JP2012246611A - 隅棟用カット瓦 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来の敷施現場でカット瓦の寸法を測定し、その寸法に合わせて地上や屋根上で平形原形瓦を必要寸法に合わせてカットすることは、多くの時間を要し、作業効率は決して良いものでは無かった。また、廃材が多いとその処分にも多大な費用が発生していた。
【解決手段】
前記のような課題を解決するために事前に敷設現場の屋根寸法を測定するか、コンプータで計算する等により、工場等で敷設現場の屋根寸法に合わせて、一つの平部屋根面を構成する右下り隅棟と左下り隅棟の全カット瓦形状を算出し、廃材が少なくなるように一枚の平形原形瓦上に左右の隅棟部のカット瓦を適切に組み合わせ、左右夫々の1枚の隅棟部のカット瓦を切り出すようにした。カット形状はY字形状、V字形状、逆ハの字形状、小文字y字形状、またはX字形状の何れかとしている。
【選択図】 図1
Description
(注1)ここで言う原形とは、瓦製造工場で規定の寸法に加工され、その状態で屋根の敷設現場で屋根の平部に使用される形状を言う。
敷施現場で各段のカット瓦用の寸法を測定し、その寸法に合わせて地上や屋根上で平形原形瓦を必要寸法に合わせてカットすることは、多くの時間を要し、作業効率は決して良いものでは無かった。また、廃材が多いとその処分にも多大な費用が発生し、如何に作業効率を上げるか、如何に廃材を少なくするかと言う事が大きな課題であった。
Y字の下端縁に垂直な一辺の寸法は、隅棟部の雨仕舞の関係で30mm程度までは許容できる。このため、左右隅棟用のカット瓦の先端を尖らせた状態で組み合わせるよりも、廃材を少なく出来る。また、雨垂れがY字の下端縁に垂直な所で落下するため、隅棟部での雨仕舞が良好になる。
このX字カットは主として棟包仕様に適用され、X字カットラインの下端縁との交点間寸法は100mm程度まで許容できるため、廃材も少なくなる。
基準定規に屋根の各段に先に葺かれる原形寸法の瓦群の側端縁の位置と隅棟間の寸法を基準定規と傾斜定規の成す角度の先端を基準にマーキングすると共に段数を示した数字を付し、
屋根の全ての段に対してマーキングと段数を示した数字を付した後、
隅瓦となる平形原形瓦の側端縁に前記マーキングを合わせて平形原形瓦の表面に傾斜定規に沿ったカットラインを付し、
次に傾斜定規を裏返した方向になるように基準定規を前記平形原形瓦の下端縁に沿わせ、傾斜定規が前記カットラインの下端縁と接する位置に設定し、
前記カットラインと傾斜定規が交差する方向に定規を動かし、平形原形瓦の側端縁とこの側端縁に最も近い基準定規に付されたマーキングを合わせ、交差点と瓦の下端縁間の寸法が許容寸法以内であれば傾斜定規に沿ったカットラインを付し、
許容交差寸法を超えた場合は基準定規を反対方向に動かし、最初に平形原形瓦の側端縁に
出会うマーキングを平形原形瓦の側端縁に合わせて傾斜定規に沿ったカットラインを付し、
1枚の平形原形瓦から右下り隅棟用のカット瓦と左下り隅棟用のカット瓦の各1枚を組み合わせて切り出すようにした平形原形瓦からカット瓦を切り出すようにしたものである。このため、前記定規を用いることにより、廃材が少なくなる左右隅棟瓦の組み合わせを容易に選定でき、作業効率が上がり廃材も少なく出来る。
定規は、特許公報4431762に記載している各種定規が使用でき、基準定規のマーキング位置は敷設現場で実測しても良いし、コンピュータで計算してもよい。
このため、敷設現場の屋根に原形寸法の瓦群が葺かれていなくてもマーキングと段数を付した定規を製作でき、また、敷設現場で屋根の各段に先に葺かれる原形寸法の瓦群の側端縁の位置と隅棟間の寸法を基準定規と傾斜定規の成す角度の先端を基準にマーキングすると共に段数を示した数字を付す作業もなく、定規を製作できる。そして、この定規を用いることにより、廃材が少なくなる左右隅棟瓦の組み合わせを容易に選定でき、作業効率が上がり廃材も少なく出来る。定規は、特許公報4431762に記載している各種定規が使用できる。
不要部分はカット加工をした後廃却処分する。
図3は正面平部屋根51の平形スレート原形瓦60や右下り隅棟55部分のカット瓦葺き図の1例を示す。図(3a)は平形スレート原形瓦60の積重ね図を、図(3b)は正面平部屋根51の段数を、図(3c)は平形スレート原形瓦60とカット瓦の配列を示している。図(3c)の白い四角形は平形スレート原形瓦を、灰色に塗りつぶされている箇所はカット瓦を示している。
住宅屋根用化粧スレートがJIS A 5423に規定されており、平形スレート原形瓦60の寸法の一例を示すと、幅910mm、長さ414mm、厚さ6mm、働き部63は幅910mm、長さ182mmである。
例えば、最上部左端の図は、右下り隅棟55の1段目のカット瓦1Rと左下り隅棟56の6段目のカット瓦6Lを1枚の平形スレート原形瓦60から切り出すカット図である。灰色に塗りつぶした部分は、廃材となる部分を示す。以下、他の図も同様な意味合いを持たせて記号を付し、また、塗りつぶしをしてある。数字は葺き瓦の段数を、Rは右下り隅棟用の瓦を、Lは左下り隅棟用の瓦を、灰色に塗りつぶした部分は廃材となる部分を意味する。
隅棟部の角度は、瓦敷設現場で定規により合わせ込んで設定できる。また、軒寸法、軒か
ら頂部棟までの寸法、頂部棟幅寸法等を用いても隅棟部の角度を計算できる。今回の例では0.82ラジアンとなる。
次に、各段の下端縁寸法と平形スレート原形瓦の幅より、各段に敷設する中間平形スレート原形瓦の枚数を計算する。前記屋根寸法の場合、一段目の平形スレート原形瓦の枚数は右半分に3枚、左半分に3枚の合計6枚となる。
各段の下端縁寸法、平形スレート原形瓦の枚数より、各段のカット瓦の下端縁寸法が計算できる。カット瓦の下端縁寸法が決まれば斜めに切断する角度は隅棟部の角度と同一であるので、各段のカット瓦の寸法諸元は決定する。
基準定規82の表、裏面の両面に記載しても良いが、基準定規82を透明部材で製作すると片面に記載したマーキング、数字を反対面から見ることが出来るので便利である。
前記カットライン83と傾斜定規91が交差する方向に定規を動かし、平形スレート原形瓦60の側端縁とこの側端縁に最も近い基準定規92に付されたマーキングを合わせ、交差点と瓦の下端縁間の寸法が許容寸法以内であれば傾斜定規91に沿ったカットラインを付し、
許容寸法を超えた場合は基準定規92を反対方向に動かし、最初に平形スレート原形瓦60の側端縁に出会うマーキングを平形スレート原形瓦60の側端縁に合わせて傾斜定規91に沿ったカットラインを付す。
カットラインが交差している場合は、更に、交点から平形スレート原形瓦60の下端縁に向かって垂直にカットラインを付す。
Y字形状のカットラインで右隅棟部用のカット瓦1R、左隅棟部用のカット瓦6L、廃材70に分けられる。θは軒と隅棟になす角度と同一である。
V字形状のカットラインで右隅棟部用のカット瓦101R、左隅棟部用のカット瓦106L、廃材170に分けられる。θは軒と隅棟になす角度と同一である。
逆ハの字形状のカットラインで右隅棟部用のカット瓦201R、左隅棟部用のカット瓦206L、廃材270に分けられる。θは軒と隅棟になす角度と同一である。
y字形状のカットラインで右隅棟部用のカット瓦301R、左隅棟部用のカット瓦306L、廃材370に分けられる。θは軒と隅棟になす角度と同一である。
X字形状のカットラインで右隅棟部用のカット瓦401R、左隅棟部用のカット瓦406L、廃材470、471に分けられる。θは軒と隅棟になす角度と同一である。
2R(2L) 右下り棟2段目のカット瓦(左下り棟2段目のカット瓦)
3R(3L) 右下り棟3段目のカット瓦(左下り棟3段目のカット瓦)
4R(4L) 右下り棟4段目のカット瓦(左下り棟4段目のカット瓦)
5R(5L) 右下り棟5段目のカット瓦(左下り棟5段目のカット瓦)
6R(6L) 右下り棟6段目のカット瓦(左下り棟6段目のカット瓦)
7R(7L) 右下り棟7段目のカット瓦(左下り棟7段目のカット瓦)
8R(8L) 右下り棟8段目のカット瓦(左下り棟8段目のカット瓦)
9R(9L) 右下り棟9段目のカット瓦(左下り棟9段目のカット瓦)
9RS(9LS)右下り棟9段目のカット瓦(左下り棟9段目のカット瓦)
9R(9L)の隅棟側に配置される小片
10R(10L) 右下り棟10段目のカット瓦(左下り棟10段目のカット瓦)
11R(11L) 右下り棟11段目のカット瓦(左下り棟11段目のカット瓦)
12R(12L) 右下り棟12段目のカット瓦(左下り棟12段目のカット瓦)
12RS(12LS) 右下り棟12段目のカット瓦(左下り棟12段目のカット瓦)
12R(12L)の隅棟側に配置される小片
13R(13L) 右下り棟13段目のカット瓦(左下り棟13段目のカット瓦)
14R(14L) 右下り棟14段目のカット瓦(左下り棟14段目のカット瓦)
15R(15L) 右下り棟15段目のカット瓦(左下り棟15段目のカット瓦)
15RS(15LS) 右下り棟15段目のカット瓦(左下り棟15段目のカット瓦)
15R(15L)の隅棟側に配置される小片
16R(16L) 右下り棟16段目のカット瓦(左下り棟16段目のカット瓦)
17R(17L) 右下り棟17段目のカット瓦(左下り棟17段目のカット瓦)
18R(18L) 右下り棟18段目のカット瓦(左下り棟18段目のカット瓦)
19R(19L) 右下り棟19段目のカット瓦(左下り棟19段目のカット瓦)
20R(20L) 右下り棟20段目のカット瓦(左下り棟20段目のカット瓦)
50 寄棟屋根
51 正面平部屋根
52 左側面平部屋根
53 裏面平部屋根
54 右側面平部屋根
55 正面平部屋根の右下り隅棟
56 正面平部屋根の左下り隅棟
57 軒部
58 正面平部屋根の右下り隅棟中心線
60 平形スレート原形瓦
61 下端縁
62 左側端縁
63 働き部
64 重なり部
65 中間平形スレート原形瓦
80 定規
81 傾斜定規
82 基準定規
83 カットライン
90 定規
91 傾斜定規
92 基準定規
101R 右隅棟用カット瓦
106L 左隅棟用カット瓦
170 廃材
201R 右隅棟用カット瓦
206L 左隅棟用カット瓦
270 廃材
301R 右隅棟用カット瓦
306L 左隅棟用カット瓦
370 廃材
401R 右隅棟用カット瓦
406L 左隅棟用カット瓦
470 廃材
471 廃材
Claims (8)
- 平形瓦からなる寄棟屋根の隅棟部を構成するカット瓦において、1枚の平形原形瓦から寄棟屋根1面の右下り隅棟用のカット瓦と左下り隅棟用のカット瓦の各1枚を、それぞれの瓦の下端縁が一直線上になるように組み合わせて切り出すようにした平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。
- 平形原形瓦のカットラインがY字形状で、その1辺が下端縁に垂直である請求項1記載の平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。
- 平形原形瓦のカットラインがV字形状である請求項1記載の平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。
- 平形原形瓦のカットラインが逆ハの字形状である請求項1記載の平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。
- 平形原形瓦のカットラインが小文字のy字形状、または反転y字形状である請求項1記載の平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。
- 平形原形瓦のカットラインがX字形状である請求項1記載の平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。
- 瓦の下端縁に沿って配置できる基準定規とこの基準定規に対して屋根の軒と隅棟とがなす所定の角度に設定した傾斜定規とを備えた定規において、
基準定規を屋根の各段に先に葺かれた平形原形瓦の下端縁に、かつ、傾斜定規を隅棟中心線にそれぞれ当てがい、先に葺かれた平形原形瓦の隅棟側の側端縁の位置を基準定規にマーキングすると共に段数を示した数字を付し、
屋根の全ての段に対してマーキングと段数を示した数字を付した後、
隅瓦となる平形原形瓦の側端縁に前記マーキングを合わせて平形原形瓦の表面に傾斜定規に沿ったカットラインを付し、
次に傾斜定規を裏返した方向になるように基準定規を前記平形原形瓦の下端縁に沿わせ、傾斜定規が前記カットラインの下端縁と接する位置に設定し、
前記カットラインと傾斜定規が交差する方向に定規を動かし、平形原形瓦の側端縁とこの側端縁に最も近い基準定規に付されたマーキングを合わせ、交差点と瓦の下端縁間の寸法が許容寸法以内であれば傾斜定規に沿ったカットラインを付し、
許容交差寸法を超えた場合は基準定規を前記と反対方向に動かし、最初に平形原形瓦の側端縁に出会うマーキングを平形原形瓦の側端縁に合わせて傾斜定規に沿ったカットラインを付し、
1枚の平形原形瓦から右下り隅棟用のカット瓦と左下り隅棟用のカット瓦の各1枚を組み合わせて切り出すようにした平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。 - 屋根の軒と隅棟とがなす角度と、屋根の各段に先に葺かれる原形寸法の瓦群の側端縁の位置と隅棟間の寸法を、施工する屋根の形状、大きさ、勾配、使用する瓦の形状、大きさの少なくともいずれかに基づいてコンピュータで計算し、前記計算角度で基準定規と傾斜定規の角度を設定し、前記計算寸法を適用したマーキングと段数を示す数字を基準定規に付した定規を使用する請求項7記載の平形原形瓦から隅棟用カット瓦を切り出す方法。
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JP2015045206A (ja) * | 2013-08-29 | 2015-03-12 | 近畿セラミックス株式会社 | 谷瓦 |
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