JP2020097907A - ガスタービンの静翼及びガスタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】相対的な軸方向の位置関係が設計時に意図したものとずれた場合等であっても、複数の燃焼器の出口部間における音響伝搬に起因した燃焼振動を低減可能なガスタービンの静翼を提供する。【解決手段】ガスタービンの静翼は、中空の翼体を備え、ガスタービンの軸方向における翼体の上流側端部は、軸方向における上流側に突出する凸部又は前記軸方向における下流側に凹む凹部を含み、凹部又は凸部は、翼体の外部空間と内部空間とを連通する少なくとも一つのパージ孔を含む。【選択図】 図6

Description

本開示は、ガスタービンの静翼及びガスタービンに関する。
複数の燃焼器を備えるガスタービンでは、燃焼器の出口近傍において、燃焼器間での音響的な伝搬により燃焼振動が発生することがある。このような燃焼振動は、ガスタービンの安定運転を阻害する要因となり得る。そこで、燃焼器の出口近傍で生じる燃焼振動を低減するための工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、隣接する燃焼器の出口部間における熱音響的な接続に起因する熱音響的脈動又は望ましくないモードの共鳴を抑制するため、燃焼器出口部(タービン入口部)における環状のガス流路が周方向に分割されたガスタービンが開示されている。
特許第5726267号公報
上述したように、特許文献1に記載されるガスタービンでは、燃焼器出口と静翼との間に形成される環状のガス流路が、周方向に少なくとも部分的に繋がる隙間が形成されている。そのため、隣接する燃焼器間の隙間の形成により音響的伝搬の抑制効果が限定的となりうる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、複数の燃焼器の出口部間における音響伝搬に起因した燃焼振動を低減可能なガスタービンの静翼及びガスタービンを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの静翼は、
ガスタービンの静翼であって、
中空の翼体を備え、
前記ガスタービンの軸方向における前記翼体の上流側端部は、前記軸方向における上流側に突出する凸部又は前記軸方向における下流側に凹む凹部を含み、
前記凹部又は前記凸部は、前記翼体の外部空間と内部空間とを連通する少なくとも一つのパージ孔を含む。
上記(1)の構成によれば、静翼の上流側に位置する凹部又は凸部を、燃焼器側の相手側部材(例えば燃焼器又は燃焼器と静翼との間に設けられるシール部材等)と嵌合させたときに、静翼の凹部または凸部の一対の側壁面と、相手側部材とを、軸方向においてオーバーラップさせることができる。これにより、燃焼器と静翼との間の隙間が凹凸形状の小さい隙間として形成され、複数の燃焼器の出口部間における音響伝搬に起因した燃焼振動を低減することができる。
また、上記(1)の構成によれば、静翼の凹部又は凸部と燃焼器側の相手側部材との間の隙間に、翼体の内部空間からパージ孔を介して冷却媒体を供給することができる。このように、静翼の凹部又は凸部と、相手側部材との間の隙間に供給される冷却媒体の流れによって、静翼の上流側端部が冷却され、上流側端部の熱損傷が防止され、ガスタービンの安定運転が可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記凸部又は前記凹部は、翼高さ方向に沿って前記翼体の先端側から基端側にかけて延在し、
前記パージ孔は、前記先端側から前記基端側にかけて前記翼高さ方向に沿って配列された複数のパージ孔を含む。
上記(2)の構成によれば、翼体の先端側から基端側にかけて配列された複数のパージ孔から冷却媒体を翼体の外部空間に排出することにより、翼体の内部空間への燃焼ガスの逆流を抑制し、パージ孔の外側の燃焼ガスの温度を低下させて翼体の上流側端部の熱損傷を抑制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記翼体は、前記ガスタービンの周方向において前記パージ孔に隣接する少なくとも一つのサイドパージ孔を含む。
上記(3)の構成によれば、サイドパージ孔から冷却媒体を翼体の外部空間に排出することにより、翼体の内部空間への燃焼ガスの逆流を抑制し、サイドパージ孔の外側の燃焼ガスの温度を低下させて翼体の軸方向上流側端部の損傷を抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記翼体は、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し、翼面が凸面を形成する負圧面側の負圧面壁部と、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し、前記翼面が凹面を形成する圧力面側の圧力面壁部と、を備え、
前記上流側端部の外壁面は、前記凸部又は前記凹部を周方向に挟んで前記負圧面壁部及び前記圧力面壁部に延在する一対の平板部を含む。
上記(4)の構成によれば、翼体の上流側端部の加工が容易になる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の構成において、
前記翼体の前記内部空間に翼高さ方向に沿って延設された筒状の第1インサートを更に備え、
前記第1インサートは、前記翼高さ方向に沿って延在する開口が形成された開口形成部を含み、
前記開口は、前記少なくとも一つのパージ孔に対向して配置されている。
上記(5)の構成によれば、第1インサートの内部空間から開口形成部の開口を介して第1インサートの外部に流出した高圧の冷却媒体を、パージ孔からスムーズに静翼の凹部又は凸部と燃焼器側の相手側部材との間の隙間に直接供給することができる。これにより、静翼を冷却しながら前述の隙間を介した燃焼ガスの逆流を抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記第1インサートは、筒状に形成された筒体と、前記筒体の一端部に鍔状に設けられたインサートカラーと、を含み、
前記インサートカラーは、前記開口形成部の位置に対応して配置された切欠き部を有する。
上記(6)の構成によれば、インサートカラーに開口形成部の開口の位置に対応する部分に切欠き部があるので、外部から供給される冷却媒体の一部を翼体の内壁面と第1インサートの外周面との隙間に直接供給出来るので、冷却媒体の圧力損失の発生を極力抑えて、高圧の冷却媒体をパージ孔に供給できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)の構成において、
前記翼体の内壁面と前記第1インサートの外周面との間には第1インピンジメント空間が形成され、
前記第1インサートのうち前記開口形成部を除いた部分は、前記第1インサートの内部空間と前記第1インピンジメント空間とを連通する複数のインピンジメント孔が形成されたインピンジメント壁部を含む。
上記(7)の構成によれば、インピンジメント壁部に形成されたインピンジメント孔を介して第1インサートの内部空間から第1インピンジメント空間に冷却媒体を排出することにより、翼体に対してインピンジメント冷却を行うことができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記翼体における前記上流側端部の内壁面には、前記第1インサートとの間で前記第1インピンジメント空間を仕切るように前記翼高さ方向に延在する一対の第1シールダムが形成され、
前記一対の第1シールダムは、前記パージ孔を前記ガスタービンの周方向に挟んで配置される。
上記(8)の構成によれば、インピンジメント空間のうち開口形成部の開口とパージ孔とを連通するために接続する連通空間を、一対の第1シールダムによって、第1インピンジメント空間に対して仕切ることができる。このため、静翼の凹部又は凸部と燃焼器側の相手側部材との間の隙間に対して、翼体の内部空間からパージ孔を介して第1インサートに供給された冷却媒体の圧力を下げることなく、高圧の冷却媒体を効果的に供給することができる。これにより、第1インピンジメント空間が、連通空間から縁切り離されるため、翼面の状態に応じて効果的なインピンジメント冷却が可能になる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記上流側端部は、前記ガスタービンの周方向に延在する平板部を含み、
前記凸部又は前記凹部は、前記平板部に形成されており、
前記一対の第1シールダムは、前記平板部の内壁面に形成されている。
上記(9)の構成によれば、一対の第1シールダムを平板部の内壁面に形成することにより、第1シールダムと第1インサートとの間の漏れ流れを効果的に抑制し、有効なインピンジメント冷却が達成できる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(8)又は(9)の構成において、
前記第1インサートは、前記開口を前記周方向に挟んで配置された一対のリブを前記第1インサートの外周面に備え、
前記一対のリブは、前記翼高さ方向に沿って延在するとともに前記一対の第1シールダムにそれぞれ嵌合する。
上記(10)の構成によれば、第1インピンジメント空間において、翼体に対する効果的なインピンジメント冷却が可能になる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記第1インサートの前記開口形成部と前記インピンジメント壁部とは、前記リブを間に挟んで隣接して設けられる。
上記(11)の構成によれば、パージ孔を介して翼体の外部空間に排出される冷却媒体及びインピンジメント孔を介して第1インピンジメント空間に噴射される冷却媒体によって、翼体を効果的に冷却することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(11)の何れかの構成において、
前記ガスタービンの軸方向において前記第1インサートの下流側に隣接して設けられるとともに前記翼高さ方向に沿って延在する筒状の第2インサートを更に備え、
前記翼体は、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し翼面が凸面を形成する負圧面側の負圧面壁部と、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し前記翼面が凹面を形成する圧力面側の圧力面壁部と、前記翼体の内側において前記負圧面壁部と前記圧力面壁部とを接続するように延在するn個(nは1以上の整数)の仕切壁とを含み、
前記第1インサート及び前記第2インサートは、前記n個の仕切壁のうち後縁から最も遠い仕切壁である前側仕切壁と、前記翼体の外壁のうち前記前側仕切壁を挟んで前記後縁と反対側の部分である前側外壁部と、によって画定される前側空間に設けられ、
前記翼体の内壁面と前記第2インサートの外周面との間には第2インピンジメント空間が形成され、
前記静翼は、前記第1インピンジメント空間と前記第2インピンジメント空間とを仕切る仕切部を備え、
前記第1インサートとの間で前記第1インピンジメント空間を仕切るシールダムの数は一対であり、前記第2インサートとの間で前記第2インピンジメント空間を仕切るシールダムの数は一対以下である。
上記(12)の構成によれば、第1インサートとの間で第1インピンジメント空間を仕切るシールダムの数は一対であり、第2インサートとの間で第2インピンジメント空間を仕切るシールダムの数は、一対以下である。このため、前側空間の圧力を3以上の圧力に分ける場合であっても、第1インサート及び第2インサートを容易に前側空間に挿入することができ、仕切部における漏れ流れの量の増大を抑制することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、
前記仕切部は、前記第1インサートと前記第2インサートとの間を前記前側外壁部から前記前側仕切壁に亘って仕切る仕切壁を含む。
上記(13)の構成によれば、仕切壁を挟んで両側に位置する第1インピンジメント空間と第2インピンジメント空間との間の漏れ流れを完全に防止できる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、
前記仕切部は、前記第2インサートとの間で前記第2インピンジメント空間を仕切るように前記翼高さ方向に延在する一対の第2シールダムを含む。
上記(14)の構成によれば、第2シールダムを挟んで両側に位置する第1インピンジメント空間と第2インピンジメント空間との間の漏れ流れを簡素な構成で抑制することができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記(14)の構成において、
前記一対の第2シールダムは、前記前側仕切壁の内壁面及び前記前側外壁部の内壁面に形成される。
上記(15)の構成によれば、簡素な構成で、前側仕切壁の内壁面と第2インサートとの間を仕切るとともに、前側外壁部と第2インサートとの間を仕切ることができる。
(16)幾つかの実施形態では、上記(14)又は(15)の構成において、
前記第2インサートは前記第2インサートの外周面に一対のリブを備え、
前記第2インサートの前記一対のリブは、前記翼高さ方向に沿って延在するとともに前記一対の第2シールダムにそれぞれ嵌合する。
上記(16)の構成によれば、一対の第2シールダムを挟んで両側に位置する第1インピンジメント空間と第2インピンジメント空間との間の漏れ流れを簡素な構成で抑制することができる。
(17)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、
径方向に沿った径方向壁部を含む出口部を有するとともに、周方向に配置される複数の燃焼器と、
前記周方向に隣り合う前記燃焼器の前記出口部のうち互いに対向する一対の前記径方向壁部の下流側に位置する、上記(1)乃至(16)の何れかに記載の静翼と、
を備える。
上記(17)の構成によれば、上記(1)乃至(16)の何れかに記載の静翼を備えるため、複数の燃焼器の出口部間における音響伝搬に起因した燃焼振動を効果的に低減することができる。これにより、対処が必要な燃焼振動の周波数が少なくなり、ガスタービンの安定運転が可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、複数の燃焼器の出口部における燃焼振動を低減可能なガスタービンの静翼及びガスタービンが提供される。
一実施形態に係るガスタービンの概略構成図である。 一実施形態に係るガスタービン1の燃焼器4の出口部52及びタービン6の入口部の概略構成を示す図である。 一実施形態に係るガスタービン1の燃焼器4の出口部52及びタービン6の入口部の概略構成を示す図である。 一実施形態に係る1段静翼23廻りの概略断面図(図3に示すVI−VI断面図)である。 一実施形態に係る1段静翼23廻りの他の態様の概略断面図(図3に示すVI−VI断面図)。 図4に示した1段静翼23Aの具体的構成の一例を示す拡大断面図である。 図6におけるA−A断面を示す図である。 図5に示した1段静翼23Aの具体的構成の他の態様の一例を示す拡大断面図である。 図8におけるC−C断面を示す図である。 一実施形態に係る第1インサート114の概略構成の一例を示す図である。 他の実施形態に係る第1インサート114の概略構成の一例を示す図である。 図15に示した第1インサート114におけるインサートカラー124が設けられる範囲を示す断面図である。 第1シールダム142の構成例を示す概略断面図である。 図4に示した1段静翼23Aの具体的構成の他の態様の一例を示す拡大断面図である。 図10におけるB−B断面を示す図である。 図5に示した1段静翼23Aの具体的構成の他の態様の一例を示す拡大断面図である。 図12におけるD−D断面を示す図である。 図14又は図16に示す第1インサートと第2インサートを組み合わせたインサートの斜視図である。 第1インサートと第2インサートを組み合わせたインサートの共通の共有インサートカラーの取付図である。 第2シールダム166の構成例を示す概略断面図である。 第2シールダム166の他の構成例を示す概略断面図である。 図4に示した1段静翼23Aの具体的構成の他の態様の一例を示す拡大断面図である。 図21におけるE−E断面を示す図である。 一実施形態に係る外側シュラウド62の構成を示す概略斜視図である。 他の実施形態に係る1段静翼23廻りの概略断面図である。 他の実施形態に係る1段静翼23廻りの概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、一実施形態に係るガスタービンの概略構成図である。
図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機2と、圧縮空気及び燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器4と、燃焼ガスによって回転駆動されるように構成されたタービン6と、を備える。発電用のガスタービン1の場合、タービン6には不図示の発電機が連結される。
圧縮機2は、圧縮機車室10側に固定された複数の静翼16と、静翼16に対して交互に配列されるようにロータ8に植設された複数の動翼18と、を含む。
圧縮機2には、空気取入口12から取り込まれた空気が送られるようになっており、この空気は、複数の静翼16及び複数の動翼18を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。
燃焼器4には、燃料と、圧縮機2で生成された圧縮空気とが供給されるようになっており、該燃焼器4において燃料が燃焼され、タービン6の作動流体である燃焼ガスが生成される。図1に示すように、ガスタービン1は、ケーシング20内にロータを中心として周方向に沿って複数配置された燃焼器4を有する。
タービン6は、タービン車室22によって形成される燃焼ガス流路28を有し、該燃焼ガス流路28に設けられる複数の静翼24及び動翼26を含む。静翼24はタービン車室22から支持されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の静翼24が静翼列を構成している。また、動翼26はロータ8に植設されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の動翼26が動翼列を構成している。静翼列と動翼列とは、ロータ8の軸方向において交互に配列されている。なお、複数の静翼24のうち、最も上流側に設けられる静翼24、すなわち燃焼器4に近い位置に設けられる静翼24が1段静翼23(以下、単に「静翼23」と記載する。)である。
タービン6では、燃焼ガス流路28に流れ込んだ燃焼器4からの燃焼ガスが複数の静翼24及び複数の動翼26を通過することでロータ8が回転駆動され、ロータ8に連結された発電機が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン6を駆動した後の燃焼ガスは、排気室30を介して外部へ排出される。
なお、燃焼器4は、ロータ8を中心として環状に配置され、燃料の燃焼により発生した燃焼ガスは、尾筒50の下流端部に位置する燃焼器4の出口部52を介して、タービン6の静翼23に流入する。
以下では、ガスタービン1の軸方向(ロータ8の軸方向)を単に「軸方向」と記載し、ガスタービン1の径方向(ロータ8の径方向)を単に「径方向」と記載し、ガスタービン1の周方向(ロータ8の周方向)を単に「周方向」と記載することとする。また、燃焼ガス流路28における燃焼ガスの流れ方向について、軸方向における上流側を単に「上流側」と記載し、軸方向における下流側を単に「下流側」と記載することとする。
図2及び図3は、それぞれ、一実施形態に係るガスタービン1の燃焼器4の出口部52及びタービン6の入口部の概略構成を示す図である。このうち図2は周方向に沿った断面図であり、図3は径方向に沿った断面図である。図4は、一実施形態に係る燃焼器4(燃焼器アセンブリ100)の出口部52と静翼23を組み合わせた概略構成を示す図である。
図2及び図3に示すように、ガスタービン1は、周方向に配置される複数の燃焼器4と、燃焼器4の出口部52よりも下流側に位置する静翼23と、を備える。
周方向に配置される複数の燃焼器4は、幾つかの実施形態に係る燃焼器アセンブリ100を構成する。図2及び図3に示すように、複数の燃焼器4は、それぞれ、燃焼器4の下流端部に位置する出口部52を有し、各燃焼器4の出口部52は、径方向に沿って延在する径方向壁部54a,54bと、周方向に沿って延在する周方向壁部56a,56bと、を含む。ここで、周方向に隣り合う燃焼器4の出口部52のうち、一方の燃焼器4の径方向壁部54と、他方の燃焼器4の径方向壁部54a,54bとは、互いに対向する一対の径方向壁部54a,54bである(図2参照)。
図2に示すように、周方向に沿って配列される複数の静翼23は、上述の一対の径方向壁部54a,54bの下流側に設けられる静翼23Aを含む。
幾つかの実施形態では、図2に示すように、複数の静翼23は、周方向に隣り合う一対の静翼23A,23Aの間の周方向位置に設けられる他の静翼23Bをさらに含む。図2に示すように、静翼23Aは、他の静翼23Bの前縁よりも上流側まで延在している。なお、図2において、他の静翼23Bの軸方向における前縁の位置を、一点鎖線L1で示す。図2に示す例示的な実施形態では、周方向に沿って配列される複数の静翼23は、周方向において交互に配置される静翼23A及び他の静翼23Bを含む。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、静翼23Aは、中空の翼体70と、翼体70の径方向内側である先端部107に設けられる内側シュラウド60と、静翼23Aの径方向外側である基端部105に設けられる外側シュラウド62と、を含む。静翼23は外側シュラウド62を介してタービン車室22に支持される。
幾つかの実施形態では、例えば図4に示すように、軸方向における翼体70の上流側端部82は、軸方向における上流側に突出する凸部86を含む。翼体70は、凸部86と後縁76とを接続し、翼面が凸面を形成する負圧面側の負圧面壁部75と、凸部86と後縁76とを接続し、翼面が凹面を形成する圧力面側の圧力面壁部73と、を備える。凸部86は、翼体70の外部空間94と内部空間109とを連通する少なくとも一つのパージ孔87を含む。
また、上流側端部82の軸方向上流側の端面は、それぞれ軸方向に直交し周方向に延在する一対の平板部148が形成され、軸方向に延びるパージ孔87を中心として一対の平板部148の周方向の両側端で、負圧面壁部75の翼面及び圧力面壁部73の翼面に結合されている。また、凸部86は、一対の平板部148の間から軸方向上流側に伸びて、上流側端部82に対向して軸方向上流側に配置された相手側部材55に形成された溝状の相手側部材凹部55aに嵌まり込むように形成される。凸部86の周方向を向く面は、一対の側壁面88を形成する。なお、凸部86の外表面と相手側部材凹部55aの内表面の間には、パージ孔87から排出された冷却媒体が流れる程度の隙間が形成されている。平板部148から凸部86の軸方向上流側端面である頂面86aまでの軸方向の長さは、一対の側壁面88間の距離で規定される周方向の凸部86の幅より大きく、上流側端部82の平板部148と相手側部材55の軸方向下流側端面55bとの間に形成される軸方向の隙間95より大きい。
上記静翼23Aによれば、静翼23Aの上流側端部82に位置する凸部86を、燃焼器4側の相手側部材55と嵌合させたときに、静翼23Aの凸部86の一対の側壁面88と、相手側部材55とを、軸方向及び周方向においてオーバーラップさせることができる。
これにより、相手側部材55の軸方向下流側端面55bと静翼24の圧力面壁部73側の平板部148との間の軸方向の隙間95aと、相手側部材55の軸方向下流側端面55bと静翼24の負圧面壁部75側の平板部148との間の軸方向の隙間95bとが、周方向に直線状に繋がるのではなく、凸部86の一対の側壁面88と、相手側部材55の相手側部材凹部55aとの組合せにより、軸方向及び周方向において凸部86と相手側部材55とがオーバーラップする構造が形成され、オーバーラップ構造を介して、軸方向の隙間95aと隙間95bが繋がる。従って、隣接する複数の燃焼器4の出口部52を繋ぐ隙間95は、凹凸形状の屈折する溝状の小さい隙間として形成され、複数の燃焼器4の出口部52における音響伝搬に起因した燃焼振動を低減することができる。
また、上記構成によれば、静翼23Aの凸部86と燃焼器4側の相手側部材55との間の隙間95に、翼体70の内部空間109からパージ孔87を介して冷却媒体を供給することができる。このように、静翼23Aの凸部86と、相手側部材との間の隙間95に供給される冷却媒体の流れによって、静翼23Aの上流側端部82が冷却され、上流側端部82の熱損傷が防止される。
これにより、ガスタービン1の安定運転が可能となる。なお、翼体70の内部空間109には、冷却媒体として、例えば、圧縮機2で生成された圧縮空気が供給されるようになっていてもよい。
図5は、一実施形態に係る燃焼器4(燃焼器アセンブリ100)の出口部52と静翼23を組み合わせた概略構成を示す図である。
幾つかの実施形態では、例えば図5に示すように、軸方向における翼体70の上流側端部82は、軸方向における下流側に凹む凹部84を含む。翼体70は、凹部84と後縁76とを接続し、翼面が凸面を形成する負圧面側の負圧面壁部75と、凹部84と後縁76とを接続し、翼面が凹面を形成する圧力面側の圧力面壁部73と、を備える。凹部84は、翼体70の外部空間94と内部空間109とを連通する少なくとも一つのパージ孔87を含む。
また、上流側端部82の軸方向上流側の端面は、軸方向に直交し周方向に延在する一対の平板部148が形成され、軸方向に延びるパージ孔87を中心として一対の平板部148の周方向の両側端で、負圧面壁部75及び圧力面壁部73に結合されている。また、凹部84は、一対の平板部148の間から軸方向下流側に凹んで、上流側端部82に対向して軸方向上流側に配置された相手側部材55に形成された凸状の相手側部材凸部55cが嵌まり込むように形成される。凹部84の周方向を向く面は、一対の側壁面88を形成する。なお、凹部84の内表面と相手側部材凸部55cの外表面の間は、パージ孔87から排出された冷却媒体が流れる程度の隙間が形成されている。凹部84の軸方向の深さは、凹部84の一対の側壁面88で画定される周方向の幅より大きく、上流側端部82の平板部148と相手側部材55の軸方向下流側端面55bとの間に形成される軸方向の隙間95より大きい。
上記静翼23Aによれば、静翼23Aの上流側端部82に位置する凹部84を、燃焼器4側の相手側部材55と嵌合させたときに、1段静翼23Aの凹部84の一対の側壁面88と、相手側部材55とを、軸方向及び周方向においてオーバーラップさせることができる。
これにより、相手側部材55の軸方向下流側端面55bと静翼24の圧力面壁部73側の平板部148との間の軸方向の隙間95aと、相手側部材55の軸方向下流側端面55bと静翼24の負圧面壁部75側の平板部148との間の軸方向の隙間95bとが、周方向に直線状に繋がるのではなく、凹部84の一対の側壁面88と、相手側部材55の相手側部材凸部55cとの組合せにより、軸方向及び周方向においてオーバーラップする構造が形成され、オーバーラップ構造を介して、軸方向の隙間95aと隙間95bが繋がる。従って、隣接する複数の燃焼器4の出口部52を繋ぐ隙間95は、凹凸形状の屈折する溝状の小さい隙間として形成され、複数の燃焼器4の出口部52間における音響伝搬に起因した燃焼振動を低減することができる。
また、上記構成によれば、静翼23Aの凹部84と燃焼器4側の相手側部材55との間の隙間95に、翼体70の内部空間109からパージ孔87を介して冷却媒体を供給することができる。このように、静翼23Aの凹部84と、相手側部材との間の隙間95に供給される冷却媒体の流れによって、静翼23Aを冷却することができる。
これにより、ガスタービン1の安定運転が可能となる。なお、翼体70の内部空間109には、冷却媒体として、例えば、圧縮機2で生成された圧縮空気が供給されるようになっていてもよい。
図6は、図4に示した静翼23Aの具体的構成の一例を示す拡大断面図である。図7は、図6におけるA−A断面を示す図である。図8は、5に示した静翼23Aの具体的構成の他の態様の一例を示す拡大断面図である。図9は、図8におけるC−C断面を示す図である。
幾つかの実施形態では、例えば図6及び図8に示すように、翼体70は、周方向においてパージ孔87に隣接する少なくとも一つのサイドパージ孔89を含む。図示する形態では、翼体70は、周方向においてパージ孔87を挟んで両側に設けられた一対のサイドパージ孔89を含む。
かかる構成によれば、サイドパージ孔89から冷却媒体を翼体70の外部空間94に排出することにより、翼体70の内部空間109への燃焼ガスの逆流を抑制し、サイドパージ孔89の外側の燃焼ガスの温度を低下させて翼体70の上流側端部82の熱損傷を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図6及び図8に示すように、上流側端部82の外壁面112は、凸部86又は凹部84を周方向に挟んで負圧面壁部75及び圧力面壁部73に延在する平坦面で形成された一対の平板部148を含む。かかる構成によれば、翼体70の上流側端部82の加工が容易になる。
幾つかの実施形態では、例えば図7及び図9に示すように、凸部86又は凹部84は、翼高さ方向に沿って翼体70の先端側(図3における内側シュラウド60側)から基端側(図3における外側シュラウド62側)にかけて延在し、パージ孔87は、翼高さ方向に沿って翼体70の先端側から基端側にかけて配列された複数のパージ孔87を含む。凸部86又は凹部84は、翼高さ方向における静翼23Aの基端部105と先端部107との間の長さの半分以上の長さにわたって延在していてもよい。なお、図7及び図9に示すように、外部から翼体70に供給される冷却媒体は、基端部105側一方向から供給される片側供給構造である。
かかる構成によれば、翼体70の先端側から基端側にかけて配列された複数のパージ孔87から冷却媒体を翼体70の外部空間94に排出することにより、翼体70の内部空間109への燃焼ガスの逆流を抑制し、パージ孔87の外側の燃焼ガスの温度を低下させて翼体70の上流側端部82の熱損傷を抑制することができる。
以下では、幾つかの実施形態に共通する翼構造の基本的な考え方について説明する。
図4及び図5に示すように、幾つかの実施形態に共通する翼構造は、翼体70の上流側端部82から後縁76まで間の翼体70の内部空間が、仕切壁150によって複数の空間に仕切られ、空間に供給された冷却媒体は、翼面67、69に形成された複数の冷却孔136を介して、燃焼ガス中に排出する過程で、翼体70を冷却している。特に、上流側端部82に最も近い前側空間160を形成する前側外壁部158は、翼面の中でも燃焼ガスの流れ方向の最も上流側に配置されているため、インピンジメント冷却やフィルム冷却等の適切な冷却構造が要求される。
また、翼体の負圧面壁部75側を流れる燃焼ガスは、圧力面壁部73側を流れる燃焼ガスと比較して流速が早く、圧力面壁部73側より燃焼ガス圧の低下が著しい。従って、翼体70の負圧面壁部75側に隣接する前側空間160と燃焼ガス流との圧力差によって冷却媒体の排出量が変化する。冷却媒体の消費流量は、ガスタービン1の熱効率に影響するため、冷却媒体の消費量の適切な管理が必要になる。つまり、翼体70の前側空間160と燃焼ガスとの圧力差を燃焼ガスが流れる翼面に沿った方向で可能な限り同じ圧力差として、適正な冷却媒体の消費量となるような翼構造が要求される。負圧面壁部75側の翼面69に沿って流れる燃焼ガスの圧力変化に応じて前側空間160の圧力を変える翼構造について、以下に説明する。
幾つかの実施形態では、例えば図6及び図8に示すように、翼体の内部空間を複数に区分けするため、静翼23Aの翼体70は、翼体70の内側において負圧面壁部75と圧力面壁部73とを接続するように直線状に延在するn個(nは1以上の整数)の仕切壁150を含んで形成され、上流側端部82の内部空間には、第1インサート114及び第2インサート152が配置される。第1インサート114及び第2インサート152は、n個の仕切壁150のうち後縁76(図4及び図5参照)から最も遠い仕切壁150である前側仕切壁154と、翼体70の外壁156のうち前側仕切壁154を挟んで後縁76と反対側の部分である前側外壁部158と、によって画定される前側空間160に設けられる。翼体70の内壁面130と第2インサート152の外周面132との間には低圧インピンジメント空間176(第2インピンジメント空間)が形成される。第2インサート152は、第2インサート152の内部空間196と低圧インピンジメント空間176とを連通する複数のインピンジメント孔194が形成されたインピンジメント壁部198を含む。図示する形態では、インピンジメント壁部198は、前側外壁部158に対向して設けられる。翼体70は、上流側端部82、仕切壁150、前側仕切壁154、前側外壁部158及び前側空間仕切壁170(後述)を含む。
すなわち、図6及び図8に示すように、静翼23Aは、高圧インピンジメント空間134と低圧インピンジメント空間176とを仕切る前側空間仕切壁170(仕切部)を備える。図6及び図8に示す翼構造の場合、翼面に沿って流れる燃焼ガス流の圧力は、圧力面壁部73側と負圧面壁部75側と大きな差はなく、ほぼ同じ圧力である。しかし、負圧面壁部75側の燃焼ガス流の圧力は、前側空間仕切壁170の位置を境界として、後縁76に向かうと共に急激に低下する。つまり、前側空間仕切壁170の軸方向上流側の仕切壁が翼体70に接続する翼面69側の位置は、負圧面壁部75側の燃焼ガス流の圧力が低下する分岐点になる。
図6又は図8に示す翼構造は、上述のように、負圧面壁部75側の燃焼ガスの圧力変化に応じて、前側空間160を前側空間仕切壁170により2つの空間に仕切る構造である。前側空間160を、一部の圧力面壁部73側を含めて負圧面壁部75側の燃焼ガス圧力が高い凸部86又は凹部84に近い空間と、負圧面壁部75側の燃焼ガス圧力が低い凸部86又は凹部84から遠い空間とに区分して、それぞれの空間に第1インサート114及び第2インサート152を配置した構造である。詳細は後述するが、第1インサート114及び第2インサート152を形成するインピンジメント壁部140、198により、翼体70の内壁面130と第1インサート114との間に高圧インピンジメント空間134が形成され、翼体70の内壁面130と第2インサート152との間に低圧インピンジメント空間176が形成される。インピンジメント壁部140、198には複数のインピンジメント孔138、194が形成され、外部から内部空間109、196に供給された冷却媒体がインピンジメント孔138、194から噴出して、高圧インピンジメント空間134及び低圧インピンジメント空間176に面した上記内壁面130をインピンジメント冷却(衝突冷却)する。インピンジメント冷却後の冷却媒体は、翼面に形成された冷却孔136から燃焼ガス中に排出する過程で、翼体70の翼面67、69をフィルム冷却する。
第1インサート114が配置された高圧インピンジメント空間134は、圧力面壁部73及び負圧面壁部75の両方に対面しているが、上述のように、圧力面壁部73及び負圧面壁部75の燃焼ガスの圧力は大略同じ圧力である。従って、第1インサート114を構成するインピンジメント壁部140に形成された複数のインピンジメント孔138の仕様(孔径又は開口面積又は配列等)について、圧力面壁部73と負圧面壁部75のそれぞれに対向するインピンジメント壁部140のインピンジメント孔138を同じ仕様とすることが望ましい。その結果、圧力面壁部73側と負圧面壁部75側共に、高圧インピンジメント空間と燃焼ガスとの圧力差が均一になり、冷却孔136から燃焼ガス中に排出される冷却媒体の流量が平準化される。
一方、第2インサート152が配置された低圧インピンジメント空間176の場合は、低圧インピンジメント空間176が対面する負圧面壁部75側の燃焼ガスの圧力は、翼面69に沿って急激に低下する。従って、低圧インピンジメント空間176の圧力を高圧インピンジメント空間134の圧力と同じ圧力を維持すると、低圧インピンジメント空間176と燃焼ガスとの圧力差が大きくなる。つまり、低圧インピンジメント空間176から冷却孔136を介して燃焼ガス中に排出される冷却媒体の流量が適正値を越え、過剰な冷却媒体量が流出し、ガスタービンの熱効率の低下を招く。冷却媒体の低圧インピンジメント空間176から燃焼ガス中への過剰な流出を抑制するため、第1インサート114のインピンジメント壁部140に形成されたインピンジメント孔138の仕様とは異なる仕様を選定することが望ましい。例えば、第2インサート152のインピンジメント壁部198に形成されたインピンジメント孔194の孔径又は開口面積の縮小やインピンジメント孔194の配列ピッチの拡大等により排出する冷却媒体の流路を調節することが望ましい。
このように、第1インサート114及び第2インサート152のインピンジメント壁部140、198に形成されたインピンジメント孔138、194の適正な孔径又は開口面積又は配列等の仕様を適宜選択して、高圧インピンジメント空間134及び低圧インピンジメント空間176と燃焼ガスとの間の圧力差が大略同じとなるようなインピンジメント孔の仕様を選定することが望ましい。その結果、インピンジメント孔138、194による翼体70の内壁面130に対するインピンジメント冷却と、冷却孔136のフィルム冷却の効果により、翼体70が適正に冷却される。更に、第1インサート114と第2インサート152から燃焼ガス中に排出される冷却媒体の流量を適正に管理することで、冷却媒体の消費量が低減され、タービンの熱効率が改善される。
一方、上述のように連通空間172は、内部空間109とほぼ同じ圧力であり、前側空間160の中では最も圧力が高い空間である。そのため、連通空間172と高圧インピンジメント空間134との間をシールするため、構造詳細は後述する一対のシールダム142が配置されている。
次に、第1インサート及び第2インサートの構造について説明する。
図10は、一実施形態に係る第1インサート114の概略構成の一例を示す図である。図11は、他の実施形態に係る第1インサート114の概略構成の一例を示す図である。図12は、図11に示した第1インサート114におけるインサートカラー124が設けられる範囲の一例を示す断面図である。図12では、インサートカラー124のみが実線で表示され、翼体70及び第1インサート114、第2インサート152は仮想線で表示されている。
図6から図9に示すように、第1インサート114は、翼高さ方向に沿って延在する開口116が形成された開口形成部118を含み、開口116は軸方向でパージ孔87に対向して配置されている。
幾つかの実施形態では、例えば図7、図9、図10及び図11に示すように、第1インサート114は、筒状に形成された筒体120と、筒体120の基端部105側の端部に鍔状に設けられたインサートカラー124と、先端部107側の端部に設けられた蓋部121と、筒体120の内面に固定された補強材123と、を含む。図10に示す第1インサート114では、インサートカラー124は、筒体120の基端部105側の端部の全周に亘って設けられている。筒体120の先端部107側には、筒体120の内面に環状に形成されたガイド121aを備えた蓋部121(例えば図7及び図9参照)が配置されている。蓋部121は、先端部107側の翼体70の端面に溶接等で固定されている。蓋部121に形成されている環状のガイド121aは、第1インサート114の筒体120の内周面120aに嵌め込まれる。ガイド121aの外周面と筒体120の内周面120aとの間は、翼高さ方向に摺動可能に嵌合された構造であり、筒体120の翼高さ方向の熱伸び差を吸収可能である。補強材123は、第1インサート114の筒体120の内周面120aの先端部107側であって、翼体70に形成されたパージ孔87の内、最も翼高さ方向の先端部107側に配置されたパージ孔87の位置より先端部107側に寄った位置に配置するのが望ましく、筒体120の内面に溶接等で固定されている。補強材123を設けることにより、筒体120の先端部107側の剛性が上がり、筒体120の振動等の発生も抑制される。
図11に示す第1インサート114の他の実施形態では、インサートカラー124は、周方向における開口形成部118の位置に対応して配置された切欠き部126を有する。例えば図12に示すように、インサートカラー124の外周端124aは、筒体120から翼体70まで延在し、筒体120の基端部105側において、翼体70の内壁面130及び前側仕切壁154並びに前側空間仕切壁170の壁面190と第1インサート114の外周面132との隙間(高圧インピンジメント空間134)を封止するように、翼体70及び前側仕切壁154並びに前側空間仕切壁170の端面に、溶接又はろう付け等で固定されている。なお、図7及び図9に示す態様は、第1インサート114に供給される冷却媒体が基端部105側の一方向(片側供給構造)から供給される。第1インサート114は、図10又は図11に示す翼体70の基端部105側の端面にインサートカラー124を介して固定する態様である。
上記構成によれば、インサートカラー124が周方向における開口形成部118の開口116の位置に対応する部分に切欠き部126を有するので、外部から供給される冷却媒体の一部を翼体70の内壁面130と第1インサート114の外周面132との隙間に直接供給出来るので、冷却媒体の圧力損失の発生を極力抑えて、高圧の冷却媒体をパージ孔87に供給できる。
幾つかの実施形態では、例えば図6及び図8に示すように、軸方向において第1インサート114の下流側に隣接して設けられるとともに翼高さ方向に沿って延在する筒状の第2インサート152を備える。第2インサート152も第1インサート114と同様に、筒状に形成された筒体120と、筒体120の基端部105側の端部に鍔状に設けられたインサートカラー124と、先端部107側の端部に設けられた蓋部121と、筒体120の内面に固定された補強材123と、を含む。但し、第2インサート152は、第1インサート114より後縁76に近い側に配置されているため、第2インサート152の内部空間196は、連通空間172に直接接続する必要がない。そのため、第2インサート152のインサートカラー124には切欠き部126が形成されていない。その他の構造は、図10に示す第1インサート114と同じ構造である。また、第2インサート152も、翼体70及び前側仕切壁154並びに前側空間仕切壁170への取付けは、第1インサート114と同じように、インサートカラー124を介して溶接又はろう付け等で固定される。その結果、翼体70の内壁面130及び前側仕切壁154並びに前側空間仕切壁170の壁面190と、第2インサート152の外周面132との間の隙間が封止される。
上記第1インサートの構成によれば、第1インサート114のインピンジメント壁部140に形成されたインピンジメント孔138を介して第1インサート114の内部空間109から高圧インピンジメント空間134に高圧の冷却媒体が排出される。また、第2インサート152のインピンジメント壁部198に形成されたインピンジメント孔194を介して第2インサート152の内部空間196から低圧インピンジメント空間176に冷却媒体が排出される。これにより、前側空間160において、負圧面壁部75側の翼面69に沿って流れる燃焼ガスの圧力の変化に応じ、第1インサート114、第2インサート152のインピンジメント孔138、194の適正な仕様を選定して、翼体70の内壁面130のインピンジメント冷却を効果的に行うことができる。
かかる構成によれば、第1インサート114の内部空間109から開口形成部118の開口116を介して第1インサート114の外部に流出した高圧の冷却媒体を、パージ孔87からスムーズに静翼23Aの凸部86又は凹部84と燃焼器4側の相手側部材55(図4及び図5参照)との隙間95に直接供給することができる。これにより、静翼23Aの凸部86又は凹部84を冷却し、凸部86又は凹部84の熱損傷を防止できる。
また、翼体70における上流側端部82の内壁面130には、第1インサート114との間で高圧インピンジメント空間134を仕切るように翼高さ方向にそれぞれ延在する一対の第1シールダム142が形成される。一対の第1シールダム142は、パージ孔87を周方向に挟んで配置される。すなわち、一対の第1シールダム142のうち一方は、上流側端部82のうち負圧面壁部75の内壁面130に形成され、一対の第1シールダム142のうち他方は、上流側端部82のうち圧力面壁部73の内壁面130に形成される。
図13は、第1シールダム142の構成の一例を示す断面図である。
図13に示すように、第1インサート114は、開口116を周方向に挟んで配置された一対のリブ178を第1インサート114の外周面132に備え、一対のリブ178は、翼高さ方向に沿って延在するとともに一対の第1シールダム142にそれぞれ嵌合する。図示する例示的形態では、一対の第1シールダム142のうち一方は、翼体70の上流側端部82の内壁面130に形成された翼高さ方向に延在する突出部200であり、突出部200の頂面には翼高さ方向に延在する溝部202が形成されており、溝部202にリブ178の先端が係合する。一対の第1シールダム142のうち他方は、翼体70の上流側端部82の内壁面130に形成された翼高さ方向に延在する突出部200であり、突出部200の頂面には翼高さ方向に延在する溝部202が形成されており、溝部202にリブ178の先端が係合する。なお、一対のシールダム142は、図13に示すように、パージ孔87を中心に、周方向の両側に対称的に配置されている。
また、図6及び図8に示すように、上流側端部82は、周方向に延在するとともに平坦面を形成する一対の平板部148を含み、凸部86又は凹部84は、平板部148から軸方向上流側に突出して又は軸方向下流側に凹むように形成されており、一対の第1シールダム142は、平板部148の内壁面130に形成されている。かかる構成によれば、平板部148を備えることにより、翼体の上流側端部の加工が容易になる。
上述のように、前側空間仕切壁170による前側空間160の区分け及び一対の第1シールダム142の配置の組合せにより、前側空間160は、内部空間109、196と連通空間172と高圧インピンジメント空間134と低圧インピンジメント空間176の5つの空間に区切られる。但し、内部空間109、196と連通空間172は、ほとんど同じ圧力の冷却媒体の供給圧力に近い圧力を有する空間である。従って、インサート(第1インサート114、第2インサート152)と翼体70の間の空間は、最も高圧の連通空間172と、連通空間172より圧力が低く低圧インピンジメント空間176より圧力が高い中圧の圧力を有する高圧インピンジメント空間134と、最も圧力が低い低圧インピンジメント空間176と、の3つの圧力領域が分布する空間に区分けされる。
上記のように、第1インサート114及び第2インサート152の適正なインピンジメント孔139、194を選定して、圧力の異なる空間を適切に配置することにより、高圧インピンジメント空間134及び低圧インピンジメント空間176と負圧面壁部75側の燃焼ガス流との圧力差が大略同じとなり、圧力差の平準化がされる。そのため、冷却媒体が翼面69の冷却孔から過剰に流出したり、冷却媒体の流出流量の不足により翼面のメタル温度が上昇するという現象を抑制できる。その結果、翼体の熱損傷が防止され、冷却媒体の消費量が適正に管理されるので、ガスタービンの熱効率が向上する。
また、一対の第1シールダム142の突出部200と突出部200に形成された溝部202に挿入されたリブ178との組合せによって、開口116とパージ孔87とを連通する連通空間172と高圧インピンジメント空間134との間がシールされる。このため、連通空間172から一対の第1シールダム142を介して高圧インピンジメント空間134に逃げる冷却媒体の漏洩が抑制される。従って、静翼23Aの凸部86又は凹部84と燃焼器4側の相手側部材との間の隙間95(図4及び図5参照)に対して、翼体70の内部空間109からパージ孔87を介して第1インサート114に供給された冷却媒体の圧力を下げることなく、高圧の冷却媒体をパージ孔87に供給することができる。これにより、静翼23Aを冷却し、凸部86又は凹部84の熱損傷を防止できる。
次に、図14及び図16に示す第1インサート114と第2インサート152を設ける翼体の空間を仕切る他の態様の構造を、以下に説明する。
図14は、図4に示した静翼23Aの具体的構成の他の態様の一例を示す拡大断面図である。図15は、図14におけるB−B断面を示す図である。図16は、図5に示した静翼23Aの具体的構成の他の態様の一例を示す拡大断面図である。図17は、図16におけるD−D断面を示す図である。図18は、第1インサート114及び第2インサート152並びに共有インサートカラー125を組み合わせたインサートの実施態様の一例を示す斜視図である。図19は、共有インサートカラー125を取付ける範囲を示す共有インサートカラーの取付図であり、共有インサートカラー125のみが実線で表示され、翼体及びインサート等の他の構成は、仮想線で表示されている。
幾つかの実施形態では、例えば図14及び図16に示すように、図6及び図8の構造と比較して、第1インサート114と第2インサート152を配置する前側空間160の空間の仕切構造を、前側空間仕切壁170のような仕切壁を設けず、複数対のシールダムの組合せでインピンジメント空間を仕切った構造である。すなわち、上流側端部82に近い第1インサート114の外周面132と翼体70の内壁面130との間には、一対のシールダム142が配置されている。第2インサート152の外周面132と翼体70の内壁面130の間には、一対の第2シールダム166(仕切部)が配置されている。かかる構造が、図6及び図8に示す構造とは異なる構成である。
幾つかの実施形態では、例えば図14及び図16に示すように、翼体70は、周方向においてパージ孔87に隣接する少なくとも一つのサイドパージ孔89を含む。図示する形態では、翼体70は、周方向においてパージ孔87を挟んで両側に設けられた一対のサイドパージ孔89を含む。
かかる構成によれば、サイドパージ孔89から冷却媒体を翼体70の外部空間94に排出することにより、翼体70の内部空間109への燃焼ガスの逆流を抑制し、サイドパージ孔89の外側の燃焼ガスの温度を低下させて翼体70の上流側端部82の損傷を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図14から図17に示すように、静翼23Aは、翼体70の内部空間109に翼高さ方向に沿って延設された筒状の第1インサート114を備える。第1インサート114は、翼高さ方向に沿って延在する開口116が形成された開口形成部118を含み、開口116は、パージ孔87に対向して配置されている。
図15及び図17に示すように、凸部86又は凹部84は、翼高さ方向に沿って翼体70の先端側(図3における内側シュラウド60側)から基端側(図3における外側シュラウド62側)にかけて延在し、パージ孔87は、翼高さ方向に沿って翼体70の先端側から基端側にかけて配列された複数のパージ孔87を含む。凸部86又は凹部84は、翼高さ方向における静翼23Aの基端部105と先端部107との間の長さの半分以上の長さにわたって延在していてもよい。
かかる構成によれば、第1インサート114の内部空間109から開口形成部118の開口116を介して第1インサート114の外部に流出した高圧の冷却媒体を、翼体70の先端側から基端側にかけて配列された複数のパージ孔87から冷却媒体を翼体70の外部空間94に排出することにより、翼体70の内部空間109への燃焼ガスの逆流を抑制し、パージ孔87の外側の燃焼ガスの温度を低下させて、翼体70の上流側端部82の損傷を抑制することができる。また、静翼23Aの凸部86又は凹部84を冷却し、凸部86又は凹部84の熱損傷を防止できる。
上述の複数対のシールダムの構成により、前側空間160は、内部空間109、196と連通空間172と高圧インピンジメント空間134と低圧インピンジメント空間176の5つの空間に区切られる。但し、内部空間109、196と連通空間172は、ほとんど同じ圧力の冷却媒体の供給圧力に近い圧力を有する空間である。従って、インサート(第1インサート114、第2インサート152)と翼体70の間の空間を圧力の違いにより区分すると、最も高圧の連通空間172及び内部空間109、196と、連通空間172及び内部空間109、196より圧力が低く低圧インピンジメント空間176より圧力が高い中間の圧力を有する高圧インピンジメント空間134と、最も圧力が低い低圧インピンジメント空間176との3つの圧力領域に分布する空間に区分けされる。
なお、本実施態様においても、図14及び図16に示すように、第1インサート114と第2インサート152のインピンジメント壁部140、198には、インピンジメント孔138、194が形成されている。第1インサート114の外周面132と翼体70の内壁面130との間に形成される高圧インピンジメント空間134は、第1インサート114のインピンジメント壁部140に形成されたインピンジメント孔138を介して、第1インサート114の内部空間109に連通している。また、第2インサート152の外周面132と翼体70の内壁面130との間に形成される低圧インピンジメント空間176は、第2インサート152のインピンジメント壁部198に形成されたインピンジメント孔194を介して、第2インサート152の内部空間196に連通している。また、翼体70の圧力面壁部73側及び負圧面壁部75側には、複数の冷却孔136が形成され、高圧インピンジメント空間134及び低圧インピンジメント空間176と翼面67、69側の燃焼ガス空間を連通させている。
本実施形態においても、第1インサート114の圧力面壁部73側及び負圧面壁部75側の燃焼ガス流の圧力は大略同じである。負圧面壁部75側の燃焼ガスの圧力は、第1インサート114と第2インサート152が互いに対面する空間隙間160aの位置に対応する負圧面壁部75の翼面の位置より後縁76側で急激に低下する。従って、図6及び図8に示す実施態様と同様に、第1インサート114と第2インサート152のインピンジメント孔138、194の仕様を適正に選定して、高圧インピンジメント空間134及び低圧インピンジメント空間176と、負圧面壁部75側の燃焼ガス流との圧力差を大略同じとすることが望ましい。例えば、高圧インピンジメント空間134側から排出される冷却媒体の流量を低圧インピンジメント空間176側から排出される流路と同程度になるように、第1インサート114のインピンジメント壁部140のインピンジメント孔138との比較で、第2インサート152のインピンジメント壁部198のインピンジメント孔194の適正な仕様を選定して、第2インサート152から燃焼ガス中に排出される冷却媒体の適正量を選定することが望ましい。
上記圧力の異なる空間を配置することにより、高圧インピンジメント空間134及び低圧インピンジメント空間176と負圧面壁部75側の翼面69に沿って流れる燃焼ガス流との圧力差が大略同じとなり、圧力差が平準化される。そのため、冷却媒体が翼面69の冷却孔から過剰に流出、又は、冷却媒体の排出流量の不足により翼面のメタル温度が上昇するという現象を抑制できる。その結果、翼体の熱損傷が防止され、冷却媒体の消費量が適正に管理されるので、ガスタービンの熱効率が向上する。
また、翼体70における上流側端部82の内壁面130には、第1インサート114との間で高圧インピンジメント空間134を仕切るように翼高さ方向にそれぞれ延在する一対の第1シールダム142が形成される。一対の第1シールダム142は、パージ孔87を周方向に挟んで対称的に配置される。すなわち、一対の第1シールダム142のうち一方は、上流側端部82のうち負圧面壁部75の内壁面130に形成され、一対の第1シールダム142のうち他方は、上流側端部82のうち圧力面壁部73の内壁面130に形成される。なお、第1シールダム142の詳細な構造は、図13に示す構造と同じである。
また、静翼23Aの凸部86又は凹部84と燃焼器4側の相手側部材との間には、隙間95(図4及び図5参照)が形成されている。翼体70の内部空間109からパージ孔87を介して第1インサートに供給された冷却媒体は、冷却媒体の圧力を下げることなく、隙間95に供給することができる。これにより、静翼23Aを冷却し、凸部86又は凹部84の熱損傷を防止できる。
また、一対の第1シールダム142を平板部148の内壁面130に形成し、第1インサート114の外周面132に固定されたリブ178と組み合わせることにより、第1シールダム142と第1インサート114との間の漏れ流れを効果的に抑制し、有効なインピンジメント冷却が達成できる。
幾つかの実施形態では、例えば図18、19に示すインサートは、第1インサート114及び第2インサート152と、両方のインサートが共有する共有インサートカラー125とを含む。第1インサート114及び第2インサート152は、筒状に形成された筒体120を含む。また、第1インサート114及び第2インサート152が共有する共有インサートカラー125は、筒体120の基端部105側の端部に溶接等で固定され、筒体120と共有インサートカラー125は一体化されている。共有インサートカラー125の外周端125aは、翼体70及び前側仕切壁154の内壁面130と第1インサート114及び第2インサート152の外周面132との隙間(高圧インピンジメント空間134)を封止するように、前側仕切壁154を含んだ翼体70の基端部105側の端面に溶接等で固定されている。なお、図15及び図17に示す翼構成の態様は、第1インサート114及び第2インサート152に供給される冷却媒体が基端部105側の一方向(片側供給構造)から供給され、共有インサートカラー125は図18、19に示す基端部105側の翼高さ方向の端面に配置する態様である。第1インサート114及び第2インサート152の他の内部構造(蓋部121、ガイド121a、補強材123等)は、図10に示す構造と同様である。
なお、図19に示すように、実線で示された共有インサートカラー125には、第1インサート114の内部空間109及び第2インサート152の内部空間196の平面断面の形状に合わせて、基端部105側に開口122が形成されている。共有インサートカラー125及び蓋部121を備えた第1インサート114並びに第2インサート152を翼体70に取付けることにより、高圧インピンジメント空間134と低圧インピンジメント空間176の翼高さ方向の両端が閉塞される。
図18、19に示す第1インサート114では、共有インサートカラー125は、周方向における開口形成部118の位置に対応して配置された切欠き部126を有する。
上記構成によれば、共有インサートカラー125が、周方向における開口形成部118の開口116の位置に対応する位置に切欠き部126を有するので、外部から供給される冷却媒体の一部を翼体70の内壁面130と第1インサート114の外周面132との隙間に直接供給出来るので、冷却媒体の圧力損失の発生を極力抑えて、高圧の冷却媒体をパージ孔87に供給できる。なお、開口形成部118の開口116に対向していない第2インサート152近傍の共有インサートカラー125については、切欠き部126は不要である。
上述の共有インサートカラー125は、第1インサート114及び第2インサート152に共通する一体で形成された共有インサートカラー125を適用する態様で説明したが、インサート取付けの容易性の観点から、第1インサート114及び第1インサート152に個別にインサートカラー124を取り付ける構造でもよい。その場合、インサートカラー124を取り付けた第1インサート114及び第2インサート152を個別に前側空間160に挿入して、それぞれのインサートカラー124の外周端124aを翼体70及び前側仕切壁154の翼高さ方向端面に固定する。その後、第1インサート114のインサートカラー124の第2インサート152に隣接する側の端部と、第2インサート152のインサートカラー124の第1インサート114に隣接する側の端部と、を溶接等で接合して一体化させ、共有インサートカラー125を形成してもよい。このような構造によれば、翼体70及び前側仕切壁154の壁面190と第1インサート114及び第2インサート152の外周面132との間の隙間、並びに、第1インサート114の隣接する第2インサート側の対向する外周面132及び第2インサート152の隣接する第1インサート側の対向する外周面132との間の隙間が封止されると共に、インサートの前側空間160への取り付けも容易になる。
幾つかの実施形態では、例えば図14及び図16に示すように、第2インサート152が配置された前側空間160には、第2インサート152との間で低圧インピンジメント空間176を仕切るように翼高さ方向に延在する一対の第2シールダム166が設けられる。図示する形態では、一対の第2シールダム166は、それぞれ、前側仕切壁154の壁面190及び前側外壁部158の内壁面130に形成される。図14及び図16に示す幾つかの実施形態では、第1インサート114との間で高圧インピンジメント空間134を仕切るシールダムの数は一対であり、第2インサート152との間で低圧インピンジメント空間176を仕切るシールダムの数は一対である。
幾つかの実施形態では、例えば図20Aに示すように、第2インサート152は第2インサート152の外周面132に一対のリブ182を備え、第2インサート152の一対のリブ182は、翼高さ方向に沿って延在するとともに一対の第2シールダム166にそれぞれ嵌合する。図示する例示的形態では、一対の第2シールダム166のうち一方は、前側仕切壁154の壁面190に形成された翼高さ方向に延在する突出部204であり、突出部204の頂面には翼高さ方向に延在する溝部206が形成されており、溝部206に一対のリブ182のうち一方のリブ182の先端が係合する。図20Bに示すように、一対の第2シールダム166のうち他方は、前側外壁部158の内壁面130に形成された翼高さ方向に延在する突出部204であり、突出部204の頂面には翼高さ方向に延在する溝部206が形成されており、溝部206に一対のリブ182のうち他方のリブ182の先端が係合する。
かかる構成によれば、一対の第2シールダム166の突出部204と突出部204に形成された溝部206に挿入されたリブ182との組合せによって、一対の第2シールダム166を挟んで両側に位置する高圧インピンジメント空間134と低圧インピンジメント空間176との間の漏れ流れを簡素な構成で抑制することができる。
かかる構成によれば、高圧インピンジメント空間134において、翼体70に対する効果的なインピンジメント冷却が可能になる。
幾つかの実施形態では、例えば図14に示すように、第1インサート114の開口形成部118とインピンジメント壁部140とは、リブ178を間に挟んで隣接して設けられる。
かかる構成によれば、パージ孔87を介して翼体70の外部空間94に排出される冷却媒体及びインピンジメント孔138を介して高圧インピンジメント空間134に噴出される冷却媒体によって、静翼23Aの翼体70を効果的に冷却することができる。
次に、図21に示す1つのインサートと複数対のシールダムを組み合わせて翼体の空間を仕切る他の実施態様の構造を、以下に説明する。図21は、図4に示した静翼23Aの具体的構成の他の実施態様の一例を示す拡大断面図である。図22は、図21におけるE−E断面を示す図である。
幾つかの実施形態では、図21及び図22に示すように、前側空間160に1つの第3インサート164と複数対の第3シールダム168a、168bを設け、前側空間160の空間を、5つの空間に仕切る構造である。すなわち、上流側端部82に近い第3インサート164の外周面132と翼体70の内壁面130との間には、一対の第3シールダム168aが配置され、第3インサート164の外周面132と翼体70の内壁面130又は前側仕切壁154の壁面190の間であって、一対の第3シールダム168aより後縁76側に近い位置に、一対の第3シールダム168bが配置された構造である。
幾つかの実施形態では、例えば図21及び図22に示すように、翼体70は、周方向においてパージ孔87に隣接する少なくとも一つのサイドパージ孔89を含む。図示する形態では、翼体70は、周方向においてパージ孔87を挟んで両側に設けられた一対のサイドパージ孔89を含む。
かかる構成によれば、サイドパージ孔89から冷却媒体を翼体70の外部空間94に排出することにより、翼体70の内部空間197への燃焼ガスの逆流を抑制し、サイドパージ孔89の外側の燃焼ガスの温度を低下させて翼体70の上流側端部82の損傷を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図21及び図22に示すように、静翼23Aは、翼体70の内部空間197に翼高さ方向に沿って延設された筒状の第3インサート164を備える。第3インサート164は、翼高さ方向に沿って延在する開口116が形成された開口形成部118を含み、開口116は、パージ孔87に対向して配置されている。
かかる構成によれば、第3インサート164の内部空間197から開口形成部118の開口116を介して第3インサート164の外部に流出した高圧の冷却媒体を、パージ孔87からスムーズに相手側部材55との隙間95に直接供給することができる。これにより、静翼23Aの凸部86を冷却し、凸部86の熱損傷を防止できる。
幾つかの実施形態では、例えば図21及び図22に示すように、凸部86は、翼高さ方向に沿って翼体70の先端部107側から基端部105側にかけて延在し、パージ孔87は、翼高さ方向に沿って翼体70の先端部107から基端部105にかけて配列された複数のパージ孔87を含む。凸部86は、翼高さ方向における静翼23Aの基端部105と先端部107との間の長さの半分以上の長さにわたって延在していてもよい。
かかる構成によれば、翼体70の先端部107から基端部105にかけて配列された複数のパージ孔87から冷却媒体を翼体70の外部空間94に排出することにより、翼体70の内部空間197への燃焼ガスの逆流を抑制し、パージ孔87の外側の燃焼ガスの温度を低下させて翼体70の上流側端部82の損傷を抑制することができる。
上述の複数対の第3シールダム168a、168bの構成により、第3インサート164が配置された前側空間160は、内部空間197と連通空間172と高圧インピンジメント空間134a、134bと低圧インピンジメント空間176の5つの空間に区切られる。但し、内部空間197と連通空間172は、ほとんど同じ圧力の冷却媒体の供給圧力に近い圧力を有する空間である。
なお、本実施態様においても、図21に示すように、第3インサート164のインピンジメント壁部199には、インピンジメント孔195が形成されている。第3インサート164の外周面132と翼体70の内壁面130との間に形成される高圧インピンジメント空間134a、134bは、第3インサート164のインピンジメント壁部199に形成されたインピンジメント孔195aを介して、第3インサート164の内部空間197に連通している。また、第3インサート164の外周面132と翼体70の内壁面130との間に形成される低圧インピンジメント空間176は、第3インサート164のインピンジメント壁部199に形成されたインピンジメント孔195bを介して、第3インサート164の内部空間197に連通している。また、翼体70の圧力面壁部73側及び負圧面壁部75側には、複数の冷却孔136が形成され、高圧インピンジメント空間134及び低圧インピンジメント空間176と翼面67、69側の燃焼ガス空間は、冷却孔136を介して連通している。
本実施形態の場合、高圧インピンジメント空間134a、134bと、低圧インピンジメント空間176に供給される冷却媒体は、共通する1つの空間である内部空間197から供給される。一方、高圧インピンジメント空間134aは、上流側端部82に近い負圧面壁部75側に配置され、高圧インピンジメント空間134bは、上流側端部82に近い圧力面壁部73側に配置されている。また、低圧インピンジメント空間176は負圧面壁部75側であって、高圧インピンジメント空間134aより後縁76側に近い位置に配置されている。
負圧面壁部75側の高圧インピンジメント空間134aと低圧インピンジメント空間176を区切る第3シールダム168bの位置は、負圧面壁部75側の燃焼ガス流の圧力が急激に低下する位置に対応している。すなわち、第3シールダム168bの位置より軸方向上流側の上流側端部82に近い負圧面壁部75側の燃焼ガス流の圧力は、上流側端部82に近い圧力面壁部73側の燃焼ガス流の圧力と大略同じである。また、負圧面壁部75側の第3シールダム168bの位置から後縁76に向かって、負圧面壁部75側の燃焼ガスの圧力が低下する。
従って、前側空間160は、内部空間197と連通空間172の圧力が最も高く、高圧インピンジメント空間134a、134bの圧力は内部空間197より低い。また、低圧インピンジメント空間176の圧力は高圧インピンジメント空間134a、134bより低く、前側空間160の中で最も低い圧力の空間となるように、インピンジメント壁部199のインピンジメント孔195の仕様を選定する必要がある。つまり、前側空間160は、3つの圧力領域の区分に区分けされる。従って、高圧インピンジメント空間134a、134b及び低圧インピンジメント空間176から翼体70に形成された複数の冷却孔136を介して燃焼ガス中に排出される冷却媒体の流量を平準化するためには、各インピンジメント空間が対面するインピンジメント壁部199に形成されたインピンジメント孔195の仕様を各インピンジメント空間の圧力変化に応じて変化させ、各インピンジメント空間と負圧面壁部75又は圧力面壁部73との圧力差を平準化することが望ましい。すなわち、高圧インピンジメント空間134a、134bは、ほぼ同じ圧力のため、同じ仕様のインピンジメント孔195aが選定できる。しかし、負圧面壁部75側の翼面69は、燃焼ガス流の圧力の低下が大きいため、低圧インピンジメント空間176に開口するインピンジメント孔195bは、高圧インピンジメント空間134a、134bに開口するインピンジメント孔195とは異なる仕様を選定して、冷却媒体の流量を絞ることが望ましい。上記の構成により、過剰な冷却媒体の消費量が低減される。
本実施形態に適用される第3インサート164は、例えば図10及び図11に示される第1インサート114と大略同じ構造である。上述のように、上流側端部82の凸部86に形成されたパージ孔87の位置に対向する第3インサート164の外周面132には、開口116が形成された開口形成部118が配置されている。また、第3インサート164の基端部105側の端部には、第1インサート114のインサートカラー124に相当するインサートカラー167が形成されている。インサートカラー167は、第3インサート164の筒体120の基端部105の外周端に溶接等固定され一体化されている。インサートカラー167の外周端167aは、図21に破線で示すように、翼体70及び前側仕切壁154翼高さ方向の基端部105側の端面に溶接等で固定される。インサートカラー167の基端部105側の端部の中央部には開口122が形成されている。翼体70及び前側仕切壁154並びに第3インサート164の基端部105側の翼高さ方向の端面にインサートカラー167を取り付け、翼体70の先端部107側に第3インサート164の蓋部121を取り付けることにより、高圧インピンジメント空間134a、134b及び低圧インピンジメント空間176の径方向の両端は、閉塞される。
開口形成部118の翼高さ方向の位置に対応するインサートカラー167の端部には、切欠き部126が形成されている。図21及び図22に示す態様は、第3インサート164に供給される冷却媒体は、基端部105側の一方向(片側供給構造)から供給され、インサートカラー167は基端部105側に配置された構造である。
上記構成によれば、インサートカラー167が周方向における開口形成部118の開口116の位置に対応する部分に切欠き部126を有するので、外部から供給される冷却媒体の一部を翼体70の内壁面130と第3インサート164の外周面132との隙間に直接供給出来るので、冷却媒体の圧力損失の発生を極力抑えて、高圧の冷却媒体をパージ孔87に供給できる。
上述のように、前側空間160のうち、翼体70の内壁面130及び前側仕切壁154の壁面190と第3インサート164の外周面132の間の空間は、複数対の第3シールダム168a、168bを配置して、上述のように、連通空間172と高圧インピンジメント空間134a、134bと低圧インピンジメント空間176の3つの圧力の異なる空間に区切られる。複数対の第3シールダム168a、168bの構成は、図21に示される。図13に示す一対の第1シールダム142と同様な構造で、複数対の第3シールダム168a、168bは、翼体70の内壁面130又は前側仕切壁154の壁面190から突出する突出部200と溝部202とからなる。また、第3インサート164の外周面132には、図13に示された構造と同じ一対のリブ178が固定されている。突出部200に形成された溝部202とリブ178との組み合わせにより、連通空間172と高圧インピンジメント空間134a、134bと低圧インピンジメント空間176との間がシールされ、一対の第3シ−ルダム168a、168bを介して各空間の間に生ずる冷却媒体の漏れ流れが抑制される。
図23は、一実施形態に係る外側シュラウド62の構成を示す概略斜視図である。
図23に示すように、外側シュラウド62は、流路壁を構成する板状部208と、板状部208における前縁側にて板状部208から径方向外側に突出するとともにガスタービン1の静止壁部(不図示)に固定される前縁外側フック部210とを含む。前縁外側フック部210は、周方向に延設されている。前縁外側フック部210には、上流側に向けて凹となる肉抜き部212が形成されており、肉抜き部212の底面214は、翼体70における上流側端部82の内壁面130に接続するとともに内壁面130と同一平面上に形成されている。
かかる構成によれば、前縁外側フック部210による干渉を抑制しつつスムーズに前述の第1インサート114を翼体70の内部に挿入することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、図4及び図5に示した幾つかの実施形態では、翼体70の上流側端部82が一対の平板部148を備える形態を例示したが、例えば図24に示すように、上流側端部82は、一対の平板部を備えていなくともよい。図24に示す形態では、上流側端部82の凸部86における周方向両側の側壁面88は、滑らかに湾曲した翼面67,69にそれぞれ接続している。かかる構成においても同様に燃焼振動を抑えることができる。図24に示す形態では、翼面形状に合わせて相手側部材55の下流側端面55bは曲面形状に形成されている。
図24に示す実施形態は、図4から図22に示す実施形態と比較して、上流側端部82の形状が異なる形状であるが、その他の構造は、図4から図22に示す実施形態と同じ構造であり、その構造による作用、効果も同じである。
また、他の実施形態では、例えば図25に示すように、一対の平板部148は、軸方向及び周方向の各々と交差する斜め方向に沿ってそれぞれ形成されていてもよい。図25に示す形態では、一対の平板部148の各々は、軸方向において下流側に向かうにつれてパージ孔87から離れるように傾斜している。かかる構成においても同様に燃焼振動を抑えることができる。また、翼体70の上流側端部82の加工及び相手側部材55の下流側端面55bの加工が容易である。
図25に示す実施形態は、図4から図22に示す実施形態と比較して、上流側端部82の平板部148の形状が異なるが、その他の構造は、図4から図22に示す実施形態と同じ構造であり、その構造による作用、効果も同じである。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 ガスタービン
2 圧縮機
4 燃焼器
4a 下流側端
6 タービン
8 ロータ
10 圧縮機車室
12 入口
16 静翼
16,24 静翼
18,26 動翼
20 ケーシング
22 タービン車室
23(23A,23B) 静翼(1段静翼)
28 燃焼ガス流路
30 排気室
50 尾筒
52 出口部
54 径方向壁部
54a 下流側端
55 相手側部材
56 周方向壁部
56a 下流側端
60 内側シュラウド
62 外側シュラウド
67,69 翼面
70 翼体
73 圧力面壁部
75 負圧面壁部
76 後縁
82 上流側端部
84 凹部
86 凸部
87 パージ孔
88 側壁面
89 サイドパージ孔
94 外部空間
95 隙間
200,204 突出部
100 燃焼器アセンブリ
105 基端部
107 先端部
109,196、197 内部空間
112 外壁面
114 第1インサート
116、122 開口
118 開口形成部
120 筒体
121 蓋部
121a ガイド
123 補強材
124、167 インサートカラー
124a、167a 外周端
125 共有インサートカラー
125a 外周端
126 切欠き部
130 内壁面
132 外周面
133 内周面
134 高圧インピンジメント空間
136 冷却孔
138,194、195a、195b インピンジメント孔
140,198、199 インピンジメント壁部
142 第1シールダム
148 平板部
150 仕切壁
152 第2インサート
154 前側仕切壁
156 外壁
158 前側外壁部
160 前側空間
160a 空間隙間
162 仕切部
164 第3インサート
166 第2シールダム
168 第3シールダム
170 前側空間仕切壁
178,182 リブ
172 連通空間
176 低圧インピンジメント空間
190 壁面
202,206 溝部
208 板状部
210 前縁外側フック部
212 肉抜き部
214 底面

Claims (17)

  1. ガスタービンの静翼であって、
    中空の翼体を備え、
    前記ガスタービンの軸方向における前記翼体の上流側端部は、前記軸方向における上流側に突出する凸部又は前記軸方向における下流側に凹む凹部を含み、
    前記凹部又は前記凸部は、前記翼体の外部空間と内部空間とを連通する少なくとも一つのパージ孔を含む、ガスタービンの静翼。
  2. 前記凸部又は前記凹部は、翼高さ方向に沿って前記翼体の先端側から基端側にかけて延在し、
    前記パージ孔は、前記先端側から前記基端側にかけて前記翼高さ方向に沿って配列された複数のパージ孔を含む、請求項1に記載のガスタービンの静翼。
  3. 前記翼体は、前記ガスタービンの周方向において前記パージ孔に隣接する少なくとも一つのサイドパージ孔を含む、請求項1又は2に記載のガスタービンの静翼。
  4. 前記翼体は、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し翼面が凸面を形成する負圧面側の負圧面壁部と、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し前記翼面が凹面を形成する圧力面側の圧力面壁部と、を備え、
    前記上流側端部の外壁面は、前記凸部又は前記凹部を周方向に挟んで前記負圧面壁部及び前記圧力面壁部に延在する一対の平板部を含む、請求項1乃至3の何れか1項に記載のガスタービンの静翼。
  5. 前記翼体の前記内部空間に翼高さ方向に沿って延設された筒状の第1インサートを更に備え、
    前記第1インサートは、前記翼高さ方向に沿って延在する開口が形成された開口形成部を含み、
    前記開口は、前記少なくとも一つのパージ孔に対向して配置されている、請求項1乃至4の何れか1項に記載のガスタービンの静翼。
  6. 前記第1インサートは、筒状に形成された筒体と、前記筒体の一端部に鍔状に設けられたインサートカラーと、を含み、
    前記インサートカラーは、前記開口形成部の位置に対応して配置された切欠き部を有する、請求項5に記載のガスタービンの静翼。
  7. 前記翼体の内壁面と前記第1インサートの外周面との間には第1インピンジメント空間が形成され、
    前記第1インサートのうち前記開口形成部を除いた部分は、前記第1インサートの内部空間と前記第1インピンジメント空間とを連通する複数のインピンジメント孔が形成されたインピンジメント壁部を含む、請求項5又は6に記載のガスタービンの静翼。
  8. 前記翼体における前記上流側端部の内壁面には、前記第1インサートとの間で前記第1インピンジメント空間を仕切るように前記翼高さ方向に延在する一対の第1シールダムが形成され、
    前記一対の第1シールダムは、前記パージ孔を前記ガスタービンの周方向に挟んで配置される、請求項7に記載のガスタービンの静翼。
  9. 前記上流側端部は、前記ガスタービンの周方向に延在する平板部を含み、
    前記凸部又は前記凹部は、前記平板部に形成されており、
    前記一対の第1シールダムは、前記平板部の内壁面に形成されている、請求項8に記載のガスタービンの静翼。
  10. 前記第1インサートは、前記開口を前記周方向に挟んで配置された一対のリブを前記第1インサートの外周面に備え、
    前記一対のリブは、前記翼高さ方向に沿って延在するとともに前記一対の第1シールダムにそれぞれ嵌合する、請求項8又は9に記載のガスタービンの静翼。
  11. 前記第1インサートの前記開口形成部と前記インピンジメント壁部とは、前記リブを間に挟んで隣接して設けられた、請求項10に記載のガスタービンの静翼。
  12. 前記ガスタービンの軸方向において前記第1インサートの下流側に隣接して設けられるとともに前記翼高さ方向に沿って延在する筒状の第2インサートを更に備え、
    前記翼体は、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し翼面が凸面を形成する負圧面側の負圧面壁部と、前記凸部又は前記凹部と後縁とを接続し前記翼面が凹面を形成する圧力面側の圧力面壁部と、前記翼体の内側において前記負圧面壁部と前記圧力面壁部とを接続するように直線状に延在するn個(nは1以上の整数)の仕切壁と、を含み、
    前記第1インサート及び前記第2インサートは、前記n個の仕切壁のうち後縁から最も遠い仕切壁である前側仕切壁と、前記翼体の外壁のうち前記前側仕切壁を挟んで前記後縁と反対側の部分である前側外壁部と、によって画定される前側空間に設けられ、
    前記翼体の内壁面と前記第2インサートの外周面との間には第2インピンジメント空間が形成され、
    前記静翼は、前記第1インピンジメント空間と前記第2インピンジメント空間とを仕切る仕切部を備え、
    前記第1インサートとの間で前記第1インピンジメント空間を仕切るシールダムの数は一対であり、前記第2インサートとの間で前記第2インピンジメント空間を仕切るシールダムの数は一対以下である、請求項8乃至11の何れか1項に記載のガスタービンの静翼。
  13. 前記仕切部は、前記第1インサートと前記第2インサートとの間を前記前側外壁部から前記前側仕切壁に亘って仕切る仕切壁を含む、請求項12に記載のガスタービンの静翼。
  14. 前記仕切部は、前記第2インサートとの間で前記第2インピンジメント空間を仕切るように前記翼高さ方向に延在する一対の第2シールダムを含む、請求項12に記載のガスタービンの静翼。
  15. 前記一対の第2シールダムは、前記前側仕切壁の内壁面及び前記前側外壁部の内壁面に形成された、請求項14に記載のガスタービンの静翼。
  16. 前記第2インサートは前記第2インサートの外周面に一対のリブを備え、
    前記第2インサートの前記一対のリブは、前記翼高さ方向に沿って延在するとともに前記一対の第2シールダムにそれぞれ嵌合する、請求項14又は15に記載のガスタービンの静翼。
  17. 径方向に沿った径方向壁部を含む出口部を有するとともに、周方向に配置される複数の燃焼器と、
    前記周方向に隣り合う前記燃焼器の前記出口部のうち互いに対向する一対の前記径方向壁部の下流側に位置する、請求項1乃至16の何れか1項に記載の静翼と、
    を備えるガスタービン。
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