却空気が両空間の間で流通しないようにシールされる。この冷却空気は、フィルム冷却孔25から流出して翼型部20のフィルム冷却に使用されるが、フィルム冷却を行う翼外面は背腹等の位置により圧力が異なっている。
このため、フィルム冷却に必要な冷却空気量を流出させるためには、すなわち、翼外面とインピンジメント空間との間に必要な差圧を得るためには、背側空間及び腹側空間の内部圧力に圧力差を設ける必要がある。このとき、背側空間及び腹側空間を区分する仕切部材30のシールが不十分であれば、高圧に設定された腹側空間から低圧に設定された背側空間へ冷却空気が流出するので、高圧の腹側空間が冷却空気不足となる。
しかし、本実施形態の仕切部材30は、良好なシール性を有しているので、背側空間及び腹側空間の内部圧力に圧力差があっても、冷却空気の流通、すなわち、冷却空気の漏出を防止できる。従って、フィルム冷却孔25から流出するフィルム冷却用の冷却空気は、たとえばインピンジメント冷却孔の穴径や穴数等により背側空間及び腹側空間毎に調整した圧力が維持される。
こうして背側空間及び腹側空間の内部圧力が所定値に維持されると、フィルム冷却に必要な冷却空気の流出に必要な差圧を確保できる。このため、適宜配設したフィルム冷却孔25から所望の冷却空気量を流出させることができるので、翼型部20の翼外面に略均一な空気層を形成して狙い通りのフィルム冷却を実施できる。
また、上述した実施形態では、仕切部材30がインサート23の外周面に設けられているが、翼型部20に形成された空洞部21の中空内壁面21aに設けることや、インサート23の外周面及び空洞部21の中空内壁面21aに対して両方に設けることも可能である。なお、インサート23側に仕切部材30を設けておくと、たとえばインサート23とともに翼型部20から取り外すことが可能になるため、経年変化による弾性体交換作業等のメンテナンスが容易になる。
ところで、上述した仕切部材30に好適な弾性体としては、たとえばカーボンナノチューブ(CNT)を主成分とする新素材がある。この新素材は、たとえばCNT粘弾性体と呼ばれている。このCNT粘弾性体は、「独立行政法人 産業技術総合研究所」により近年開発された新素材であり、軽さ及び丈夫さを兼ね備え、しかも、低温から高温まで広い温度範囲で利用可能な粘弾性材料である。
上述したCNT粘弾性体は、高純度カーボンナノチューブからなる長尺でランダムなネットワーク状の構造体により実現された粘弾性材料であり、−196℃から1000℃までゴムのような粘弾性を有している。このCNT粘弾性材料は、特に−140℃から600℃の広い温度範囲において安定した性状を示し、シリコンゴムと同程度となる略一定の柔らかさと硬さを保つことができる。従って、CNT粘弾性材料は、1000℃の高温領域まで弾性を維持できる耐熱ゴムとして機能する。
CNT粘弾性体は、たとえば以下の手順により合成される。
最初にスパッタリングでシリコン基板上に鉄触媒をつけ、その後アルゴンイオンによる反応性イオンエッチングによって触媒を調整する。この基板上にスーパーグロス法によってCNTを合成した後、できあがったCNT構造体を圧縮して密度を4倍にする。
従って、弾性体にCNT粘弾性体を採用すると、仕切部材30の外表面に耐熱ゴムの弾性体を成膜することができるので、仕切部材30の加工性や組立性が向上する。
図4に示す第1変形例の仕切部材30Aは、翼型部20の中空内壁面21aから突出する台座31を設け、この台座31に嵌め込むようにして耐熱性の弾性体32が取り付けられているが、インサート23の外周面に台座31を設けて弾性体32を取り付ける構造としてもよい。この場合、インサート23の外周面と対向する台座31の面に、上述したCNT粘弾性体を成膜して弾性体としてもよい。
図5(a)に示す第2変形例の仕切部材30Bは、翼型部20の中空内壁面21aから突出するフィン33を設け、このフィン33に差し込むようにして耐熱性の弾性体32Aが取り付けられている。
図5(b)に示す第3変形例の仕切部材30Cは、翼型部20の中空内壁面21aから突出する一対のフィン33を設け、フィン33の間に押し込むことで挟持させるようにして耐熱性の弾性体32Bが取り付けられている。
なお、このような弾性体32A,32Bの取付構造は、仕切部材30をインサート23側に設ける場合にも適用可能である。
図6に示す第4変形例の仕切部材30Dは、インサート23の外周面から突出するように固定したフィン34と、このフィン34と対向する翼型部20の中空内壁面21aに取り付けた弾性体32Cとを備え、フィン34を弾性体32Cに差し込むように構成されている。このような構成の仕切部材30Dは、フィン34が押圧することで弾性体32Cを確実に固定するとともに、良好なシール性を得ることができる。
この場合、弾性体32Cに差し込まれるフィン34は、単純な矩形状としてもよいが、たとえば図6(b)に示す変形例のように、フィン34Aの差込面に矩形や三角形等の凹凸が繰り返される凹凸部35を形成してもよい。
このような凹凸部35は、弾性体32Cに対して確実に食い込むようにして差し込まれるので、仕切部材30Dの固定やシール性がより一層向上する。
また、図7に示す第5変形例の仕切部材30Eは、図5(b)の第3変形例と反対に、インサート23の外表面から突出する一対のフィン36を設け、フィン36の間に押し込んで挟持させるようにして耐熱性の弾性体32Dが取り付けられている。
このように、各変形例で説明した仕切部材30A〜30Eは、インサート23の外周面及び空洞部21の中空内壁面21aに対して、いずれか一方または両方に設けることが可能である。また、異なる変形例の仕切部材30A〜30Eを適宜選択して、複数を組み合わせることも可能である。
上述した実施形態及びその変形例によれば、翼型部20の中空内壁面21a及びインサート23の外表面によって画定される空間を2以上に仕切る仕切部材30を備えているガスタービン静翼10は、仕切部材30の少なくとも一部が弾性体により構成されているので、良好なシール性によりフィルム冷却用の冷却空気が隣接する区画へ漏出することを防止でき、しかも、弾性体が面で密着するため曲面の後縁等もシール可能となり、ワイヤカットが不要なため3次元設計翼にも適用可能となる。
この結果、ガスタービンの運転中は、仕切部材30の良好なシール性によって区画された空間毎に異なる最適なフィルム冷却用の冷却空気圧力を確保できるため、背腹等の翼位置に応じて異なる冷却空気流出に必要な圧力差を維持し、必要最小限の冷却空気量で所望のフィルム冷却が可能となる。
また、少なくとも一部が弾性体よりなる仕切部材30は、ある程度の弾力性を有しているため、厳密な寸法管理は不要となり、組立作業時間の短縮が可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 ガスタービン静翼
20 翼型部
21 空洞部
21a 中空内壁面
22 翼本体部
23 インサート
25 フィルム冷却孔
30,30A〜30E 仕切部材
31 台座
32,32A〜32D 弾性体
33,34,34A,36 フィン

Claims (5)

  1. 外部に連通する開口を有する中空の翼型部と、
    表面に複数の貫通孔を有し、前記翼型部の中空部分に挿入されるインサートと、
    前記翼型部の内壁及び前記インサートの外表面によって画定される空間を2以上に仕切る仕切部材と、を有するガスタービン静翼であって、
    前記仕切部材の少なくとも一部が弾性体によって構成されることを特徴とするガスタービン静翼。
  2. 前記仕切部材は、前記インサートの外周面または前記翼型部の中空内壁面に対して、少なくとも一方の面から突出して前記弾性体が他方の面に密着するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン静翼。
  3. 前記仕切部材は、前記インサートの外周面または前記翼型部の中空内壁面に対して、少なくとも一部が弾性体の前記仕切部材をいずれか一方の面に形成し、他方の面に設けたフィンを前記弾性体に差し込むように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスタービン静翼。
  4. 前記弾性体は、カーボンナノチューブを主成分とする粘弾性材料であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスタービン静翼。
  5. 前記仕切部材は、前記インサートの外表面に前記弾性体を成膜して形成されたことを特徴とする請求項4に記載のガスタービン静翼。
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