JP2012242644A - 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 - Google Patents
赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012242644A JP2012242644A JP2011113261A JP2011113261A JP2012242644A JP 2012242644 A JP2012242644 A JP 2012242644A JP 2011113261 A JP2011113261 A JP 2011113261A JP 2011113261 A JP2011113261 A JP 2011113261A JP 2012242644 A JP2012242644 A JP 2012242644A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractive index
- index layer
- infrared shielding
- shielding film
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】基材上に、第一の金属酸化物粒子および第一のバインダーを含有する低屈折率層と、該低屈折率層に隣接した位置に、第二の金属酸化物粒子および第二のバインダーを含有し、該低屈折率層より屈折率が0.1以上高い高屈折率層を有するユニットを少なくとも1ユニット有し、該低屈折率層及び該高屈折率層の少なくとも1層が、pH粘度依存性を有するコポリマーを含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
【選択図】なし
Description
はじめに、本発明の赤外線遮蔽フィルムの各構成要素の詳細について説明する。
本発明に係るpH粘度依存性であるコポリマーとは、pHの変化に対し粘度変動を生じるコポリマーであれば特に制限はないが、重合成分としてビニルアミドを有する単量体とビニルカルボン酸を有する単量体とから構成されるコポリマーであることが特に好ましい。
本発明に係る低屈折率層に用いられる第一の金属酸化物粒子としては、特に制限はないが、二酸化ケイ素を用いることが好ましく、更には酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明に係る高屈折率層に用いられる第二の金属酸化物粒子としては、特に制限はないが、屈折率が2.0以上で、体積平均粒径が100nm以下の金属酸化物粒子を好適に用いることができる。そのような金属酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン等を挙げることができるが、特に、ルチル型酸化チタンの粒子を用いることが好ましい。
本発明においては、上記高屈折率層塗布液を調製する際、体積平均粒径が100nm以下のルチル型の酸化チタンを添加、分散して調製した水系の高屈折率層塗布液を用いて、高屈折率層を形成することが好ましい。
一般的に、酸化チタン微粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で、表面処理が施された状態で使用されることが多く、例えば、二酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆い、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものなどが知られているが、本発明においては、このような表面処理を施さないルチル型酸化チタンを用いることが好ましい。
本発明に係る低屈折率層に用いられる第一のバインダー材料としては、金属酸化物粒子を含有した低屈折率層塗布液を用い、塗膜として形成することができればどのような種類のものでも構わないが、環境の問題や塗膜の柔軟性を考慮すると、25℃の水に5質量%以上溶解する水溶性高分子、特に、ゼラチン、コラーゲンペプチド、ポリビニルアルコール、セルロース類、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマー(樹脂)が好ましい。これらの水溶性高分子は単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明に適用可能なゼラチン、コラーゲンペプチド以外の水溶性高分子としては、反応性官能基を有するポリマー類が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
本発明においては、本発明に係る低屈折率層または高屈折率層が、更にエマルジョン樹脂を含有することが好ましい。
本発明に係る低屈折率層、高屈折率層には、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。本発明に係る低屈折率層と高屈折率層に適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明の赤外線遮蔽フィルムに適用する基材としては、フィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、基材上に、低屈折率層と低屈折率層に隣接する高屈折率層から構成されるユニットを少なくとも1つ積層し、隣接する低屈折率層と高屈折率層との屈折率差が0.1以上であることを特徴の一つとする。
本発明の赤外線遮蔽フィルムの製造方法では、基材上に低屈折率層と低屈折率層に隣接した高屈折率層から構成されるユニットを積層して形成されるが、具体的には低屈折率層と高屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。
低屈折率層塗布液の調製方法としては、所望の塗布液を調製することができれば、特に制限はないが、35〜60℃程度に温められた第一の金属酸化物粒子の分散液を攪拌した状態で、45℃程度に調温した第一のバインダー樹脂溶液を該金属酸化物粒子分散液の微粒子が凝集しないように徐々に添加混合し、十分に均一な状態とした後、界面活性剤等のその他の添加剤を添加し、最後に所望の濃度になるように、45℃程度に温めた純水を添加することが好ましい。
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、赤外線遮蔽体として用いることを特徴とする。例えば、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルムを貼合した遮蔽体、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる赤外線遮蔽体などがある。
《pH粘度依存性を有するコポリマーの合成》
下記の方法に従って、重合成分としてビニルアミドを有する単量体とビニルカルボン酸を有する単量体とからなるpH粘度依存性を有するコポリマーVP−1〜VP−10を合成した。
架橋剤としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル(PETE)、重合開始剤1としてルベロックス11(t−ブチル−パーオキシピパレート、アルケマ吉富社製)を用い、ビニルアミド成分としてN−ビニルカプロラクタム(VCL)、ビニルカルボン酸成分としてアクリル酸(AA)から構成されるコポリマーを、特許公表第2008−516950号公報に記載の実施例1〜15の方法に従って重合し、VCL/AA/PETEの質量比が50:50:1.5で、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル(PETE)で架橋されたN−ビニルカプロラクタム(VCL)とアクリル酸(AA)が共重合したコポリマーPV−1を合成した。
上記コポリマーVP−1の合成において、ビニルアミド成分の種類と構成比率(質量比)、ビニルカルボン酸成分の種類と構成比率(質量比)、架橋剤の種類と構成比率(質量比)、重合開始剤の種類を、表1に記載の組み合わせ、質量比に変更した以外は同様にして、コポリマーVP−2〜VP−10を合成した。
VCL:N−ビニルカプロラクタム
VP:N−ビニルピロリドン
〈ビニルカルボン酸成分〉
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
〈架橋剤〉
PETE:ペンタエリスリトールトリアリルエーテル
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
〈重合開始剤〉
重合開始剤1:ルベロックス11(t−ブチル−パーオキシピパレート、アルケマ吉富社製)
重合開始剤2:ルベロックス10(t−ブチル−パーオキシネオデカノエート、アルケマ吉富社製)
《塗布液の調製》
〔低屈折率層用塗布液の調製〕
(低屈折率層用塗布液1の調製)
10質量%コロイダルシリカ215gに、45℃の5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液330gと1.0質量%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)127gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%のニッサンカチオン2−DB−500E(カチオン性界面活性剤、ジデシルジメチル−アンモニウムクロライド、日油株式会社製)を2.66g添加し、45℃の純水で650mlに仕上げて、低屈折率層用塗布液1を調製した。
上記低屈折率層用塗布液1の調製において、5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液と1.0質量%のヒドロキシエチルセルロースに代えて、5.0質量%のポリビニルアルコール水溶液(PVA203とPVA217の1:1混合液)を355g用いた以外は同様にして、低屈折率層用塗布液2を調製した。
PVA217:クラレポバール217、ポリビニルアルコール、重合度:1700、クラレ社製
(低屈折率層用塗布液3〜17の調製)
上記低屈折率層用塗布液2の調製において、本発明に係るpH粘度依存性を有するコポリマーを、表2に記載の条件で添加した以外は同様にして、低屈折率層用塗布液3〜17を調製した。なお、各添加剤の添加量に応じて純水の量を適宜調整し、塗布液総量は、低屈折率層用塗布液2と同量になるように調整した。表2に記載のpH粘度依存性を有するコポリマーの添加量は、バインダーであるポリビニルアルコールに対する質量%で表示した。
(高屈折率層用塗布液1の調製)
20.0質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子)の15.2gに、5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液225gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで、界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(前出、日油株式会社製)を0.43g添加し、純水で450mlに仕上げて、高屈折率層用塗布液1を調製した。
上記高屈折率層塗布液1の調製において、酸処理ゼラチン水溶液に代えて、同固形分量のポリビニルアルコールとコラーゲンペプチドの混合物(PVA217とコラーゲンペプチドの1:2.5混合物)を用いた以外は同様にして、高屈折率層用塗布液2を調製した。
上記高屈折率層塗布液2の調製において、ポリビニルアルコールとコラーゲンペプチドの混合物の全固形分量に対し、5.0質量%となるようにタマリンドシードガムを水溶液で添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液3を調製した。
上記高屈折率層用塗布液2の調製において、本発明に係るpH粘度依存性を有するコポリマーの種類、その他の添加剤(増粘多糖類)を、表3に記載の条件で添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液4〜20を調製した。なお、各添加剤の添加量に応じて純水の量を適宜調整し、塗布液総量は、高屈折率層用塗布液2と同量になるように調整した。表3に記載のpH粘度依存性を有するコポリマーの添加量は、バインダーであるポリビニルアルコールに対する質量%で表示した。
〔赤外線遮蔽フィルム1の作製〕
16層重層塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、上記調製した低屈折率層用塗布液1と高屈折率層用塗布液1とを45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300:両面易接着層)上に、それぞれ交互に8層ずつ、乾燥時の膜厚が低屈折率層の各層が180nm、高屈折率層の各層が130nmとなるように計16層を毎秒100mの速度で同時重層塗布を行った。塗布直後、5℃の冷風を吹き付けてセットさせた。このとき、表面を指でふれても指に何もつかなくなるまでの時間(セット時間)は5分だった。セット完了後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、赤外線遮蔽フィルム1を作製した。
上記赤外線遮蔽フィルム1の作製において、低屈折率層用塗布液1と高屈折率層用塗布液1に代えて、表4に記載のようにそれぞれ低屈折率層塗布液2〜17と、高屈折率層塗布液2〜20を用いた以外は同様にして、赤外線遮蔽フィルム2〜20を作製した。
上記作製した各赤外線遮蔽フィルムについて、下記の各性能評価及び特性値の測定を行った。
各赤外線遮蔽フィルムの作製において、塗布時のスライドホッパー面上の塗布液性状及び塗布後の各試料の膜面の状態を目視で観察し、下記の基準に従って塗布均一性の評価を行った。
△:スライドホッパー面を流下する塗布液で、やや液の乱れが認められるが、得られた赤外線遮蔽フィルム表面はほぼ均質であり、実用上許容される品質である
×:スライドホッパー面を流下する塗布液面上で液の強い乱れが認められ、かつ形成した赤外線遮蔽フィルム表面も不均一であり、実用上問題となる品質である
〔層間分離性の評価〕
上記作製した各赤外線遮蔽フィルムの断面を、エネルギー分散型蛍光X線分析装置により元素測定し、SiとTiの存在分布を観察し、下記の基準に従って、塗布時の層間分離性の評価を行った。
△:低屈折率層と高屈折率層間で、SiとTiの存在分布に弱い乱れは認められるが、全体的にはほぼ良好な層間特性である
×:低屈折率層と高屈折率層間でSiとTiの分布で強い乱れが認められ、層間分離性に乏しい
〔低屈折率層及び高屈折率層の屈折率測定〕
上記各低屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液を、基材上にそれぞれ赤外線遮蔽フィルムの作製と同一条件で単層塗布し、測定用のサンプルを作製し、下記の方法に従って各高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を求めた。
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各赤外線遮蔽フィルムの300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は、550nmにおける透過率の値を用い、これを可視光透過性の指標とした。また、赤外線透過率は1200nmにおける透過率の値を測定し、この値を赤外線反射性の指標として評価した。赤外線透過率が低いほど、赤外線反射性が高いことを示す。
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所製、U−4000型)により、550nmにおける透過率及び1200nmにおける透過率の測定を、各点が1mm離れた20の点について行い、得られた透過率の変動係数(標準偏差/平均値、%)を求め、これをばらつきの尺度とした。変動係数が大きいほど、位置による性能ばらつきが大きいことを示しており、5.0%を超える場合は製品品質として問題がある領域と判定した。
《赤外線遮蔽体の作製》
実施例1にて作製した赤外線遮蔽フィルム1〜20を用いて、接着剤を介してガラス基材上に貼合せて、赤外線遮蔽体1〜20を作製した。
上記作製した赤外線遮蔽体を窓ガラスとして装着し、外光に対する赤外遮断性を評価した結果、本発明の赤外線遮蔽体4〜20は、比較例に対し、可視光は十分に透過し、赤外光を遮断する効果が大きく、省エネルギー性の高い窓ガラスであることを確認することができた。
Claims (10)
- 基材上に、第一の金属酸化物粒子および第一のバインダーを含有する低屈折率層と、該低屈折率層に隣接した位置に、第二の金属酸化物粒子および第二のバインダーを含有し、該低屈折率層より屈折率が0.1以上高い高屈折率層を有するユニットを少なくとも1ユニット有し、該低屈折率層及び該高屈折率層の少なくとも1層が、pH粘度依存性を有するコポリマーを含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
- 前記pH依存性を有するコポリマーが、重合成分として、少なくともビニルアミドを有する単量体とビニルカルボン酸を有する単量体とから構成されるコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 前記ビニルアミドが、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の単量体であることを特徴とする請求項2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 前記ビニルアミドが、ビニルピロリドンであることを特徴とする請求項3に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 前記ビニルカルボン酸が、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の単量体であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 前記ビニルカルボン酸が、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項5に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 前記pH粘度依存性を有するコポリマーが、少なくとも2つの重合可能なフリーラジカル基を分子中に有する架橋剤を用いて重合されたコポリマーであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 前記架橋剤が、ペンタエリスルトールトリアリルエーテル、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスルトールテトラアクリレート及びメチレンビスアクリルアミドから選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項7に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 前記pH粘度依存性を有するコポリマーの含有量が、該コポリマーを含有する層の全バインダー量に対し、0.2質量%以上、4.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルムを具備することを特徴とする赤外線遮蔽体。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011113261A JP5724621B2 (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 |
CN201280024554.4A CN103562756B (zh) | 2011-05-20 | 2012-05-17 | 红外屏蔽膜 |
PCT/JP2012/062697 WO2012161096A1 (ja) | 2011-05-20 | 2012-05-17 | 赤外遮蔽フィルム |
US14/118,722 US9435923B2 (en) | 2011-05-20 | 2012-05-17 | Infrared shielding film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011113261A JP5724621B2 (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012242644A true JP2012242644A (ja) | 2012-12-10 |
JP5724621B2 JP5724621B2 (ja) | 2015-05-27 |
Family
ID=47464410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011113261A Expired - Fee Related JP5724621B2 (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5724621B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102013221950A1 (de) | 2012-11-02 | 2014-05-08 | Nuflare Technology, Inc. | Mehrfach-Ladungsträgerteilchenstrahl-Schreibverfahren und Mehrfach-Ladungsträgerteilchenstrahl-Schreibvorrichtung |
WO2015053345A1 (ja) * | 2013-10-08 | 2015-04-16 | ダイキン工業株式会社 | 透明圧電パネル |
JPWO2015053346A1 (ja) * | 2013-10-08 | 2017-03-09 | ダイキン工業株式会社 | 圧電フィルム |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009086659A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | 熱線遮蔽膜及びその積層体 |
JP2009544491A (ja) * | 2006-07-28 | 2009-12-17 | イルフォード イメージング スウィツアランド ゲーエムベーハー | 光学用途用柔軟材料 |
-
2011
- 2011-05-20 JP JP2011113261A patent/JP5724621B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009544491A (ja) * | 2006-07-28 | 2009-12-17 | イルフォード イメージング スウィツアランド ゲーエムベーハー | 光学用途用柔軟材料 |
JP2009086659A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | 熱線遮蔽膜及びその積層体 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102013221950A1 (de) | 2012-11-02 | 2014-05-08 | Nuflare Technology, Inc. | Mehrfach-Ladungsträgerteilchenstrahl-Schreibverfahren und Mehrfach-Ladungsträgerteilchenstrahl-Schreibvorrichtung |
WO2015053345A1 (ja) * | 2013-10-08 | 2015-04-16 | ダイキン工業株式会社 | 透明圧電パネル |
JPWO2015053345A1 (ja) * | 2013-10-08 | 2017-03-09 | ダイキン工業株式会社 | 透明圧電パネル |
JPWO2015053346A1 (ja) * | 2013-10-08 | 2017-03-09 | ダイキン工業株式会社 | 圧電フィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5724621B2 (ja) | 2015-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6201756B2 (ja) | 赤外遮蔽フィルム | |
JP5821851B2 (ja) | 近赤外反射フィルム、近赤外反射フィルムの製造方法及び近赤外反射体 | |
JP5720685B2 (ja) | 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体 | |
JP5939257B2 (ja) | 近赤外遮蔽フィルムおよび近赤外遮蔽体 | |
JP5854039B2 (ja) | 熱線反射フィルム、その製造方法、及び熱線反射体 | |
JP6099236B2 (ja) | 反射防止膜 | |
JP5910497B2 (ja) | 近赤外反射フィルムの製造方法及びそれを設けた近赤外反射体 | |
WO2014069507A1 (ja) | 光学反射フィルム、赤外遮蔽フィルムおよびその製造方法 | |
JP2013083722A (ja) | 光反射フィルム、光反射フィルムの製造方法、およびそれを用いた光反射体 | |
WO2012077477A1 (ja) | 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体 | |
JPWO2013077274A1 (ja) | 赤外遮蔽フィルム | |
JP5853431B2 (ja) | 赤外遮蔽フィルムの製造方法 | |
WO2014171494A1 (ja) | 光学反射フィルム、その製造方法およびそれを用いる光学反射体 | |
JP5724621B2 (ja) | 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 | |
JP2012071446A (ja) | 近赤外反射フィルム及び近赤外反射体 | |
JP5664418B2 (ja) | 赤外線遮蔽フィルムおよび赤外線遮蔽体 | |
JP5724620B2 (ja) | 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 | |
JP2013044916A (ja) | 光学反射フィルム、光学反射フィルムの製造方法、およびそれを用いた光学反射体 | |
JP5703855B2 (ja) | 近赤外反射フィルム、近赤外反射フィルムの製造方法及び近赤外反射体 | |
JP5811626B2 (ja) | 光学反射フィルム及びそれを用いた光学反射体 | |
JP5609536B2 (ja) | 近赤外反射フィルム及び近赤外反射体 | |
JP2013080178A (ja) | 光遮蔽フィルムおよびそれを用いた赤外遮蔽体 | |
JP5630289B2 (ja) | 近赤外反射フィルム、その製造方法及び近赤外反射体 | |
JP2012168357A (ja) | 水性コロイド溶液、水性コロイド溶液の製造方法、赤外線反射フィルムの製造方法、赤外線反射フィルムおよび赤外線反射体 | |
JP2013041201A (ja) | 近赤外反射フィルム及びそれを用いた近赤外反射体、近赤外反射フィルムの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20121101 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20130415 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140307 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20140717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150216 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150303 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150316 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5724621 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |