JP5675080B2 - 翼体及びこの翼体を備えたガスタービン - Google Patents

翼体及びこの翼体を備えたガスタービン Download PDF

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Description

この発明は、ガスタービンをはじめとするタービンや翼体を備えた回転機械に用いられる翼体及びこの翼体を備えたガスタービンに関するものである。
周知のように、例えば、ガスタービンに用いる翼体(例えば、タービン静翼、タービン動翼)は、高温燃焼ガスに晒されるため、翼体の基端部に冷却空気を導き、その冷却空気を翼体内の冷却空気用通路に通じることにより翼体を冷却するようになっている。
このような翼体では、充分な肉厚を確保する必要があるものの、翼体の後縁部近傍は翼体本体の厚さが薄くなって充分な肉厚を確保することが難しく、後縁部近傍は中央側よりも相対的に高温となりやすいため、翼体の後縁部近傍の内部に冷却用のピンフィンを設けて冷却する場合がある。(例えば、特許文献1参照。)。
図7は、ピンフィンを有するタービン静翼10の一例を示す図であり、図7(A)は翼高さ方向に直交する断面図を、図7(B)は、図7(A)において矢視Sで示したタービン静翼表面のフィルム冷却孔とインサート表面のインピジメント孔(破線)の概略を示している。なお、翼高さ方向とは、タービン静翼が延在する方向をいい、タービンケーシング内に立設された翼体がロータの回転軸に向かう方向とほぼ一致する。
タービン静翼10は、翼体本体20とインサート30とを備えており、翼体本体20は、翼高さ方向と直交する断面が、図7(A)に示すように外面凹面状とされた腹側壁部21と外面凸面状とされた背側壁部22とが、前縁部23aと後縁部23bで接続されるとともに内部に中空部24が形成された翼型とされている。
また、翼体本体20の後縁部23b近傍には、腹側壁部21と背側壁部22とを接続する複数のピンフィン28が形成されており、これらピンフィン28は、冷却空気Aが腹側壁部21と背側壁部22の間に形成される後縁部冷却領域29を通過することにより冷却されるようになっている。
インサート30は、例えば、中空部24を2つの仕切板25により区画した3つのキャビティC1、C2、C3のそれぞれに配置されており、インサート30内部の流路31に導かれた冷却空気Aが、インサート30のインピンジメント孔32から腹側壁部21、背側壁部22の内面に噴射され、その後、タービン静翼10のフィルム冷却孔26及びタービン静翼10の後縁部23bの通気孔27から流出し、通気孔27から流出する冷却空気Aが後縁部冷却領域29を通過する際にピンフィン28を冷却し、ひいては翼体本体20の後縁部23b近傍を冷却するようになっている。
特開2000−356104号公報
しかしながら、タービン静翼をはじめとする翼体の翼体本体を鋳造する際には、中空部を中子を用いて成形するため、中子の破損を防止するために中子の肉厚を厚くすると、後縁部冷却領域の冷却空気通路が大きくなり、ピンフィンが大量の冷却空気によって冷却されてピンフィンが過冷却となる。
ピンフィンの過冷却によって、翼体本体の温度分布がアンバランスになり熱応力や熱変形が生じるとともに、冷却空気の流量が過剰となりガスタービン全体の性能、熱効率が低下するという問題がある。
また、冷却空気流量を低減するためにインピンジメント孔の数や開口面積を低減させると、局所的なホットスポットが生じてしまうという問題がある。
そこで、ピンフィンの過冷却を抑制するとともにガスタービンの性能、熱効率を向上させるために、ピンフィンを効率的に冷却させたいという強い技術的要請がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、翼体本体内におけるピンフィンの冷却効率を適正化させて、ピンフィンの過冷却及び翼体の後縁部近傍における温度分布のバラつきを抑制し、ひいてはガスタービンの性能、効率を向上することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、翼高さ方向に延在するとともに、前記翼高さ方向と直交する断面において外面凹面状とされた腹側壁部と外面凸面状とされた背側壁部とが前縁部と後縁部で接続されるとともに内部に中空部が形成された翼型とされ、前記後縁部近傍に外部に連通する通気孔が形成された翼体本体と、前記中空部に、前記腹側壁部の内面及び前記背側壁部の内面との間に冷却空間をあけて配置され、内部の流路から前記腹側壁部の内面及び前記背側壁部の内面の少なくともいずれかに向けて冷却空気を噴射する複数のインピンジメント孔が形成されたインサートとを備え、前記中空部の後縁部近傍において前記腹側壁部と前記背側壁部とを接続するピンフィンが、前記後縁部近傍に形成された後縁部冷却領域にて前記インピンジメント孔から噴射された冷却空気によって冷却される翼体であって、前記インサートと、前記後縁部冷却領域との間には、前記インピンジメント孔から噴射された冷却空気の流量を調整する流量調整板が前記インサートと間を空けて設けられ、 前記流量調整板は、前記翼体本体とは別に形成され、前記翼体本体に高さ方向に伸びて形成された取付溝に挿入されるとともに前記冷却空気の流量を調整する複数の流量調整孔が機械加工により形成され、前記翼体本体に取付けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、ガスタービンであって、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の翼体を備えることを特徴とする。
この発明に係る翼体及びガスタービンによれば、インピンジメント孔から噴射された冷却空気の流量を調整する流量調整板が、翼体本体とは別に形成されているので、流量調整板を翼体本体に取付けるまでに、所望の位置、大きさ、形状の流量調整孔を機械加工することができる。このように適切に形成された流量調整孔を通じて、後縁部冷却領域に流通する冷却空気の流量を調整することにより、冷却空気の流量、流速等を適切に調整して少量の冷却空気によって効率的にピンフィンを冷却することが可能となる。
その結果、ピンフィンの過冷却を抑制して翼体本体の後縁部近傍の温度分布のバラつきを小さくするとともに、冷却空気の流量が過剰となるのを抑制してガスタービンの性能、熱効率を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の翼体であって、前記流量調整孔の前記翼高さ方向位置は、前記ピンフィンの前記翼高さ方向位置と重なるように形成されていることを特徴とする。
この発明に係る翼体によれば、流量調整孔の翼高さ方向位置が、ピンフィンと重なるように形成されているので、流量調整孔から後縁部冷却領域に流入した冷却空気の噴流がピンフィンの少なくとも一部に衝突して、冷却空気とピンフィンの熱交換を効率的に行なうことができる。その結果、ピンフィンの冷却効率を向上させることが可能となり、冷却空気の流量を減少させてガスタービン全体の性能、効率をさらに向上することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の翼体であって、前記流量調整孔の前記翼高さ方向位置は、前記ピンフィンの前記翼高さ方向位置と同位置に形成されていることを特徴とする。
この発明に係る翼体によれば、流量調整孔の翼高さ方向位置が、ピンフィンの翼高さ方向位置と同位置とされているので、後縁部冷却領域に流入した冷却空気の噴流がピンフィンの中心に衝突して、冷却空気とピンフィンの熱交換効率をさらに向上することができ、その結果、冷却空気の流量を減少させてガスタービン全体の性能、効率をさらに向上することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の翼体であって、前記ピンフィンは、前記ピンフィンの軸方向から見た場合に、千鳥配置されていることを特徴とする。
本発明に係る翼体及びガスタービンによれば、ピンフィンの過冷却及びこれに起因する翼体の後縁部近傍における温度分布のバラつきを抑制するとともに、冷却空気の流量が過剰となることを抑制してガスタービン全体の性能、熱効率を向上することができる。
本発明の一実施形態に係るガスタービンの概略構成を示す縦断面図である。 一実施形態に係るガスタービンの要部拡大断面図である。 一実施形態に係るタービン静翼の要部拡大断面図であり、図2におけるI−I断面を示す図である。 一実施形態に係る流量調整板の一例を示す図であり、図3におけるX-X線断面図である。 (A)一実施形態に係る流量調整板とピンフィンの配置の一例を示す図であり、図3のY-Y線断面である。(B)、(C)、(D)は、(A)の変形例を示す図である。 本発明に係る流量調整板の変形例を示す図である。 従来の翼体の一例を示す図であり、(A)は翼高さ方向と直交する断面図を、(B)は(A)におけるS-S矢視した場合のフィルム冷却孔とインピンジメント孔の概略を示す図である。
以下、図1から図5を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るガスタービン1の概略構成を示す縦断面図である。
ガスタービン1は、図1に示すように、圧縮空気cを生成する圧縮機2と、圧縮機2から供給される圧縮空気cに燃料を供給して作動流体である燃焼ガスG1を生成する複数の燃焼器3と、一組一段となったタービン静翼(翼体)10及びタービン動翼6を四段有し、燃焼器3から供給される燃焼ガスG1により回転動力を発生させるタービン4とを備えている。
また、ガスタービン1には、軸線方向Dに延びるロータ7が、圧縮機2からタービン4まで一体的に取り付けられており、このロータ7は、一端が圧縮機2の上流側に設けられた軸受部7aによって軸線O回りであるタービン4の周方向Rに回転可能に支持されると共に、他端がタービン4の下流側に設けられた軸受部7bによってタービン4の周方向Rに回転可能に支持されている。以下、ロータ7の軸線方向Dにおいて圧縮機2側を前側とし、タービン4側を後側とする。
圧縮機2は、空気を取り込む空気取入口2aを前側に配設した圧縮機ケーシング2bと、この圧縮機ケーシング2b内に配設された複数の圧縮機静翼2c及び複数の圧縮機動翼2dとを備えている。圧縮機静翼2cは、それぞれ圧縮機ケーシング2bの内周面に固定されると共にロータ7側に向けて延設され、タービン4の周方向Rに互いに等しい間隔をあけて配列している。また、圧縮機動翼2dは、ロータ7の外周面に固定されると共に圧縮機ケーシング2bの内周面に向けて延設され、タービン4の周方向Rに互いに等しい間隔をあけて配列している。そして、これら圧縮機静翼2cと圧縮機動翼2dとは、軸線方向Dに沿って交互になるように多段に配置されている。
燃焼器3は、内部に図示しないバーナを有する内筒3aと、圧縮機2から供給される圧縮空気cを内筒3aに導く外筒3bと、内筒3aに燃料を供給する図示しない燃料噴射器と、内筒3aからの燃焼ガスG1をタービン4に導く尾筒3cとを備えている。複数の燃焼器3は、タービン4の周方向Rに配置されると共に、前端部が圧縮機ケーシング2bの後端部に連結された燃焼器ケーシング3dの内部に配設されている。
タービン4は、前端部が燃焼器ケーシング3dの後端部に連結されたタービンケーシング5と、タービンケーシング5内に軸方向に交互に四段に配設されたタービン静翼10及びタービン動翼6とを備えている。
各段のタービン静翼10は、周方向Rに環状に等しい間隔をあけて配列され、それぞれタービンケーシング5側に固定されると共にロータ7側に向けて放射状に複数延設されている。同様に、各段のタービン動翼6も、周方向Rに環状に等しい間隔をあけて配列され、ロータ7側に固定されると共にタービンケーシング5側に向けて放射状に延設されている。
このタービン4のタービンケーシング5の後端部には、後側に向けて開口した排気室8が連結されている。この排気室8には、タービン静翼10及びタービン動翼6を通過した燃焼ガスG1の動圧を静圧に変換する排気ディフューザ8aが備えられている。
以上のように構成されたガスタービン1においては、まず、圧縮機2の空気取入口2aから取り込まれた空気が、多段に配置された圧縮機静翼2c及び圧縮機動翼2dを通過して圧縮空気cが生成される。次いで、燃焼器3にて、前述したように圧縮空気cに燃料を供給して燃焼させることにより燃焼ガスG1が生成され、この燃焼ガスG1がタービン4に導かれる。そして、この燃焼ガスG1がタービン静翼10及びタービン動翼6が配列する範囲を燃焼ガス流路として通過することでロータ7が回転駆動される。そして、ロータ7を回転駆動した後の排気ガスは、排気室8の排気ディフューザ8aで静圧に変換された後、大気に放出される。
図2は、ガスタービン1の要部拡大断面図である。
ロータ7は、図2に示すように、その外周に第1段〜第4段のタービン動翼6A〜6Dを固定するロータディスク7A〜7Dを備えている。そして、この第1段のロータディスク7Aの上流側には、シールディスク11が同軸に接続されている。このシールディスク11には、上流側からの圧縮空気cの一部を、各タービン動翼6A〜6Dに向かって供給するために貫通したディスクホール11aが、その軸線を中心として互いに等角度間隔をおいて複数形成されている。
また、第1段のロータディスク7Aには、各ディスクホール11aを通って流れ込んできた圧縮空気cのうち一部を取り込んで、各タービン動翼6Aの内部に導くラジアルホール7A1が、互いに等角度間隔をおいて複数形成されている。さらに、ロータディスク7Aには、残りの圧縮空気cを第2段に向かって供給するためのディスクホール7A2が、互いに等角度間隔をおいて複数形成されている。
ロータディスク7Aと同様に、各ロータディスク7B,7Cのそれぞれにも、ラジアルホール7B1,7C1と、ディスクホール7B2,7C2がそれぞれ複数形成されている。ロータディスク7Dには、ラジアルホール7D1のみが複数形成されている。
また、タービンケーシング5には、各タービン静翼10に対応して圧縮空気流路12が形成されており、図示しない圧縮空気流路を経由して圧縮機2で圧縮した圧縮空気cの一部が送り込まれ、圧縮空気cを冷却空気Aとして各段のタービン静翼10のインサート30内部の流路31に向かって供給するようになっている。
なお、図2における符号Hは、タービン静翼10をタービンケーシング5の内周に径方向内周に向かって立設した場合のロータの径方向の高さを示しており、この方向を翼高さ方向という。
図3は、タービン静翼10の要部拡大断面図であり、図2におけるI−I断面を示す図である。
タービン静翼10は、図3に示すように、翼体本体20とインサート30と流量調整板40とを備えており、翼体本体20、インサート30、流量調整板40は、それぞれ翼高さ方向に延在している。
翼体本体20は、例えば、鋳造によって成形されており、翼高さ方向と直交する断面において、外面凹面状とされた腹側壁部21と、外面凸面状とされた背側壁部22とが、前縁部23aと後縁部23bにおいて接続され、内部に中空部24が形成された翼型とされている。
この実施の形態では、腹側壁部21及び背側壁部22の表面に、翼高さ方向、及び前縁部23aから後縁部23b側に向かう方向に間隔をあけて、中空部24から外部に連通するフィルム冷却孔26が複数形成されている。
また、後縁部23bには、中空部24から外部に連通する通気孔27が翼高さ方向に複数配列して形成されている。
中空部24は、翼体本体20内に翼高さ方向に延在して形成され、腹側壁部21と背側壁部22とを接続する2つの仕切板25により、3つのキャビティC1、C2、C3に区画されている。
インサート30は、翼高さ方向に延在して形成されるとともに、翼高さ方向と直交する断面が矩形形状または略三角形形状とされ、内部に冷却空気Aを流す流路31が形成されており、外表面には、流路31からインサート30の外部に連通するインピンジメント孔32が、翼高さ方向、及び前縁部23aから後縁部23b側に向かう方向に間隔をあけて複数形成されている。
また、インサート30は、中空部24に形成された3つのキャビティC1、C2、C3にそれぞれ1つずつ配置され、それぞれのインサート30は、インピンジメント孔32から腹側壁部21及び背側壁部22の内面に向けて噴射されて、腹側壁部21及び背側壁部22を冷却するとともに、フィルム冷却孔26及び後縁部23bの通気孔27から翼体本体20の外部、すなわち、タービンの主流流路に流出するようになっている。
通気孔27から流出する冷却空気Aは、後縁部冷却領域29を通過する際にピンフィン28を冷却し、その結果、翼体本体20の後縁部23bの近傍が冷却されるようになっている。
ピンフィン28は円柱状に形成され、例えば、図5(A)に示すように、翼高さ方向、及び前縁部23aから後縁部23b側に向かう方向に間隔をあけて、ピンフィン28の軸方向から見た場合に、千鳥配置となるように、後縁部23b近傍の翼体本体20において、腹側壁部21と背側壁部22とを接続されており、後縁部冷却領域29を通過する冷却空気Aにより冷却されるようになっている。
この実施形態において、後縁部冷却領域29とは、腹側壁部21の内面と背側壁部22の内面の間に形成され、前縁部23aから後縁部23b側に向かう方向における位置が、ピンフィン28が存在している範囲を示すものとする。
流量調整板40は、翼体本体20とは別々に形成され、最も後縁部23b側のキャビティC3に配置されたインサート30と後縁部冷却領域29の間に配置されて、後縁部冷却領域29に流れる冷却空気Aの流量を流量調整孔42によって調整するようになっている。
また、流量調整板40は、図4に示すように、板材41に円形の流量調整孔42が複数配列された構成とされており、流量調整孔42は、機械加工によって形成されている。このように、流量調整孔42を機械加工により形成することにより、鋳造により形成した場合と比較して、流量調整孔42を容易かつ効率的に適切な設定とすることができる。また、流量を調整するオリフィスとしての流量調整孔42の精度を高めることができるので、流量のバラつきに起因した冷却効率および温度分布のバラつきを抑制することができる。
また、流量調整板40は、翼体本体20に、例えば、放電加工により形成された取付溝Gに挿入され、翼体本体20と溶接することにより取付けられている。
この実施形態において、流量調整板40のそれぞれの流量調整孔42は、例えば、図5(A)に示すように、流量調整孔42に最も近い1列目の翼高さ方向の中心位置がピンフィン28の中心位置と同じ高さになるように機械加工されており、流量調整孔42の直径は、ピンフィン28の直径と同径とされている。なお、機械加工の中には、切削のほかにワイヤカットや放電加工も含むものとする。
また、翼体本体20の取付溝Gは、例えば、切削やワイヤカット、放電加工をはじめとする機械加工によって形成してもよいし、鋳造加工によって形成してもよく、翼体本体20への流量調整板40の取付けについては、溶接のほかロウ付け等によって行なってもよい。
また、流量調整孔42の翼高さ方向の位置が、例えば、図5(B)に示すように、1列目のピンフィン28に限らず、2列目のピンフィン28に衝突するように配置してもよいし、また、ピンフィン28の配列を千鳥配置から変形させて、例えば、3列目以降のピンフィン28に衝突させるように構成してもよい。
また、例えば、図5(A)、(B)に示すように、流量調整孔42の翼高さ方向の位置がいずれかのピンフィン28の中心と一致することに限られず、図5(C)、(D)に示すように、ピンフィン28の一部が流量調整孔42と重なるようにして冷却空気Aの少なくとも一部がピンフィン28の一部と衝突するように、流量調整孔42の翼高さ方向の位置を適宜ずらして設定してもよい。
次に、ガスタービン1の動作について、図を用いて説明する。
まず、図2に示すように、圧縮機2から抽気されて供給される圧縮空気cのうち一部が、回転するシールディスク11に向かって供給され、各ディスクホール11aを通り抜けてから第1段のロータディスク7Aへと供給され、そして、順次ディスクホール7A2〜7C2を経て、ロータディスク7B〜7Dのラジアルホール7B1〜7D1に到達する。次いで、各ラジアルホール7A1〜7D1に到達した圧縮空気cは、各タービン動翼6A〜6D内の冷却通路に翼根底面から流入して基端から先端に流れてタービン動翼6を冷却する。
一方、圧縮空気cの一部は、図示しない圧縮空気流路を経由して、圧縮空気流路12に送り込まれ、冷却空気Aとして各段のタービン静翼10のインサート30に向かって供給される。
タービン静翼10のインサート30に供給された圧縮空気cは、流路31を冷却空気Aとして流れて、インピンジメント孔32からそれぞれのキャビティC1、C2、C3内の腹側壁部21、背側壁部22の内面に向かって噴射され、翼体本体20の内面をインピンジメント冷却する。
次いで、この冷却空気Aが翼体本体20のフィルム冷却孔26から流出して翼体本体20の周囲に冷却空気Aによるフィルム層を形成して、タービン静翼10をフィルム冷却する。
また、インピンジメント孔32から噴射された冷却空気Aの一部は、流量調整板40を通じて後縁部冷却領域29に流入してピンフィン28を冷却し、後縁部23bの通気孔27から排出される。また、ピンフィン28が冷却されることで、翼体本体20の後縁部23b近傍が冷却される。
このとき、流量調整板40を通過する冷却空気Aは、適切に設定された流量調整孔42により、ピンフィン28を過冷却することなく適度に冷却しながら流れるような流量、流速に調整される。
タービン静翼10及びガスタービン1によれば、流量調整板40に機械加工により孔径や位置などを高精度に形成した適切な設定の流量調整孔42を通過させて流量を調整することにより、冷却空気Aの流量や流速、流域を適切に設定して少量の冷却空気Aによって効率的にピンフィン28を冷却することが容易になり、その結果、冷却空気Aとピンフィン28とが効率的に熱交換されるので、冷却空気Aの流量が過剰となることを抑制してガスタービン1の性能、効率を向上させることができる。
また、ピンフィン28の過冷却を抑制して翼体本体20の後縁部23b近傍の温度分布のバラつきを小さくすることができる。
また、タービン静翼10によれば、流量調整孔42の翼高さ方向位置が、ピンフィン28の翼高さ方向位置と同位置とされているので、冷却空気Aの噴流が流量調整孔42からピンフィン28に衝突することによるインピンジメント冷却によって、効率的に冷却空気Aとピンフィン28との熱交換を行うことができる。
また、タービン静翼10を構成する流量調整板40が、翼体本体20とは別に形成されているので、流量調整板40を翼体本体に取付けるまでに、流量調整板40に、所望の位置、大きさ、形状の流量調整孔を容易かつ効率的に加工することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、腹側壁部21と背側壁部22の双方にフィルム冷却孔26が形成されるとともに、それぞれのインサート30の腹側壁部21及び背側壁部22側の面にインピンジメント孔32が形成される場合について説明したが、腹側壁部21と背側壁部22のいずれにフィルム冷却孔26を設けるか、又インサート30のいずれの面にインピンジメント孔32を形成するかは任意に設定することができる。
また、上記実施の形態においては、本発明をタービン静翼10に適用する場合について説明したが、タービン動翼6に適用してもよい。
また、翼体本体20内に配置するインサート30の数、中空部24を区画するための仕切板25の数、フィルム冷却孔26、インピンジメント孔32の配列(ピッチ、数)についても任意に設定することができる。
また、上記実施の形態においては、タービン静翼10がガスタービンに用いられる場合について説明したが、ガスタービン以外のタービンやジェットエンジンに適用することも可能である。
また、上記実施の形態においては、流量調整板40に形成される流量調整孔42が円形である場合について説明したが、流量調整板40に代えて、図6に示すように、板材46に四角形に形成された複数の流量調整孔47を直線状に配置した形態とすることも可能であるし、そのほか、三角形のほか、四角形以外の多角形や他の形状の流量調整孔を設けた構成としてもよいし、一の流量調整板に複数の形状の流量調整孔を設定してもよい。また、インサート30と後縁部冷却領域29の間に複数の流量調整板を配置する構成としてもよい。
また、後縁部23b近傍における温度分布に応じて、流量調整孔42、47の大きさや形状、数、位置、ピッチなどを最適に調整することも可能である。
また、流量調整孔42の直径がピンフィン28の直径と同径の場合について説明したが、これに限定されることはなく、同径でなくても構わない。
また、円形のピンフィン28を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、円形以外の形状でもよいし、長円形状などのペデスタルと呼ばれる冷却部材をピンフィン28に含まれるものとして構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、流量調整孔42の翼高さ方向の位置がピンフィン28と同一、または重なっている場合について説明したが、一部又は全部の流量調整孔の翼高さ方向の位置がピンフィン28の翼高さ方向において同一の位置とされず、また重なりがない、すなわち、ピンフィン28が流量調整孔から隠れた位置に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態においては、圧縮空気cを冷却空気Aとして用いる場合について説明したが、この圧縮空気cを冷却する機構を設けて、圧縮空気cを冷却してからタービン静翼10に供給する構成としてもよいし、圧縮機2に代えて外部から冷却空気を供給する構成にしてもよい。
この発明に係る翼体及びガスタービンによれば、ピンフィンの過冷却及び翼体の後縁部近傍における温度分布のバラつきを抑制し、ガスタービンの性能、効率を向上することができるので産業上利用可能である。
A 冷却空気
c 圧縮空気
H 翼高さ
1 ガスタービン
6 タービン動翼
10 タービン静翼(翼体)
20 翼体本体
21 腹側壁部
22 背側壁部
23a 前縁部
23b 後縁部
24 中空部
24a、24b 冷却空間
26 フィルム冷却孔
27 通気孔
28 ピンフィン
29 後縁部冷却領域
30 インサート
31 流路
32 インピンジメント孔
40、45 流量調整板
42、47 流量調整孔

Claims (5)

  1. 翼高さ方向に延在するとともに、前記翼高さ方向と直交する断面において外面凹面状とされた腹側壁部と外面凸面状とされた背側壁部とが前縁部と後縁部で接続されるとともに内部に中空部が形成された翼型とされ、前記後縁部近傍に外部に連通する通気孔が形成された翼体本体と、前記中空部に、前記腹側壁部の内面及び前記背側壁部の内面との間に冷却空間をあけて配置され、内部の流路から前記腹側壁部の内面及び前記背側壁部の内面の少なくともいずれかに向けて冷却空気を噴射する複数のインピンジメント孔が形成されたインサートとを備え、前記中空部の後縁部近傍において前記腹側壁部と前記背側壁部とを接続するピンフィンが、前記後縁部近傍に形成された後縁部冷却領域にて前記インピンジメント孔から噴射された冷却空気によって冷却される翼体であって、
    前記インサートと、前記後縁部冷却領域との間には、前記インピンジメント孔から噴射された冷却空気の流量を調整する流量調整板が前記インサートと間を空けて設けられ、
    前記流量調整板は、前記翼体本体とは別に形成され、前記翼体本体に高さ方向に伸びて形成された取付溝に挿入されるとともに前記冷却空気の流量を調整する複数の流量調整孔が機械加工により形成され、前記翼体本体に取付けられていることを特徴とする翼体。
  2. 請求項1に記載の翼体であって、
    前記流量調整孔の前記翼高さ方向位置は、前記ピンフィンの前記翼高さ方向位置と重なるように形成されていることを特徴とする翼体。
  3. 請求項2に記載の翼体であって、
    前記流量調整孔の前記翼高さ方向位置は、前記ピンフィンの前記翼高さ方向位置と同位置に形成されていることを特徴とする翼体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の翼体であって、
    前記ピンフィンは、
    前記ピンフィンの軸方向から見た場合に、千鳥配置されていることを特徴とする翼体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の翼体を備えることを特徴とするガスタービン。
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